SIer志望ランキング投票分析レポート

上位選択肢の特徴

1位: NRI

社格とスキル獲得の両立が評価されている。コメントからは「社格とスキルが身につきそうなところ」という、企業のブランド価値と実務的なキャリア形成の両方を重視する投票者層が読み取れる。日系SIerの中では最も安定性と技術力を兼ね備えた選択肢として認識されている傾向が見られる。

2位: NTTデータ

NRIとの差は僅差であり、国内SIer大手としての認知度が支持の中心。「データがいっちゃんええ」という感情的な肯定意見が存在する一方、「アクセンチュアとデータは迷った」というコメントからは、グローバル企業との選択を天秤にかける投票者がいることが示唆される。国内市場での存在感が評価の要因と考えられる。

3位: アクセンチュア

グローバル志向と転職市場での価値が評価軸となっている。「転職する際の市場価値が高そうだから」というコメントに典型的に表れ、NTTデータとの迷いを示唆するコメントも存在する。国内SIerよりも国際的なキャリア展開を視野に入れる投票者層が支持している。

4位: IBM

否定的な情報の影響が顕著。「IBMは終わってると中にいる社員が言ってました」というコメントが存在し、内部情報に基づくネガティブな評価が投票結果に反映されている可能性がある。一方で「日立、ibm、アクセンチュアは同立かも」という評価もあり、評価が分散している。

5位: 日立製作所

国内指向と安定性への評価が見られるが、上位との差が明確。「日本で働くということを考えた」という国内志向の投票者と、「ここに入社するから！日立が日本ナンバーニャン！」という内定者による支持がある一方、「日立、ibm、アクセンチュアは同立かも」という相対化の声も存在する。

コメント分析

主要な意見グループ

グループ1: 待遇・ワークライフバランス重視層
企業選択の基準を処遇と働き方に置く投票者が最も多い。「病まない程度に稼げてスキルが身につく感じで」「待遇とワークライフバランスの両立」「年収と働き方、安定性」「待遇、知名度、WLB」など、複数のコメントが共通のテーマを繰り返している。SIer業界全般に対する厳しい労働環境の認識が前提にあり、相対的に良好な条件を持つ企業を求める傾向が明らかである。

グループ2: キャリア・市場価値志向層
長期的なキャリア展開と転職可能性を判断軸とする投票者グループ。「転職する際の市場価値が高そうだから」「やりたいこと、技術力、キャリア展開、人」といったコメントが該当し、単一企業への定着よりも、獲得できるスキルや市場での評価を重視する層である。

グループ3: 個人的主観・限定的情報層
「感覚的に好き嫌いもあるよね」「東京勤務、社風、wlbなど含めた個人的好み」「なんとなくですよ^^」など、明確な論理的根拠を示さない投票者。「内定をもらっているから」という既定事実に基づく投票も該当し、投票の動機が多様であることを示している。また「IBMは終わってると中にいる社員が言ってました」という伝聞情報への依存も特徴的である。

共通するキーワード・テーマ

投票コメント全体を通じて、以下の要素が明確なテーマとして浮かび上がる:

• ワークライフバランス: 最頻出のテーマであり、業界全般への労働環境に対する懸念が背景にある
• 待遇・年収: 経済的安定性を求める投票者が一定数以上存在
• スキル獲得・技術力: キャリア形成と市場価値の獲得への関心
• 市場価値・転職可能性: 転職時の評価可能性を重視する層の存在
• 主観的好み・個人的判断: 合理的判断よりも個人的感覚に基づく投票も相応に存在

総括

投票傾向は多元的な選択軸の併存を示しており、SIer業界選択における「唯一の正解」が存在しないことを反映している。上位のNRIとNTTデータへの集中傾向がある一方で、コメント内容からは投票者ごとに優先順位が大きく異なることが明らかである。待遇・労働環境への関心の高さが最も共通する基調にあり、その上で個々の投票者が技術力・キャリア展開・市場価値などの異なる付加価値を比較検討している。また、企業内部情報や伝聞に基づく評価の影響も無視できず、客観的データよりも主観的・感情的判断が投票結果に一定程度寄与していることが示唆される。