SIer 志望度

上位選択肢の特徴

1位: NTTデータ

安定性とバランスの良さが圧倒的な支持理由。コメントでは「売上1位、規模が大きく、様々なことに挑戦できる」「収入と仕事量のバランスが良い」など、事業規模の大きさと働き方のバランスを同時に評価する声が集中している。また「NTTというブランド、圧倒的なホワイト度」との評価から、ネームバリューと労働環境の両立が差別化要因として機能していることが明確である。

2位: NRI

コンサルティング志向の投票者から高く評価される傾向が強い。コメント「コンサル、シンクタンク系の順位」「やっぱデータがNRIっしょ」などから、NTTデータとの競争軸が異なることが読み取れる。シンクタンク的なポジショニングと、NTTデータより高い年収水準への期待が支持層を分けている。

3位: 日立製作所

多角的事業展開と安定性が評価の中心。コメント分析からは、NTTデータやNRIと比べて評価の根拠が曖昧な傾向が見られ、「社格」「老舗企業で安定」といった定性的理由に依存している。技術力や具体的な働き方への言及がやや少ない点で、上位2社との明確な差が存在する。

4位: アクセンチュア

グローバル企業としての規模の大きさが評価される一方、否定的コメントも顕著。「規模ではチュアがデカいが技術力ない」「アクセンチュアは好かん」など、高給与への代償として技術力不足や社員の質のばらつきを懸念する声が複数見られる。NTTデータとの対比で「バランスの欠如」が指摘されている。

5位: IBM

金融系領域での競争力喪失への懸念が支持低下を招いている。コメント「IBMは金融系で稼げなくなるし、社員の質はチュアと同様にばらばら」から、事業領域の変動と人員構成への不安定感が読み取れる。グローバル企業としての認知はありながら、国内SIer市場での地位低下を投票者が感知していることが明らかである。

コメント分析

主要な意見グループ

グループ1：待遇総合評価型（約40%）

投票判断の主軸を「年収・給与」「ワークライフバランス」「福利厚生」の3要素におく層。「給与と私生活のバランス」「年収とワークライフバランスのバランスが良い企業」「待遇+教育制度」など、経済的安定と生活の質を同等の重みで評価している。この層はランキング全体に大きな影響を与え、結果的にNTTデータの1位を決定付けている。

グループ2：事業規模・技術力重視型（約25%）

「技術力と大規模案件をやってきた実績、社員の質で選んだ」「挑戦、成長、給料、将来」など、企業の技術的競争力とキャリア形成機会を優先する層。この層からはアクセンチュアに対する批判的意見が生まれており、「規模の大きさ＝技術力の高さ」という等式を否定する視点がある。

グループ3：詳細不明・適当回答層（約20%）

「下の方はあんまり考えて回答してません」「10位以降てきとー」「社数多くて大変でした」など、ランキング後半の信頼性が低いことを自認するコメント。下位選択肢への投票の正当性が限定的であることを示唆している。

グループ4：企業文化・雰囲気重視型（約10%）

「ホワイトでかつ激務じゃなさそうなところ」「体育会は苦手」「社員の人が待遇に満足していそうだったか」など、職場環境と企業文化の定性的評価を重視する層。定量的指標では測定不可能な要素を判断基準にしており、個人の価値観が反映されやすい。

共通するキーワード・テーマ

コメント全体を貫く最頻出テーマはワークライフバランスである。「年収がそれなりに高く、ある程度の残業はあるが、激務ではない」といった具体的な働き方への言及が約35%のコメントで見られる。

次いで年収・給与が約30%で登場。重要な点として、年収の絶対値よりも「他要素とのバランス」を評価する傾向が強く、単なる高給与企業ではなく「身の丈に合った給与水準」を求める層が形成されていることが読み取れる。

社格・ネームバリューは約15%で言及されるが、これは二次的判断基準であり、待遇やワークライフバランスの判断後に参照される傾向が見られる。また社員の質「社員がバラバラ」への言及も複数あり、企業規模より組織の均質性と安定性を求める傾向がうかがえる。

投票者グループの傾向

全体の約46%を占める第1クラスタは、日本の大手SIer上位層（NRI、NTTデータ、日立）を好む保守的な評価軸を示しており、コメント分析の「待遇総合評価型」と高い相関を持つ。この層が投票結果の基調を形成していることが、NTTデータの圧倒的優位を説明する。

第2クラスタ（22.6%）がアクセンチュアを高く評価する点は、グローバル企業への志向や年収水準への優先度がやや高い投票者の存在を示唆している。ただしコメント分析では「技術力ない」との批判から、この層の評価にも揺らぎがある。

第3クラスタ（21.1%）がCTCを高評価する点は、大手よりも中堅SIerを志向する層の存在を示し、コメント「中堅の方が裁量がありそう」と対応している。

注目すべきは独自派（10.2%）の存在である。この層がコメント「IBMはno1」のような異端的評価を行っており、投票者集団の内部多様性