株式会社INPEX
INPEX CORPORATION
港区赤坂五丁目3番1号
証券コード:16050
業界:鉱業
有価証券報告書の提出日:2023年3月29日

(1)連結経営指標等

回次

第12期

第13期

第14期

第15期

第16期

第17期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

売上高

(百万円)

933,701

971,388

1,000,005

771,046

1,244,369

2,324,660

経常利益

(百万円)

387,269

519,278

511,088

257,335

657,627

1,438,242

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(百万円)

40,362

96,106

123,550

111,699

223,048

438,276

包括利益

(百万円)

42,266

116,061

72,892

256,830

495,449

862,986

純資産額

(百万円)

3,158,868

3,257,584

3,297,176

3,001,339

3,346,409

4,038,361

総資産額

(百万円)

4,252,386

4,793,545

4,849,995

4,634,518

5,158,196

6,262,304

1株当たり純資産額

(円)

1,997.24

2,058.95

2,082.43

1,874.08

2,253.17

2,891.93

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

27.64

65.81

84.61

76.50

153.87

320.69

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

68.6

62.7

62.7

59.0

60.6

60.3

自己資本利益率

(%)

1.4

3.2

4.1

3.9

7.6

12.7

株価収益率

(倍)

47.6

16.0

13.4

6.5

4.4

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

278,539

238,566

274,730

292,915

445,457

751,284

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

351,908

682,005

288,740

417,189

130,727

525,574

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

34,742

405,184

48,615

126,747

315,215

241,928

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

276,079

239,652

173,774

172,405

191,213

211,656

従業員数

(名)

3,189

3,118

3,117

3,163

3,189

3,364

[外、平均臨時雇用者数]

[1,142]

[911]

[604]

[552]

[469]

[395]

(注)1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2 自己資本利益率につきましては、期首期末平均純資産額に基づいて算出しております。

3 従業員数欄の[ ]は外数で、臨時従業員の当連結会計年度における平均雇用者数であります。なお、平均臨時雇用者数には、海外における開発プロジェクト推進のため契約ベースにより雇用する現地従業員、国内における石油・天然ガス関連事業に従事する契約社員、嘱託、並びに派遣社員などが含まれております。

4 配当性向(連結)は以下の通りであります。

回次

第12期

第13期

第14期

第15期

第16期

第17期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

配当性向(連結)

(%)

65.1

36.5

35.5

31.2

19.3

5 第15期の株価収益率及び配当性向(連結)については、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しているため記載しておりません。

6 2019年6月25日開催の第13回定時株主総会決議により、決算期を3月31日から12月31日に変更しました。従って、第14期は2019年4月1日から2019年12月31日の9ヶ月間となっております。

7 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2)提出会社の経営指標等

回次

第12期

第13期

第14期

第15期

第16期

第17期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

売上高

(百万円)

233,574

136,137

107,183

127,676

154,773

241,042

経常利益又は経常損失(△)

(百万円)

30,136

39,457

19,664

134,321

13,606

203,674

当期純利益又は当期純損失(△)

(百万円)

1,764

32,214

13,465

130,660

13,272

231,656

資本金

(百万円)

290,809

290,809

290,809

290,809

290,809

290,809

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

 

普通株式

1,462,323,600

1,462,323,600

1,462,323,600

1,462,323,600

1,462,323,600

1,386,667,167

甲種類株式

1

1

1

1

1

1

純資産額

(百万円)

2,383,265

2,381,619

2,358,149

2,180,198

2,075,526

2,108,065

総資産額

(百万円)

2,918,963

3,165,750

3,152,926

3,122,776

2,992,411

3,035,629

1株当たり純資産額

(円)

1,631.97

1,631.02

1,614.95

1,493.08

1,496.93

1,614.15

1株当たり配当額

(うち1株当たり中間配当額)

(円)

 

 

 

 

 

 

普通株式

18

24

30

24

48

62

 

(9)

(9)

(12)

(12)

(20)

(30)

甲種類株式

7,200

9,600

12,000

9,600

19,200

24,800

 

(3,600)

(3,600)

(4,800)

(4,800)

(8,000)

(12,000)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

1.21

22.06

9.22

89.48

9.16

169.51

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

81.6

75.2

74.8

69.8

69.4

69.4

自己資本利益率

(%)

0.1

1.4

0.6

5.8

0.6

11.1

株価収益率

(倍)

1,087.6

47.8

123.3

109.4

8.2

配当性向

(%)

1,487.6

108.8

325.4

524.0

36.6

従業員数

(名)

1,231

1,194

1,209

1,364

1,380

1,349

[外、平均臨時雇用者数]

[209]

[189]

[185]

[108]

[87]

[91]

株主総利回り

(%)

121.9

100.3

110.4

59.6

104.7

146.4

(比較指標:TOPIX(配当込み))

(115.9)

(110.0)

(120.6)

(129.5)

(146.0)

(142.5)

最高株価

(円)

1,529.0

1,477.0

1,184.0

1,217.0

1,031.0

1,831.0

最低株価

(円)

988.0

920.2

853.4

489.0

539.0

989.0

(注)1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2 自己資本利益率につきましては、期首期末平均純資産額に基づいて算出しております。

3 従業員数欄の[ ]は外数で、臨時従業員の平均雇用者数であります。なお、平均臨時雇用者数には、海外における開発プロジェクト推進のため契約ベースにより雇用する現地従業員、国内における石油・天然ガス関連事業に従事する契約社員、嘱託、並びに派遣社員などが含まれております。

4 第15期の株価収益率及び配当性向については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。

5 株主総利回りは、東京証券取引所市場第一部における普通株式の第11期(2017年3月期)の株価(終値)に対する利回りを掲載しております。

6 最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(プライム市場)におけるものであり、それ以前は東京証券取引所(市場第一部)におけるものであります。甲種類株式は非上場・非登録であるため、該当事項はありません。

7 2019年6月25日開催の第13回定時株主総会決議により、決算期を3月31日から12月31日に変更しました。従って、第14期は2019年4月1日から2019年12月31日の9ヶ月間となっております。

8 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2【沿革】

年月

概要

2005年11月

国際石油開発株式会社及び帝国石油株式会社(以下、「両社」といいます。)は、経営統合することについて合意し、「共同株式移転契約」を締結。

2006年1月

両社の臨時株主総会において、両社が株式移転の方法により当社を設立し、両社がその完全子会社となることを承認。

2006年4月

当社設立(資本金300億円)。東京証券取引所(市場第一部)に上場。

2008年4月

2008年10月1日をもって、両社を吸収合併することを決議し、「吸収合併契約」を締結。

2008年10月

2008年10月1日付で両社を吸収合併し、商号を国際石油開発帝石株式会社に変更。

2010年8月

公募増資及び第三者割当増資による新株式発行により、約5,200億円の資金を調達(資本金2,908億9百万円に増加)。

2021年4月

商号を株式会社INPEXに変更。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、市場第一部からプライム市場へ移行。

3【事業の内容】

(1)当社グループの事業及び企業集団の状況

 当社グループは、当社、子会社72社(うち連結子会社66社)及び関連会社29社(うち持分法適用関連会社22社)(2022年12月31日現在)により構成されており、わが国のほか「アジア・オセアニア」、「ユーラシア(欧州・NIS諸国)」、「中東・アフリカ」、「米州」における石油・天然ガスの探鉱、開発、生産、販売及びそれらを行う企業に対する投融資を主たる業務としております。セグメントの区分を事業系統図に示すと次のとおりであります。

 

0101010_001.png

 

(2)当社グループの埋蔵量

 当社は、当社並びに当社連結子会社及び持分法適用関連会社の主要なプロジェクトを対象として、確認埋蔵量(proved reserves)の評価を自社にて行っております。

 埋蔵量評価については、確認埋蔵量は米国証券取引委員会(SEC)規則に従って評価しております。

 自社評価においては、評価・算定担当部門による評価結果を、独立性を持った検証担当部門が検証した上で機関決定することを定めた社内規程に基づいて評価を実施し、以上のプロセスを、内部監査部門が監査することにより、客観性及び正確性の維持、向上に努めております。

 なお、自社評価にあたっては、開発投資が巨額であるなど、将来の業績への影響が大きいと考えられるプロジェクトについては、予め米国の独立石油エンジニアリング会社であるDeGolyer and MacNaughtonの評価も得ております。

① 2022年12月31日現在の確認埋蔵量

 下記の表は、当社並びに当社連結子会社及び持分法適用関連会社の主要なプロジェクトにおける原油、コンデンセート、LPG及び天然ガスの確認埋蔵量です。確認埋蔵量の開示内容は米国財務会計基準審議会が定める規則に従っており、会計基準編纂書 932「採取活動-石油及びガス」に準拠しております。

 2022年12月31日現在の当社グループの原油、コンデンセート及びLPGの確認埋蔵量は2,860百万バレル、天然ガスの確認埋蔵量は4,740十億立方フィート、合計で3,738百万BOE(原油換算量:Barrels of Oil Equivalent)となっております。

 

 

 

日本

アジア・

オセアニア

ユーラシア・

中東・

アフリカ

米州

合計

 

原油

ガス

原油

ガス

原油

ガス

原油

ガス

原油

ガス

確認埋蔵量

(MMbbls)

(Bcf)

(MMbbls)

(Bcf)

(MMbbls)

(Bcf)

(MMbbls)

(Bcf)

(MMbbls)

(Bcf)

連結対象会社分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年12月31日時点

16

646

152

4,359

2,476

215

39

10

2,684

5,229

拡張及び発見

買収及び売却

(6)

1

1

(5)

1

前年度分調整

0

4

(0)

1

133

(20)

(3)

21

129

6

期中生産量

(1)

(40)

(19)

(377)

(99)

(10)

(3)

(9)

(121)

(436)

2021年12月31日時点

15

610

133

3,983

2,504

186

34

22

2,686

4,801

持分法適用関連会社分

2020年12月31日時点

2

357

15

16

357

拡張及び発見

買収及び売却

前年度分調整

(0)

(18)

6

5

(18)

期中生産量

(0)

(21)

(4)

(4)

(21)

2021年12月31日時点

1

318

17

18

318

確認埋蔵量

 2021年12月31日時点

15

610

134

4,300

2,520

186

34

22

2,704

5,118

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連結対象会社分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年12月31日時点

15

610

133

3,983

2,504

186

34

22

2,686

4,801

拡張及び発見

買収及び売却

45

53

(3)

(2)

42

51

前年度分調整

1

27

(3)

10

283

(3)

(18)

(5)

263

30

期中生産量

(1)

(37)

(16)

(362)

(118)

(12)

(3)

(3)

(138)

(414)

2022年12月31日時点

15

600

114

3,632

2,714

223

10

12

2,853

4,467

持分法適用関連会社分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年12月31日時点

1

318

17

18

318

拡張及び発見

買収及び売却

(6)

(6)

前年度分調整

(0)

(24)

(2)

(2)

(24)

期中生産量

(0)

(21)

(3)

(3)

(21)

2022年12月31日時点

1

273

6

7

273

確認埋蔵量

   2022年12月31日時点

15

600

115

3,905

2,719

223

10

12

2,860

4,740

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

確認開発埋蔵量

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連結対象会社分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年12月31日時点

15

591

110

2,839

1,730

223

9

12

1,865

3,665

持分法適用関連会社分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年12月31日時点

1

214

5

6

214

確認未開発埋蔵量

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連結対象会社分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年12月31日時点

0

9

4

793

983

0

0

988

802

持分法適用関連会社分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年12月31日時点

0

59

1

1

59

(注)1 当社はSEC開示基準に基づき、当社確認埋蔵量の15%以上を占める国における当社の確認埋蔵量を開示しています。2022年12月31日時点で、当社がオーストラリアに保有する確認埋蔵量は、原油が約109百万バレル、天然ガスが約3,494十億立方フィート、合計で約758百万BOE(原油換算:Barrels of Oil Equivalent)となっています。

2 以下の鉱区および油田の確認埋蔵量(2022年12月31日時点)には、非支配株主に帰属する数量が含まれています。

ユーラシア・中東・アフリカ ACG油田(49.00%)、カシャガン油田(49.00%)、スノーレ油田等(49.49%)、アブダビ陸上鉱区(34.24%)

3 MMbbls:百万バレル

4 Bcf:十億立方フィート

5 原油には、コンデンセート及びLPGを含みます。

6 埋蔵量の値は、単位未満を四捨五入しています。

7 ユーラシアと中東・アフリカを合算し表示しています。

② 確認埋蔵量に関する標準化された測定方法による将来の純キャッシュ・フローの割引現在価値及び当期における変動

 確認埋蔵量に関する標準化された測定方法による将来の純キャッシュ・フローの割引現在価値及び当期における変動についての開示内容は米国財務会計基準審議会が定める規則に従っており、会計基準編纂書 932「採取活動-石油及びガス」に準拠しております。

 将来キャッシュ・インフローの算定は、確認埋蔵量から算定される将来生産量及び期中の月初油・ガス価平均価格を使用しております。将来の開発費は一定の油価、及び現在の経済、操業、規制状況が継続することを前提としております。将来の法人税は、将来の税引前キャッシュ・フローに対し既存の法令に基づいた税金を条件として算定されております。年間割引率は10%を使用しております。

 2021年12月31日及び2022年12月31日時点の為替レートはそれぞれ期末公示仲値の1米ドル115.02円、132.70円を使用しております。

 なお、本情報は米国財務会計基準審議会が定める規則に従って算定されており、経済的な価値が潜在的な埋蔵量を考慮していないこと、一律で設定される割引率10%を使用していること、油価は常時変化することから、原油、コンデンセート及びLPG・天然ガス埋蔵量の時価もしくはキャッシュ・フローの現在価値の当社としての見通しを示すものではありません。

 

 

 

 

2021年12月31日時点

 

 

 

 

(単位)百万円

連結対象会社分

合計

日本

アジア・

オセアニア

ユーラシア・

中東・

アフリカ

米州

将来キャッシュ・インフロー

23,355,208

833,868

2,912,521

19,356,096

252,724

将来の産出原価及び開発費

(8,358,835)

(291,923)

(1,215,605)

(6,695,678)

(155,629)

将来の法人税

(10,924,329)

(174,799)

(157,632)

(10,582,717)

(9,180)

割引前の将来純キャッシュ・フロー

4,072,045

367,146

1,539,284

2,077,701

87,914

年間割引率10%

(1,972,952)

(201,968)

(546,145)

(1,191,511)

(33,328)

標準化された測定方法による将来の

純キャッシュ・フローの割引現在価値

2,099,093

165,178

993,138

886,190

54,586

 

 

 

 

 

 

持分法適用関連会社分

 

 

 

 

 

将来キャッシュ・インフロー

421,317

291,411

129,907

将来の産出原価及び開発費

(144,212)

(101,817)

(42,395)

将来の法人税

(115,078)

(66,910)

(48,168)

割引前の将来純キャッシュ・フロー

162,027

122,684

39,343

年間割引率10%

(59,307)

(51,722)

(7,585)

標準化された測定方法による将来の

純キャッシュ・フローの割引現在価値

102,721

70,963

31,758

 

 

 

 

 

 

標準化された測定方法による将来の

純キャッシュ・フローの割引現在価値合計

2,201,813

165,178

1,064,101

917,948

54,586

(注)1 以下の鉱区および油田には、非支配株主に帰属する金額が含まれています。

ユーラシア・中東・アフリカ ACG油田(49.00%)、カシャガン油田(49.00%)、アブダビ陸上鉱区(34.24%)

2 上表の金額は、単位未満を四捨五入しています。

3 ユーラシアと中東・アフリカを合算し表示しています。

 

 

 

 

 

 

2022年12月31日時点

 

 

 

 

(単位)百万円

連結対象会社分

合計

日本

アジア・

オセアニア

ユーラシア・

中東・

アフリカ

米州

将来キャッシュ・インフロー

40,247,501

1,356,592

4,084,837

34,694,585

111,488

将来の産出原価及び開発費

(12,123,550)

(370,071)

(1,255,646)

(10,445,402)

(52,431)

将来の法人税

(21,996,683)

(301,187)

(746,640)

(20,943,860)

(4,996)

割引前の将来純キャッシュ・フロー

6,127,269

685,334

2,082,551

3,305,324

54,061

年間割引率10%

(2,867,983)

(395,319)

(633,382)

(1,821,683)

(17,599)

標準化された測定方法による将来の

純キャッシュ・フローの割引現在価値

3,259,286

290,014

1,449,169

1,483,641

36,462

 

 

 

 

 

 

持分法適用関連会社分

 

 

 

 

 

将来キャッシュ・インフロー

494,544

436,632

57,912

将来の産出原価及び開発費

(103,176)

(89,726)

(13,450)

将来の法人税

(148,026)

(112,762)

(35,265)

割引前の将来純キャッシュ・フロー

243,342

234,145

9,198

年間割引率10%

(92,012)

(90,243)

(1,769)

標準化された測定方法による将来の

純キャッシュ・フローの割引現在価値

151,330

143,902

7,429

 

 

 

 

 

 

標準化された測定方法による将来の

純キャッシュ・フローの割引現在価値合計

3,410,616

290,014

1,593,071

1,491,069

36,462

(注)1 以下の鉱区および油田には、非支配株主に帰属する金額が含まれています。

ユーラシア・中東・アフリカ ACG油田(49.00%)、カシャガン油田(49.00%)、スノーレ油田等(49.49%)、アブダビ陸上鉱区(34.24%)

2 上表の金額は、単位未満を四捨五入しています。

3 ユーラシアと中東・アフリカを合算し表示しています。

 

 

 

 

 

 

(単位)百万円

 

合計

日本

アジア・

オセアニア

ユーラシア・

中東・

アフリカ

米州

持分法適用

関連会社分

期首割引現在価値(2022年1月1日)

2,201,813

165,178

993,138

886,190

54,586

102,721

変動要因:

産出された油・ガスの販売または移転

(958,803)

(41,350)

(292,301)

(571,804)

(25,816)

(27,532)

油ガス価及び生産単価の純増減

3,197,151

151,548

743,519

2,127,071

70,376

104,638

発生した開発費

208,492

3,119

97,728

83,749

19,386

4,511

将来の開発費の変動

(39,882)

(397)

(24,807)

(36,918)

22,170

69

埋蔵量の変動

1,830,684

1,179

(7,105)

1,988,006

(111,841)

(39,556)

時間の経過による増加

221,261

16,433

98,603

92,395

4,830

8,999

法人税の変動

(3,602,874)

(31,086)

(312,264)

(3,262,579)

2,685

370

拡張及び発見、産出技術の改良

14,328

41,313

(8,305)

(18,680)

その他

338,446

25,390

152,658

136,218

8,391

15,789

期末割引現在価値(2022年12月31日)

3,410,616

290,014

1,449,169

1,483,641

36,462

151,330

(注)1 以下の鉱区および油田には、非支配株主に帰属する金額が含まれています。

ユーラシア・中東・アフリカ ACG油田(49.00%)、カシャガン油田(49.00%)、スノーレ油田等(49.49%)、アブダビ陸上鉱区(34.24%)

2 上表の金額は、単位未満を四捨五入しています。

3 ユーラシアと中東・アフリカを合算し表示しています。

 

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業

の内容

議決権の所有

(被所有)割合

関係内容

所有割合

(%)

被所有割合

(%)

役員の

兼任等(名)

業務

受託

営業上の

取引等

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 

 

 

●探鉱・開発・生産等

㈱INPEXマセラ

(注)1

東京都港区

67,036

インドネシア共和国アラフラ海マセラ鉱区における石油・天然ガスの探鉱・開発

51.93

1

㈱INPEX南マカッサル

同上

1,097

インドネシア共和国南マカッサル海域セブク鉱区における石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売

100.00

1

㈱INPEXコンソン

同上

10

ベトナム社会主義共和国南部海上05-1b&1c鉱区における石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売

100.00

2

当社は債務保証をしている。

INPEX Browse E&P

Pty Ltd

(注)1

オーストラリア連邦西オーストラリア州

453,150

千米ドル

オーストラリア連邦WA-285-P鉱区ほかにおける石油・天然ガスの探鉱

100.00

(100.00)

当社は債務保証をしている。

㈱INPEX西豪州ブラウズ石油

(注)1

東京都港区

428,940

オーストラリア連邦WA-285-P鉱区ほかにおける石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売への事業資金供給等

100.00

1

INPEX Holdings Australia Pty Ltd

(注)1

オーストラリア連邦西オーストラリア州

9,683,023

千米ドル

オーストラリア連邦イクシスLNGプロジェクトにおける石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売・LNGプラントの建設・運営事業等への事業資金供給等

100.00

(100.00)

INPEX Ichthys Pty Ltd

(注)1、2

同上

804,456

千米ドル

オーストラリア連邦イクシスガス・コンデンセート田(WA-50-L/WA-51-L鉱区)における石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売

100.00

(100.00)

INPEX Oil & Gas

Australia Pty Ltd

(注)1

同上

1,011,000

千米ドル

オーストラリア連邦プレリュードガス田ほか(WA-44-L鉱区)における石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売

100.00

㈱INPEXサウル石油

東京都港区

4,600

東チモール民主共和国のPSC TL-SO-T 19-12鉱区における石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売

100.00

2

当社は債務保証をしている。

㈱INPEXアルファ石油

同上

8,014

オーストラリア連邦WA-35-L鉱区ほかにおける石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売

100.00

2

㈱INPEX南西カスピ海石油

(注)1

同上

53,594

アゼルバイジャン共和国ACG油田における石油の探鉱・開発・生産・販売

51.00

1

㈱INPEX北カスピ海石油

(注)1

同上

113,897

カザフスタン共和国北カスピ海沖合鉱区における石油の探鉱・開発・生産・販売

51.00

1

当社は貸付及び債務保証をしている。

㈱INPEXノルウェー

同上

100

ノルウェー王国スノーレ油田ほかにおける石油の探鉱・開発・生産・販売への事業資金供給等

50.51

1

INPEX Idemitsu Norge AS

ノルウェー王国

727,900

千ノルウェークローネ

ノルウェー王国スノーレ油田ほかにおける石油の探鉱・開発・生産・販売

100.00

(100.00)

当社は債務保証をしている。

 

 

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業

の内容

議決権の所有

(被所有)割合

関係内容

所有割合

(%)

被所有割合

(%)

役員の

兼任等(名)

業務

受託

営業上の

取引等

ジャパン石油開発㈱

(注)2

東京都港区

5,532

アラブ首長国連邦アブダビ沖合上部ザクム油田、サター油田及びウムアダルク油田における石油の探鉱・開発・生産・販売

100.00

2

当社は債務保証をしている。

J0DCO Exploration Limited

英国領ケイマン諸島

61,224

千米ドル

アラブ首長国連邦アブダビ陸上ブロック4鉱区における石油の探鉱

51.00

当社は債務保証をしている。

J0DCO Onshore Limited

(注)2

同上

111

千米ドル

アラブ首長国連邦アブダビ陸上ADCO鉱区における石油の探鉱・開発・生産・販売

65.76

JODCO Lower Zakum

Limited

(注)1

同上

600,000

千米ドル

アラブ首長国連邦アブダビ沖合下部ザクム油田における石油の探鉱・開発・生産・販売

100.00

INPEX Americas, Inc.

アメリカ合衆国デラウエア州

19,793

千米ドル

アメリカ合衆国ほかにおける石油・天然ガスの探鉱・開発・生産・販売への事業資金供給等

100.00

1

当社は債務保証をしている。

INPEX Gas British

Columbia Ltd.

(注)1、3、5

カナダブリティッシュコロンビア州

1,043,488

千カナダ

ドル

カナダブリティッシュコロンビア州ホーンリバー・コルドバ・リアード地域シェールガス鉱区における天然ガスの探鉱・開発・生産・販売

45.09

1

当社は貸付をしている。

●輸送・液化・精製・販売等

㈱INPEXパイプライン

新潟県柏崎市

100

当社の委託による天然ガスの輸送及びパイプラインの保守・管理

100.00

(業務

委託)

当社の天然ガスの輸送業務及びパイプラインの保守管理業務を行っている。

埼玉ガス㈱

埼玉県深谷市

60

都市ガスの供給

62.67

(13.17)

当社より天然ガスを購入している。

INPEX DLNGPL PTY

LTD

オーストラリア連邦西オーストラリア州

42,001

千米ドル

バユ・ウンダンガス・コンデンセート田からオーストラリア連邦ダーウィンLNGプラントまでの海底ガスパイプライン敷設運営事業及びLNGプラントの建設運営事業を行うDarwin LNG社への出資事業

100.00

INPEX BTC Pipeline, Ltd.

英国領ケイマン諸島

63,800

千米ドル

アゼルバイジャン共和国バクー・ジョージア・トビリシ、トルコ共和国ジェイハンを結ぶオイルパイプラインの建設・運営事業への事業資金供給等

100.00

1

 

 

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業

の内容

議決権の所有

(被所有)割合

関係内容

所有割合

(%)

被所有割合

(%)

役員の

兼任等(名)

業務

受託

営業上の

取引等

●発電・掘削・土木工事等

INPEX Renewable Energy Europe Limited

(注)1

英国ロンドン市

296,078

千英ポンド

欧州における洋上風力事業の開発・管理

100.00

1

㈱INPEX地熱開発

東京都港区

4,800

国内外における地熱事業の開発・管理

100.00

1

インペックスジオサーマルサルーラ㈱

同上

10

インドネシア共和国サルーラ地熱鉱区における地熱発電事業への事業資金供給等

100.00

1

●その他

INPEX FINANCIAL SERVICES SINGAPORE PTE. LTD.

(注)1

シンガポール共和国

2,826,000

千米ドル

当社グループ内ファイナンス業務及びプロジェクトの財務業務サポート

100.00

1

当社は債務保証をしている。

その他38社

 

 

 

 

 

 

 

 

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

 

 

 

MI Berau B.V.

オランダ王国アムステルダム市

338,601

千米ドル

インドネシア共和国西パプア州ベラウ鉱区及びタングーLNGプロジェクトにおける天然ガスの探鉱・開発・生産・販売

44.00

当社は債務保証をしている。

Ichthys LNG Pty Ltd

(注)4

オーストラリア連邦西オーストラリア州

4,506,860

千米ドル

オーストラリア連邦イクシスガス・コンデンセート田からダーウィンの陸上LNGプラントまでの海底ガスパイプラインの敷設運営事業並びにLNGプラントの建設運営事業及びLNG・液化石油ガス・コンデンセートの販売

66.25

(66.25)

当社は債務保証及び原材料の仕入をしている。

日本南サハ石油㈱

東京都港区

7

ロシア連邦サパドナ・ヤラクチンスキー鉱区及びボルシェチルスキー鉱区における石油の探鉱・開発・生産・販売への事業資金供給等

25.00

PT Medco Geopower Sarulla

インドネシア共和国ジャカルタ市

143,003

千米ドル

インドネシア共和国サルーラ地熱鉱区における地熱発電事業への事業資金供給等

49.00

(49.00)

PT.Supreme Energy Sumatera

同上

100

億ルピア

インドネシア共和国ムアララボ地熱鉱区における地熱発電事業への事業資金供給等

33.33

(33.33)

PT Supreme Energy Rantau Dedap

同上

107,956

千米ドル

インドネシア共和国ランタウ・ドゥダップ地熱鉱区における地熱発電事業への開発・管理

27.40

(27.40)

その他16社

 

 

 

 

 

 

 

 

(注)1 特定子会社であります。

 

2 INPEX Ichthys Pty Ltd、ジャパン石油開発㈱及びJODCO Onshore Limitedについては、売上高(連結会社間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が100分の10を超えております。

主要な損益情報等

 

 

 

(単位:百万円)

 

INPEX Ichthys Pty Ltd

ジャパン石油開発㈱

JODCO Onshore

Limited

① 売上高

393,901

606,343

461,219

② 経常利益

257,251

408,410

288,259

③ 当期純利益

176,810

20,562

12,301

④ 純資産額

370,503

246,672

174,784

⑤ 総資産額

2,050,310

419,881

283,967

3 持分は、100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。

4 持分は、100分の50超でありますが、共同支配企業であるため関連会社としております。

5 債務超過額   79,243百万円

6 「議決権の所有割合」の欄の( )内は間接所有割合で内数となっております。

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 事業部門別の従業員数を示すと次のとおりであります。

 

2022年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

日本

3,081

379

アジア・オセアニア

ユーラシア(欧州・NIS諸国)

中東・アフリカ

米州

全社(共通)

283

16

合計

3,364

395

(注)1 従業員数は、当社グループ(当社及び当社の連結子会社)から当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。

2 従業員数欄の[ ]は外数で、臨時従業員の当連結会計年度における平均雇用者数であります。なお、平均臨時雇用者数には、海外における開発プロジェクト推進のため契約ベースにより雇用する現地従業員、国内における石油・天然ガス関連事業に従事する契約社員、嘱託、並びに派遣社員などが含まれております。

3 当社グループは、多くの部門において、同一の従業員が複数の地域の事業に従事しております。

4 全社(共通)には、提出会社の総務部門、経理部門等の管理部門の従業員が含まれております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2022年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,349

91

39.93

13.66

9,690,211

 

セグメントの名称

従業員数(人)

日本

1,066

75

アジア・オセアニア

ユーラシア(欧州・NIS諸国)

中東・アフリカ

米州

全社(共通)

283

16

合計

1,349

91

(注)1 2008年10月1日付で、当社は国際石油開発株式会社及び帝国石油株式会社を吸収合併しております。平均勤続年数は、合併以前における国際石油開発株式会社及び帝国石油株式会社での勤続年数を通算しております。なお、平均年齢及び平均勤続年数については他社からの出向者を含めておりません。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。なお、海外現地採用及び他社からの出向者を含めておりません。

3 従業員数欄の[ ]は外数で、臨時従業員の平均雇用者数であります。なお、平均臨時雇用者数には、海外における開発プロジェクト推進のため契約ベースにより雇用する現地従業員、国内における石油・天然ガス関連事業に従事する契約社員、嘱託、並びに派遣社員などが含まれております。

4 当社グループは、多くの部門において、同一の従業員が複数の地域の事業に従事しております。

5 全社(共通)には、総務部門、経理部門等の管理部門の従業員が含まれております。

 

 

(3)労働組合の状況

 当社グループには、INPEX労働組合(組合員数1,039名)が組織されており、日本化学エネルギー産業労働組合連合会(JEC連合)に属しております。

 なお、その他に労働組合との関係について特記すべき事項はありません。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

① 経営環境

 2022年の序盤は、新型コロナウイルス感染症の影響による社会的・経済的停滞から、緩やかな回復基調にあったところ、2月以降のウクライナ危機を契機に、安全保障環境の緊迫化、国際関係における資源・エネルギーの戦略的利用、エネルギーの需給ひっ迫と価格高騰、大幅な円安の進行、物価の高騰等、国際社会経済が不安定化し先行きが一層不透明な状況となりました。さらに、中国におけるゼロコロナ政策の維持、米国その他の主要国におけるインフレ抑制と利上げ等により、世界経済の回復・成長の見通しは足元において見通しが困難な状況です。しかし 、中長期的には世界の人口の拡大、新興国を中心とした経済成長等により、エネルギー需要は持続的に増加する基調は変わらないものと想定しております。このうちエネルギーの過半を占める石油・天然ガス需要については、世界経済の回復・成長に伴い、増加基調となるものと考えられ、中長期的にも、基調としてはアジアを中心とする堅調な需要が見込まれると考えております。また、石油・天然ガスは平時のみならず緊急時の燃料供給に貢献する点で、国民生活・経済活動に不可欠なエネルギー源と認識しております。

 日本では、安定的なエネルギー供給確保のための石油・天然ガスの自主開発比率の向上が継続的な課題となっております。日本政府は、2021年決定した第6次エネルギー基本計画において、石油・天然ガスの開発・生産・輸送はエネルギー安全保障上引き続き非常に重要な位置を占めるとの認識のもと、自主開発比率(2021年度の実績は約40%)目標を、2030年に50%以上、2040年には60%以上に引き上げました。

 他方、2021年、第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)以来、気候変動対応のため、産業革命前からの平均気温上昇を2℃未満に抑え、さらに1.5℃に抑える努力をする長期目標の実現に向けた取組みの強化が進められています。また、EU、英国、日本等の主要国をはじめ、各国で2050年に向けて温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする、いわゆる「ネットゼロ目標」が表明されています。新型コロナウイルス感染症の影響からの経済回復、エネルギー安全保障、気候変動対応を同時に進める政策や、社会構造の省エネルギー化・クリーン化に向けた政策が展開されつつあります。こうしたネットゼロカーボン社会に向けた議論の進展により、カーボンニュートラルへの対応の緊要性が増すものと考えております。日本政府も「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、温室効果ガス削減目標を掲げている中、水素・アンモニア・CCUS等の石油・天然ガス上流事業のクリーン化及び再生可能エネルギーの導入促進等、カーボンニュートラルを見据えた取組みが大きく加速しているとの認識です。

 

② 経営方針

 当社は、昨年2月に「長期戦略と中期経営計画(INPEX Vision @2022)」(以下、「INPEX Vision @2022」)を発表いたしました。「INPEX Vision @2022」におきましては、経営環境の変化を踏まえつつ、2030年及び2050年に向けた当社の長期戦略をお示しするとともに、2022年から2024年までの3年間の中期経営計画を策定し、当面の具体的な取組みと目標をお示ししております。

 ネットゼロカーボン社会に向けた国内外における様々な変化は、当社にとって新たな挑戦であると同時に、更なる飛躍の機会と捉えております。今後、当社はこの「INPEX Vision @2022」に基づき、以下の経営方針のもと、我が国及び世界のエネルギー需要に応えつつ、2050年ネットゼロカーボン社会の実現に向けたエネルギー構

造の変革に積極的に取り組んでまいります。

 

1.石油・天然ガス分野

 石油・天然ガス分野を引き続き基盤事業と位置づけ、コアエリアへの選択と集中、天然ガスシフト、事業の強靭化とクリーン化の3点を基本戦略として、それらを一体で進めることで、エネルギーの安定供給と気候変動への責任ある対応という二つの社会的責任を果たしてまいります。当社は、従来、石油・天然ガス分野を対象としてコアエリアを選定していましたが、今回より、各地域に当社が持つアセット、ネットワーク、技術力等を基盤として、石油・天然ガスとネットゼロ5分野全体のコアエリアとして再設定を行い、両者のシナジーを追求していきます。

 第一に、新たに選定した豪州、アブダビ、東南アジア、日本、欧州という5つのコアエリアに対して資金・人材等のリソースを集中させ、事業効率の向上とシナジーの発揮を目指します。コアエリア以外については、バランスの取れたポートフォリオ構築の観点から、収益性や将来性を踏まえて売却も含めて検討します。

 第二に、当社はエネルギートランジションが進展する中にあっても天然ガスの重要性は引き続き高いものと見ており、当社ポートフォリオにおけるガスの比率の向上を目指したいと考えております。そのため、天然ガスへの投資比率を現在の50%程度から将来的に70%程度に引き上げ、アジア、オセアニアを中心に規模の拡大を図ります。また、将来の水素やアンモニアプロジェクトへの事業の転換や拡大についても検討いたします。油田開発については、早期生産、早期コスト回収、低CO2排出を重視し、厳選していきます。

 

 

 第三に、強靭化については、需要減少や低油価環境下においても収益を確保できる競争力あるプロジェクトポートフォリオとしていくことを目指し、徹底的なコスト削減を図るとともに、デジタル技術の活用等による生産性向上を推進します。また、クリーン化については、CCS・CCUSの導入、ゼロフレア実現、再エネ電力の活用、森林クレジットの活用などによりプロジェクトの低炭素化を徹底して進めます。

 

 

豪州

オペレータープロジェクトであるイクシスプロジェクトにおいて、当初の想定より早いペースで、ほぼ所期の生産量を継続できる状態になりました。現在の年間LNG生産能力890万トンを930万トンに引き上げた上で安定生産を継続できる体制を2024年までに構築できるよう生産プロセスの改善を実施します。また、長期的な生産量維持を確実にするため、周辺鉱区における探鉱及び既発見アセットへの参入を通して追加開発を行い、イクシス既存生産設備へ繋ぎこみを今後加速します。その進捗も踏まえつつ、長期的には2030年頃からのさらなる生産能力拡張も検討しています。

アブダビ

2030年に原油生産能力として、日量500万バレルの達成を目標とする全体の増産計画を踏まえ、当社グループがアブダビで参画する油田群の生産能力増強の早期実現を目指します。新規探鉱事業であるOnshore Block4では、2021年に掘削した試掘第1号井で発見した複数の油ガス層の評価作業を進め、早期の生産開始に取り組みます。また増産計画と併せて、生産コストの更なる削減を目指し、デジタル・トランスフォーメーションの導入等を推進するとともに、GHG排出原単位の削減に向け、CO2EOR能力の強化をADNOCとともに進めてまいります。

東南アジア

アバディプロジェクトについては、事業環境の変化を踏まえて最善の形でプロジェクトを実現すべく、経済性強靭化とクリーン化を主たる修正内容とした開発計画の再改定に向けてインドネシア政府や関係機関と交渉を継続しており、2023年中の承認取得を目指します。これに伴い、2020年代後半のFID、2030年代初頭の生産開始を目標としています。また、アジアにおけるエネルギートランジション促進を目的に更なる天然ガス資源を獲得すべく、ベトナム・マレーシア等において、探鉱・M&Aを推進します。

日本国内

2022年度、南関原における天然ガス探鉱を実施し、その結果を踏まえて早期の天然ガス資源の開発を目指します。ガス供給インフラに関しては、新東京ラインの延伸等を行い、約1,500kmのパイプラインによる供給体制の強靭化を図ります。また、直江津LNG基地においては、ガスシフトの推進による需要増加への対応のほか、水素やアンモニアのプロジェクトの推進に合わせて、設備拡張を検討します。

欧州

新たに取得したスノーレ油田などの生産鉱区を含むノルウェーのアセットをプラットフォームとして、保有鉱区における既発見未開発油ガス田の開発及び周辺探鉱機会の追求により事業を拡大し、さらなる価値向上を目指します。ノルウェーは石油・天然ガス事業における低炭素化の取組みにおいて先進地域であり、スノーレ油田における浮体式洋上風力発電施設の建設を進めるなど、プラントにおいて再生可能エネルギーによる電力を使用することで天然ガスなどの操業に必要な燃料の使用を減らし、操業の低炭素化を推進します。

 

2.ネットゼロ5分野

 ネットゼロカーボン社会に向け、気候変動対応目標を定めるとともに、5つの事業を強力に推進します。

 

<気候変動対応目標及びその進捗>

 気候変動に関するパリ協定目標の実現に貢献すべく、2050年自社排出ネットゼロカーボン等を目指す気候変動対応目標を定めます。具体的な目標は、「2050年絶対量ネットゼロ(Scope1+Scope2)」「2030年原単位30%以上低減(Scope1+Scope2、2019年比)」「Scope3の低減」です※1。目標達成に向け、CO2地下貯留・活用(CCUS)や森林保全によるCO2吸収等に取り組み、石油・天然ガス分野全体のCO2低減を強力に推進していきます 。

 「中期経営計画 2022‐2024」においても、排出原単位を更に4.1kg/boe以上低減することを事業目標として立てています。2022年排出原単位は、2019年比で約30%(2022年12月時点の確認可能な暫定値)低減しており、継続して各種低減策の実行に取り組みます。

※1 Scope1~3の定義は以下のとおり。

Scope1:報告企業が所有又は管理する発生源からの直接排出量

Scope2:報告企業が購入し消費する電力、蒸気、熱及び冷却からの間接排出量

Scope3:報告企業のバリューチェーンで発生するその他すべての間接排出量

 

<5つの事業>

1.水素事業の展開

 2030年頃までに3件以上の事業化の実現、及び年間10万トン以上の生産・供給を目標として設定し、その実現に向けた取組みを進めます。

・国内においては、新潟県柏崎市での水素・アンモニア製造・利用一貫実証を推進し、2024年中の運転開始を目指すとともに、この実証での成果を元に、2030年頃までに、新潟県における商業規模のブルー水素製造を目指します。

・海外においては、アブダビにおけるクリーンアンモニア製造事業を引き続き推進し、大規模なクリーンアンモニア供給を2020年代後半から実現することを目標とします。

・豪州・アブダビ・インドネシア等において、事業性検討や他社との協業による事業拡大を推進し、さらなるクリーン水素プロジェクトの立ち上げ・参画を目指します。

 

2.石油・天然ガス分野のCO2低減(CCUS推進)

 2030年頃にCO2圧入量年間250万トン以上という目標を設定し、その実現に向けた技術開発・事業化を推進することで、CCUS分野におけるリーディングカンパニーとなることを目指します。

・国内では、南阿賀油田においてCO2-EORの実証試験を2023年までに開始し、開発中のEOR効率改善技術の確立を図り、CCUS技術の拡大と、海外油田でのEOR技術の展開を推進します。

・海外では、豪州イクシスLNGプロジェクトにおいて2020年代後半にCCSを導入し、第一段階として年間200万トン以上のCO2圧入開始を目指すとともに、ダーウィン地域でのCCSハブ事業に主導的役割を果たしていきます。また、アブダビにおいて、ADNOCとともに、アブダビ陸上鉱区の現状年間80万トンのCCUS能力の増強を目指します。

 

3.再生可能エネルギーの強化と重点化

 洋上風力・地熱発電事業を中心に、1-2GW規模の設備容量確保を目標に、M&A等により取得したアセットをプラットフォームとして事業を加速的に拡大し、主要なプレイヤーとなることを目指します。

・風力事業については、2021年12月にオランダ洋上風力事業のルフタダウネン、ボルセレⅢ/Ⅳの株式を取得することに合意しました。また2021年6月には長崎県五島沖において国内初となる浮体式洋上風力事業の選定事業者に決定されました。これらの事業参入を機会として、風力事業の知見を蓄積し、今後、国内外で浮体式洋上風力のメインプレイヤーとなるべく注力していきます。

・地熱事業については、インドネシアでの開発を進め、2021年12月に参画したムアララボ地熱発電事業の追加開発に関する検討を進めていきます。また国内についても、小安において、建設段階への移行を決定しております。さらに、発電事業だけではなく、次世代型の地熱開発技術の開発など、多様な事業検討を積極的に進めていきます。

 

4.カーボンリサイクルの推進と新分野事業の開拓

 メタネーション※2の社会実装を推進し、2030年を目途に年間6万トン程度の合成メタンを当社パイプラインで供給することを目指すとともに、更なる発展を追求します。

・メタネーションについては、昨年までに新潟県長岡市の当社長岡鉱場の越路原プラントにおいて小規模メタネーション設備を設置し実証試験を行ってまいりました。今後はさらにスケールアップした実証設備を設置し、2025年までに当社ガスパイプライン経由で需要家への供給を予定しています。さらに、その発展として、2030年頃を目途に豪州において、商業規模のメタネーション設備を建設し、当社LNGバリューチェーンを用いて、合成メタンを国内の需要家に当社のガスパイプライン経由で届ける予定です。

・人工光合成技術※3について、「ARPChem(アープケム:人工光合成化学プロセス技術研究組合)」の一員として、ソーラー水素と呼ばれる太陽光による水の直接分解技術の技術開発を担当しており、豪州ダーウィンの実験サイトにてテストプラントを設置し、2021年に約12か月の実験運転を実施しました。これは、日照量が多いサンベルト地域に設置された世界で初めてのソーラー水素生成プラントであり、今後、より高効率化、長寿命化による実用化を目指します。

・また新分野事業として、メタン直接分解、ドローン技術等に注目して取り組んでおります。

※2 再エネ電力を用いて、水を電気分解し水素を生産する。これと石炭火力発電所等から排出される高濃度CO2や、当社の天然ガス生産時の随伴CO2を、CO2-メタネーションシステム(メタネーション触媒)によってメタンに変換する。

※3 人工光合成パネルの表面に設置された光触媒を用いて、太陽光により水を酸素と水素に分解し、発生した水素を燃料・原料などに利用する。

5.森林保全の推進

 森林保全によるCO2吸収を目的とした事業を支援から事業参画へ強化・拡充していきます。

・2021年より、リンバラヤの事業支援を始めるとともに、顧客向けカーボンニュートラルLNG(生産から消費までのCO2排出を実質ゼロとしたLNG)等の販売を進めています。

・長期的、安定的に森林クレジットを確保することが重要と考えており、リンバラヤと同様に優良なREDD+等の事業を支援してクレジットを確保することに加えて、事業自体にパートナーとして参画していくことを目指します。

 

 以上の取組みにより、エネルギーの安定供給とネットゼロカーボン社会への対応を推し進め、経済・社会の発展に貢献してまいります。

 

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 なお、本項の記載中、将来に関する事項については、別途記載する場合を除いて本書提出日現在での当社グループの判断であり、今後の社会経済情勢等の諸状況により変更されることがあります。

 

2【事業等のリスク】

 以下には、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主要な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、以下の記載は、当社グループの事業上のリスクをすべて網羅するものではありません。

 また、本項の記載中、将来に関する事項については、別途記載する場合を除いて本書提出日現在での当社グループの判断であり、当該時点以後の社会経済情勢等の諸状況により変更されることがあります。

 

I.事業等の主要なリスク

1 石油・天然ガス開発事業の特徴及びリスクについて

(1)災害・事故・システム障害等のリスク

 石油・天然ガス開発事業には、探鉱、開発、生産、輸送等の各段階において操業上の事故や災害等が発生するリスクがあります。また、操業に当たって様々な情報システムを利用していることから、これらの情報システムには安全対策が施されているものの、自然災害やサイバー攻撃等により、予期せぬ障害が発生し、操業が停止するリスクがあります。このような情報システムの予期せぬ障害、事故や災害等が生じた場合には、保険により損失補填される場合を除き設備の損傷によるコストが生じることがあり更には、人命にかかわる重大な事故又は災害等となる危険性があります。また、その復旧に要する費用負担や操業が停止することによる機会損失等が生じることがあります。

 また、当社グループの関連プロジェクトで労働争議が行われた場合や、新型コロナウイルス感染症等の感染症の流行・拡大により、操業に必要な従業員等の不足、資機材・サービス等の調達や生産物の輸送の困難、産油国政府による操業停止の指示・命令、共同事業を行っている場合のパートナーの方針変更等が生じた場合には、一部又は全部の操業が停止・遅延する可能性があります。

 国内天然ガス事業においては、2010年1月以降、輸入LNG気化ガスを原料ガスとして購入しており、更に2013年8月以降、直江津LNG基地において輸入LNGから気化ガスを製造しておりますが、当該輸入LNG気化ガス・輸入LNGの購入先及び直江津LNG基地における事故、トラブルなどにより輸入LNG原料ガスの調達ができない場合、国内ガス田のトラブルにより国産ガスの生産ができない場合、あるいはパイプラインネットワーク上における事故、災害などによりパイプラインの操業が困難になる場合には、当社顧客へのガス供給に支障をきたすなど、当社の国内天然ガス事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、環境問題に関しては、土壌汚染、大気汚染及び水質・海洋汚染等が想定されます。当社グループでは、「環境安全方針」を定め、当該国における環境関連法規、規則及び基準等を遵守することは勿論のこと、自主的な基準を設け環境に対して充分な配慮を払いつつ作業を遂行しておりますが、何らかの要因により環境に対して影響を及ぼすような作業上の事故や災害等が生じた場合には、その復旧等のための対応若しくは必要な費用負担が発生したり、民事上、刑事上又は行政上の手続等が開始されてそれに伴う手続関連費用や損害賠償等の金銭の支払い義務が生じたり、操業停止による損失等が生じたりすることがあります。さらに、当該国における環境関連法規、規則及び基準等(新エネルギー・再生可能エネルギー等の支援策を含む。)が将来的に変更や強化された場合には、当社グループにとって追加的な対応策を講じる必要やそのための費用負担が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これらの災害・事故・システム障害等のリスクについては、かかるリスクが顕在化することがないよう事故等の発生の未然防止に努めておりますが、リスクは常時あり、顕在化した場合には当社グループの業績に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、作業を実施するにあたっては、可能かつ妥当な範囲において、損害保険を付保することとしておりますが、すべての損害を填補し得ない可能性があり、また、行政処分や当社グループの石油・天然ガス開発会社としての信頼性や評判が損なわれることによって、将来の事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)探鉱・開発・生産に成功しないリスク

 一般的に、鉱区権益を取得するためには、対価の支払いが必要となります。また、資源の発見を目的とした探鉱活動に際して、調査・試掘等のための費用(探鉱費)が必要となり、資源を発見した場合には、その可採埋蔵量、開発コスト、産油国(産ガス国を含む。以下同じ。)との契約内容等の様々な条件に応じて一段と多額の開発費を投ずる必要があります。

 しかしながら、開発・生産が可能な規模の資源が常に発見できるとは限らず、近年の様々な技術進歩をもってしてもその発見の確率はかなり低いものとなっており、また、発見された場合でも商業生産が可能な規模でないことも少なくありません。このため、当社グループでは、探鉱投資に係る費用については連結決算上保守的に認識しており、コンセッション契約(国内における鉱業権並びに海外におけるパーミット、ライセンス又はリースを含む。)の場合には100%費用計上し、生産分与契約の場合は探鉱プロジェクトの投資については100%引当金を計上し、財務の健全性を保持しております。なお、開発プロジェクトの投資であっても、個別のプロジェクトの状況から回収できない可能性がある場合は、個別に回収可能性を勘案し、引当金を計上しております。

 当社グループでは、保有する可採埋蔵量及び生産量を増加させるために、有望な鉱区には常に関心を払い、今後も探鉱投資を継続する一方、既発見未開発鉱区や既生産鉱区の権益取得等を含めた開発投資を組み合わせることにより、探鉱・開発・生産各段階の資産の総合的なバランスの中で投資活動を行っていく方針です。

 探鉱及び開発(権益取得を含む。)は、当社グループの今後の事業の維持発展に不可欠な保有埋蔵量を確保する上で必要なものでありますが、各々に技術的、経済的リスクがあり、探鉱及び開発が成功しない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)生産量の特定地域及び鉱区への依存度

 当社グループは、オーストラリアのイクシスガス・コンデンセート田、アラブ首長国連邦アブダビの海上・陸上油田、国内の南長岡ガス田等において安定的な原油・天然ガスの生産を行っております。当社グループの事業地域は、国内、インドネシア・オーストラリアを中心とするアジア・オセアニア地域、中東・アフリカ地域、カスピ海沿岸地域を含むユーラシア、米州などに幅広く分散していますが、2022年度における当社グループの生産量の地域別構成比率はアジア・オセアニア地域が約40%、中東・アフリカ地域が約43%と、2つの地域でその大部分を占めております。

 現状では当社グループの生産量は、特定地域及び鉱区への依存度が高いため、これらの鉱区において操業が困難になる等の問題が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)契約期限等

 当社グループの海外における事業活動の前提となる鉱区権益にかかる契約においては、鉱区期限が定められているケースが多くあります。鉱区期限が定められている契約が延長、再延長又は更新等されない場合や延長、再延長又は更新等に際し現状よりも不利な契約条件(権益比率の減少を含みます。)となった場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、これらの契約の延長、再延長又は更新等に向けてパートナーとともに努力する方針でありますが、産油国国営石油会社等との契約交渉の結果、既存の契約が延長、再延長又は更新等されない場合や延長、再延長又は更新等に際し現状よりも不利な契約条件(権益比率の減少を含みます。)となった場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、鉱区期限が定められている契約が延長、再延長又は更新等された場合でも、その時点における残存可採埋蔵量は、生産の進展により減少することが見込まれます。当社グループでは、これに代替し得る鉱区権益の取得を図っておりますが、代替し得る油・ガス田の鉱区権益を十分取得できない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、現在探鉱中の鉱区においても契約に探鉱期間が設定されており、鉱区内において商業化の可能性がある原油・天然ガスの存在を確認している場合であっても、当該期間終了までに開発移行の決定ができない場合などにおいては、産油国政府との協議により当該期間の延長、猶予期間の設定などに向けて努力する方針ですが、かかる協議が不調に終わった場合には、当該鉱区からの撤退を余儀なくされる可能性があります。また、一般に、契約につき、一方当事者に重大な違反があるときには、契約期限の到来前に他方当事者から契約解除をすることができるのが通例ですが、これら主要事業地域における契約においても同様の規定が設けられております。当社グループにおいては、そのような事態はこれまで発生したことはなく、今後についても想定しておりませんが、もし契約当事者に重大な契約違反があった場合には、期限の到来前に契約が解除される可能性があります。

 また、天然ガス開発・生産事業においては、多くの場合、長期の販売契約・供給契約に基づいて天然ガスを販売・供給しており、それぞれ契約期限が定められております。これらの契約における期限の到来までに、延長又は再延長に向けてパートナーとともに努力する方針ですが、延長又は再延長されない場合や延長された場合でも販売・供給数量の減少などがあった場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、販売契約・供給契約の契約期間中に販売条件の変更があった場合や、プロジェクトの一部又は全部の操業が停止・遅延したこと、想定外の需要変動が発生したこと等により当社が第三者から追加の天然ガスを購入・調達する必要が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)原油、コンデンセート、LPG及び天然ガスの埋蔵量

① 確認埋蔵量(proved reserves)

 当社は、当社グループの主要な確認埋蔵量(proved reserves)のうち、開発投資が巨額であるなど、将来の業績への影響が大きいと考えられるプロジェクトについて、米国の独立石油エンジニアリング会社であるDeGolyer and MacNaughtonに評価を依頼し、その他のプロジェクトについては自社にて評価を実施しました。確認埋蔵量の定義は、米国の投資家に広く知られている米国証券取引委員会規則S-X Rule 4-10(a)に従っており、評価に決定論的手法または確率論的手法のいずれが用いられているかに関わらず、地質的・工学的データの分析に基づき、既知の貯留層から、現在の経済条件及び既存の操業方法の下で、評価日時点以降操業権を付与する契約が満了する時点まで(契約延長に合理的確実性があるという証拠がある場合は延長が見込まれる期間が満了する時点まで)の間に、合理的な確実性をもって生産することが可能である石油・ガスの数量となっております。また、確認埋蔵量に分類されるためには、炭化水素を採取するプロジェクトが開始されているか、妥当な期間内にプロジェクトを開始することにつき合理的な確信をオペレーターが持っていなければならず、埋蔵量の定義の中でも保守的な数値として広く認識されております。ただし、かかる保守的な数値ではあっても、将来にわたる生産期間中に、確認埋蔵量が全量生産可能であることを保証する概念ではないことに留意を要します。確率論的手法を用いて確認埋蔵量を算定する場合には、確認埋蔵量を回収することができる確率が少なくとも90%以上であることが必要とされております。

 当社グループ(持分法適用関連会社分を含む)の原油、コンデンセート、LPG及び天然ガスの確認埋蔵量については「第一部 企業情報 3 事業の内容 (2)当社グループの埋蔵量」をご参照下さい。

② 埋蔵量の変動の可能性

 埋蔵量の評価は、評価時点において入手可能な油・ガス層からの地質的・工学的データ、開発計画の熟度、経済条件等多くの前提、要素及び変数に基づいて評価された数値であり、今後生産・操業が進むことにより新たに取得される地質的・工学的データや開発計画及び経済条件等の変動に基づき将来見直される可能性があり、その結果、増加又は減少する可能性があります。また、生産分与契約に基づく埋蔵量は、同契約の経済的持分から計算される数量が生産量だけでなく、油・ガス価格、投下資本、契約条件に基づく投下資本の回収額及び報酬額等により変動する可能性があり、その結果、埋蔵量も増加又は減少する可能性があります。このように埋蔵量の評価値は、各種データ、前提、定義の変更等により変動する可能性があります。

 

(6)オペレーターシップ

 石油・天然ガス開発事業においては、リスク及び資金負担の分散を目的として、複数の企業がパートナーシップを組成して事業を行う場合が多く見られます。実際の作業は、そのうちの1社がオペレーターとなり、パートナーを代表して操業の責任を負います。オペレーター以外の企業は、ノンオペレーターとしてオペレーターが立案・実施する探鉱開発計画や作業を吟味し、あるいは一部操業に参加しつつ、所定の資金提供を行うことで事業に参画します。

 当社グループは、経営資源の有効活用やノンオペレーターのプロジェクトとのバランスに配慮しつつ、探鉱、開発、生産それぞれの段階での豊富な操業経験をもとに蓄積したノウハウ及び技術力をもとに、イクシス等の大型LNGプロジェクトを中心として積極的にオペレータープロジェクトを推進していく方針であります。当社は国内外で原油、天然ガスの開発、生産プロジェクトにおいてオペレーターとしての経験を有しているほか、インドネシアやオーストラリアなどにおけるLNGプロジェクトなどに参加し長年ノウハウ、知見等を蓄積してきており、また、メジャーを含めた他の外国の石油会社が行っているのと同様、専門のサブコントラクターや経験豊富な外部コンサルタントを起用することなどにより、LNGプロジェクトを含めたオペレータープロジェクトを的確に遂行することが可能と考えております。

 オペレーターとしてのプロジェクト推進は、技術力の向上や、産油国・業界におけるプレゼンスの向上等を通じて鉱区権益取得機会の拡大に寄与することになる一方で、オペレーションに関する各種専門能力を有する人材確保上の制約、資金面での負担増大等のリスクが存在しており、これらのリスクに的確に対応できない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)共同事業

 石油・天然ガス開発事業では、前述の通り、リスク及び資金負担の分散を目的として数社以上の企業が共同事業を行う場合も多くなっており、この場合、共同事業遂行のための意思決定手続やパートナーを代表して操業を行うオペレーター等を取り決めるために、共同操業協定をパートナー間で締結するのが一般的になっております。ある鉱区において当社グループが共同事業を行っているパートナーとの関係が良好であっても、他の鉱区権益の取得においては競争相手となり得る可能性があります。

 また、共同事業の参加者は原則として、その保有権益の比率に応じて共同事業遂行のための資金負担をしますが、一部パートナーが資金負担に応じられない場合などには、プロジェクトの遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)石油・天然ガス開発事業には巨額の資金が必要となり資金回収までの期間も長いこと

 探鉱活動には相応の費用と期間とが必要であり、探鉱により有望な資源を発見した場合でも、生産に至るまでの開発段階においては、生産施設の建設費用等の多額の費用と長期に亘る期間が必要となります。このため、探鉱及び開発投資から生産及び販売による資金の回収までには10年以上の長い期間を要することになります。中でも、大型LNGプロジェクトの開発には巨額な投資が必要であり、経済金融情勢の変化によっては資金調達の内容に影響を及ぼす可能性があります。資源の発見後、生産及び販売開始までの開発過程において、政府の許認可の取得の遅延またはその変更、予測しえなかった地質等に関する問題の発生、油・ガス価及び外国為替レートの変動並びにその他資機材の市況の高騰などを含めた経済社会環境の変化や、LNGプロジェクトにおいて生産物購入候補者からの長期販売契約に関する合意が得られないことにより最終投資判断ができない等の要因により、開発スケジュールの遅延や当該鉱区の経済性が損なわれる等の事象が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)将来の廃鉱に関するリスク

 石油・天然ガス生産施設等について、産油国政府との石油契約や現地法令等に基づき、当社グループは、当該施設等の将来の操業・生産終了後に必要となる廃鉱作業に関連して発生する費用の現在価値の見積り額を、資産除去債務として計上しております。その後、廃鉱の作業方法の変更や掘削資機材の調達費用の高騰その他の理由により、当該見積り額が不足していることが判明した場合においては、当社グループの資産除去債務額の積み増しが必要となり、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2 原油価格(油価)、天然ガス価格、外国為替、及び金利の変動が業績に与える影響について

(1)油価、天然ガス価格の変動が業績に与える影響

 油価並びに海外事業における天然ガス価格の大部分は国際市況により決定され、また、その価格は国際的又は地域的な需給(ネットゼロカーボン社会の進展による需要の下押し圧力の強まりを含みます。)、世界経済(感染症等の世界的な流行・拡大による経済活動の縮小の影響を含みます。)及び金融市場の状況、さらには、産油国政府の方針や産油国間における生産量等に関する合意の動向を含む多様な要素の影響も受け著しく変動します。かかる事象は当社により管理可能な性質のものではなく、将来の油価、天然ガス価格の変動を正確に予測することはできません。当社グループの売上・利益は、かかる価格変動の影響を大きく受けます。油価が1バレル当たり1米ドル変動すると、当社グループの2023年12月期については年間60億円増減することになると期初時点では試算されます。その影響は大変複雑で、その要因としては以下の点が挙げられます。

① 海外事業における大部分の天然ガスの販売価格は、油価に連動していますが正比例していません。

② 売上・利益は売上計上時の油価・天然ガス価格を基に決定されているため、実際の取引価格と期中の平均油価は必ずしも一致しません。

 なお、当社は一部油価変動リスクを減じる手段を講じておりますが、かかる手段は当社の油価変動リスクを全てカバーするものではなく、油価変動が与える影響を完全に取り除くものではありません。

 国内における天然ガス事業は、国産天然ガス及び輸入LNGを原料としており、LNG市場価格の変動が原料価格及び販売価格に対して影響を及ぼします。また、電力・ガスシステム改革に伴う競争環境の変化が、天然ガス販売価格や天然ガス販売量に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、当社グループが保有する事業資産は、今後市況の変動等に基づく事業環境の変化等に伴い、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、その回収可能性の程度を反映させるように事業資産の帳簿価額を減額し、その減少額を減損損失とすることとなるため、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)外国為替の変動が与える業績への影響

 当社グループの事業の多くは海外における探鉱開発事業であり、これに伴う収入(売上)・支出(原価)は外貨建て(主に米ドル)となっており、損益は外国為替相場の影響を受けます。円高時には、円ベースでの売上・利益が減少し、逆に円安時には、円ベースでの売上・利益が増加します。

 一方、当社グループは必要資金の借入にあたり、外貨建で借入を行っており、外貨建借入金は、円高時は期末円換算により為替差益が生じ、円安時には期末円換算により為替差損が生じることから、上記の事業の為替リスクが減殺され、為替変動による損益面への影響を小さくする方向に働きます。米ドル・円の為替レートが1円変動すると、当社グループの2023年12月期については年間32億円増減することになると試算されます。なお、当社は一部為替リスクを減じる手段を講じておりますが、かかる手段は当社の為替リスクを全てカバーするものではなく、外国為替の変動が与える影響を完全に取り除くものではありません。

 

(3)金利の変動が与える業績への影響

 当社グループでは事業資金の一部を借入金で賄っており、このうち大部分が米ドル建て変動金利ベースの長期借入です。従って、当社の利益は米ドル金利変動の影響を受けます。なお、当社は、一部金利リスクを減じる手段を講じておりますが、かかる手段は当社の金利変動リスクを全てカバーするものではなく、金利の変動が与える影響を完全に取り除くものではありません。

 

3 気候変動に関するリスクについて

 パリ協定目標の達成に向けて、世界的な気候変動への対応に関心が高まるなか、気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの排出削減を目的とした取り組みが世界的に進められています。当社グループでは、TCFD提言に沿って気候変動に関するリスクを特定、評価、管理しており、具体的には下記のリスクを認識しています。これらの気候変動に関するリスクが顕在化する可能性は中長期的には増してくると考えられ、顕在化した場合には当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(1)政策・法規制リスク

 当社グループが事業を操業する国・地域がパリ協定等に基づき気候変動対策を強化し、排出権取引や炭素税などのカーボンプライシング制度を含む環境関連法令、規則及び基準等を変更したり、新たに導入した等の場合には、当社グループとして追加的な対応策を講じる必要やそのための費用負担が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)技術及び市場リスク

 低炭素関連技術が加速度的に進展し、低炭素製品の価格競争力が高まる、あるいは低炭素エネルギーへの選好により、当社グループの石油・天然ガス製品の需要が減少した場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)資金調達リスク

 当社グループの事業による直接的及び間接的な温室効果ガス排出量が、投資家や金融機関の投融資における気候変動リスクの評価項目として従来以上に重視された場合には、当社グループの資金調達及びその条件に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)物理的リスク

 熱帯低気圧や洪水などの極端な気象現象による急性リスク、長期的な平均気温上昇、海面上昇などの慢性リスクが、当社グループの施設等における操業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 海外における事業活動とカントリーリスクについて

 当社グループは、日本国外において多数の石油・天然ガス開発事業を遂行しております。鉱区権益の取得を含む当社グループの事業活動は、産油国政府等との間の諸契約に基づき行われていることから、産油国における自国の資源の管理強化の動きや紛争等による操業停止など、当該産油国やその周辺国等における、政治・経済・社会等の情勢(国際紛争、政府の関与、経済発展の段階、経済成長率、資本の再投下、資源の配分、国際社会による経済活動の規制、外国為替及び外国送金の政府統制、国際収支の状況を含みます。)の変化や、OPEC+加盟国における生産制限の適用、当該各国の法制度及び税制の変動(法令・規則の制定、改廃及びその解釈運用の変更を含みます。)、訴訟等により、当社グループの事業や業績は、保険で損失補填される場合を除き大きな影響を受ける可能性があります。

 また、産油国政府は、開発コストの増加などの事業環境の変化、事業の遂行状況、環境への対応などを理由として、鉱区にかかわる石油契約の条件の変更などを含めた経済条件の変更などを求める可能性があり、仮にかかる事態が生じ、経済条件の変更などが行われた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 上記の1.~4.の各種リスクに対応するため、個別のプロジェクトにおける対応として、経済性評価及びリスク評価に係るガイドラインを導入し、主要リスクを認識しております。

 石油・天然ガス上流事業における新規プロジェクトの取得に際しては、上流事業開発本部により一元的に採否の分析・検討を行うとともに、関係部署と連携の上でリスク対応を行っています。既存プロジェクトについても、探鉱、評価、開発等の各フェーズにおける技術的な評価等を組織横断的に行うための仕組みとして「INPEX Value Assurance System(IVAS)審査会」を運営するとともに、原則最低年1回は経済性評価とリスク評価を実施し、そのうち、主要プロジェクトについては毎年取締役会にリスク評価結果の概要を報告しております。

再生可能エネルギー事業や水素・CCUS事業に関しては、再生可能エネルギー・新分野事業本部及び水素・CCUS事業開発本部がそれぞれ担当する事業の総合調整をしており、経済性評価及びリスク評価・対応を実施しています。新規プロジェクトの取得に際しては、IVAS審査会や外部専門家の検証を実施するとともに、重要なプロジェクトについてはリスク評価結果の概要を取締役会にて報告しております。

 

 当社事業全般に係るリスク対応として、大規模な事故や災害等による緊急事態に対応できる能力を高めるため、緊急時・危機対応計画書を策定・維持するとともに、平時より緊急時対応訓練を定期的に実施する等、積極的にリスク管理に努めております。また、重要な業務を停止させないために事業継続計画(BCP)を策定し、適宜見直しを行っております。2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大に際しては、BCPを発動して、在宅勤務を含めた必要な対策を実施するとともに、コーポレート危機対策本部を立ち上げ、海外事業所を含めた全社的な状況把握を実施しています。

 また、情報セキュリティ委員会を定期的及び随時に開催し、組織的・体系的な情報セキュリティ対策を講じるとともに、情報漏えい防止を含む教育・訓練を実施しております。

 HSE(健康・安全・環境)リスクに関しては、当社の事業活動における安全衛生、プロセスセーフティ、環境保全の継続的改善を推進するため、HSEマネジメントシステムで定めるHSEリスク管理要領に基づき、事業所毎にHSEリスクの特定、分析・評価を行っています。また、リスク対応策を策定、実行するとともに、HSEリスクを監視するため、リスク管理状況を定期的に本社に報告させ、本社ではこれを確認しております。さらに、セキュリティに関するリスク等についても、関連する要領や指針をもとに全社的な管理に取り組んでおります。さらにノンオペレータープロジェクトのHSE管理についても、各プロジェクトのリスクに応じたHSE関与を推進しております。

 原油・天然ガス価格、為替、金利、及び有価証券価格に関しては、各変動リスクを特定し、それらの管理・ヘッジ方法を定めることで財務リスク管理を行っております。

 気候変動対応に関しては、パリ協定目標に則し2050年までに排出量ネットゼロとする目標を設定しました。この目標達成に向けて、当社グループは、ネットゼロカーボン社会に向けた変革の時代に、社会のニーズに応えるソリューションを提案すべく、5つの事業の柱を強力に推進します。具体的には、①水素事業の展開、②石油・天然ガス分野のCO2低減(CCUS推進他)、③再生可能エネルギーの強化と重点化、④カーボンリサイクルの推進と新分野事業の開拓、⑤森林保全の推進というネットゼロ5分野を強力に推進することで、ネットゼロカーボン社会に向けた変化に積極的に対応し、エネルギートランスフォーメーションのパイオニアとなることを目指します。

 カントリーリスクに関しては、事業を行う国や地域のカントリーリスク管理に係るガイドラインを制定し、リスクの高い国には累積投資残高の目標限度額を設定する等の管理を行っております。

 このほか、リーガルリスクについては、リーガルユニットを独立した組織とすることで、重要な契約や訴訟等について、事業部門及び経営陣へ適切に法的助言ができる体制を整備し、また国内外の事業への法務サポート機能を充実させております。

 

 これらのリスク対応を講じることで、リスクの管理及び影響の低減に努めているものの、全てのリスク対象をカバーするものではなく、また、個々の事象において影響を完全に取り除くものではありません。

 

 

Ⅱ.事業等のその他のリスク

1 生産分与契約について

(1)生産分与契約の内容

 当社グループはインドネシア、カスピ海周辺地域などにおいて生産分与契約による鉱区権益を多数保有しております。

 生産分与契約は、1社又は複数の会社がコントラクターとして、産油国政府や国営石油会社から探鉱・開発のための作業を自身のコスト負担で請負い、コストの回収分及び報酬を生産物で受け取ることを内容とする契約です。すなわち、探鉱・開発作業の結果、石油・天然ガスの生産に至った場合、コントラクターは負担した探鉱・開発コストを生産物の一部より回収し、さらに残余の生産物(原油・ガス)については、一定の配分比率に応じて産油国又は国営石油会社とコントラクターの間で配分します(このコスト回収後の生産物のコントラクターの取り分を「利益原油・ガス」と呼びます)。これに対して、探鉱作業の失敗や生産量の減少等により期待した生産を実現することができない場合には、コントラクターは投下した資金の全部又は一部を回収できないこととなります。

 

(2)生産分与契約の会計処理

 当社グループが生産分与契約に基づき鉱区権益を保有している場合は、上述のとおりコントラクターとして当該鉱区の探鉱・開発作業に係る技術・資金を投下し、当該鉱区にて生産される生産物により投下した作業費を回収し、作業費回収後の残余生産物の一部を報酬として受け取っています。

 生産分与契約に基づき投下した作業費は、将来回収が期待される資産として貸借対照表の生産物回収勘定に計上しています。生産開始後は、同契約に基づく作業費回収額を生産物回収勘定から控除します。

 当該生産分与契約に基づき引き取る生産物は、作業費の回収部分と報酬部分に分けられるため、売上原価計算の方法にも特徴があります。すなわち、引き取った生産物の金額は一旦生産物引取原価として売上原価に計上し、そのうち事後的に算定される報酬部分である生産物の金額を売上原価の調整項目(無償配分生産物)に計上します。従って、売上原価には、報酬部分控除後の作業費回収部分のみが計上されることとなります。

 

2 国との関係について

(1)当社と国との関係

 本書提出日現在、当社の発行済普通株式(自己株式を除く)の約21.19%及び甲種類株式は経済産業大臣が保有しておりますが、当社の経営判断は民間企業として自主的に行っており、国との間で役員派遣等による支配関係もありません。また、今後もそのような関係が生じることはないものと考えております。さらに国との間での当社の役員の兼任及び国の職員の当社への出向もありません。

 

(2)経済産業大臣による当社株式の所有、売却

 経済産業大臣は、現在当社の発行済普通株式数(自己株式を除く)の約21.19%の株式を保有しております。同株式は2005年4月1日付で解散した石油公団が保有していたものを、同公団の解散に伴い経済産業大臣が承継したものであります。2005年4月1日付で解散した石油公団が保有していた石油資源開発関連資産の整理・処分については、経済産業大臣の諮問機関である総合資源エネルギー調査会の石油分科会開発部会「石油公団資産評価・整理検討小委員会」により、「石油公団が保有する開発関連資産の処理に関する方針」(以下、「答申」といいます。)が2003年3月18日に発表されております。答申においては企業価値の成長を念頭に置きながら、適切なタイミングで市場を通じて株式を売却することが肝要とされております。また、2011年12月2日に施行された「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」(以下、「復興財源確保法」といいます。)の附則第13条第1項第2号の規定においては、エネルギー政策の観点を踏まえつつ、その保有の在り方を見直すことによる処分の可能性について検討するとされております。このため、今後経済産業大臣は国内外で当社株式を売却する可能性があり、そのことが当社の株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。

 また、経済産業大臣は当社甲種類株式1株を保有しておりますが、甲種類株主である経済産業大臣は、当社普通株主総会又は取締役会決議事項の一部について拒否権を有しております。甲種類株式に関する詳細については後記「4 甲種類株式について」をご参照ください。

3 政府及び独立行政法人が保有する当社グループのプロジェクト会社の株式の取扱いについて

(1)石油公団が保有していた当社グループのプロジェクト会社の株式の取扱い

 前述の答申において、国際石油開発(2008年10月1日付で当社が同社を吸収合併。以下同じ。)は中核的企業を構成すべきものと位置づけられ、ナショナル・フラッグ・カンパニーとして我が国のエネルギー安定供給の効率的な確保という政策目標の実現の一翼を担うことが期待されていることから、同社(及び2008年10月1日付で当社が国際石油開発を吸収合併して以降においては当社)ではこれを受け、政府による積極的な資源外交との相乗効果を生かし、我が国のエネルギー安定供給の効率的な確保という政策目標の実現を図るとともに、透明性・効率性の高い事業運営の推進により、株主価値の最大化を目指すこととしてまいりました。

 その結果、答申において提言された石油公団保有株式の譲受け等による統合に関して、2004年2月5日付で「石油公団保有資産の国際石油開発株式会社への統合に関する基本合意書」(以下、「統合基本合意書」といいます。)及び統合基本合意書に附属する覚書(以下、「覚書」といいます。)を締結し、2004年3月29日付で、国際石油開発と石油公団は統合の対象となる会社、統合比率等に関する詳細について合意に達し、「石油公団保有資産の国際石油開発株式会社への統合に関する基本契約」ほか関連契約を締結しました。

 統合基本合意書において国際石油開発への統合対象となった4つの会社のうち、ジャパン石油開発、インペックスジャワ株式会社(2010年9月30日に売却完了)及びインペックスエービーケー石油株式会社の3社については2004年に統合を完了しました。インペックス南西カスピ海石油株式会社(現株式会社INPEX南西カスピ海石油)については、株式交換により国際石油開発の完全子会社とすべく手続を進めましたが、株式交換契約の条件が成就しなかったため同契約は失効し、予定していた株式交換が取り止めとなり、その後、2005年4月1日付の石油公団の解散に伴い、同社の石油公団保有株式は、経済産業大臣に承継されております。当社としては引き続き当該株式の取得の可能性につき検討しておりますが、当該株式に係る経済産業大臣の今後の取扱方針は未定となっていることに加え、「復興財源確保法」の規定による検討の結果如何では、今後、当社による当該株式の取得が実現しない可能性もあります。

 2004年2月5日付の覚書においては、サハリン石油ガス開発株式会社(以下、「サハリン石油ガス開発」といいます。)、インペックスマセラアラフラ海石油株式会社(現株式会社INPEXマセラ)、インペックス北カスピ海石油株式会社(現株式会社INPEX北カスピ海石油)、インペックス北マカッサル石油株式会社(2008年12月19日に清算結了)、インペックス北カンポス沖石油株式会社(当社含む民間株主が同社の全株式を取得したうえで、2019年10月に第三者に対して売却済み)についての取扱いが国際石油開発と石油公団の間で合意されております。サハリン石油ガス開発の株式の取扱いについては、後記「(2)政府が保有するサハリン石油ガス開発の株式の取扱いについて」をご参照ください。サハリン石油ガス開発以外の上記各社の石油公団保有株式の国際石油開発への譲渡については、産油国や共同事業者の同意が得られること、適切な資産評価が可能となること等の前提条件が整い次第、現金を対価として譲渡することとなっておりましたが、2005年4月1日付の石油公団の解散に伴い、上記各社の石油公団保有株式は、経済産業大臣に承継されたインペックス北マカッサル石油株式会社に係る株式を除き、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(以下、「資源機構」といいます。)に承継されております。資源機構は、同機構の中期目標、中期計画において、石油公団から承継した株式については、適切な時期に適切な方法を選択して処分することとしていますが、上記各社の資源機構保有株式のうち、当社による株式の取得が実現していないものについては、譲渡の時期、方法は未定となっており、今後、当社によるそれらの株式の取得が実現しない可能性もあります。

 

(2)政府が保有するサハリン石油ガス開発の株式の取扱い

 経済産業大臣はサハリン石油ガス開発の普通株式の50%を保有しています。サハリン石油ガス開発は、サハリン島北東沖大陸棚における石油及び天然ガス探鉱開発事業を遂行するために1995年に設立された会社であり、当社は同社発行済み普通株式の約6.08%を保有しています。

 なお、今後の本事業の在り方については、現下の国際情勢、政府等の動向を踏まえつつ、当社としても適切に対応してまいります。

 

4 甲種類株式について

(1)種類株式の概要

① 導入の経緯

 当社は、国際石油開発と帝国石油の株式移転による経営統合により、2006年4月3日付で持株会社として設立されておりますが、これに伴い、国際石油開発が発行し、経済産業大臣が保有していた種類株式が当社に移転され、同時に当社が同等の内容の当社種類株式(以下、「甲種類株式」といいます。)を経済産業大臣に対し交付しております。もともと、国際石油開発において発行された種類株式は、前記「3 政府及び独立行政法人が保有する当社グループのプロジェクト会社の株式の取扱いについて」において記述した答申において、国際石油開発が中核的企業を構成すべきものと位置づけられ、ナショナル・フラッグ・カンパニーとして我が国向けエネルギーの安定供給の効率的実現の一翼を担うことが期待され、かかる観点から、同答申を受け、投機的な買収や外資による経営支配等により、中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われること又は否定的な影響が及ぶことがないよう、同社の役割を確保しつつ、経営の効率性・柔軟性を不当に阻害しないよう透明性を高くし、またその影響が必要最小限にとどまるよう設計され発行されたものです。

② 株主総会議決権、剰余金の配当、残余財産分配、償還

 法令に別段の定めがある場合を除き、甲種類株式は当社株主総会において議決権を有しません。剰余金の配当及び残余財産の分配については2013年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき400株の割合で株式分割を行っておりますが、甲種類株式(非上場)につきましては、株式分割を実施していないため、当該株式分割前の普通株式と同等になるよう、定款で定めております。甲種類株式は、当該甲種類株主から請求があった場合、又は甲種類株式が国若しくは国が全額出資する独立行政法人以外の者に譲渡された場合には当社取締役会の決議により償還されます。

③ 定款上の拒否権

 当社経営上の一定の重要事項(取締役の選解任、重要な資産の処分、定款変更、統合、資本の減少及び解散)の決定については、当社株主総会又は取締役会の決議に加え、甲種類株主総会の承認決議を要する旨、当社定款に定められています。従って、甲種類株式を保有する経済産業大臣は、甲種類株主としてこれら一定の重要事項につき拒否権を有することとなります。甲種類株主の拒否権が行使可能な場合については、後記「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (1)株式の総数等 ② 発行済株式の注記2」をご参照下さい。

④ 甲種類株式の議決権行使の基準に定める拒否権の行使の基準

 かかる拒否権の行使については令和4年経済産業省告示第54号(以下、「告示」といいます。)において基準が設けられており、以下の一定の場合にのみ拒否権を行使するものとされています。

・取締役の選解任及び統合に係る決議については、それらが否決されない場合、中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われていく蓋然性が高いと判断される場合。

・重要な資産の全部または一部の処分等に係る決議については、対象となっている処分等が、石油及び可燃性天然ガスの探鉱及び採取する権利その他これに類する権利、あるいは、当該権利を主たる資産とする当社子会社の株式・持分の処分等に係るものである場合であって、それが否決されない場合、中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に否定的な影響が及ぶ蓋然性が高いと判断される場合。

・当社の目的の変更に関する定款変更、資本金の額の減少及び解散については、それらが否決されない場合、中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に否定的な影響が及ぶ蓋然性が高いと判断される場合。

・当社普通株式以外の株式への議決権の付与に関する定款変更については、それが否決されない場合、甲種類株式の議決権行使に影響を与える可能性のある場合。

 なお、上記の基準については、エネルギー政策の観点から告示を変更する場合についてはこの限りではないことが規定されております。

 

(2)甲種類株式のリスク

 甲種類株式は、投機的な買収や外資による経営支配等により、中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われること又は否定的な影響が及ぶことがないよう、当社の役割を確保しつつ、経営の効率性・柔軟性を不当に阻害しないよう透明性を高くし、またその影響が必要最小限にとどまるよう設計され発行されたものでありますが、甲種類株式に関連して想定されるリスクには、以下のものが含まれます。

① 国策上の観点と当社及び一般株主の利益相反の可能性

 経済産業大臣は告示に規定された上記の基準に基づき拒否権を行使するものと予想されますが、当該基準は、我が国向けエネルギー安定供給の効率的実現の観点から設けられているため、経済産業大臣による拒否権の行使が当社又は当社の普通株式を保有する他の株主の利益と相反する可能性があります。また、エネルギー政策の観点から当該基準が変更される可能性があります。

② 拒否権の行使が普通株式の価格に与える影響

 甲種類株式は、上記に述べたように当社の経営上重要な事項の決定について拒否権を持つものであるため、特に、実際にある事項について拒否権が発動された場合には、当社普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。

③ 当社の経営の自由度や経営判断への影響

 前述のような拒否権を持つ甲種類株式を経済産業大臣が保有していることにより、当社は、上記各事項については甲種類株主総会の決議を要することとなるため、当社は経済産業大臣の判断によってはその経営の自由度を制約されることになります。また、上記各事項につき甲種類株主総会の決議を要することに伴い、甲種類株主総会の招集、開催及び決議等の各手続に、また必要に応じて異議申立の処理に一定期間を要することとなります。

 

5 兼任社外取締役について

 当社の取締役会は現在12名の取締役で構成されておりますが、うち5名は社外取締役であります。

 社外取締役5名のうち2名は、当社の事業分野に関して長年の経験、知見を有する経営者経験者等であり、当社としては、専門的、客観的立場から当社の事業運営に意見を述べ、当社事業の発展に寄与することを期して、取締役を委嘱しております。なお、かかる取締役のうち1名は、当社株主である三菱商事株式会社(以下、「当社株主会社」といいます。)の顧問を兼任しております。

 一方、当社株主会社は当社グループの事業と同一分野の事業を行っている企業であることから、競業その他利益相反の可能性があり、コーポレート・ガバナンス上の特段の留意が必要であると認識しております。

 このため、当社では、当社取締役が会社法上の競業避止義務、利益相反取引への適切な対処や情報漏洩防止等に関して、常に高い意識をもって経営にあたり、当社取締役としての職務を的確に遂行していくことの重要性に鑑み、上記1名の社外取締役を含む全取締役から、これらの点を確認する「誓約書」を受理しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1)経営成績等の状況の概要

 当期における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から回復基調にありましたが、2月以降のウクライナ情勢緊迫化を契機に、先行きが不透明な状況となりました。その後は、緩やかに持ち直しており、今後もウィズコロナの状況下での更なる景気の改善が期待されております。ただし、世界的な金融引締めが続く中、世界経済の下振れが我が国の景気に対するリスクとなっております。また、インフレーションや供給の混乱等による経済活動への影響は引き続き懸念されております。

 当社グループの業績に大きな影響を及ぼす国際原油価格は、代表的指標の一つであるブレント原油(期近物終値ベース)で当期は1バレル当たり78.98米ドルから始まりました。2月のロシア軍のウクライナ侵攻以降EUを中心とした対ロ経済制裁や欧米主要国によるロシア産エネルギーの輸入禁止の動き等から上期では120米ドルを超える値動きがありましたが、中国における新型コロナウイルスの感染再拡大や米欧を中心とした景気後退等の懸念から世界的に原油需要が減少するとの見方等から下期は軟調に推移し、年度末では85.91米ドルとなりました。これらを反映して、当期における当社グループの原油の平均販売価格は、前期に比べ、1バレル当たり29.28米ドル上昇し、97.71米ドルとなりました。

 一方、業績に重要な影響を与えるもう一つの要因である為替相場ですが、当期は1米ドル115円台で始まりました。年前半は、ロシアによるウクライナ侵攻に起因する資源価格の高騰や、世界的インフレ進行に伴う米金利の引き上げを受けて、136円台まで円安が進みました。年後半は、引き続き日米の金融政策の違いから、米ドル高・円安基調で推移し、一時150円台まで値を上げましたが、期末にかけては、米国のインフレ懸念減退や日銀による長期金利の変動許容幅拡大の決定を受け、日米金利差の縮小が意識されたため、為替相場も円高方向に振れ、期末公示仲値(TTM)は前期末から17円68銭円安の132円70銭となりました。なお、当社グループ売上の期中平均レートは、前期に比べ、21円62銭円安の1米ドル131円73銭となりました。

 当期は、原油及び天然ガスの販売価格の上昇により売上高が増加したこと等から、連結売上高は2兆3,246億円(前期比86.8%増)、経常利益は1兆4,382億円(同118.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,382億円(同96.5%増)となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりであります。

① 日本

 油価・ガス価の上昇により、売上高は前期比769億円、59.2%増の2,070億円となりましたが、売上原価の増加により、前期の営業利益114億円に対し、当期は130億円の営業損失となりました。

② アジア・オセアニア

 油価・ガス価の上昇により、売上高は前期比1,552億円、43.7%増の5,101億円となり、営業利益は前期比1,020億円、58.1%増の2,775億円となりました。

③ ユーラシア(欧州・NIS諸国)

 販売数量の増加及び油価の上昇により、売上高は前期比2,038億円、174.3%増の3,208億円となり、営業利益は前期比1,412億円、457.1%増の1,721億円となりました。

④ 中東・アフリカ

 販売数量の増加及び油価の上昇により、売上高は前期比6,347億円、102.7%増の1兆2,529億円となり、営業利益は前期比4,348億円、115.6%増の8,108億円となりました。

⑤ 米州

 油価・ガス価の上昇により、売上高は前期比94億円、39.1%増の337億円となり、営業利益は前期比60億円、59.3%増の163億円となりました。

 

 当連結会計年度末の総資産は、有形固定資産及び投資その他の資産が増加したこと等により、前連結会計年度末比1兆1,041億円増加の6兆2,623億円となりました。一方、負債は前連結会計年度末比4,121億円増加の2兆2,239億円となり、純資産は前連結会計年度末比6,919億円増加の4兆383億円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末の1,912億円に当連結会計年度中に増加した資金204億円を加えた2,116億円となりました。

 当連結会計年度における営業活動、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は次のとおりであります。

 なお、現金及び現金同等物に係る換算差額により、資金が366億円増加しております。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、前期比3,058億円増加の7,512億円となりました。これは主に、法人税等の支払額が増加したものの、販売価格の上昇により税金等調整前当期純利益が増加したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、前期比3,948億円増加の5,255億円となりました。これは主に、長期貸付けによる支出や投資有価証券の取得による支出が増加したことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は前期比732億円減少の2,419億円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出や自己株式の取得による支出が増加したものの、長期借入れによる収入が増加したことによるものです。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 区分

 当連結会計年度

(自 2022年1月1日

  至 2022年12月31日)

 前年同期比

 (%)

日本

原油

1.0百万バレル

△9.2

(日量2.6千バレル)

天然ガス

36.8十億CF

△8.4

(日量100.9百万CF)

小計

7.7百万BOE

△10.9

(日量21.0千BOE)

ヨード

559.1t

0.5

発電

199.3百万kWh

△4.0

アジア・オセアニア

原油

16.5百万バレル

△12.1

(日量45.3千バレル)

天然ガス

382.6十億CF

△3.7

(日量1,048.3百万CF)

小計

90.3百万BOE

△5.6

(日量247.4千BOE)

発電

425.4百万kWh

8.4

ユーラシア

(欧州・NIS諸国)

原油

23.4百万バレル

28.3

(日量64.2千バレル)

天然ガス

19.6十億CF

103.7

(日量53.7百万CF)

小計

26.9百万BOE

34.8

(日量73.8千BOE)

発電

313.2百万kWh

硫黄

61.1千t

△35.0

中東・アフリカ

原油

98.8百万バレル

17.2

(日量270.6千バレル)

米州

原油

2.7百万バレル

△6.7

(日量7.5千バレル)

天然ガス

3.1十億CF

△66.7

(日量8.6百万CF)

小計

3.4百万BOE

△28.1

(日量9.4千BOE)

合計

原油

142.5百万バレル

13.6

(日量390.3千バレル)

天然ガス

442.2十億CF

△3.2

(日量1,211.5百万CF)

小計

227.1百万BOE

6.5

(日量622.2千BOE)

ヨード

559.1t

0.5

発電

937.9百万kWh

56.3

硫黄

61.1千t

△35.0

(注)1 海外で生産されたLPGは原油に含みます。

2 原油及び天然ガス生産量の一部は、発電燃料として使用しております。

3 上記の生産量は持分法適用関連会社の持分を含みます。また、上記の生産量は連結子会社及び持分法適用関連会社の決算日にかかわらず、1月1日から12月31日の実績となっております。

 

4 当社グループが締結している生産分与契約にかかる当社グループの原油及び天然ガスの生産量は、正味経済的取分に相当する数値を示しております。なお、当社グループの権益比率ベースの生産量は、原油153.2百万バレル(日量419.6千バレル)、天然ガス452.7十億CF(日量1,240.3百万CF)、合計239.7百万BOE(日量656.6千BOE)となります。

5 BOE(Barrels of Oil Equivalent)原油換算量

6 ヨードは、他社への委託精製によるものであります。

7 数量は小数点第2位を四捨五入しております。

 

(2)受注実績

 当社グループの販売実績のうち、受注高が占める割合は僅少であるため受注実績の記載は省略しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

 

 

(単位:百万円)

 セグメントの名称

 区分

 当連結会計年度

(自 2022年1月1日

  至 2022年12月31日)

 前年同期比

 (%)

日本

原油

5,989

37.7

天然ガス(LPGを除く)

182,043

69.3

LPG

5

△70.4

その他

19,043

4.6

小計

207,082

59.2

アジア・オセアニア

原油

212,815

48.3

天然ガス(LPGを除く)

293,868

43.6

LPG

3,463

△49.6

小計

510,147

43.7

ユーラシア

(欧州・NIS諸国)

原油

275,154

134.0

天然ガス(LPGを除く)

43,840

その他

1,807

364.6

小計

320,803

174.3

中東・アフリカ

原油

1,252,913

102.7

米州

原油

31,788

47.1

天然ガス(LPGを除く)

1,924

△26.7

小計

33,712

39.1

合計

原油

1,778,662

96.5

天然ガス(LPGを除く)

521,676

66.3

LPG

3,469

△49.7

その他

20,851

12.1

合計

2,324,660

86.8

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1)財政状態・経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 概要

 当期は売上高が前期に比べ86.8%増加の2兆3,246億円、親会社株主に帰属する当期純利益が前期に比べ96.5%増加の4,382億円となりました。

 当社グループは原油及び天然ガスの探鉱、開発、生産事業を行っており、また、確認埋蔵量の9割超は海外であることから、当社グループの業績は原油及び天然ガスの価格ならびに為替レートの変動に大きく左右されます。また、保有する埋蔵量は生産活動により減少するため、油田買収や探鉱活動による新たな埋蔵量の発見が不可欠となっております。当社グループでは探鉱投資に係る費用について会計上保守的に認識しており、コンセッション契約の場合には100%営業費用に計上しております。また、生産分与契約に基づき投下した探鉱プロジェクトの探鉱作業費については100%引当て、営業外費用に計上しております。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前期

当期

増減

増減率(%)

売上高

1,244,369

2,324,660

1,080,290

86.8

(原油売上高)

905,199

1,778,662

873,463

96.5

(天然ガス売上高)

320,575

525,145

204,569

63.8

営業利益

590,657

1,246,408

655,750

111.0

経常利益

657,627

1,438,242

780,615

118.7

特別損失(減損損失)

14,170

25,799

11,629

82.1

親会社株主に帰属する当期純利益

223,048

438,276

215,227

96.5

 

 

前期

当期

増減

増減率(%)

原油販売量(千bbl)

120,118

138,116

17,998

15.0

売上平均油価(米ドル/bbl)

68.43

97.71

29.28

42.8

天然ガス販売量(百万cf)

464,805

442,416

△22,389

△4.8

海外ガス販売量(百万cf)

377,068

360,291

△16,777

△4.4

海外ガス単価(米ドル/千cf)

4.96

7.17

2.21

44.6

国内ガス販売量(百万㎥)

2,351

2,201

△150

△6.4

国内ガス売上平均単価(円/㎥)

45.73

82.73

37.00

80.9

売上平均為替レート(円/米ドル)

110.11

131.73

21.62

19.6

(注)1 天然ガス販売量、海外ガス販売量及び国内ガス販売量はLPG販売量を除いております。

      2 海外ガス単価及び国内ガス売上平均単価はLPGを除いて計算しております。

 

② 売上高

 当期の売上高は2兆3,246億円で、このうち、原油売上高は1兆7,786億円と前期の9,051億円と比べ8,734億円、96.5%の増収、天然ガス売上高は5,251億円と前期の3,205億円と比べ2,045億円、63.8%の増収、その他の売上高は208億円と前期の185億円と比べ22億円、12.1%の増収となりました。

 当期の販売数量は、原油が前期比17,998千バレル、15.0%増の138,116千バレルとなり、天然ガスは前期比22,389百万立方フィート、4.8%減の442,416百万立方フィートとなりました。このうち、海外天然ガスは前期比16,777百万立方フィート、4.4%減の360,291百万立方フィート、国内天然ガスは前期比150百万立方メートル、6.4%減の2,201百万立方メートル、立方フィート換算では82,125百万立方フィートです。販売価格は、海外原油売上の平均価格が1バレル当たり97.71米ドルとなり、前期比29.28米ドル、42.8%上昇、海外天然ガス売上の平均価格は千立方フィート当たり7.17米ドルとなり、前期比2.21米ドル、44.6%上昇、また、国内天然ガスの平均価格は立方メートル当たり82円73銭となり、前期比37円0銭、80.9%上昇しております。売上高の平均為替レートは1米ドル131円73銭となり、前期比21円62銭、19.6%の円安となりました。

 売上高の増加額1兆802億円を要因別に分析しますと、販売数量の増加により1,136億円の増収、平均単価の上昇により6,169億円の増収、売上の平均為替レートが円安となったことにより3,473億円の増収、その他の売上高が22億円の増収となりました。

③ 営業利益

 当期の売上原価は9,434億円と前期の5,689億円と比べ3,744億円、65.8%増加しております。探鉱費は292億円と前期の64億円と比べ227億円、353.1%の増加、販売費及び一般管理費は1,056億円と前期の783億円と比べ272億円、34.8%の増加となりました。

 以上の結果、当期における営業利益は1兆2,464億円と前期の5,906億円と比べ6,557億円、111.0%の増益となりました。

④ 経常利益

 当期の営業外収益は3,318億円と前期の1,122億円と比べ2,196億円、195.7%増加しております。これは、持分法による投資利益の増加等によるものです。営業外費用は1,400億円と前期の452億円と比べ947億円、209.3%増加しております。これは、金融資産の条件変更から生じる損失の計上等によるものです。

 以上の結果、当期における経常利益は1兆4,382億円と前期の6,576億円と比べ7,806億円、118.7%の増益となりました。

⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益

 当期の特別損失は、生産量見通しの下方修正等や売却の蓋然性が高まったことに伴い、一部プロジェクトで減損損失を計上したことにより257億円となりました。法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は9,705億円と前期の4,295億円と比べ5,410億円、126.0%の増加となりました。また、非支配株主に帰属する当期純利益は36億円となりました。

 以上の結果、当期における親会社株主に帰属する当期純利益は4,382億円と前期の2,230億円と比べ2,152億円、96.5%の増益となりました。

⑥ セグメント情報

 セグメント別の売上高、営業利益については、「(業績等の概要)」に記載しております。

⑦ 財政状態の分析

 当連結会計年度末における総資産は6兆2,623億円となり、前連結会計年度末の5兆1,581億円と比較して1兆1,041億円の増加となりました。このうち、流動資産は7,294億円で、受取手形、売掛金及び契約資産の増加及び有価証券の計上等により前連結会計年度末と比較して2,105億円の増加となりました。固定資産は5兆5,329億円で、有形固定資産及び投資その他の資産の増加等により前連結会計年度末と比較して8,935億円の増加となりました。

 一方、負債は2兆2,239億円となり、前連結会計年度末の1兆8,117億円と比較して4,121億円の増加となりました。このうち、流動負債は5,267億円で、前連結会計年度末と比較して1,778億円の増加、固定負債は1兆6,972億円で、前連結会計年度末と比較して2,343億円の増加となりました。

 純資産は4兆383億円となり、前連結会計年度末の3兆3,464億円と比較して6,919億円の増加となりました。このうち、株主資本は2兆9,192億円で、前連結会計年度末と比較して2,386億円の増加となりました。その他の包括利益累計額は8,575億円で、前連結会計年度末と比較して4,141億円の増加、非支配株主持分は2,615億円で、前連結会計年度末と比較して391億円の増加となりました。

 

 セグメント別の財政状態の分析は次のとおりであります。

a)日本

 主に流動資産が増加したことにより、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して374億円、14.3%増の2,996億円となりました。

b)アジア・オセアニア

 主に投資その他の資産が増加したことにより、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して7,492億円、22.1%増の4兆1,432億円となりました。

c)ユーラシア(欧州・NIS諸国)

 主に投資その他の資産が増加したことにより、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して1,907億円、33.6%増の7,615億円となりました。

d)中東・アフリカ

 主に流動資産が増加したことにより、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して631億円、10.1%増の6,862億円となりました。

e)米州

 主に有形固定資産が減少したことにより、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して100億円、25.9%減の285億円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(業績等の概要)」に記載しております。

② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 石油・天然ガスの探鉱・開発活動及び天然ガス供給インフラ施設等の建設においては多額の資金を必要とするため、内部留保による手許資金のほかに、外部からも資金を調達しております。探鉱資金については手許資金及び外部からの出資により、また、開発資金及び天然ガス供給インフラ施設等の建設資金については手許資金、銀行借入及び社債発行により調達することを基本方針としております。現在、開発資金借入については株式会社国際協力銀行及び市中銀行等から融資を受けており、これら融資に関しては、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の保証制度を活用しております。また、国内の天然ガス供給インフラ施設等の建設資金借入については、株式会社日本政策投資銀行及び市中銀行からの融資を受けております。なお、イクシスLNGプロジェクトでは、当期も持分法適用関連会社である、イクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)を借入人として、国内外の輸出信用機関及び市中銀行からプロジェクトファイナンスの借入等を行っております。

 当期は、開発投資等を目的とした資金調達を実施しつつ、当社中期経営計画に沿って有利子負債の削減に努めております。このほか、開発投資・探鉱投資等に向けて、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の出資を受けております。

 資金の流動性については、短期の運転資金のほかに油価の急な下落等に備え、一定の手許資金を保有することを基本方針としており、また、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結し、資金調達枠を確保しております。

 当連結会計年度末における借入金の残高は1兆2,402億円、現金及び預金の残高は2,278億円です。

③ 資金の配分方法

 資金の配分方法については、「第2事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

4【経営上の重要な契約等】

石油契約等

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

㈱INPEXマセラ

(連結子会社)

インドネシア共和国政府

ほか

インドネシア共和国マセラ鉱区における生産分与契約

1998年11月16日から

2055年11月15日まで

㈱INPEX南マカッサル

(連結子会社)

インドネシア共和国政府

ほか

インドネシア共和国南マカッサル海域セブク鉱区における生産分与契約

1997年9月22日から

2027年9月21日まで

㈱INPEXコンソン

(連結子会社)

ベトナム共和国政府

ほか

ベトナム共和国05-1b/05-1c鉱区における生産分与契約

2004年11月18日から

2034年11月17日まで

INPEX Ichthys Pty Ltd

(連結子会社)

オーストラリア連邦政府

ほか

オーストラリア連邦西オーストラリア州WA-50-L/WA-51-L鉱区における生産ライセンス

2012年3月1日から

INPEX Oil & Gas

Australia Pty Ltd

(連結子会社)

オーストラリア連邦政府

ほか

オーストラリア連邦西オーストラリア州WA-44-L鉱区における生産ライセンス

2011年5月20日から

INPEX DLNGPL Pty Ltd

(連結子会社)

オーストラリア連邦政府

ほか

バユ・ウンダンフィールドからオーストラリア連邦ダーウィンまでのパイプライン敷設ライセンス

2001年4月27日から

㈱INPEXアルファ石油(連結子会社)

オーストラリア連邦政府

ほか

オーストラリア連邦西オーストラリア州WA-35-L鉱区における生産ライセンス

2008年10月17日から

オーストラリア連邦政府

ほか

オーストラリア連邦西オーストラリア州WA-43-L鉱区における生産ライセンス

2009年11月18日から

オーストラリア連邦政府

ほか

オーストラリア連邦西オーストラリア州WA-55-L鉱区における生産ライセンス

2013年6月18日から

㈱INPEXサウル石油

(連結子会社)

東チモール民主共和国政府

ほか

東チモール民主共和国のPSCTL-SO-T 19-12鉱区における生産分与契約

2019年8月30日から

2023年3月31日まで

INPEX Idemitsu Norge AS

(連結子会社)

ノルウェー王国政府

ノルウェー王国PL057/089鉱区等 における生産ライセンス

2022年1月31日から

㈱INPEX南西カスピ海石油

(連結子会社)

ソカール(アゼルバイジャン共和国国営石油会社) ほか

アゼルバイジャン共和国領カスピ海海域ACG油田における生産分与契約

1994年12月12日から

2049年12月31日まで

㈱INPEX北カスピ海石油

(連結子会社)

カザフスタン共和国エネルギー鉱物資源省、カズムナイガス(カザフスタン共和国国営石油会社) ほか

カザフスタン共和国北カスピ海沖合鉱区における生産分与契約

1998年4月27日から

2031年12月31日まで

(10年延長を1回可能)

INPEX BTC Pipeline,

Ltd.

(連結子会社)

アゼルバイジャン共和国/ジョージア/トルコ共和国

各国政府が協力して3カ国を通過するBTCパイプラインプロジェクトの遂行、各国通過を認める契約(IGA)

2000年6月21日発効

 

 

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

INPEX BTC Pipeline,

Ltd.

(連結子会社)

HGA

(注)

アゼルバイジャン共和国政府及びBTCプロジェクト当事者

BTCプロジェクトを遂行する権利付与等契約

2000年10月18日から、船積み開始後40年間(10年延長を2回可能)

ジョージア政府及びBTCプロジェクト当事者

同上

2000年10月19日から、船積み開始後40年間(10年延長を2回可能)

トルコ共和国政府及びBTCプロジェクト当事者

同上

2000年10月20日から、船積み開始後40年間(10年延長を2回可能)

ジャパン石油開発㈱

(連結子会社)

アラブ首長国連邦アブダビ首長国政府 ほか

アラブ首長国連邦アブダビ沖合サター油田及びウムアダルク油田における利権契約

2018年3月9日から

2043年3月8日まで

ADNOC(アブダビ国営石油会社) ほか

アラブ首長国連邦アブダビ沖合上部ザクム油田に係る修正共同開発協定

2006年1月1日から

2051年12月31日まで

JODCO Lower Zakum Limited

(連結子会社)

アラブ首長国連邦アブダビ首長国政府 ほか

アラブ首長国連邦アブダビ沖合下部ザクム油田における利権契約

2018年3月9日から

2058年3月8日まで

JODCO Onshore Limited

(連結子会社)

アラブ首長国連邦アブダビ首長国政府 ほか

アラブ首長国連邦アブダビ陸上鉱区(ADCO鉱区)における利権契約

2015年1月1日から

2054年12月31日まで

(注) HGA(Host Government Agreement)は、BTCパイプラインが通過する3カ国(アゼルバイジャン共和国、ジョージア及びトルコ共和国)の各国政府とBTCプロジェクト当事者との間で締結された各国政府の合意及び義務を定めた契約であります。

 

2【主要な設備の状況】

 当連結会計年度末現在の有形固定資産に計上している主要な設備の状況は次のとおりであります。

(1)提出会社

事業所名

(所在地)

セグメント

の名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業

員数

(名)

建物及び

構築物

機械装置

及び

運搬具

土地

(面積千㎡)

坑井

その他

合計

本社事務所等

(東京都港区他)

(注)3

事務所

福利厚生施設

3,887

67

1,476

896

6,327

840

〔1,606〕

(5)

[41]

東日本鉱業所他

(新潟県新潟市中央区、長岡市他)

(注)4

日本

生産設備

供給設備

112,406

10,568

9,135

5,576

6,988

144,676

294

(690)

[44]

直江津LNG基地

(新潟県上越市)

日本

製造設備

34,678

27,894

2,497

75

65,145

104

(252)

[7]

秋田鉱場

(秋田県秋田市)

日本

生産設備

供給設備

12

56

329

14

8

421

29

(69)

[9]

千葉鉱場

(千葉県山武市)

日本

生産設備

供給設備

219

931

322

28

20

1,522

39

(27)

[3]

技術研究所

(東京都世田谷区)

研究設備

648

142

2,123

40

2,954

43

(8)

[2]

(注)1 帳簿価額のうち「その他」には、工具器具及び備品、建設仮勘定を含んでおります。

2 当連結会計年度末時点で休止中の主要な設備はありません。

3 上記中〔 〕内は連結会社以外からの賃借設備にかかる賃借料で、外数であります。

4 「東日本鉱業所他」の供給設備の中には、㈱INPEXパイプライン(連結子会社)に保守・管理を委託のうえ貸与している建物及び構築物105,921百万円、機械装置2,882百万円、土地5,136百万円(223千㎡)、その他179百万円が含まれております。

5 従業員数の[ ]は、臨時雇用者で、外数であります。

 

(2)国内子会社

会社名

事業所名

(所在地)

セグメント

の名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業

員数

(名)

建物及び

構築物

機械装置

及び

運搬具

土地

(面積千㎡)

坑井

その他

合計

ジャパン

石油開発㈱

(東京都港区他)

(注)3、4

中東・

アフリカ

生産施設等

2,625

80,885

29,729

83,643

196,884

87

(-)

[1]

(注)1 帳簿価額のうち「その他」には、工具器具及び備品、建設仮勘定を含んでおります。

2 当連結会計年度末時点で休止中の主要な設備はありません。

3 ジャパン石油開発㈱の生産施設等は主としてアラブ首長国連邦アブダビ沖合海上鉱区での原油生産に関わる生産施設等の同社権益比率(12~40%)持分であり、その帳簿価額を掲記しております。

4 従業員数は、提出会社からの出向者を含んで表示しております。

5 従業員数の[ ]は、臨時雇用者で、外数であります。

 

(3)在外子会社

会社名

事業所名

(所在地)

セグメント

の名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業

員数

(名)

建物及び

構築物

機械装置

及び

運搬具

土地

(面積千㎡)

坑井

その他

合計

INPEX Ichthys Pty Ltd

(オーストラリア連邦西オーストラリア州)

(注)3、5

アジア・

オセアニア

生産施設等

1,222,147

177

244,818

154,592

1,621,735

(4,139)

[-]

INPEX Oil & Gas Australia Pty Ltd

(オーストラリア連邦西オーストラリア州)

(注)4、5

アジア・

オセアニア

生産施設等

538

193,433

15,653

2,519

212,146

(-)

[-]

(注)1 帳簿価額のうち「その他」には、建設仮勘定を含んでおります。

2 当連結会計年度末時点で休止中の主要な設備はありません。

3 INPEX Ichthys Pty Ltdの生産施設等はオーストラリア連邦WA-50-L/WA-51-L鉱区(イクシスガス・コンデンセート田)での生産に関わる沖合生産施設等の同社権益比率(66.245%)持分であり、その帳簿価額を掲記しております。

4 INPEX Oil & Gas Australia Pty Ltdの生産施設等はオーストラリア連邦WA-44-L鉱区(プレリュードガス田)での生産に関わる沖合生産施設等の同社権益比率(17.5%)持分であり、その帳簿価額を掲記しております。

5 従業員数は、提出会社からの出向者を含んで表示しております。

6 従業員数の[ ]は、臨時雇用者で、外数であります。

 

①【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

3,600,000,000

甲種類株式

1

3,600,000,001

②【発行済株式】

種類

事業年度末現在発行数

(株)

(2022年12月31日)

提出日現在発行数

(株)

(2023年3月29日)

上場金融商品取引所名

又は登録認可金融商品

取引業協会名

内容

普通株式

1,386,667,167

1,386,667,167

東京証券取引所

(プライム市場)

単元株式数は、100株であります。その内容の詳細は(注)1をご参照下さい。

甲種類株式

1

1

非上場・非登録

単元株式数は、1株であります。その内容の詳細は(注)2及び3をご参照下さい。

1,386,667,168

1,386,667,168

(注)1 株主としての権利内容に制限のない、標準となる株式であります。

2 甲種類株式の内容は次のとおりであります。

1 議決権

甲種類株式は当会社株主総会において議決権を有しない。ただし、法令に別段の定めがある場合はこの限りではない。

2 剰余金の配当及び中間配当

甲種類株式に対する剰余金の配当又は中間配当は、当会社普通株式に対する剰余金の配当又は中間配当の額に400を乗じて算出される額にて行われる。

3 残余財産の分配

甲種類株主は当会社普通株式に対する残余財産分配の金額に400を乗じて算出される額の残余財産分配請求権を有する。

4 甲種類株主総会の決議を要する事項に関する定め

次の場合においては、甲種類株式の株主による種類株主総会(甲種類株主総会)の決議を経なければならない。なお、当会社株主総会の招集通知を発する場合、当会社は、甲種類株主に対して、当該招集通知の写しを送付するとともに、甲種類株主総会の開催の有無につき通知するものとする。甲種類株主総会を開催する旨の通知は甲種類株主総会の招集通知を発することによりなされるものとする。

(1)取締役の選任又は解任にかかる当会社株主総会決議時点において、当会社普通株式にかかる総株主の議決権の100分の20以上を公的主体以外の当会社普通株式の単一の株主又は単一の株主とその共同保有者が保有していた場合(ただし、かかる場合にあたるかにつき、当該株主総会にかかる基準日現在の株主を前提に判断するものとする。)(以下、「取締役の選任又は解任における100分の20要件」という。)の当該取締役の選任又は解任

(2)当会社の重要な資産の処分等を行おうとする場合

(3)当会社子会社が重要な資産の処分等を行おうとする場合に、当会社子会社の株主総会において当会社が議決権を行使しようとする場合

(4)以下の事項に関する定款変更を行おうとする場合(当会社が合併、株式交換、株式移転を行おうとする場合において、合併契約、株式交換契約、株式移転契約、又はこれらを目的とする契約において定款変更の定めが含まれる場合の当該定款変更に関する甲種類株主総会の要否、及び当会社が株式移転をする場合において、新設持株会社の定款の規定が当会社の定款の規定と異なる場合の当該株式移転契約の承認に関する甲種類株主総会の要否については、下記(5)の規定によれば合併、株式交換、株式移転に関する甲種類株主総会の決議が不要な場合であっても、本規定に従ってこれを決する。)

① 当会社の目的

② 当会社普通株式以外の株式への議決権(甲種類株式に既に付与された種類株主総会における議決権を除く。)の付与

(5)当会社が合併、株式交換、株式移転を行おうとする場合。ただし、以下の各号に該当する場合を除く。

① 合併において当会社が存続会社となる場合。ただし、合併完了時点において当会社普通株式にかかる総株主の議決権の100分の20以上を公的主体以外の単一の株主又は単一の株主とその共同保有者が保有することとなる場合(ただし、かかる場合にあたるかにつき、当該合併を承認する各当事会社の株主総会にかかる基準日現在の株主を前提に判断するものとする。)(以下、「合併における100分の20要件」という。)を除く。

② 株式交換において当会社が完全親会社となる場合。ただし、株式交換完了時点において当会社普通株式にかかる総株主の議決権の100分の20以上を公的主体以外の単一の株主又は単一の株主とその共同保有者が保有することとなる場合(ただし、かかる場合にあたるかにつき、当該株式交換を承認する各当事会社の株主総会にかかる基準日現在の株主を前提に判断するものとする。)(以下、「株式交換における100分の20要件」という。)を除く。

③ 株式移転において新設持株会社を設立する場合で、甲種類株主が当社定款上有する権利と同等の権利を有する当該新設持株会社の種類株式が甲種類株主に付与されることが、株式移転のための株主総会で決議された場合。ただし、株式移転完了時点において新設持株会社普通株式にかかる総株主の議決権の100分の20以上を公的主体以外の単一の株主又は単一の株主とその共同保有者が保有することとなる場合(ただし、かかる場合にあたるかにつき、当該株式移転を承認する各当事会社の株主総会にかかる基準日現在の株主を前提に判断するものとする。)(以下、「株式移転における100分の20要件」という。)を除く。

(6)当会社の株主への金銭の払い戻しを伴う当会社の資本金の額の減少を行おうとする場合

(7)当会社が株主総会決議により解散をする場合

(8)100分の20要件に関するみなし規定

① 取締役の選任又は解任

取締役の選任又は解任について甲種類株主総会の招集通知が発送された場合は、取締役の選任又は解任における100分の20要件が当該決議の対象となった取締役の選任又は解任にかかる当会社株主総会決議時点において充足されていたものとみなす。

甲種類株主は、取締役の選任又は解任について甲種類株主総会を開催しない旨の通知を受領した場合においても、当会社株主総会において取締役を選任又は解任する旨の決議がなされた場合には、当会社に対し、甲種類株主総会を開催すべき旨の異議を申し立てることができる。甲種類株主による異議申立てなく株主総会決議後2週間以内の異議申立て期間が経過した場合は、取締役の選任又は解任における100分の20要件が当該取締役の選任又は解任にかかる当会社株主総会決議時点において充足されていなかったものとみなす。

② 合併、株式交換、株式移転

当会社が合併、株式交換、株式移転をする場合において甲種類株主総会の招集通知が発送された場合は、合併における100分の20要件、株式交換における100分の20要件及び株式移転における100分の20要件が、当該合併、株式交換又は株式移転にかかる当会社株主総会決議の時点において充足されていたものとみなす。

甲種類株主は、当会社が合併、株式交換、株式移転をする場合において甲種類株主総会を開催しない旨の通知を受領した場合においても、当会社株主総会において当会社にかかる合併、株式交換、株式移転を行う旨の決議がなされた場合には、当会社に対し、甲種類株主総会を開催すべき旨の異議を申し立てることができる。甲種類株主による異議申立てなく株主総会決議後2週間以内の異議申立て期間が経過した場合は、合併における100分の20要件、株式交換における100分の20要件、株式移転における100分の20要件が、当該合併、株式交換、株式移転にかかる当会社株主総会決議の時点において充足されていなかったものとみなす。

5 甲種類株式の取得請求権及び取得条項に関する定め

(1)甲種類株主は、いつでも、当会社に対し、書面によって、金銭の交付と引き換えに当会社が甲種類株式を取得することを請求することができる。

(2)当会社は、甲種類株式が公的主体以外の者に譲渡された場合、取締役会の決議により、当該譲受人の意思にかかわらず、金銭の交付と引き換えに甲種類株式を取得することができる。なお、甲種類株主は、甲種類株式を譲渡する場合には、当会社に対して、その旨及び相手先の名称を、事前に通知しなければならない。

(3)甲種類株式の取得価格は、上記(1)の場合は取得請求日、上記(2)の場合は取得日の前日(以下あわせて「取得価格基準日」という。)の時価に400を乗じて算出される額によることとする。当会社普通株式が東京証券取引所に上場されている場合は、当会社普通株式一株当たりの東京証券取引所における取得価格基準日の終値と同一の価格をもって取得価格基準日の時価とする。取得価格基準日の終値が存在しない場合には、同日より前の最も直近の日における終値によることとする。

6 定義

甲種類株式にかかる上記事項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1)「親会社」とは、他の会社等の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下「意思決定機関」という。)を支配している会社等をいう。以下、他の会社等の意思決定機関を支配している者とは、次の各号に掲げる者をいう。

① 他の会社等の議決権(種類株式の議決権を除く。以下種類株式の議決権につき言及する場合を除き同じ。)の過半数を自己の計算において所有している者

② 他の会社等の議決権の100分の40以上、100分の50以下を自己の計算において所有している者であって、かつ、次に掲げるいずれかの要件に該当する者

イ 自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同様に議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同様に議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、他の会社等の議決権の過半数を占めていること。

ロ 役員若しくは使用人である者、又はこれらであった者で自己が他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができる者が、当該他の会社等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の過半数を占めていること。

ハ 他の会社等の重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。

ニ 他の会社等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額の過半について融資(債務の保証及び担保の提供を含む。以下同じ。)を行っていること(自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を合わせて資金調達額の総額の過半となる場合を含む。)。

ホ その他他の会社等の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること。

③ 自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同様に議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同様に議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせた場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)に他の会社等の議決権の過半数を占めている者であって、かつ、前号ロからホまでに掲げるいずれかの要件に該当する者

④ 他の会社等の種類株式(議決権のないものを除く。)のうちある種類のものについて、その議決権の過半数を自己の計算において所有している者

(2)「会社等」とは、会社、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するものを含む。)をいう。

(3)「関連会社」とは、ある者(その者が子会社を有する場合には、当該子会社を含む。)が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該子会社以外の他の会社等をいう。ある者が他の者(個人を含む。)の関連会社である場合の他の者もある者の関連会社とみなす。子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合とは、次の各号に掲げる場合をいう。

① 子会社以外の他の会社等の議決権の100分の20以上を自己の計算において所有している場合

② 子会社以外の他の会社等の議決権の100分の15以上、100分の20未満を自己の計算において所有している場合であって、かつ、次に掲げるいずれかの要件に該当する場合

イ 役員若しくは使用人である者、又はこれらであった者で自己が子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができる者が、当該子会社以外の他の会社等の代表取締役、取締役又はこれらに準ずる役職に就任していること。

ロ 子会社以外の他の会社等に対して重要な融資を行っていること。

ハ 子会社以外の他の会社等に対して重要な技術を提供していること。

ニ 子会社以外の他の会社等との間に重要な販売、仕入れその他の営業上又は事業上の取引があること。

ホ その他子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができることが推測される事実が存在すること。

③ 自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同様に議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同様に議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせた場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)に子会社以外の他の会社等の議決権の100分の20以上を占めているときであって、かつ、前号イからホまでに掲げるいずれかの要件に該当する場合

(4)「共同保有者」とは、以下のいずれかに該当する者を総称していう。

① 単一の株主が、当会社の株式の他の保有者と協力して、当会社の経営に継続的に影響を与えることを合意している場合の当該他の保有者

② 単一の株主の配偶者、親会社若しくはその意思決定機関を支配する個人、子会社若しくは関連会社、又は単一の株主の親会社若しくはその意思決定機関を支配する個人の単一の株主以外の子会社であって当会社の株式を保有している者

③ ①に定める他の保有者の配偶者、親会社若しくはその意思決定機関を支配する個人、子会社若しくは関連会社であって当会社の株式を保有している者

④ 単一の株主の配偶者の子会社又は関連会社(単一の株主及びその配偶者夫婦の事情をあわせ考慮した場合に当該夫婦の子会社又は関連会社となる者を含む。)であって当会社の株式を保有している者

⑤ ①に定める他の保有者の配偶者の子会社又は関連会社(①に定める他の保有者及びその配偶者夫婦の事情をあわせ考慮した場合に当該夫婦の子会社又は関連会社となる者を含む。)であって当会社の株式を保有している者

(5)「甲種類株式」とは、当会社の定款第3章に規定する種類株式をいう。

(6)「公的主体」とは、国又は国が全額出資する独立行政法人をいう。

(7)「子会社」とは、会社等又は個人が他の会社等の意思決定機関を支配している場合の当該他の会社等をいい、親会社及び子会社、子会社の意思決定機関を支配する個人及び子会社、又は子会社が、他の会社等の意思決定機関を支配している場合における当該他の会社等も、その親会社又は個人の子会社とみなす。

(8)「重要な資産の処分等」とは、当会社又は当会社子会社における、資産の売却、事業譲渡、現物出資、会社分割(ただし、現物出資又は会社分割の実施後、当会社が、出資先会社又は会社分割における承継会社若しくは新設会社の、親会社となる場合を除く。)、及び担保設定その他の処分、並びに当会社子会社株式・持分の売却(ただし、当会社が直接株式を所有している子会社の場合を除き、当会社子会社株式・持分の売却後、当会社が当該子会社の、親会社となる場合を除く。)その他の処分で、当該処分により当会社又は当会社子会社が受領する対価若しくは担保設定額が直近に作成された当会社監査済連結財務諸表における総資産の100分の20以上である場合又は直近に作成された連結財務諸表における連結売上高において当該処分にかかる資産による売上高の占める割合が100分の20以上である場合のいずれかをいう。なお、当会社子会社株式・持分の売却には、合併、株式交換、株式移転及び当会社連結子会社が行う第三者割当増資(ただし、当会社が直接株式を所有している子会社の場合を除き、合併、株式交換、株式移転又は第三者割当増資の実施後、当会社が合併による存続会社若しくは新設会社、株式交換若しくは株式移転における完全親会社、又は第三者割当増資を行った当会社子会社の、親会社となる場合を除く。)を含むものとする。また、当会社子会社株式・持分の売却の場合、当会社又は当会社子会社が受領する対価は、株式・持分の売却の場合は当会社子会社の一株・一出資口当たり売却価格に売却直前時点における当該子会社の発行済株式・出資口総数を乗じた金額、合併、株式交換、株式移転の場合は合併比率(合併により解散する会社の株主・社員の所有する一株・一出資口についての、存続会社又は新設会社の株式・持分の割当の比率をいう。以下同じ。)、株式交換比率(株式交換により完全子会社となる会社の株主の所有する一株についての、完全親会社となる会社の株式・持分の割当の比率をいう。以下同じ。)、株式移転比率(株式移転により完全子会社となる会社の株主の所有する一株についての、設立される完全親会社の株式の割当の比率をいう。以下同じ。)を算出するにあたり使用された当会社子会社の一株・一出資口当たりの価値に合併、株式交換、株式移転直前時点における当該子会社の発行済株式・出資口総数を乗じた金額、第三者割当増資の場合は第三者割当増資における当会社子会社の一株・一出資口当たりの払込金額等に第三者割当増資直後の当該子会社の発行済株式・出資口総数を乗じた金額に、それぞれ対象となる当会社子会社の直近に作成された監査済貸借対照表における有利子負債(以下「有利子負債」という。)の総額に相当する金額を加算した金額とみなす。会社分割及び事業譲渡の場合、当会社又は当会社子会社が受領する対価は、当会社又は当会社子会社が受領する金銭、株式その他の金額(金銭以外の資産については会社分割及び事業譲渡における当該資産の評価額をいう。)に、会社分割又は事業譲渡において当会社又は当会社子会社からの承継の対象とされた有利子負債の総額に相当する金額を加算した金額とみなす。上記にかかわらず、当会社が直接株式を所有している子会社株式の処分の場合は、当該処分により当会社が受領する対価若しくは担保設定額が直近に作成された当会社監査済連結財務諸表における総資産の100分の20以上である場合を「重要な資産の処分等」とする。

(9)「取得請求日」とは、甲種類株主の書面による当会社に対する甲種類株式の取得請求の通知が、当会社に到達した日をいう。

(10)「単一の株主」とは、自己の計算において当会社株式を所有している者のほか、以下に掲げる者を含む。

① 金銭の信託契約その他の契約又は法律の規定に基づき、当会社の株主としての議決権を行使することができる権限を有する者、又は、当該議決権の行使について指図を行うことができる権限を有する者(②に該当する者を除く。)

② 投資一任契約(金融商品取引法に規定する投資一任契約をいう。)その他の契約又は法律の規定に基づき、当会社株式に投資をするのに必要な権限を有する者

3 会社法第322条第2項に規定する定款の定めはありません。

4 株式の種類ごとの議決権の有無及びその理由

(注)2の1に記載のとおり、甲種類株式は当会社株主総会において議決権を有しておりません。(ただし、法令に別段の定めがある場合はこの限りではありません。)

当会社定款においては、(注)2の4に記載のとおり、経営上の一定の重要事項の決定について、株主総会又は取締役会の決議に加え、甲種類株主総会の決議が必要である旨が定められております。このような機能を有する甲種類株式を経済産業大臣が保有することにより、投機的な買収や外資による経営支配等により、中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われること又は否定的な影響が及ぶことがないよう、当社の役割が確保されると考えられるとともに、ナショナル・フラッグ・カンパニーとして我が国向けエネルギーの安定供給の効率的実現の一翼を担うことが期待され、対外的な交渉や信用などの面で積極的な効果も期待できること等が、甲種類株式を発行した目的であります。

5 株式の保有に係る特記事項

甲種類株式は経済産業大臣によって保有されています。

 

①【ストックオプション制度の内容】

 該当事項はありません。

 

②【ライツプランの内容】

 該当事項はありません。

 

(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】

年月日

発行済株式

総数増減数

(株)

発行済株式

総数残高

(株)

資本金増減額

(百万円)

資本金残高

(百万円)

資本準備金

増減額

(百万円)

資本準備金

残高

(百万円)

2022年2月8日(注)

△75,656,433

1,386,667,168

290,809

1,023,802

(注) 2022年1月24日開催の取締役会の決議により、2022年2月8日に自己株式を消却しました。これに伴い、普通株式の発行済株式総数は75,656,433株減少し、発行済株式総数は1,386,667,168株となっております。

 

(5)【所有者別状況】

① 普通株式

 

 

 

 

 

 

 

2022年12月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満

株式の状況

(株)

政府及び

地方公共

団体

金融機関

金融商品

取引業者

その他の

法人

外国法人等

個人その他

(注)

個人以外

個人

株主数(人)

1

84

65

1,140

868

368

169,846

172,372

所有株式数(単元)

2,769,228

3,198,602

835,708

896,598

4,144,258

2,194

2,014,471

13,861,059

561,267

所有株式数の割合

(%)

19.978

23.076

6.029

6.468

29.898

0.015

14.533

100.00

(注) 自己株式79,762,500株(役員報酬BIP信託の保有する株式は含みません。)は、「個人その他」に797,625単元含まれております。

 

② 甲種類株式

 

 

 

 

 

 

 

2022年12月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数1株)

単元未満

株式の状況

(株)

政府及び

地方公共

団体

金融機関

金融商品

取引業者

その他の

法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

1

-

-

-

-

-

-

1

-

所有株式数(単元)

1

-

-

-

-

-

-

1

-

所有株式数の割合(%)

100.00

-

-

-

-

-

-

100.00

-

(6)【大株主の状況】

所有株式数別

 

 

2022年12月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数

(株)

発行済株式

(自己株式を

除く。)の総数

に対する所有

株式数の割合

(%)

経済産業大臣(注)

東京都千代田区霞が関一丁目3番1号

276,922,801

21.19

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町二丁目11番3号

180,179,600

13.79

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海一丁目8番12号

67,459,000

5.16

石油資源開発株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目7番12号

53,446,600

4.09

日本証券金融株式会社

東京都中央区日本橋茅場町一丁目2番10号

33,129,400

2.53

SMBC日興証券株式会社

東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

28,050,100

2.15

ステート ストリート バンク ウェスト クライアント トリーティー 505234

(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171,U.S.A.

(東京都港区港南2丁目15番1号)

19,864,543

1.52

CEP LUX - ORBIS SICAV

(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)

31 Z.A. BOURMICHT,L-8070 BERTRANGE,LUXEMBOURG

(東京都新宿区新宿6丁目27番30号)

19,805,492

1.52

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

東京都千代田区大手町一丁目9番2号

19,331,456

1.48

JPモルガン証券株式会社

東京都千代田区丸の内二丁目7番3号

17,116,156

1.31

715,305,148

54.73

(注)1 経済産業大臣の所有株式数には甲種類株式1株が含まれております。

2 2022年12月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者である日興アセットマネジメント株式会社が2022年12月15日現在で以下の当社株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2022年12月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。

なお、大量保有報告書の内容は次のとおりであります。

氏名又は名称

住所

保有株券等の数

(株)

株券等保有割合

(%)

三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社

東京都港区芝公園一丁目1番1号

44,435,300

3.20

日興アセットマネジメント株式会社

東京都港区赤坂九丁目7番1号

25,129,100

1.81

69,564,400

5.02

 

3 2022年3月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、ブラックロック・ジャパン株式会社及びその共同保有者7社が2022年3月15日現在で以下の当社株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2022年12月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書の内容は次のとおりであります。

氏名又は名称

住所

保有株券等の数

(株)

株券等保有割合

(%)

ブラックロック・ジャパン株式会社

〒100-8217  東京都千代田区丸の内一丁目8番3号

16,354,100

1.18

ブラックロック(ネザーランド)BV(BlackRock (Netherlands) BV)

オランダ王国 アムステルダム HA1096 アムステルプレイン 1

2,933,832

0.21

ブラックロック・ファンド・マネジャーズ・リミテッド(BlackRock Fund Managers Limited)

〒EC2N 2DL 英国 ロンドン市 スログモートン・アベニュー 12

2,480,392

0.18

ブラックロック・アセット・マネジメント・カナダ・リミテッド(BlackRock Asset Management Canada Limited)

カナダ国 オンタリオ州 トロント市 ベイ・ストリート 161、2500号

1,566,800

0.11

ブラックロック・アセット・マネジメント・アイルランド・リミテッド(BlackRock Asset Management Ireland Limited)

〒4 D04 YW83 アイルランド共和国 ダブリン ボールスブリッジ ボールスブリッジパーク 2  1階

6,973,812

0.50

ブラックロック・ファンド・アドバイザーズ(BlackRock Fund Advisors)

米国 カリフォルニア州 サンフランシスコ市 ハワード・ストリート 400

19,597,743

1.41

ブラックロック・インスティテューショナル・トラスト・カンパニー、エヌ.エイ.(BlackRock Institutional Trust Company, N.A.)

米国 カリフォルニア州 サンフランシスコ市 ハワード・ストリート 400

17,627,828

1.27

ブラックロック・インベストメント・マネジメント(ユーケー)リミテッド(BlackRock Investment Management (UK) Limited)

〒EC2N 2DL 英国 ロンドン市 スログモートン・アベニュー 12

2,296,530

0.17

69,831,037

5.04

 

所有議決権数別

 

 

2022年12月31日現在

氏名又は名称

住所

所有議決権数

(個)

総株主の議決権

に対する所有

議決権数の割合

(%)

経済産業大臣

東京都千代田区霞が関一丁目3番1号

2,769,228

21.20

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町二丁目11番3号

1,801,796

13.79

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海一丁目8番12号

674,590

5.16

石油資源開発株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目7番12号

534,466

4.09

日本証券金融株式会社

東京都中央区日本橋茅場町一丁目2番10号

331,294

2.54

SMBC日興証券株式会社

東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

280,501

2.15

ステート ストリート バンク ウェスト クライアント トリーティー 505234

(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171,U.S.A.

(東京都港区港南2丁目15番1号)

198,645

1.52

CEP LUX - ORBIS SICAV

(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)

31 Z.A. BOURMICHT,L-8070 BERTRANGE,LUXEMBOURG

(東京都新宿区新宿6丁目27番30号)

198,054

1.52

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

東京都千代田区大手町一丁目9番2号

193,314

1.48

JPモルガン証券株式会社

東京都千代田区丸の内二丁目7番3号

171,161

1.31

7,153,049

54.76

①【連結貸借対照表】

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2021年12月31日)

当連結会計年度

(2022年12月31日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

※5 201,765

※5 227,829

受取手形及び売掛金

※5 168,224

受取手形、売掛金及び契約資産

※1,※5 252,938

有価証券

58,152

棚卸資産

※2,※5 47,817

※2,※5 68,154

未収入金

42,309

61,758

その他

※5 70,852

※5 73,588

貸倒引当金

12,104

13,020

流動資産合計

518,864

729,401

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物及び構築物(純額)

163,165

157,137

坑井(純額)

345,946

340,259

機械装置及び運搬具(純額)

1,418,656

1,583,141

土地

18,666

18,178

建設仮勘定

292,836

339,787

その他(純額)

20,578

34,615

有形固定資産合計

※3,※5,※6 2,259,849

※3,※5,※6 2,473,118

無形固定資産

 

 

のれん

29,550

40,332

探鉱開発権

150,902

152,178

鉱業権

260,182

283,518

その他

6,025

6,674

無形固定資産合計

446,660

482,704

投資その他の資産

 

 

投資有価証券

※4,※5 403,356

※4,※5 745,365

長期貸付金

※5 1,011,801

※5 1,279,383

生産物回収勘定

548,170

521,541

繰延税金資産

21,713

69,705

退職給付に係る資産

1,734

その他

※5 11,704

※5 15,765

貸倒引当金

652

690

生産物回収勘定引当金

61,871

53,873

探鉱投資引当金

1,400

1,852

投資その他の資産合計

1,932,821

2,577,080

固定資産合計

4,639,332

5,532,903

資産合計

5,158,196

6,262,304

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2021年12月31日)

当連結会計年度

(2022年12月31日)

負債の部

 

 

流動負債

 

 

支払手形及び買掛金

14,888

47,183

短期借入金

80,493

75,878

未払法人税等

51,350

126,675

未払金

98,518

118,448

賞与引当金

1,386

1,458

役員賞与引当金

200

130

事業損失引当金

9,400

8,631

探鉱事業引当金

9,444

3,391

資産除去債務

672

15,504

その他

82,533

※1 129,439

流動負債合計

348,888

526,740

固定負債

 

 

社債

30,000

30,000

長期借入金

1,069,721

1,164,369

繰延税金負債

81,192

178,967

株式給付引当金

100

245

特別修繕引当金

650

705

退職給付に係る負債

7,048

689

資産除去債務

258,339

303,159

その他

15,845

19,064

固定負債合計

1,462,897

1,697,202

負債合計

1,811,786

2,223,943

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

290,809

290,809

資本剰余金

681,398

683,382

利益剰余金

1,783,841

2,066,443

自己株式

75,425

121,358

株主資本合計

2,680,624

2,919,277

その他の包括利益累計額

 

 

その他有価証券評価差額金

2,640

4,147

繰延ヘッジ損益

16,171

32,421

為替換算調整勘定

456,972

820,997

その他の包括利益累計額合計

443,441

857,566

非支配株主持分

222,344

261,517

純資産合計

3,346,409

4,038,361

負債純資産合計

5,158,196

6,262,304

【連結損益計算書】

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

 当連結会計年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

売上高

1,244,369

※1 2,324,660

売上原価

※3 568,921

※3 943,414

売上総利益

675,448

1,381,245

探鉱費

6,445

29,202

販売費及び一般管理費

※2,※3 78,346

※2,※3 105,634

営業利益

590,657

1,246,408

営業外収益

 

 

受取利息

31,115

64,687

受取配当金

7,456

9,499

持分法による投資利益

38,834

161,931

生産物回収勘定引当金戻入益

7,572

7,396

為替差益

30,375

その他

27,268

57,995

営業外収益合計

112,246

331,885

営業外費用

 

 

支払利息

13,747

32,378

為替差損

6,709

金融資産の条件変更から生じる損失

85,483

その他

24,819

22,190

営業外費用合計

45,276

140,051

経常利益

657,627

1,438,242

特別損失

 

 

減損損失

※4 14,170

※4 25,799

特別損失合計

14,170

25,799

税金等調整前当期純利益

643,457

1,412,443

法人税、住民税及び事業税

395,437

952,982

法人税等調整額

34,094

17,563

法人税等合計

429,532

970,546

当期純利益

213,924

441,897

非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△)

9,123

3,620

親会社株主に帰属する当期純利益

223,048

438,276

1.報告セグメントの概要

 当社グループの石油・天然ガス開発事業は、取締役会がグループ経営上の重要な意思決定を、分離された財務情報が入手可能な鉱区等の単位で行っております。当社はグローバルに石油・天然ガス開発事業を展開していることから、鉱区等を地域ごとに集約して、「日本」、「アジア・オセアニア」(主にインドネシア、オーストラリア、東ティモール)、「ユーラシア(欧州・NIS諸国)」(主にアゼルバイジャン、カザフスタン)、「中東・アフリカ」(主にアラブ首長国連邦)及び「米州」を報告セグメントとしております。

 各報告セグメントでは石油・天然ガスの生産を行っております。また、「日本」セグメントでは天然ガス・石油製品等の仕入・販売も行っております。

①【貸借対照表】

 

 

(単位:百万円)

 

前事業年度

(2021年12月31日)

当事業年度

(2022年12月31日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

445

454

売掛金

※1 27,161

※1 39,345

製品

6,988

10,238

仕掛品及び半成工事

288

306

原材料及び貯蔵品

10,652

23,862

前渡金

1,596

119

前払費用

1,178

3,363

関係会社短期貸付金

181,468

181,152

関係会社預け金

549,116

533,087

その他

※1 28,548

※1 53,605

貸倒引当金

49,184

53,882

流動資産合計

758,260

791,654

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物

15,677

15,497

構築物

141,420

136,354

坑井

455

5,620

機械及び装置

41,352

39,638

車両運搬具

16

22

工具、器具及び備品

784

1,155

土地

16,456

15,885

リース資産

190

174

建設仮勘定

2,610

7,182

有形固定資産合計

※3 218,964

※3 221,531

無形固定資産

 

 

のれん

29,550

22,597

鉱業権

5

6

ソフトウエア

1,309

1,705

その他

4,526

4,331

無形固定資産合計

35,391

28,640

投資その他の資産

 

 

投資有価証券

37,930

28,618

関係会社株式

※2 1,910,324

※2 1,876,450

関係会社長期貸付金

121,240

131,506

長期前払費用

190

212

前払年金費用

3,058

繰延税金資産

8,992

36,755

その他

※1 8,117

※1 8,183

貸倒引当金

652

690

探鉱投資引当金

106,348

90,292

投資その他の資産合計

1,979,794

1,993,803

固定資産合計

2,234,151

2,243,975

資産合計

2,992,411

3,035,629

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前事業年度

(2021年12月31日)

当事業年度

(2022年12月31日)

負債の部

 

 

流動負債

 

 

買掛金

※1 3,549

※1 23,749

1年内返済予定の長期借入金

36,180

16,903

リース債務

24

25

未払金

※1 15,586

※1 26,090

未払費用

※1 2,359

※1 7,896

未払法人税等

1,587

1,793

前受金

0

21

預り金

※1 14,743

※1 3,650

関係会社預り金

7,502

5,347

賞与引当金

1,168

1,231

役員賞与引当金

200

130

事業損失引当金

9,400

8,631

資産除去債務

27

708

その他

961

1,651

流動負債合計

93,293

97,831

固定負債

 

 

社債

30,000

30,000

長期借入金

724,981

711,321

リース債務

180

166

繰延税金負債

1,181

1,363

退職給付引当金

6,268

株式給付引当金

100

245

関係会社事業損失引当金

15,602

20,430

関係会社債務保証損失引当金

39,798

45,910

資産除去債務

5,118

20,133

その他

※1 358

※1 161

固定負債合計

823,591

829,731

負債合計

916,885

927,563

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前事業年度

(2021年12月31日)

当事業年度

(2022年12月31日)

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

290,809

290,809

資本剰余金

 

 

資本準備金

1,023,802

1,023,802

資本剰余金合計

1,023,802

1,023,802

利益剰余金

 

 

その他利益剰余金

 

 

固定資産圧縮積立金

2,105

探鉱準備金

8,108

8,108

繰越利益剰余金

825,533

903,620

利益剰余金合計

835,747

911,728

自己株式

75,425

121,358

株主資本合計

2,074,934

2,104,983

評価・換算差額等

 

 

その他有価証券評価差額金

2,566

4,546

繰延ヘッジ損益

1,974

1,463

評価・換算差額等合計

591

3,082

純資産合計

2,075,526

2,108,065

負債純資産合計

2,992,411

3,035,629

②【損益計算書】

 

 

(単位:百万円)

 

 前事業年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

 当事業年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

売上高

※1 154,773

※1 241,042

売上原価

※1 111,481

※1 209,341

売上総利益

43,291

31,700

探鉱費

※1 134

※1 817

販売費及び一般管理費

※1,※2 35,249

※1,※2 41,974

営業利益又は営業損失(△)

7,907

11,091

営業外収益

 

 

受取利息

※1 9,248

※1 17,694

受取配当金

※1 24,888

※1 190,299

投資有価証券売却益

6,397

6,972

為替差益

472

13,665

その他

※1 14,103

※1 21,910

営業外収益合計

55,110

250,542

営業外費用

 

 

支払利息

※1 8,176

※1 18,218

貸倒引当金繰入額

5,246

4,778

探鉱投資引当金繰入額

551

関係会社事業損失引当金繰入額

416

4,828

関係会社債務保証損失引当金繰入額

4,881

6,333

その他

※1 30,139

※1 1,616

営業外費用合計

49,411

35,776

経常利益

13,606

203,674

税引前当期純利益

13,606

203,674

法人税、住民税及び事業税

4,382

1,064

法人税等調整額

4,049

29,046

法人税等合計

333

27,981

当期純利益

13,272

231,656