西松建設株式会社
Nishimatsu Construction Co., Ltd.
港区虎ノ門一丁目17番1号
証券コード:18200
業界:建設業
有価証券報告書の提出日:2023年6月29日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第82期

第83期

第84期

第85期

第86期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

349,318

391,621

336,241

323,754

339,757

経常利益

(百万円)

25,985

25,838

21,561

23,497

13,176

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

18,784

18,721

17,166

15,103

9,648

包括利益

(百万円)

19,328

5,706

14,066

11,154

9,193

純資産額

(百万円)

199,331

199,287

207,537

157,715

156,148

総資産額

(百万円)

466,327

497,045

472,440

477,613

513,623

1株当たり純資産額

(円)

3,605.62

3,599.01

3,765.62

3,833.71

3,770.77

1株当たり当期純利益

(円)

343.39

342.24

313.83

312.34

244.43

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

42.3

39.6

43.6

31.7

29.0

自己資本利益率

(%)

9.88

9.50

8.52

8.45

6.43

株価収益率

(倍)

7.14

6.05

8.95

11.75

14.01

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

15,882

14,120

4,907

41,243

34,747

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

23,633

20,147

5,302

22,532

27,450

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

38,555

20,952

12,653

16,074

2,365

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

31,473

46,459

43,574

47,121

53,726

従業員数

(名)

2,920

3,005

3,060

3,106

3,201

 

(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第85期の期首から適用しており、第85期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3 従業員数は、就業人員を表示しております。

4 株主資本において自己株式として計上されている株式給付信託(BBT)に残存する当社株式は、1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式数に含めております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第82期

第83期

第84期

第85期

第86期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

336,853

377,166

328,252

317,707

328,385

経常利益

(百万円)

25,643

25,945

23,067

23,771

12,641

当期純利益

(百万円)

18,625

19,142

18,086

15,003

9,393

資本金

(百万円)

23,513

23,513

23,513

23,513

23,513

発行済株式総数

(千株)

55,591

55,591

55,591

55,591

55,591

純資産額

(百万円)

192,844

193,587

203,230

147,941

145,069

総資産額

(百万円)

452,213

483,112

464,220

462,400

490,938

1株当たり純資産額

(円)

3,525.31

3,538.96

3,715.32

3,747.90

3,675.22

1株当たり配当額

(内1株当たり中間配当額)

(円)

105.00

105.00

105.00

221.00

221.00

(-)

(-)

(-)

(90.00)

(140.00)

1株当たり当期純利益

(円)

340.48

349.94

330.64

310.27

237.98

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

42.6

40.1

43.8

32.0

29.5

自己資本利益率

(%)

10.03

9.91

9.12

8.54

6.41

株価収益率

(倍)

7.20

5.92

8.49

11.83

14.39

配当性向

(%)

30.84

30.00

31.76

71.23

92.86

従業員数

(名)

2,606

2,684

2,762

2,794

2,804

株主総利回り

(%)

97.0

86.5

118.4

159.4

158.5

(比較指標:TOPIX(配当込み))

(%)

(95.0)

(85.9)

(122.1)

(124.6)

(131.8)

最高株価

(円)

3,285

2,592

3,045

3,980

4,445

最低株価

(円)

2,252

1,753

1,842

2,742

3,320

 

(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第85期の期首から適用しており、第85期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3 従業員数は、就業人員を表示しております。

4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

5 株主資本において自己株式として計上されている株式給付信託(BBT)に残存する当社株式は、1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式数に含めております。

 

 

2 【沿革】

当社は1874年、西松桂輔が初めて土木建築請負の業をおこし、1914年6月、西松光治郎が西松工業所の名称で独立経営を開始しました。

その後、1929年12月に合資会社西松組を設立しましたが、1937年9月、新たに株式会社西松組を設立し、合資会社西松組を吸収合併して名実共に当社が誕生しました。

この間、東京、京城、新京、大阪、熊本、北京、台北等に支店を置き内外各地の鉄道工事、道路、河川港湾工事、水力発電工事等に従事し、戦後に至って新技術を導入し、建築部門の拡充等により総合建設業者としての地位を確立するとともに、1948年7月、西松建設株式会社と改称しました。

戦後の主な変遷は次のとおりであります。

 

年月

概要

1948年7月

社名を西松建設株式会社と改称

1948年11月

東北支店(仙台市)開設

1949年10月

建設業法により建設大臣登録(イ)第8号の登録完了

1950年6月

技術研究所開設

1951年9月

四国支店(高松市)開設、熊本支店(1926年3月開設)を九州支店(福岡市)と改称

1957年10月

多摩川工場開設

1958年1月

中部支店(名古屋市)開設

1961年2月

松栄不動産㈱を設立

1961年11月

東京証券取引所第二部に上場

1962年5月

東京建築支店開設

1963年8月

東京証券取引所第一部に上場

1964年2月

札幌支店開設

1965年6月

香港支店開設(現:香港営業所)

1965年10月

平塚製作所開設(多摩川工場移転)

1966年4月

中国支店(広島市)開設

1972年5月

横浜支店開設(現:横浜営業所)

1973年5月

定款を一部変更し、会社の目的に不動産取引業を追加

1973年6月

宅地建物取引業法改正により宅地建物取引業者として建設大臣免許(1)第1743号の免許を取得

1973年6月

建設業法の改正により建設大臣許可(特-48)第1100号を取得

1974年11月

東関東支店(千葉市)開設(現:東関東営業所)

1982年6月

定款を一部変更し、会社の目的に建設用機器、材料の設計製造販売及び賃貸に関する業務を追加

1998年1月

愛川衝撃振動研究所(神奈川県愛甲郡)開設(現:技術研究所 愛川オフィス)

2002年9月

関東支店と東京建築支店を統合

2005年4月

北陸支店(新潟市)開設

2008年12月

海外支店(東京都港区)開設(現:国際事業本部)

2009年6月

在京支店の管理部門を統合し、関東土木支店及び関東建築支店を新設

2010年3月

西松地所㈱を設立(連結子会社)

2010年6月

松栄不動産㈱を吸収合併・解散

2010年7月

支社制度に移行

2016年6月

定款を一部変更し、監査等委員会設置会社に移行

2019年10月

沖縄支店(那覇市)開設

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、子会社20社及び関連会社14社で構成され、建設事業及び不動産事業を主な事業内容としております。

 当社グループの事業に係わる位置づけ及び報告セグメントとの関連は以下のとおりであります。

 

(建設事業(土木・建築))

・当社、連結子会社の泰国西松建設㈱他2社及び関連会社の㈱増永組は、建設事業を営んでおります。当社はこれらの会社に工事の一部を発注することがあります。

(開発・不動産事業等)

・当社、連結子会社の西松地所㈱他4社、非連結子会社の嶋静商事㈱他2社及び関連会社の浜松中央西ビル㈱他2社は、不動産の販売・賃貸・管理・その他の事業を営んでおります。また、連結子会社の西松リアルエステート・デベロップメント(アジア)社他4社は海外において収益不動産への投資・その他の事業を行っております。

・非連結子会社の新浦安駅前PFI㈱他1社及び関連会社の㈱徳島農林水産PFIサービス他7社は、PFI事業の主体企業であります。

・連結子会社の㈱サイテックファームは野菜の生産・販売等を行っております。連結子会社の山陽小野田グリーンエナジー㈱及び関連会社のパクセー・ジャパンSME SEZ開発㈱他1社は、その他の事業を行っております。

 ≪事業の系統図≫


 

4 【関係会社の状況】

(連結子会社)         

名称

住所

資本金又は
出資金

主要な事業の内容

 

(注)1

議決権の所有
割合(%)

関係内容

西松地所㈱

東京都港区

100
百万円

開発・不動産事業等

100.00

当社に対し不動産を賃貸しております。また、当社所有の不動産を賃借しております。

役員の兼任等 2名

㈱サイテックファーム

東京都港区

100
百万円

開発・不動産事業等

100.00

役員の兼任等 3名

㈲吉富商事

東京都千代田区

5
百万円
 

開発・不動産事業等

100.00

役員の兼任等 1名

合同会社三軒茶屋壱号

(注)2

東京都中央区

4,660
百万円

開発・不動産事業等

当社は同社に対し匿名組合出資を行っております。

役員の兼任等 なし

西松アセットマネジメント㈱

東京都港区

125
百万円
 

開発・不動産事業等

80.00

役員の兼任等 5名

㈱西松ホテルマネジメント

富山県富山市

10
 百万円

開発・不動産事業等

100.00

役員の兼任等 4名

山陽小野田グリーンエナジー㈱

山口県山陽小野田市

90
 百万円

開発・不動産事業等

90.91

役員の兼任等 1名

泰国西松建設㈱

(注)3(注)4

タイ王国

20,000
千B

建築事業

49.00

役員の兼任等 3名

ラオ西松建設㈱

(注)3(注)4(注)5

ラオス人民民主共和国

100
千US$

土木事業、建築事業

24.01

(24.01)

役員の兼任等 3名

西松ベトナム㈲

(注)4

ベトナム社会主義共和国

2,000
千US$
 
 

土木事業、建築事業

100.00

役員の兼任等 2名

西松リアルエステート・デベロップメント(アジア)社

(注)2(注)4

シンガポール共和国

92,059
千US$
 

開発・不動産事業等

100.00

役員の兼任等 6名

ハノイPHインベストメント社

(注)2(注)4(注)5

シンガポール共和国

41,390
千US$

開発・不動産事業等

100.00

(100.00)

役員の兼任等 1名

 

 

名称

住所

資本金又は
出資金

主要な事業の内容

 

(注)1

議決権の所有
割合(%)

関係内容

バンコクサトーンホテルマネジメント社

(注)2(注)4(注)5

タイ王国

2,848,104
千B

 

開発・不動産事業等

51.01

(51.01)

 

役員の兼任等 5名

西松リアルエステート・デベロップメント(USA)社

(注)2(注)4

アメリカ合衆国

18,800
 千US$

開発・不動産事業等

100.00 

役員の兼任等 4名

西松リアルエステート・デベロップメント(タイランド)社

(注)4(注)5

タイ王国

20,500
 千B

開発・不動産事業等

73.99

(73.99)

役員の兼任等 3名

 

(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

     2 特定子会社であります。

3 泰国西松建設㈱及びラオ西松建設㈱に対する議決権所有割合はいずれも100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。

4 外貨については以下の略号で表示しております。

    B=タイバーツ、US$=米ドル

5 「議決権の所有割合」欄の( )内は、間接所有割合の内数となっております。

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

(2023年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(名)

土木事業

990

建築事業

1,434

開発・不動産事業等

231

全社(共通)

546

合計

3,201

 

(注) 1 従業員数は、就業人員を表示しております。

2 全社(共通)は、提出会社の総務及び経理等の管理部門の従業員であります。

 

(2) 提出会社の状況

 (2023年3月31日現在)

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

2,804

44.7

18.3

8,617

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

土木事業

990

建築事業

1,175

開発・不動産事業等

93

全社(共通)

546

合計

2,804

 

(注) 1 従業員数は、就業人員を表示しております。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員であります。

 

(3) 労働組合の状況

特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注)1(注)3

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)2(注)4

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1(注)5

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

0.4

55.6

52.8

62.8

64.3

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

3 女性総合職は2015年度より新卒採用を増やしていることから若年層が多く、管理職になるために一定の経験年数を要する当社においては、女性管理職の割合は低くなっております。しかし、役付者は年々増加傾向にあり管理職候補も増えております。今後も、2025年に女性の管理職割合2%の目標達成に向け、一般職から総合職への登用や、中途採用者を含めた女性の採用割合を年間20%にすること、適正評価による抜擢人事を行うなどの取り組みを進めていきます。

4 育児・介護休業法の改正に合わせ、2022年10月に産後パパ育休期間中に取得できる「産後パパ休暇」(最大20日間取得可能)(有給)を創設するなど、社員にとって安心して育児休暇を取得できる環境を整えたことにより、2022年度における取得率は55.6%となりました。2024年度以降の育児休暇の利用率100%を目指して、環境整備や制度の周知を図るなど社員に働きかけていきます。

5 女性総合職は2015年度より新卒採用を増やしているため相対的に勤続年数が短いこと、また、勤続年数に応じた昇給が規定されていることから、給与水準の高い役職に就いている女性が未だ少ないため、この賃金格差は男女の勤続年数の違いによるものと考えています。賃金格差の解消に向け、女性の定着を向上させるために長く働き続けられる環境作りを進め、経験とともに能力を高めるための支援や研修の実施、能力のある社員の積極的な抜擢を行うなどの取り組みを進めていきます。なお、正規雇用労働者は主に総合的な判断を要する基幹業務に従事する「総合職群」と一般事務もしくは限定された領域の業務を行う「一般職群」を合わせた労働者から算出しております。一般職群は、賃金体系において総合職群と一定の差を設けており、現状では女性のみで構成されております。パート・有期労働者については、技術的業務に従事する技術系社員と一般事務に従事する事務系社員が含まれています。技術的業務と一般事務では専門的知識の必要性等により賃金に差を設けていること、及び技術系社員には男性が、事務系社員には女性が多く従事していることが賃金格差の要因になっております。

 

② 連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、価値ある建造物とサービスで、安心して暮らせる持続可能な社会をつくることを企業理念としております。また、長期ビジョン「西松-Vision 2030:あたりまえに安心でき 活力がわく地域やコミュニティを 共に描きつくる総合力企業へ」のもと、「社会基盤整備」に加え、「社会機能の再構築」へ「価値共創活動」を拡大し、「安心・活力・つながり」を提供してまいります。

 

(2) 中長期的な経営戦略

当社は、コロナ禍やグローバル化の進展など社会・事業環境の絶え間ない変化と価値観の多様化を受け、自らの社会における存在価値や将来ありたい姿、提供していく価値について改めて見つめ直し、本年2月に長期ビジョンを「西松-Vision 2030」に刷新するとともに、「中期経営計画2025」を策定いたしました。

「西松-Vision 2030」では、当社が矜持をもち取り組んでいる「社会基盤整備」に加え、地域に寄り添い共に社会課題を解決する「社会機能の再構築」へ「価値共創活動」を拡大し、「安心・活力・つながり」を提供してまいります。

「中期経営計画2025」では、2022年度に収益が悪化した建築事業と国際事業(土木)の収益改善に注力いたします。中長期的取り組みとしましては、「西松-Vision 2030」実現に向け、「脱炭素」や「価値を生み出すアセット」等へ積極的な投資を実施いたします。

なお、「西松-Vision 2030」及び「中期経営計画2025」につきましては、当社ウェブサイトに掲載しておりますので、併せてご参照ください(https://www.nishimatsu.co.jp/ir/library/plan.html)。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、2023年2月に公表した「中期経営計画2025」において、連結売上高及び連結営業利益を目標とする業績指標として掲げております。また、目標とする財務指標として、ROE、自己資本比率、D/Eレシオ、連結配当性向を掲げております。特にROEは持続的成長への競争力を高めた結果として向上するものであり、当社の目指す経営方針と合致することから、目標とする財務指標として採用しております。

 

(4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社を取り巻く環境は、コロナ禍やグローバル化の進展、価値観の多様化を受け、絶え間なく変化しています。建設業界におきましては、建設投資全体は名目値ベースで堅調に推移しておりますが、建設資材の価格高騰等の影響もあり、注視が必要な状況が続いております。今後、国内土木市場は国土強靭化・防災減災に向けた各種施策により堅調に推移することが予想されますが、国内建築市場は中長期的な人口減少等の影響から縮小が想定されるなど、不透明な状況が続くと思われます。

このような事業環境のもと、当社グループは、自らの社会における存在価値や将来ありたい姿、提供していく価値について改めて見つめ直し、本年2月に長期ビジョンを「西松-Vision 2030」に刷新するとともに、「中期経営計画2025」を策定いたしました。

「西松-Vision 2030」では、「あたりまえに安心でき 活力がわく地域やコミュニティを 共に描きつくる総合力企業へ」という長期ビジョンを掲げ、当社がこれまで取り組んできた国内外の建設事業を中心とする「社会基盤整備」に加え、エネルギー、環境保全、社会・都市機能、防災・安全、不動産開発など、地域に寄り添い共に社会課題を解決する「社会機能の再構築」に取り組んでまいります。これらの「価値共創活動」を拡大することで、当社グループの成長を目指すとともに、社会に対して「安心・活力・つながり」を提供してまいります。

また、「中期経営計画2025」では、2022年度に収益が悪化した建築事業と国際事業(土木)の収益改善に注力いたします。中長期的取り組みとしましては、「西松-Vision 2030」の実現に向けて、建設事業の体制強化のほか、「脱炭素」や「価値を生み出すアセット」等へ積極的な投資を実施いたします。

「中期経営計画2025」における主な取組み内容や業績計画、財務計画、投資計画については以下のとおりです。

 

「中期経営計画2025」骨子

(収益改善プラン)

・建築事業・国際事業(土木):物価変動への対応、現場管理の高度化

(中長期的取り組み:西松-Vision 2030 実現に向けて)

・土木事業:人員・組織能力の強化、新分野への挑戦

・建築事業:企画提案力の向上、社内外リレーションの活用、差別化要素の確立

・国際事業:(土木)ODA工事取組体制の強化、(建築)外資企業工事取組体制の強化

・アセットバリューアッド事業(旧 開発・不動産事業)

:自社開発事業のスピードアップ、海外開発事業の本格展開、市街地再開発事業の組成、AM機能・PBM機能の強化

・地域環境ソリューション事業(旧 環境・エネルギー事業)

:積極的な事業投資、事業の高付加価値化

 

(業績及び財務計画(連結))

指標

2022年度実績

2025年度計画

売上高

3,397億円

3,700億円

営業利益

126億円

220億円

資本効率

ROE

6.4%

8%以上

財務健全性

自己資本比率

29.0%

30%程度

D/Eレシオ

1.1倍

1.5倍程度

株主還元

配当

90.4%

1株当たり年間配当金221円

2023~2025年度

配当性向70%

 

 

(投資計画)

投資分類

投資効果

主な投資

2023~2025年度

GX

まちづくり

再生可能エネルギー

・事業利益の獲得 ROA 4%

・発電量(2025年度)87,000 MWh(35,000t-CO2相当)

再生可能エネルギー

小水力発電、地熱発電、バイオガス発電、木質バイオマス発電、揚水式発電

まちづくり

蓄電所(EMS)、提案型PPP事業

400億円

アセット

バリューアッド

アセットバリューアッド

・事業利益の獲得 ポートフォリオROA 4~5%

建設

・市街地再開発事業の組成

・顧客リレーションの構築

アセットバリューアッド

ワーキングスペース(オフィス)

レジデンス(寮・高齢者施設)

観光・娯楽(ホテル、ホール)

生活応援・ヘルスケア(商業施設)

データセンター・物流

700億円

(投資1,100億円

回収400億円)

人財開発

DX

技術開発他

経営基盤

・「個の力」「組織の力」の最大化

建設

・建設事業の生産性向上

・先駆的建設技術の獲得

・建設物の高付加価値化

経営基盤

人財開発・育成、DX

建設

省力化技術、労働環境改善技術

インフラリニューアル技術

木造建築技術、ZEB・ZEH、低炭素型材料開発

100億円

総額

1,200億円

 

 

当社は、これまで時間外労働の削減に向け段階的に取り組んできており、2024年4月から適用される時間外労働上限規制につきましても、重要課題として引き続き適切に対処してまいります。また、昨今のAI技術等の進展を踏まえ、当社におけるデジタルトランスフォーメーションの推進についても積極的に取り組んでおります。

財務上の課題として、「中期経営計画2025」の3年間につきましては、事業活動により獲得した資金に加え、有利子負債を活用し、成長投資に向けた資金を確保してまいります。また、財務健全性の観点から、2025年度の自己資本比率30%程度、D/Eレシオ1.5倍程度を堅持してまいります。現在保有する自己株式の取り扱いにつきましても、重要課題として引き続き検討してまいります。

今後も、当社は全役職員一丸となって「中期経営計画2025」を達成するとともに、「西松-Vision 2030」の実現に向けて邁進してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境の変化に関するリスク

景気悪化等による建設需要の減少や不動産市場の縮小等、当社事業に係る著しい環境変化が生じた場合には、建設工事受注高の減少や不動産販売事業・賃貸事業の低迷など、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、当社グループは、長期ビジョン「西松-Vision2030」や「中期経営計画2025」を策定し、事業活動に取り組んでおります。また、計画時の想定を上回る事業環境の変化が生じた場合には、適宜計画の見直しを行い、業績等に与える影響の低減に取り組んでおります。

 

(2) 資材価格及び労務費等の変動リスク

長期にわたる工事を受注する時点で将来の資材等調達価格を適切に予測することが困難な場合があるため、工期中に資材価格や調達の状況が大きく変わることがあります。これにより建設コストが大幅に増加することがありますが、当該建設コスト増加分を工事請負金額に反映させることができない場合には、受注時に計画していた工事損益が変動し、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、工事請負契約の締結にあたり、適正な価格、適正な工期で工事を実施できるよう、発注者に対して協議の申し入れを行っております。また、施工条件や資材価格動向の精査による物価変動リスクの定量評価、主要資材の早期調達等により、工事損益の確保に努めております。

 

(3) 施工品質リスク

工事目的物の品質管理には万全を期しておりますが、重大な欠陥が発生した場合には、顧客からの信頼を損なうことに加え、契約不適合責任に基づく損害賠償金の支払等により、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、各種の社内基準書に準拠した施工、品質パトロールの実施、社内組織を活用した施工管理検討の実施、契約不適合事例や不具合事例の全社水平展開、各種研修の実施等により、工事目的物の品質管理に努めております。

 

(4) コンプライアンス違反リスク

当社グループは、事業活動に関連する法令・規制の遵守の徹底に加え、従業員等によるコンプライアンス遵守を推進しておりますが、個人的な不正行為等を含め、重大な法令違反等を引き起こした場合には、顧客その他ステークホルダーからの信頼を損なうとともに、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、各部署に対するコンプライアンス監査によりコンプライアンスに係るリスク管理状況を確認し、問題があれば積極的に解決するとともに、企業風土の改善に取り組んでおります。また、危機意識の風化防止などを目的としてコンプライアンス研修を実施しております。その他、内部通報窓口を設置するなど、コンプライアンス違反事由が発生した際に適切かつ迅速に対応できる体制を整備しております。

 

(5) 情報セキュリティリスク

当社グループの事業活動において、情報システムの利用とその重要性は増大しております。コンピュータウイルスその他の要因によって、かかる情報システムの機能に支障が生じた場合、当社グループの事業活動や業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、設計・施工をはじめとする事業活動を通じて構造物やお客様に関する情報、取引先の個人情報あるいは機密情報その他様々な情報を取り扱っております。これらの情報が外部からのサイバー攻撃や従業員の過失等によって漏洩又は紛失した場合、損害賠償、復旧費用等の発生により、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、当社グループで情報セキュリティポリシーを定め、外部からの不正アクセス防止、コンピュータウイルス対策、従業員の教育等、情報セキュリティ対策の継続的な強化に努めております。

 

(6) 人財確保に関するリスク

当社事業で必要とされる専門性を持つ人財や、リーダーの確保と育成が推進できない場合には、経営計画の遂行に影響を及ぼす可能性があります。また、生産年齢人口の減少や建設技能者の高齢化等により、建設業従事者が将来的に減少した場合にも、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、専門力や一般教養を含めた多様な能力獲得の機会整備、マネジメント能力・リーダーシップ能力の開発を目的とした社員研修カリキュラムの充実を図るとともに、建設キャリアップシステムの活用を促進し、協力会社への技術教育・指導を継続的に実施しております。また、新卒採用及び中途キャリア採用を積極的に実施し、多様性を重視した人財の採用を実施しております。加えて、現場における生産性向上に向けて、デジタル技術活用による「スマート現場」の実現をはじめとして、デジタルトランスフォーメーションの推進を積極的に進めております。

 

(7) 海外事業リスク

当社グループは東南アジアを中心に海外事業を展開しているため、進出国におけるテロの発生や政治経済情勢の変動、法制度の変更等があった場合には、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、外務省海外安全ホームページによる危険度レベルの定期的な確認や、「カントリーリスク判定表」による定期的な評価、「海外危機管理マニュアル」の周知等により、事業継続や工事への悪影響を最小限に抑えるよう努めております。

また、海外事業においては、進出国における外資企業の活動制限、日系企業からの発注量の伸び悩み等により受注量が変動し、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、海外子会社の価格競争力を高め、これまでの日系工場案件中心の取り組みから、外資・現地企業案件にも取り組むことで入札機会を増やし、受注確保に努めております。

 

(8) 為替変動リスク

為替相場の大幅な変動等が生じた場合には、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、為替レート毎の為替差損益の試算、取下金管理の徹底、外貨残高の適正な管理、為替予約等によるリスクヘッジの検討等により為替変動の影響を弱め、業績への影響を低減させるよう努めております。

 

(9) 開発事業リスク

不動産市況の悪化により出口戦略が予定どおり遂行されない場合には、事業計画の変更等に伴う採算の悪化など、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、事業管理体制の確立、プロジェクトリスク評価の実施、事業計画の適時見直し、代替出口戦略の確保等により、業績への影響を低減させるよう努めております。

 

(10) 労働災害リスク

施工中に予期せぬ重大事故や労働災害が発生した場合には、顧客その他ステークホルダーからの信頼を損なうとともに当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、過去事例の全社水平展開や定期的な現場パトロールのほか、当社職員や協力会社の職長・作業員に対する安全教育の継続的な実施により、労働災害を未然に防止するよう努めております。

 

(11) 自然災害リスク

大規模な地震や台風・洪水等の自然災害は、施工中案件の被災、工程遅延、自社所有建物等への被害等、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、施工中案件においてはリスクに応じて建設工事保険を、自社所有建物等においては損害保険等を付保し損害低減策を講じております。また、事業継続力の向上を目指し、事業継続計画(BCP)を策定し定期的にBCP訓練を実施しており、建設会社の社会的責任としてインフラ復旧工事に積極的に協力し、被災地の復旧・支援やお客様の事業の早期再開に貢献できるよう努めております。

 

(12) 気候変動リスク

①気候変動に伴う物理的リスク

気候変動により自然災害が激甚化した場合、施工中案件の被災、工程遅延、自社所有建物等への被害等、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

②気候変動に伴う移行リスク

脱炭素社会への移行に向けて、工事施工に係る各種法規制の強化や市場・社会の変化による建設コストの増加、施工量の制限等、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」が示す推奨に基づき、各々のリスクを抽出・評価して事業戦略に落とし込み、事業活動の持続性や強靭性を高めております。なお、当社グループは気候変動に関するリスクの観点から地球温暖化防止に資する取組みとして、“2030年までに事業活動から排出されるCO2をネットゼロにする(=ZERO30)”ためのロードマップを作成し、2021年より事業戦略に取り入れ活動を行っております。

 

(13) 感染症の世界的流行(パンデミック)に関するリスク

新型コロナウイルスその他感染症の世界的流行(パンデミック)が発生し、その影響が国内及び海外の建設投資に及んだ場合、当社の建設工事受注額が減少するなど、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、感染の拡大により、当社事業所において当社役職員又は協力会社社員に感染症患者が多数発生した場合には、当社の施工する工事を一時中断するなど感染拡大防止措置を講ずる必要があります。工事の中断期間が長期にわたる場合や中断する工事数が増加した場合には、工事損益が変動するなど、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

上記のリスクに対応するため、当社役職員や協力会社社員の安全と健康を最優先に考え、当社事業所内における感染拡大防止に努めるとともに、在宅勤務の実施により事業継続に努めるなど、業績への影響を低減させるよう努めております。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、全般的に持ち直しの傾向が続きました。先行きについては、世界的な金融引き締め等が続く中、海外景気の下振れがリスクとなっております。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。

建設業界におきましては、政府建設投資、民間建設投資ともに名目値ベースで前年と同水準で推移しておりますが、建設資材の価格高騰等の影響もあり、注視が必要な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループの連結業績は以下のとおりとなりました。

建設事業受注高は、国内建築工事が減少しましたが、海外工事及び国内土木工事が増加したことにより、前期比6,418百万円増加1.9%増)の340,392百万円となりました。

売上高は、主に不動産事業等が増加したことにより、前期比16,003百万円増加4.9%増)の339,757百万円となりました。営業利益は、不動産事業等総利益が増加しましたが、国内建築工事及び海外工事の完成工事総利益が減少したこと等により、前期比10,924百万円減少46.4%減)の12,615百万円となりました。経常利益は、前期比10,320百万円減少43.9%減)の13,176百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比5,455百万円減少36.1%減)の9,648百万円となりました。

 

報告セグメント等の業績は以下のとおりであります。(セグメントの業績は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。)

 

イ 土木事業

当セグメントの売上高は、前期比1.8%減119,810百万円となり、セグメント利益は、主に海外工事及び国内民間工事の完成工事総利益率が低下したことにより、前期比37.5%減7,722百万円となりました。

当社単体の土木工事の受注高は、国内官公庁工事及び海外工事が減少しましたが、国内民間工事が増加したことにより、前期比3,771百万円増加2.6%増)の148,385百万円となりました。

 

ロ 建築事業

当セグメントの売上高は、前期比2.3%増188,431百万円となり、主に国内工事の完成工事総利益率が低下したことにより、セグメント損失は5,426百万円(前期は6,404百万円のセグメント利益)となりました。

当社単体の建築工事の受注高は、海外工事が増加しましたが、国内工事が減少したことにより、前期比4,463百万円減少2.4%減)の179,015百万円となりました。

 

ハ 開発・不動産事業等

当セグメントは、主にグループ保有不動産の販売及び賃貸収入により構成されております。当セグメントの売上高は、主に販売事業の売上が増加したことにより、前期比84.4%増32,712百万円となり、セグメント利益は、売上高の増加に伴い、前期比116.4%増10,343百万円となりました。

 

当社グループの財政状態は以下のとおりであります。

当連結会計年度末の資産は、受取手形・完成工事未収入金等や販売用不動産、現金預金が増加したこと等から、前連結会計年度末と比較して36,010百万円増加7.5%増)の513,623百万円となりました。

負債は、預り金や支払手形・工事未払金等、有利子負債が増加したこと等から、前連結会計年度末と比較して37,577百万円増加11.7%増)の357,475百万円となりました。

純資産は、その他有価証券評価差額金が減少したこと等から、前連結会計年度末と比較して1,567百万円減少1.0%減)の156,148百万円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末と比較して2.7ポイント減少し、29.0%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して6,604百万円増加14.0%増)の53,726百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が13,595百万円となり、法人税等の支払や売上債権の増加等により資金が減少しましたが、預り金や仕入債務の増加等により資金が増加し、34,747百万円の収入超過前連結会計年度は41,243百万円の収入超過)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により資金が減少し、27,450百万円の支出超過前連結会計年度は22,532百万円の支出超過)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加や社債の発行により資金が増加しましたが、コマーシャル・ペーパーの償還や配当金の支払により資金が減少し、2,365百万円の支出超過前連結会計年度は16,074百万円の支出超過)となりました。

  

③ 生産、受注及び販売の状況

当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建設事業及び不動産事業等では、生産実績を定義することが困難であり、建設事業においては、請負形態をとっているため販売実績という定義は実態に即しておりません。

また、当社グループにおいては、建設事業以外では受注生産形態をとっておりません。

よって、受注及び販売の状況については、可能な限り「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの種類に関連付けて記載しております。

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

 

建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況

イ 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

期別

工事別

前期繰越
工事高
(百万円)

当期受注
工事高
(百万円)


(百万円)

当期完成
工事高
(百万円)

次期繰越工事高

当期
施工高
(百万円)

手持工事高
(百万円)

うち施工高

(%)

(百万円)

第85期
自 2021年4月1日
至 2022年3月31日

土木工事

232,063

144,614

376,677

120,870

255,807

0.0

88

120,911

建築工事

303,543

183,478

487,022

178,811

308,211

0.1

173

178,722

535,606

328,093

863,699

299,681

564,018

0.0

262

299,634

第86期
自 2022年4月1日
至 2023年3月31日

土木工事

255,807

148,385

404,192

118,372

285,820

0.0

17

118,300

建築工事

308,211

179,015

487,226

177,269

309,956

0.1

291

177,387

564,018

327,401

891,419

295,642

595,777

0.1

308

295,688

 

(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更があったものについては、当期受注工事高にその増減額を含めて表示しております。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。

3 当期施工高は、(当期完成工事高+次期繰越工事施工高-前期繰越工事施工高)に一致します。

4 当期受注工事高のうち海外工事の割合は、第85期 12.9%第86期 13.7%であります。

5 受注工事のうち主なものは、次のとおりであります。

第85期 請負金額100億円以上の主なもの

シンガポール陸上交通庁

地下鉄クロスアイランド線CR110大断面トンネル工事

学校法人村崎学園

徳島文理大学高松駅キャンパス新築工事(建築)

南関東特定目的会社

プロロジスパーク盛岡プロジェクト

 

 

第86期 請負金額100億円以上の主なもの

フィリピン共和国 運輸省(DOTr)

マニラ地下鉄102工区工事

アメリカ合衆国陸軍

嘉手納ヘリコプター救助隊ハンガー新築工事

住友不動産(株)

(仮称)海岸3丁目計画新築工事

(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 北海道新幹線建設局

北海道新幹線、倶知安駅高架橋

(株)アライプロバンス

アライプロバンス葛西A棟新築工事

 

 

ロ 受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は特命と競争に大別され、その比率は次のとおりであります。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第85期
自 2021年4月1日
至 2022年3月31日

土木工事

10.1

89.9

100.0

建築工事

37.4

62.6

100.0

第86期
自 2022年4月1日
至 2023年3月31日

土木工事

14.0

86.0

100.0

建築工事

40.3

59.7

100.0

 

(注) 百分比は請負金額比であります。

 

ハ 完成工事高

期別

区分

国内

海外

合計
(B)
(百万円)

官公庁
(百万円)

民間
(百万円)

(A)
(百万円)

(A)/(B)
(%)

第85期
自 2021年4月1日
至 2022年3月31日

土木工事

83,293

25,162

12,414

10.3

120,870

建築工事

7,871

164,141

6,798

3.8

178,811

91,164

189,303

19,213

6.4

299,681

第86期
自 2022年4月1日
至 2023年3月31日

土木工事

83,239

23,197

11,934

10.1

118,372

建築工事

9,066

165,444

2,759

1.6

177,269

92,305

188,642

14,693

5.0

295,642

 

(注) 1 海外工事の地域別割合は、次のとおりであります。

地域

第85期(%)

第86期(%)

東南アジア

100.0

100.0

その他

0.0

0.0

100.0

100.0

 

2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

  第85期 請負金額100億円以上の主なもの

(株)流山市平方地区共同開発

(仮称)DPL流山Ⅳ新築工事

イオンモール(株)

(仮称)イオンモール利府 新棟新築工事

シンガポール陸上交通庁

地下鉄トムソンライン ガーデンズ バイ ザ ベイ駅及びトンネル工事

蔵王特定目的会社

プロロジスパーク猪名川2プロジェクト

 

  第86期 請負金額100億円以上の主なもの

香港建築署

フーシャン建築工事

高輪一丁目共同建替計画マンション建替組合

(仮称)高輪一丁目共同建替計画マンション建替工事

北海道開発局室蘭開発建設部

沙流川総合開発事業の内平取ダム堤体建設工事

千代田化工建設(株)

京都南山城-三重島ヶ原発電所建設工事

 

 

3 完成工事高に対する割合が100分の10以上の相手先は、次のとおりであります。

第85期

国土交通省

39,024百万円

13.0%

第86期

国土交通省

38,544百万円

13.0%

 

 

ニ 手持工事高

                                     (2023年3月31日現在)

区分

国内

海外
(百万円)

合計
(百万円)

官公庁(百万円)

民間(百万円)

土木工事

130,967

67,034

87,818

285,820

建築工事

38,658

271,298

309,956

169,625

338,333

87,818

595,777

 

(注) 手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。

請負金額100億円以上の主なもの

中野二丁目地区市街地再開発組合

中野二丁目地区第一種市街地再開発事業 施設建築物新築工事

国土交通省関東地方整備局

横浜湘南道路トンネルその3工事

中日本高速道路(株)東京支社

東京外かく環状道路 本線トンネル(北行)東名北工事

シンガポール陸上交通庁

地下鉄クロスアイランド線CR110大断面トンネル工事

東海旅客鉄道(株)

中央新幹線第一首都圏トンネル新設(東百合丘工区)ほか

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等の概要は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また「中期経営計画2023」に基づく当連結会計年度業績計画の達成状況及び前期比較の分析は次のとおりであります。

 

連結業績

2022年3月

実績

2023年3月

期首計画

2023年3月

実績

建設事業受注高

(億円)

3,339

3,800

3,403

売上高

(億円)

3,237

3,385

3,397

売上総利益

(億円)

437

450

337

営業利益

(億円)

235

240

126

経常利益

(億円)

234

240

131

親会社株主に帰属する

当期純利益

(億円)

151

160

96

 

建設事業受注高は、前期比64億円増加(1.9%増)、期首計画比396億円減少(10.4%減)の3,403億円となりました。国内土木工事は鉄道や道路工事を中心に受注したことにより、前期実績を上回りました。国内建築工事は物流施設や住宅施設、工場等を中心に受注しましたが、前期実績を下回りました。海外工事はフィリピンのマニラにおいて大型の地下鉄工事を受注したこと等により前期実績を上回りました。以上の要因により上記の結果となりました。

売上高は、増収となり、前期比160億円増加(4.9%増)、期首計画比12億円増加(0.4%増)の3,397億円となりました。国内の一部大型土木工事の進捗遅れや、海外建築工事の完成工事高が減少したことにより当社単体の建設事業は減収となりましたが、開発・不動産事業等において販売事業の売上が大幅に増加したことや、海外建設子会社の完成工事高が増加したことが増収の主な要因であります。

営業利益は、前期比109億円減少(46.4%減)、期首計画比113億円減少(47.4%減)の126億円となり、営業利益率は前期の7.3%から3.7%へ大幅に低下しました。営業利益の減少につきましては、建設資材価格の高騰等により採算が大幅に悪化し、工事損失引当金繰入額を計上したことにより、建築工事の売上総利益率が前期比7.1ポイント減少の2.1%となったことや、海外の大型トンネル工事において施工上の問題が生じ、追加費用が発生したことにより、土木工事の売上総利益率が前期比3.0ポイント減少の13.3%となったことが主な要因であります(売上総利益はいずれも当社単体の数値であります。)。

 

ロ 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度末の財政状態の概要は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

当連結会計年度末の総資産は、前期末比360億円増加(7.5%増)の5,136億円となりました。受取手形・完成工事未収入金等の売上債権が70億円増加したことや、現預金が66億円増加したこと等が主な増加の要因であります。なお、有形固定資産につきましては、開発・不動産事業等における「循環型再投資モデル」の推進のため一部を販売用不動産へ振り替えましたが、収益物件、開発種地の取得や自社開発事業により、12億円増加(0.8%増)の1,633億円となりました。

負債は、前期末比375億円増加(11.7%増)の3,574億円となりました。これは、預り金が185億円増加したことや、支払手形・工事未払金等が132億円増加したことが主な要因であります。また、有利子負債残高(有利子負債は短期債務及び長期債務の合計よりリース債務を除外して算出しております。「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」において以下同様です。)は前期末比83億円増加(5.2%増)の1,683億円(D/Eレシオ1.1倍)となりました。次期につきましては、アセットバリューアッド事業(旧 開発・不動産事業)等を中心に413億円の設備投資及び出資を行う計画としております。この設備投資及び出資が計画どおり進んだ場合には、期末の有利子負債は2,072億円(D/Eレシオ1.4倍程度)となる見込みであります。

純資産は、前期末比15億円減少(1.0%減)の1,561億円となりました。また、自己資本比率は29.0%となり、前期から2.7ポイント減少しました。これは、配当(107億円)を実施したことやその他有価証券評価差額金が19億円減少したこと等が主な要因であります。

 

ハ セグメント情報に記載された区分ごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、セグメント情報に記載された区分ごとに資産及び負債を配分していないため、セグメント別の財政状態の分析・検討は記載しておりません。

セグメント情報に記載された区分ごとの経営成績等の状況の概要は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また「中期経営計画2023」に基づく当事業年度業績計画の達成状況は次のとおりであります。なお、当社グループの受注高、売上高及び売上総利益(完成工事総利益・不動産事業等総利益)は、その大半を当社単体で占めていることから、以下の分析・検討は、いずれも当社単体の数値を記載しております。

 

(土木事業)

土木事業(当社単体)

2022年3月

実績

2023年3月

期首計画

2023年3月

実績

受注高           (億円)

1,446

1,650

1,483

売上高           (億円)

1,208

1,270

1,183

完成工事総利益       (億円)

196

215

157

完成工事総利益率       (%)

16.3

16.9

13.3

 

受注高は、期首計画比で166億円減少(10.1%減)の1,483億円となりました。これは、フィリピンのマニラにおいて大型の地下鉄工事を受注したものの、国内官公庁の新規工事の受注が想定を下回ったことが主な要因であります。工事種別でみると鉄道等が前期比で増加し、道路等が前期比で減少となりました。

売上高は、期首計画比で86億円減少(6.8%減)の1,183億円となりました。これは、国内の一部大型工事の進捗が遅れたことによるものです。

完成工事総利益は、期首計画比で57億円減少(26.7%減)の157億円となりました。これは海外の大型トンネル工事において施工上の問題が生じ、追加費用が発生したことによるものや、過年度に完成した国内工事で交渉していた設計変更が認められなかったこと等によるものです。この結果、完成工事総利益率についても期首計画比3.6ポイント減少の13.3%となりました。

 

(建築事業)

建築事業(当社単体)

2022年3月

実績

2023年3月

期首計画

2023年3月

実績

受注高           (億円)

1,834

2,000

1,790

売上高           (億円)

1,788

1,710

1,772

完成工事総利益       (億円)

164

139

37

完成工事総利益率       (%)

9.2

8.1

2.1

 

受注高は、期首計画比で209億円減少(10.5%減)の1,790億円となりました。これは、一部の国内建築工事において、建設資材価格の高騰等により採算が大幅に悪化したことから、受注時採算を一層重視した選別受注に取り組んだことが主な要因であります。工事種別でみると住宅や物流施設などが前期比で増加し、教育施設や事務所・庁舎などが前期比で減少となりました。

売上高は、期首計画比62億円増加(3.7%増)の1,772億円となりました。これは一部の国内大型工事が想定以上に進捗したことが主な要因であります。

完成工事総利益は、期首計画比で101億円減少(72.8%減)の37億円となりました。これは、一部の国内工事において、建設資材価格の高騰等により採算が大幅に悪化し、工事損失引当金繰入額を計上したことによるものであります。この結果、完成工事総利益率は、期首計画比6.0ポイント減少の2.1%となりました。

 

(開発・不動産事業等)

開発・不動産事業等(当社単体)

2022年3月

実績

2023年3月

期首計画

2023年3月

実績

売上高           (億円)

180

260

327

不動産事業等総利益     (億円)

69

81

123

不動産事業等総利益率     (%)

38.5

31.2

37.8

 

売上高は、期首計画比で67億円増加(25.9%増)の327億円となりました。これは、当事業年度において期首計画時点で予定していなかった一部の販売用不動産を売却したこと等が主な要因であります。不動産事業等総利益は、期首計画比で42億円増加(52.6%増)の123億円となりました。これは、上記販売用不動産の売却に伴うものであります。

なお、当連結会計年度において、賃貸事業用の土地・建物の取得及び自社開発物件の建設等に連結で264億円を投資しました。賃貸事業用の土地・建物のうち主なものは、「第3 設備の状況 2 主要な設備の状況」に記載のとおりであります。

 

ニ 経営成績等に重要な影響を与える要因の分析

当社グループの経営成績等に重要な影響を与える主な要因は、景気動向に伴う建設市場の動向、資材価格の変動及び建設技能労働者確保の状況であります。

国内経済の今後の見通しにつきましては、ウィズコロナの下、各種政策の効果もあり持ち直しの動きが続くことが期待されますが、長引くウクライナ情勢や世界的な金融引き締め等が続く中、不確実性の高い状況が続くものと予想されます。国内建設市場の今後の見通しにつきましては、国内土木市場は国土強靭化・防災減災に向けた各種施策により堅調に推移することが予想されますが、国内建築市場は中長期的な人口減少等の影響から縮小が想定されるなど、不透明な状況が続くと思われます。

これらの要因に対処しつつ、持続的な成長を遂げるため、当社グループは、2023年2月に公表した「西松-Vision 2030」及び「中期経営計画2025」に掲げる各種施策に取り組んでおります。

 

ホ 目標とする経営指標の達成状況

当社グループは、2021年度を初年度とする「中期経営計画2023」において、「連結売上高4,000億円」「連結営業利益320億円」「ROE12%以上」「自己資本比率40%程度」「D/Eレシオ0.8倍」を目標とする経営指標として掲げ、この達成に向けて各種施策に取り組んでまいりましたが、2年目である当連結会計年度の業績は、連結売上高3,397億円、連結営業利益126億円、ROE6.4%、自己資本比率29.0%、D/Eレシオ1.1倍となりました。また、「中期経営計画2023」の最終年度である2023年度においても、国内建築工事の採算が当初想定した水準まで回復しない見通しとなり、「中期経営計画2023」の目標達成が困難な状況となったことから、1年前倒しで見直しを行い、2023年2月に「中期経営計画2025」を公表いたしました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要は、主として、土木事業及び建築事業に係る材料費、労務費、外注費、経費及び営業費用としての一般管理費等の運転資金と、アセットバリューアッド事業(旧 開発・不動産事業)等に係る固定資産の購入、改修費用、再生可能エネルギー事業、人財開発やDX等の投資資金であります。

当社グループは「西松-Vision 2030」において、2030年度とその先に向けた成長投資として1,500億円を投資いたします。これにより、建設業中心の「社会基盤整備」から、アセットバリューアッド事業と地域環境ソリューション事業の成長により、グループの価値共創活動の領域を「社会機能の再構築」へと拡大させ、成長を目指してまいります。

これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債による調達で対応していくこととしております。

手許の運転資金については、子会社も含めたグループ全体としての余剰資金の管理に努め、資本効率の向上を図っております。また、機動的な資金調達を目的として主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、流動性リスクに備えております。

キャッシュ・フローの状況の概要は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。次期につきましては、引き続き工事の立替資金の回収を図り、営業活動によるキャッシュ・フローの改善に努めてまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積り及び判断が行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積り及び判断については、継続して評価し、事象の変化等により必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、2021年12月15日開催の取締役会において、伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠商事」といいます。)との間で、資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といい、当該契約に基づく資本業務提携を以下「本資本業務提携」といいます。)を締結することを決議し、同日付で本資本業務提携契約を締結しております。

 

(1) 本資本業務提携契約の目的

当社は、伊藤忠商事の構築する国内トップクラスの資機材調達バリューチェーンの活用による資機材共同調達の実現や、住宅や物流特化型J-REITのスポンサーである伊藤忠商事グループの不動産運用ノウハウを取り入れた当社の開発・不動産事業における循環型不動産ビジネスの確立や資産効率の改善等、これまでにはない新しい建設業の在り方の可能性を確認し、異業種との協業によるシナジーの発現を実現する経営モデルの確立が当社の企業価値向上に資するものと判断しました。このように、異業種である両社がそれぞれ有する経営資源やノウハウを結集することで、これまでになかった全く新しいシナジーを創出し、双方の企業価値を最大化することを目的として、本資本業務提携契約を締結しております。

 

(2) 本資本業務提携契約の内容

① 業務提携の内容

ⅰ 建設アライアンス構築

現場課題を解決する技術や工法を持つ建設業界の優良企業群と建設アライアンスを構築することにより、建設業界の省人化・効率化・DX化を共同推進する。

ⅱ 安心安全、脱炭素社会の実現

脱炭素社会の実現や国土強靭化といった社会課題を成長分野と捉え、公共施設・インフラPPPへの共同事業参画や再生可能エネルギー事業の共同取組等により事業領域を拡大する。

ⅲ 循環型不動産事業モデルでの協業

不動産開発・収益不動産への投資・運用を通じた循環型不動産事業を両社で推進することで、当社の安定成長基盤を確立するとともに、伊藤忠商事の不動産開発事業のモノづくり力向上による安心安全を強化する。

ⅳ 顧客基盤拡充・競争力向上

国内外のグループ会社・取引先等のネットワークや資機材調達機能、エンジニアリング機能等、両社の持つ顧客基盤や機能を融合することで、両社の事業収益力・競争力や安定性を強化する。

 

② 資本提携の内容

伊藤忠商事は、2023年3月31日現在、当社普通株式4,022,800株(議決権所有割合10.18%)を保有しております。

 

(3) 本資本業務提携の相手先の概要

① 名称

伊藤忠商事株式会社

② 所在地

東京都港区北青山2丁目5番1号(東京本社)

③ 代表者の役職・氏名

代表取締役社長COO 石井 敬太

④ 事業内容

繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、金融の各分野において、国内、輸出入及び三国間取引を行うほか、国内外における事業投資など、幅広いビジネスを展開

⑤ 資本金

253,448百万円

 

 

2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社

                                         (2023年3月31日現在)

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(百万円) (注)1

従業員
数(名)

建物・
構築物

機械、
運搬具・
工具器具
備品

土地
(面積㎡)

リース
資産

合計

虎ノ門ヒルズビジネスタワー
(東京都港区)
(注)2

全社(共通)
開発・不動産事業等

本社・賃貸オフィスビル

 14,646

    -

 13,433

    -

 28,080

491

<12,632>

< - >

<12,281>

< - >

<24,913>

 

 

(2,399)

 

 

技術研究所 愛川オフィス
(神奈川県愛甲郡愛川町)

土木事業
建築事業

技術研究所

272

168

 1,004

 1,445

6

(6,096)

平塚製作所
(神奈川県高座郡寒川町)

 

土木事業
建築事業

工場・機材センター・倉庫

74

5

 1,685
 

 1,764

9

(16,259)

ハレノテラス
(埼玉県さいたま市見沼区)
(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸店舗

1,387

 913
 

  2,300

(2,972)

NCOメトロ神谷町
(東京都港区)
(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸オフィスビル

1,543

 658
 

  2,201

(263)

NCRe新宿中央公園
(東京都新宿区)
(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸マンション

131

 1,219
 

  1,351

(351)

虎ノ門センタービルディング
(東京都港区)
(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸オフィスビル

161

 3,808
 

  3,969

(350)

ベルエア調布
(東京都調布市)
(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸住宅店舗

235

 1,179
 

  1,415

(1,773)

スタンション北参道
(東京都渋谷区)
(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸オフィスビル

489

 3,493

  3,983

(489)

 

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(百万円) (注)1

従業員
数(名)

建物・
構築物

機械、
運搬具・
工具器具
備品

土地
(面積㎡)

リース
資産

合計

日吉国際学生寮
(神奈川県横浜市港北区)
(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸学生寮

1,153

0

 55
 

 1,208

(2,816)

座間ITソリューションセンター
(神奈川県座間市)
(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸データセンター

3,427

 1,875
 

  5,303

(9,917)

藤沢ビューライト円行
(神奈川県藤沢市)
(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸マンション

907

 1,240

  2,147

(5,033)

ホテルJALシティ富山
(富山県富山市)
(注)4

開発・不動産事業等

賃貸ホテル

3,998

130

 1,871
 

  6,000

(1,790)

NCRe京都深草
(京都府京都市伏見区)
(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸学生寮

829

 1,155
 

  1,985

(1,207)

アルファコート堺
(大阪府堺市堺区)
(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸マンション

1,929

 319
 

  2,249

(1,908)

NCRe吹田山手
(大阪府吹田市)
(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸学生寮

978

 931
 

1,910

(1,702)

堺筋MS第2ビル

(大阪府大阪市中央区)

(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸オフィスビル

407

 1,639

  2,047

(475)

プリンススマートイン博


(福岡県福岡市博多区)
(注)3(注)4

開発・不動産事業等

賃貸ホテル

2,733

 3,914

  6,647

(823)

 

(注) 1 帳簿価額に建設仮勘定は含んでおりません。

2 < >は連結会社以外に賃貸されている設備であります。なお、< >の一部を販売用不動産として計上しております。

3 連結会社以外に賃貸されている設備であります。

4  賃貸用設備のため従業員数は記載しておりません。

5 現在休止中の主要な設備はありません。

6 上記の他、連結会社以外からの主要なリース資産はありません。

 

 

(2) 国内子会社

 

 

 

 

(2023年3月31日現在)

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(百万円) (注)1

従業員数
(名)

建物・
構築物

 機械、
運搬具・
工具器具
備品 

土地
(面積㎡)

リース
資産

合計

西松地所㈱

虎ノ門ヒルズビジネスタワー
(東京都港区)
(注)2(注)3

開発・不動産事業等

賃貸オフィスビル

522

3

468

(123)

994

合同会社
三軒茶屋
壱号

さいとうビル
(東京都世田谷区)
(注)2(注)3

開発・不動産事業等

賃貸オフィスビル

1,415

1

3,202

(717)

4,620

 

(注) 1 帳簿価額に建設仮勘定は含んでおりません。

2 賃貸用設備のため従業員数は記載しておりません。

3 連結会社以外に賃貸されている設備であります。

4  現在休止中の主要な設備はありません。

 

(3) 在外子会社

記載すべき重要な設備はありません。

 

① 【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

160,000,000

160,000,000

 

 

② 【発行済株式】

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月29日)

上場金融商品取引所名又は
登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

55,591,502

55,591,502

東京証券取引所
プライム市場

単元株式数は100株であります。

55,591,502

55,591,502

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

年月日

発行済株式
総数増減数
(千株)

発行済株式
総数残高
(千株)

資本金
増減額
(百万円)

資本金
残高
(百万円)

資本準備金
増減額
(百万円)

資本準備金
残高
(百万円)

2017年10月1日(注)

△222,366

55,591

23,513

20,780

 

(注) 2017年6月29日開催の第80期定時株主総会決議により、2017年10月1日付で普通株式5株を1株とする株式併合を実施しております。これにより、発行済株式総数は222,366,011株減少し、55,591,502株となっております。

 

(5) 【所有者別状況】

(2023年3月31日現在)

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

42

48

357

170

40

33,320

33,977

所有株式数
(単元)

117,581

10,742

59,940

38,644

138

327,247

554,292

162,302

所有株式数
の割合(%)

21.22

1.94

10.81

6.97

0.02

59.04

100.00

 

(注) 1 自己株式15,893,798株は、「個人その他」欄に158,937単元、「単元未満株式の状況」に98株含まれております。

   2 株式給付信託(BBT)が保有する当社株式225,300株は、「金融機関」欄に2,253単元含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

(2023年3月31日現在)

氏名又は名称

住所

所有株式数
(千株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数の
割合(%)

日本マスタートラスト信託銀行株式会社
(信託口)

東京都港区浜松町2丁目11番3号

5,230

13.18

伊藤忠商事株式会社

東京都港区北青山2丁目5-1号

4,022

10.13

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1丁目8-12

2,152

5.42

明治安田生命保険相互会社

東京都千代田区丸の内2丁目1-1

915

2.31

西松建設持株会

東京都港区虎ノ門1丁目17-1
虎ノ門ヒルズビジネスタワー7階

869

2.19

株式会社みずほ銀行

東京都千代田区大手町1丁目
5番5号

614

1.55

住友不動産株式会社

東京都新宿区西新宿2丁目4-1

612

1.54

株式会社日本カストディ銀行(信託口4)

東京都中央区晴海1丁目8-12

612

1.54

みずほ信託銀行株式会社

東京都千代田区丸の内1丁目3-3

600

1.51

STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY
505234
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

1776 HERITAGE DRIVE, NORTH
QUINCY, MA 02171, U.S.A.
(東京都港区港南2丁目15-1
品川インターシティA棟)

480

1.21

16,110

40.58

 

(注) 1 上記のほか当社所有の自己株式15,893,798株があります。なお、当該自己株式には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式225,300株を含めておりません。

   2 上記の日本マスタートラスト信託銀行株式会社及び株式会社日本カストディ銀行の所有株式は、信託業務にかかるものであります。

 

3 2023年2月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者である1社が2023年1月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書(変更報告書)の内容は以下のとおりであります。

氏名又は名称

住所

保有株券等の数(千株)

株券等保有割合(%)

三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社

東京都港区芝公園一丁目
1番1号

1,749

3.15

日興アセットマネジメント株式会社

東京都港区赤坂九丁目
7番1号

542

0.98

2,291

4.12

 

 

4 2023年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、株式会社みずほ銀行及びその共同保有者である3社が2023年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書(変更報告書)の内容は以下のとおりであります。

氏名又は名称

住所

保有株券等の数(千株)

株券等保有割合(%)

株式会社みずほ銀行

東京都千代田区大手町一丁目
5番5号

614

1.10

みずほ証券株式会社

東京都千代田区大手町1丁目
5番1号

106

0.19

みずほ信託銀行株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目
3番3号

825

1.48

アセットマネジメントOne株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目
8番2号

1,916

3.45

3,462

6.23

 

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金預金

47,121

53,726

 

 

受取手形・完成工事未収入金等

※1 183,464

※1 190,506

 

 

有価証券

-

1

 

 

販売用不動産

※7 4,646

※7 11,275

 

 

未成工事支出金

6,227

6,949

 

 

不動産事業等支出金

4,100

3,121

 

 

材料貯蔵品

294

662

 

 

立替金

10,992

12,411

 

 

その他

5,462

12,109

 

 

貸倒引当金

19

20

 

 

流動資産合計

262,292

290,744

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物・構築物

※4※7※8 95,980

※4※7 85,803

 

 

 

機械、運搬具及び工具器具備品

10,049

10,013

 

 

 

土地

※4※7 95,720

※4※7 100,727

 

 

 

リース資産

125

116

 

 

 

建設仮勘定

1,297

※8 2,771

 

 

 

減価償却累計額

41,041

36,062

 

 

 

有形固定資産合計

162,131

163,369

 

 

無形固定資産

1,254

6,461

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※3※4 35,485

※3※4 35,868

 

 

 

長期貸付金

1,047

998

 

 

 

退職給付に係る資産

2,801

2,572

 

 

 

繰延税金資産

6,095

7,437

 

 

 

その他

6,580

6,242

 

 

 

貸倒引当金

75

70

 

 

 

投資その他の資産合計

51,935

53,048

 

 

固定資産合計

215,320

222,878

 

資産合計

477,613

513,623

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形・工事未払金等

60,532

73,826

 

 

短期借入金

43,039

59,239

 

 

コマーシャル・ペーパー

20,000

-

 

 

1年内償還予定の社債

10,000

15,000

 

 

リース債務

31

28

 

 

未払法人税等

5,879

1,905

 

 

未成工事受入金

※2 14,802

※2 17,236

 

 

完成工事補償引当金

7,923

1,657

 

 

賞与引当金

3,673

2,827

 

 

役員賞与引当金

58

31

 

 

工事損失引当金

2,820

7,920

 

 

不動産事業等損失引当金

38

34

 

 

預り金

45,883

64,421

 

 

資産除去債務

27

-

 

 

その他

2,955

3,542

 

 

流動負債合計

217,663

247,670

 

固定負債

 

 

 

 

社債

87,000

91,000

 

 

長期借入金

-

※4 3,157

 

 

リース債務

1,014

986

 

 

繰延税金負債

292

305

 

 

役員株式給付引当金

54

106

 

 

退職給付に係る負債

6,509

6,740

 

 

資産除去債務

734

757

 

 

その他

6,628

6,749

 

 

固定負債合計

102,233

109,804

 

負債合計

319,897

357,475

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

23,513

23,513

 

 

資本剰余金

20,795

20,792

 

 

利益剰余金

158,485

157,326

 

 

自己株式

57,335

57,338

 

 

株主資本合計

145,459

144,294

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

6,389

4,467

 

 

繰延ヘッジ損益

-

9

 

 

為替換算調整勘定

326

1,636

 

 

退職給付に係る調整累計額

847

1,566

 

 

その他の包括利益累計額合計

5,868

4,546

 

非支配株主持分

6,387

7,306

 

純資産合計

157,715

156,148

負債純資産合計

477,613

513,623

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

 

 

 

完成工事高

304,193

304,392

 

不動産事業等売上高

19,560

35,365

 

売上高合計

※1 323,754

※1 339,757

売上原価

 

 

 

完成工事原価

※2 267,729

※2 284,120

 

不動産事業等売上原価

12,251

21,916

 

売上原価合計

279,981

306,037

売上総利益

 

 

 

完成工事総利益

36,463

20,271

 

不動産事業等総利益

7,308

13,448

 

売上総利益合計

43,772

33,719

販売費及び一般管理費

※3 20,232

※3 21,104

営業利益

23,540

12,615

営業外収益

 

 

 

受取利息

34

85

 

受取配当金

658

567

 

為替差益

424

194

 

貸倒引当金戻入額

149

5

 

匿名組合投資利益

134

155

 

受取遅延損害金

498

-

 

その他

476

480

 

営業外収益合計

2,374

1,489

営業外費用

 

 

 

支払利息

578

707

 

資金調達費用

789

109

 

アドバイザリー等費用

631

-

 

その他

417

112

 

営業外費用合計

2,417

928

経常利益

23,497

13,176

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

※5 1,272

※5 237

 

投資有価証券売却益

2,107

707

 

その他

20

0

 

特別利益合計

3,400

945

特別損失

 

 

 

固定資産売却損

※6 72

※6 8

 

固定資産除却損

※7 24

※7 23

 

減損損失

※8 952

-

 

投資有価証券評価損

21

310

 

ゴルフ会員権評価損

37

74

 

和解金

-

82

 

感染症関連費用

10

-

 

完成工事補償引当金繰入額

2,998

-

 

その他

85

25

 

特別損失合計

4,201

525

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

税金等調整前当期純利益

22,696

13,595

法人税、住民税及び事業税

8,268

4,185

法人税等調整額

666

343

法人税等合計

7,602

3,841

当期純利益

15,093

9,754

非支配株主に帰属する当期純利益又は
非支配株主に帰属する当期純損失(△)

9

105

親会社株主に帰属する当期純利益

15,103

9,648

 

1  報告セグメントの概要

  (1)報告セグメントの決定方法

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、本社に事業本部を置き、国内及び海外の土木工事、建築工事、並びに不動産事業について包括的に管理を行って、事業活動を展開しております。

従って、当社は各本部を基礎とした事業別のセグメントから構成されており、「土木事業」、「建築事業」並びに「開発・不動産事業等」の3つを報告セグメントとしております。

 

  (2)各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類

   土木事業:土木工事の請負及び土木工事に関連する事業
   建築事業:建築工事の請負及び建築工事に関連する事業
   開発・不動産事業等:不動産の賃貸・販売、資産管理等の事業

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金預金

36,811

38,290

 

 

受取手形

7,023

7,038

 

 

完成工事未収入金

175,642

181,619

 

 

有価証券

-

1

 

 

販売用不動産

※4 4,653

※4 11,292

 

 

未成工事支出金

6,202

6,045

 

 

不動産事業等支出金

4,100

3,121

 

 

材料貯蔵品

293

606

 

 

短期貸付金

11

11

 

 

関係会社短期貸付金

122

314

 

 

前払費用

482

618

 

 

立替金

11,014

12,436

 

 

その他

3,912

9,594

 

 

貸倒引当金

19

20

 

 

流動資産合計

250,251

270,971

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

※1※4※5 87,936

※1※4 78,213

 

 

 

 

減価償却累計額

29,523

24,475

 

 

 

 

建物(純額)

58,412

53,737

 

 

 

構築物

3,583

※4 3,005

 

 

 

 

減価償却累計額

1,901

1,557

 

 

 

 

構築物(純額)

1,681

1,447

 

 

 

機械及び装置

7,323

7,188

 

 

 

 

減価償却累計額

6,342

6,376

 

 

 

 

機械及び装置(純額)

980

811

 

 

 

車両運搬具

364

320

 

 

 

 

減価償却累計額

336

301

 

 

 

 

車両運搬具(純額)

27

18

 

 

 

工具器具・備品

2,083

2,176

 

 

 

 

減価償却累計額

1,485

1,682

 

 

 

 

工具器具・備品(純額)

597

494

 

 

 

土地

※1※4 80,067

※1※4 83,657

 

 

 

リース資産

125

116

 

 

 

 

減価償却累計額

63

78

 

 

 

 

リース資産(純額)

61

38

 

 

 

建設仮勘定

1,273

※5 1,126

 

 

 

有形固定資産合計

143,103

141,331

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

借地権

-

300

 

 

 

ソフトウエア

843

1,056

 

 

 

その他

254

4,834

 

 

 

無形固定資産合計

1,098

6,190

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※1 34,507

※1 33,804

 

 

 

関係会社株式

12,132

16,013

 

 

 

出資金

25

25

 

 

 

関係会社出資金

4,712

4,660

 

 

 

長期貸付金

71

325

 

 

 

従業員に対する長期貸付金

0

-

 

 

 

関係会社長期貸付金

1,136

1,357

 

 

 

長期前払費用

44

41

 

 

 

前払年金費用

3,620

4,374

 

 

 

繰延税金資産

5,581

6,655

 

 

 

その他

6,189

5,255

 

 

 

貸倒引当金

75

70

 

 

 

投資その他の資産合計

67,946

72,443

 

 

固定資産合計

212,148

219,966

 

資産合計

462,400

490,938

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形

1,905

1,922

 

 

電子記録債務

16,372

22,027

 

 

工事未払金

40,803

46,320

 

 

短期借入金

43,039

59,239

 

 

コマーシャル・ペーパー

20,000

-

 

 

1年内償還予定の社債

10,000

15,000

 

 

リース債務

25

21

 

 

未払金

2,127

2,580

 

 

未払費用

71

82

 

 

未払法人税等

5,832

1,784

 

 

未成工事受入金

14,484

16,636

 

 

預り金

45,864

64,365

 

 

前受収益

5

3

 

 

完成工事補償引当金

7,923

1,657

 

 

賞与引当金

3,577

2,740

 

 

役員賞与引当金

58

31

 

 

工事損失引当金

2,820

7,920

 

 

不動産事業等損失引当金

38

34

 

 

資産除去債務

27

-

 

 

その他

38

121

 

 

流動負債合計

215,013

242,488

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

 

固定負債

 

 

 

 

社債

87,000

91,000

 

 

リース債務

42

21

 

 

退職給付引当金

5,904

6,065

 

 

役員株式給付引当金

54

106

 

 

資産除去債務

705

728

 

 

その他

5,739

5,458

 

 

固定負債合計

99,445

103,380

 

負債合計

314,458

345,869

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

23,513

23,513

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

20,780

20,780

 

 

 

その他資本剰余金

0

0

 

 

 

資本剰余金合計

20,780

20,780

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

5,878

5,878

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

買換資産圧縮積立金

862

858

 

 

 

 

別途積立金

126,475

131,475

 

 

 

 

繰越利益剰余金

21,795

15,434

 

 

 

利益剰余金合計

155,011

153,646

 

 

自己株式

57,335

57,338

 

 

株主資本合計

141,969

140,602

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

5,971

4,467

 

 

評価・換算差額等合計

5,971

4,467

 

純資産合計

147,941

145,069

負債純資産合計

462,400

490,938

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

 

 

 

完成工事高

299,681

295,642

 

不動産事業等売上高

18,025

32,743

 

売上高合計

317,707

328,385

売上原価

 

 

 

完成工事原価

263,592

276,107

 

不動産事業等売上原価

11,094

20,380

 

売上原価合計

274,686

296,488

売上総利益

 

 

 

完成工事総利益

36,089

19,534

 

不動産事業等総利益

6,931

12,362

 

売上総利益合計

43,020

31,897

販売費及び一般管理費

 

 

 

役員報酬

255

252

 

従業員給料手当

9,973

9,876

 

退職金

14

12

 

退職給付費用

424

440

 

法定福利費

1,134

1,190

 

福利厚生費

428

476

 

修繕維持費

109

108

 

事務用品費

732

789

 

通信交通費

854

1,084

 

動力用水光熱費

72

81

 

調査研究費

1,844

1,729

 

広告宣伝費

105

124

 

貸倒引当金繰入額

-

0

 

交際費

363

541

 

寄付金

74

134

 

地代家賃

522

669

 

減価償却費

542

563

 

租税公課

1,066

1,009

 

保険料

70

71

 

雑費

580

673

 

販売費及び一般管理費合計

19,168

19,832

営業利益

23,851

12,065

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

営業外収益

 

 

 

受取利息

20

52

 

有価証券利息

0

0

 

受取配当金

731

599

 

為替差益

276

185

 

貸倒引当金戻入額

149

5

 

匿名組合投資利益

134

155

 

受取遅延損害金

498

-

 

その他

448

441

 

営業外収益合計

2,259

1,438

営業外費用

 

 

 

支払利息

311

247

 

社債利息

208

403

 

資金調達費用

789

109

 

アドバイザリー等費用

631

-

 

その他

398

101

 

営業外費用合計

2,340

862

経常利益

23,771

12,641

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

※1 1,272

※1 237

 

投資有価証券売却益

2,107

707

 

その他

20

0

 

特別利益合計

3,400

945

特別損失

 

 

 

固定資産売却損

※2 72

※2 8

 

固定資産除却損

※3 24

※3 23

 

減損損失

925

-

 

投資有価証券評価損

21

310

 

ゴルフ会員権評価損

37

74

 

和解金

-

82

 

感染症関連費用

10

-

 

完成工事補償引当金繰入額

2,998

-

 

子会社支援損

387

-

 

その他

85

25

 

特別損失合計

4,561

525

税引前当期純利益

22,609

13,061

法人税、住民税及び事業税

8,240

4,077

法人税等調整額

634

410

法人税等合計

7,606

3,667

当期純利益

15,003

9,393