株式会社 長谷工コーポレーション
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 当社は「株式給付信託(BBT)」及び「株式給付型ESOP」制度を導入しております。1株当たり純資産額の基礎となる期末株式数及び1株当たり当期純利益金額の基礎となる期中平均株式数は、その計算において控除する自己株式に当該信託が保有する当社株式を含めております。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第105期の期首から適用しており、第105期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1 第102期の1株当たり配当額80円には特別配当60円を、第103期の1株当たり配当額70円には特別配当50円をそれぞれ含んでおります。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 当社は「株式給付信託(BBT)」及び「株式給付型ESOP」制度を導入しております。1株当たり純資産額の基礎となる期末株式数及び1株当たり当期純利益金額の基礎となる期中平均株式数は、その計算において控除する自己株式に当該信託が保有する当社株式を含めております。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第105期の期首から適用しており、第105期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
5 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
当社グループは、当社、子会社84社及び関連会社9社で構成され、建設関連事業、不動産関連事業、サービス関連事業及び海外関連事業を主要な事業として事業活動を展開しております。
当社グループの各事業における位置付けなどは次のとおりであります。
以下の事業は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
〔建設関連事業〕
当社はマンション等の企画・設計から施工までを行う総合建設業を営んでおります。
子会社である不二建設㈱、㈱ハセック、㈱フォリス他が建設請負、建設資機材の販売・レンタル等を行っており、当社は業務及び工事の一部、マンション、オフィスビル等の企画・設計・監理、建設資機材等を関係会社に発注しております。
子会社である㈱細田工務店が戸建住宅の施工・分譲等を行っております。
〔不動産関連事業〕
子会社である㈱長谷工不動産ホールディングスがマンション分譲事業の統括を行っております。
子会社である㈱長谷工不動産と総合地所㈱がマンションの分譲及び賃貸を行っております。
子会社である㈱長谷工ホームが戸建住宅の分譲を行っております。
〔サービス関連事業〕
子会社である㈱長谷工リフォームがマンションの大規模修繕、インテリアリフォームを行っております。
子会社である㈱長谷工ライブネット他がマンション等の賃貸及び賃貸管理を行っております。
子会社である㈱長谷工ビジネスプロクシーが社宅の管理代行を行っております。
子会社である㈱長谷工アーベストが分譲マンションの販売受託を行っております。
子会社である㈱長谷工リアルエステートが不動産の流通仲介、マンションのリノベーション事業を行っております。
子会社である㈱長谷工インテックがインテリア販売を行っております。
子会社である㈱長谷工システムズ他が印刷等の関連サービス事業を行っております。
子会社である㈱長谷工管理ホールディングスが分譲マンションの管理事業の統括を行っております。
子会社である㈱長谷工コミュニティ他が分譲マンションの建物管理を行っております。
子会社である㈱長谷工シニアウェルデザインが有料老人ホームの運営及び介護保険事業を行っております。
子会社である㈱長谷工アネシスが㈱長谷工リフォーム、㈱長谷工ライブネット、㈱長谷工ビジネスプロクシー、㈱長谷工アーベスト、㈱長谷工リアルエステート、㈱長谷工インテック、㈱長谷工システムズ等を統括しております。
当社は建物管理、賃貸管理及び不動産の販売、仲介等を関係会社に委託しております。
〔海外関連事業〕
子会社であるHASEKO America,Inc.他がアメリカ合衆国にて不動産の開発・販売を行っております。
以上、述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。
2 特定子会社に該当しております。
3 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
2023年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数(派遣社員及び期間1年以下の有期雇用契約者)は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数(派遣社員及び期間1年以下の有期雇用契約者)は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
当社グループには、長谷工グループ労働組合が組織(組合員数3,696人)されており、UAゼンセンに属しており
ます。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。
① 当社
② 連結子会社(注4)
③ 当社及び国内連結子会社(注5)
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業などの取得割合を算出したものであります。
3 男女の賃金差異は、女性労働者の平均年間給与÷男性労働者の平均年間給与×100%として算出しております。また、平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4 連結子会社のうち、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではない連結子会社は記載を省略しております。
5 「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社のうち、海外連結子会社を除いた会社を対象としております。
<男女の賃金差異についての補足>
(当社に関する事項)
当社における男女の賃金差異の要因と解消に向けた展望は以下のとおりです。なお、当社については全労働者のうち正規雇用労働者の割合は9割以上、正規雇用労働者のうち総合職の割合は9割を占めるため、総合職について記載をいたします。
1)賃金差異要因①:勤続年数
総合職の平均勤続年数は女性は9.8年である一方で、男性は17.5年と約8年の差がございます。当社は専門能力の向上及び実績・貢献によって昇格していく資格等級制度を導入しており、社員は年度ごとに左記の指標により評価され、昇格及び昇給をしていく仕組みとなっております。新卒入社の場合、勤続年数が長いほど上位の資格等級を有する社員が多くなる傾向にあるため、男女間の賃金差異に影響しております。
※資格等級ごとの賃金水準は同一であり、男女間における差異を制度上設けておりません。
2)賃金差異要因②:管理職比率
管理職のうち、女性が占める割合は4.3%であり、賃金差異要因①と連動して男女間において管理職登用の差が生じております。管理職への登用有無は処遇差が生じる要素であり、男女間の賃金差異に影響しております。
3)今後の展望
従来より継続してきた女性積極採用により、女性社員比率は増加傾向にございます。また採用と同時進行にて女性活躍支援策として、女性社員同士のネットワーク形成・キャリア不安払拭等に向けた「女性社員交流会」や「女性特有の健康課題に関する研修」、「産前産後・復帰前後のフォロープログラム」等様々な施策から、働きやすい環境づくりに取り組んでまいりました。また、中核・幹部社員の育成・定着にも注力し、少しずつではございますが女性社員の幹部・管理職登用も進めてまいりました。積極採用層が管理職層へとなるにはもう少し時間を要しますが、2023年4月に新設したD&I推進室を中心に働きやすい環境づくりや、人材育成方針に沿った女性社員の育成、管理職への積極的な登用などをさらに充実・強化していくことで、男女間賃金差異は縮小していくものと考えております。
(当社及び国内連結子会社に関する事項)
当社及び国内連結子会社については特に正規雇用労働者において男女間賃金差異が生じておりますが、男女の平均勤続年数の違い(女性:10.4年、男性:15.0年)及び管理職比率(管理職のうち、女性が占める割合は9.8%)が影響しております。
㈱長谷工アーベストについては「パート・有期労働者」の項において女性が男性を大きく上回っておりますが、期中入社の男性社員の影響により、勤続期間において女性社員との間に大きく差があるためです。来年度以降は男女間の賃金は同程度になるものと予測しております。
また、㈱長谷工リアルエステートについては特に「パート・有期労働者」の項において男性が女性を上回っております。男性社員は社外への営業活動に携わるフルタイム勤務の契約社員が中心であるのに対して、女性社員は事務作業へ携わる短時間勤務のパートタイマーが中心であり、職務内容及び雇用形態による賃金の差が男女間賃金差異に影響しております。
我が国の経済は、ウィズコロナの下における各種政策の効果もあり、景気の緩やかな持ち直しが期待されるなか、世界的な資源高や金融引締め等による下押し圧力がみられ、物価上昇や供給面での制約、金融資本市場の変動等についても留意していく必要があります。建設業界においても、資材・労務費の高騰、建設技能労働者の減少、脱炭素社会への取組み、時間外労働の上限規制の適用を含む働き方改革への対応等、多くの課題を抱えており、今後の動向を注視していく必要があります。
2022年度のマンション市場においては、新規供給戸数は首都圏、近畿圏共に減少に転じました。首都圏では2万8,632戸となり、2年ぶりに3万戸を下回りました。近畿圏も2年ぶりの減少となり1万7,252戸となりました。2023年度の新規供給戸数については、首都圏、近畿圏共に再開発物件や大規模物件の供給が予定されていることから、2022年度を上回ると思われます。また、首都圏、近畿圏共にマンション価格の上昇傾向が継続し、2022年度の平均価格は首都圏では6,907万円と過去最高値となり、近畿圏でも4,679万円と1991年度(5,464万円)以来の高水準が続いています。
2022年度の販売状況はマンション価格が上昇したものの、住宅取得環境が好環境で推移したこと、物価が上昇するなか景気の基調は緩やかに持ち直しが進んだことから、順調に推移しました。2023年度も変動型住宅ローンの金利は低位継続の見通しであること、賃上げが購入意欲へ良い方向に作用する期待もあることから順調に推移すると思われます。
当社グループは、2021年3月期より開始した「長谷工グループ長期ビジョン」ならびに中期経営計画「HASEKO Next Stage Plan(略称:NS計画)」の3年目となる2023年3月期において、建設関連事業においては当社の土地情報収集力や商品企画力、施工品質や工期遵守に対する姿勢、効率的な生産体制等についてお客様や事業主様から評価を頂き、施工中工事高は増加したなか、資材・労務費の高騰等の影響を受け、完成工事総利益率は低下しました。不動産関連事業においては連結子会社の分譲マンションの大型案件の新規引渡し等もあり、好業績を牽引いたしました。サービス関連事業においても各社の業績が好調に推移し、着実に利益を積み重ねることができました。その結果、連結経常利益は期初予想であった850億円を上回り、883億円となりました。
住まいのあり方や働き方に対するニーズは新型コロナウイルス感染拡大によって大きく変化・多様化し、様々な創意工夫が求められております。BIM(Building Information Modeling)&LIM(Living Information Modeling) など独自のDXを積極的に推進することで、商品・サービスの競争力強化や生産性向上に革新的に取組み、新たな事業モデルの創出を目指しております。そのため2021年11月からDXアカデミーをスタートし、スペシャリスト人材の育成にも注力しております。
気候変動・ESGへの取組みなど当社を取り巻く事業環境も大きく変化しており、当社グループにおいても脱炭素社会への貢献をより具体化するために、長谷工グループ気候変動対応方針「HASEKO ZERO‐Emission」を制定し、温室効果ガスの排出量削減目標を設定しております。2021年6月にはSBT(Science Based Targets)イニシアチブより科学的な根拠に基づいた目標として認定を受け、建設現場の使用電力100%再生可能エネルギー化推進や、環境負荷を低減する施工技術の開発・導入、2022年度以降に着手したすべての自社開発分譲マンション・自社保有賃貸マンションのZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化、マンションの木造化技術への挑戦など、事業を通じた課題解決に当社グループ全体で取り組んでおります。また、人権尊重の考え方を明確にするとともに、企業として人権尊重責任を果たしていくため、2021年1月に「長谷工グループ人権方針」を制定いたしました。今後も、サプライチェーンも含めた人権デュー・ディリジェンスを継続的に実施してまいります。
引き続き、社会課題の解決に取組みつつ、NS計画の重点戦略と位置付けたコア事業の競争力の強化や不動産関連事業の投資拡大、将来の成長に向けた取組みについて、成長戦略投資を実施してまいります。また、強固な財務基盤を維持しつつ株主還元の拡充を図り、資本効率性をより意識した経営に努め、持続可能な企業グループとして発展を続けてまいります。
長谷工グループ長期ビジョン ~2030年3月期に目指す姿~
■目指す姿
少子化・高齢化、人口減少、都市のコンパクト化、災害、建築物の老朽化、環境配慮・省エネルギー、コミュニティ形成などの社会情勢の変化に対応し、当社の企業理念である「都市と人間の最適な生活環境を創造し、社会に貢献する。」を具体的に実現する為、分譲マンションを中心に、賃貸・高齢者住宅や商業・介護・子育て・健康・医療・教育等を組み合わせ、ハード・ソフト両面から「住まいと暮らしの創造企業グループ」における更なる飛躍を目指す。
■目指す姿の実現に向けた事業戦略
①事業領域の拡大(事業エリア、建築メニュー)
②安定収益分野と成長分野へのバランスの取れた戦略投資
③サービス関連事業の拡大に向けて、デジタル技術などの先進技術等を積極活用し、新たな事業モデルによる商品・サービスの競争力強化および労働生産性の向上
④新たな事業分野への挑戦
■目指す利益水準
連結経常利益 1,500億円
中期経営計画概要
・計画名称 HASEKO Next Stage Plan(略称:NS計画)
~次なるステージへの成長を目指して~
・計画期間 2021年3月期~2025年3月期
・数値目標
2025年3月期 連結経常利益 1,000億円
2025年3月期 連結子会社経常利益 300億円以上
2021年3月期~2025年3月期 5期合計連結経常利益 4,000億円
・基本方針
1.新規の住宅供給等を主なマーケットとする建設関連事業と既存の住宅関連等を中心とするサービス関連事業
の両方に軸足をおく経営の強化
2.グループ連携を深化させ、都市居住生活者の信頼に応える企業体の実現
3.安全・安心で快適な住まいと都市環境を提供
4.成長戦略投資による安定した収益基盤の構築
5.強固な財務基盤の維持と株主還元の拡充
6.中長期的な視点を踏まえた新たな取組みへの挑戦
7.CSR経営の確立に向け注力
・重点戦略
1.コア事業の競争力強化
(1)建設関連事業の領域拡大
①超高層マンションの施工拡大等により、分譲マンション建設での優位性を維持・強化
②賃貸マンション、学生・シニア向けマンション、寮・社宅、ホテル、オフィス、物流施設など分譲マンション以外での建設受注拡大
③BIM及びその他のICT関連技術の活用による工期短縮・コスト競争力の強化
④環境配慮技術・IoTを活用した商品開発
(2)再開発・建替事業の拡大・コンパクトシティ化への対応
(3)サービス関連事業の継続強化
①事業エリアを大都市圏から地方主要都市へと拡大
②先進技術導入による事業モデルの再構築
2.不動産関連事業の投資拡大
(1)マンション分譲事業の事業エリア拡大
(2)賃貸不動産の保有・開発事業の展開
①安定収益源の底上げを目的とした賃貸不動産の保有
②私募REIT創設による開発案件の多様化、新たな収益源の確保
3.将来の成長に向けた取組み
(1)デジタルトランスフォーメーション(DX)の具現化に向けた投資
①AI、センサー、通信、ロボット等の最新のIT関連技術を活用し、各種メーカー、ベンチャー企業、大学、研究機関等、外部との連携を行い、デジタルトランスフォーメーションの推進
(2)価値創生部門による先進技術導入に向けた投資
①サービス関連事業を中心に、既存ビジネスの生産性の抜本的な改革
②先進技術を積極的に活用した新たな事業モデルの創生
(3)海外事業への投資
①米国(ハワイ)における収益基盤の再確立
②東南アジアにおける設計・施工生産体制の確立
③不動産開発プロジェクトへの参画
(4)新規投資
①時代のニーズに合わせた住まい方の提案、新商品、新サービスの開発
②既存事業のサービス向上や成長性のある事業領域拡大を重点対象としたM&Aの実施
(5)人的資産への投資
①成長戦略の基盤となる自律型の人材・組織づくり
②人材の多様性と社員一人ひとりの働きがいを引き出す環境づくり
③新たな価値を生み出す、イノベーティブ人材・グローバルに活躍する人材の育成
④社員の挑戦を後押しするメリハリのある処遇
4.投資計画
5か年合計投資額 2,400億円
(1)分譲事業 500億円
(2)賃貸不動産の保有・開発事業 700億円
(3)海外事業 600億円
(4)先進技術投資 200億円
(5)新規事業、M&A等 400億円
5.財務戦略・株主還元
(1)強固な財務基盤を維持しつつ、成長戦略投資の加速と株主還元の拡充
(2)安定的な配当の継続実施。加えて、自己株式の取得は、経営環境、成長投資機会、当社株価水準や資本効率向上等を踏まえ柔軟に対応
<株主還元方針>
①1株当たり年間配当金の下限を70円と設定(2022年3月期の配当から80円に変更しました)
②5期合計の親会社株主に帰属する当期純利益に対して、総還元性向40%程度と設定
6.CSR経営への取組み
(1)事業を通じた課題解決によって「社会価値の創造」と「グループの成長」を両立させ、企業価値向上を実現
(2)長期的な成長を図るうえで重要なESG要素と当社グループの強みをCSR取組みテーマに取り纏め、CSRの目指す姿として推進
※なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
当社グループの業績及び財政状態は、今後起こり得る様々な要因により影響を受ける可能性がありますが、事業等のリスクについては、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項について記載しております。当社グループは、これらの他にも様々なリスクがありうることを認識し、それらを可能な限り防止、分散あるいは回避するよう努めておりますが、当社グループの支配の及ばない外部要因や必ずしも現時点にて具現化する可能性が高くないと見られる事項等の発生により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは、首都圏、近畿圏及び東海圏での分譲マンションに関わる事業をコアとしており、中でも分譲マンション建設事業に対する依存度が高くなっております。従って、受注高やその他の分譲マンション関連事業の取引高は、分譲マンションの新規供給量や販売状況、分譲マンション建設用地の供給、取引先デベロッパーの事業規模、住宅関連政策、住宅にかかる税制及び金利等の動向によっては大きく変動することになり、これらの変動が業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、土地情報収集力や分譲マンション事業に関するプロジェクトマネジメント力を背景として、土地持込による受注を主たるビジネスモデルとしておりますが、このビジネスモデルにより今後も引き続き競争優位に立ち、市場シェアや収益性の維持、拡大が図れるという保証はありません。
そのため、当社グループでは安定収益源の底上げを図るべく、賃貸マンションを中心とした保有・開発事業の拡大やサービス関連事業の事業エリア拡大に取組むことで、収益基盤の強化と収益構造の変化を目指しています。
当社は、建設資材・労務等の確保を本社機能部門による集中購買体制にて実施しており、将来の着工時期の予測を踏まえた運用や全体調達によるコスト競争力の強化に努めておりますが、建設業全般の業績の動向によりマンション建設の分野に対する参入が増え、同業他社との価格競争が激化した場合や、建設資材・労務等の急激な高騰及び調達難、協力業者等の確保状況による生産能力の低下等が生じた場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業を行う上で遵守すべき法令・規則等は多岐に渡っており、建築基準法、建設業法、宅地建物取引業法、建築士法といった事業に直接関係する法令のみならず、会社法、金融商品取引法といった事業に直接関係はしないものの重要な法令等があります。当社グループにおきましては、役職員がこれらの法令等を遵守することができるよう啓蒙を適宜実施しておりますが、これらの法令等を遵守できなかった場合、又はこれらの法令等が当社グループの予測し得ない内容に改廃もしくは新設された場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、建築基準法等のマンション建設における法的規制の改廃もしくは新設、又は建築確認・検査の厳格化等により、事業計画の大幅な変更、建設工事の着工の遅延又は中止等が発生した場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、国内外の事業遂行にあたり、当社グループに対する訴訟等について、当社グループ側の主張・予測と相違する結果となった場合には、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
建設工事着工に際しましては、周辺住民に対する事業計画等の説明を実施しておりますが、反対運動及びそれに伴う訴訟等により、事業計画の大幅な変更、建設工事の着工の遅延又は中止等が発生した場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
建設部門・設計部門・技術推進部門に主力協力会社を加えた四位一体での品質向上活動への取組みにより、施工品質の維持向上には万全を期しておりますが、引当金の計上額を上回る負担の発生や、保険等でカバーできない損害賠償が発生した場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、安全教育の実施、点検パトロール等、工事事故・品質事故・災害を撲滅するために安全管理・施工管理を徹底し、また、工事着手にあたり入念な施工計画の立案等、安全な作業環境を整え施工を行っておりますが、万が一、重大な工事事故・品質事故・労働災害等が発生した場合、社会的信用を失うとともに、企業イメージを損ない、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
建設業においては、一つの取引における請負金額が大きく、多くの場合工事代金の支払いは分割であり、目的物の引渡し時及び引渡し後に多額の支払が行われる傾向があります。当社グループでは取引先の信用力と信用額の管理を行っておりますが、工事代金の受領前に取引先が信用不安に陥った場合は、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、営業活動上の必要性から不動産を保有しておりますが、事業の分散あるいはリスク管理の観点から、不動産の投資分野毎の投資上限を定めた投資計画をもとに取得を行っております。しかしながら、不動産には時価の変動リスクがあるとともに、一般的に流動性が高くないため売却時における需給関係によっては相場価格により売却できない場合があります。
棚卸不動産については当社グループが開発ノウハウを持つ分譲住宅を中心とした投資を行っておりますが、事業計画の進捗次第では予定している回収額に満たない場合や様々な要因により計画を中止せざるを得ない場合があります。また、固定資産については当社グループが開発・運営のノウハウを持つ賃貸マンションを中心とした投資を行っておりますが、賃貸条件や事業収支の悪化が生じる等、予定しているキャッシュ・フローが得られなくなる場合があります。これらの場合には評価損失・減損損失・売却損失等が発生し、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業拡大や収益基盤の強化を目的に企業買収等を実施することがありますが、実施にあたっては、その重要性に応じ第三者の専門家による対象企業並びに事業環境等の調査を客観的かつ詳細に行い、その調査報告も参考に決定しております。しかしながら、買収等の対象事業を当社グループの経営戦略に沿って統合できない場合や、既存事業及び買収等の対象事業について効率的な経営資源の活用を行うことができなかった場合、また、急激な市況変化が生じた場合には、当初想定していた効果が得られないことにより、のれんの減損の発生等、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業拡大や収益基盤の強化を目的に地方主要都市を中心とした事業エリアの拡大に取組んでおりますが、会社の経営資源の多くは首都圏・近畿圏・東海圏に集中しております。このため、将来、首都圏・近畿圏・東海圏並びにその周辺において、地震、暴風雨、洪水その他の天災、感染症、事故、火災、その他の人災等が発生し、工期の遅延、消費者の購買意欲の減退、所有資産の毀損等があった場合には、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
海外での事業活動では、社会慣行の違い、法令・規制の予期せぬ変更、経済・為替の変動、政治・軍事問題等に関するリスクが存在し、これらに関した問題が発生した場合には、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、事業活動実績の少ない地域における新規事業の判断は、第三者の専門家等による多面的な評価を参考に取組みの判断を行うなど、社内におけるリスクコントロールの向上にも努めております。
当社グループが業務を遂行するにあたり、役職員による不正行為、不適切な行為、事務処理のミス、労務管理上の問題等の各種オペレーショナルリスクの発生が考えられます。当社グループはリスク管理規程を定め、オペレーショナルリスクも含めた事業遂行に関わる様々なリスクについて管理し、それらのリスクに対応することによって、グループの経営方針の実現を阻害するリスク要因を可能な限り低減させ、コントロールするよう努めておりますが、上記のようなオペレーショナルリスクが発生した場合、社会的信用を失うとともに、企業イメージを損ない、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、住宅購入顧客並びに購入検討顧客や管理受託マンションの居住者等、多くの個人情報を保有しております。また、営業・購買情報等、多くのデータをコンピュータ管理しています。個人情報保護法に従って、個人情報の取扱いに関するルール(基本方針・規程・細則)を、マイナンバー(社会保障・税番号)制度への対応のため、マイナンバー関連規程(基本方針・規程)を設け、体制整備を行っております。また、個人情報以外の情報の取扱いについても、各部個別にセキュリティポリシー(基本方針・対策基準・実施手順)を順次整備する等、情報管理を徹底し万全を期しておりますが、コンピュータシステムのトラブルによる情報流出や犯罪行為等による情報漏洩が発生する可能性があります。その場合、社会的信用を失うとともに、企業イメージを損ない、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、借入や社債発行による資金調達を行っており、一部の借入については金利変動リスクに対応するために金利の固定化を実施しておりますが、金利等の市場環境の変化、あるいは当社に対する格付の引下げ等の信用力低下により資金調達コストが増加し、当社グループの業績及び財務内容に影響を与える可能性があります。
また、金融機関からの新規借入や社債発行にあたっては同様の条件により行えるという保証はなく、当社グループが金融機関から借入や社債発行による調達を適時に行えない場合には、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、事業上必要な資金調達について、主に金融機関との間で協調融資方式によるタームローン、及びコミットメントライン契約の借入契約を締結しております。これらの借入契約には、自己資本の維持と経常利益の確保の2項目に関して財務制限条項が付加されており、それに抵触した場合には、多数貸付人の意思結集に基づく請求により期限の利益を喪失する可能性があり、約定の返済期限より前に残元本及び利息等を返済する義務が発生する可能性があります。
当社グループは、市場性のある株式を保有しておりますが、株式市場が下落し、保有株式の価値が大幅に下落した場合には、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
影響を限定的にするために、株式の保有残高について連結純資産に対して一定程度を目安とすることとしております。
(16)中期経営計画について
当社グループは、2021年3月期をスタートとする中期経営計画「HASEKO Next Stage Plan」(略称:NS計画)において、収益基盤強化のための成長戦略投資や株主還元の拡充を行うとともに、事業を通して社会課題の解決に取組むべくCSR経営の確立を目指すことを公表しております。
計画内容の策定にあたっては、取締役会にて事業の課題や方向性等について充分な検討を重ねてきましたが、当社グループの業績は、経済環境等様々な要因の影響を受ける可能性があるため、目標値を達成できるという保証はなく、計画している事業上、財務上の効果が得られない可能性があります。
また、当社グループは収益基盤強化のため賃貸マンションを中心とした保有・開発事業の拡大やサービス関連事業における事業エリアの拡大などグループ事業展開の強化も計画しておりますが、予期せぬ経済情勢の変化、あるいはマーケットの急激な変化等により、事業展開が予定通りに実行できず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17)気候変動リスク
脱炭素社会への移行リスクとしては、炭素税の導入や各種規制強化により建設原価が上昇し、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、物理的リスクとして、夏季平均気温の上昇に伴う建設現場の生産性低下や気象災害の頻発・激甚化に伴う建設工事の遅延が発生した場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
かかる気候変動に関するリスクも踏まえ、当社グループは、2021年12月に「長谷工グループ気候変動対応方針 ~HASEKO ZERO-Emission~」を制定し、同方針に従い、再生可能エネルギーの導入拡大、環境配慮型資材の活用促進、低炭素施工や脱炭素住宅に係る技術開発等により、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。また、機械化やIT活用による建設現場の作業効率化、気候の影響を受けにくい施工方法の研究等により、物理的リスクの影響緩和に取り組んでいます。加えて、施工中物件を含む関連物件・施設の被災に迅速に対応するための災害時BCP(事業継続計画)体制の高度化や災害に強いマンションづくりにも注力しております。
当連結会計年度における国内経済は、ウィズコロナの下における各種政策の効果もあり、景気が持ち直していくことが期待されていますが、世界的な金融引締め等が続くなか、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響にも十分注意する必要があります。
2022年度のマンションの新規供給戸数は首都圏で2万8,632戸(前期比12.9%減)、近畿圏で1万7,252戸(同5.0%減)となりました。首都圏は供給件数と戸数の絞り込みにより2年ぶりに3万戸を下回りました。近畿圏も同様に絞り込みにより、ファミリー(同4.7%減)、ワンルーム(同6.4%減)共に減少しました。供給商品の内容をみると、首都圏、近畿圏共に分譲単価・平均価格の上昇傾向が継続しています。首都圏の分譲単価は1,039千円/㎡(同9.0%増)、平均価格は6,907万円(同8.6%増)と、過去最高値となった2021年度(953千円/㎡・6,360万円)を上回り、2年連続で過去最高値を更新しました。近畿圏では分譲単価は775千円/㎡(同2.1%増)、平均価格は4,679万円(同0.6%増)となり、分譲単価は2年連続で過去最高値を更新し、平均価格は1991年度(5,464万円)以来の高水準が続いています。分譲単価・平均価格が上昇するなか、販売状況は首都圏、近畿圏共に順調に推移しています。首都圏の初月販売率は70.7%となり、在庫販売も順調に推移したことから2023年3月末の分譲中戸数は5,189戸(同11.8%減)に減少しました。近畿圏の初月販売率は70.9%となり、2023年3月末の分譲中戸数は3,476戸(同6.4%減)に減少しました。
このような中、中期経営計画「HASEKO Next Stage Plan(略称:NS計画)」の3年目となる当連結会計年度につきましては、主に不動産売上高が大きく伸長したことにより連結売上高は過去最高となる1兆273億円を計上するとともに、不動産関連事業において連結子会社の分譲マンションの引渡しが順調に進捗し、サービス関連事業においても各社が着実に利益を積み上げた結果、連結経常利益は期初予想であった850億円を上回り、883億円となりました。
当連結会計年度における業績は、連結子会社における不動産の取扱量増加及び当社における建築受注用地の取扱量増加により売上高は1兆273億円(同12.9%増)、主に不動産利益の増加により営業利益は902億円(同9.0%増)、経常利益は883億円(同7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は593億円(同8.9%増)の増収増益となりました。営業利益率は8.8%(同0.3ポイント減)、経常利益率は8.6%(同0.4ポイント減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(単位:億円)
( )内は前期比増減額
(建設関連事業)
建築工事では、当社の土地情報収集力や商品企画力、施工品質や工期遵守に対する姿勢、効率的な生産体制等について事業主から評価を頂いている一方、資材労務費の高騰等の影響により、当期の完成工事総利益率は低下いたしました。
当社における分譲マンション新築工事の受注は、首都圏で200戸以上の大規模物件18件を含む64件、近畿圏・東海圏で200戸以上の大規模物件9件を含む31件、合計で95件となりました。また、分譲マンション以外の工事として、賃貸住宅等17件を受注いたしました。
当社の完成工事につきましては、賃貸住宅等9件を含む計99件が竣工いたしました。
当セグメントにおいては、当社における建築受注用地の取扱量増加等により売上高は7,467億円(前期比15.5%増)となり、完成工事総利益率の低下に伴い工事利益は減少した一方、不動産利益の増加により営業利益は669億円(同5.8%増)の増収増益となりました。
連結子会社において分譲マンションの大型案件の新規引渡しがあったことに加え、その他物件の引渡しも順調に進捗したことにより、当セグメントにおいては、売上高は1,164億円(前期比7.7%増)、営業利益は191億円(同22.1%増)の増収増益となりました。
大規模修繕工事・インテリアリフォームでは、粗利率の改善及び施工量の増加により、増収増益となりまし
た。
賃貸マンション運営管理・社宅管理代行では、新規受託の順調な推移や継続的な受託により、運営管理戸数は
両事業合計181,262戸(前期末比3.6%増)となりました。
新築マンションの販売受託では、首都圏を中心に販売は好調に推移しましたが、高水準だった前期には及ばず
引渡戸数が減少しました。
不動産流通仲介では、仲介の取扱件数・リノベーション事業の販売戸数ともに増加しました。
分譲マンション管理では、新規受託が堅調に推移し管理戸数は427,900戸(同2.1%増)となりました。
シニアサービスでは、有料老人ホーム・高齢者向け住宅の入居が進捗したことにより、稼働数は2,362戸(同2.8%増)となりました。
当セグメントにおいては、売上高は2,332億円(前期比10.5%増)、営業利益は149億円(同12.8%増)の増収増益となりました。
ハワイ州オアフ島において、新規の戸建分譲事業及び商業施設の開発を進めております。2023年3月にはリゾートエリア内に複合施設が開業いたしました。
当セグメントにおいては、売上高は0億円(前期は売上高0億円)、営業損失は29億円(前期は営業損失43億円)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
a.受注実績
(注) 1 当連結企業集団では建設関連事業における建設工事等及び設計監理、サービス関連事業における大規模修繕・内装工事等及び海外関連事業における建設工事等以外の受注実績を把握することが困難であるため記載しておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.売上実績
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.建設関連事業の状況
売上実績
d.不動産関連事業の状況
(注) 数量及び稼働数は連結会計年度末現在で表示しております。
e.サービス関連事業の状況
(注) 数量及び稼働数は連結会計年度末現在で表示しております。
売上実績
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
建設工事等及び設計監理の状況
(注) 1 前事業年度以前に受注したもので、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。従って、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越高の施工高は、支出金により手持高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度 請負金額80億円以上の主なもの
当事業年度 請負金額80億円以上の主なもの
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりであります。
④ 手持高(2023年3月31日現在)
(注) 手持工事のうち請負金額100億円以上の主なものは、次のとおりであります。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における連結総資産は、建設受注用地及びマンション分譲事業等への資金投下に伴い販売用不動産及び不動産事業支出金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,162億円増加し、1兆1,981億円となりました。
連結総負債は、借入金・社債の調達等により、前連結会計年度末に比べ798億円増加し、7,440億円となりました。
連結純資産は、配当金の支払及び自己株式の取得があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を計上し利益剰余金が増加したこと等から、前連結会計年度末に比べ364億円増加し、4,541億円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の38.6%に対し、37.9%となりました。
建設受注を目的とする短期的な不動産取得及び分譲用不動産の仕入等により、当社グループの保有不動産は増加いたしましたが、適切なリスク管理を実施し、事業を推進しております。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
(単位:億円)
( )内は前期末比
(建設関連事業)
建設関連事業において、当連結会計年度末における資産は、建設受注用地への資金投下に伴い販売用不動産及び不動産事業支出金が増加したこと等により前連結会計年度末に比べ368億円増加し、3,906億円となりました。
(不動産関連事業)
不動産関連事業において、当連結会計年度末における資産は、分譲マンションの仕入が順調に進捗し不動産事業支出金及び販売用不動産が増加したこと等により前連結会計年度末に比べ923億円増加し、4,240億円となりました。
(サービス関連事業)
サービス関連事業において、当連結会計年度末における資産は、リノベーション事業の仕入が順調に進捗し販売用不動産及び不動産事業支出金が増加したこと等により前連結会計年度末に比べ291億円増加し、2,321億円となりました。
(海外関連事業)
海外関連事業において、当連結会計年度末における資産は、出資に伴う投資有価証券の増加及び商業施設の開発に伴う固定資産の増加等により前連結会計年度末に比べ320億円増加し、999億円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の654億円の収入超過と比較して1,174億円減少し、519億円の支出超過となりました。これは主に、棚卸資産の増加に伴う資金減少974億円(前連結会計年度は400億円の資金減少)によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の316億円の支出超過と比較して238億円減少し、554億円の支出超過となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得に伴う資金減少354億円(前連結会計年度は268億円の資金減少)によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の157億円の収入超過と比較して351億円増加し、508億円の収入超過となりました。これは主に、借入金・社債の調達及び返済に伴う資金増加797億円(前連結会計年度は401億円の資金増加)によるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末の2,649億円より565億円減少し、2,083億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローが前期比で大幅に減少しておりますが、その要因は、主に棚卸資産の増加によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、建設事業にかかる運転資金、建築受注を目的とする短期的な不動産取得、分譲用不動産等の仕入れ、賃貸用不動産及び海外事業への投資などの支出であります。また、当社グループでは、2020年2月に策定した「中期経営計画(2021年3月期~2025年3月期)」において賃貸不動産の保有・開発事業、分譲事業及び海外事業への投資を中心に2,400億円の投資を計画しております。これらの資金需要に対して、事業活動から生じる利益及び借入金・社債により調達した資金を充当する方針であります。
当連結会計年度におきましては、期限の到来等により318億円の長期借入金の返済をしておりますが、普通社債の発行による300億円の調達、500億円の長期借入金の調達に加えてコミットメントラインの実行により315億円の調達を行っており、社債を含む借入金残高は797億円増加し3,915億円となりました。
また、当社は運転資金の安定的かつ機動的な調達を行うため取引金融機関と630億円のコミットメントラインを締結しており、現金預金とあわせて十分な流動性を確保しています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値にその結果が反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なることがあります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループは、多種多様な事業を行っており、その設備の状況をセグメント毎の数値とともに主たる設備の状況を開示する方法によっております。
当連結会計年度末における状況は、次のとおりであります。
(注) 1 帳簿価額のその他に含まれる設備は、建設仮勘定及び借地権であります。
2 従業員数の[ ]は、臨時従業員数を外書きしております。
2023年3月31日現在
(注) 1 本社及び関西は建物を連結会社以外から一括して賃借しております。
2 土地を連結会社以外から賃借しております。当該面積は( )内に外書きで記載しております。
3 帳簿価額のその他に含まれる設備は、建設仮勘定及び借地権であります。
4 従業員数の[ ]は、臨時従業員数を外書きしております。
2023年3月31日現在
(注) 1 土地を連結会社以外から賃借しております。当該面積は( )内に外書きで記載しております。
2 帳簿価額のその他に含まれる設備は、建設仮勘定及び借地権であります。
3 従業員数の[ ]は、臨時従業員数を外書きしております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 第1回B種優先株式6,000,000株の償還による取得及び消却により減少しました。
(注) 1 自己株式23,184,382株は「個人その他」に231,843単元含まれております。
なお、自己株式23,184,382株は、株主名簿上の株式数であり、2023年3月31日現在の実質的な所有株式数は23,184,102株であります。また、当該自己株式には「株式給付信託(BBT)」及び「株式給付型ESOP」の信託財産として所有する当社株式5,099,800株は含まれておりません。
2 「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ
15単元及び20株含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 1 日本マスタートラスト信託銀行株式会社及び株式会社日本カストディ銀行が所有している株式は、全て信託業務に係る株式であります。
2 上記のほか、自己株式23,184千株があります。
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは住宅に関わる全ての事業を中心とし、事業活動をしております。当社グループにおいて、管掌する事業領域に即した共通の事業・業務目標と目標管理の責任を持つ複数の事業グループで構成された組織単位として、新規の住宅供給等を主なマーケットとする「建設関連事業」、不動産分譲及び不動産賃貸を行う「不動産関連事業」、既存の住宅関連等を中心とする「サービス関連事業」及び海外における不動産の開発・販売等を行う「海外関連事業」の4つを報告セグメントとしております。