戸田建設株式会社
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 従業員数は就業人員数を表示しております。また、第100期の臨時従業員数については、連結の臨時従業員(嘱託及びパートタイマー等)の総数が従業員数の100分の10以上となったため、〔 〕内に年間の平均人員数を外数で記載しております。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第99期の期首から適用しており、第99期以降の主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第99期の期首から適用しており、第99期以降の主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社は1881年1月初代戸田利兵衛が東京都において個人事業として土木建築請負業を開業したのが始まりであります。
その後、建築工事の請負を主として国内はもとより、海外にも進出しました。業務の拡大に伴い、1936年7月資本金を200万円とし、その組織を株式会社にあらため、株式会社戸田組と称しました。その後、事業の近代化を図るとともに、国内主要都市に支店を、その他各地には営業所、出張所を配置、また海外にも営業網を張りめぐらす等、その整備拡充に努めてきました。
この間の当社及び主要な子会社の主な変遷は次のとおりであります。
(注) 1964年5月千代田土地建物株式会社と商号変更、2014年4月に戸田ビルパートナーズ株式会社と商号変更、現連結子会社。
当社グループは、当社、子会社42社及び関連会社26社で構成され、建築事業、土木事業、国内投資開発事業、国内グループ会社が行う事業、海外投資開発事業及び環境・エネルギー事業を主な事業とし、その他各事業に付帯関連するPFI事業等を展開しております。
当社グループが営んでいる主な事業内容、主な関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメント情報との関連は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より報告セグメントを従来の、「建築」「土木」「投資開発」「国内グループ会社」「新領域」の5区分から、「建築」「土木」「国内投資開発」「国内グループ会社」「海外投資開発」「環境・エネルギー」の6区分に変更しております。この変更は「中期経営計画2024ローリングプラン」における事業の業績目標の区分及び取締役会の月例報告資料における事業報告の区分に報告セグメントの区分を合わせるために行ったものであり、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) 1 報告セグメントの概要」に記載された区分と同一であります。
事業の系統図は次のとおりであります。

(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2 「議決権の所有割合」欄の[内書]は間接所有であります。
3 特定子会社に該当します。
4 持分は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。
5 外貨については、次の略号で表示しております。
USD:米ドル BRL:ブラジルレアル THB:タイバーツ IDR:インドネシアルピア
6 「役員の兼任」には、提出会社の役員、執行役員及び従業員が当該会社の役員を兼任している場合に、その人数を記載しております。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であります。また、連結の臨時従業員(嘱託及びパートタイマー等)の総数が従業員数の100分の10以上となったため、( )内に年間の平均人員数を外数で記載しております。
2 全社(共通)として記載している従業員数は、特定のセグメントに区分できない提出会社の管理部門に所属しているものであります。
3 前連結会計年度と比較して従業員数が800名増加しております。主な理由としては、持分法適用関連会社であるPT Tatamulia Nusantara Indahの株式を追加取得したことに伴い、同社及び同社の子会社7社を連結子会社としたことによるものであります。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であります。
2 平均年間給与は、当事業年度に支給した実績に基づくもので、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 全社(共通)として記載している従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
戸田建設職員組合と称し、1946年8月に結成され、2023年3月末現在の組合員数は2,997名となり、上級団体には別段属しておりません。
対会社関係においても結成以来円満に推移しており、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3 労働者の男女の賃金の差異について、女性労働者は若年層が多いことから、全労働者における差異は60.9%でありますが、同一役職間において比較すると差異は縮小します。
② 連結子会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4 労働者の男女の賃金の差異について、パート・有期労働者においては、女性労働者の割合が多く、在籍期間も男性労働者に対して長いことから熟練度の高さに繋がり、差異として表れていると考えております。
5 「-」と記載している箇所については、非公表であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、2020年5月に発表した「中期経営計画2024」を見直し、2024年度までの3ヵ年を対象とする「中期経営計画2024ローリングプラン」を策定しました。
当社グループでは、2020年度から2024年の5ヵ年を「新たな収益基盤構築のための『変革フェーズ』」と位置付け、建設事業の競争力強化、成長投資を通じた事業ポートフォリオ改革に取り組んでまいりました。
一方で、コロナ禍の長期化、物価の高騰、建設投資の停滞等を背景に、計画の前提条件の変化が急速に進んでおります。加えて、2021年7月に発表した「未来ビジョンCX150」の実現に向けた戦略を明らかにし、グループを挙げて取り組んでいくことが重要となっております。
このような認識のもと、業績目標について一部見直すとともに、その達成に向けた戦略を強化し、更なる変革を進めることによって持続的成長を実現してまいります。
1 ローリングプランの基本方針
・未来ビジョンCX150の実現を通じて、全てのステークホルダーに対して真に認められる価値を提供する。
・新TODAビル(2024年竣工予定)、浮体式洋上風力発電事業(2024年運転開始予定)等の成長投資を推進し、事業ポートフォリオを強化する。
未来ビジョンCX150
2021年の創業140周年を機に、更にその先、2031年の150周年に目指す姿として「未来ビジョンCX150(Corporate Transformation toward TODA Group 150th)」を策定。
事業展開領域:4つの領域において顧客価値を提供し、協創社会の実現に貢献
2 2024年度 グループ業績目標
ローリングプランのポイント
(1) 連結売上高・営業利益等
※ 労働生産性=付加価値額(営業利益+総額人件費)÷社員数(期中平均、派遣社員等を含む)
(2) 事業別売上高・利益
・建築事業について減額修正となるものの、土木・戦略事業における収益成長を通じて業績目標の達成を計画する。
※ 連結売上高・営業利益には連結消去を含む
※ [ ]は利益率
(3) 株主還元
・直接的な利益還元と中長期的な株価上昇による株主還元を目指し、DOE2.5%以上、ただし総還元性向40%以上を方針とする。
※ DOE(自己資本配当率)=配当総額÷自己資本
※ 総還元性向=総株主還元額(配当総額+自社株式取得総額)÷親会社株主に帰属する当期純利益
3 基本戦略
ローリングプランのポイント
(1) 付加価値の向上
① Smart Innovationの推進
・機械化施工、新技術・ICT利活用を通じて、安全性・生産性の向上を図る。
・デジタルトランスフォーメーション(BIM/CIM、i-Construction等)による、
新たなビジネスモデルを創造する。
② 体験価値(顧客エクスペリエンス)の向上
・顧客が建設物を利用するまでの「体験」をデザインし、新たな顧客価値を創出する。
・バリューユニットを基軸とした技術・ソリューション開発(社内・外連携、オープンイノベーション等)を推進する。
※ バリューユニット:各事業展開領域において提供するべき顧客価値(体験価値)の区分
③ 重点管理事業
・重点管理事業として「新TODAビル」「海外事業」「再エネ事業」を特定し、トップマネジメントの積極的関与のもと中長期的成長を目指す。
(2) 投資計画と資本アロケーション(適正配分)
・ROE8%を中長期的に確保するため、成長・無形資産投資を通じた事業ポートフォリオの強化とともに、事業別ROIC(投下資本利益率)を採用し資本効率の向上を図る。
・投資原資として、営業利益の確保(3ヵ年累計800億円以上)をベースに、保有資産の売却(670億円)、政策保有株式の売却(100億円以上/年、時価ベース)、有利子負債の活用(D/Eレシオ0.8倍以下)を推進する。
※ 無形資産投資は一般管理費計上分と資産計上分の合計
(3) ESG経営の強化
・環境・エネルギー事業、脱炭素化への取り組み等を通じ、環境先進企業としてのブランドを確立する。
・社員一人ひとりが成長を実感できる“働き甲斐改革”を推進する。
・リスクマネジメント(環境、労働安全衛生、投資、コンプライアンス等)を強化する。
・取締役会構成の見直し等を通じて監督と執行を分離し、各機能の強化を図る。
※ スコープ1:軽油等の使用により直接排出されるCO2排出量
スコープ2:購入した電気・熱の使用により発電所で間接的に排出されるCO2排出量
スコープ3:スコープ1・2以外の間接排出量
カテゴリ1:建設資材製造時の排出量、カテゴリ11:施工した建物運用期間中の排出量
※ 原単位 スコープ1+2:売上高1億円当たりの排出量
カテゴリ1:取引金額1億円当たり排出量、カテゴリ11:竣工延床面積1㎡当たり排出量
※ 全度数率=全労働災害件数÷延労働時間(100万時間)
度数率=休業4日以上の労働災害件数÷延労働時間(100万時間)
※ 時間当たり労働生産性=付加価値額(営業利益+総額人件費)÷社員数÷平均総実労働時間
(ブランド価値資産向上への取り組み)
当社では、社会的に有用かつ当社グループのブランド力強化に不可欠となる資産をブランド価値資産と定義し、更に無形資産とESG価値に分類した上で、それらの向上に向けた投資を行いました。当事業年度のブランド価値資産に対する投資額は、ソフトウェアやデータベース等の情報化資産、特許・新技術の開発等の革新的資産、気候変動対策等の環境分野を中心に、合わせて9,939百万円(前事業年度13,238百万円)となりました。今後も積極的な投資を通じて、ブランド価値資産の向上に努めてまいります。
※ 投資額は各項目における一般管理費と投資(資産計上額)の合計値
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済情勢については持ち直していくことが予想されますが、新型コロナウイルス感染症の動向に加え、ウクライナ情勢に起因する地政学的リスクにより、依然として不透明な状況が続くことが見込まれます。建設業界においては、官公庁工事が底堅く推移し、民間工事は持ち直しの傾向となっているものの、建設資材価格の高騰等の影響について注視していく必要があります。
当社グループをとりまく環境として、今後、建設投資の大きな増加は見込めない中、気候変動、資源不足、人口構造の変化など経営環境の変化は激しさを増してまいります。そのような状況において技術力をもって建設業を極めること、また、新たな領域に挑戦し中長期的な事業基盤を構築することが持続的成長には不可欠であるという認識のもと、上記の「中期経営計画2024ローリングプラン」を推進し、企業戦力と価値の向上、事業活動の活性化を図ってまいります。
当社グループの事業に関する経営成績及び、財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主なリスク事項には以下のようなものがあり、これらの顕在化する可能性の時期や影響度合を認識した上で、発生回避と発生した場合の対策を以下のように考えております。また、当社におけるリスク管理の体制と枠組みについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項」に記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
(注) ※印はリスクとなる事象が既に発生しつつあり、徐々に影響度合が高まっていくことを認識しております。
事業等のリスク(リスクマップ) ※( )内は(発生頻度,影響度)

当社グループ事業においては、世界的な景気の減退による受注環境の悪化や、資材高騰などによる影響が強まっていることから、各種施策の実施により業績への影響の最小化に取り組んでおります。
また、2024年4月から「働き方改革関連法に基づく時間外労働時間の上限規制」の建設業に適用に向けた働き方改革の対応推進に引き続き取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
ア.財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、現金預金が236億円、有価証券が95億円、投資有価証券が75億円減少しましたが、受取手形・完成工事未収入金等が739億円、販売用不動産が73億円、建物・構築物が63億円、建設仮勘定104億円が増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して543億円増加の8,155億円(7.1%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、コマーシャル・ペーパーが200億円、社債が51億円減少しましたが、支払手形・工事未払金等が135億円、短期借入金が215億円、工事損失引当金が67億円、長期借入金が357億円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して501億円増加の4,922億円(11.3%増)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、配当金の支払により利益剰余金が91億円減少しましたが、PT Tatamulia Nusantara Indahを連結子会社としたことなどにより非支配株主持分が35億円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益を109億円計上したことにより、前連結会計年度末と比較して42億円増加の3,232億円(1.3%増)となり、自己資本比率は38.9%となりました。
イ.経営成績の状況
当連結会計年度の連結売上高については、前連結会計年度比9.1%増の5,471億円となりました。
営業損益については、売上総利益が573億円と前連結会計年度比8.5%の減少となり、販売費及び一般管理費が431億円と前連結会計年度比12.8%増加したことにより、営業利益は141億円と前連結会計年度比42.0%の減少となりました。
経常利益については、190億円と前連結会計年度比32.3%の減少となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、109億円と前連結会計年度比40.8%の減少となりました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであり、各セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。
なお、当社グループは当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っており、前連結会計年度との比較及び分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) 1 報告セグメントの概要」をご参照ください。
売上高は3,438億円(前連結会計年度比12.9%増)となり、セグメント損失(営業損失)は20億円(前連結会計年度は78億円のセグメント利益)となりました。
当社個別の受注高については、国内官公庁工事が前事業年度比10.8%、国内民間工事が前事業年度比10.8%減少したことにより、全体としては2,863億円と前事業年度比11.3%の減少となりました。
売上高は1,416億円(前連結会計年度比4.3%減)となり、セグメント利益(営業利益)は117億円(前連結会計年度比1.0%減)となりました。
当社個別の受注高については、国内民間工事が前事業年度比19.6%減少しましたが、国内官公庁工事が前事業年度比23.1%増加したことにより、全体としては1,403億円と前事業年度比8.4%の増加となりました。
売上高は195億円(前連結会計年度比9.3%減)となり、セグメント利益(営業利益)は32億円(前連結会計年度比19.7%減)となりました。
売上高は523億円(前連結会計年度比15.9%増)となり、セグメント利益(営業利益)は19億円(前連結会計年度比3.0%増)となりました。
(海外投資開発)
売上高は264億円(前連結会計年度の売上高は22億円)となり、セグメント利益(営業利益)は17億円(前連結会計年度比146.8%増)となりました。
(環境・エネルギー)
売上高は15億円(前連結会計年度比124.2%増)となり、セグメント利益(営業利益)は1億円(前連結会計年度は8億円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して334億円減少し、958億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、308億円の資金減少(前連結会計年度は272億円の資金増加)となりました。税金等調整前当期純利益が178億円、減価償却費が62億円、仕入債務の増加により71億円の資金が増加しましたが、売上債権の増加により573億円の資金が減少したことが主な要因です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、261億円の資金減少(前連結会計年度は204億円の資金減少)となりました。投資有価証券の売却及び償還により120億円の資金が増加しましたが、有形固定資産の取得により358億円、投資有価証券の取得により26億円、無形固定資産の取得により13億円の資金が減少したことが主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローは225億円の資金増加(前連結会計年度は183億円の資金増加)となりました。コマーシャル・ペーパーの償還により200億円、社債の償還により51億円、配当金の支払により91億円の資金が減少しましたが、短期借入金により231億円、長期借入金により336億円の資金が増加したことが主な要因です。
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建築事業、土木事業(以下「建設事業」という。)、国内投資開発事業、海外投資開発事業及び環境・エネルギー事業では生産実績を定義することが困難であり、かつ建設事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
また、当社グループにおいては建設事業以外では受注生産形態をとっておりません。
よって、「生産、受注及び販売の状況」に記載すべき項目は可能な限り、「① 財政状態及び経営成績の状況」において、セグメント毎に記載しております。
なお、当社グループの営む事業の大部分を占める、提出会社の建設事業の状況は次のとおりであります。
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高―当期完成工事高)に一致します。
(注) 1 百分比は請負金額比であります。
2 当事業年度における海外の受注工事高はマイナスであるため、比率は記載しておりません。
ウ.完成工事高
(注) 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度の完成工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
当事業年度の完成工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
当事業年度
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
④ 次期繰越工事高(2023年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち請負金額20億円以上の主なものは、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の連結売上高については、前連結会計年度と比較して土木事業及び国内投資開発事業の売上高は減少しましたが、建築事業、国内グループ会社事業及び海外投資開発事業の売上高が増加したことなどにより、5,471億円と前連結会計年度比9.1%の増加となりました。
営業損益については、前連結会計年度と比較して海外投資開発事業の売上総利益は増加しましたが、建築事業において市場環境の変化による鉄骨などの資材価格上昇に伴い複数件の工事にて工事損失引当金を計上したことなどにより、売上総利益は573億円と前連結会計年度比8.5%の減少となりました。販売費及び一般管理費は、人件費及び減価償却費などが増加したこと、並びに新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和されたことにより各経費が増加したため、431億円と前連結会計年度比12.8%の増加となりました。その結果、営業利益は141億円と前連結会計年度比42.0%の減少となりました。
経常利益については、保有する投資有価証券の受取配当金及び為替差益などにより営業外収益が前連結会計年度と比較して増加しましたが、全体としては190億円と前連結会計年度比32.3%の減少となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、段階取得に係る差益及び投資有価証券売却益などにより特別利益が前連結会計年度と比較して増加しましたが、環境・エネルギー事業において固定資産の減損損失が発生したため、全体としては109億円と前連結会計年度比40.8%の減少となりました。
各セグメントの状況及び分析は、以下のとおりとなります。
なお、売上高にはセグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。また、セグメント利益欄の( )はセグメント利益率を示します。
(建築)
当連結会計年度は、売上高が3,438億円と前連結会計年度より12.9%増加しましたが、セグメント損失は20億円となりました。市場環境の変化による鉄骨などの資材価格上昇に伴い複数件の工事にて工事損失引当金を計上したことなどによりセグメント利益が減少しております。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、DX戦略の一環として生産プロセスの変革に向けたBIMの全社的な本格運用を充実させました。また、コスト統合センターを設置し全店の見積情報と調達情報を一元管理する体制を構築することでコスト管理体制の強化を行っております。さらに、PPA事業者としてイニシャルコストゼロでの太陽光発電設備の導入を積極的に支援するなど、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを実施しました。2024年度からの時間外労働の上限規制を見据え、ICTを活用した作業所の業務分析などを行い時間外管理の意識向上と業務プロセスの見直しを進めております。今後、こうした取り組みを更に推進し、生産性と収益性を高めながら、建築ライフサイクル全体を通した高付加価値の提供に努めてまいります。
(土木)
当連結会計年度は、売上高が1,416億円と前連結会計年度より4.3%減少しました。また、セグメント利益が117億円と前連結会計年度より1.0%減少しました。いずれも大型工事の進捗の影響により前連結会計年度を下回っております。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、保有技術の活用、コスト競争力の強化、並びに新技術の開発等により受注力の強化を図りました。また、機械化による生産性向上、遠隔化及び自動化の実現に向けた新技術導入等の取り組みを推進しました。さらに、内勤部門による作業所支援体制の強化を行っております。今後、こうした取り組みを推進し、土木事業における収益拡大を図っていくとともに、国土強靭化や脱炭素社会の実現等、社会的な課題の解決に取り組んでまいります。
(国内投資開発)
当連結会計年度は、売上高195億円と前連結会計年度より9.3%減少し、セグメント利益は32億円と前連結会計年度より19.7%減少しました。販売用不動産の売却の減少により売上高及びセグメント利益が減少しております。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、保有不動産の有効活用や新規不動産の取得を行いました。さらに、資本効率の改善と不動産事業の成長を目指し、私募ファンドを設立しました。今後は、開発型案件への取組強化や資産の入れ替え等による収益拡大を図るべく私募リート設立やアセットマネジメント事業にも取り組んでまいります。また、現在建設中の(仮称)新TODAビル計画において新ビル運営に向けた体制整備を推進し、開業に向けて準備を進めております。
(国内グループ会社)
当連結会計年度は、主にビル管理業及び建設事業における収益増加により売上高が523億円と前連結会計年度より15.9%増加しました。また、セグメント利益は19億円と前連結会計年度より3.0%増加しました。
当連結会計年度の主な取り組みとしては、ビル管理業等を営む戸田ビルパートナーズ株式会社(東京都江東区)、及び道路舗装工事業等を営む戸田道路株式会社(東京都中央区)について、簡易株式交換により完全子会社としました。今後も、中期経営計画に掲げる事業ポートフォリオの強化に向けて、グループ各社とのシナジー及び相互補完、並びにM&Aによる業容拡大により、グループ力を高めてまいります。
(海外投資開発)
当連結会計年度は、売上高が264億円と前連結会計年度より1,056.1%増加しました。また、セグメント利益は17億円と前連結会計年度より146.8%増加しました。当連結会計年度において持分法適用関連会社であったPT Tatamulia Nusantara Indah(インドネシア共和国)の株式を追加取得し子会社化したことにより、売上高及びセグメント利益が向上しております。今後は、「中期経営計画2024ローリングプラン」にて掲げる重点管理事業のひとつである海外事業において、中長期的な成長を目指して積極的に取り組んでまいります。
(環境・エネルギー)
当連結会計年度は、売上高が15億円と前連結会計年度より124.2%増加しました。また、セグメント利益は1億円となりました。浮体式洋上風力発電事業においては発電設備建設費用が先行しているものの、ブラジル陸上風力発電事業1期の収益計上等により売上高及びセグメント利益が向上しました。今後はブラジル陸上風力発電事業2期への取り組み等、収益基盤の構築に向けて取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりであります。
(キャッシュ・フローの状況)
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資金需要)
当社グループにおける主な資金需要は、運転資金として工事施工に要する外注費等の工事費用、販売費及び一般管理費、並びに設備投資資金です。
設備投資の概況については「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」をご参照ください。
(資金の流動性)
当社グループは、主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、日本国内のグループ内資金を一元管理しております。各グループ会社のキャッシュ・フローを集中することにより資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、リスク管理の強化及び金融負債の極小化を図っております。
(資金調達の状況)
主に自己資金の活用又は金融機関等からの借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行により資金を調達しております。重要な設備投資に係る資金調達方法については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
特記事項はありません。
(2) 国内子会社
(注) 1 帳簿価額には建設仮勘定は含まれておりません。
2 提出会社は、建築事業、土木事業、国内投資開発事業及び環境・エネルギー事業を営んでおりますが、大半の設備は共通的に使用されているため、セグメントに分類せず、地域別に一括して記載しております。
3 土地及び建物の一部を連結会社以外から賃借しております。賃借料は1,834百万円であり、土地の面積については[ ]内に外書きで記載しております。
4 土地建物のうち賃貸中の主なもの
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 1 転換社債の株式への転換による増加(1997年4月1日~1998年3月31日)
2 2019年4月に施行された海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律に則り公募が行われ、2021年6月11日に長崎県五島市沖洋上風力発電に係る事業者として当社を代表とするコンソーシアムが選定されました。その後、2021年10月に、当社を代表とする五島フローティングウィンドファーム合同会社を設立し、各種準備を進めてまいりましたが、2022年4月、経済産業省及び国土交通省より、再エネ海域利用法に基づき実施する洋上風力発電所として、国内で初めて公募占用計画の認定を受けました。同年8月には、当該海域での海域占用許可を取得し、海上工事が本格的に始まりました。
なお、2018年12月7日発行の第4回無担保普通社債発行による手取金については、2023年3月末日現在3,070百万円を(仮称)五島市沖洋上風力発電事業に充当済で、残額は2023年4月に充当しました。
2023年3月31日現在
(注) 1 自己株式10,109,969株は、「個人その他」に101,099単元、「単元未満株式の状況」に69株含まれております。また、当該自己株式には、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託が所有する株式2,435,810株及び株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託が所有する株式184,717株は含まれておりません。
2 上記「その他の法人」には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が2単元含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 1 上記のほか、当社所有の自己株式10,109,969株(役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する株式を含めていない)があります。
2 上記の所有株式数のうち日本マスタートラスト信託銀行株式会社及び株式会社日本カストディ銀行については、信託業務に係る株式数を把握しておりません。
3 2023年3月8日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ・エルエルピーが2023年3月7日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。また、当社として実質所有株式数の確認ができたものではありませんが、同社は当事業年度において、主要株主ではなくなりました。
なお、その大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社及びグループ会社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、当社に建築事業本部、土木事業本部及び戦略事業本部を置き、建築事業本部及び土木事業本部については、それぞれ海外事業を含めた建築事業及び土木事業に関する包括的な戦略立案を行い、事業活動を展開しております。
また、戦略事業本部については、国内投資開発事業、国内グループ会社事業、海外投資開発事業及び環境・エネルギー事業に関する包括的な戦略立案を行い、事業活動を展開しております。
当社グループは、当連結会計年度より報告セグメントを従来の、「建築」「土木」「投資開発」「国内グループ会社」「新領域」の5区分から、「建築」「土木」「国内投資開発」「国内グループ会社」「海外投資開発」「環境・エネルギー」の6区分に変更しております。この変更は「中期経営計画2024ローリングプラン」における事業の業績目標の区分及び取締役会の月例報告資料における事業報告の区分に報告セグメントの区分を合わせるために行ったものであります。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。
各報告セグメントの概要は以下のとおりです。
建築 :当社グループが行う建築工事の請負及びこれに付帯する事業
土木 :当社が行う土木工事の請負及びこれに付帯する事業
国内投資開発 :当社が行う国内における不動産の自主開発、売買及び賃貸等に関する事業
国内グループ会社:国内連結子会社が行う建築事業、土木事業、ビル管理を主とする不動産事業、ホテル
事業、グループ企業内を中心とした人材派遣業、並びに金融・リース事業
海外投資開発 :海外連結子会社が行う海外における不動産の自主開発、売買及び賃貸等に関する事業、並びにインドネシア共和国において海外連結子会社が行う建築事業
環境・エネルギー:当社グループが行う発電及び売電等に関する事業