株式会社テクノ菱和
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第73期の期首から適用しており、第73期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第二部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。
3 第71期の1株当たり配当額には、創立70周年記念配当2.00円が含まれております。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第73期の期首から適用しており、第73期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社は、1949年12月23日創業者近重八郎により、三菱重工業株式会社(当時中日本重工業株式会社)の冷凍機を使用した冷蔵庫・ショーケースなどの冷凍工事施工を主たる目的に、「レイト工業株式会社」として名古屋市において設立されました。1953年1月に社名を「菱和調温工業株式会社」に変更するとともに、冷暖房空調設備並びに給排水衛生設備の設計・施工へも進出し、その後はこれを主たる目的として発展しました。1966年12月には本社を東京都に移転し、産業設備関連工事、海外工事分野への進出など、事業領域の拡充を目指しました。
さらに、1989年9月には社名を現在の「株式会社テクノ菱和」に変更し、「人間の生活や産業プロセスに最適環境を創造する」ための、トータル・クリーンエンジニアリングを提供いたすべく努めてまいりました。
当社の企業集団は、当社及び子会社7社で構成され、空調衛生設備技術を核とした設備工事の設計・施工を主な内容としており、さらに冷熱(空調)機器の販売、修理・サービス・リフォーム工事及び各事業に関連する研究の事業活動を展開しております。
当社グループの事業に係わる位置づけは、次のとおりであります。
[空調衛生設備工事業]
当社が大型空調衛生設備工事を中心として設計・施工するほか、子会社4社〔東京ダイヤエアコン㈱、菱和エアコン㈱、㈱アール・デザインワークス、PT.TECHNO RYOWA ENGINEERING〕においては、下記の冷熱(空調)機器類を使用した小型空調衛生設備工事の設計・施工を担当しております。また、当社の施工工程の一部について、上記子会社4社に外注施工させております。さらに、当社において、上記子会社4社の受注工事について施工を受託することがあります。
[電気設備工事業]
子会社松浦電機システム㈱は、電気設備工事の設計・施工を行っております。
[冷熱機器販売事業]
当社が三菱重工業㈱の代理店として一括で仕入れた冷熱(空調)機器類を、上記空調衛生設備工事業を営む子会社4社に売渡し、各社はこれを主要機器として使用した小型空調衛生設備工事の設計・施工を行っております。また、当機器類の一部は当社においても直接販売を行っております。
[その他の事業]
当社は、太陽光発電施設を建設し、発電した電力を売電する事業、並びにマンションを建設し、賃貸する事業を行っております。
また、子会社菱和エアコン㈱は、マンションを賃貸する事業を、子会社㈱ダイヤランドは、損害保険代理業を、子会社KYODO TECHNO MYANMAR CO., LTD.は、建設資材の製造・販売業を行っております。
事業の系統図は、次のとおりであります。

(注) ※1 連結子会社であります。
※2 その他の事業として、太陽光発電事業を行っております。
※3 その他の事業として、不動産賃貸事業を行っております。
※4 その他の事業として、建設資材の製造・販売業を行っております。
(注) 1 上記のうち特定子会社に該当するものはありません。
2 上記のうち有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除いた就業人員数であります。
2 全社(共通)は、管理部門等の従業員であります。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除いた就業人員数であります。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 全社(共通)は、管理部門等の従業員であります。
現在当社グループには労働組合はありませんが、提出会社には、組合の代わりを果たすものとして「RR会」があり、その会員の選出による代表委員と協議する場として「RR協議会」があります。同協議会は労使一体の精神を基本方針として、労使双方の立場から、労務上の問題、福利厚生上の問題、業務遂行上の問題などの協議に積極的に取り組んでおり、労使関係は円満に推移しております。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
2023年3月31日現在
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3 海外勤務者については給与体系が国内勤務者と異なるため、労働者の男女の賃金の差異の集計から除外しております。
② 連結子会社
2023年3月31日現在
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、『「空気と水のテクノロジー」を通じて環境にやさしい生活空間の創造を目指す』、『環境エンジニアリングを中核事業とし、ひろくお客様から「信頼」される企業を目指す』、『人材の育成・教育を重視し働き甲斐のある企業を築き、社会に貢献する』という経営理念のもと、環境制御技術を駆使して社会に貢献するとともに、「環境のトータルエンジニアリング」企業として地球環境保全に貢献する活動を行い、CSRを重視した経営を実践してまいります。
当社グループは、従来からの3か年の事業計画に加えて、2023年度までを見据えた「中長期経営ビジョン2023」(2015年4月)を策定しております。
また、「中長期経営ビジョン2023」の基本方針を踏まえ、第73期を初年度とする「中期3か年事業計画」(2021年4月~2024年3月)を策定をしております。「中長期経営ビジョン2023」の実現に向けて、中期的な経営戦略を明確化し、より具体的な施策を展開してまいります。
「中期3か年事業計画」2021年度(第73期)~2023年度(第75期)の概要は以下のとおりであります。
1.最終年度2023年度(第75期) 数値目標
2.「中期3か年事業計画」の基本方針
① 激化する競争環境への対応
・医薬品・食品・電子デバイス関連をはじめとする産業設備を中心に、
バランスのとれた受注を推進する。
・技術の継承により設計・積算・施工技術の一層の向上を図る。
② 働き方改革の一層の推進
・DXを推進して業務の効率化を進め、生産性と競争力の向上を図る。
・誰もが生き生きと働ける職場をつくる。
③ ESGへの取り組みの深化
・低炭素社会の実現に向けた取り組み、脱フロンに向けた取り組み、
グリーン調達の取り組みを実施する。
④ 環境ビジネスへの挑戦
・環境を基軸とした新たなビジネスへの取り組みを開始する。
⑤ 海外事業の足場固め
・コロナ禍の先を見通し、既存エリアでの収益性の向上を図るとともに、
新規エリアの探索を行う。
また、当社はCSR活動を推進するため、マテリアリティ(重要課題)を策定しています。CSR活動を通じて、ESG(環境、社会、ガバナンス)経営を推進し、サステナブルな社会の実現、長期的な企業価値の向上、そしてSDGsに貢献していきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、売上高のほとんどを個別受注による完成工事高が占めております。完成工事高は官公庁の公共投資予算や民間企業の設備投資動向により増減する可能性があり、国や地方公共団体においてより一層の公共工事の削減が行われた場合や、国内外の景気動向の影響で民間企業の設備投資計画の縮小等が行われた場合には、完成工事高が減少し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、稼働中の工場等の保守・メンテナンスの需要を積極的に取り込むとともに、経営戦略として「バランスのとれた受注の推進」を基本方針に掲げ、景気動向に大きく影響を受けない態勢の構築に取り組んでおります。
建設業の特徴として、工事の着工から竣工までに期間を要するため、見込工事原価を作成してから実際に資材等を購入するまでの間に、原材料の急激な価格高騰により資材の価格が上昇し、当初予想した利益を確保できなくなるおそれがあります。
当社グループとしては、機器・資材関係の情報共有化を図るため、調達本部による全社集中購買でスケールメリットを生かすとともに、資材価格動向を注視し、長工期工事の管理を徹底することで、価格の上昇に対応しております。
当社グループは、金融機関及び重要な取引先の株式を保有しております。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、市場価格のない非上場会社の株式が含まれ、株式市場の価格変動リスク及び投資先の業績不振による評価損計上リスクを負っております。
当社グループとしては、毎年取締役会において政策保有株式の保有目的やねらい、保有に伴うメリットやリスクが資本コストに見合っているか等を検証し、適切でないと判断されるものについては売却処分しております。
当社グループは、産業設備工事に力を入れると同時にリニューアル工事の受注にも積極的に取り組んでおります。リニューアル工事は稼動中の工場等で行う場合もあり、施工中に人的災害や物損事故が発生すると工場の操業を止めてしまうおそれがあります。当社グループは、当然こうした不測の事態に備えて保険に加入しておりますが、工場の規模や使用されている機器によっては多額の損害賠償責任が発生します。この場合、保険金でカバーされたとしても、その結果保険会社に支払う保険料が大幅に上昇して、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、本社を含む全事業所に安全品質保証部門を設置し、担当者が定期的にパトロールや検査を行うなど積極的な活動を実施して、人的災害や工事災害の撲滅に取り組んでおります。
工事施工途中における設計変更や手直し工事等により想定外の追加原価が発生し、当初見込んでいた利益を確保できなくなるおそれがあります。このような不採算工事が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、施工中の全工事の原価の発生状況や利益の見込みなどの進捗状況を毎月取りまとめ、本社及び各事業所において適切か否かを確認しております。
当社グループでは取引先の与信管理を徹底し、債権が回収不能とならないよう努力しておりますが、それにもかかわらず、取引先の信用不安等により売掛債権の回収が困難となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、取引開始の際や定期的に与信調査を行うとともに、取引先及び工事ごとの債権管理を行っております。
今後、少子・高齢化が進むなかで、建設業においても高齢者の割合はますます高くなっていくものと予想されています。このような就業者の年齢構成のアンバランスは、長期的には熟練労働者の不足などの悪影響を及ぼすものと考えられます。また、今後の継続的な採用が滞ると、施工人員の不足による受注機会の損失につながる可能性があります。当社グループにおきましても、今後高齢化した技術者が退職を迎えたり、長期にわたって予定した採用者数を確保できない事態が生じた場合には、人員が不足して技術力や施工能力の低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、こうした状況に対応するため、定年延長や定年後再雇用者の処遇改善を行い、高齢者を有効に活用するための施策を実施するとともに、人事制度や給与体系の見直しによる現役世代の処遇改善にも努めております。また、新たな人材を確保するために、新卒採用・中途採用活動や技術的な専門教育を積極的に行っております。
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されておりますが、国内外の株式市場が低迷した場合に、年金資産の価値が減少し、年金に関する費用が増加するあるいは追加的な年金資産の積み増しを要する等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、「年金資産運用の基本方針」に基づいて高リスク商品に偏らない資産構成割合を策定して安定的な運用に努めるとともに、運用受託機関へのモニタリングを実施して、リスクの低減に努めております。
当社グループは、東南アジア地域で事業活動を行うとともに、海外での事業規模の拡大を目論んでおります。今後海外売上高の比率が高まってくると、現地における予期し得ない法規制の改正や政情不安・テロ、為替の変動等の不測の事態により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、ガバナンス強化のために社内規程やマニュアルを整備するとともに、現地と密に連絡を取ってタイムリーに情報収集しており、また専門のコンサルタントを活用することでリスク回避に努めております。
感染症の流行によるパンデミックが発生することにより、当社が施工に参画する現場において集団感染が発生したり、資材の調達が滞る等の理由により工期に遅れが生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、パンデミックの影響で取引先の業績が低迷し、取引先の設備投資計画が縮小されることで、当初の計画より受注が減少した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
パンデミックへの対策としては、BCP(事業継続計画)を策定しており、手洗い・マスク着用の徹底の他、出張や社内会議の制限、時差出勤、テレワークの奨励等を実施することとしております。また、受注については、様々な要因に大きく影響を受けない態勢の構築に取り組んでおります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和が進み、経済活動が正常化に向かったことで、景気は緩やかな回復基調となりましたが、資源価格の高騰や世界的なインフレとそれを抑制するための金融引き締め政策により世界経済の減速が進み、年度末にかけて製造業を中心に景況感が悪化する展開となりました。
建設業界におきましては、公共投資は前連結会計年度と同水準の推移となり、設備投資は企業の積極的な投資意欲が維持されていることから、緩やかな増加傾向が続き、前連結会計年度を上回る水準となりました。
このような状況のなか、当社グループといたしましては、激化する競争環境に対応するため、医薬品・食品・電子デバイス関連をはじめとする産業設備を中心に、引き続きバランスの取れた受注活動を推進するとともに、定年延長やそれに伴う人事制度改正を実施し、人材の確保に努めてまいりました。
その結果、部門別工事受注高は、好調な受注環境を背景に、特に産業設備工事の受注が堅調に推移し、複数の大型物件を受注できたことなどから、産業設備工事44,313百万円(前連結会計年度37,275百万円)、一般ビル設備工事26,129百万円(前連結会計年度19,471百万円)、電気設備工事2,332百万円(前連結会計年度2,108百万円)となり、工事受注高合計は72,776百万円(前連結会計年度58,854百万円)となりました。これに兼業事業の受注高783百万円(前連結会計年度748百万円)を加えました受注総額は73,559百万円(前連結会計年度59,603百万円)となり、前連結会計年度と比べ23.4%増加いたしました。
次に完成工事高は、工事の進捗が順調に推移したことから、60,147百万円(前連結会計年度56,058百万円)となり、これに兼業事業の売上高882百万円を加えました売上高合計は61,030百万円(前連結会計年度56,905百万円)で、前連結会計年度と比べ7.2%増加いたしました。
利益につきましては、工事粗利益率が低下したものの売上高が増加したことから、経常利益は3,557百万円(前連結会計年度3,385百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は2,339百万円(前連結会計年度2,237百万円)となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて36百万円増加し、42,278百万円となりました。これは主に受取手形・完成工事未収入金等が1,771百万円及び電子記録債権が263百万円増加し、現金及び預金が1,621百万円及びその他が373百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて277百万円減少し、21,178百万円となりました。これは主に退職給付に係る資産が197百万円増加し、投資有価証券が290百万円減少したことによるものであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて904百万円減少し、17,404百万円となりました。これは主に未払消費税等が1,197百万円、支払手形・工事未払金等が853百万円及び未成工事受入金が458百万円増加し、電子記録債務が3,507百万円及び工事損失引当金が145百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて248百万円減少し、2,677百万円となりました。これは主に繰延税金負債が188百万円及び長期借入金が65百万円減少したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて912百万円増加し、43,375百万円となりました。これは主に利益剰余金が1,555百万円増加し、その他有価証券評価差額金が469百万円及び退職給付に係る調整累計額が173百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度に比べ1,628百万円減少し、12,340百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、157百万円の資金の減少(前連結会計年度は904百万円の資金の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益3,548百万円を計上したこと及び未払消費税等の増加1,988百万円が資金の増加要因となり、売上債権の増加2,026百万円、仕入債務の減少2,653百万円及び法人税等の支払額1,097百万円が資金の減少要因となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、625百万円の資金の減少(前連結会計年度は130百万円の資金の減少)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出444百万円及び有形固定資産の取得による支出151百万円が資金の減少要因となったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、883百万円の資金の減少(前連結会計年度は565百万円の資金の減少)となりました。これは主に配当金の支払額783百万円及び長期借入金の返済による支出100百万円が資金の減少要因となったことによるものであります。
(注) 1 当社グループでは設備工事業(空調衛生設備工事業及び電気設備工事業)以外は受注生産を行っておりません。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は、次のとおりであります。
受注工事高及び完成工事高の状況
a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合については、当期受注工事高にその増減額が含まれております。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
3 当期受注高としては、上記当期受注工事高のほかに、冷熱機器販売事業に係るものとして、前事業年度842百万円、当事業年度837百万円があります。
4 当期売上高としては、上記当期完成工事高のほかに、冷熱機器販売事業及びその他の事業に係るものとして、前事業年度887百万円、当事業年度886百万円があります。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
c.売上高
完成工事高
(注) 1 前事業年度の完成工事のうち主なもの
当事業年度の完成工事のうち主なもの
2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
冷熱機器販売事業及びその他の事業の売上高
d.次期繰越工事高(2023年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なもの
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(ア) 収益及び費用の計上基準
当社グループは、設備工事の設計・施工を行っております。設備工事業の工事契約については、約束した財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転するため、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識する方法を適用しております。履行義務の充足に係る進捗度の測定は、期末日までに発生した工事原価が、工事の完成に要する総支出額である工事契約ごとの工事原価総額の見積りに占める割合に基づいて行っております。連結会計年度末の工事活動の進捗度に応じて収益及び費用を計上しておりますが、将来原材料の急激な価格高騰による資材価格の上昇や仕様変更による増減等により、当初予想した利益を確保できない可能性があります。
(イ) 貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
(ウ) 工事損失引当金の計上基準
当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、次期繰越工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見込額を工事損失引当金として計上しております。工事施工途中において当初予想しえなかった追加原価等により不採算工事が発生した場合、追加損失が発生する可能性があります。
(エ) 有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関及び重要な取引先の株式を保有しております。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、市場価格のない非上場会社の株式が含まれます。これらの投資価値が下落した場合は、合理的な基準に基づいて有価証券の減損処理を行っております。減損処理に係る合理的な基準は「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(有価証券関係)に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア) 受注高の分析
当連結会計年度の受注高は、複数の大型物件を受注できたことなどから、前連結会計年度比23.4%増加の73,559百万円となりました。
セグメント別受注高の内訳は、空調衛生設備工事業のうち産業設備工事は44,313百万円(前連結会計年度比18.9%増加)、一般ビル設備工事は26,129百万円(前連結会計年度比34.2%増加)となりました。官庁民間別内訳は、官公庁工事12,758百万円(前連結会計年度比78.7%増加)、民間工事57,684百万円(前連結会計年度比16.3%増加)となりました。
電気設備工事業については2,332百万円(前連結会計年度比10.7%増加)となりました。
また、冷熱機器販売事業については783百万円(前連結会計年度比4.7%増加)となりました。
(イ) 売上高の分析
当連結会計年度の売上高は、工事の進捗が順調に推移したことから、前連結会計年度比7.2%増加の61,030百万円となりました。
セグメント別売上高の内訳は、空調衛生設備工事業のうち産業設備工事は36,788百万円(前連結会計年度比5.2%増加)、一般ビル設備工事は21,434百万円(前連結会計年度比14.9%増加)となりました。官庁民間別内訳は、官公庁工事9,622百万円(前連結会計年度比11.9%増加)、民間工事48,599百万円(前連結会計年度比7.9%増加)となりました。
電気設備工事業については1,924百万円(前連結会計年度比20.6%減少)となりました。
また、冷熱機器販売事業については783百万円(前連結会計年度比4.7%増加)、その他の事業については99百万円(前連結会計年度比1.5%増加)となりました。
(ウ) 販売費及び一般管理費の分析
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は6,363百万円(前連結会計年度比5.0%増加)となりました。
これは主に、従業員給料手当が190百万円増加したことによるものであります。
(エ) 経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度の経常利益は3,557百万円(前連結会計年度比5.1%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては2,339百万円(前連結会計年度比4.5%増加)となりました。
これは主に、売上高の増加によるものであります。
(オ) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 〔事業の状況〕 3 〔事業等のリスク〕」に記載しております。
(カ) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主要な資金需要は、工事施工のための材料費、労務費、経費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、利益の計上により生み出された営業キャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入れによる資金調達にて対応しております。
また、手元の運転資金につきましては、地域別に設置された当社の事業所及び一部の子会社の余剰資金を当社の本社機構へ集中し、一元管理を行うことで資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については「第2 〔事業の状況〕 4 〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(キ) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等について
当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等については、2021年5月12日に「中期3か年事業計画 2021年度(第73期)~2023年度(第75期)」を公表しております。なお、最終年度である2023年度(第75期)の連結業績として売上高635億円、経常利益26億円を数値目標として掲げております。
該当事項はありません。
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
(注) 1 提出会社の大半の設備は、主な事業である空調衛生設備工事業で使用されているので、事業区分の分類は記載せずに、主要な事業所ごとに一括して記載しております。
2 土地及び建物の一部を連結会社以外から賃借しております。賃借料は430百万円であり、土地の面積については( )で外書きで示しております。
3 提出会社の施設の主なものは、事務所ビル及びテクノ菱和R&Dセンター並びに研修所兼保養所であります。テクノ菱和R&Dセンターは空調衛生設備工事業の研究開発施設であります。子会社の施設は事務所ビルであります。
4 提出会社の土地、建物・構築物のうち賃貸中の主なものは次のとおりであります。
主要な設備はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 普通株式1株につき1.1株の割合で株式分割いたしました。
2023年3月31日現在
(注) 1 自己株式1,117,225株は、「個人その他」に11,172単元、「単元未満株式の状況」に25株含まれております。また、実質的な所有株式数も同数であります。
2 「その他の法人」には、証券保管振替機構名義の株式が、77単元含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 当社は、自己株式1,117,225株を保有しておりますが、上記大株主から除いております。
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社の事業セグメントは、地域別に設置された事業所及び連結子会社であり、当該事業セグメントが全社的な事業推進及び管理を行うための本社機構と相互連携を図り事業活動を行っております。
当該事業セグメントは、経済的特徴が類似しているため、当社は主な事業活動である「設備工事業」を単一の報告セグメントとしております。
「設備工事業」は、空調衛生設備技術を核とした設備工事の設計・施工及び電気設備工事の設計・施工を主な内容としており、さらに関連工事に付随した冷熱機器販売事業を行っております。