株式会社安藤・間
HAZAMA ANDO CORPORATION
港区東新橋1丁目9番1号
証券コード:17190
業界:建設業
有価証券報告書の提出日:2023年6月29日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第6期

第7期

第8期

第9期

第10期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

359,971

378,135

352,146

340,293

372,146

経常利益

(百万円)

22,495

23,983

25,890

25,838

19,608

親会社株主に帰属する
当期純利益

(百万円)

8,862

16,803

17,188

17,671

15,187

包括利益

(百万円)

8,296

14,301

20,493

16,740

16,985

純資産額

(百万円)

133,682

136,900

146,676

141,682

141,324

総資産額

(百万円)

349,656

339,772

339,387

295,332

318,014

1株当たり純資産額

(円)

664.78

704.86

782.28

834.00

897.84

1株当たり当期純利益

(円)

45.21

84.42

89.80

98.84

94.02

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

44.20

84.40

89.78

98.84

自己資本比率

(%)

38.0

40.0

43.0

47.7

44.2

自己資本利益率

(%)

7.0

12.5

12.2

12.3

10.8

株価収益率

(倍)

16.39

8.16

9.45

9.15

9.10

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

5,900

3,102

29,154

36,086

32,272

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

2,356

3,016

3,954

4,549

4,740

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

7,779

13,244

12,656

22,565

18,425

現金及び現金同等物の
期末残高

(百万円)

135,093

115,461

128,035

64,739

74,326

従業員数

(人)

3,966

3,998

3,857

3,669

3,677

 

(注) 1.従業員数は就業人員数を表示しています。

2.第10期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第9期の期首から適用しており、第8期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっています。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第6期

第7期

第8期

第9期

第10期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

332,699

356,446

333,067

315,867

344,804

経常利益

(百万円)

21,724

22,787

24,468

23,939

18,433

当期純利益

(百万円)

8,477

16,168

16,198

16,558

14,535

資本金

(百万円)

17,006

17,006

17,006

17,006

17,006

発行済株式総数

(千株)

200,343

200,343

200,343

181,021

181,021

純資産額

(百万円)

126,798

129,332

136,649

130,730

128,779

総資産額

(百万円)

333,132

322,269

318,369

275,120

297,035

1株当たり純資産額

(円)

634.68

670.00

732.59

773.69

823.03

1株当たり配当額

(円)

30.00

30.00

30.00

40.00

40.00

(内1株当たり中間配当額)

(円)

(15.00)

(15.00)

(15.00)

(20.00)

(20.00)

1株当たり当期純利益

(円)

43.24

81.23

84.62

92.62

89.98

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

42.28

81.21

84.61

92.61

自己資本比率

(%)

38.1

40.1

42.9

47.5

43.4

自己資本利益率

(%)

7.0

12.6

12.2

12.4

11.2

株価収益率

(倍)

17.14

8.48

10.03

9.76

9.51

配当性向

(%)

69.4

36.9

35.5

43.2

44.5

従業員数

(人)

3,493

3,520

3,434

3,261

3,283

株主総利回り

(%)

96.3

93.5

117.2

129.1

128.1

(比較指標:配当込み
TOPIX(東証株価指数))

(%)

(95.0)

(85.9)

(122.1)

(124.6)

(131.8)

最高株価

(円)

1,054

985

913

940

910

最低株価

(円)

648

588

551

717

787

 

(注) 1.従業員数は就業人員数を表示しています。

2.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。

3.第10期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。

4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第9期の期首から適用しており、第8期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっています。

 

 

2 【沿革】

株式会社間組の起源は、1889年4月間猛馬の個人企業として福岡県門司に創業し、土木建築の請負に従事したことから始まりました。その後、本店を下関から東京に移転するとともに、合資会社から株式会社へと組織の拡充を行いながら、活発な営業展開を進め全国的規模での工事を手がけるようになり、特に大型土木を得意とする総合建設業者となりました。

当社は、この旧ハザマ(青山管財株式会社)が2003年10月1日に分割型分割(混合型)による新設分割を行ったことにより、建設事業部門の承継会社として設立されました。

 

設立後の主な変遷は次のとおりです。

 

年月

概要

2003年10月

旧ハザマ(青山管財株式会社)の会社分割により建設事業部門の承継会社として設立。

2003年10月

東京証券取引所市場第一部に上場。

2003年10月

建設業許可「国土交通大臣許可(特-15)第20330号」並びに宅地建物取引業免許「東京都知事(1)第82456号」を取得。

2005年5月

本店等を東京都港区北青山二丁目5番8号から、港区虎ノ門二丁目2番5号へと移転。

 

 

安藤建設株式会社の起源は、1873年安藤庄太郎により、東京神田松枝町において「安藤方」と称し、煉瓦建築を施工する建築業者として始まりました。

1911年1月出資金100万円をもって合名会社安藤組に改めました。

 

その後の主な変遷は次のとおりです。

 

年月

概要

1918年3月

資本金200万円をもって株式会社安藤組を設立、合名会社安藤組の営業譲渡を受けた。

1949年10月

建設業法により建設大臣登録(イ)730号の登録を受けた。

1961年10月

株式を東京証券取引所市場第二部へ上場。

1962年3月

社名を安藤建設株式会社に変更。

1963年8月

東京証券取引所市場第一部指定。

1973年1月

宅地建物取引業者免許「建設大臣(1)第1392号」を取得。

10月

建設業法により「建設大臣許可(特-48)第1850号」を取得。

1983年12月

本店を東京都中央区から東京都港区へと移転。

 

 

2013年4月   2013年4月1日付で株式会社間組と安藤建設株式会社が合併し、株式会社安藤・間発足。

本店を港区赤坂六丁目1番20号へと移転。

   2022年4月  東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行。

   2022年5月  本店を港区東新橋一丁目9番1号へと移転。

 

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、2023年3月31日現在、当社、子会社8社、関連会社9社で構成され、建設事業(土木・建築)を主な事業とし、さらに各事業に関連する事業活動を展開しています。

当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。

 

建設事業(土木事業・建築事業)

当社は総合建設業を営んでおり、セグメントを土木事業、建築事業に区分しています。

グループ事業

連結子会社である、安藤ハザマ興業株式会社は建設用資材の販売及びリースを、青山機工株式会社は土木及び建築工事の施工等を、菱晃開発株式会社は不動産の売買、賃貸並びにその仲介を、在外子会社であるハザマアンドウ(タイランド)等は現地国における建設事業を、それぞれ主要事業としています。

 

事業の系統図は次のとおりです。

 


 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
(被所有)割合

関係内容

所有割合

(%)

被所有
割合

(%)

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 

安藤ハザマ興業株式会社

(注)3

東京都江東区

152

グループ事業

100

当社グループの建設用資材の販売・リースを行っています。

役員の兼任等…従業員3名

青山機工株式会社

東京都台東区

80

グループ事業

100

当社の建設事業において施工協力しています。

役員の兼任等…従業員4名

菱晃開発株式会社

東京都港区

80

グループ事業

100

当社グループの不動産事業を担当しています。

役員の兼任等…従業員2名

ハザマアンドウ

(タイランド)

タイ

バンコク市

百万THB

14

グループ事業

49.99

当社グループのタイにおける建設事業を行っています。

役員の兼任等…従業員3名

ハザマアンドウ
ムリンダ

インドネシア

ジャカルタ市

百万IDR

50,000

グループ事業

67

当社グループのインドネシアにおける建設事業を行っています。

役員の兼任等…従業員2名

ベトナムディベロップメントコンストラクション

ベトナム

ホーチミン市

百万USD

1

グループ事業

100

当社グループのベトナムにおける建設事業を行っています。

役員の兼任等…従業員3名

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

 

坂出バイオマスパワー合同会社

香川県高松市

10

グループ事業

20

バイオマス発電事業を行っています。

 

(注) 1.主要な事業の内容欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しています。

2.上記の会社は、有価証券報告書を提出していません。

3.特定子会社に該当します。

 

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

2023年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

土木事業

1,248

建築事業

1,888

グループ事業

394

全社(共通)

147

合計

3,677

 

(注) 従業員数は就業人員です。

 

(2) 提出会社の状況

2023年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

3,283

46.0

17.6

8,823,698

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

土木事業

1,248

建築事業

1,888

全社(共通)

147

合計

3,283

 

(注) 1.従業員数は就業人員です。

2.平均勤続年数は、旧ハザマ(青山管財株式会社)及び安藤建設株式会社における勤続年数を通算して算出しています。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

4.全社(共通)は提出会社の総務及び経理等の管理部門の従業員です。

 

(3) 労働組合の状況

2013年7月27日をもって、旧間組職員労働組合と旧安藤建設職員組合が統合し、安藤・間職員組合が結成されました。2023年3月末現在の組合員数は2,026人です。結成以来円満に推移しており特記すべき事項はありません。

なお、当組合は日本建設産業職員労働組合協議会に加盟しています。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者

の割合(%)(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

2.2

26.6

52.5

60.1

42.7

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

 

労働者の男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。当社の賃金は、社員区分や雇用形態ごとに設定された給与体系を採用していますが、男女の賃金の差異が生じているのは以下の理由によるものです。

1.管理職に占める女性労働者の割合が低いこと

2.女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定に基づいた女性労働者の新規採用を強化したことにより、相対的に賃金水準の低い女性労働者が増加したこと

3.正規雇用労働者のうち、総合職、地域限定総合職、地域職の区分について、女性労働者は総合職と比べて賃金水準が低い地域限定総合職、地域職の割合が高いこと

4.有期労働者のうち、高度専門能力を保有する者、特定職務を担当する者が採用となる賃金水準の高い特別職の社員について、男性労働者の割合が高いこと

上記内容については、外部採用や地域職から地域総合職・総合職への登用、女性労働者のキャリア支援研修などを積極的に実施し、多様性の確保を図り、男女の賃金の差異縮小に努めていきます。

 

 ② 連結子会社

当事業年度

名称

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

安藤ハザマ興業㈱

69.5

68.6

38.0

青山機工㈱

56.0

65.1

29.8

 

(注) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは、2020年2月に策定した「安藤ハザマ VISION2030」の実現に向け「中期経営計画(2021.3期~2023.3期)」に掲げた戦略的な成長投資を展開するとともに、事業ポートフォリオの変革による環境変化に強い企業体質を目指し、経営基盤の安定・強化と企業価値の向上に取り組みました。
 計画最終年度となる当連結会計年度においては、ICTやAIを活用した自動化・省人化の技術開発、脱炭素・循環型社会の実現に向けたカーボンプールコンクリートの開発・実装や太陽光PPA・バイオマス発電等の再生可能エネルギー事業の取組、DX認定事業者選定やBIM国際標準規格の認証取得など生産性向上に寄与するDX推進、健康経営の実践や従業員の労働環境の充実、人財育成基本方針・教育計画の再構築等、各種の重点施策において確実な成果を残しました。
 一方、目標数値は、新型コロナウイルス感染症拡大や、地政学リスクに起因する資材高など、様々な想定外の事象に伴う建設市場の変化もあり、最終年度の経常利益や資本効率は計画未達となりましたが、2021年11月の株主還元方針拡充後の総還元性向目標は達成しました。
 当該状況を受け、当社は、変化が激しく先行き不透明な今の時代においては、今後も起こり得る想定外の困難を克服し、持続的な成長を実現していくため、多様な個々の力をこれまで以上に高め集結し、さらなる組織力の強化を図っていく必要があると考えており、その実現に向け取り組むべき課題を「事業強化」「人的資本の価値向上」「ESG経営の推進」の3点と捉え、今般「中期経営計画2025」を策定しました。

なお、「安藤ハザマVISION2030」、「中期経営計画2025」の概要は以下のとおりです。

 

<「安藤ハザマ VISION2030」の概要>
  (1)長期ビジョン
    ~イノベーションの加速とたゆまぬチャレンジで新たな価値を創造、社会課題の解決に貢献~
   「お客様価値の創造」/「株主価値の創造」/「環境価値の創造」/「従業員価値の創造」
  (2)取組内容
   ・建設事業:受注力×現場力×収益力の更なる強化
   ・建設外事業:エネルギー関連事業を核とした収益源の確立
  (3)長期目標数値
    連結経常利益400億円、同利益に占める建設外事業収益比率25%
 

<中期経営計画2025の概要>
  (1)計画期間
    2024年3月期~2026年3月期
  (2)基本方針
    4つの価値創造に向けて ~企業価値向上+会社の魅力向上~
  (3)取り組むべき課題と対応の方向性

  ①事業強化

   外部環境変化に即応した事業運営、適切な資本施策の実現

   ・安全、品質の向上と利益の確保
    ・強みのあるセグメントの拡充など、建設事業の営業力、現場力、設計能力、及び技術力の強化
    ・成長投資の着実な実行による環境変化への耐性が高い事業ポートフォリオの構築
    ・グループ会社の専門性を生かしたコスト競争力の強化
    ・ノウハウの伝承などの人財育成と協力会社との関係強化による施工体制の強化
    ・DXへの取組強化によるデータに基づく戦略立案・実施と生産性向上
   ②人的資本の価値向上

   積極的な人的資本投資による従業員価値の最大化

   ・人的資本投資の拡充

   ・多様な人財確保と従業員価値の最大化による経営基盤強化

 

  ③ESG経営の推進

   環境・社会への貢献、ガバナンスの継続的な強化

   ・ESGへの取組強化等により環境変化への感度を高め、社会やお客様のニーズへの対応力強化
    ・ガバナンス強化による資本効率の高い経営推進と適切な成長投資の実行
 

 (4)目標数値

 

2026年3月期(計画最終期)

連結経常利益

265億円

連結R O E

12%以上

連結総還元性向

70%以上

従業員エンゲージメントスコア

80%以上

GHG排出削減率

Scope1+2 34%以上

Scope3   21%以上

 

 

今後の事業環境につきましては、ウィズコロナの下で持ち直していくことが期待されますが、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価・エネルギー価格の上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。

建設業界では、長期的な人口減少等を背景にした建設投資の縮小や、建設技能労働者の減少と高齢化及び2024年4月に予定される時間外労働の上限規制への対応としての働き方改革、生産性向上、並びに人的資本の向上に資する人財育成や処遇改善等が継続的な課題になっており、加えて社会的要請として脱炭素をはじめサステナブルな社会の実現への取組強化が求められています。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社は、リスクの発生防止及びリスクが発生した場合の損失の最小化を図り、会社業務の円滑な運営に資するため、リスクマネジメントに関する規定類及び体制を整備し、当社グループ全体で対応すべき重要なリスクの評価、当該リスクへの対応策のとりまとめ、及び当該対応策の推進を図っています。また、内部統制システム全般についての継続的改善を目的に、当連結会計年度末(2023年3月31日)においては、取締役会の諮問委員会として設置された内部統制委員会が、リスクマネジメントの運営状況について、定期的に検証し、取締役会へ報告することとしていました。

2023年6月29日より、内部統制・リスク管理委員会が、リスクマネジメントの運営状況について、定期的に検証し、取締役会の諮問委員会として設置されたサステナビリティ委員会に報告し、サステナビリティ委員会は、当該運営状況を監督し、取締役会に報告する体制としています。

リスクマネジメント体制を含む内部統制システムの詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 (3)提出会社の企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 ④その他の提出会社の企業統治に関する事項」に記載のとおりです。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 競争環境の悪化

想定を上回る建設市場の縮小や競争激化が生じた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、当社グループを取り巻く事業環境の変化に対応すべく、長期ビジョン、中期経営計画及び事業計画(単年度)を策定した上で事業活動を営んでいますが、想定を上回る環境の変化が発生した場合には、適宜計画等の見直しを行い、業績等への影響を極小化すべく取組む方針です。

 

(2) 法令諸規制

当社グループは会社法、金融商品取引法、労働基準法、独占禁止法、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法等の適用を受けています。役職員に対するコンプライアンスの徹底や法令リスク管理等を行っていますが、法令諸規制の改廃や新設が行われて、もしくは法令諸規制の違反が発生して当社グループの営業活動に大きな制約が生じた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、当社グループにおいて一貫した方針のもとに公正かつ透明な事業運営を確保するために、コンプライアンス推進委員会を設置するとともに各部門及び主要グループ会社にはコンプライアンス責任者・担当者を配置し、本社監査部主管のもと、各種推進活動の効果的な展開を図っています。

 

(3) 諸外国における事業環境の変化

諸外国で事業を行っているため、その国の法令諸規制・税制の予期せぬ改廃・新設、政治・経済・社会情勢の著しい変化、為替相場の大きな変動が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、既進出国の法令諸規則、税制、政治・経済・社会情勢に関する情報を当該国の専門家から入手し、重大な変更が見込まれる場合は事前に社内体制を強化する等、変化に対応すべく取組んでいます。また、新規進出国の事業環境に関する情報は、外部の専門家を使い情報を入手し、入手した情報に基づいて取締役会で進出の可否に関して慎重に検討しています。

 

 

(4) 気候変動リスク

「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)重要なサステナビリティ項目 ②環境(気候変動) (ハ)戦略」に記載の「リスク要因」が顕在化した場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、事業継続に向けて自然災害に対する備えを適切に行うとともに、2020年2月に制定した長期ビジョン「安藤ハザマVISION2030」の中で「環境価値の創造」を掲げ、「脱炭素で低負荷な循環型社会の実現」への貢献を目指しており、SBT、RE100の計画に基づいた、事業活動における再生可能エネルギーの利用拡大や、建物のCO2排出量削減につながる環境配慮型技術の開発等、脱炭素社会の実現に向けた取組を推進しています。

また、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)重要なサステナビリティ項目 ②環境(気候変動) (イ)ガバナンス」に記載のとおり、気候変動に対するガバナンス体制を構築しています。

 

(5) 感染症の蔓延

感染症の蔓延が発生した場合、会社機能の一部の一時停止や工事の一時中断等により、また、事業環境の悪化による工事受注高の減少等により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

新型コロナウイルス感染症への対応としては、「新型コロナウイルス感染症の基本的な感染対策」を策定し、感染拡大防止に努めています。

 

(6) 労務費・資材価格の高騰

国内外の急激な経済情勢の変化を受けて、労務・資材・エネルギーの不足や価格の急激な高騰により建設コストが大幅に増加した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、集中購買や海外調達等によるコストダウンを図るとともに、物価及び賃金等の変動に基づく請負代金額の変更に関する規定を、発注者と締結する契約書の条項に含める等の対策を実施しています。

 

(7) 技術者の不足

当社では計画的な人員計画により、継続的に新規人材を採用していますが、技術系社員について必要な採用数が確保できない場合、事業規模の縮小を余儀なくされ、業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、建設業界においては技能労働者が減少傾向にあり、必要な労務が確保できなくなること、あるいは労務調達コストの上昇により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、2023年5月に策定した「中期経営計画2025」(2023年度~2025年度)において、掲げた協力会社に対する重点施策である、DX化への対応支援、人材育成支援、採用支援等を行うことにより、協力会社との関係強化を図り、将来の施工体制の維持に向けて積極的に取り組んでいます。また、当社内においては、Well-beingを人財戦略の中心に据え、従業員の報酬アップ、定年後再雇用者の処遇改善、納得性の高い人事制度及び評価システムの再構築、働き方改革の推進等を重点施策に掲げ、将来の人材確保、流出阻止に向けて積極的に取り組んでいます。

 

(8) 労働災害、第三者災害

労働災害等を未然に防止するため様々な安全対策の徹底を図っていますが、労働災害等が発生した場合、工事の一時中断、被災者に対する損害賠償等により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、安全衛生基本方針に「安全はすべてに優先する」を掲げ、労働安全衛生マネジメントシステムを構築、運用し、協力会社を含む全工事従事者に対し安全衛生管理の徹底を図っていますが、万が一労働災害等が発生した場合には、各支店に設置している安全環境部を中心に、営業、施工、管理の各部門と連携して迅速に対応する体制を整えています。

 

 

(9) 火災・爆発

施工中の工事現場で火災事故等が発生した場合には、工事の一時中断による収益減少、復旧費用や被災者に対する損害賠償等により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、2018年7月26日に発生した東京都多摩市の当時施工中の建築物件における火災事故を踏まえ、再発防止策を策定し、すべての作業所で適切に運用を行っています。また、建設本部、各支店において運用状況の点検、パトロール等を行い、策定したルールを順守するよう指導を行っています。

 

(10) 潜在的な契約不適合

工事目的物の品質管理には万全を期していますが、重大な契約不適合が発生した場合には顧客からの信頼喪失、契約不適合責任等による損害賠償等の発生により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、品質マネジメントシステムに基づき、営業、設計、施工、アフターケアの各段階で顧客満足の向上に向けた生産活動に取組んでいますが、重大な契約不適合が発生した場合は、各支店に設置しているお客さま相談室を中心に、営業、施工の各部門と連携して迅速に対応する体制を整えています。

 

(11) 情報漏洩

顧客の情報管理には細心の注意を払っていますが、万が一重要な情報が外部へ漏洩した場合には顧客や社会からの信用喪失、損害賠償等の発生により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、日々の情報管理の徹底に加えて、政府の定めるサイバーセキュリティ月間の活動にあわせた各種取組も実施し、グループ会社の全従業員に周知徹底すべく、啓発活動を行っています。

 

(12) DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応遅れ

DXへの対応が遅れた場合には、業務の効率化が進まず、競合他社と比較して生産性の低下や人件費の増加等が発生し、価格競争に対応できなくなることで、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、全社的なDX戦略策定と、個別プロジェクト推進のスピードアップを図るため、2021年6月にDX推進を担当する専門部署を設置しました。また、2022年11月には「DXビジョン2030」を作成・公開しており、DX推進により当社が目指す姿を明確にした上で、各施策への取組を加速させています。

 

(13) 反社会的勢力との接触

工事現場や各拠点において、錯誤等何らかの要因により反社会的勢力と取引等を行った場合、社会的信用の失墜により業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、行動規範において反社会的勢力との関係遮断を掲げ、また、反社会的勢力対応マニュアルを策定し、全役職員に対して周知徹底を図っています。また、調達基本方針の中でも反社会的勢力の排除を掲げており、取引先に対しても当方針の理念を説明し、理解した上で当社との取引を行っていただいています。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

① 財政状態及び経営成績の状況

  当連結会計年度におけるわが国の経済は、原材料価格の高騰や物価上昇などにより先行き不透明な状況が続いたものの、経済社会活動の正常化が進み、緩やかに持ち直してきました。

今後についても、ウィズコロナの下で持ち直していくことが期待されますが、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価・エネルギー価格の上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。

建設業界におきましては、政府建設投資は底堅く推移し、民間建設投資は回復基調が継続しました。一方で、資材価格等の高騰の影響は続いており、今後も注視が必要な状況となっています。

このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高3,721億円(前連結会計年度比9.4%増加)、営業利益198億円(前連結会計年度比25.4%減少)、経常利益196億円(前連結会計年度比24.1%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は151億円(前連結会計年度比14.1%減少)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりです。

(土木事業)

受注高は1,032億円(前連結会計年度比15.8%減少)、売上高は1,334億円(前連結会計年度比1.1%増加)、営業利益は149億円(前連結会計年度比5.2%減少)となりました。

(建築事業)

受注高は2,449億円(前連結会計年度比30.8%増加)、売上高は2,061億円(前連結会計年度比15.5%増加)、営業利益は93億円(前連結会計年度比29.6%減少)となりました。

(グループ事業)

売上高は274億円(前連結会計年度比10.6%増加)、営業利益は15億円(前連結会計年度比35.8%減少)となりました。

(その他)

売上高は51億円(前連結会計年度比1.8%増加)、営業利益は2億円(前連結会計年度比65.0%減少)となりました。

当連結会計年度末における財政状態は次のとおりです。

資産につきましては、前連結会計年度末より226億円増加し、3,180億円となりました。これは現金預金95億円の増加が、機械、運搬具及び工具器具備品16億円の減少を上回ったことによります。

負債につきましては、前連結会計年度末より230億円増加し、1,766億円となりました。これは未成工事受入金150億円の増加が、火災損害等損失引当金39億円の減少を上回ったことによります。

純資産につきましては、前連結会計年度末より3億円減少し、1,413億円となりました。これは自己株式を取得したことによる自己株式106億円の増加(純資産の減少)が、利益剰余金の増加85億円を上回ったことによります。

 

② キャッシュ・フローの状況

現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、期首残高と比較して95億円増加し、743億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び要因は次のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益222億円の計上、未成工事受入金の増加150億円などの資金増加要因が、売上債権の増加46億円、未収消費税等の増加37億円などの資金減少要因を上回ったことにより、322億円の資金増加(前連結会計年度は360億円の資金減少)となりました。

 

投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券及び投資有価証券の取得による支出30億円、有形固定資産の取得による支出29億円などの資金減少要因が、定期預金の払戻による収入14億円などの資金増加要因を上回ったことにより、47億円の資金減少(前連結会計年度は45億円の資金減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出106億円、配当金の支払額66億円、長期借入金の返済による支出49億円などの資金減少要因が、長期借入れによる収入46億円などの資金増加要因を上回ったことにより、184億円の資金減少(前連結会計年度は225億円の資金減少)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループが営んでいる事業の大部分を占める土木事業、建築事業及びグループ事業の一部では生産実績を定義することが困難であり、これらの事業においては請負形態をとっているため、販売実績という定義は実態にそぐいません。

よって、受注及び販売の実績については、可能な限り「(1)経営成績等の状況の概要」において報告セグメントの種類に関連付けて記載しています。

 

なお、参考のため個別の事業の実績は次のとおりです。

建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績

a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

 

期別

区分

前期繰越
工事高

(百万円)

当期受注
工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成
工事高

(百万円)

次期繰越
工事高

(百万円)

前事業年度

自 2021年4月1日

至 2022年3月31日

土木工事

(329,717)

329,815

122,593

452,408

132,264

320,144

建築工事

(189,606)

189,815

187,250

377,065

178,526

198,538

合計

(519,324)

519,630

309,843

829,474

310,790

518,683

当事業年度

自 2022年4月1日

至 2023年3月31日

土木工事

(320,144)

320,293

103,274

423,568

133,430

290,138

建築工事

(198,538)

199,189

244,946

444,135

206,203

237,931

合計

(518,683)

519,483

348,220

867,704

339,634

528,070

 

(注) 1.前期繰越工事高の上段( )内表示額は、期首における前期末の次期繰越工事高を表し、下段表示額は為替の影響を受ける海外工事について換算修正したものです。

2.前期繰越工事で、契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

3.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。

 

b.受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

 

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

自 2021年4月1日

至 2022年3月31日

土木工事

18.5

81.5

100.0

建築工事

43.3

56.7

100.0

当事業年度

自 2022年4月1日

至 2023年3月31日

土木工事

30.8

69.2

100.0

建築工事

22.8

77.2

100.0

 

(注) 百分比は請負金額比です。

 

 

c.完成工事高

期別

区分

国内

海外

(B)

(百万円)

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

(A)

(百万円)

(A)/(B)

(%)

前事業年度

自 2021年4月1日

至 2022年3月31日

土木工事

76,435

48,200

7,627

5.8

132,264

建築工事

26,661

144,758

7,106

4.0

178,526

合計

103,097

192,959

14,733

4.7

310,790

当事業年度

自 2022年4月1日

至 2023年3月31日

土木工事

77,905

48,299

7,225

5.4

133,430

建築工事

33,387

152,339

20,476

9.9

206,203

合計

111,292

200,638

27,702

8.2

339,634

 

(注) 1.海外工事の地域別割合は、次のとおりです。

地域

前事業年度(%)

当事業年度(%)

北米

26.3

49.9

東南アジア

26.6

31.1

中近東・アフリカ

1.7

0.2

中南米

12.0

6.5

南アジア

33.4

12.3

100.0

100.0

 

2.完成工事のうち主なものは、次のとおりです。

前事業年度の主なもの

岩手県

 二級河川大槌川筋大槌の1地区ほか河川災害復旧
(23災617号及び622号)水門土木工事

ラオス電力公社

ナムグム第一水力発電所拡張計画LOT.1

国土交通省中国地方整備局

玉島笠岡道路六条院トンネル工事

ディエイチ・アセット・ワン特定目的会社

(仮称)Dプロジェクト江東深川新築工事

日本中央競馬会

中山競馬場スタンドリフレッシュ(第2期)工事

学校法人福山大学

福山大学未来創造館新築工事その他工事

 

当事業年度の主なもの

東京発電株式会社

土樽発電所水車発電機他改良工事(土木・建築工事)

国土交通省関東地方整備局

山清路防災1号トンネル工事  

セントルシア国インフラ・港湾・エネルギー・労働省

セントルシア カルデサック流域橋梁架け替え計画  

つくば市

3-4国債(仮称)研究学園小学校・中学校建設工事

Sumi Vietnam Wiring Systems Co., Ltd.

住友電装(SVWS)ベトナム第3工場建設工事

東京都

東京都東村山福祉園(2)改築工事

 

3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりです。

前事業年度

該当する相手先はありません。

当事業年度

該当する相手先はありません。

 

 

d.手持工事高(2023年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

土木工事

128,244

161,894

290,138

建築工事

83,732

154,199

237,931

合計

211,976

316,093

528,070

 

(注) 手持工事のうち主なもの

東日本高速道路株式会社

東京外かく環状道路 東名ジャンクションランプシールドトンネル・地中拡幅(南行)工事  

東青地域県民局

駒込ダム本体建設工事 

ネパール連邦民主共和国公共インフラ交通省道路局

ネパール ナグドゥンガ・トンネル建設計画   

つくばファシリティ特定目的会社

(仮称)LFつくば新築計画 

荒尾市民病院

荒尾市民病院新病院建設工事 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において判断したものです。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。

この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債並びに収益・費用の数値に影響を与える見積り、判断が一定の会計基準の範囲内で行われています。これらの見積り等については、継続して評価し、事象の変化等により必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等  (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。

 

完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の計上

完成工事高及び完成工事原価の計上は、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識する方法を適用しています。履行義務の充足に係る進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価総額に占める割合に基づいて行っています。

また、工事原価総額の見積りが工事収益総額を上回る可能性が高く、かつ、その損失見込額を合理的に算定できる場合、当該損失見込額を損失が見込まれた期に工事損失引当金として計上しています。

なお、工事原価総額には、過去の工事の施工実績を基礎として、個々の案件に特有の状況を織り込んでおり、決算日ごとに見直していますが、外注価格及び資機材価格の高騰、手直し等による施工中の追加原価の発生など想定外の事象により工事原価総額が増加した場合は、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症により影響を受ける重要な見積り項目はありません。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

(ⅰ) 財政状態

当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末より226億円増加し、3,180億円となりました。これは現金預金95億円の増加が、機械、運搬具及び工具器具備品16億円の減少を上回ったことによります。

負債につきましては、前連結会計年度末より230億円増加し、1,766億円となりました。これは未成工事受入金150億円の増加が、火災損害等損失引当金39億円の減少を上回ったことによります。

純資産につきましては、前連結会計年度末より3億円減少し、1,413億円となりました。これは自己株式を取得したことによる自己株式106億円の増加(純資産の減少)が、利益剰余金の増加85億円を上回ったことによります。

(ⅱ) 経営成績

売上高は、完成工事高が前連結会計年度比9.4%増加となったこと等により、前連結会計年度比9.4%増加3,721億円となり、売上総利益は、一部の大型工事において採算が悪化したこと等により、前連結会計年度比10.3%減少420億円となりました。

営業利益は完成工事総利益が減少したことを主因とし、前連結会計年度比25.4%減少198億円となりました。

営業外収支は、前連結会計年度に比べ為替差益の計上及び持分法による投資損失の減少等により5億円改善したものの、営業利益の減少により、経常利益は196億円と前連結会計年度比24.1%の減少となりました。

特別損益は、前連結会計年度に比べ受取損害賠償金の計上等により31億円増加しました。

以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は151億円(前連結会計年度比14.1%の減少)となり、前連結会計年度に比べ24億円の減益という結果となりました。

(ⅲ) キャッシュ・フローの状況

現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、期首残高と比較して95億円増加し、743億円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び要因は次のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益222億円の計上、未成工事受入金の増加150億円などの資金増加要因が、売上債権の増加46億円、未収消費税等の増加37億円などの資金減少要因を上回ったことにより、322億円の資金増加(前連結会計年度は360億円の資金減少)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券及び投資有価証券の取得による支出30億円、有形固定資産の取得による支出29億円などの資金減少要因が、定期預金の払戻による収入14億円などの資金増加要因を上回ったことにより、47億円の資金減少(前連結会計年度は45億円の資金減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出106億円、配当金の支払額66億円、長期借入金の返済による支出49億円などの資金減少要因が、長期借入れによる収入46億円などの資金増加要因を上回ったことにより、184億円の資金減少(前連結会計年度は225億円の資金減少)となりました。

b.経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの本業である建設産業は、景気動向の影響を受けやすい傾向にあります。

今後の事業環境につきましては、ウィズコロナの下で持ち直していくことが期待されますが、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価・エネルギー価格の上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
 建設業界では、政府建設投資は底堅く推移し、民間建設投資は回復基調が継続しました。一方で、資材価格等の高騰の影響は続いており、今後も注視が必要な状況となっています。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

(ⅰ) 資金需要

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、本業である建設事業の生産活動に必要な運転資金、販売費及び一般管理費、事業用資産の取得、維持・更新にかかる設備投資資金、研究開発投資等です。

(ⅱ) 財務政策

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入と社債の発行により資金調達を行っています。

長期借入金、社債等の長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の返済時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施しています。

当社においては、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行とコミットメントライン(特定融資枠)契約(300億円)を締結しています。なお、当連結会計年度末において、コミットメントライン契約による借入残高はありません。

また、長期借入金の一部については、金利変動リスクを回避するため、金利スワップ取引を利用しています。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2022年3月期から2023年3月期までの株主還元方針

項目

2022年3月期から2023年3月期までの目標数値

2022年3月期から2023年3月期までの

実績

総還元性向

2期累計で100%以上

 (還元総額350億円以上)

2期累計で117.2%

 

自己株式取得

2期累計で250億円以上※

2期累計で250億円

配当

年40円

 (2021年3月期の年30円より10円

増配)

年40円

自己株式消却

19,322,200株

 (消却前の発行済株式の総数に対する割合9.64%)

19,322,200株

 

 ※2021年4月~10月の取得額51億円を含む

 

中期経営計画(2021.3期-2023.3期)目標数値と計画期間中の実績

 

2023年3月期

目標数値

(計画最終期)

2023年3月期

実績

(連結)

 

 

経常利益

300億円

196億円

ROE

12.0%

10.8%

総還元性向

(拡充後)

2022年3月期及び2023年3月期の

2期累計100%以上

2022年3月期及び2023年3月期の

2期累計117.2%

 

 

 新型コロナウイルス感染症拡大や地政学リスクに起因する資材高など、様々な想定外の事業に伴う建設市場の変化もあり、計画最終期である当連結会計年度の経常利益やROEは計画未達となりましたが、2021年11月の株主還元方針拡充後の総還元性向目標は達成しました。

 

 

     (参考)2023年3月期の年度事業計画と実績の差異

 

2023年3月期計画

2023年3月期実績

売上高

3,770億円

3,721億円

経常利益

231億円

196億円

 

 

  売上高につきましては、一部の大型工事の進捗率が当初想定を下回ったことにより、計画数値を下回りました。

 売上高の未達に加え、一部の海外土木工事において採算が悪化したこと、前連結会計年度に完成した国内土木工事において、補修工事費用の発生が見込まれたため完成工事補償引当金を計上したこと、一部の国内建築工事において労務・資材価格の高騰や想定以上の工程促進費用の発生等により採算が低下したこと、さらに、販売費及び一般管理費について、人件費や営業経費が計画数値を上回ったため、経常利益は計画数値を下回りました。
 

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(土木事業)

受注高は、前連結会計年度比15.8%減少1,032億円となりました。完成工事高は、国内大型工事が順調に進捗したことなどから、前連結会計年度比1.1%増加1,334億円となりました。営業利益は、一部工事の採算性の悪化や、補修工事発生に起因した完成工事補償引当金の計上などにより、前連結会計年度比5.2%減少149億円となりました。

当社個別の完成工事総利益率は、前期実績から0.3ポイント減少し、15.9%となりました。

(建築事業)

受注高は、前連結会計年度比30.8%増加2,449億円となりました。完成工事高は、国内大型工事が順調に進捗したことなどから、前連結会計年度比15.5%増加2,061億円となりました。営業利益は、一部工事の採算性の悪化などにより、前連結会計年度比29.6%減少93億円となりました。

当社個別の完成工事総利益率は、前期実績から3.2ポイント減少し、8.4%となりました。

土木事業及び建築事業に係るセグメント資産は、現金預金の増加などにより、前連結会計年度末から94億円増加1,841億円となりました。

(グループ事業)

売上高は274億円(前連結会計年度比10.6%増加)、営業利益は15億円(前連結会計年度比35.8%減少)となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末から37億円減少383億円となりました。

(その他)

売上高は51億円(前連結会計年度比1.8%増加)、営業利益は2億円(前連結会計年度比65.0%減少)となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末から3億円増加78億円となりました。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社

 

 

 

 

 

2023年3月31日現在

事業所名

(所在地)

セグメント

の名称

帳簿価額(百万円)

従業員数

(人)

建物・

構築物

(賃借料)

機械・
運搬具・
工具器具
備品

土地

リース

資産

合計

土地:㎡

(賃借面積)

金額

(賃借料)

本社他

(東京都港区)(注)4

土木事業及び

建築事業

3,458

(1,021)

764

125,726

(40,290)

5,459

(48)

144

9,826

1,977

技術研究所

(茨城県つくば市)(注)5

土木事業及び

建築事業

4,038

157

47,234

(20,536)

3,540

(28)

7,736

85

東北支店

(仙台市青葉区)

土木事業及び

建築事業

19

(25)

12

1,517

1,200

1,231

368

名古屋支店

(名古屋市中区)

土木事業及び

建築事業

409

45

4,264

886

1,341

257

大阪支店

(大阪市福島区)

土木事業及び

建築事業

480

41

4,795

698

3

1,224

254

広島支店

(広島市中区)

土木事業及び

建築事業

0

(9)

4

18,414

204

209

78

九州支店

(福岡市中央区)

土木事業及び

建築事業

162

5

1,108

713

1

882

264

 

 

(2) 国内子会社

 

 

 

 

 

2023年3月31日現在

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

帳簿価額(百万円)

従業員数

(人)

建物・

構築物

(賃借料)

機械・
運搬具・
工具器具
備品

土地

リース

資産

合計

土地:㎡

(賃借面積)

金額

(賃借料)

安藤ハザマ
興業㈱

本社他

(東京都江東区)

グループ事業

457

755

73,625

1,012

1

2,226

128

青山機工㈱

本社他

(東京都台東区)

グループ事業

23

541

2,980

14

578

113

菱晃開発㈱

本社他

(東京都港区)

グループ事業

1,432

0

1,686

1,756

3,188

19

 

 

 

(3) 在外子会社

 

 

 

 

 

2023年3月31日現在

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

帳簿価額(百万円)

従業員数

(人)

建物・

構築物

(賃借料)

機械・
運搬具・
工具器具
備品

土地

リース

資産

合計

土地:㎡

(賃借面積)

金額

(賃借料)

ハザマアンドウ(タイランド)

本社他

(タイ
バンコク市)

グループ事業

(4)

3

3

57

ハザマアンドウムリンダ

本社他

(インドネシア
ジャカルタ市)

グループ事業

(4)

2

3

5

24

ベトナムディベロップメントコンストラクション

本社他

(ベトナム
ホーチミン市)

グループ事業

(2)

3

3

53

 

(注) 1.帳簿価額に建設仮勘定は含みません。

2.提出会社は、土木事業及び建築事業を営んでおり、大半の設備はこれら事業において共通的に使用されているので、セグメントに分類せず、主要な事業所ごとに一括して記載しています。

3.土地及び建物の一部を連結会社以外から賃借しています。建物については当連結会計年度の賃借料を「建物・構築物」欄の( )内に外書きしています。また、土地については、「土地」欄の( )内に賃借面積及び当連結会計年度の賃借料を外書きしています。

4.提出会社の本社には、国際事業本部、LCS事業本部、東京支店、関東支店を含んでいます。

5.提出会社の技術研究所は、建設事業における施工技術などの研究開発施設です。他の施設は、提出会社・子会社ともに事業用施設(事務所ビル他)です。

6.主要な土地・建物で賃貸中の重要なものはありません。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

400,000,000

400,000,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在

発行数(株)

(2023年3月31日)

提出日現在

発行数(株)

(2023年6月29日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

181,021,197

181,021,197

東京証券取引所
 プライム市場

単元株式数は100株

181,021,197

181,021,197

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

    該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数

(千株)

発行済株式
総数残高

(千株)

資本金増減額

 

(百万円)

資本金残高

 

(百万円)

資本準備金
増減額

(百万円)

資本準備金
残高

(百万円)

 2018年4月1日~

 2019年3月31日(注)1

13,183

200,343

4,354

17,006

4,354

17,123

2021年11月30日(注)2

△19,322

181,021

17,006

17,123

 

(注) 1. 2019年満期円貨建取得条項付転換社債型新株予約権付社債の新株予約権の権利行使により、発行済株式総数残高が13,183千株、資本金残高が4,354百万円、資本準備金残高が4,354百万円増加しています。

2.自己株式の消却により、発行済株式総数残高が19,322千株減少しています。

 

 

(5) 【所有者別状況】

 

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

41

44

452

210

16

25,079

25,842

所有株式数
(単元)

492,214

48,010

131,870

618,056

291

517,961

1,808,402

180,997

所有株式数
の割合(%)

27.22

2.65

7.29

34.18

0.02

28.64

100.00

 

(注) 1.自己株式23,215,839株は、「個人その他」に232,158単元及び「単元未満株式の状況」に39株含めて記載しています。なお、自己株式の実質保有株式数は株主名簿と一致しています。また、当該自己株式には、役員報酬BIP信託が所有する株式628,754株及び株式付与ESOP信託が所有する株式706,400株は含まれていません。

2.「その他の法人」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が177単元含まれています。

 

(6) 【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(千株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

日本マスタートラスト信託銀行株式会社

東京都港区浜松町二丁目11番3号

23,470

14.87

NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE UKUC UCITS CLIENTS NON LENDING 10PCT TREATY ACCOUNT
 (常任代理人 香港上海銀行東京支店)

50 BANK STREET CANARY WHARF LONDON E14 5NT, UK
 (東京都中央区日本橋三丁目11番1号)

7,580

4.80

株式会社日本カストディ銀行

東京都中央区晴海一丁目8番12号

7,559

4.79

安藤ハザマグループ取引先持株会

東京都港区東新橋一丁目9番1号

7,247

4.59

MSIP CLIENT SECURITIES
(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)

25 Cabot Square, Canary Wharf, London E14 4QA, U.K.
 (東京都千代田区大手町一丁目9番7号 大手町フィナンシャルシティ サウスタワー)

6,519

4.13

BNP PARIBAS LONDON BRANCH FOR PRIME BROKERAGE CLEARANCE ACC FOR THIRD PARTY
 (常任代理人 香港上海銀行東京支店)

 10 HAREWOOD AVENUE LONDON NW1 6AA
 (東京都中央区日本橋三丁目11番1号) 

4,985

3.16

株式会社みずほ銀行

東京都千代田区大手町一丁目5番5号

4,476

2.84

STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

 P.O. BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02101 U.S.A.
(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟)  

4,147

2.63

THE BANK OF NEW YORK MELLON 140044
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

 240 GREENWICH STREET, NEW YORK, NY 10286, U.S.A.
(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟) 

3,461

2.19

BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)
(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)

PETERBOROUGH COURT 133 FLEET STREET LONDON EC4A 2BB UNITED KINGDOM
(東京都千代田区丸の内二丁目7番1号 決済事業部)

3,110

1.97

72,557

45.98

 

(注) 1.当社は、自己株式23,215,839株を保有していますが、上記大株主からは除いています。

2.持株比率は、自己株式を控除して計算しています。

 

 

3.上記の持株数のうち、日本マスタートラスト信託銀行株式会社及び株式会社カストディ銀行については、信託業務に係る株式数を把握していません。

4.日本マスタートラスト信託銀行株式会社の持株数には、役員報酬BIP信託口の株式数(628,754株)及び株式付与ESOP信託口の株式数(706,400株)は含まれていません。

5.2022年4月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、株式会社みずほ銀行及びその共同保有者が2022年4月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないので、上記大株主の状況には含めていません。

なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりです。

氏名又は名称

住所

所有株式数
(千株)

発行済株式
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

株式会社みずほ銀行

東京都千代田区大手町一丁目5番5号

4,476

2.47

みずほ証券株式会社

東京都千代田区大手町一丁目5番1号

220

0.12

アセットマネジメントOne

株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目8番2号

6,598

3.65

合計

11,295

6.24

 

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金預金

66,080

75,597

 

 

受取手形・完成工事未収入金等

※5 140,431

※5 145,094

 

 

未成工事支出金

4,075

※3 3,667

 

 

その他の棚卸資産

7,930

7,079

 

 

その他

※2 9,567

※2 14,101

 

 

貸倒引当金

14

160

 

 

流動資産合計

228,070

245,379

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物・構築物

※2,※4 22,894

※2,※4 23,489

 

 

 

機械、運搬具及び工具器具備品

※4 12,879

※4 11,251

 

 

 

土地

※2 15,852

※2,※4 15,486

 

 

 

その他

1,961

3,253

 

 

 

減価償却累計額

23,400

22,125

 

 

 

有形固定資産合計

30,186

31,355

 

 

無形固定資産

1,542

1,610

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※1,※2 20,960

※1,※2 25,020

 

 

 

長期貸付金

※2 73

※2 62

 

 

 

繰延税金資産

7,091

6,455

 

 

 

退職給付に係る資産

2,546

3,518

 

 

 

その他

※1,※2 4,862

※1,※2 5,081

 

 

 

貸倒引当金

1

470

 

 

 

投資その他の資産合計

35,532

39,668

 

 

固定資産合計

67,262

72,634

 

資産合計

295,332

318,014

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

工事未払金等

47,134

54,474

 

 

短期借入金

※2 16,676

※2 16,489

 

 

1年内償還予定の社債

237

127

 

 

未払法人税等

3,071

3,962

 

 

未成工事受入金

※6 18,237

※6 33,268

 

 

預り金

34,038

40,873

 

 

完成工事補償引当金

1,442

2,784

 

 

賞与引当金

2,690

2,883

 

 

工事損失引当金

595

※3 653

 

 

火災損害等損失引当金

3,921

 

 

その他

※6 12,343

※6 8,700

 

 

流動負債合計

140,388

164,217

 

固定負債

 

 

 

 

社債

162

35

 

 

長期借入金

※2 7,640

※2 7,463

 

 

繰延税金負債

37

31

 

 

退職給付に係る負債

3,816

3,198

 

 

環境対策引当金

138

138

 

 

役員株式給付引当金

162

207

 

 

従業員株式給付引当金

303

 

 

その他

1,302

1,092

 

 

固定負債合計

13,261

12,472

 

負債合計

153,650

176,689

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

17,006

17,006

 

 

資本剰余金

17,058

17,058

 

 

利益剰余金

114,124

122,656

 

 

自己株式

10,422

21,106

 

 

株主資本合計

137,766

135,614

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

2,996

3,845

 

 

繰延ヘッジ損益

345

178

 

 

為替換算調整勘定

85

203

 

 

退職給付に係る調整累計額

417

644

 

 

その他の包括利益累計額合計

3,154

4,871

 

非支配株主持分

761

839

 

純資産合計

141,682

141,324

負債純資産合計

295,332

318,014

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

 

 

 

完成工事高

※7 316,153

※7 345,858

 

その他の事業売上高

※7 24,139

※7 26,288

 

売上高合計

340,293

372,146

売上原価

 

 

 

完成工事原価

※1 273,098

※1 306,530

 

その他の事業売上原価

※3 20,332

※3 23,592

 

売上原価合計

293,431

330,122

売上総利益

 

 

 

完成工事総利益

43,054

39,327

 

その他の事業総利益

3,806

2,695

 

売上総利益合計

46,861

42,023

販売費及び一般管理費

※2,※3 20,261

※2,※3 22,170

営業利益

26,600

19,853

営業外収益

 

 

 

受取利息

25

73

 

受取配当金

291

374

 

為替差益

329

 

受取遅延損害金

166

 

その他

343

223

 

営業外収益合計

827

1,001

営業外費用

 

 

 

支払利息

320

350

 

持分法による投資損失

273

53

 

為替差損

104

 

支払手数料

154

187

 

損害賠償金

376

428

 

その他

359

227

 

営業外費用合計

1,588

1,246

経常利益

25,838

19,608

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

特別利益

 

 

 

受取損害賠償金

2,700

 

火災損害等損失引当金戻入額

305

 

補助金収入

67

94

 

固定資産売却益

※4 63

 

投資有価証券売却益

241

179

 

特別利益合計

308

3,344

特別損失

 

 

 

火災損害等損失

180

 

減損損失

※6 75

 

固定資産圧縮損

66

90

 

固定資産売却損

※5 18

 

固定資産除却損

115

73

 

投資有価証券評価損

27

71

 

本社移転費用

306

338

 

訴訟関連損失

42

3

 

特別損失合計

757

653

税金等調整前当期純利益

25,390

22,299

法人税、住民税及び事業税

6,768

6,978

法人税等調整額

949

142

法人税等合計

7,717

7,120

当期純利益

17,672

15,178

非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△)

1

9

親会社株主に帰属する当期純利益

17,671

15,187

 

1 報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象になっています。

当社グループは建設事業を主な事業とし、さらに各事業に関連する事業活動を展開していますが、総合建設業を営む当社においては建設事業を土木事業と建築事業に区分し、その受注生産について国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。また、グループ事業については、連結子会社が当社と連携を取りながら各社毎に戦略を立て事業活動を行っています。

したがって、当社は、土木、建築及び連結子会社を基礎とした事業別のセグメントから構成され、「土木事業」、「建築事業」及び連結子会社6社を集約した「グループ事業」の3つを報告セグメントとしています。

各報告セグメントの事業内容は、以下のとおりです。

・土木事業  :提出会社の国内外の土木工事全般に関する事業

・建築事業  :提出会社の国内外の建築工事全般に関する事業

・グループ事業:連結子会社における建設用資材の販売及びリースや土木及び建築工事の施工等

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金預金

56,845

64,940

 

 

受取手形

3,937

984

 

 

電子記録債権

2,855

2,083

 

 

完成工事未収入金

131,736

140,426

 

 

その他事業未収入金

764

631

 

 

販売用不動産

504

504

 

 

未成工事支出金

4,420

3,488

 

 

その他事業支出金

903

988

 

 

材料貯蔵品

2

1

 

 

前払費用

57

60

 

 

その他

※2 8,896

※2 13,341

 

 

貸倒引当金

14

159

 

 

流動資産合計

210,910

227,292

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

17,495

18,110

 

 

 

 

減価償却累計額

9,914

9,788

 

 

 

 

建物(純額)

※3 7,580

※3 8,321

 

 

 

構築物

2,113

2,056

 

 

 

 

減価償却累計額

1,788

1,764

 

 

 

 

構築物(純額)

324

291

 

 

 

機械及び装置

3,850

2,931

 

 

 

 

減価償却累計額

3,263

2,469

 

 

 

 

機械及び装置(純額)

※3 586

※3 461

 

 

 

車両運搬具

174

165

 

 

 

 

減価償却累計額

151

144

 

 

 

 

車両運搬具(純額)

23

20

 

 

 

工具器具・備品

3,787

3,313

 

 

 

 

減価償却累計額

3,360

2,760

 

 

 

 

工具器具・備品(純額)

426

552

 

 

 

土地

12,979

12,704

 

 

 

リース資産

408

471

 

 

 

 

減価償却累計額

188

220

 

 

 

 

リース資産(純額)

220

250

 

 

 

建設仮勘定

1,658

2,893

 

 

 

有形固定資産合計

23,800

25,496

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

借地権

106

106

 

 

 

ソフトウエア

989

982

 

 

 

その他

190

253

 

 

 

無形固定資産合計

1,285

1,341

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※2 20,680

※2 24,641

 

 

 

関係会社株式

※2 2,679

※2 2,785

 

 

 

出資金

25

25

 

 

 

関係会社出資金

※2 1,987

※2 1,987

 

 

 

長期貸付金

9

5

 

 

 

従業員に対する長期貸付金

1

 

 

 

関係会社長期貸付金

※2 1,783

※2 1,719

 

 

 

破産更生債権等

1

470

 

 

 

長期前払費用

52

85

 

 

 

前払年金費用

2,167

3,244

 

 

 

繰延税金資産

6,638

6,027

 

 

 

その他

3,098

2,384

 

 

 

貸倒引当金

1

472

 

 

 

投資その他の資産合計

39,123

42,905

 

 

固定資産合計

64,209

69,742

 

資産合計

275,120

297,035

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

工事未払金

※1 48,401

※1 55,295

 

 

その他事業未払金

※1 342

※1 355

 

 

短期借入金

16,590

16,403

 

 

1年内償還予定の社債

237

127

 

 

リース債務

82

91

 

 

未払金

4,719

2,712

 

 

未払費用

35

38

 

 

未払法人税等

2,500

3,698

 

 

未成工事受入金

17,599

32,113

 

 

その他事業受入金

284

601

 

 

預り金

32,452

38,396

 

 

前受収益

2

2

 

 

完成工事補償引当金

1,440

2,781

 

 

賞与引当金

2,567

2,752

 

 

工事損失引当金

594

622

 

 

火災損害等損失引当金

3,921

 

 

その他

872

469

 

 

流動負債合計

132,644

156,462

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

 

固定負債

 

 

 

 

社債

162

35

 

 

長期借入金

7,254

7,163

 

 

リース債務

153

177

 

 

退職給付引当金

2,989

2,874

 

 

環境対策引当金

138

138

 

 

役員株式給付引当金

162

207

 

 

従業員株式給付引当金

303

 

 

資産除去債務

565

535

 

 

その他

317

355

 

 

固定負債合計

11,744

11,792

 

負債合計

144,389

168,255

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

17,006

17,006

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

17,123

17,123

 

 

 

資本剰余金合計

17,123

17,123

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

特定株式積立金

25

 

 

 

 

繰越利益剰余金

104,033

111,937

 

 

 

利益剰余金合計

104,058

111,937

 

 

自己株式

10,422

21,106

 

 

株主資本合計

127,765

124,960

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

2,965

3,818

 

 

評価・換算差額等合計

2,965

3,818

 

純資産合計

130,730

128,779

負債純資産合計

275,120

297,035

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

 

 

 

完成工事高

310,790

339,634

 

その他の事業売上高

5,077

5,170

 

売上高合計

315,867

344,804

売上原価

 

 

 

完成工事原価

※1 268,700

※1 301,159

 

その他の事業売上原価

※1 4,422

※1 4,882

 

売上原価合計

273,123

306,041

売上総利益

 

 

 

完成工事総利益

42,090

38,474

 

その他の事業総利益

654

288

 

売上総利益合計

42,744

38,762

販売費及び一般管理費

 

 

 

役員報酬

257

284

 

役員株式給付引当金繰入額

64

52

 

従業員給料手当

5,500

5,911

 

賞与引当金繰入額

1,963

2,163

 

従業員株式給付引当金繰入額

92

 

退職給付費用

450

409

 

法定福利費

1,126

1,225

 

福利厚生費

397

407

 

修繕維持費

253

230

 

事務用品費

402

478

 

通信交通費

976

1,104

 

動力用水光熱費

84

107

 

調査研究費

2,923

3,105

 

広告宣伝費

165

181

 

貸倒引当金繰入額

1

615

 

貸倒損失

12

 

交際費

199

304

 

寄付金

64

70

 

地代家賃

869

782

 

減価償却費

1,117

983

 

租税公課

987

959

 

保険料

97

162

 

雑費

725

850

 

販売費及び一般管理費合計

18,629

20,497

営業利益

24,114

18,264

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

営業外収益

 

 

 

受取利息

24

70

 

受取配当金

※1 563

※1 702

 

為替差益

331

 

受取遅延損害金

166

 

その他

353

224

 

営業外収益合計

1,107

1,329

営業外費用

 

 

 

支払利息

306

340

 

社債利息

5

3

 

支払手数料

154

187

 

為替差損

100

 

損害賠償金

376

428

 

その他

337

201

 

営業外費用合計

1,281

1,160

経常利益

23,939

18,433

特別利益

 

 

 

受取損害賠償金

2,700

 

火災損害等損失引当金戻入額

305

 

補助金収入

27

 

固定資産売却益

※2 55

 

投資有価証券売却益

241

179

 

特別利益合計

268

3,241

特別損失

 

 

 

火災損害等損失

180

 

固定資産圧縮損

27

 

減損損失

75

 

投資有価証券評価損

27

71

 

本社移転費用

306

338

 

訴訟関連損失

42

3

 

固定資産除却損

107

66

 

特別損失合計

691

555

税引前当期純利益

23,517

21,119

法人税、住民税及び事業税

5,942

6,363

法人税等調整額

1,016

221

法人税等合計

6,958

6,584

当期純利益

16,558

14,535