日清オイリオグループ株式会社
The Nisshin OilliO Group, Ltd.
中央区新川一丁目23番1号
証券コード:26020
業界:食料品
有価証券報告書の提出日:2023年6月23日

(1) 連結経営指標等

回次

第147期

第148期

第149期

第150期

第151期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

343,059

333,416

336,306

432,778

556,565

経常利益

(百万円)

13,716

12,634

13,836

12,648

16,242

親会社株主に帰属する
当期純利益

(百万円)

9,044

8,293

9,244

8,595

11,157

包括利益

(百万円)

8,851

5,962

10,607

13,833

9,958

純資産

(百万円)

149,099

149,324

153,259

164,314

171,418

総資産

(百万円)

265,285

277,425

292,154

344,506

374,453

1株当たり純資産額

(円)

4,088.42

4,177.69

4,491.81

4,820.49

5,015.63

1株当たり当期純利益

(円)

264.96

244.66

278.34

265.24

344.25

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

52.6

50.2

49.8

45.3

43.4

自己資本利益率

(%)

6.6

5.9

6.5

5.7

7.0

株価収益率

(倍)

12.34

14.92

11.73

10.74

9.44

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

20,718

22,421

6,340

26,631

398

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

11,270

14,242

14,626

9,327

6,143

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

16,949

2,244

5,814

34,473

6,342

現金及び現金同等物の
期末残高

(百万円)

13,140

23,552

9,256

7,875

10,899

従業員数

(名)

2,786

2,900

3,001

2,987

3,001

(389)

(381)

(408)

(360)

(356)

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため、記載しておりません。

2 従業員数は就業人員であります。なお、従業員数欄の(外書)は、臨時従業員数の年間平均雇用人数であります。

3 第147期より、取締役等に対し、信託を用いた株式報酬制度「株式交付信託」を導入しております。「1株当たり当期純利益」の算定上の基礎となる期中平均株式数には、その計算において控除する自己株式に当該信託口が保有する当社株式を含めております。また、「1株当たり純資産額」の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。

4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第150期の期首から適用しており、第150期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第147期

第148期

第149期

第150期

第151期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

215,765

212,213

214,230

269,826

356,062

経常利益

(百万円)

8,292

10,058

10,785

5,160

8,851

当期純利益

(百万円)

5,704

7,347

7,866

4,149

6,382

資本金

(百万円)

16,332

16,332

16,332

16,332

16,332

発行済株式総数

(千株)

34,667

34,667

34,667

33,716

33,716

純資産

(百万円)

111,658

111,215

115,810

119,412

119,068

総資産

(百万円)

211,209

219,547

232,698

267,725

294,101

1株当たり純資産額

(円)

3,268.68

3,331.94

3,571.28

3,681.82

3,671.00

1株当たり配当額
(内1株当たり中間配当額)

(円)

80.00

80.00

80.00

90.00

120.00

(円)

(35.00)

(40.00)

(40.00)

(45.00)

(45.00)

1株当たり当期純利益

(円)

166.99

216.62

236.68

127.95

196.77

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

52.9

50.7

49.8

44.6

40.5

自己資本利益率

(%)

5.2

6.6

6.9

3.5

5.4

株価収益率

(倍)

19.58

16.85

13.79

22.27

16.52

配当性向

(%)

47.9

36.9

33.8

70.3

61.0

従業員数

(名)

1,168

(115)

1,196

(116)

1,234

(132)

1,254

(137)

1,251

(150)

株主総利回り

(%)

114.5

130.2

119.8

108.6

126.5

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(94.9)

(85.9)

(122.1)

(124.5)

(131.8)

最高株価

(円)

3,650

4,130

3,650

3,290

3,510

最低株価

(円)

2,858

2,914

2,906

2,768

2,832

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため、記載しておりません。

2 従業員数は就業人員であります。なお、従業員数欄の(外書)は、臨時従業員数の年間平均雇用人数であります。

3 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

4 第147期より、取締役等に対し、信託を用いた株式報酬制度「株式交付信託」を導入しております。「1株当たり当期純利益」の算定上の基礎となる期中平均株式数には、その計算において控除する自己株式に当該信託口が保有する当社株式を含めております。また、「1株当たり純資産額」の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。

5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第150期の期首から適用しており、第150期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

1907年3月

日清豆粕製造株式会社の名称で創立し、東京市に本社、大連に支店および工場を開設。大豆油および大豆粕の製造加工並びに貿易を行う。

1918年7月

社名を「日清製油株式会社」に改め横浜市所在の松下豆粕製造所を合併。従来の大豆単一製造から各種植物油脂および油粕等を多角的に製造加工する総合植物油脂産業に発展。

1945年5月

戦災により横浜工場を焼失。終戦により大連工場その他の在外資産を喪失。その後、那須疎開工場、山梨醸造工場により操業を継続。

1947年8月

日清商事株式会社設立。

1947年10月

リノール油脂株式会社(当時  東濱油脂化学工業株式会社)設立。

1949年1月

横浜工場を再建し、操業を開始。

1949年4月

北海製油株式会社を合併、当社小樽工場となる。

1949年6月

東京証券取引所市場第一部に上場。

1953年8月

神戸工場操業開始。小樽工場を廃止、小樽出張所となる。

1954年6月

大阪支店を開設。

1955年9月

大阪証券取引所市場第一部に上場。

1957年6月

名古屋出張所を開設。1969年5月営業所、1977年9月支店となる。(2023年4月東海北陸支店に改称)

1958年11月

小樽出張所を廃止して札幌出張所を開設。1969年5月営業所、1973年12月支店となる。(2016年10月北海道支店に改称)

1959年1月

セッツ株式会社(当時 攝津製油株式会社 2020年4月より現社名)の経営に参画。

1959年4月

研究所を開設。

1959年12月

福岡出張所を開設。1969年5月営業所、1977年9月支店となる。(2016年10月九州支店に改称)

1960年4月

仙台出張所を開設。1969年5月営業所、1977年9月支店となる。(2016年10月東北支店に改称)

1963年11月

横浜根岸湾埋立地において横浜磯子工場操業開始。横浜工場を横浜神奈川工場に改称。

1969年5月

リノール油脂株式会社の経営に参画。

1969年5月

横浜営業所を開設。1988年1月支店となる。(1993年3月神静支店に改称)

1969年6月

広島出張所を開設。1977年9月営業所、1984年2月支店となる。(2023年4月中四国支店に改称)

1969年9月

株式会社マーケティングフォースジャパン設立(当時  日清サラダ油株式会社  1999年4月より現社名)。

1970年4月

高崎出張所を開設。1984年2月高崎出張所を廃止して関東信越支店を開設。

1973年9月

横浜神奈川工場を廃止。

1975年11月

ニッシンサービス株式会社設立。

1980年8月

ニッコー製油株式会社設立および経営に参画。

1983年3月

食品営業本部を設置。東京支店を開設。

1983年8月

日清ファイナンス株式会社設立。

1984年7月

株式会社ゴルフジョイ設立。

1988年4月

日清サイロ株式会社設立。

1988年9月

日本と中国の合弁企業として大連日清製油有限公司に関わる契約を調印。

1990年9月

大連日清製油有限公司の工場操業開始。

1991年4月

本社社屋新築工事竣工。

1992年7月

日清サイロ株式会社とニッシンサービス株式会社を合併して社名を日清物流株式会社に変更。

1994年11月

株式会社NSP(当時  日本ソフトウェアプランニング株式会社  1995年8月より現社名)の経営に参画。

1995年10月

研究所を横須賀市へ移転。横浜神奈川事業所を開設。

1995年10月

和弘食品株式会社と業務提携。

 

 

 

1996年3月

東京支店と神静支店を統合し、東京支店となる。

1998年1月

堺事業場の工場操業開始。

1998年3月

国際的な品質マネジメントシステムである「ISO9001」の認証を取得。

1999年3月

神戸工場を廃止。

1999年4月

堺事業場の第二期工事が完了し、本格稼働を開始する。

2000年9月

国際的な環境マネジメントシステムである「ISO14001」の認証を取得。

2001年10月

日清商事株式会社が久保株式会社と合併。

2002年4月

リノール油脂株式会社およびニッコー製油株式会社それぞれとの間で両社を完全子会社とする株式交換を実施。

2002年10月

分社型の新設分割を行い、当社の営業の全部を承継させる日清オイリオ株式会社を設立。当社は、純粋持株会社となり、会社名を「日清製油株式会社」から「日清オイリオグループ株式会社」に変更。

2003年10月

日清奥利友(中国)投資有限公司設立。

2004年7月

日清オイリオ株式会社、リノール油脂株式会社およびニッコー製油株式会社を吸収合併。

2005年3月

大連北良地区における大連日清製油有限公司の第2工場が操業を開始。

2005年11月

Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.の株式を取得し経営に参画。

2007年3月

創立100周年。

2007年9月

株式会社ピエトロと業務提携。

2009年3月

大東カカオ株式会社の株式を取得し経営に参画。

2010年5月

株式会社日清商会の株式を取得し経営に参画。

2011年7月

Industrial Quimica Lasem, S.A.U.の株式を取得し経営に参画。

2014年3月

大連日清製油有限公司の出資持分の51%を中国食品大手のCOFCOグループに譲渡し、会社名を「中糧日清(大連)有限公司」として再スタート。

2015年8月

日清奥利友(上海)国際貿易有限公司設立。

2016年12月

研究所を横浜磯子事業場へ移転。同事業場内に技術開発センターを開設。

2017年2月

大東カカオ株式会社とサリムグループの合弁会社PT Indoagri Daitocacao設立。

2017年5月

セッツ株式会社を完全子会社とする株式交換を実施。

2017年7月

Intercontinental Specialty Fats (Shanghai) Co.,Ltd.設立。

2018年5月

Intercontinental Specialty Fats (Italy) S.r.l.(当時  Atici S.r.l.  2019年4月より現社名)の株式を取得し経営に参画。

2019年7月

PT Indoagri Daitocacao工場の工事が完了し、本格稼働を開始する。

2020年1月

国内生産4拠点の食品製造ラインにてFSSC22000の認証を取得。

2021年3月

気候関連財務情報開示(TCFD)の提言に賛同。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行。

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、子会社23社、関連会社13社およびその他の関係会社1社で構成され、油脂事業、加工食品・素材事業、ファインケミカル事業を主な事業とし、さらに食品の販売促進および人材の派遣、情報システムの開発保守、スポーツ施設の経営、損害保険代理、不動産賃貸等の事業活動を展開しております。

当社グループの事業に係る位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、その他の関係会社1社とは、下記のセグメントの内、主に油脂事業、加工食品・素材事業、ファインケミカル事業で原料、食品、油脂、油粕等の売買を行っております。

 

〔油脂事業〕

(油脂・油糧)

当社が食品、油脂製品および油粕製品の製造販売を行っております。販売においては、食品、油脂製品および油粕製品の販売の一部を連結子会社である日清商事㈱、㈱日清商会、セッツ㈱および上海日清油脂有限投資公司、関連会社である幸商事㈱を通じて、それぞれ行っております。また、物流においては、輸入原材料の入出庫に係る港湾荷役および製品物流を日清物流㈱が行っております。関連会社である中糧日清(大連)有限公司が油脂製品・油粕製品の製造販売を行っております。

上記以外の会社で、油脂・油糧事業を営んでいる関連会社は1社であります。

 

(加工油脂)

当社および連結子会社であるIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.が加工油脂製品の製造販売を、Intercontinental Specialty Fats (Italy) S.r.l.が加工油脂製品の製造販売および精製受託を、Intercontinental Specialty Fats (Shanghai)Co., Ltdが加工油脂製品の販売を、関連会社である統清股フン有限公司および張家港統清食品有限公司が加工油脂製品の製造販売を行っております。

また、当社の製造において、Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.より加工油脂製品の一部を輸入しております。

上記以外の会社で、加工油脂事業を営んでいる子会社は1社であります。

 

〔加工食品・素材事業〕

当社がMCT(中鎖脂肪酸)関連食品、醸造用ミール、高齢者・介護関連食品およびドレッシング・マヨネーズ類等の製造販売を行っております。

 連結子会社である大東カカオ㈱およびT. & C. Manufacturing Co., Pte. Ltd.がチョコレート関連製品の製造販売を、PT Indoagri Daitocacaoが業務用チョコレートの製造販売を、㈱日清商会が食品大豆および醸造用ミールの販売を行っております。また、関連会社である㈱ピエトロはドレッシング等の食品製造販売および飲食店経営を、和弘食品㈱が麺類用スープ・天然エキス等の製造販売を行っております。

上記以外の会社で、加工食品・素材事業を営んでいる子会社は3社、関連会社は5社であります。

 

〔ファインケミカル事業〕

当社が化粧品原料、化学品等の製造販売を、連結子会社であるIndustrial Quimica Lasem, S.A.U.が化粧品原料等の製造販売を、日清奥利友(上海)国際貿易有限公司が化粧品原料等の販売を行っております。また、セッツ㈱が化成品の製造販売を行っております。

 

〔その他〕

当社が不動産賃貸業を、連結子会社である㈱NSPが情報システムの開発保守を、㈱マーケティングフォースジャパンが食品の販売促進等を、㈱ゴルフジョイがゴルフ練習場の経営を、日清ファイナンス㈱が損害保険代理業を行っております

上記以外の会社でその他事業を営んでいる子会社は2社、関連会社は1社であります。

 


 

4 【関係会社の状況】

2023年3月31日現在

名称

住所

資本金又は
出資金
(百万円)

主要な事業
の内容

議決権の
所有(被所有)割合

関係内容

所有割合(%)

被所有割合(%)

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 

セッツ㈱

大阪府
堺市西区

310

油脂および
ファインケミカル事業

100.0

借入金      有
役員の兼任  有

日清商事㈱
  (注3,4,7)

東京都中央区

99

油脂事業

48.3

(2.7)

借入金      有

役員の兼任  有

日清物流㈱

神奈川県
横浜市磯子区

100

油脂事業

100.0

借入金      有
役員の兼任  有

㈱NSP

神奈川県
横浜市中区

99

その他

100.0

借入金      有

大東カカオ㈱

東京都目黒区

1,586

加工食品・素材事業

61.2

貸付金      有
役員の兼任  有

㈱日清商会

栃木県宇都宮市

75

油脂および加工食品・素材事業

100.0

貸付金      有

㈱マーケティング
フォースジャパン

東京都中央区

10

その他

100.0

借入金      有

役員の兼任  有

日清ファイナンス㈱
  (注7)

東京都中央区

73

その他

100.0
(70.0)

借入金      有

㈱ゴルフジョイ

神奈川県
横浜市神奈川区

10

その他

100.0

借入金      有

上海日清油脂有限公司
  (注7)

中国上海市

千米ドル
15,900

油脂事業

100.0
(54.7)

役員の兼任  有

日清奥利友(中国)
投資有限公司
  (注3)

中国上海市

千米ドル
50,537

加工食品・素材事業

100.0

役員の兼任  有

日清奥利友(上海)
国際貿易有限公司

中国上海市

千米ドル
2,800

ファインケミカル事業

100.0

役員の兼任  有

Intercontinental
Specialty Fats Sdn. Bhd.
  (注3,8)

マレーシア
セランゴール州

千マレーシア
リンギット
85,860

油脂事業

100.0

貸付金      有
役員の兼任  有

Industrial Quimica
Lasem, S.A.U.

スペイン

バルセロナ県

千ユーロ
10,543

ファインケミカル事業

100.0

貸付金      有

役員の兼任  有

T. & C. Manufacturing Co., Pte. Ltd.
  (注7)

シンガポール

千シンガポール
ドル
8,577

加工食品・素材事業

99.9
(99.9)

PT Indoagri Daitocacao
  (注3,7)

インドネシア

西ジャワ州

百万インド

ネシアルピア

606,339

加工食品・素材事業

51.0
(51.0)

Intercontinental Specialty Fats (Shanghai) Co.,Ltd.
  (注7)

中国上海市

千米ドル
1,500

油脂事業

100.0
(100.0)

Intercontinental Specialty Fats (Italy) S.r.l.

  (注7)

イタリア

リグーリア州

千ユーロ 

 3,240

油脂事業

70.0

(70.0)

 

 

 

名称

住所

資本金又は
出資金
(百万円)

主要な事業
の内容

議決権の
所有(被所有)割合

関係内容

所有割合(%)

被所有割合(%)

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

 

㈱ピエトロ
  (注5,6)

福岡県
福岡市中央区

1,042

加工食品・素材事業

17.4

和弘食品㈱
  (注5,6)

北海道小樽市

1,413

加工食品・素材事業

19.3

幸商事㈱

東京都中央区

100

油脂事業

32.1

0.2

中糧日清(大連)有限公司
  (注7)

中国遼寧省

千米ドル
77,540

油脂事業

49.0
(31.8)

役員の兼任  有

統清股フン有限公司

台湾台南市

千台湾ドル
120,000

油脂事業

44.0

役員の兼任  有

張家港統清食品有限公司
  (注7)

中国江蘇省

千米ドル
17,000

油脂事業

30.0
(10.0)

役員の兼任  有

 

 

名称

住所

資本金又は
出資金
(百万円)

主要な事業
の内容

議決権の
所有割合(%)

議決権の
被所有割合(%)

関係内容

(その他の関係会社)

 

 

 

 

 

 

丸紅㈱
  (注6)

東京都千代田区

263,324

内外物資の輸入
および販売業

0.0

16.0

油脂事業、加工食品・素材事業、ファインケミカル事業で、原料、食品、油脂、油粕等の売買を行っております。

 

(注) 1 主要な事業の内容欄には、主としてセグメントの名称を記載しております。

2 当社の連結子会社であったヤマキウ運輸株式会社は2023年3月に清算結了したため、連結の範囲から除外しております。

3 日清商事㈱、日清奥利友(中国)投資有限公司、Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.、PT Indoagri Daitocacaoは特定子会社に該当しております。

4 日清商事㈱の持分は100分の50未満でありますが、実質的な影響力をもっているため連結子会社としております。

5 ㈱ピエトロおよび和弘食品㈱の持分は100分の20未満でありますが、実質的な影響力を持っているため関連会社としております。

6 有価証券報告書を提出している会社は、㈱ピエトロ、和弘食品㈱および丸紅㈱であります。

7 (  )内は間接所有割合(内書)であります。

8 Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.については売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

Intercontinental Specialty
Fats Sdn. Bhd.

(千マレーシア
リンギット)

(百万円)

①売上高

3,693,740

112,548

②経常利益

182,732

5,567

③当期純利益

141,131

4,300

④純資産

888,029

26,705

⑤総資産

1,517,663

45,764

 

 

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

2023年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

油脂事業

1,865

 

(179)

加工食品・素材事業

444

 

(86)

ファインケミカル事業

306

 

(26)

その他

240

 

(42)

全社

146

 

(23)

合計

3,001

 

(356)

 

    (注)  従業員数は就業人員であります。なお、(外書)は臨時従業員数の年間平均雇用人数であります。

 

(2) 提出会社の状況

2023年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,251

42.1

18.4

7,213,786

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

油脂事業

939

 

(114)

加工食品・素材事業

65

 

(4)

ファインケミカル事業

101

 

(9)

全社

146

 

(23)

合計

1,251

 

(150)

 

   (注) 1  従業員数は就業人員であります。なお、(外書)は臨時従業員数の年間平均雇用人数であります。

   2  平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループの労働組合は、日清オイリオグループ労働組合、セッツ労働組合が組織されております。
 組合との交渉はすべて円満に推移しており、特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金差異

  ① 提出会社

2023年3月31日現在

名称

管理職に占める女性労働者の割合(注1)

男性労働者の育児

休業取得率(注2)

労働者の男女の賃金差異(注3)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期雇用労働者

日清オイリオ

グループ㈱

6.3%

70.0%

66.9%

70.7%

49.4%

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、2023年4月1日時点で算出したものであり、出向者は出向元の労働者として集計しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出(「2022年度において雇用する男性労働者のうち育児休業等を取得した者の数」÷「2022年度において雇用する男性労働者のうち配偶者が出産した者の数」)したものであり、出向者は出向元の労働者として集計しております。

3.男女の賃金差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであり、男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合を示しております。なお、「正規雇用労働者」について、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。また、「パート・有期雇用労働者」について、同一労働の賃金に差はなく、定年退職再雇用者やパートタイマーといった雇用形態別人数構成の差によるものであります。

 

② 連結子会社

2023年3月31日現在

名称

管理職に占める女性労働者の割合(注1)

男性労働者の育児

休業取得率(注2)

労働者の男女の賃金差異(注3)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期雇用労働者

大東カカオ㈱

13.8%

100.0%

80.0%

83.9%

70.4%

セッツ㈱

6.5%

150.0%

㈱NSP

8.0%

80.0%

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、2023年4月1日時点で算出したものであり、出向者は出向元の労働者として集計しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合(「2022年度において雇用する男性労働者のうち育児休業等を取得した者の数」÷「2022年度において雇用する男性労働者のうち配偶者が出産した者の数」)を算出したものであり、出向者は出向元の労働者として集計しております。なお、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づく雇用管理区分ごとの算出・公表は行っておりません。

3.男女の賃金差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであり、男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合を示しております。なお、セッツ㈱及び㈱NSPについては、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づく公表を行っておりません。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社の経営理念は、次のとおりです。

1.企業価値の追求と、その最大化を通じた人々・社会・経済の発展への貢献
2.「おいしさ・健康・美」の追求をコアコンセプトとする創造性、発展性ある事業への飽くなき探求
3.社会の一員としての責任ある行動の徹底 

 

ステークホルダーの皆様へお約束するコンセプトとして、「コアプロミス」を次のとおり定めています。

日清オイリオグループは、健康的で幸福な「美しい生活」(Well-being)を提案・創造いたします。そのために私たちは、無限の可能性をもつ植物資源と、最高の技術によって、あなたにとって、あったらいいなと思う商品・サービスを市場に先駆けて創り続け、社会に貢献することを約束いたします。

 

また、今般作成した「日清オイリオグループビジョン2030」において「2030年に目指す姿」を次のとおり

定めております。

私たちは、“植物のチカラ®”と“油脂をさらに究めた強み”で、食の新たな機能を生み出すプラットフォームの役割を担います。そして多様な価値を創造し、“生きるエネルギー”をすべての人にお届けする企業グループになります。

 

当社グループは、従来以上に事業活動による価値創造を通じて社会の持続可能性に貢献してまいります。

「ビジョン2030」策定時に、当社グループが2030年に目指す姿に至るために、行動の基本とするValues

(「真摯な姿勢」「つながる」「究める」「切り拓く」「しなやかに強く」)を定めました。また、理念を

実践していくための行動指針である「日清オイリオグループ行動規範」を2022年4月1日付で改訂しています。

 

日清オイリオグループ理念体系は次のとおりです。


 

(2) 中長期的な会社の経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 日清オイリオグループビジョン2030

近年、当社グループを取り巻く環境は、地球規模での環境課題の累積、新型コロナウイルス感染症の発生と蔓延、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻など地政学的なリスクの顕在化、国内における少子高齢化の急速な進展など大きな変化の渦中にあります。そしてこれらも反映した世界的な消費・生活行動の変容や一層の多様化の進展など、従来のビジネスのやり方やモノの考え方が大きく変化しています。さらに、企業市民として、今まで以上に持続可能な社会「サステナビリティ」に貢献していくことが求められています。

このようななか、2021年3月に策定した「ビジョン2030」で示した「2030年に目指す姿」と「戦略の指針」に沿って、当社グループは、社会課題の解決を通じた、多様な共有価値の創造(CSV)を成長のドライバーとすることで、将来にわたって持続的に成長し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

日清オイリオグループビジョン2030の概要

 

 


 

 

 

“植物のチカラ®”を価値創造の原点として私たちが生み出す商品・サービスを「生きるエネルギー」と定義し、

2030年に向けて当社は、「生きるエネルギー」をすべての人にお届けする企業グループになることを目指します。

〇生きるエネルギー

生きるために必要な根源的なエネルギー

おいしい食事で人を元気にするエネルギー

栄養機能で人を健康にするエネルギー

美を演出し活力を与えるエネルギー

油脂と相乗効果を発揮する素材・技術・事業から生み出されるエネルギー

 

また、「生きるエネルギー」をすべての人にお届けするためには、油脂を素材として提供するだけでなく、当社グループが持つ強みを活かして他の食品メーカーや素材メーカーなどと一緒に価値を共創することが非常に重要であると考えています。生活を支えるあらゆるチャネルでお客さまとの接点を持っている強みにより、社会課題解決のためのプラットフォームの役割を担うことで可能になると考えています。

 

2021年度~2024年度 中期経営計画「Value Up+」

「ビジョン2030」で目指す姿に向けた最初の4年間(2021年度から2024年度まで)を対象とした中期経営計画「Value Up+」の基本方針を「もっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループに変革する」とし、マーケティング、テクノロジー、グローバリゼーションを基調とし、CSVを成長ドライバーに据え、これまで以上に成長路線を加速してまいります。

 

中期経営計画「Value Up+」の位置づけ

 

 


 

 

 目標とする経営指標

「Value Up+」最終年度である2024年度の経営目標について、営業利益は、非常に厳しいコスト環境のなかでもさらなる価格改定の実現と新たな価値創造を通じて170億円を目指します。また、ROEも当初計画どおり8.0%とします。

また、「Value Up+」においては資本効率性の改善を重要な目標にしており、ROICを経営目標に加え、2024年度の計画を4.6%とし、今まで以上に資本コストを意識したマネジメントを行ってまいります。なお、営業キャッシュフローについては急激な原料コスト上昇に伴う運転資金の増加により、4年間の累計額を修正計画の500億円から400億円に下方修正いたします。2023年度の経営目標については、営業利益160億円、ROE7%、ROIC4.4%としています。

※中期経営計画「Value Up+」の経営目標は、現時点で入手可能な情報や、合理的と判断した一定の前提に基づいて策定した計画・目標であり、潜在的なリスクや不確実性などを含んでいることから、その達成や将来の業績を保証するものではありません。また実際の業績等も当中期経営計画とは大きく異なる結果となる可能性がありますので、当中期経営計画のみに依拠して投資判断を下すことはお控え下さい。

 

「Value Up+」経営目標実現に向けたKPI管理のフレームワーク(達成チャート)

3年目となる中期経営計画「Value Up+」では、成長性、積極投資、持続性、効率性の観点から、経営目標実現に向けた戦略を推進するフレームワークである「達成チャート」のもと、戦略におけるKPIの進捗状況を把握し、計画達成に向け着実に進めてまいります。このなかには「ビジョン2030」のCSV目標も包含しています。

 


※成長性における売上高の目標は、原材料価格の高騰を受けた販売価格の改定の影響を含まない、価値創造による売上拡大の金額

 

 

「達成チャート」の成長性においては、売上拡大を目指す領域別に、BtoC、BtoB、BtoBtoCの3つの目標を掲げております。これらの目標は価値創造と密接に関連し、CSVを成長ドライバーとする「Value Up+」の収益拡大における中心的なKPIと取組みを示しています。

BtoCにおいては、「油脂の価値向上」や「付加価値商品の拡販」に取り組んでまいります。研究面では、脂肪燃焼体質やフレイル・プレフレイルなどの領域での健康エビデンスの確立や、油脂による食品への乳感・塩味・うまみの付与など、おいしさの意図的創発の取組みを推進することで、その成果を独創的な商品開発につなげていきます。また、食用油における新しいカテゴリーとして味つけオイルの市場の育成を図ります。クッキングオイルについても、当社の技術をベースに、「吸油が少ない」「少量使い」といった新たな価値を提供する商品を販売し、収益性を高めてまいります。

BtoBにおいては、国内外で販売を拡大してまいります。国内の業務用や加工用を中心とするフードサービス分野では、お客さまとの多様な接点のなかでの当社グループの提案力、開拓力、物流力、サポート力の強みを活かします。海外では、マレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn.Bhd.(ISF社)を中心に、グローバルに事業を行っているチョコレートメーカーなどへのチョコレート用油脂を中心とするスペシャリティオイル&ファッツの販売を積極的に拡大してまいります。また、化粧品油剤では、テクニカルサポート機能の拡充などを通じて、グローバル市場でシェアを一層高めてまいります。

BtoBtoCにおいては、加工食品メーカー、流通と商品の共同開発を行うとともに、積極的にメディアを活用して油脂の栄養機能についての認知度を高めるなど、共創の取組みを拡げていきます。現在、取組みを進めているMCTの脂肪燃焼機能を訴求した機能性マーケティングにおいては、多様なユーザーにMCTの価値を知っていただくことで、加工食品など多様な売り場でMCT採用商品を増やしてきました。今後は、フレイル・プレフレイル対策など、他の機能へ訴求の対象を広げていきたいと考えています。

 

そして、「Value Up+」の経営目標を実現するために、積極的な投資を行ってまいります。現在、当社横浜磯子事業場で建設が進行中の「インキュベーション機能の強化・実装」に関する投資は、お客さまとの価値共創を通じて当社のコアコンピタンスである油脂を磨きあげ、油脂加工技術を究めることを目的としています。2024年度の設備の完成とともに、お客さまとの共創が開始できるよう準備を進めています。また、ISF社におけるチョコレート用油脂を中心とするスペシャリティオイル&ファッツの生産能力拡充投資や、当社名古屋工場をはじめとした生産拠点のスマートファクトリー化、堺工場のサステナビリティセンター化構想についても着実に進めてまいります。さらに、設備や情報システムなどの投資に加え、人材、研究開発、知的財産などの無形資産への投資も重要と考えており、特に組織能力の強化・開発を進めていく観点から人材への投資を積極的に実施してまいります。

また、従業員の心身の健康、働きがい、生産性の向上を目的として、経営トップが最高責任者となり健康経営を強力に進めており、「健康経営優良法人2023~ホワイト500~」に認定されております。引き続き従業員の健康保持・増進に積極的に取組んでまいります。

持続性の観点では、環境とサプライチェーンが大きなテーマです。「日清オイリオグループビジョン2030」の「地球環境」や「信頼でつながるサプライチェーン」などで掲げたCSV目標の達成に向け、しっかり取り組んでまいります。2022年度は、大豆とカカオの調達方針を策定し、自社ホームページにて公開しました。また、人権尊重への取組みとして、人権デュー・ディリジェンスを開始しました。2022年度は、グループ会社代表者を対象に、外部講師を招いての講演会の開催や、セルフモニタリング調査(SAQ(Self-Assesment Questionnaire))を実施しました。今後も引き続き、取引先の皆様などと協力して、サプライチェーン全体を対象として人権尊重の取組みを進めてまいります。

効率性の観点については、資本収益性の向上は最優先で取り組むべき課題であるとの認識から、ROICを経営目標として設定し、営業利益と投下資本の両面から改善を進めています。新たな価格の均衡点の形成にチャレンジするとともに、付加価値商品の構成比の向上やチョコレート用油脂を中心としたスペシャリティオイル&ファッツ、チョコレート、化粧品油剤など、付加価値型事業の構成比の向上に取組みます。また、非効率または不稼働の固定資産圧縮や政策保有株式の売却、キャッシュコンバージョンサイクルの改善に努め、資本の効率性を高めてまいります。

 

(3) 経営環境、課題及び対応

世界経済については、新型コロナウイルス感染症の影響が終息に向かい、消費者心理が改善、国境を越えた人の移動が進むなど、緩やかながら回復が期待されています。一方で、下振れの懸念材料として、物価上昇に応じた中央銀行による金融引き締め、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化などの地政学リスク、人手不足、資源・エネルギー価格の高騰、継続するサプライチェーン(供給網)の混乱などが、今後の世界経済に重要な影響を与えると考えられます。

国内においては、2023年5月に新型コロナウイルスが感染法上の第5類に移行し、特例的な措置や制限が撤廃され、水際対策が終了することによるインバウンド需要の増加や外食・観光需要の喚起による景気の緩やかな回復が期待されています。一方で、資源価格や原材料価格の高騰による物価上昇が個人消費を抑制し、景気の下振れを引き起こす可能性があります。

当社グループへの影響が大きい大豆、菜種、パーム油などの原材料については、生産量の回復が見込まれているものの、世界的なコロナ禍による需要減退からの回復やバイオ燃料消費の拡大、サプライチェーン混乱の長期化、またオリーブ油においては産地での天候不順もあり、購買価格は高値圏で推移するものと想定しております。

このような事業環境下、当社グループは、長期的な視点で目指すべき姿と戦略の指針を示す「日清オイリオグループビジョン2030」を策定し、その実現に向け、2021年度から2024年度の当初4か年の中期経営計画「Value Up+」に取り組んでおります。この中期経営計画では、これまでよりもっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループに変革していくための戦略、施策を実行しております。

2023年度は、国内油脂市場の付加価値化・ソリューションの強化、原料コストに見合った適正な販売価格の形成・維持、スペシャリティオイル&ファッツのグローバル市場での販売拡大、アフターコロナの中での油脂需要の回復や消費者動向の変化への対応などの課題にしっかりと取り組んでまいります。

 

 

 各事業の状況については、次のとおりです。

 

[油脂事業]

(油脂・油糧)

国内の油脂事業においては、主要原料相場、為替相場、物流費、資材費、エネルギーコスト、将来コスト・社会的コスト等を踏まえたうえで適正な販売価格を設定し、人々の暮らしや食品産業を支えるための安定供給が求められています。

ホームユースにおいて、当社はキャノーラ油のみならず、オリーブオイル、アマニ油などにおいても高い市場シェアを有しており、「かけるオイル」などの油脂の新しい使い方や油脂の栄養・健康機能を積極的に提案・紹介するなどして需要を喚起し、市場の拡大を牽引しています。国内市場は過去最大規模を更新しており、2022年度は年間で1,800億円(当社推計)を超える水準となっています。

業務用および加工用では、レストランなどの外食、コンビニエンスストア・量販店などの中食、製菓・製パンや加工食品業界などに向けた販売を行っております。競争の激しい市場環境ではありますが、ユーザーとのニーズ協働発掘型営業によるソリューション提案で需要を創造し、収益の獲得、拡大につなげております。

大豆、菜種を主原料とする商品については、バイオ燃料向けの需要の増加や、世界的に旺盛な油脂需要の拡大、主要産地の天候悪化による生産量の減少等による原料価格高騰の影響を受け、2021年度の4回の価格改定に続き、2022年度2回の価格改定を行いました。加えて、オリーブオイル、ごま油、こめ油等についても、需給逼迫や物流費、ユーティリティコストの高止まり等により、2回の価格改定を行いました。

ミールについては、国内の需給などの影響もありますが、国内の販売価格が国際価格と連動した販売を行っています。

中長期的には、国内の人口減少による油脂消費量の減少が見込まれることもあり、一層の合理化、効率化が必要と考えております。こうした環境が見通される中、2021年度より株式会社J-オイルミルズ社と国内搾油機能の全国統合を見据えた搾油合弁会社設立に関する検討を続け、2022年度に搾油機能の全国統合および西日本エリアにおける搾油合弁会社設立に関する基本合意に至りました。

また、脂質栄養の知見を活かした幅広い商品の開発や情報発信により、油脂を通じた価値創造を推進してまいります。

 

(加工油脂)

パーム油を活用したチョコレート用油脂を中心とするスペシャリティオイル&ファッツをグローバルに販売するマレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.(以下、ISF社)と日本国内での製菓・製パン向けにショートニングやマーガリンなどを製造販売する事業から構成されます。ISF社はパーム油の分別・精製における高度な技術を有しており、欧州などの高い品質基準を要求する顧客を中心に付加価値品の拡販に努めています。

チョコレート用油脂については、ロシア・ウクライナ情勢悪化の長期化による原料相場の高騰や将来的なチョコレート用油脂原料の調達への懸念はありますが、複数の手段を組み合わせて、必要な数量を適正価格で調達できるよう努めてまいります。

短期的にはチョコレート市場の成長鈍化などの影響を受けると考えていますが、中長期的にはチョコレートおよびチョコレート用油脂の需要は堅調に増加すると考えております。

 

[加工食品・素材事業]

チョコレート関連事業、ドレッシングなどの調味料、MCTを中心とした機能素材・食品、大豆素材・食品から構成されます。

チョコレートについては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けるものの、土産物需要は徐々に回復しつつあり、中長期的にはアジアの中間所得層の増加による、市場の拡大を見込んでいます。

調味料においては、おいしさの追求やアマニ油、MCTオイルなどの健康訴求油脂への関心の高まりなどを背景に油脂の機能を活かした商品開発および販売を展開してまいります。

機能素材・食品においてはMCTの脂肪燃焼やフレイル対策など、健康機能の高さを引き続き啓発し、機能性素材マーケティングによる売上拡大を目指してまいります。

 

大豆素材・食品においてはプラントベースドフードの市場拡大も見据え、大豆たんぱくの供給にとどまらず、油脂の活用による食感、おいしさなどのソリューションの提供を強化してまいります。

 

[ファインケミカル事業]

化粧品用の原料である油剤を主力商品としており、多くの国内化粧品メーカーや、欧米の大手化粧品メーカーと長期にわたり取引を行っております。国内ではコロナ禍からの需要回復が遅れておりますが、2022年度は、欧州子会社での化粧品油剤の販売が大きく増加しました。また、原材価格の高騰を踏まえた価格改定にも積極的に取組みました。

世界の化粧品市場は、中長期的にはアジアを中心に中間所得層の増加が見込まれるエリアでの成長により拡大しています。国内でも、アフターコロナを見据えた国内需要の高まりやインバウンド需要に対応した拡販に取り組んでまいります。

環境・衛生においては食の環境を中心とする衛生管理事業や植物資源を活用して環境に好影響を与える商品・サービスの開発を進めてまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

 

(1) リスクマネジメントの考え方

当社グループでは、「ビジョン2030」や中期経営計画「Value Up+」で目指す姿の実現や当社が取り組む事業に対してネガティブな影響を及ぼす不確実性を「リスク」と定義し、リスクコントロールを行っています。リスクマネジメントに対する主体的な取組みを通じて、企業として安定した収益を上げるだけでなく、社会的責任を果たすことを通じて更なる企業価値の向上と発展を目指すことを目的としています。リスクマネジメント体制については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 (b) リスク管理体制の整備の状況」をご参照ください。

 

(2) 当社グループにおける重要リスクについて

以下は、リスクマップの中から、リスクマネジメント委員会で選定した当社グループの重要リスクを示しています。

 


 

  なお、重要なリスク認識については、連結財務諸表「連結注記表 追加情報(ロシア・ウクライナ情勢による当社グループへの影響について)」をご参照下さい。

 

当社グループの重要リスクの内容と対応については次のとおりです。

なお、文中においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

 

 

 

重要リスクの内容

対応

① 為替相場および原材料相場の変動

 当社グループでは、油脂事業および加工食品・素材事業における原材料である大豆、菜種、カカオ等は全量海外から輸入しております。また、マレーシアをはじめ東南アジア、欧州等において海外事業展開を行っております。このため、当社グループは原材料コストや外貨建てでの販売、外貨での借入金残高などにかかる為替変動リスクを有しており、為替相場の変動により業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 原材料においては、原材料国際価格の相場変動リスクに加え、原油価格高騰などに伴う輸送コスト等の変動リスクを有しております。原材料価格は当社グループのコストにとって重要な部分を占めることから、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼします。

 

 当社グループでは、「デリバティブ・商品先物取引等管理規程」等の規定に則った為替予約、先物市場を利用したヘッジ取引を機動的に行うことで当該リスクに対応しています。なお、ヘッジ取引の実施状況については、当社執行役員会にて四半期に一度、情報の共有化とモニタリングを実施しております。

 さらに原料価格に見合った販売価格の適正化、製造費等のコスト削減などを実施することにより価格変動による影響の抑制を図っています。

 

② 国内外の製品市況の変動

 特に油脂事業の販売におきましては、国内外の製品市況の変動による影響があります。油脂および油粕製品の国内販売価格は国際市況に概ね連動いたします。また、海外からの製品輸入動向が国内販売価格への影響要因となる可能性もあります。これら国内外の製品市況の変動が顕在化した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼします。

 

 

 当社グループでは、国内外の製品市況の変動に応じてコスト等に見合う適正な価格での販売に努めています。(2022年度は油脂製品の価格改定を2回実施)

また、高付加価値商品の拡販に取組み、徐々にその構成比を上げています。売上原価と販売価格の変動にタイムラグが生じる等の場合もありますが、当該リスクの業績への影響の低減に努めております。

 当社執行役員会では、毎月、経営計画の進捗管理を行っており、必要な施策の実施につなげております。

③ 地震・津波、異常気象(風水害等)

 地震・津波に加え、近年異常気象による風水害等のリスクが年々高まっていると認識しております。このようなリスクにより、従業員の安全面をはじめ、生産拠点の製造設備、物流設備、インフラ等に被害が生じた場合、サプライチェーンの要所への影響から製品の安定供給に支障が生じ、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

 

 当社グループでは、地震・津波等の災害発生時対策として、従業員等の安否を確認する安否確認システムおよび東日本大震災の経験を踏まえて策定したBCP(事業継続計画)を構築し、随時見直しを行っています。並行して、従業員等の安全および生産体制の基盤強化のため設備面で耐震補強を進めるとともに、護岸・電力調達における地震対策の強化も行っています。

 また、総合防災訓練や教育を定期的に実施するとともに、近年の異常気象による風水害等のリスク軽減についても重要な課題とし、減災の取組みも含め、推進しております。

 これらの対策を超える甚大な影響のある事象についても継続して検証を行い、可能な限り被害を最小化するとともに、保険の付保を行い、当社グループの業績および財政状態への影響を低減することに努めております。

④ 品質関連(食の安全性について)

 食品の品質および安全性についての社会的関心の高まりから、より一層厳格な品質管理体制が求められております。品質問題が発生した場合は、当社グループへの信頼や業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 当社執行役員会が設置する品質マネジメント委員会にてグループにおける品質保証に関する方針、施策の審議および実行の確認を行っており、国内の主要工場におきましては、ISO9001の認証および食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であるFSSC22000の認証を取得し、一部の製造工程ではGMP認証を得るなど、厳しい品質保証体制を構築しております。

⑤ 原材料の調達におけるリスク

 当社グループの製品に必要な原材料のなかでも、特に油脂事業および加工食品・素材事業における大豆、菜種およびカカオなどの主要原料やオリーブ油およびパーム油をはじめとした原料油脂の調達環境が悪化し、十分な量の原材料が調達できない場合や、当社グループが求める品質・安全性を充たした原材料を確保できない場合には、製品の安定供給における多大なリスクが生じ、当社グループへの信頼や業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 世界の人口増加や各地で頻発する異常気象等による食糧需給の不透明感は年々高まりつつあり、また、原材料の生産国における政策動向、地政学リスクの高まり等によっては供給が不安定化するリスクもありますので、細心の注意を要します。

 

 当社グループは、干ばつなど天候の影響、生産国での政策動向、地政学リスクの高まり等による原料の調達環境の変化にも対応できるよう、原料および原料油脂ともに生産国やサプライヤーの複線化により、安定的な調達に努めております。

 特に調達環境の動向が見通しにくい状況下においては、期先までの需要を見据えた調達、在庫確保に努めております。

 なお、安全性が確保された原材料を調達するため、新規の産地・サプライヤーの原材料購買を行う場合には分析や現地視察などによる安全性評価を実施するとともに、既存の購買原材料についても定期的な安全性評価の実施や、原料産地の情報収集を行うことで、安全・安心な原材料の確保に努めております。

 

 

 

重要リスクの内容

対応

⑥ 気候変動・環境に関するリスク

 地球温暖化対策や海洋プラスチックごみ問題などが今日的な課題として注目を浴びており、これらの課題に対応できない場合、当社グループへの信頼や業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 植物資源を事業のベースとする当社グループにとって、地球環境や資源の保護は事業の持続性そのものと考え、脱炭素社会、循環型社会の実現に向けて以下の取組みを行っています。

<気候変動対応>

・2030年までにCO2排出量を31%(2016年度比)削減するための戦略ロードマップを策定し、グループ全体で削減のための施策を推進

・国内生産拠点にて新規に導入した設備投資の効果などによりScope1、2における2022年度のCO2排出量削減を8.6%削減(速報値/2016年度比)

・グループの主要な生産拠点に太陽光発電を導入

<持続可能なパーム油調達への取組み>

・「パーム油調達方針」に基づく、持続可能性に配慮した認証パーム油の調達とトレーサブルで透明性のあるサプライチェーン構築に向け、アクションプランを策定して取組みを推進

<プラスチック容器・包装の削減>

プラスチック容器について、当社ホームユース製品の一部にバイオポリ容器を導入

・横浜磯子工場における新たな環境対応型PET容器の充填ライン増強投資を決定

⑦ 人権に関するリスク

 当社グループおよび調達先が人権問題を起こしたり、人権上問題のある調達を行った場合、当社グループへの信頼や業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

2022年に策定した日清オイリオグループ人権方針について、グループ会社への周知を図りました。また、ISFにおいて、Labour and Human Rights Policyを策定しました。

2023年度は、人権デューディリジェンスの仕組みの構築や苦情処理体制の整備に取り組んでまいります。

⑧ 消費者ニーズの変化への対応

 近年の消費者ニーズの変化は非常に早く、かつ多様化しており当社グループが認識する前に消費者のニーズが変化する可能性があります。また、認識しても対応できない可能性があり、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

 

消費者ニーズの変化については、常に早期に把握するように努めておりますが、例えば、次のような対応を行いました。

2022年度は油脂価格の高騰により、従来、調理用としてキャノーラ油を購入していたユーザーが、価格優位性のある大豆油ブレンド品に急速にシフトしたため、早期に生産・供給体制を整え、安定した製品供給を実現しました。また、2021年度から続く油脂価格の高騰により加工食品メーカー等で、油脂の使用量を減らす動きが発生しました。こうした動きを機会と捉え、ユーザーへのソリューション提案をさらに強化しました。

デジタル技術を活用した顧客接点強化の取組みとしては、ウェルネス食品領域におけるインバウンド型営業体制の強化のため、医療従事者専用ホームページの「メディカルサポートサイト」を開設しました。

⑨ 海外拠点の運営に関するリスク

 当社グループは、日本国内のみならず、東南アジア、欧州等の国および地域において事業を展開しております。以下のような事象は、特に海外事業展開においては、リスクとなります。

ⅰ法律等の諸規制の予期せぬ制定または改廃

ⅱ不測の政治的・経済的事象の発生

ⅲテロ、紛争等による社会的混乱および

その他の地政学リスク

 これらの事象が発生した場合には当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 当社グループにおきましては、これらのリスクを最小限に留めるべく、情報収集に努め、危機管理体制のなかで的確かつ迅速に対応してまいります。

 

 

 

 

重要リスクの内容

対応

⑩ 伝染病、感染症等

(新型コロナウイルス感染症への対応)

 伝染病、感染症等が流行し、従業員等の感染、外部委託先も含めた事業活動の制限、原材料の調達不足等によりサプライチェーンの要所に影響が生じることから製品の安定供給に支障が生じ、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、製品需要が大幅に変動した場合もこれらに影響を与える可能性があります。

 

 新型コロナウイルス感染症への対応について、当社グループは、従業員とその家族の安全確保を最優先とし、本社対策本部を中心に全社方針を適宜改訂しながら感染予防、拡大防止策を徹底のうえ、BCPをベースに事業活動を継続してきました。行政機関が推奨する感染対策を実施することで、従業員がより安心して働くことのできる環境を整備しました。

⑪  情報セキュリティ

 当社グループでは、生産管理、物流管理、販売管理および財務・会計をはじめとした業務の円滑かつ効率的な遂行のため情報システムを構築しております。また、事業上の重要情報、事業の過程で入手した機密情報および個人情報を保有しています。大規模な災害や停電、またはコンピュータウイルスやサイバー攻撃などにより、システム停止に伴う業務遅延や情報漏洩等が発生した場合、お客さまや市場の信頼が失われ、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 当社グループは、情報システムの安定稼働、信頼性向上、情報漏洩防止のため、ツールによるセキュリティ対策を導入するとともに、従業員教育や訓練を実施し、リスクが顕在化しないように取り組んでおります。

 また、セキュリティ事故発生に備え、対応マニュアルや連絡体制を整備しております。

 情報セキュリティ委員会では、情報セキュリティ対策について定期的な報告を受け、評価および見直しを実施しております。

⑫ 大規模な事故

 火災・爆発などの大規模な事故を起こした場合は、製品の安定供給に支障が生じ、当社グループへの信頼や業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

 当社では、全社的な安全・防災管理にかかわる統括責任を有する安全・防災担当役員を設置するとともに、安全・防災会議を中心とした全社防災体制、および事業場防災体制を構築しております。

 また、緊急時体制を規定のうえ、総合防災訓練や教育を定期的に実施し、事故の発生防止に努めるとともに、万一の発生に備えております。

 これらの取組みおよび保険の付保により、当社グループの業績および財政状態への影響を低減することに努めております。

⑬ 重要な外部委託先(物流委託先)の確保

 お客さまからのご要望通りに商品をお届けするため、必要な物流機能を適正なコストで確保すべく努めておりますが、これができない場合にお客さまへの商品の供給が滞り、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 日本国内では、ローリー車を含めたトラック運転士の不足や高齢化が進むなか、国内での輸送可能量が先々減少していく可能性があり、物流需給ギャップが生じる懸念があります。さらには、食品業界特有の長時間待機や納品付帯作業などの物流諸課題の改善遅れにより、商品をお客さまにお届けできなくなるリスクがあります。

 また、内航船に関しても同様に船員不足と高齢化が進んでおり、物流需給ギャップが生じる懸念があります。

 

 当社グループでは、油脂事業におけるホームユース領域および業務用領域の商品においては、納品リードタイムの見直し、出荷拠点の見直しや増設、鉄道や船舶等の代替輸送手段の確保などの施策をとるとともに、ホワイト物流の取組みや輸送料金の適正化を進め、当該リスクの低減に努めております。

 また、食品メーカー5社が出資する物流会社を通じた共同配送や物流改善につながる取組みを推進しております。

 さらに、より消費地に近い工場で生産し運ぶという、いわゆる地産地消を追求したサプライチェーン全体の最適化への取組みをデジタル技術の活用を含め検討を進めております。

⑭ 人材の獲得(育成)不足による競争力の低下

および継続性のリスク

 「日清オイリオグループビジョン2030」で目指す姿の実現に向けては、多様な価値観や専門性を有した人材が必要不可欠であり、不足すると競争力低下を招いてしまいます。

 また、安全・安心な製品を安定的に提供していくためには、特に製造や物流現場の活動を担う人材が不足することは事業継続性の大きなリスクであると認識しています。

 さらに、社員一人ひとりが、公私ともに充実し、当社グループで意欲的に能力を発揮し続けていくためには、自身の健康が最も大切な要素です。社員の健康リスクの発生は生産性などに影響が生じる可能性があります。

 

 

 当社グループは、社員の多様性を尊重するとともに、一人ひとりが成長できる人材育成プログラム投資の拡充や、必要に応じた外部からの人材登用、女性活躍の推進、健康経営の推進など、イノベーションを生み出す活力に満ち溢れた組織づくりに注力することで、必要な人材の確保と強化に取り組んでいます。

 安全・安心な製品を安定的に提供するにあたり、継続的な採用や教育、テレワークの積極的な活用、労働環境の最適化などにより人材の確保・定着に取り組むとともに、IoTやAI等の活用による作業の効率化や省力化を推進しています。

 当社グループでは、経営トップを健康経営の最高責任者とした推進体制を構築し、社員の心身の健康、働きがい、生産性向上を目的とした健康経営の各種取組みを推進しています。

 

 

2023年度のリスクマネジメントにおいては、日清オイリオグループビジョン2030で示した6つの重点領域における機会とリスクのガバナンス強化に努めていきます。

※ガバナンス体制については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」もご参照下さい。

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
1.経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次の通りであります。

 
(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、米国や欧州を中心に景気の回復が見られましたが、ロシアのウクライナ侵攻を背景としたサプライチェーン(供給網)の混乱やインフレ抑制のための各国の金融引き締めによる景気後退リスクが懸念されています。
 また、日本経済は、新型コロナウイルス感染症による行動規制の緩和等により緩やかな持ち直しの動きがみられました。一方で、原材料価格やエネルギー価格の高騰等により物価が上昇していることで、企業収益の悪化や消費者マインドの低迷が懸念されています。
 このような環境下、当社グループは「もっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループに変革する」という基本方針のもと、中期経営計画「Value Up+」(2021年度-2024年度)に取り組んでいます。6つの重点領域で設定したCSV目標を成長ドライバーとして成長路線を加速させるとともに、“植物のチカラ®”を価値創造の原点に、社会との多様な共有価値の創造を通じた持続的な成長を目指しております。

また、当社グループは、資本効率性の改善を重要な目標にしており、2022年度から新たにROICを経営目標に加え、今まで以上に資本コストを意識したマネジメントを行っております。2024年度の目標であるROE8.0%、ROIC4.6%の達成に向け、「成長性」「積極投資」「持続性」「効率性」の4つの視点でKPIと実行施策をフレームワーク(「達成チャート」)で整理し、経営目標実現に向けた取組みを進めております。
当連結会計年度の業績については、以下のとおりとなりました。

 

前連結会計年度

(百万円)

 当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

前期比

売上高

432,778

556,565

+123,786

128.6%

営業利益

11,670

16,186

+4,516

138.7%

経常利益

12,648

16,242

+3,593

128.4%

親会社株主に帰属する

当期純利益

8,595

11,157

+2,561

129.8%

ROE

5.7%

7.0%

+1.3P

ROIC

4.1%

4.5%

+0.4P

 

   (注)ROIC(投下資本利益率)は、以下の算定式に基づき算出しております(いずれの数値も連結ベース)。

      ROIC =(当連結会計年度の税引後営業利益+持分法投資損益)÷ 

          [{(当事業年度の投下資本)+(前事業年度の投下資本)}÷2]

 

 ② 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ299億46百万円増加し、3,744億53百万円となりました。主な要因は、売上債権が113億78百万円、棚卸資産が212億29百万円、無形固定資産が4億49百万円増加したことであります。
 負債は、前連結会計年度末に比べ228億42百万円増加し、2,030億34百万円となりました。主な要因は、仕入債務が62億17百万円、未払費用19億1百万円、未払法人税等が27億円、長期借入金が141億18百万円増加したことであります。
 純資産は、前連結会計年度末に比べ71億4百万円増加し、1,714億18百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が75億20百万円、為替換算調整勘定が25億70百万円増加したことであります。

 

前連結会計年度

(百万円)

 当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

資産合計

344,506

374,453

+29,946

負債合計

180,192

203,034

+22,842

純資産合計

164,314

171,418

+7,104

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ30億23百万円増加し、108億99百万円となりました。

 

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

営業活動によるキャッシュ・フローは、3億98百万円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益153億23百万円、減価償却費93億88百万円、仕入債務の増加41億87百万円によるキャッシュの増加および売上債権の増加94億16百万円、棚卸資産の増加197億10百万円によるキャッシュの減少であります。

 

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

投資活動によるキャッシュ・フローは、61億43百万円の支出となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出72億32百万円によるキャッシュの減少であります。

 

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

財務活動によるキャッシュ・フローは、63億42百万円の収入となりました。主な内訳は、短期借入金の純増10億91百万円、長期借入れによる収入150億12百万円によるキャッシュの増加および長期借入金の返済による支出68億12百万円、配当金の支払29億19百万円によるキャッシュの減少であります。

 

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

△26,631

398

投資活動によるキャッシュ・フロー

△9,327

△6,143

財務活動によるキャッシュ・フロー

34,473

6,342

現金及び現金同等物の増減額(△減少)

△1,381

3,023

現金及び現金同等物の期末残高

7,875

10,899

 

 

 

(3)生産、受注及び販売の実績
 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比

油脂

事業

油脂・油糧

283,273

137.6%

加工油脂

122,759

134.4%

小計

406,032

136.6%

加工食品・素材事業

45,991

112.3%

ファインケミカル事業

18,949

128.4%

その他

1,813

97.6%

合計

472,787

133.3%

 

      (注) 金額は、原価計算に利用した価格等により算定しております。

 

② 受注実績

当社グループでは、主として計画に基づく生産を行っているため、記載を省略しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比

油脂

事業

油脂・油糧

350,356

130.8%

加工油脂

118,023

135.4%

小計

468,379

131.9%

加工食品・素材事業

65,103

111.9%

ファインケミカル事業

20,462

120.3%

その他

2,619

102.2%

合計

556,565

128.6%

 

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 経営成績および財政状態の分析

当連結会計年度における経営成績および財政状態の分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

② セグメントごとの財政状態及び経営成績の分析

セグメント別の資産では、前連結会計年度末に比べ油脂事業において273億26百万円増加、加工食品・素材事業において28億70百万円増加、ファインケミカル事業において2億46百万円増加しました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

 ・売上高

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

前期比

油脂

事業

油脂・油糧

267,840

350,356

+82,515

130.8%

加工油脂

87,186

118,023

+30,836

135.4%

小計

355,026

468,379

+113,352

131.9%

加工食品・素材事業

58,185

65,103

+6,918

111.9%

ファインケミカル事業

17,003

20,462

+3,459

120.3%

その他

2,563

2,619

+56

102.2%

合計

432,778

556,565

+123,786

128.6%

 

 

・〔参考〕売上高(単体)

 

前事業年度

(百万円)

当事業年度

(百万円)

増減額

(百万円)

前期比

油脂

事業

油脂・油糧

236,444

317,062

+80,618

134.1%

業務用・加工用

98,027

132,883

+34,855

135.6%

ホームユース

60,144

74,654

+14,509

124.1%

油糧

78,271

109,525

+31,253

139.9%

加工油脂

9,936

13,420

+3,483

135.1%

小計

246,381

330,483

+84,102

134.1%

加工食品・素材事業

17,509

19,259

+1,750

110.0%

ファインケミカル事業

5,598

5,976

+377

106.7%

その他

338

342

+4

101.4%

合計

269,826

356,062

+86,235

132.0%

 

 

・営業利益

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

前期比

油脂

事業

油脂・油糧

4,716

9,097

+4,380

192.9%

加工油脂

4,258

5,528

+1,270

129.8%

小計

8,975

14,625

+5,650

163.0%

加工食品・素材事業

1,672

533

△1,138

31.9%

ファインケミカル事業

1,336

1,385

+48

103.6%

その他

351

462

+110

131.4%

セグメント間消去・調整

△665

△820

△154

合計

11,670

16,186

+4,516

138.7%

 

 

 

セグメント別の概況

≪油脂事業≫

油脂事業セグメントでは、コロナ禍からの世界経済の回復に伴う油脂需要の増加に加え、ロシアのウクライナ侵攻による原材料の供給懸念、日米の金融政策の乖離等を背景とした円安ドル高の進行等により原材料価格が一段と高騰するなか、生産性向上とコスト削減に最大限努めるとともに、適正な販売価格の形成に取組みました。また、付加価値品の拡販に加え、新たな市場創造やソリューション提案の強化に注力したことで、増収増益となりました。

 

◆油脂・油糧

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

前期比

売上高

267,840

350,356

+82,515

130.8%

営業利益

4,716

9,097

+4,380

192.9%

 

 

[原料の調達環境]

 原料の調達面では、主要原料相場が前期に対して上昇し、またドル円相場も前期に対して円安ドル高で推移したことから、大豆価格、菜種価格ともに前期を大きく上回りました。

<主要原料相場>

大豆相場は、ロシアのウクライナ侵攻による穀物・油脂の供給不安や、乾燥による南米産大豆減産などにより、6月には1ブッシェルあたり16~17米ドル台の歴史的な高値圏まで上昇しました。9~10月には米国産大豆の収穫により値を下げる局面もありましたが、世界的な脱炭素の動きを背景とした油脂需要の増加が下支えしたことや、アルゼンチンの減産見通しによって、高値圏での推移が続き、前期比で大幅な高値推移となりました。

菜種相場は、世界的な需給逼迫による歴史的な高値圏での推移が続くなか、ロシアのウクライナ侵攻による穀物・油脂の供給不安や、天候不順によるカナダ産新穀の作付遅れ等から上昇し、4月には1トンあたり1,200カナダドルと史上最高値を更新する等、高値圏で推移しました。7月以降は、カナダ産や豪州産の豊作期待により800カナダドル台まで値を下げましたが、脱炭素の動きを背景とした油脂需要の増加が菜種価格を下支えし、前期比で大幅な高値推移となりました。

<為替相場>

ドル円相場は、3月以降、日米の金融政策の乖離等により、急激に円安ドル高が進行しました。その後も米国の金融引き締めが継続したことや、資源価格高騰を背景とした日本の貿易赤字拡大等により、10月には150円台まで円安ドル高が進行しました。11月以降は米国の金融政策転換への期待や日銀の金融政策修正等から円高ドル安となりましたが、前期比で大幅な円安ドル高推移となりました。

[油脂の販売]

 業務用については、原材料価格が高騰するなかで販売価格の改定に取組みました。また、生活者の行動変容、人手不足やコスト上昇など「変化への対応」と「ニーズ協働発掘型営業」によるソリューション提案の質の向上に継続的に取組みました。商品面では長持ち機能等を付加した「機能フライ油」や「日清炊飯油」等の機能性油脂を含む「付加価値型商品群」を重点カテゴリーとし、積極的な提案による拡販に努めました。新型コロナウイルス感染症の影響により外食需要や観光需要の本格的な回復には至らず、販売数量は減少しましたが、販売単価が上昇したことで売上高は増収となりました。

 加工用についても、原材料価格が高騰するなか、コストに見合った適正価格での販売に取り組んだことにより、売上高は増収となりました。
 ホームユースについても、販売価格改定に取り組むとともに、「かけるオイルの定着」や「味つけオイルの市場創造」など付加価値品の継続的な拡販を進めました。この結果、サプリ的オイルの販売数量は前期を上回り、ごま油、オリーブオイルの販売数量は前期と比較して減少したものの、市場全体の落ち込みに対しては減少幅を小幅にとどめました。また、揚げ物の吸油を抑えた「日清ヘルシーオフ」などの戦略商品の拡販に努めました。これらの結果、主要カテゴリーの販売数量増と販売単価上昇により売上高は増収となりました。
 以上の結果、油脂全体の売上高は増収、営業利益は増益となりました。

 

[ミールの販売]

大豆ミールについては、大豆・菜種の採算格差を背景とした大豆搾油の増加に合わせ、拡販に努めたことで販売数量は大幅に増加しました。また、主要原料相場が上昇したことやドル円相場が円安ドル高で推移したことにより販売単価が上昇し、売上高は増収となりました。
 菜種ミールについては、大豆搾油優位の環境が続き、前期に対して搾油量を減少させたことで、販売数量は減少しました。販売価格は、大豆ミール価格上昇の影響等から上昇し、売上高は増収となりました。
 

 

◆加工油脂

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

前期比

売上高

87,186

118,023

+30,836

135.4%

営業利益

4,258

5,528

+1,270

129.8%

 

 

 海外加工油脂については、マレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.において、欧州を中心に高付加価値品であるチョコレート用油脂の販売にシフトし、汎用品の販売数量を減少させたことにより、全体として販売数量は減少しました。しかし、パーム油相場の高騰に伴う販売価格の上昇、高付加価値品の販売数量増、円安リンギット高による為替換算の影響等により、増収増益となりました。
 また、イタリアのIntercontinental Specialty Fats(Italy)S.r.l.においては、新たな生産設備の本格稼働を背景に販売数量が増加したこと等により、増収増益となりました。
  国内加工油脂については、需要が低迷する厳しい状況が続くなか、新規ユーザーの獲得および既存顧客での新規商品採用により販売数量は前期を上回り、販売価格についても段階的な価格改定を実現したことで、売上高は増収となりました。営業利益は価格改定の遅れに加え、主要原料であるパーム油の高騰やユーティリティ、包装資材等のコスト上昇の影響が大きく、営業損失となりました。
 なお、当期末において「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき回収可能性を検討し、減損損失13億32百万円を特別損失に計上しております。
 

≪加工食品・素材事業≫

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

前期比

売上高

58,185

65,103

+6,918

111.9%

営業利益

1,672

533

△1,138

31.9%

 

 

加工食品・素材事業セグメントでは、販売価格の改定と海外子会社の為替換算の影響等はあるものの、原価率上昇等の影響が大きく、増収減益となりました。

 

チョコレートについては、大東カカオ㈱において、菓子需要の回復が遅れるなか、新規顧客開拓等に努めたことで販売数量は前期を上回りました。シンガポールのT.&C. Manufacturing Co., Pte.Ltd.においては、日本国内における調製品の需要減により、販売数量は前期を下回りました。インドネシアのPT Indoagri Daitocacaoにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響により遅れていた新規顧客との取引が進展したことにより、販売数量が増加しました。一方で、原価率上昇の影響が大きく、チョコレート全体で増収減益となりました。
 調味料は、価格改定に伴い販売価格は上昇したものの、販売数量の減少および原価率上昇や販管費増加の影響が大きく増収減益となりました。

 

機能素材・食品は、加工食品メーカーとのMCT(中鎖脂肪酸)のコラボレーション商品の上市を進め、市場規模拡大に努めました。また、原材料価格の上昇に対する適正価格での販売に努めたものの、原価率上昇の影響と販管費の増加により、増収減益となりました。
 大豆素材・食品は、原材料価格の上昇に対する適正価格での販売に努めたものの、原材料価格の上昇や前期の連結子会社売却の影響により、増収減益となりました。

 

  ≪ファインケミカル事業≫

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

前期比

売上高

17,003

20,462

+3,459

120.3%

営業利益

1,336

1,385

+48

103.6%

 

 

ファインケミカル事業セグメントでは、国内外の需要回復の遅れに伴い汎用品を中心に販売数量は減少しましたが、欧州子会社の好調な販売および原材料価格の上昇に対する適正価格での販売に努めた結果、増収増益となりました。

ファインケミカル製品については、国内および中国向け輸出需要が新型コロナウイルス感染症の影響により本格回復に至らず、販売数量は前年同期を下回りました。一方、スペインのIndustrial Quimica Lasem, S.A.U.で、欧州域内において化粧品油剤の販売が大きく増加したことにより、セグメント全体として増収増益となりました。
 環境・衛生については、堅調なアルコール製剤の需要により販売数量が増加しましたが、売上高は前期並みとなり、原材料およびエネルギーコスト高騰の影響が大きく、営業利益は減益となりました。
 

  ≪その他≫ 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

前期比

売上高

2,563

2,619

+56

102.2%

営業利益

351

462

+110

131.4%

 

 

情報システムをはじめその他の事業セグメントは、増収増益となりました。

 

    ≪地域別売上高≫

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

前期比

日本

338,524

429,416

+90,892

126.8%

アジア

54,523

65,014

+10,490

119.2%

その他

39,730

62,134

+22,403

156.4%

海外売上高比率

21.8%

22.8%

+1.1P

 

 

原材料価格の高騰を背景とした販売価格の上昇や為替換算の影響等から、マレーシア、中国等のアジア向けおよび欧州、米国等のその他地域への売上高は増収となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度に比べ30億23百万円増加して108億99百万円となりました。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費や仕入債務の増加によるキャッシュの増加および売上債権の増加や棚卸資産の増加によるキャッシュの減少により3億98百万円の収入(前連結会計年度は266億31百万円の支出)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などによるキャッシュの減少により61億43百万円の支出(前連結会計年度は93億27百万円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入などによるキャッシュの増加および長期借入金の返済による支出などによるキャッシュの減少により63億42百万円の収入(前連結会計年度は344億73百万円の収入)となりました。

 当社グループの資金運営は、事業活動にかかる運転資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としております。また、資金調達方法として、当社取引銀行5行との間でシンジケーション方式により総額100億円のコミットメントライン契約を締結している等により、資金の流動性は確保しております。

 当社と国内子会社10社の間で「キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)」を構築しており、当該システムを利用し効率的な資金配分を行っております。

 設備資金、投融資資金等の長期的な資金需要については、金融市場動向、既存の社債の償還時期および借入金の返済時期等も総合的に勘案し、社債および借入金等による資金調達を行っております。

 今後の重要な資金の支出予定としては、横浜磯子事業場におけるインキュベーションセンター設立とマレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.における生産設備増強と品質・生産効率向上を予定しております。

 

当連結会計年度末の有利子負債の内訳は次のとおりであります。

当連結会計年度(2023年3月31日)

 

1年以内

(百万円)

1年超

(百万円)

短期借入金

32,545

社債

20,000

長期借入金

955

52,313

リース債務

415

5,593

合計

33,916

77,907

 

上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。

 

なお、経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等およびその達成状況については、「第2  事業の状況  1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等  (2) 中長期的な会社の経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題  <目標とする経営指標>」に記載しております。

 

 

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表等の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。

 

① 繰延税金資産

当社グループは、将来の課税所得見込額等に基づいて回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。

なお、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得等の見積りによるものであるため、その見積りの前提に変更が生じた場合は、繰延税金資産の計上に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 退職給付債務及び退職給付費用

当社グループは、退職給付債務および費用について、昇給率、退職率等の基礎率及び割引率を用いて計算しております。

なお、これらの前提に変動があった場合には、退職給付債務および費用に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価について、事業部等を基礎としてグルーピングされた資産グループごとの収益性の評価及び回収可能価額の算定を行い、収益性が著しく低下している資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額することとしております。

市場環境等の変化により収益性が著しく低下した場合には、減損損失を計上する可能性があります。

  なお、当連結会計年度については、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※7 減損損失の内容に記載のとおりであります。

 

当連結会計年度の連結財務諸表を作成するにあたって行った会計上の見積りのうち、当該会計上の見積りが当連結会計年度の翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあると判断したものはありません。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積千㎡)

リース資産

合計

本社
(東京都中央区)

油脂および加工食品・素材事業
その他

その他設備

2,108

60

3,735

(1)

243

6,148

303

横浜磯子事業場
(神奈川県
横浜市磯子区)

油脂、加工食品・素材

および

ファインケミカル事業
その他

食品、油脂、
化成品、油粕、その他製造設備

研究設備

11,872

11,751

4,041

(233)

228

27,893

516

名古屋工場
(愛知県名古屋市港区)

油脂および加工食品・素材事業

食品・油脂、
油粕の製造設備

2,133

3,885

3,362

(98)

396

9,778

105

堺工場
(大阪府堺市西区)

油脂および加工食品・素材事業
その他

食品、油脂の
製造設備

1,085

1,269

5,952

(29)

1

8,309

73

水島工場
(岡山県倉敷市)

油脂および加工食品・素材事業

食品・油脂、
油粕の製造設備

2,792

4,415

2,977

(118)

4

10,190

86

各支店および営業所

油脂および加工食品・素材事業

その他設備

24

16

-

-

117

159

167

 

(注) 1  設備の帳簿価額は減価償却累計額控除後のものであり、建設仮勘定15億76百万円を含んでおりません。

2  横浜磯子事業場、名古屋工場および水島工場においては、主に油脂および油粕を生産し、堺工場においては主に油脂を生産しております。

3  各支店および営業所の内訳は、北海道・東北・関東信越・中部・大阪・中国・九州の各支店、盛岡・郡山・新潟・長野・埼玉・静岡・北陸・四国・岡山・鹿児島の各営業所となります。

 

(2) 国内子会社

会社名

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積千㎡)

リース資産

合計

セッツ㈱

堺事業所
化成品工場
(大阪府堺市西区)

ファイン
ケミカル事業

化成品の
製造設備

448

670

1,913

(32)

43

3,076

82

日清物流㈱

大黒物流センター
(神奈川県
 横浜市鶴見区)

油脂および

加工食品・素材事業

倉庫

110

36

-

(注2)

-

146

7

堺事業場
(大阪府堺市西区)

油脂および

加工食品・素材事業

物流設備

818

28

868

(10)

-

1,714

10

大東カカオ㈱

中井工場
(神奈川県足柄
 上郡中井町)

加工食品・素材事業

チョコレート
関連製品の
製造

1,260

3,507

2,093

(17)

378

7,240

163

 

(注) 1  設備の帳簿価額は減価償却累計額控除後のものであり、建設仮勘定4億30百万円を含んでおりません。

2  日清物流㈱の土地2千㎡については、賃借しております。

 

 

(3) 在外子会社

会社名

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積千㎡)

使用権資産

合計

Intercontinental
Specialty
Fats Sdn. Bhd.

本社・工場
(マレーシア
セランゴール州)

油脂事業

加工油脂
製造設備

2,230

2,914

-

(注2)

(73)

3,828

8,972

332

デンキル工場
(マレーシア
セランゴール州)

油脂事業

加工油脂
製造設備

543

1,905

166

(59)

-

2,615

313

PT Indoagri
Daitocacao

工場
(インドネシア
西ジャワ州)

油脂事業

加工油脂
製造設備

362

599

370

(注3)

(19)

-

1,332

76

 

(注) 1  設備の帳簿価額は減価償却累計額控除後のものであり、建設仮勘定7億79百万円を含んでおりません。

2  Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.の本社・工場の土地73千㎡については、賃借しております。

3  PT Indoagri Daitocacaoの工場の土地19千㎡については、インドネシア共和国の法律に基づく建設権により利用している土地の面積です。

 

①【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

77,670,000

77,670,000

 

 

②【発行済株式】

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月23日)

上場金融商品取引所名
又は登録認可金融商品
取引業協会名

内容

普通株式

33,716,257

33,716,257

東京証券取引所
プライム市場

単元株式数
100株

33,716,257

33,716,257

 

 

①【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

②【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
(百万円)

資本金残高
(百万円)

資本準備金
増減額
(百万円)

資本準備金
残高
(百万円)

2021年4月30日(注1)

△951,600

33,716,257

16,332

24,742

 

(注)1 2021年2月9日開催の取締役会決議により、2021年4月30日付で自己株式を消却し、発行済株式総数が951,600株減少しております。

 

 

(5)【所有者別状況】

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

32

27

295

188

56

39,129

39,727

所有株式数
(単元)

98,388

4,796

78,616

52,952

100

101,323

336,175

98,757

所有株式数の割合(%)

29.2

1.4

23.3

15.7

0.0

30.1

100.0

 

(注)  自己株式1,138,491株は、「個人その他」に11,384単元及び「単元未満株式の状況」に91株含まれております。

 

(6)【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(千株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

丸紅株式会社

東京都千代田区大手町一丁目4番2号

5,200

15.96

日本マスタートラスト
信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町二丁目11番3号

4,372

13.42

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海一丁目8番12号

2,490

7.64

損害保険ジャパン株式会社

東京都新宿区西新宿一丁目26番1号

703

2.15

DFA INTL SMALL CAP VALUE PORTFOLIO
(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)

USTX PALISADES WEST 6300, BEE CAVE ROAD BUILDING ONE AUSTIN TX 78746 US
 (東京都新宿区新宿六丁目27番30号)

650

1.99

キッコーマン株式会社

千葉県野田市野田250番地

470

1.44

大成建設株式会社

東京都新宿区西新宿一丁目25番1号

462

1.41

株式会社三菱UFJ銀行

東京都千代田区丸の内2丁目7番1号

379

1.16

STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

USMA 1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171, U.S.A.
(東京都港区港南2丁目15番1号品川インターシティA棟)

355

1.09

あいおいニッセイ同和損害保険
株式会社

東京都渋谷区恵比寿一丁目28番1号

334

1.02

15,419

47.33

 

(注) 1 株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数2,490千株には、取締役等への株式報酬制度のために設定した株式交付信託に係る信託口が所有する株式142千株が含まれております。

2 上記のほか当社所有の自己株式1,138千株(3.47%)があります。

 

①【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

9,977

13,036

 

 

受取手形及び売掛金

※1 88,200

※1 99,578

 

 

棚卸資産

※2 84,811

※2 106,041

 

 

短期貸付金

0

 

 

その他

18,937

15,104

 

 

貸倒引当金

86

193

 

 

流動資産合計

201,840

233,567

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

31,959

30,819

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

36,081

34,635

 

 

 

土地

27,736

27,487

 

 

 

リース資産(純額)

1,422

1,508

 

 

 

使用権資産(純額)

2,478

4,008

 

 

 

建設仮勘定

1,551

2,786

 

 

 

有形固定資産合計

※4 101,230

※4 101,247

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

のれん

227

204

 

 

 

その他

1,443

1,916

 

 

 

無形固定資産合計

1,671

2,121

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※3※5 30,393

※3※5 27,654

 

 

 

長期貸付金

30

25

 

 

 

退職給付に係る資産

5,318

5,931

 

 

 

繰延税金資産

672

750

 

 

 

その他

3,312

3,132

 

 

 

貸倒引当金

26

26

 

 

 

投資その他の資産合計

39,701

37,467

 

 

固定資産合計

142,603

140,836

 

繰延資産

 

 

 

 

社債発行費

63

49

 

 

繰延資産合計

63

49

 

資産合計

344,506

374,453

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

※5 44,855

※5 51,073

 

 

短期借入金

※6 35,370

※6 33,500

 

 

リース債務

427

415

 

 

未払金

14,674

15,217

 

 

未払費用

5,331

7,233

 

 

未払法人税等

626

3,327

 

 

役員賞与引当金

57

71

 

 

その他

4,548

4,806

 

 

流動負債合計

105,891

115,646

 

固定負債

 

 

 

 

社債

20,000

20,000

 

 

長期借入金

38,195

52,313

 

 

リース債務

3,837

5,593

 

 

繰延税金負債

9,039

6,254

 

 

役員退職慰労引当金

346

229

 

 

株式給付引当金

146

213

 

 

退職給付に係る負債

1,949

2,062

 

 

その他

785

721

 

 

固定負債合計

74,300

87,388

 

負債合計

180,192

203,034

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

16,332

16,332

 

 

資本剰余金

21,665

21,663

 

 

利益剰余金

110,379

117,899

 

 

自己株式

4,071

4,073

 

 

株主資本合計

144,305

151,821

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

8,715

7,199

 

 

繰延ヘッジ損益

2,565

349

 

 

為替換算調整勘定

1,642

4,213

 

 

退職給付に係る調整累計額

1,003

1,024

 

 

その他の包括利益累計額合計

11,919

10,737

 

非支配株主持分

8,088

8,859

 

純資産合計

164,314

171,418

負債純資産合計

344,506

374,453

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 432,778

※1 556,565

売上原価

※2 375,791

※2 490,942

売上総利益

56,987

65,622

販売費及び一般管理費

※3※4 45,317

※3※4 49,436

営業利益

11,670

16,186

営業外収益

 

 

 

受取利息

61

104

 

受取配当金

378

382

 

為替差益

137

83

 

持分法による投資利益

1,155

404

 

その他

314

487

 

営業外収益合計

2,047

1,462

営業外費用

 

 

 

支払利息

536

873

 

棚卸資産処分損

117

141

 

その他

414

390

 

営業外費用合計

1,068

1,406

経常利益

12,648

16,242

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

※5 150

 

投資有価証券売却益

890

1,291

 

関係会社株式売却益

17

48

 

特別利益合計

908

1,490

特別損失

 

 

 

固定資産売却損

38

 

固定資産除却損

※6 773

※6 1,077

 

減損損失

※7 615

※7 1,332

 

業務委託解約損

33

 

特別損失合計

1,462

2,410

税金等調整前当期純利益

12,095

15,323

法人税、住民税及び事業税

2,510

4,799

法人税等調整額

849

794

法人税等合計

3,360

4,005

当期純利益

8,734

11,317

非支配株主に帰属する当期純利益

138

160

親会社株主に帰属する当期純利益

8,595

11,157

 

1 報告セグメントの概要
報告セグメントの決定方法

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっております。

当社は、製品別の事業部を置き、各事業部は取り扱う製品について国内および海外の包括的な戦略を立案し事業活動を展開しております。したがって、当社は事業部を基礎とした製品別セグメントから構成されており、「油脂事業」、「加工食品・素材事業」、「ファインケミカル事業」の3つを報告セグメントとしております。

各報告セグメントの主な製品は、以下のとおりであります。

事業区分

主  要  製  品

油脂事業

油脂・油糧

ホームユース(食用油)、業務用食用油、加工用油脂、油粕

加工油脂

パーム加工品、チョコレート用油脂、マーガリン、ショートニング

加工食品・素材事業

チョコレート関連製品、ホームユース(ドレッシング)、ウェルネス食品(MCT、高エネルギー食品、高齢者・介護食品)、MCT、レシチン、トコフェロール、食品大豆、大豆たん白

ファインケミカル事業

化粧品・トイレタリー原料、化学品、植物性工業油、洗剤、殺菌洗浄剤、

界面活性剤

その他

情報システム、販売促進、スポーツ施設経営、損害保険代理、不動産賃貸

 

 

 

①【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

1,700

1,845

 

 

受取手形

81

80

 

 

売掛金

※1 67,560

※1 78,787

 

 

製品

24,398

36,275

 

 

原材料

31,517

41,450

 

 

貯蔵品

307

361

 

 

短期貸付金

※1 5,777

※1 6,637

 

 

その他

※1 11,507

※1 8,984

 

 

貸倒引当金

5

5

 

 

流動資産合計

142,845

174,417

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

17,243

16,276

 

 

 

構築物

3,926

3,908

 

 

 

機械及び装置

23,335

20,744

 

 

 

車両運搬具

2

1

 

 

 

工具、器具及び備品

935

851

 

 

 

土地

18,012

17,718

 

 

 

リース資産

861

993

 

 

 

建設仮勘定

1,056

1,576

 

 

 

有形固定資産合計

65,374

62,071

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

924

1,534

 

 

 

その他

77

77

 

 

 

無形固定資産合計

1,001

1,611

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

18,973

16,055

 

 

 

関係会社株式

27,405

27,335

 

 

 

関係会社出資金

2,851

2,851

 

 

 

長期貸付金

※1 1,632

※1 1,692

 

 

 

その他

7,578

8,016

 

 

 

投資その他の資産合計

58,441

55,951

 

 

固定資産合計

124,817

119,634

 

繰延資産

 

 

 

 

社債発行費

63

49

 

 

繰延資産合計

63

49

 

資産合計

267,725

294,101

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

※1 32,870

※1 39,495

 

 

短期借入金

※1 32,124

※1 37,733

 

 

1年内返済予定の長期借入金

5,000

 

 

リース債務

※1 156

※1 199

 

 

未払金

※1 12,584

※1 13,239

 

 

未払費用

※1 3,161

※1 4,500

 

 

未払法人税等

2,737

 

 

役員賞与引当金

49

63

 

 

預り金

113

216

 

 

その他

158

2,509

 

 

流動負債合計

86,218

100,696

 

固定負債

 

 

 

 

社債

20,000

20,000

 

 

長期借入金

35,000

50,000

 

 

リース債務

※1 782

※1 884

 

 

繰延税金負債

5,657

2,776

 

 

株式給付引当金

146

213

 

 

その他

※1 508

※1 461

 

 

固定負債合計

62,095

74,336

 

負債合計

148,313

175,032

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

16,332

16,332

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

24,742

24,742

 

 

 

その他資本剰余金

7

 

 

 

資本剰余金合計

24,742

24,750

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

3,611

3,611

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

圧縮積立金

598

594

 

 

 

 

別途積立金

45,100

45,100

 

 

 

 

繰越利益剰余金

23,072

26,534

 

 

 

利益剰余金合計

72,382

75,840

 

 

自己株式

4,032

4,034

 

 

株主資本合計

109,423

112,888

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

7,675

5,853

 

 

繰延ヘッジ損益

2,312

327

 

 

評価・換算差額等合計

9,988

6,180

 

純資産合計

119,412

119,068

負債純資産合計

267,725

294,101

 

②【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 269,826

※1 356,062

売上原価

※1 230,376

※1 309,804

売上総利益

39,450

46,257

販売費及び一般管理費

※1※2 35,344

※1※2 39,124

営業利益

4,105

7,132

営業外収益

 

 

 

受取利息

※1 30

※1 35

 

受取配当金

※1 1,172

※1 1,954

 

為替差益

207

137

 

その他

138

180

 

営業外収益合計

1,548

2,308

営業外費用

 

 

 

支払利息

※1 86

※1 142

 

社債利息

102

102

 

棚卸資産処分損

117

141

 

資金調達費用

45

81

 

その他

142

121

 

営業外費用合計

494

589

経常利益

5,160

8,851

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

※3 150

 

投資有価証券売却益

880

1,488

 

関係会社株式売却益

379

28

 

特別利益合計

1,259

1,666

特別損失

 

 

 

固定資産売却損

38

 

固定資産除却損

※4 446

※4 1,003

 

減損損失

※5 615

※5 1,332

 

特別損失合計

1,100

2,336

税引前当期純利益

5,318

8,182

法人税、住民税及び事業税

1,054

3,015

法人税等調整額

114

1,215

法人税等合計

1,169

1,799

当期純利益

4,149

6,382