片倉工業株式会社
(注) 1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第114期の期首から適用しており、第114期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2.従業員数については、就業人員数を記載しております。
3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4.第110期より業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT)」を導入しており、株主資本に自己株式として計上されている「株式給付信託(BBT)」に残存する自社の株式は、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益の算定上、期末発行済株式総数及び期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
(注) 1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第114期の期首から適用しており、第114期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2.従業員数については、就業人員数を記載しております。
3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4.第110期より業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT)」を導入しており、株主資本に自己株式として計上されている「株式給付信託(BBT)」に残存する自社の株式は、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益の算定上、期末発行済株式総数及び期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
5.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。
6.第111期の1株当たり配当額には、会社設立100周年記念配当2円を含んでおります。
7.第113期の1株当たり配当額には、特別配当4円を含んでおります。
当社グループは当社及び連結子会社5社を中心に構成され、ショッピングセンターの運営、各種の不動産賃貸事業を行っている「不動産事業」、医療用医薬品の製造・販売を行っている「医薬品事業」、消防自動車の製造・販売を行っている「機械関連事業」、衣料品及び機能性繊維の製造・販売を行っている「繊維事業」、ビル管理サービス、訪花昆虫の販売等の事業を行っている「その他」の事業活動を展開しております。
当社グループの事業に係る位置づけは、次のとおりであります。
なお、これらの事業区分とセグメント情報における事業区分は、同一であります。
事業の系統図は次のとおりであります。

(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.特定子会社は、㈱ニチビ、トーアエイヨー㈱の2社であります。
3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
4.トーアエイヨー㈱及び日本機械工業㈱については、売上高(連結会社間の内部取引を除く)の連結売上高に占める割合が100分の10を超えておりますが、当連結会計年度におけるセグメント情報の売上高に占める当該連結子会社の売上高(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む)の割合がそれぞれ100分の90を超えているため、主要な損益情報等の記載を省略しております。
5.オグランジャパン㈱については、売上高(連結会社間の内部取引を除く)の連結売上高に占める割合が100分の10を超えております。
2022年12月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、従業員数欄の( )内は臨時従業員の年間平均雇用人員を外数で記載しております。
2022年12月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員数(当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む。)であり、
従業員数欄の( )内は臨時従業員の年間平均雇用人員を外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社片倉工業㈱は、1873年の創業以来、国内最大手のシルクメーカーとして「カタクラシルク」のブランドを世界に広めると同時に、わが国近代産業の発展に寄与してまいりました。また、長い歴史の中で培われてきた信頼と有形無形の財産の有効活用により事業の多角化を推進し、カタクラグループとして広く社会に貢献してまいりました。2023年に創業150周年を迎え、長きにわたり培われた社風である「親和協力」のもと、ステークホルダーの皆様の満足を得ることに努め、社会と共に持続的な発展を目指すために、以下の経営理念を掲げております。
≪経営理念≫
≪経営ビジョン≫
(2) 対処すべき課題
今後のわが国経済は、コロナ禍からの回復による景気の持ち直しが期待されているものの、円安や資源高を主因とした物価上昇、世界的な金融引き締めによる景気の後退懸念、さらにはロシアによるウクライナ侵攻を始めとする地政学的リスクの経済への波及など、先行き不透明な状況が続くものと思われます。
当社は2020年までの構造改革において収益構造を大幅に改善したものの、エネルギー・原材料価格の高騰や急激な円相場の変動によるコスト増に加え、医薬品事業では2021年以降の毎年薬価改定の影響を強く受けております。今後につきましては、更なる構造改革により一層の事業安定性と採算性の改善を図るとともに、新たな収益源の獲得に取り組むことで 企業価値の向上を目指してまいります。
また、今年からコンプライアンス・プログラムを導入することにより、コンプライアンスに係る施策の有効性検証とそれを踏まえた改善活動を継続するとともに、リスク統括委員会を子会社にまで拡大し、リスク事象の発生から再発防止策の策定まで把握することに加え、グループ全体で潜在リスクに関する管理をすることでガバナンスの強化に努めてまいります。
さらに、人材の確保につきましては、新卒採用のほか経験者等の即戦力人材を積極的に採用しております。階層別研修を計画的に実施することで人材強化を図るとともに、テレワークやスライド勤務、時間単位有休制度の導入など働きやすい職場環境を整備し、従業員一人ひとりの活躍を後押しすることで持続的な成長を目指してまいります。
主要な事業の対処すべき課題は次のとおりです。
(不動産事業)
中核不動産であるコクーンシティ(さいたま新都心駅前社有地)については、コロナ禍行動制限の緩和を背景に順調に売上を回復してきたものの、電気料金高騰に伴う施設管理コストの上昇や物価高の消費への影響等注視が必要な状況が続いています。引き続き、テナント入替や環境整備に努め、集客魅力、施設鮮度の維持向上を図ります。
その他物件については、物件ごとのライフサイクルを踏まえた維持管理に努め、収益物件としての価値を持続させるとともに、新たな活用が見込める不動産については、安定収益につなげるべく、最適な活用プランを検討してまいります。
(医薬品事業)
製薬業界では、毎年薬価改定に加え、ジェネリック医薬品における品質や安定供給に関する問題の発生等により、事業環境の厳しさが増しております。
2022年4月には自社販売体制への商流切り替えによる業務効率化を推進するなど、各種施策に取り組んでまいりましたが、更なる収益改善に取り組む必要性を認識しております。
これら環境変化に適応するため、2023年度において各種固定費削減施策を実施し、収益構造の再構築を図ってまいります。また、新薬開発においては、既存の循環器領域の他、希少疾病分野にも強みのある企業を目指してまいります。
(機械関連事業)
消防自動車事業については、トラック業界における車載用半導体不足やシャシメーカーによる不正問題が、車両の調達に継続して影響を及ぼしております。今後は、これらの供給状況を注視しながら、引き続き仕様の集約化・標準化や生産性向上等に取り組むことで更なる採算性の改善に努めてまいります。
(繊維事業)
実用衣料事業については、2023年5月に当社衣料品事業を子会社へ譲渡し、両社の知見・ノウハウを集約することで介護商品等の展開拡大を目指すほか、共通機能の集約により一層のコスト圧縮を進めてまいります。
機能性繊維事業については、耐熱性繊維の用途拡大を進めるほか、水溶性繊維では、需要増の見込める自動車内装用途等への販売を強化してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、以下の記載事項は、当社株式への投資に関するリスクの全てを網羅したものではありません。
(1) 自然災害等
当社グループは、国内に生産工場やショッピングセンター等の事業所を配置しており、また海外に協力工場等があります。これらにおいて、地震、台風、洪水等の自然災害や火災、停電、感染症の世界的流行(パンデミック)等が発生し、生産活動や営業活動等に支障をきたした場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関するリスク
当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため在宅勤務や時差出勤を推奨し、防疫対策や感染が疑われる場合の対応についても周知を図っております。
しかし、新型コロナウイルス感染症は今後収束していくことが見込まれるものの、感染が再度拡大し、政府や自治体による外出自粛や営業制限、休業要請が実施される場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 不動産事業に関するリスク
当社グループの不動産事業において、景気動向等により大型テナントが退店し、その後の建物利用も困難な場合、多額の解体費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
特にショッピングセンター事業については、特定の取引先が複数のショッピングセンターにおいて核テナントとして出店しております。このため当該取引先が退店するような事態になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが所有する既存施設について、環境問題・土壌汚染等が判明した場合には、追加費用の発生や開発スケジュールの変更が発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料又は商品の仕入れ等に関するリスク
当社グループは、一部の原材料及び商品の仕入や外注加工に関して、為替相場変動や価格高騰、エネルギーコスト上昇等の影響を含め、主に外部要因によって仕入又は外注加工が困難になり、重要な製品の製造停止や重要な仕入販売取引の停止、または遅延等を余儀なくされた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 製品の品質に関するリスク
医薬品事業における製品に重大な副作用その他の安全性の問題が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、機械関連事業等における製品は、独自の厳しい規格に基づき製造を行っておりますが、製造物責任賠償につながる製品の欠陥が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 医薬品の研究開発に内在する不確実性
医薬品の開発には多額の研究開発費と長い期間が必要とされますが、開発の過程で期待した有効性が証明できない場合や、重篤な副作用が発現した等の理由により、開発の継続を断念しなければならない可能性があり、上市や事業としての成功の可能性には不確実性があります。
(7) 薬事行政の影響
医薬品事業は医療政策の影響及び薬事行政の規制を受けております。医療費抑制策や、医薬品の開発・製造
及び販売に関する規制の厳格化は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産におけるリスク
当社グループは、知的財産権の第三者からの侵害について継続的に注意を払っております。しかしながら、第三者が当社グループの技術を利用して当社グループ製品の市場ないしは関連する市場において知的財産権が侵害を受けた場合、また、当社グループの事業活動が他社製品の知的財産に抵触した場合には係争となる可能性があり、その結果次第では当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 退職給付債務
当社グループの退職給付制度は、一部を除いて確定給付型制度を採用しております。退職給付債務については長期国債利回りを基準とした割引率に基づいて算定しており、金利の変動は退職給付債務に影響を与えます。また、確定給付型年金制度における年金資産はその一部を株式等のリスク資産に投資しており、株式市場の下落等により、その運用利回りは悪化する可能性があります。このように長期金利の変動及び株式市場の下落等運用環境の悪化は、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 株式等の時価変動について
当社グループは、市場性のある株式を保有しておりますが、株式市場が下落し、保有株式の価値が大幅に下落した場合には、当社グループの業績及び財政状態に少なからず影響を及ぼす可能性があります。
(11) 内部統制・コンプライアンスに関するリスク
当社グループでは、コンプライアンスの強化、及び財務報告に係る内部統制を含めた整備を進めております。
しかし、従業員による不正行為があった場合や、当社グループが適時に信頼できる財務報告を作成できない場合、当社グループの事業活動及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、個人情報を含む情報資産の漏洩防止策を講じるとともに、情報システムの管理を徹底することで情報セキュリティの維持・向上に努めております。しかし、業務上の人為的ミスや災害、日々高度化するサイバー攻撃等により、システムの障害やデータの改ざん、情報漏洩などの被害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」という。)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う社会経済活動の制限が緩和され正常化が進み、景気は緩やかながら持ち直しの動きがみられました。一方で、世界的な半導体部品等の供給不足やウクライナ情勢の長期化に伴う原材料・エネルギー価格の高騰、欧米各国の金融引き締めの影響による不安定な為替相場等により、依然として景気の先行きは不透明な状況にあります。
このような環境のなか、当社グループの業況は、次のとおりとなりました。
当期の売上高は、前期に比べ33億53百万円減収の342億74百万円(前期比8.9%減)、営業利益は前期に比べ14億27百万円減益の13億69百万円(同51.0%減)となり、経常利益は25億82百万円(同33.0%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、28億17百万円(同43.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<売上高の内訳>
イ. 不動産事業
不動産事業は、当社運営のショッピングセンター「コクーンシティ」においてテナント売上が回復傾向にあることや、2021年10月に開業した福島ショッピングセンターが当期は通年寄与したこと等により増収となりました。
この結果、不動産事業の売上高は104億15百万円(前期比2.9%増)、営業利益は39億46百万円(同9.9%増)となりました。
ロ. 医薬品事業
医薬品事業は、自社販売体制への商流切り替えのための一時的な販売減や薬価改定等により減収となりました。
この結果、医薬品事業の売上高は101億28百万円(同16.5%減)、営業損益は19億40百万円の損失(前期は1億5百万円の利益)となりました。
ハ. 機械関連事業
機械関連事業は、消防自動車事業で新型コロナウイルス感染症拡大の影響による地方公共団体からの更新需要の減少等により減収となりました。
この結果、機械関連事業の売上高は51億87百万円(前期比27.7%減)、営業損益は2億75百万円の損失(前期は47百万円の利益)となりました。
ニ. 繊維事業
繊維事業は、実用衣料の肌着及び耐熱性繊維等の機能性繊維が堅調に推移したことにより増収となりました。
この結果、繊維事業の売上高は70億45百万円(前期比8.5%増)、営業利益は急速な円安進行の影響等による仕入原価の増加がありましたものの、増収及び前期はアスベスト撤去費用を追加で見積り計上したこともあり4億43百万円(同283.7%増)となりました。
ホ. その他
その他の区分は、ビル管理サービス、訪花昆虫の販売等により構成されております。
収益認識に関する会計基準等の適用により売上高が1億61百万円減少したほか、訪花昆虫の出荷減等により減収となりました。
この結果、その他の売上高は14億97百万円(同12.1%減)、営業利益はビル管理サービス事業での労務費の減少等により1億50百万円(同8.1%増)となりました。
当期末の総資産額は、前期末に比べ18億59百万円減少の1,381億14百万円(前期末比1.3%減)となりました。
当期末における負債総額は、前期末に比べ12億76百万円増加の536億38百万円(同2.4%増)となりました。
当期末における純資産額は、前期末に比べ31億35百万円減少の844億75百万円(同3.6%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当期末における連結ベースの「現金及び現金同等物」(以下「資金」という。)は、104億62百万円となり、前期末に比べ3億51百万円の減少(前期末比3.2%減)となりました。
イ. 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果使用した資金は、7億12百万円(前期は46億4百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益(37億81百万円)、非資金項目である減価償却費(26億78百万円)があったものの、棚卸資産の増加額(25億23百万円)、法人税等の支払額(19億74百万円)があったことによるものであります。
ロ. 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果得られた資金は、36億23百万円(前期は22億50百万円の収入)となりました。これは主に、定期預金の純減少額(37億円)があったことによるものであります。
ハ. 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、32億62百万円(前期は40億59百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出(22億52百万円)、配当金の支払額(6億65百万円)があったことによるものであります。
当期における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格ベースで表示しております。
当社グループは、「機械関連事業」の一部を除き、原則として受注生産ではなく見込生産であります。
なお、受注生産を行っている「機械関連事業」の当期の受注高及び当期末の受注残高は、次のとおりであります。
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.当連結会計年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%未満
であるため記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。
a. 経営成績の状況
当期における経営成績の概要については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。連結損
益計算書の主要項目ごとの前期との主な増減要因は次のとおりであります。
イ. 売上高
当期の売上高は、前期に比べ33億53百万円減収の342億74百万円(前期比8.9%減)となりました。
(不動産事業)
不動産事業は、中核事業であるコクーンシティ(さいたま新都心駅前社有地)において、テナント売上が回復傾向にあることや、2021年10月に開業した福島ショッピングセンターが当期は通年寄与したこと等により増収となりました。
翌期の売上高は、当期並みを見込んでおります。
中核事業であるコクーンシティについては、テナント入替や環境整備に努め、集客魅力、施設鮮度の維持向上を図ります。その他物件については、物件ごとのライフサイクルを踏まえた維持管理に努め、収益物件としての価値を持続させるとともに、新たな活用が見込める不動産については、安定収益につなげるべく、最適な活用プランを検討してまいります。
(医薬品事業)
医薬品事業は、自社販売体制への商流切り替えのための一時的な販売減や薬価改定等により減収となりました。
翌期の売上高は、毎年の薬価改定による収益低下の影響は受けるものの、当期は自社販売体制への商流切り替えのため一時的に販売減となっていたことから増収を見込んでおります。今後は各種固定費削減施策を実施し、収益構造の再構築を図ってまいります。また、新薬開発においては、既存の循環器領域の他、希少疾病分野にも強みのある企業を目指してまいります。
(機械関連事業)
機械関連事業は、消防自動車事業で新型コロナウイルス感染症拡大の影響による地方公共団体からの更新需要の減少等により減収となりました。
翌期の売上高は、コロナ禍による自治体予算減少からの回復により、増収を見込んでおります。ただし、車載用半導体の不足等によるシャシの入庫遅れは継続すると見込んでいるため、引き続き動向を注視しながら、仕様の集約化・標準化や生産性向上等に取り組むことで更なる採算性の改善に努めてまいります。
(繊維事業)
繊維事業は、実用衣料の肌着及び耐熱性繊維等の機能性繊維が堅調に推移したことにより増収となりました。
今後は、実用衣料においては当社衣料品事業を子会社へ譲渡し、両社の知見・ノウハウを集約することで介護商品等の展開拡大を目指すほか、共通機能の集約により一層のコスト圧縮を進めてまいります。機能性繊維については、耐熱性繊維の用途拡大を進めるほか、水溶性繊維では、需要増の見込める自動車内装用途等への販売を強化してまいります。
(その他)
収益認識に関する会計基準等の適用により売上高が1億61百万円減少したほか、訪花昆虫の出荷減等により減収となりました。
ロ. 売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益
売上原価は、前期に比べ20億25百万円減少の213億64百万円(同8.7%減)となりました。売上原価率は前期に比べ0.2ポイント上昇して62.3%となりました。
売上総利益は、減収に加え売上原価率も上昇したため、前期に比べ13億27百万円減益の129億9百万円(同9.3%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、医薬品事業の研究開発費や自社販売体制への商流切り替えに伴う費用の増加等の影響により前期に比べ99百万円増加の115億39百万円(同0.9%増)となりました。
なお、売上高販管費率は、前期に比べ3.3ポイント上昇し、33.7%となりました。
以上の結果、営業利益は、前期に比べ14億27百万円減益の13億69百万円(同51.0%減)となりました。
不動産事業では、「コクーンシティ」においてテナント売上が回復傾向にあることや、2021年10月に開業した福島ショッピングセンターが当期は通年寄与したこと等による増収により増益となりました。医薬品事業では、自社販売体制への商流切り替えのための一時的な販売減や薬価改定等による大幅な減収により減益となりました。機械関連事業では、消防自動車事業の新型コロナウイルス感染症拡大の影響による地方公共団体からの更新需要の減少等により減収で減益となりました。繊維事業では、急速な円安進行の影響等による仕入原価の増加がありましたものの、増収及び前期はアスベスト撤去費用を追加で見積り計上したこともあり増益となりました。その他の事業では、ビル管理サービス事業での労務費の減少等により増益となりました。
2020年までの構造改革において収益構造を大幅に改善したものの、エネルギー・原材料価格の高騰や急激な円相場の変動によるコスト増に加え、医薬品事業では2021年以降の毎年薬価改定の影響を強く受けております。今後につきましては、更なる構造改革により一層の事業安定性と採算性の改善を図るとともに、新たな収益源の獲得に取り組むことで 企業価値の向上を目指してまいります。
ハ. 営業外収益(費用)、経常利益
営業外収益(費用)は、前期・当期とも純額で収益となり、当期は12億12百万円(同14.6%増)の収益(純額)となりました。当期は受取配当金の増加があったこと等により、前期に比べ1億54百万円増益となりました。
以上の結果、経常利益は、営業外損益が純額で増益となりましたものの、営業利益の減益により前期に比べ12億72百万円減益の25億82百万円(同33.0%減)となりました。
ニ. 特別利益(損失)、税金等調整前当期純利益
特別利益(損失)は、前期・当期とも純額で収益となり、当期は11億99百万円(同67.0%減)となりました。当期は、特別損失の発生は無かったものの、前期に多額の土地等の売却に伴う固定資産売却益を計上していた反動で特別利益が減少したことにより、前期に比べ純額で24億36百万円減益となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前期に比べ37億9百万円減益の37億81百万円(同49.5%減)となりました。
ホ. 法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、前期に比べ11億11百万円減少の12億34百万円(同47.4%減)となりました。
なお、税金等調整前当期純利益に対する負担率は32.6%となり、前期に比べ1.3ポイント上昇しました。
非支配株主に帰属する当期純損失は、主に子会社であるトーアエイヨー㈱が当期純損失を計上したため、前期に比べ4億62百万円悪化の2億70百万円の損失(前期は1億91百万円の利益)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ21億35百万円減益の28億17百万円(前期比43.1%減)となりました。
b. 財政状態の状況
イ. 資産の部
流動資産は、前期末に比べ6億79百万円減少の563億79百万円(前期末比1.2%減)となりました。増減の主要な項目は、現金及び預金、受取手形及び売掛金、商品及び製品であり、現金及び預金は40億51百万円減少し、受取手形及び売掛金、商品及び製品はそれぞれ9億76百万円、24億71百万円増加しました。
固定資産は、前期末に比べ11億79百万円減少の817億34百万円(同1.4%減)となりました。増減の主要な項目は、建物及び構築物、投資有価証券、退職給付に係る資産であり、建物及び構築物は減価償却の進行により16億28百万円減少し、投資有価証券は保有する有価証券の時価上昇等により2億56百万円、退職給付に係る資産は3億12百万円増加しました。
上記により総資産額は、前期末に比べ18億59百万円減少の1,381億14百万円(同1.3%減)となりました。
ロ. 負債の部
流動負債は、前期末に比べ2億78百万円増加の190億41百万円(同1.5%増)となりました。増減の主要な項目は、支払手形及び買掛金、1年内返済予定の長期借入金、未払法人税等、その他であり、支払手形及び買掛金、1年内返済予定の長期借入金はそれぞれ4億45百万円、9億70百万円増加し、未払法人税等、その他はそれぞれ6億52百万円、4億40百万円減少しました。
固定負債は、前期末に比べ9億98百万円増加の345億97百万円(同3.0%増)となりました。増減の主要な項目は、長期借入金、長期未払金、繰延税金負債であり、長期借入金は16億27百万円増加し、長期未払金、繰延税金負債はそれぞれ2億13百万円、2億1百万円減少しました。
上記により負債総額は、前期末に比べ12億76百万円増加の536億38百万円(同2.4%増)となりました。
ハ. 純資産の部
純資産は、前期末に比べ31億35百万円減少の844億75百万円(同3.6%減)となりました。増減の主要な項目は、資本剰余金、利益剰余金、非支配株主持分であり、子会社株式の取得により資本剰余金が54億60百万円増加、非支配株主持分が104億70百万円減少し、利益計上により利益剰余金が21億51百万円増加しました。
また、自己資本比率は前期末に比べ5.9ポイント上昇し、50.6%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当期のキャッシュ・フローの分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、不動産事業における商業施設等の運営費用や医薬品事業、機械関連事業、繊維事業における製品製造のための原材料等の購入、製造費、販売費等の運転資金に加え、設備投資や研究開発活動費、社有地における大規模開発等の戦略的投資資金であります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入による資金調達を行っております。
運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本とし、運転資金の効率的な調達を行うため、金融機関と当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しております。また、当社及び連結子会社においてグループ・ファイナンス制度を導入し、資金効率の向上と金融収支の改善に努めております。大規模開発資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
(注) 1.各指標の算出方法は次のとおりであります。
(1) 自己資本比率:自己資本/総資産
(2) 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(3) キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
(4) インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象
としております。
6.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
7.2022年12月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、
営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、会計方針の選択・適用、期末日における資産・負債及び会計期間における収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積りは、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載しております。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の収束時期を予測することは現時点において困難でありますが、経済活動の正常化が進み回復していくものと予想しており、翌連結会計年度以降、事業環境の回復は継続すると仮定しております。これらの見積りにおいて用いた仮定が、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
2022年12月31日現在
2022年12月31日現在
該当事項はありません。
2022年12月31日現在
(注) 1.帳簿価額にはリース投資資産を含めておりません。
2.土地には全面時価評価法による評価差額が含まれております。
3.従業員数の( )は、平均臨時雇用者数を外書しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 新株予約権の行使による増加であります。
2022年12月31日現在
(注) 1.「金融機関」には、「株式給付信託(BBT)」制度の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が保有している当社株式1,515単元が含まれております。なお、当該株式は連結財務諸表及び財務諸表において自己株式として表示しております。
2.自己株式1,908,266株は「個人その他」に19,082単元及び「単元未満株式の状況」に66株含めて記載しております。
2022年12月31日現在
(注) 1.当社は、自己株式1,908,266株を取得しておりますが、上記大株主から除いております。なお、持株比率は自己株式1,908,266株を控除して計算しております。また、自己株式には、「株式給付信託(BBT)」に基づき株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式(151,500株)を含んでおりません。
2.三井物産株式会社の所有株式数は、同社が退職給付信託の信託財産として拠出しているものであります。
3.前事業年度末現在主要株主であった株式会社鹿児島東インド会社は、当事業年度末現在において主要株主でなくなり、ASO GROUP Limitedが新たに主要株主となりました
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・商品等の種類・性質と事業形態を考慮して事業部及び子会社を置き、事業部及び子会社は、サービスの向上と売上及び利益の拡大を目指し、事業活動を展開しております。
当社グループは、「不動産事業」、「医薬品事業」、「機械関連事業」、「繊維事業」の4つを報告セグメントとしております。
各事業の内容は下記のとおりであります。
(1) 不動産事業……ショッピングセンターの運営、不動産賃貸
(2) 医薬品事業……医療用医薬品の製造・販売
(3) 機械関連事業…消防自動車の製造・販売
(4) 繊維事業………肌着、靴下、絹製品、カジュアルインナー、機能性繊維の製造・販売、ブランドライセンス業等