三菱製紙株式会社
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第157期の期首から適用しており、第157期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.従業員数には出向者を含めておりません。なお、第154期・第155期・第156期・第157期・第158期の出向者数はそれぞれ、696名・693名・687名、670名、598名です。
3.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第157期の期首から適用しており、第157期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社グループ(当社、連結子会社24社、非連結子会社5社及び関連会社8社)が営んでいる主な事業内容と、各社の当該事業に係る位置づけ及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
機能材料、化学紙の製造・販売などを当社、KJ特殊紙㈱、珠海清菱浄化科技有限公司、MPM Hong Kong Limitedほか1社が行っております。
写真感光材料の製造は、当社及び北上ハイテクペーパー㈱が行っております。
製品の販売は、当社、ダイヤミック㈱、北上ハイテクペーパー㈱、三菱イメージング(エム・ピー・エム),Inc.ほか2社が行っております。
製品の加工・仕上包装などを、京菱ケミカル㈱、高砂紙業㈱、北菱興業㈱が行っております。印刷・加工・販売などを行う会社が1社あります。
紙の製造は、当社、エム・ピー・エム・王子ホームプロダクツ㈱、三菱ハイテクペーパーヨーロッパGmbHが行っております。
パルプの製造は、当社及び東邦特殊パルプ㈱が行っております。
当社八戸工場と同工場内子会社の業務請負をエム・ピー・エム・オペレーション㈱が行っております。
欧州子会社の管理・統括を三菱ペーパーホールディング(ヨーロッパ)GmbHが行っております。
製品の販売は、当社、三菱王子紙販売㈱、三菱ハイテクペーパーヨーロッパGmbHほか2社が行っております。
製品の加工・仕上包装などは、八戸紙業㈱、八菱興業㈱、㈱カツマタが行っております。
倉庫・運輸関連サービスの提供などを、浪速通運㈱ほか2社が行っております。
木材チップの当社への供給を新北菱林産㈱が、填料の供給を兵庫クレー㈱が行っております。
海外における植林事業を行っていたフォレスタル・ティエラ・チレーナLtda.は、2018年1月に土地・植林資産の譲渡を行っており、今後清算予定であります。
その他の事業を行う会社が2社あります。
スポーツ施設運営、保険代理店業、不動産業を菱紙㈱が行っております。
当社の工場設備の保守・設計製作をはじめとするエンジニアリング業などを三菱製紙エンジニアリング㈱及び菱工㈱ほか1社が行っております。
その他の事業を行う会社として、エム・ピー・エム・王子エコエネルギー㈱があります。
企業集団の概略を図示すれば、次のとおりであります。

(注)1.特定子会社に該当しております。
2.有価証券報告書の提出会社であります。
3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有の内書であり、所有している会社は次のとおりであります。
※1 三菱王子紙販売㈱
※2 三菱ペーパーホールディング(ヨーロッパ)GmbH
4.三菱王子紙販売㈱及び三菱ハイテクペーパーヨーロッパGmbHの売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)については、連結売上高に占める割合が10%を超えております。なお、主要な損益情報等は次のとおりであります。
5.2023年4月1日を効力発生日として、当社を吸収合併存続会社、北上ハイテクペーパー㈱及び北菱興業㈱を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行っております。
6.2023年4月1日を効力発生日として、三菱王子紙販売㈱を吸収合併存続会社、ダイヤミック㈱を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行っております。
7.2023年4月1日を効力発生日として、エム・ピー・エム・オペレーション㈱を吸収合併存続会社、八戸紙業㈱及び八菱興業㈱を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行っております。
2023年3月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数については従業員数の100分の10未満のため記載を省略しております。
2.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門の従業員であります。
2023年3月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数については( )内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門の従業員であります。
当社の労働組合は日本紙パルプ紙加工産業労働組合連合会に加盟し、2023年3月31日現在の組合員数は831名であります。なお、当社グループでは、一部の連結子会社で労働組合が結成されておりますが、労働組合の有無にかかわらず、円満な労使関係を持続しております。
(4) 労働者の男女の賃金の差異
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.三菱製紙㈱全労働者の平均年齢は、男性50.2歳、女性42.5歳、合計49.2歳であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、高い技術力を活かした製品を顧客に提供し社会に貢献するために以下を企業理念とし、この企業理念のもと当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて企業活動を進めております。
・ 世界市場で顧客の信頼に応える企業グループ
・ 常に技術の先端を行く企業グループ
・ 地球環境保全、循環型社会に貢献する企業グループ
(2) 経営環境
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える大きな要因として、紙素材事業の構造的な需要減退、木材チップ、製紙用パルプ・重油・石炭・諸薬品等の原燃料価格変動があります。
販売体制の効率化に向け、ダイヤミック株式会社を三菱王子紙販売株式会社に統合し、当社グループの販売代理店を1社に統合いたしました。これにより同社は、分野にかかわらず当社グループ製品の販売を担う唯一の販社として、グループ全体の販売最適化を進めてまいります。
機能商品事業は原燃料高騰の影響を受けておりますが、販売数量の回復や価格修正によりこの影響を最小限に抑えるべく対策を進めております。エアフィルター、メルトブロー不織布、機能性濾材、超耐熱ガラス繊維不織布など、安全かつ快適なサステナブル社会の実現に貢献する機能性不織布関連事業の拡大を目指します。又、自動車、省エネ・通信機器向けに規模の拡大が見込まれるバッテリーセパレータ事業、情報・通信技術の高度化に伴う電子工業材料事業等のエレクトロニクス関連分野においても更なる規模の拡大を図ってまいります。
紙素材事業は機能商品事業同様の原燃料価格の高騰影響に加え、需要減退など厳しい環境にありますが、需要動向に合わせた生産体制最適化と在庫適正化を進めると共に製品の価格の適正化を図ってまいります。更には需要減少に対応するため品揃え拡充により外販パルプを拡販、紙袋用途で需要が堅調なクラフト紙、減プラ・脱プラの加速化により需要拡大が見込めるバリアコート紙等の環境配慮型の商品の拡販を図ります。加えて、生産・販売体制の構造改革を実現し、紙素材事業を安定した収益を生み出す基盤事業にしてまいります。
当社グループは、2023年3月期より新たな中期計画として「中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)」に取り組んでおります。「中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)」では最終年度(2025年3月期)の経営数値目標を以下の通り設定しております。
○ 経営数値目標
(4) 会社の対処すべき課題
<中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)>
新型コロナウイルスによる生活様式の変化は、デジタル化の進展による紙需要の減少を加速させましたが、この市場の変化への対応のため当社グループは収益基盤強化のための構造改革をこれまでにないスピードで推進してまいります。
その実現のため、当社グループでは「新しい三菱製紙グループの創造」とのスローガンを掲げて2023年3月期より中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)を開始しております。
中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)の基本方針及び諸施策実施状況は以下の通りです。
① 「選択と集中」「新事業拡大」による収益力の強化
成長事業である、機能性不織布関連事業やエレクトロニクス関連分野の拡大を強力に推進し、事業を伸長させています。今後も『機能商品事業』に集中的にリソースを投じ、売上・利益を着実に伸長させ、当社の主力事業にしてまいります。『選択と集中』による構造改革を進めるなか、販売子会社や工場サイト子会社の統合などのグループ組織再編を行ったほか、ドイツ事業フレンスブルグ工場の事業売却を決定いたしました。今後も収益性向上施策として組織合理化を進めてまいります。
② グリーン社会への貢献
脱プラ・廃プラ、安全かつ快適なサステナブル社会の実現に寄与する環境配慮型製品の拡販に加え、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みなど、グリーン社会に貢献する活動に取り組んでおります。YouTubeチャンネル「Green Webcast」を開設、「Green」をテーマに、当社製品やイベントのご紹介、体験型森林環境学習「エコシステムアカデミー」の活動の様子などを発信し、ステークホルダーの皆様に当社グループの取り組みと当社製品について理解を深めていただけるよう努めてまいります。
③ サステナビリティ向上のための組織変革
コーポレートガバナンス強化、サステナビリティ推進、ダイバーシティー&インクルージョン、コンプライアンスの徹底、働き方改革等の各種取り組みを推進するための組織変革に取り組んでおります。ガバナンス向上、関連部門間での連携強化、各工場・子会社を含めた全社統制機能の強化を図ること等を目的に、2023年4月1日より本部制を導入しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
(1) 市場及び事業に関するリスク
① 国内需要の減少及び市況価格の下落
国内景気の大幅な後退により、当社グループ製品の機能性材料、インクジェット用紙、写真感光材料、紙・パルプ等の国内需要が大幅に減少した場合や、製品市況が下落した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 原燃料価格の上昇
当社グループが調達する主要原燃料である木材チップ、製紙用パルプ、重油、石炭等の価格は、国際的な需給関係や国際紛争等の影響を受け変動するため、これら主要諸資材の価格が上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 設備投資
当社グループの主要事業である機能商品事業、紙素材事業はいわゆる装置産業にあたり、多額の設備投資資金を要します。当社グループでは、大型の設備投資は将来の需要予測に基づいて実施いたしますが、市場の動向が変化した場合等においては、新規設備の稼働率が十分に上がらない可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 固定資産の減損
当社グループは生産設備等の固定資産を有しております。これらの固定資産は、事業環境の変化によって将来キャッシュ・フローに悪化が見込まれる場合に、固定資産の減損に係る会計基準の適用により、減損損失が発生する可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得の予測に基づいて繰延税金資産の計上・取崩を行っております。経営成績が大幅に悪化した場合には、繰延税金資産の回収が見込めないと判断をし、繰延税金資産を減少させることにより、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 金融及び経済に関するリスク
① 為替変動
当社グループは、原材料の購入及び製品の販売等において、広く外貨建て取引及び外貨ベースでの円建て取引を行っております。輸入取引と輸出取引のどちらか一方に大きく偏っているということはありませんが、為替レート変動の影響を受けることになるため、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 金利の上昇
当社グループは、主に借入れによる資金調達を行っており、大幅な金利の上昇が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 投資有価証券
当社グループは、政策的に保有している取引先の株式等時価のある投資有価証券を保有しております。当社グループが保有する株式等の投資有価証券の時価が大幅に下落した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 退職給付債務
当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算上の前提に基づいて算出されております。株式市場の下落などにより前提条件が変動した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) その他のリスク
① 災害
当社グループの国内外の事業所、社有林等は、地震、津波、火災等の災害に見舞われる可能性があります。また、テロやサイバー攻撃のような人為的な災害に見舞われる可能性もあります。この場合、保険金で補償される金額を除いて、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 新規感染症拡大
新型コロナウィルスの世界的な感染拡大は各国に甚大な影響を及ぼしました。今後も同様に、感染症が世界的に拡大した場合、需要低迷により、生産販売数量が大幅に減少する可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 法規制又は訴訟
当社グループの国内外における事業は、環境、知的財産、製造物責任等各種の法規制を受けており、それに関連し訴訟等を受ける可能性があります。その結果によっては、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 偶発事象
その他偶発事象に起因して費用や損失が発生し、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループにおいて発生しうるリスクをすべて予測することは不可能であり、リスクは上記に限られるものではありません。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の状況及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、個々の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって、重要な見積りや計画の策定は、過去の実績や現状を勘案して合理的に行っておりますが、これらは不確実性を伴うため、実際の結果は異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産について減損の兆候がある場合、減損損失の認識の判定は、当該資産グループの将来の事業計画に基づく割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって行っております。判定の結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回り、減損損失の認識が必要とされた場合、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額又は使用価値のいずれか高い方の金額)まで減額し、当該帳簿価額の減少額は減損損失として認識します。将来キャッシュ・フローの算定は一定の見積り・前提により行っておりますので、将来キャッシュ・フローが想定より減少した場合は、将来の連結財務諸表において、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、将来の課税所得について合理的な仮定に基づく見積りを行い、繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得に関する仮定について変動が生じた場合などは、将来の連結財務諸表の繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
② 経営成績に関する説明
当期は、新型コロナウイルス感染症拡大に対する感染対策と経済活動の両立が進み、経済活動は一定程度の回復が続きました。一方、ウクライナ情勢の長期化、原燃料価格の高騰、為替相場の変動など、依然として不確実性が高い状況が続いております。
当社グループを取り巻く環境におきましては、ウィズコロナへのシフトがみられた一方、原油・石炭・天然ガス・木材チップなどの原燃料価格高騰の影響を大きく受けました。
このような状況下、当社グループは各事業の需要動向に合わせた生産体制により、生産性の向上を図るとともに、販売面では製品価格の改定や新製品の拡販に努めました。
また、当期より当社グループでは「新しい三菱製紙グループの創造」とのスローガンを掲げて「中期経営計画」(2023年3月期~2025年3月期)を開始しております。
「中期経営計画」(2023年3月期~2025年3月期)の基本方針は以下の通りです。
① 「選択と集中」「新事業拡大」による収益力の強化
② グリーン社会への貢献
③ サステナビリティ向上のための組織変革
中期経営計画の方針に沿って、「選択と集中」につきましては、様々な取り組みを進めました。2023年1月30日にドイツ事業フレンスブルク工場の事業売却を決定しました。持分譲渡実行日は2023年度上期を予定しております。また、2023年4月1日付でグループ組織再編を決定し実行しました。販売体制の効率化に向け、ダイヤミック株式会社を三菱王子紙販売株式会社に統合し、当社グループの販売代理店を1社に統合しました。これにより同社は、分野にかかわらず当社グループ製品の販売を担う唯一の販社として、グループ全体の販売最適化を進めてまいります。この他に、当社と北上サイト子会社の統合、八戸サイト子会社同士の統合などを行い、収益性向上施策として選択と集中、グループの組織変革を進めました。
また、「グリーン社会への貢献」につきましては、カーボンニュートラルに向けてのCO2排出量削減や省エネの推進、TCFD提言に沿った情報開示等を実施いたしました。「サステナビリティ向上のための組織変革」では、人材育成のためのキャリアアップ教育の充実や働き方改革の推進、動画投稿サイトを使った社外発信の強化等を進めました。
当期の連結売上高は、原燃料価格高騰に対して行った製品価格改定等により、2,095億4千2百万円(前期比15.2%増)となりました。
損益面では、原燃料価格高騰の影響が大きかったものの、製品価格改定、固定費削減・原単位向上等のコストダウン効果により、連結営業利益は9億6千8百万円(前期は連結営業損失2億4千8百万円)、為替差益等も加わり連結経常利益は30億8千9百万円(前期は連結経常利益19億6千4百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、ドイツ事業フレンスブルク工場の事業売却に伴う事業譲渡損等、「選択と集中」のための特別損失の計上により5億7千1百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次の通りとなりました。
なお、当連結会計年度より、社内組織に合わせたセグメントへ変更し、従来の「イメージング事業」と「機能材事業」を統合して「機能商品事業」、従来の「紙・パルプ事業」に「倉庫・運輸事業」を加えて「紙素材事業」としております。
(単位:百万円)
(注)調整額は主として内部取引に係るものです。
(機能商品事業)
機能材関連製品は、バッテリーセパレータや電子工業材料のエレクトロニクス関連製品、化粧板原紙、テープ原紙などの販売金額は前年を上回りましたが、エアフィルター、水処理膜支持体、壁紙用裏打紙の販売金額は前年を下回りました。
メルトブロー不織布は、抗菌・抗ウイルスなどの機能を持たせた集塵フィルターなどラインアップを拡充しました。また、ヘルスケアカテゴリーの中でも生殖医療分野に向けて、研究用卵子・胚の凍結保存用デバイスとなる「ディアムール」の立ち上げに注力しました。
イメージングメディア関連製品は、印刷製版材料及び写真用原紙の販売数量は減少しましたが、インクジェット用紙の海外向け拡販や販売価格改定及び為替の影響により販売金額は前年を上回りました。
この結果、機能商品事業全体としては、原燃料価格高騰の影響が大きかったものの、成長商品の拡販や価格改定により、増収増益となりました。
引き続き、中期経営計画の重点分野である機能性不織布関連事業においては、水処理膜支持体の新規ユーザー獲得や食品・飲料・医療など特殊膜分野への展開に加え、耐熱不織布、メルトブロー不織布などの拡販、エレクトロニクス関連製品では、需要拡大が見込まれる自動車向け蓄電用セパレータや特殊ドライフィルムレジストを起点とした電子工業材料の拡販に注力してまいります。また、テープ原紙や滅菌紙につきましても、更なる拡販に取り組んでまいります。
画像出力や印刷向けを中心に需要が減少しているイメージングメディア関連製品は、ラベル用途や産業用インクジェットなど新たな需要を取り込み、販売数量の維持に努めると共に、継続して生産体制の見直しを図り、収益向上に取り組んでまいります。
(紙素材事業)
国内市場は、需要減少が続く印刷用紙を中心に販売数量は減少したものの、価格改定効果もあり販売金額は増加しました。輸出は、販売数量、金額ともに一定程度回復しました。
市販パルプは、原燃料高によるコスト増に対応し国内製品価格の修正を実施、輸出は円安効果もあり、販売数量、金額ともに増加しました。
ドイツ事業は、販売数量は前年を下回りましたが、天然ガス・パルプ価格を中心とする原燃料価格の高騰を受け販売価格改定を実施した結果、販売金額は増加しました。
この結果、紙素材事業全体としては、原燃料価格高騰の影響が大きかったものの、価格改定により、増収増益となりました。
価格改定効果の維持、生産体制最適化と在庫水準適正化の取り組みの継続に加え、脱・減プラスチックに寄与する高機能クラフト紙の拡販、バリアコート紙の品揃え拡大等で、製品ポートフォリオの転換と早期の収益安定化を目指してまいります。
ドイツ事業は、引き続きコストと製品価格のバランスの維持、フレンスブルク工場売却後の生産体制の再構築によるコストダウンに取り組み、安定した収益の確保を目指してまいります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
流動資産は、売掛金、棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ137億4千2百万円増加しました。
固定資産は、減価償却の進行による有形固定資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ25億6千2百万円減少しました。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ111億7千9百万円増加し、2,270億5千8百万円となりました。
負債は、借入金、支払手形及び買掛金の増加等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ87億5千1百万円増加し、1,550億1千6百万円となりました。
非支配株主持分を含む純資産は、退職給付に係る調整累計額の増加等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ24億2千8百万円増加し、720億4千1百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.5ポイント減少し、31.7%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7億2千1百万円減少し、83億2千5百万円となりました。
営業活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ44億2千万円増加し、27億2千1百万円となりました。収入の主な内訳は、減価償却費82億8千7百万円、仕入債務の増加32億9千3百万円であり、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加81億1千5百万円、売上債権の増加44億9千8百万円であります。
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ10億7百万円増加し、35億6千5百万円となりました。支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出45億4千6百万円、収入の主な内訳は、有形及び無形固定資産の売却による収入7億1千7百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ113億円増加し、52億9百万円となりました。これは主に借入金の増加によるものです。
当社グループの運転資金需要の主なものは、原燃料購入費用、製造諸費用、販売費及び一般管理費等であります。投資資金需要の主なものは、既存設備の改善や効率向上、省エネルギー対応などの性能向上、成長分野での事業拡大と多様な新規事業の確立に向けた設備投資などであります。
当社グループの運転資金及び設備資金については、自己資金、金融機関からの借入金、コマーシャル・ペーパーの発行等により充当することとしております。また、資金調達手段の多様化として売掛債権の流動化も実施しております。長期借入金の資金調達につきましては、金利動向等の市場環境を見ながら、シンジケート・ローンの活用など調達手段や調達時期を適宜判断して実行しております。
また、当社グループ内では、キャッシュ・マネジメント・システムを導入して資金の一元管理を行い、資金効率の向上を図っております。
経営上の重要な契約等は次のとおりであります。
2023年3月31日現在
(注)1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品であります。
3.白河事業所には当社グループ以外へ賃貸している土地310百万円(123千㎡)が含まれております。
4.従業員数の[ ]は、臨時従業員数を外書しております。
2023年3月31日現在
(注)1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品であります。
3.三菱王子紙販売㈱及び菱紙㈱の賃貸不動産は、主として当社グループ以外へ賃貸しているものであります。
2022年12月31日現在
(注)1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注)1.2018年2月6日開催の取締役会において決議した、王子ホールディングス株式会社に対する第三者割当増資による新株式の発行によるものであります(発行価格726円 資本組入額363円)。
2.2021年5月28日開催の取締役会において、会社法第448条第1項の規定に基づき、資本準備金を2,067百万円減少し、その他資本剰余金へ振り替えたものであります。
2023年3月31日現在
(注)1.自己株式74,273株は、「個人その他」に742単元、「単元未満株式の状況」に73株をそれぞれ含めて記載しております。なお、自己株式74,273株は株主名簿上の株式数であり、2023年3月31日現在の実質的な所有株式数は74,173株であります。
2.役員報酬BIP信託が保有する当社株式911,871株は、「金融機関」に9,118単元、「単元未満株式の状況」に71株をそれぞれ含めて記載しております。
2023年3月31日現在
(注)1.日本マスタートラスト信託銀行株式会社及び株式会社日本カストディ銀行の所有株式数については、信託業務に係る株式数を記載しております。
2.役員報酬BIP信託が保有する当社株式911千株は、発行済株式の総数に対する所有株式数の割合の計算において控除する自己株式に含めておりません。
3.三菱瓦斯化学株式会社の所有株式数には、同社が退職給付信託の信託財産として拠出している株式360千株が含まれております。(株主名簿上の名義は「日本マスタートラスト信託銀行株式会社(退職給付信託口・三菱瓦斯化学株式会社口)」であります。)
1.報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、本社に製品別の事業部を置き、取り扱う製品について国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
当社グループは事業部を基礎とした製品別セグメントから構成されており、「機能商品事業」「紙素材事業」の2つを報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「機能商品事業」は機能性材料等の製品群、写真感光材料、インクジェット用紙等の製品群、「紙素材事業」は印刷・情報用紙、パルプ等の製品群を取り扱う事業を遂行しております。
当連結会計年度より、社内組織に合わせたセグメントへ変更し、従来の「イメージング事業」と「機能材事業」を統合して「機能商品事業」、従来の「紙・パルプ事業」に「倉庫・運輸事業」を加えて「紙素材事業」としております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成しており、「3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報」の前連結会計年度に記載しております。
