中越パルプ工業株式会社
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第106期の期首から適用しており、第106期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第106期の期首から適用しており、第106期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注)株式会社中越エステートは2023年4月1日に当社が吸収合併しております。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社8社、非連結子会社3社、持分法適用関連会社6社、及び持分法非適用関連会社7社により構成され、紙パルプ製品の製造販売、発電事業を主な内容とし、さらに、セルロース・ナノファイバー関連製品の製造・販売、紙加工品の製造・販売、原材料等の供給、製品の断裁加工・選別包装、並びに製品の物流及びその他のサービス等の事業活動を展開しております。
当社グループの事業内容及び事業に係る位置付けは、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。
紙・パルプ製造事業
発電事業
その他
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

連結子会社
(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.㈱中越エステートは2023年4月1日に当社が吸収合併しております。
その他の関係会社
(注) 1.「議決権の被所有割合」欄の〔内書〕は間接所有であります。
2. 有価証券報告書の提出会社であります。
持分法適用関連会社
(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.「議決権等の所有割合」欄の( )内は、内数で間接所有割合であります。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であります。
2.発電事業につきましては、紙・パルプ製造事業と兼任しているため、紙・パルプ製造事業に含めて表示しております。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)
であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.発電事業につきましては、紙・パルプ製造事業と兼任しているため、紙・パルプ製造事業に含めて表示しております。
当社及び連結子会社では、下記の表のとおり労働組合を組織している会社が4社あり、これらの労働組合にて「中越紙パルプ労働組合協議会」を組織しております。
また、中越パルプ労働組合、三善製紙労働組合は、「日本紙パルプ紙加工産業労働組合連合会」に加盟しております。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
② 連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、永続的発展のため、ひたむきに人を大切にしたものづくりに努め、国際競争を勝ち抜く、強い企業創りを目指しております。
その実現のため、経営理念に“愛され信頼される企業に”を第一に掲げ、コンプライアンスに徹し、真摯で誠実な企業活動を旨として、品質第一主義と弛まざる技術革新で顧客満足を希求するとともに、地域社会との共存共栄を図ってまいります。さらに企業の社会的責任の視点に立って、環境と社会に貢献し、向上心あふれる働きがいのある会社づくりに励み、企業価値を高めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
① 2025年度までに、営業利益40億円、ROE5%の収益を確保します。
② 製造工程における化石燃料由来のCO₂排出量を2030年度までに2013年度比50%削減することを目標として掲げ、達成に向けて取り組んでまいります。
(3) 会社の経営戦略
当社グループは、2030年に目指す姿を「ビジョン2030」として掲げており、既存事業の発展・環境ビジネスの発展・イノベーションにより、森林資源の有効活用を通した循環型社会の構築と、持続可能な未来の実現に取り組みます。またカーボンニュートラル社会の実現に向けて、事業活動におけるCO₂排出量削減の新たな目標に向けた取り組みを進めています。
「ビジョン2030」の実現に向けて、「既存事業の構造転換」「森林資源を活用した環境投資・環境ビジネス推進」を柱とした「中期経営計画2025」の取り組みを進めています。
「既存事業の構造転換」では、グラフィック用紙の需要減少への対応として高岡工場6号抄紙機の停機による印刷情報用紙の生産集約を図ります。また、コロナ禍で高まった家庭紙分野の需要は今後成長が期待できる分野であることから家庭紙分野へ新規参入します。さらに事業領域拡大としてパルプの増産、販売強化に取り組みます。グループ事業においては、他社商権の譲受による販路拡大、文具事業の整理など選択と集中による収益力の強化を目指します。
「森林資源を活用した環境投資・環境ビジネスの推進」においては、新素材CNF実用化の加速や、脱プラスチックへの対応として新素材マプカを製造する中越エコプロダクツ事業の早期事業化を目指します。また、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、新たなバイオマス発電設備の設置、既存ボイラーの脱石炭、植林事業の検討を進めます。
(4) 会社の対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症も終息に向かい、消費の回復が期待される一方で、長期化するウクライナ情勢や欧米や中国の景気後退懸念など、様々なリスクが事業環境に影響をおよぼすことが予測され、予断を許さない状況が続く見通しです。このような情勢の変化にも耐えうる安定した収益基盤を構築すべく、以下の諸施策についてグループを挙げて取り組んでまいります。
① 収益基盤の強化
・紙製品の販売強化
新規販路の開拓に取り組むとともに、生産品目を見直し、不採算品種から優利品種への置き換えによる販売製品構成の改善を図ることで、収益確保に努めます。
・原材料調達コストの削減
海外産木材チップと比べ価格的に優位である国内産木材チップの集荷を増やし、製紙工程で使用する諸資材の原価改善を図ることでコスト削減を推進します。
・安定操業と製造コストの削減
安定操業のもと、製造工程における効率改善や新たなコストダウン策の検討により製造コストの圧縮に努めます。
・物流について
物流業界の2024年問題に対し、製品および原材料の安定輸送体制の構築に努めます。
② 中期経営計画の取り組み
当社グループは、2030年に目指す姿を掲げた「ビジョン2030」と、その実現のために収益目標と環境目標を定めた「中期経営計画2025」を策定し、達成に向けて取り組んでいます。
「中期経営計画2025」では、収益目標については「2025年度までに営業利益40億円、ROE5%以上」、カーボンニュートラル社会の実現に向けた環境目標については「製造工程における化石燃料由来のCO₂排出量を2030年度までに2013年度比で50%削減」と定め、目標達成に向けて取り組んでいます。2022年度は営業利益2,594百万円、ROE6.1%となり、ROEについては収益目標を達成しました。事業ポートフォリオにおいては、家庭紙や外販パルプなどの紙パルプ事業領域拡大、エネルギー、環境ビジネスの比率増加を図っております。
また、企業価値の向上に向けて、気候変動に関する対応やサステナビリティの取り組みを進めております。昨年6月にはTCFD提言に賛同し、提言に沿って事業への影響の分析と、対応するための体制や活動の強化に努めております。また人材育成、従業員の労働環境への配慮、女性従業員の活躍推進などサステナビリティをめぐる課題へ取り組んでおります。
・既存事業の構造転換
グラフィック用紙の需要減少への対応として、高岡工場6号抄紙機を停機し、川内・高岡両工場の抄紙機へ移抄による生産集約を行うとともに、2023年12月の家庭紙マシン稼働に向けて設置工事を進めております。また、外販パルプ生産体制の強化を図った結果、2022年度は、「中期経営計画2025」計画期間前の2020年度比で大幅な増産となりました。
今後もこれら紙パルプ既存領域以外の拡大に努めてまいります。
・森林資源を活用した環境投資・環境ビジネス推進
プラスチック削減への貢献が期待される新素材「MAPKA®」製造会社の中越エコプロダクツ株式会社は、設備の試運転を開始しました。営業運転は2023年夏頃を予定しております。
再生可能エネルギー関連では、木質バイオマスや再生資源を活用した発電設備の設置を検討しており、2026年度以降の早期稼働に向けて計画を進めています。
既存ボイラーの脱石炭化の取り組みでは、二塚製造部(富山県高岡市)でボイラーの燃料として使用している石炭の使用量を減らし、2020年度比で38%の削減に成功しました。今後さらなる削減に努めてまいります。
その他、新素材CNFの早期実用化や植林事業の検討を進めます。
なお、事業ポートフォリオにおける環境ビジネスの比率については、中越エコプロダクツ事業の営業運転開始などにより、2023年度以降の増加を見込んでおります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 国内需要及び市況の変動リスク
当社グループの売上高の8割を占める紙・パルプ製造事業は概ね内需型産業であり、国内景気の影響を大きく受けます。国内景気の浮沈による国内需要の動向や市況価格の変動により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。紙の国内需要については既に減少傾向にあり、当該リスクへの対応を喫緊の課題として認識して、「中期経営計画2025」で既存事業の構造転換を計画し、家庭紙分野への新規参入やパルプの増産、販売強化に取り組んでおります。
② 原材料購入価格の変動リスク
当社グループはチップ、重油、古紙、薬品などの諸原燃材料を購入しておりますが、それぞれの国際市況、国内市況の変動により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 地球環境に対するリスク
当社グループは、気候変動対策を目的に、化石燃料使用の規制強化やそれに伴うコストの増加、紙をつくる上で、重要な原材料である木材の持続可能ではない調達の規制強化により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 地域環境汚染に対するリスク
当社グループは、環境規制遵守ができないことによる環境保護に関する風評リスク(地域社会との関係悪化に伴う反対運動の発生など)により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 為替レートの変動リスク
当社グループは輸出入取引をしており、このため当該国との取引通貨が為替変動することにより、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 金利の変動リスク
当社グループは、従来よりグループファイナンスによる資金の効率化に取り組んでおりますが、今後の金利の変動によっては経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 災害リスク
天変地異などの自然災害、テロなどの人的災害などによって、当社グループの生産設備に多大な被害を被ることにより、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応としてBCP(事業継続計画)を策定しております。
⑧ 新型コロナウイルス感染症のリスク
世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大影響による需要減少、当社グループの従業員が新型コロナウイルスに感染した場合や、政府・地域行政機関からの要請等により、生産活動を一時的に停止した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。拡大する感染症への対策として、当社グループでは新型コロナウイルスの拡散防止と社員の健康・安全・雇用確保を最優先に、国内拠点の一部において在宅勤務を推進しております。工場での生産活動につきましては、政府や地域行政機関の方針に従い、感染防止に留意しながら稼働を継続しております。また、中越エコプロダクツ事業において、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、スケジュールが大幅に遅れておりますが、製造設備の早期営業運転を目指して取り組んでおります。
⑨ 訴訟リスク
当社グループの事業活動の遂行に当たっては、様々な法規制の適用下にあって、それらによる訴訟等のリスクにさらされる可能性があり、その結果、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 偶発債務
当社グループは、上記以外の項目に関しても偶発債務に起因する損失が発生するリスクがあり、その結果、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループを取り巻く経済環境は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限緩和により、経済活動の正常化が進み、景気は持ち直してきましたが、一方で、円安や長期化するロシア・ウクライナ問題による国際情勢の不安定化、原燃料価格の高止まり等、景気の先行きは依然不透明な状況が続いております。
このような状況のなか当社グループは、グラフィック用紙の需要減退に対応すべく、紙・パルプ事業の生産体制再構築の取り組みを進めるとともに、グループ事業について選択と集中による収益力向上を図るなど、既存事業の発展・強化に努めております。
環境ビジネスとして、nanoforestの化粧品原料への利用拡大、鶏舎用環境改善資材の販売を進めるとともに、農林水産省が策定する「みどりの食糧システム戦略」で推進する総合防除(IPM)の「物理的防除」に対応した農業資材の実用化への取り組みや、nanoforestを用いてプラスチック再生時の物性低下を防止する技術を利用し、再生プラスチック循環型社会の実現に向けた取り組みを進めております。加えて、プラスチック使用削減に貢献する中越エコプロダクツ事業については試運転を進め、早期事業化に注力しております。
当期の営業成績につきましては、製品価格の改定や製品販売強化、安定操業に取り組んだことにより前期と比較し、増収・増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は105,668百万円(前年同期比17.3%増収)となり、営業利益は2,594百万円(前年同期比10.3%増益)、経常利益は3,397百万円(前年同期比10.4%増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,050百万円(前年同期比140.5%増益)となりました。
事業の種類別セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(紙・パルプ製造事業)
◎ 新聞用紙
発行部数の減少による全体的な需要減に歯止めが掛からず、数量は前期を下回りました。金額は価格改定が寄与したものの数量減を補完するには至りませんでした。
◎ 印刷用紙
国内販売につきましては、コロナ禍で落ち込んでいた経済活動は正常化するも、複数回に亘る値上げやチラシ関連を中心とした低グレード化が進み全体数量は前期を下回りました。輸出については、期前半は好調に推移しましたが、期後半は東南アジアを中心とした需要減退があり、数量は前期並みとなりました。金額は販売数量減があったものの、価格改定が寄与して前期を上回ることが出来ました。
◎ 包装用紙
国内販売につきましては半導体不足による自動車関連低調が尾を引き、製粉関連の伸び悩みの影響も大きく、行動制限解除による土産物関連での手提袋の需要回復はありましたが、数量は前期を下回りました。内需減退の受け皿である輸出は東南アジアを中心とした需要減により前期を下回りました。販売数量減があったものの価格改定が寄与し金額は前期を上回ることが出来ました。
◎ 特殊紙・板紙及び加工品等
壁紙は好調に推移し前期を上回り、脱プラ需要および巣ごもり需要の食品関連を中心とした加工原紙も前期を上回りました。金額に関しましても販売数量増に加え価格改定が寄与し前期を上回ることが出来ました。
◎ パルプ
昨年秋口までの世界的パルプ市況の好調により、数量・金額ともに前期を上回りました。
これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。
連結売上高 94,246百万円(前年同期比 19.1%増収)
連結営業利益 1,559百万円(前年同期比 19.9%増益)
(発電事業)
燃料価格の高騰はありましたが、売電単価の価格改定を行ったことなどにより増収・増益となりました。
これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。
連結売上高 7,340百万円(前年同期比 13.8%増収)
連結営業利益 806百万円(前年同期比 12.5%増益)
(その他)
文具事業の事業整理や原燃料価格の高騰等により減収・減益となりました。
これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。
連結売上高 16,543百万円(前年同期比 13.7%減収)
連結営業利益 100百万円(前年同期比 59.3%減益)
財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ722百万円増加し、122,751百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,290百万円減少し、71,118百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,013百万円増加し、51,633百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,751百万円減少し、8,110百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,662百万円(前連結会計年度比67.7%減少)となりました。
これは主として、税金等調整前当期純利益3,119百万円、減価償却費5,823百万円、売上債権の増加額4,596百万円、棚卸資産の増加額2,941百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は5,124百万円(前連結会計年度比62.7%増加)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出5,979百万円、長期貸付金の回収による収入630百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4,795百万円(前連結会計年度比18.6%減少)となりました。
これは主として、長期借入による収入5,200百万円、短期借入金の純増減額2,499百万円による支出、長期借入金の返済による支出6,538百万円、配当金の支払額532百万円によるものです。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) パルプは未晒総生産量であり自家消費量を含んでおります。
当社グループは、大部分が市況を勘案した見込み生産を行っており、グループ全体の受注状況を把握することは困難であるため、該当事項については記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、製品価格の改定や国内・輸出向けに製品の販売を強化したことが寄与し、売上高は105,668百万円と前期に比べ15,563百万円の増収(前年同期比17.3%増)となりました。収益面では、円安や原燃料価格の高騰の影響を受けたものの、製品価格の改定のほか、安定操業や製造コストの縮減に努めたことで、営業利益2,594百万円(前年同期比10.3%増)、経常利益3,397百万円(前年同期比10.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,050百万円(前年同期比140.5%増)の増益となりました。
セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
④ 経営戦略の現状と見通し
2024年3月期の国内経済につきましては、新型コロナウイルス感染症に対する各種制限解除が進み、インバウンド需要の回復など、経済活動は回復傾向にあるものの、物価上昇に伴う消費マインド停滞等、先行きについては不透明な状態が続くものと思われます。
また、海外におきましても、長期化するロシア・ウクライナ情勢や外国為替相場の変動等の影響による原燃料価格の上昇、中国の景気減速に伴う中国・東南アジアへの輸出減少など、経済活動の先行きは予断を許さない状況です。
このような状況下、販売におきましては原燃料価格の高騰に応じた適正価格の維持、製造工程における効率向上、安定操業実現による製造コスト圧縮の取り組みにより、収益基盤の強化を図ってまいります。また、『中期経営計画2025』で掲げる「既存事業の構造転換」・「環境投資・環境ビジネスの推進」の取り組みを確実に実践してまいります。
⑤ 財政状態及びキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ0.6%増加し、122,751百万円となりました。これは主として、現金及び預金が6,751百万円減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が4,596百万円、商品及び製品が1,606百万円、原材料及び貯蔵品が1,206百万円増加したこと等によります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ3.1%減少し、71,118百万円となりました。これは主として、金融機関からの借入金が3,838百万円減少したことによります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ6.2%増加し、51,633百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益3,050百万円、配当金の支払534百万円などにより利益剰余金が2,516百万円増加したことによります。また自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.2ポイント増加し42.0%となりました。
当社グループのキャッシュ・フローにつきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
当社グループの資金計画は、設備投資資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、銀行借入やコミットメントラインの利用などによって流動性を保持しております。今後の主な設備投資資金需要として、家庭紙マシンの新設(投資総額49億円)を予定しております。
また、当社グループはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、資金融通を行うことで資金効率を高めております。
当社グループの当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ6,751百万円減少し、8,110百万円となりました。
なお、当連結会計年度末の金融機関からの借入金の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、常に市場ニーズに密着し、創造的で信頼性の高い技術をもって、人と環境にやさしい「紙」の開発と安定した製品の供給により、経済・社会・文化の発展に寄与することを社会的使命と認識し「紙」の文化の創造に果敢に挑戦しております。
そして、「株主重視」「顧客重視」に心がけ、当社グループの総合力に対する信頼性と収益性の確保・向上を目指し、株主・顧客・地域社会・社員・企業の共存共栄を図るとともに、社会に対する貢献を重点に企業活動を行ってまいります。
また、グローバル化に対応し、迅速な情報開示に努め、透明な経営姿勢を保ち、加えて効率的な連結経営を行うことで、国際競争力の強化を図り、当社グループの存在価値を高めてまいります。
該当事項はありません。
2023年3月31日現在
(注) 1.「その他」は、工具器具備品であります。
2.土地(※印)には山林用地7,852,418㎡を含んでおります。
3.( )内は外数で連結会社以外から賃借中のものであり、< >内は内数で連結会社以外へ賃貸中のものであります。
4.リース契約による主な賃借設備は次のとおりであります。
2023年3月31日現在
(注) 1.「その他」は、工具器具備品であります。
2.< >内は内数で連結会社以外へ賃貸中のものであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 2017年6月28日開催の第101期定時株主総会決議により、2017年10月1日付で当社普通株式10株を1株に併合いたしました。これにより、発行済株式総数は120,192,195株減少し、13,354,688株となっております。
2023年3月31日現在
(注) 自己株式は404,486株であり、「個人その他」欄に4,044単元及び「単元未満株式の状況」欄に86株を含めて記載しております。
2023年3月31日現在
(注) 1.千株未満は、切り捨てて表示しております。
2.上記日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)、株式会社日本カストディ銀行(信託口4)、株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式は信託業務に係る株式であります。
3.当社は、自己株式404,486株を保有しておりますが、上記大株主から除いております。
1 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、紙・パルプ製造事業及び発電事業を主たる事業とし、それら主たる事業を補助する事業を営んでおり、その事業区分ごとに当社及び当社の連結子会社が独立した経営単位として単一もしくは複数の事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは、「紙・パルプ製造事業」・「発電事業」を報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「紙・パルプ製造事業」は、紙製品・紙加工品原紙、パルプの製造・販売を主な事業としており、「発電事業」
は売電を主な事業としております。また、「その他」は、ナノフォレスト事業、紙加工品製造、造林・緑化事業、木材チップの購入・販売、運送、機械設備設計施工(修理)、建設施工、工業薬品の購入・製造・販売、紙断裁選別包装、保険代理、中越エコプロダクツ事業等の様々な方面から紙・パルプ製造事業、発電事業を補助しております。