レンゴー株式会社
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していない。
2 2021年3月期より取締役等に対し、信託を用いた株式報酬制度を導入している。株式報酬制度にかかる信託口が保有する当社株式を、「1株当たり純資産額」の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めている。また、「1株当たり当期純利益」の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めている。
3 2019年3月期より連結範囲を変更し、レンゴー・トッパンコンテナー㈱(現RGコンテナー㈱)他8社を新たに連結の範囲に含め、広東聯合包装有限公司他1社を除外した。また、アルデズ・ノース・アメリカ社を新たに持分法適用会社としている。
4 2020年3月期より連結範囲を変更し、トライコー社他13社を新たに連結の範囲に含めている。
5 2021年3月期より連結範囲を変更し、川沃包装工程(常州)有限公司他5社および持分法適用会社であったサン・トックス㈱を新たに連結の範囲に含め、タルタニパック㈱他2社を除外した。また、ユナイテッド・パルプ・アンド・ペーパー社を新たに持分法適用会社としている。
6 2022年3月期より連結範囲を変更し、大興製紙㈱他3社を新たに連結の範囲に含め、ウェルシュ・ボクシーズ・アンド・エンジニアリング・ホールディング社を除外した。
7 2023年3月期より連結範囲を変更し、トライコー・パッケージング・システムズ社他19社を新たに連結の範囲に含め、トライウォール・ホールディングス社他2社を除外した。また、河北光明方信包装材料有限公司を新たに持分法適用会社としている。
8 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第154期の期首から適用しており、第154期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっている。
(注) 1 第151期の1株当たり配当額は、創業110周年記念配当2円を含んでいる。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していない。
3 2021年3月期より取締役等に対し、信託を用いた株式報酬制度を導入している。株式報酬制度にかかる信託口が保有する当社株式を、「1株当たり純資産額」の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めている。また、「1株当たり当期純利益」の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めている。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第154期の期首から適用しており、第154期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっている。
5 最高株価および最低株価は東京証券取引所(プライム市場)におけるものである。
当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社240社および関連会社33社で構成されており、主な事業内容は次のとおりである。
当社グループの事業にかかわる位置づけ、およびセグメントとの関連は、次のとおりである。なお、セグメントと同一の区分である。
板紙の製造・販売事業は、当社および丸三製紙株式会社等が行っており、各社の製品はレンゴーペーパービジネス株式会社を含む独自の販路にて販売されるほか、段ボールの主原料として当社およびレンゴーペーパービジネス株式会社を通じてグループ内にも供給されている。
段ボールおよび段ボール箱の製造・販売事業は、当社、大和紙器株式会社およびセッツカートン株式会社等が各社独自に行っている。特に、当社およびレンゴー・リバーウッド・パッケージング株式会社は、缶ビールの6缶パック等に使用されるマルチパックの製造・販売を行っている。
クラフトパルプの製造・販売事業は、大興製紙株式会社が行っている。
軟包装製品の製造・販売事業は、朋和産業株式会社等が行っており、当社も販売事業のみ行っている。
セロファンの製造・販売事業は、当社が行っている。
重包装製品の製造・販売事業は、日本マタイ株式会社等が行っている。
海外における各種製品の製造・販売事業については、板紙はビナクラフトペーパー社等、段ボールおよび段ボール箱は大連聯合包装製品有限公司等、軟包装製品は江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司等、重包装製品はトライウォール社等、不織布は無錫聯合包装有限公司が行っている。
各種製品の製造・販売事業については、不織布はレンゴー・ノンウーブン・プロダクツ株式会社、紙器機械は山田機械工業株式会社等が行っている。
紙器機械については、当社も販売事業のみ行っている。
運送事業、保険代理業、リース業および不動産業は、レンゴーロジスティクス株式会社および山陽自動車運送株式会社等が行っている。
(概要図)

(注) 複数の事業を営む会社については各セグメントにそれぞれ記載している。
(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメント情報に記載された名称を記載している。
2 RGコンテナー㈱、レンゴーペーパービジネス㈱、日本マタイ㈱、無錫聯合包装有限公司、レンゴー・パッケージング社、トライウォール社およびトライウォール・ヨーロッパ・ホールディング社は特定子会社に該当する。
3 議決権の所有割合の(内書)は間接所有割合である。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員である。
2 当連結会計年度末において、従業員数が前連結会計年度末に比べ2,407名増加した。主な要因は、㈱タキガワ・コーポレーション・ジャパンの株式、トライコー・パッケージング・システムズ社の持分を取得し、両社および両社の子会社を連結の範囲に含めたことに伴い、軟包装関連事業、海外関連事業の従業員数が増加したことによるものである。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員である。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいる。
特記すべき事項はない。
異
① 提出会社
ⅰ) 女性管理職比率(2023年3月31日現在)
(注) 1 当社から社外への出向者、社外から当社への出向者を除く。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
ⅱ) 男性の育児休業取得率(自2022年4月1日至2023年3月31日)
(注) 1 当社から社外への出向者、社外から当社への出向者を除く。
2 「―」は育児休業取得の対象となる男性従業員がいないことを示している。
3 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
ⅲ) 男女の賃金の差異(自2022年4月1日至2023年3月31日)
(注) 1 当社から社外への出向者、社外から当社への出向者、および役員を除く。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
②連結子会社
(注) 1 「―」は対象となる従業員がいないことを示している。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものである。
(1) 企業集団の経営戦略
当社は、1909年の創業以来、わが国における段ボール産業のパイオニアとしての誇りと、業界のトップメーカーとしての地位を保ちながら、広くユーザーを開拓し、技術力を高め、新しい需要を創造し続けてきた。
現在、当社グループの事業領域は、板紙から段ボールまでの強固な一貫生産体制に、紙器や軟包装、重包装が加わり、国内外で多様なパッケージング・ソリューションを生み出している。当社グループは、高い倫理観と公正な経営姿勢をもって経営資源を効率的に活用のうえ、収益力の向上と企業価値の極大化に努め、株主・取引先・従業員・地域社会などさまざまなステークホルダーとの良好な関係を構築し、あわせて適正かつ魅力ある還元を行うことにより広く社会に貢献していきたいと考えている。
同時に、地球環境保護の観点より企業レベルでの対応が要求されている環境経営についても、全社的な取組みを行っている。
当社グループが目標とすべき重要な経営指標は次のとおりである。
・売上高経常利益率: 6%以上
・D/Eレシオ : 1.5倍以下
なお、当連結会計年度においては、売上高経常利益率3.4%、D/Eレシオ1.1倍である。
当社グループは、「製紙」「段ボール」「紙器」「軟包装」「重包装」「海外」の6つのコア事業を中心に多彩な事業を展開し、包装全般にわたり幅広くソリューションを提供してきた。今後も、たゆまぬ意識改革とイノベーションを通じて、産業全般に積極的に働きかける提案型の企業集団「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーを目指していく。また、当社グループは、コア事業および周辺事業において、ユーザーオリエンテッド(顧客志向)を基本方針とし、より高い品質とサービスを提供することによる顧客満足度の向上に努め、持続的な成長を図っていく。
製紙事業については、需要に見合った供給体制の維持に努めるとともに、生産性の向上、コスト削減、新製品の開発に、継続的に取り組んでいる。
段ボール事業については、グループ全体での営業力の強化、最適な生産体制の構築を進めている。また、お客様のニーズにお応えする「提案型営業」へ積極的に取り組み、競争力向上に努めている。
紙器事業については、求められる機能に対応する最適なパッケージを提供するとともに、これまで蓄積してきた知識、技術を集結して、新時代のパッケージづくりを追求していく。
軟包装事業については、当社子会社である朋和産業株式会社を中心に展開している。お客様の要望にお応えできる高機能な製品を、最新の設備で提供し、当社グループの軟包装事業のさらなる競争力と収益基盤の強化を図っていく。
重包装事業については、当社子会社である日本マタイ株式会社を中心に展開している。当社グループにおける相乗効果を追求すると同時に、お客様の商品の価値を高める重包装製品を提供し続けるために、社会の変化に対応する技術革新に取り組んでいく。
海外事業については、今後の成長分野として事業の拡大を図ると同時に、「選択と集中」による経営資源の有効活用を目指した施策にも、積極的に取り組んでいく。中国・東南アジアでの事業展開を強化するとともに、当社グループが近年まで未進出であった欧州や北米等の地域についても、トライウォールグループを通じて新しい展開を推進する。
当社グループは、各コア事業と周辺事業の総力を結集し、お客様の包装に関わるプロセス全体に対して、最適なソリューションを提供することにより、企業価値の向上に取り組んでいく。
また、環境負荷の低減、社会貢献活動への取組みといった、企業が果たすべき社会的責任についても積極的に遂行し、さまざまなステークホルダーの信用と信頼に足る企業グループとなるべく、鋭意努力していく。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後のわが国経済は、社会経済活動の正常化が進むとともに内需の回復が期待される一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う不確実性の高まりや世界的な金融引締め等が続く中で、海外景気の下振れが景気を下押しするリスクとなる可能性がある。
このような状況のもと、揺るぎない経営基盤を構築するために、以下の課題に対し、グループ全体で取り組んでいく考えである。
① 製品の適正価格の維持
当社グループは、板紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装など、それぞれの製品において、継続的なコスト削減努力や製品の品質向上、安定供給の取組みと同時に、需要に見合った生産および設備能力の実現を目指し、再生産可能な適正価格水準の維持に尽力する。
② 環境問題への取組みの強化
当社グループは、地球環境の保全に配慮した経営を実践することが、企業の持続的発展には不可欠であるという認識に立ち、全力をあげて環境保全活動に継続的に取り組んでいく。
また、環境負荷の小さい製品の研究・開発および設計に努め、環境配慮製品を提案・推進していく。
③ コスト競争力の強化
製造コストおよび物流コストの低減や生産性の向上については、産業界全般にわたる課題でもある全要素生産性(TFP:Total Factor Productivity)改善の観点を踏まえ、従来からの取組みに加え、新たな発想で諸問題を創造的に解決するためのプロジェクトチームを必要に応じ発足させ、活動している。
④ グループ経営の強化
コア事業、その他周辺事業ともに、当社各事業部門を軸とし、グループ各社との連携強化へ向けての取組みを加速していく。その一環として、「グループ経営会議」と、その分科会である「営業戦略部会」および「財務戦略部会」を設置し、情報と戦略の共有を図り、グループ全体の業容の拡大とともに、財務体質の改善に取り組んでいく。
⑤ 海外事業の拡大と収益向上
今後の成長に向けた原動力として、新たな海外への事業展開を検討していく。また、既存の海外事業においては、これまで培ってきた国内外でのネットワークの有効活用による日系企業、多国籍企業との取引拡大、および現地化を推進するとともに、「選択と集中」をキーワードとして、経営資源の配分を見直し、収益の向上を図っていく。あわせて、グローバルなフィールドに対応した人材育成に取り組んでいく。
⑥ DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進
当社グループは、最新のデジタル技術を活用し、製造・物流・営業・管理の各方面で、業務の効率化、新たな付加価値の創造、働き方改革への対応を進めていく。代表取締役社長を委員長とする「DX推進検討委員会」を設置し、全社ビジネスの各フェーズのデジタル化を俯瞰的、横断的に検討し事業プロセスの進化を図る。同時に、情報セキュリティ対策の強化やDX人材育成にも取り組んでいく。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものである。
(1) 製品需要、市況動向
当社グループの主力製品である板紙、段ボール製品は、国内の景気動向の影響を大きく受ける。景気後退による需要の減少、競争の激化等による市況の悪化要因により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらに対し当社グループでは、安定した需要が見込まれる食品向けの受注に加えて、特定業種における需要の減少等の影響を相対的に低減させるべく、幅広い業種の取引先と良好な関係を構築するよう努めるとともに、より付加価値の高いパッケージづくりを通じて、提案型営業を推進することで競争力を高め、リスクの最小化に努めている。
(2) 原燃料価格
当社グループの主要原材料である段ボール古紙の価格は、中国をはじめとするアジア地域における需要動向の影響を受ける。国内における需給バランスに変動が生じた場合には、購入価格の上昇によるコスト増加要因となり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループにおいては、主に都市ガス、LNG、重油、石炭を燃料として利用している。これらの価格は、国際商品市況の影響を受けるため、市況が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらに対し当社グループでは、生産性の向上や省資源・省エネルギーに資する設備投資等の実施によって原単位の改善、燃料の多様化に取り組み、リスクの最小化に努めている。
(3) 自然災害、疫病
当社グループの製造拠点等が、大規模な地震、台風等の自然災害によって多大な被害を受けた場合、事業活動の中断等により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
また、大規模感染症の流行等によって当社グループの事業活動が中断等を余儀なくされた場合、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらに対し当社グループでは、特定の事業所において事業活動の中断等が起こった場合は、全国に展開している製造拠点から製品の供給が行えるよう、供給責任を果たす体制の構築に努めている。
(4) 海外事業
当社グループは、中国、東南アジアならびにヨーロッパを成長市場と位置づけ、板紙・紙加工関連 事業、軟包装関連事業、重包装関連事業を展開している。海外進出に対し、当社グループは、リスクを十分に検討したうえで投資の意思決定を行っているが、海外における事業活動については、為替変動リスク、自然災害・疫病等のリスクあるいは国ごとにさまざまな経済的、政治的リスクが存在しており、これらの顕在化により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらに対し当社グループでは、早期に適切な対応が取れるよう、グループ各社や当社の担当部門が適時に情報の収集および共有をし、リスクの最小化に努めている。
なお、当連結会計年度の当社グループの海外売上比率は20.1%である。
(5) 金利の変動
当社グループの有利子負債は、当連結会計年度末現在において404,289百万円である。有利子負債については、削減に鋭意取り組んでいるが、金利変動リスクを有しているため、市場金利が上昇した場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
(6) 株価の変動
当社グループは、取引先を中心に株式を保有しているが、市場性のある株式においては、各種要因による株価の下落により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループにおける年金資産は、株価水準の影響を受けるため、退職給付費用に変動が生じる。
(7) 為替の変動
当社グループは、製品、原材料および燃料の輸出入取引において、為替変動の影響を受けることがあり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
(8) 事業再構築
当社グループは、企業価値の増大に向けて事業の選択と集中に取り組んでおり、この過程における一時損失が発生し、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
(9) 訴訟
当社グループは、国内外で継続して事業活動を行う過程において、知的財産関連、環境関連等の訴訟を提起されるリスクを負っており、訴訟の内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
これらに対し当社グループでは、法令順守等のコンプライアンス経営に努めており、役員、従業員のコンプライアンス意識向上のために階層別に研修・教育を実施し、リスクの最小化に努めている。
(10) その他
当社グループは、上記の事項以外にも、予期せぬ事態によるリスクを負う可能性があり、これらの内容によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりである。
当連結会計年度のわが国経済は、長期化する新型コロナウイルス感染症やロシアによるウクライナ侵攻以降の世界的な物価高騰、円安、エネルギーの安定供給確保などさまざまな課題に直面する中、ウィズコロナの新たな段階への移行に伴う社会経済活動の正常化、政府による各種政策効果により、個人消費や設備投資を中心に持ち直しの動きがみられるようになった。
このような経済環境の中で、板紙業界においては、期間前半は底堅く推移したが、物価高騰による内需の鈍化、低調な輸出も相まって、生産量は前年を下回った。
段ボール業界においては、食品や通販・宅配分野で需要が好調を維持した一方で電気・機械器具向けが減少し、生産量は前年並みとなった。
紙器業界においては、個人向けの加工食品が堅調に推移したことにより、生産量は前年を上回った。
軟包装業界においては、脱プラスチックの動きはあるものの、食品関係を中心とする堅調な需要に支えられ、生産量は前年を上回った。
重包装業界においては、世界的な景気後退の影響を受けて石油化学関連の需要が減少し、生産量は前年を下回った。
以上のような状況のもとで、当社グループは、あらゆる産業の全ての包装ニーズをイノベーションする「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーとして、営業力の強化、積極的な設備投資やM&A等を通じ、業容拡大と収益力向上に鋭意取り組んできた。
また、世界的な原燃料価格の高騰等を受け、一昨年来、段ボール原紙をはじめとする板紙、段ボール、セロファン、ポリプロピレンフィルム、軟包装の各種製品価格の改定に取り組んできたが、ロシア・ウクライナ情勢等を背景とするさらなる資源高に円安の進行も相まって、一段のコスト上昇を吸収することが極めて困難な状況となったため、再生産可能な価格体系に向けての取組みを引き続き推し進めてきた。
2022年6月、産業用機械メーカーのFCL株式会社(愛知県長久手市)に資本参加し当社グループにおける生産技術を支える設備開発力の向上を図った。7月には海洋プラスチックごみ問題に貢献すべく木材由来のパルプを原料とした生分解可能な球状セルロース微粒子「ビスコパール®」のプラントを金津工場(福井県あわら市)に新設、また9月には丸福株式会社(石川県白山市)を子会社化し紙器・軟包装事業を拡充した。引き続き10月には2024年1月の操業開始を目指して松山工場(愛媛県松山市)の移転先として愛媛東温工場(愛媛県東温市)の建設に着手、2023年2月には日藤ダンボール株式会社(埼玉県桶川市)を子会社化し段ボール事業を強化した。
海外においては、2022年5月、欧州の事業展開に一層注力するためレンゴー・ヨーロッパ社(ドイツ)を設立。6月に同社とトライコー社(ドイツ)を通じて同国の重量物包装資材メーカーであるティム・パッケージング・システムズ社を子会社化(新社名:トライコー・パッケージング・システムズ社)する一方、8月にはトライウォール社(香港)が英国の段ボールメーカーを子会社化するとともに9月には米国の重量物包装資材メーカーの事業を取得するなど、グローバル化を推し進める重量物包装資材事業のさらなる拡充を図った。
ESG経営における環境への取組みは、“Less is more.”をキーワードに掲げる当社グループとして最も優先すべき課題であり、2030年度におけるCO2排出量削減目標「2013年度比46%削減」(エコチャレンジ2030)に向け、2022年8月に尼崎工場(兵庫県尼崎市)においてバイオマス焼却設備を更新し都市ガス使用量の削減を図るとともに、10月には八潮工場(埼玉県八潮市)に次ぐ2基目の発電用バイオマスボイラを利根川事業所(茨城県坂東市)にて稼働開始した。
この結果、当連結会計年度の売上高は、846,080百万円(前期比113.3%)、営業利益は25,957百万円(同78.0%)、経常利益は28,682百万円(同78.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は20,425百万円(同72.5%)となった。主な内容は次のとおりである。
売上高については、食品や通販・宅配分野で需要が好調を維持したほか、前年から取り組んできた製品価格の改定が寄与したことにより増収となった。
営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益については、原燃料価格の高騰や固定費の増加等により減益となった。
当連結会計年度の売上高経常利益率については、3.4%と目標を2.6ポイント下回った。これは主に原燃料価格の高騰等によるものであるが、現在、当該コストアップを回収できる適正な製品価格の水準の維持に努めている。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
[板紙・紙加工関連事業]
板紙・紙加工関連事業については、製品価格の改定により増収となったものの、エネルギーおよび古紙価格上昇の影響により減益となった。
この結果、当セグメントの売上高は483,851百万円(同107.8%)、営業利益は14,314百万円(同63.2%)となった。
主要製品の生産量は、次のとおりである。
(板紙製品)
板紙製品については、内需の鈍化、低調な輸出の影響を受け、生産量は2,523千t(同97.6%)となった。
(段ボール製品)
段ボール製品については、食品や通販・宅配向けなどの底堅い需要に支えられ、生産量は段ボール4,336百万㎡(同99.5%)、段ボール箱3,607百万㎡(同100.4%)となった。
[軟包装関連事業]
軟包装関連事業については、製品価格の改定および連結子会社の増加により増収増益となった。
この結果、当セグメントの売上高は115,512百万円(同122.9%)、営業利益は2,987百万円(同144.7%)となった。
[重包装関連事業]
重包装関連事業については、製品価格の改定により増収となったものの、原料価格上昇の影響により減益となった。
この結果、当セグメントの売上高は45,059百万円(同106.3%)、営業利益は1,124百万円(同69.3%)となった。
[海外関連事業]
海外関連事業については、連結子会社が増加したことや欧州において価格改定が進んだことにより、増収増益となった。
この結果、当セグメントの売上高は166,312百万円(同131.5%)、営業利益は6,009百万円(同123.1%)となった。
[その他の事業]
その他の事業については、売上高は前年並みとなったが、原燃料価格上昇により減益となった。
この結果、当セグメントの売上高は35,345百万円(同100.4%)、営業利益は1,330百万円(同68.5%)となった。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
当社グループにおいては、紙器機械等一部の事業で受注生産を行っているが、その重要性が乏しいため記載を省略している。
その他の製品については、見込み生産を行っているか、受注生産であっても生産と販売の関連において製品の回転が極めて速く、月末(または期末)における受注残高が少ないため、記載を省略している。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注) 当連結会計年度において、海外関連事業の販売実績が著しく増加している。これは、トライウォールグループの業績が寄与したことに加え連結子会社が増加したことによるものである。
当連結会計年度末の総資産は、主に受取手形及び売掛金、有形固定資産および無形固定資産の増加により、1,053,138百万円となり、前連結会計年度末に比べ118,793百万円増加した。
負債は、主に長短借入金や支払手形及び買掛金の増加により667,405百万円となり、前連結会計年度末に比べ87,349百万円増加した。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加や、為替レートの変動に伴う為替換算調整勘定の増加により、385,732百万円となり、前連結会計年度末に比べ31,443百万円増加した。
この結果、自己資本比率は35.4%となり、前連結会計年度末に比べ1.2ポイント低下した。また、1株当たり純資産額は1,505円09銭となった。
また、D/Eレシオについては1.1倍となり、目標の1.5倍以下を達成している。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は70,912百万円となり、前連結会計年度末の残高と比べ13,077百万円増加した。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。
営業活動による資金の増加額は46,066百万円(前連結会計年度に比べ11,287百万円の収入の減少)となった。主な内訳は、税金等調整前当期純利益30,857百万円、減価償却費44,848百万円、売上債権の増加16,808百万円、法人税等の支払額12,250百万円である。
投資活動による資金の減少額は60,646百万円(前連結会計年度に比べ5,966百万円の支出の増加)となった。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出42,611百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社出資金の取得による支出14,138百万円である。
財務活動による資金の増加額は20,023百万円(前連結会計年度に比べ18,163百万円の収入の増加)となった。主な内訳は、長短借入金の純増額26,333百万円、社債の発行による収入10,000百万円、社債の償還による支出5,087百万円、配当金の支払額5,965百万円である。
資本の財源および資金の流動性について、当社グループは、資金調達については銀行借入および社債発行により行っている。また、キャッシュマネジメントサービスを国内子会社に導入しており、グループ全体における効率的な資金活用による有利子負債の削減と金融収支の改善を図っている。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いているが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは第5「経理の状況」 1「連結財務諸表等」「注記事項」 (重要な会計上の見積り)、(追加情報)に記載している。
該当事項なし。
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定を含まない。
2 上記中[外書]は、連結会社以外から賃借している土地の面積(㎡)である。
3 上記には、連結会社以外へ貸与している資産1,635百万円(建物及び構築物107百万円、機械装置及び運搬具 22百万円、土地1,370百万円(25,599㎡)、その他の資産134百万円)が含まれている。
4 現在休止中の主要な設備はない。
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定を含まない。
2 上記中[外書]は、連結会社以外から賃借している土地の面積(㎡)である。
3 上記には、連結会社以外へ貸与している資産7,189百万円(建物及び構築物2,143百万円、機械装置及び運搬具213百万円、土地3,928百万円(233,617㎡)、その他の資産903百万円)が含まれている。
4 現在休止中の主要な設備はない。
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定を含まない。
2 上記中[外書]は、連結会社以外から賃借している土地の面積(㎡)である。
3 上記には、連結会社以外へ貸与している資産1百万円(その他の資産1百万円)が含まれている。
4 現在休止中の主要な設備はない。
該当事項なし。
該当事項なし。
(注) 日本マタイ㈱との株式交換の実施に伴う新株の発行による増加(交換比率1:0.19)である。
2023年3月31日現在
(注) 1 自己株式22,485,376株は、「個人その他」に224,853単元含めて記載している。
2 「その他の法人」および「単元未満株式の状況」の欄の中には、証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ
18単元および8株含まれている。
2023年3月31日現在
(注) 1 上記の所有株式数のうち、信託業務にかかる株式数は次のとおりである。
2 この他、当社所有の自己株式22,485千株がある。
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものである。
当社グループは、「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーとして多様な包装ニーズに応えるために、板紙から段ボール箱までの一貫生産に加え、軟包装や重包装、そして海外へも事業領域を広げ、それぞれの事業領域において取り扱う製品について包括的な戦略を立案し、事業活動を展開している。当社はこれら事業領域別のセグメントを基礎として、「板紙・紙加工関連事業」、「軟包装関連事業」、「重包装関連事業」および「海外関連事業」の4つを報告セグメントとしている。
「板紙・紙加工関連事業」は、国内における板紙、段ボール、段ボール箱およびクラフトパルプの製造・販売を行っている。「軟包装関連事業」は、国内における軟包装製品およびセロファンの製造・販売を行っている。「重包装関連事業」は、国内における重包装製品の製造・販売を行っている。「海外関連事業」は、海外における板紙、段ボール、段ボール箱、軟包装製品、重包装製品および不織布の製造・販売を行っている。