関東電化工業株式会社
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第115期の期首から適用しており、第115期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.最高株価および最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第115期の期首から適用しており、第115期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 森下弁柄工業㈱は、2023年4月1日付で㈱関東電化ファインテックへ名称を変更しています。
当社の企業集団は、当社、連結子会社7社、非連結子会社5社で構成され、無機・有機化学薬品等の基礎化学品事業、フッ素系ガスおよび電池材料等の精密化学品事業、キャリヤーおよび鉄酸化物等の鉄系事業、製品販売等の商事事業および化学工業用設備工事等の設備事業を展開しております。
当社および連結子会社の当該事業に係わる位置付けは、次のとおりであります。
基礎化学品事業――― 当社が製造販売しております。
精密化学品事業――― 当社および関東電化ファインプロダクツ韓国㈱が製造販売しております。また、関東電化KOREA㈱は韓国で、台灣關東電化股份有限公司は台湾で、それぞれ当社製品を販売しております。宣城科地克科技有限公司は、中国に製造拠点を建設中です。
鉄系事業―――――― 当社が鉄系製品を製造販売するほか、森下弁柄工業㈱が鉄酸化物を製造販売しております。
商事事業―――――― 関電興産㈱は、当社製品を販売し、当社は、同社より原材料を購入しております。また、同社は、フッ素系ガスの容器整備を行っております。
設備事業―――――― ㈱上備製作所は、化学設備関連および一般産業用の工事を行い、当社は、同社に対して設備等の設計、建設、保全工事等を委託しております。
以上述べた連結子会社と当社との関係を事業系統図に示すと次のとおりであります。

(注) 森下弁柄工業㈱は2023年4月1日付で、商号を㈱関東電化ファインテックに変更しております。
なお、非連結子会社と当社との関係は、次のとおりであります。
当社は、カンデン渋川産業㈱、カンデン水島産業㈱に対しては、工場内作業等を、㈱群馬鉄工所には、工場設備の建設・保全工事等を、関東電化産業㈱には、各種環境測定・分析業務等を委託しております。
科地克(上海)貿易有限公司は、中国で当社製品の販売と原材料の調達を行っております。
(注) 1.主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.関電興産㈱、関東電化KOREA㈱、関東電化ファインプロダクツ韓国㈱および宣城科地克科技有限公司は特定子会社に該当しております。
3.持分は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。
4.森下弁柄工業㈱は2023年4月1日付で、商号を㈱関東電化ファインテックに変更しております。
5.関東電化KOREA㈱については売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等
(注) 1.従業員数は就業人員であります。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(注) 1.従業員数は就業人員であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
当社および関電興産㈱の労働組合(組合員数611人)は、各事業所にそれぞれ支部をもつ単一組合であり、上部団体は日本化学エネルギー産業労働組合連合会に加盟しております。また、㈱上備製作所高崎工場の労働組合(組合員数47人)は、産業別労働組合J・A・Mに加盟しており、森下弁柄工業㈱の労働組合(組合員数16人)は、連合三重オブザーバー加盟であります。
なお、それぞれの労働組合の労使関係は極めて安定しており、現在組合との間に特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
② 連結子会社
(注) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
当社グループは、「会社の永遠の発展を追求し、地球環境との調和を図りながら適正な利益を確保することにより、株主、ユーザー、従業員と共に繁栄する企業を目指して持続可能な社会づくりに貢献する。」を経営の理念としております。これを実現するために、当社独自の技術と心のこもったサービスでユーザーの期待に応え、誠意・創造性・迅速な対応・自然との調和をモットーに、信頼される企業を築き上げるべく全社をあげて事業の発展に取り組んでまいります。
a.市場成長に対応する能力増強(半導体・液晶向け特殊ガス、電池材料)
b.顧客が求める(高性能、低GWP※)半導体ガス製品の市場投入
c.海外拠点との有機的連携
d.半導体ガス製品、電池材料製品の開発力強化
e.原料から最終製品までのグループ内一貫生産体制構築
※GWP:Global Warning Potential(地球温暖化係数)の頭文字。二酸化炭素を基準にして、ほかの温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるか表した数字。
a.DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による生産性向上
b.品質保証能力の向上
a.人材開発、戦略的教育プログラムの導入
b.社員のwell-being追及(働きがいを実感)
c.ジェンダー、多様性の推進
a.サステナビリティに対する活動推進
b.エネルギー多消費型製品事業の縮小と脱炭素への取組強化
c.リサイクルの推進
半導体・液晶向け特殊ガスにおいては、デジタル社会の進展を受けて長期的な成長が期待できる最先端エッチング・低GWP値ガスへの要望に応え、投資・開発を加速させていきます。
また、技術をリードすることにより成長を継続させ、需要の広がりとともに製造拠点の分散化・BCP対策を進め、顧客のニーズに応えていきます。
電池材料においては、EV需要の急増を受け供給数量の大幅な拡大を要請されています。今後、増産投資を継続していくとともに生産性の高い最先端の技術を開発し、より一層のコストダウンを進め顧客需要に応えていきます。
また、開発を進めている使用済みリチウムイオン2次電池からリチウムを再資源化する技術を世界規模で実現し、脱炭素・循環型社会に貢献していきます。
基礎化学品事業は、当社の基盤事業として原料供給機能の強化とキャッシュ・フローの最大化を図っていきます。
鉄系事業は、成長率の高い地域と製品に経営資源を集中させていきます。
また、グローバル展開を加速させ、再び成長軌道に乗せる事業展開を図っていきます。
研究開発部門は、新規製品の継続的な投入を果たし、「2024年度開発品売上高:50億円」を目指し取り組んでいきます。
開発重点テーマ
a.新事業開発分野<先端技術を支える材料>
・新電池材料、半導体材料、フッ化物、塩化物
・医療用材料
・通信用材料としての低誘電率材料
b.生産技術の開発<既存事業・新事業を支える技術>
・リサイクル(リチウム、リン、フッ素、タングステン他)
・環境改善技術(電解技術活用による省エネ、サステナビリティ)
・マテリアルズ・インフォマティクス(MI)計算ソフトによる開発支援
・既存事業の周辺技術、フッ素系ガスの原料製造、新製造技術
内部留保資金は、自己資本比率50%を目途に財務の健全性を確保しつつ、経営基盤の強化や成長分野への投資に優先して使用します。配当につきましては、配当性向20%を目安に適正な配当を継続して実施し、資本コストを意識した経営に努めます。
精密化学品の拡大を一層進めることにより成長を加速するとともに、温室効果ガス排出の削減と脱炭素に向けた技術開発を進め、サステナブルな社会に貢献する「創造的開発型企業」へ成長する。
a.精密化学品事業の成長を果たしながら、CO2排出原単位を改善
b.再生可能エネルギーの投入
c.プロダクトミックスによるCO2排出削減
d.環境配慮型製品の開発推進
2013年度比30%削減を目標とする。(Scope1、Scope2対象)
当社グループの経営成績および財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、ここに記載した事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループがリスクとして判断したものですが、当社グループに係る全てのリスクを網羅したものではありません。
当社グループの主力製品は半導体・液晶用フッ素系製品であります。半導体・液晶業界は循環的な市況変動が大きい業界であり、需給環境に大きな変化があった場合、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループ製品の川下における技術革新により、関係する製品に対する需要そのものがなくなる可能性があります。
当社グループは、韓国・中国・台湾等のメーカーとの激しい競争を繰り広げております。競争力の維持・強化に向けた様々な取り組みを進めておりますが、当社製品の技術・品質面での優位性がなくなり、競合メーカーとの価格競争となった場合には、販売シェアのダウンまたは販売価格低下により、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、東アジアを中心に海外事業活動を強化しておりますが、予期しない法令または規制の変更、政治および社会情勢の変化、テロ、感染症等のリスクがあり、これらのリスクが発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、電力が最大の原材料であります。また、当社グループは、原材料として、リチウム化合物、無水フッ酸、タングステン、工業塩、エチレン、重油等を購入しております。製造にあたっては、効率的な資材購入と製品価格への転嫁を図っておりますが、電力をはじめ原燃料の価格変動や調達状況が、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、収益の柱となるような新規製品の開発に経営資源を投入しておりますが、開発が計画どおりに進捗しない場合や、開発した製品が市場投入時に市場ニーズにマッチしない場合には、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、安全には万全を期しておりますが、万一、当社工場にて大規模事故災害が発生した場合には、社会的信用の失墜、補償などの費用の発生、生産活動停止に伴う機会損失等により、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、安定運転、品質の維持に努めておりますが、製造トラブルや品質トラブルが発生し、その回復に時間がかかる場合には、業績に影響を与える可能性があります。また、生産物賠償責任保険には加入しておりますが、この保険が最終的に負担する全ての費用を十分にカバーできない可能性があります。
(8) 情報セキュリティ
当社グループでは、情報セキュリティ基本方針、情報セキュリティガイドライン、社内情報管理規程等を制定し、各種セキュリティ対策を実施するほか、社員教育を継続的に実施するなど、ハード、ソフト双方から情報管理の徹底に努めておりますが、外部攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスの感染等により、システム障害、機密情報・個人情報の漏洩が発生した場合、当社グループへの信用および業績に影響を与える可能性があります。
(9) 気候変動
当社グループでは、気候変動による事業活動への影響を「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に基づいて分析を行いました。
4℃シナリオにおける分析においては、異常気象の頻発化および激甚化により、国内拠点での洪水被害、およびそれに伴う営業停止による損害発生の可能性があります。
2℃(1.5℃)シナリオにおける分析においては、脱炭素社会への移行のための政策の一つとして炭素税をはじめとするカーボンプライシングが導入されることによりコストが上昇する可能性、ならびに特殊ガス製品のうち温暖化係数の高い製品の需要低下により業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、地震等の自然災害や感染症の流行に対しては各種訓練や防災対策、事業継続対策は行っておりますが、災害等により製造拠点等が影響を受けた場合には、業績に影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルスについては国民の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがある状態を脱したと言えるものの、今後も既知および未知の感染症が世界的に流行する可能性があります。
感染拡大した場合に、当社グループでは、従業員の感染、物流網の停滞、原材料調達の遅延、生産活動の停止により業績に影響を与える可能性があります。また、顧客の事業活動の停止や生産計画の見直しにより当社製品の需要が減少した場合、売上高が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、製造設備など多数の固定資産を有しておりますが、今後、各製品において事業収益性が大幅に悪化した場合や、保有資産の時価が著しく低下した場合等は、減損損失の計上が必要となり、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、化学物質を取り扱う企業として環境対策に万全を期しておりますが、万一、有害物質が社外に流出した場合には、社会的信用の失墜、補償などの費用の発生、生産活動停止に伴う機会損失等により、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、土壌・地下水汚染、大気汚染、水質汚濁、廃棄物処理等各種の環境規制に服しています。これらの規制の動向等により、過去、現在および将来の当社グループの事業活動に関し、法的または社会的責任の観点から対応を行う場合は、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、金融機関から資金を調達しております。種々の借入条件を組み合わせることで、急激な金利変動に備えておりますが、金利が大幅に上昇した場合は金利負担が増加し、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業活動を行うにあたって、各種の法令・規制に服しております。グループをあげてコンプライアンスの遵守に注力しておりますが、重大な法令違反があった場合には、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業の優位性確保のため、新規開発技術の特許保護を重視する戦略をとっておりますが、開発した技術やノウハウの外部への流失や、知的財産権についての係争により、業績に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果により緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、原燃料価格の上昇や急速な為替変動等もあり、依然として厳しい状況にありました。海外においても、ウクライナ情勢の長期化や金融資本市場の変動等による景気の下振れリスクに留意する必要があり、先行き不透明な状況が続きました。
化学工業におきましても、原燃料価格や物流費の上昇に加え、半導体・電子材料業界の生産調整の影響等もあり、引き続き厳しい事業環境にありました。
このような情勢下におきまして、当社グループは、基礎化学品事業、精密化学品事業および鉄系事業の収益力を強化するとともに、当社の強みであるフッ素関連技術を活かした新規製品の開発に取り組んでまいりました。
当期の売上高は、主に精密化学品事業部門が増収となったため、786億75百万円と前期に比べ163億88百万円、26.3%の増加となりました。損益につきましては、原燃料費や減価償却費は増加したものの、主に精密化学品事業部門の増収効果により、経常利益は、136億79百万円と前期に比べ25億34百万円、22.7%の増加となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、93億82百万円と前期に比べ16億20百万円、20.9%の増加となりました。
(無機製品)
か性ソーダおよび塩酸は、販売数量は減少したものの価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。
(有機製品)
トリクロールエチレンおよびパークロールエチレンは、販売数量は減少したものの価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。
以上の結果、基礎化学品事業部門の売上高は、94億09百万円となり、前期に比べ14億42百万円、18.1%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益3億25百万円となりました(前期は営業損失69百万円)。
(特殊ガス製品)
三フッ化窒素は、販売数量は減少したものの価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。六フッ化タングステンおよびヘキサフルオロ-1,3-ブタジエンは、販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。
(電池材料製品)
六フッ化リン酸リチウムは、価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。
以上の結果、精密化学品事業部門の売上高は、639億43百万円となり、前期に比べ149億43百万円、30.5%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益114億50百万円となり、前期に比べ14億07百万円、14.0%の増加となりました。
複写機・プリンターの現像剤用であるキャリヤーは、新規製品への切り替えが進んだため、前期に比べ増収となりました。鉄酸化物は、着色剤の販売減少により、前期に比べ減収となりました。
以上の結果、鉄系事業部門の売上高は、26億66百万円となり、前期に比べ86百万円、3.4%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益6億85百万円となり、前期に比べ1億45百万円、27.0%の増加となりました。
商事事業につきましては、化学工業薬品の販売減少により、前期に比べ減収となりました。
以上の結果、商事事業部門の売上高は、7億46百万円となり、前期に比べ91百万円、10.9%の減少となりました。営業損益につきましては、営業利益1億99百万円となり、前期に比べ4百万円、2.6%の増加となりました。
化学設備プラントおよび一般産業用プラント建設の売上高は、請負工事の増加により前期に比べ増収となりました。
以上の結果、設備事業部門の売上高は、19億08百万円となり、前期に比べ6百万円、0.4%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益6億02百万円となり、前期に比べ2億22百万円、58.7%の増加となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べ43億85百万円減少し、219億87百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、72億91百万円となりました(前年同期は111億76百万円の資金の獲得)。これは主に、税金等調整前当期純利益が134億25百万円、減価償却費が76億97百万円となったことにより増加した一方で、棚卸資産の増加額が105億55百万円、法人税等の支払額が41億06百万円、売上債権の増加額が34億79百万円となったことにより減少したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、166億27百万円となりました(前年同期は111億20百万円の資金を使用)。これは主に、精密化学品事業の成長投資及び維持投資に伴う有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、44億24百万円となりました(前年同期は24億16百万円の資金の獲得)。これは主に、長期借入金の返済による支出が59億11百万円となった一方で、長期借入れによる収入が120億80百万円となったことによるものであります。なお、長期借入れによる収入につきましては、主に精密化学品事業の成長投資及び維持投資に使用予定であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、基本的に販売価格によっておりますが、設備事業の金額は、当連結会計年度の製造費用によっております。
当連結会計年度の設備事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 前連結会計年度の三菱ケミカル株式会社およびキオクシア株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性の判断にあたり、現時点で入手可能な情報に基づいた将来の課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ課税所得が減少した場合、繰延税金資産が取り崩されて税金費用が増加する可能性があります。
(退職給付費用)
退職給付費用および債務の計算は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、当社グループの退職給付費用および債務に影響を与える可能性があります。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は1,307億62百万円となり、前期末に比べ208億60百万円増加しました。
(流動資産)
流動資産は729億19百万円で、前期末に比べ112億14百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金が43億72百万円減少した一方で、棚卸資産が107億79百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が36億39百万円増加したためであります。
(固定資産)
固定資産は578億42百万円で、前期末に比べ96億46百万円増加しました。その主な要因は、有形固定資産が91億82百万円増加したためであります。なお、有形固定資産の増加につきましては、主に精密化学品事業の成長投資及び維持投資によるものであります。
(流動負債)
流動負債は336億80百万円で、前期末に比べ64億14百万円増加しました。その主な要因は、流動負債のその他が31億94百万円、支払手形及び買掛金が15億52百万円増加したためであります。
(固定負債)
固定負債は283億08百万円で、前期末に比べ55億80百万円増加しました。その主な要因は、長期借入金が54億25百万円増加したためであります。受取手形割引高及び社債を含む有利子負債の残高 は377億94百万円となり、前期末に比べ68億82百万円の増加となりました。
(純資産)
純資産合計は687億74百万円となり、前期末に比べ88億65百万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益により80億02百万円増加したためであります。
③ 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は786億75百万円となり、前期に比べ163億88百万円、26.3%の増加となりました。これは、主に当社が成長基盤事業と位置付けている精密化学品事業の価格修正効果によるものです。
なお、事業別の売上の概要につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①業績」に記載のとおりであります。
売上原価は、原材料価格の上昇等により136億86百万円増加しました。また、販売費及び一般管理費は減価償却費や環境整備費等が増加しました。以上の結果、営業利益は129億47百万円となり、前期に比べ17億82百万円、16.0%の増加となりました。
営業外収益は試作品売却益を計上したこと等により4億69百万円増加しております。また、営業外費用は試作品売却損が減少したこと等により2億81百万円減少しております。以上の結果、経常利益は136億79百万円となり、前期に比べ25億34百万円、22.7%の増加となりました。
特別利益は前期に投資有価証券売却益を計上したことにより1億31百万円減少しております。特別損失は固定資産除却損が増加したこと等により1億37百万円増加しております。以上の結果、税金等調整前当期純利益は134億25百万円となりました。法人税等および非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は93億82百万円となり、前期に比べ16億20百万円、20.9%の増加となりました。
④ 資本の財源および資金の流動性
ア.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
イ.資金需要
当社グループの主な資金需要は、設備投資、関係会社貸付金等の長期資金ならびに原材料の購入、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金であります。
資金調達の方法及び状況ならびに資金の主要な使途を含む資金需要の動向につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題 ④ 財務戦略」に記載のとおりであります。
ウ.財務政策
長期資金については自己資金のほかに金融機関からの長期借入、短期資金については自己資金のほかに金融機関からの短期借入による調達を基本としております。また、運転資金の効率的な調達・安定性に配慮し、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。
なお、当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、財務状況や金融・経済情勢に応じて最適と判断した手段により資金を調達しております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2022年度を初年度とする第12次中期経営計画(3ヵ年)において、最終年度の連結経営指標について以下の数値目標を設定しております。
(1) 技術援助契約
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.森下弁柄工業㈱は2023年4月1日付で、商号を㈱関東電化ファインテックに変更しております。
(3) 在外子会社
(注) 現在休止中の主要な設備はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 有償・第三者割当 発行価格 550円
資本組入額 50円
(注) 自己株式22,592株は、「個人その他」に225単元、「単元未満株式の状況」に92株含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 1.日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)および株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数はすべて信託業務に係るものであります。
2.2022年6月3日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、ノムラ インターナショナル ピーエルシーおよびその共同保有者である野村アセットマネジメント株式会社が同年5月31日現在でそれぞれ以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書(変更報告書)の内容は以下のとおりであります。
3.2022年9月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、JPモルガン証券株式会社およびその共同保有者であるジェー・ピー・モルガン・セキュリティーズ・ピーエルシーが同年9月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書(変更報告書)の内容は以下のとおりであります。
4.2023年3月28日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディーが同年3月22日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書(変更報告書)の内容は以下のとおりであります。
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、事業別のセグメントから構成されており、「基礎化学品事業」、「精密化学品事業」、「鉄系事業」、「商事事業」、および「設備事業」を報告セグメントとしております。
「基礎化学品事業」は、無機・有機化学薬品等の基礎化学品の製造販売を行っております。「精密化学品事業」は、フッ素系ガスおよび電池材料等の精密化学品の製造販売を行っております。「鉄系事業」は鉄系製品の製造販売を行っております。「商事事業」は、基礎化学品、精密化学品の販売および容器の整備等を行っております。「設備事業」は設備関連の工事を行っております。