デンカ株式会社
Denka Company Limited
中央区日本橋室町二丁目1番1号
証券コード:40610
業界:化学
有価証券報告書の提出日:2023年6月22日

(1) 連結経営指標等

回次

第160期

第161期

第162期

第163期

第164期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

413,128

380,803

354,391

384,849

407,559

経常利益

(百万円)

32,811

30,034

32,143

36,474

28,025

親会社株主に帰属する
当期純利益

(百万円)

25,046

22,703

22,785

26,012

12,768

包括利益

(百万円)

19,543

16,164

26,855

31,659

20,906

純資産額

(百万円)

250,481

254,014

270,036

292,094

300,351

総資産額

(百万円)

483,827

501,448

526,035

557,646

592,158

1株当たり純資産額

(円)

2,839.16

2,906.95

3,101.92

3,345.34

3,438.28

1株当たり当期純利益

(円)

286.18

262.62

264.24

301.67

148.08

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

51.0

50.0

50.8

51.7

50.1

自己資本利益率

(%)

10.3

9.1

8.8

9.4

4.4

株価収益率

(倍)

11.1

8.7

16.7

11.3

18.5

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

32,660

41,954

40,610

42,630

8,946

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

26,176

36,303

36,976

36,839

28,268

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

8,408

9,544

6,706

12,341

18,361

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

13,889

29,170

25,909

20,209

20,199

従業員数

(人)

6,133

6,316

6,351

6,358

6,406

〔外、平均臨時雇用者数〕

1,026

1,020

1,062

1,101

1,136

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第163期の期首から適用しており、第163期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第160期

第161期

第162期

第163期

第164期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

243,735

228,249

252,492

299,641

327,019

経常利益

(百万円)

23,904

19,753

26,923

29,343

20,969

当期純利益

(百万円)

19,269

15,821

53,002

15,953

8,652

資本金

(百万円)

36,998

36,998

36,998

36,998

36,998

(発行済株式総数)

(株)

(88,555,840)

(88,555,840)

(88,555,840)

(88,555,840)

(88,555,840)

純資産額

(百万円)

176,297

175,376

222,610

225,792

220,906

総資産額

(百万円)

371,751

391,666

451,002

465,179

482,552

1株当たり純資産額

(円)

2,027.61

2,033.37

2,581.88

2,618.45

2,561.85

1株当たり配当額

(円)

120.00

125.00

125.00

145.00

100.00

(内1株当たり中間配当額)

(60.00)

(60.00)

(60.00)

(70.00)

(70.00)

1株当たり当期純利益

(円)

220.16

183.01

614.66

185.02

100.34

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

47.4

44.8

49.4

48.5

45.8

自己資本利益率

(%)

11.1

9.0

26.6

7.1

3.9

株価収益率

(倍)

14.5

12.4

7.2

18.4

27.3

配当性向

(%)

54.5

68.3

20.3

78.4

99.7

従業員数

(人)

3,250

3,349

4,166

4,081

4,198

〔外、平均臨時雇用者数〕

515

518

697

726

765

株主総利回り

(%)

92.8

70.7

134.4

109.8

94.0

(比較指標:日経平均トータルリターン・インデックス)

(%)

(100.9)

(92.1)

(144.2)

(140.2)

(144.6)

最高株価

(円)

4,440

3,500

4,660

4,535

3,620

最低株価

(円)

2,805

1,925

2,067

3,190

2,510

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第163期の期首から適用しており、第163期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

1915年5月

設立

1916年9月

東京株式取引所、大阪株式取引所で当社株式定期売買を開始

1916年10月

大牟田工場(福岡県)にてカーバイド、石灰窒素の製造開始

1921年12月

青海工場(新潟県)にてカーバイドの製造開始

1942年1月

大牟田工場にてアセチレンブラックの製造開始

1949年5月

東京・大阪・名古屋各証券取引所に株式上場(翌1950年1月福岡証券取引所に株式上場)

1955年7月

樹脂加工会社東洋化学㈱に資本参加(2003年4月当社に合併)

1958年10月

群馬化学㈱を設立(1973年10月当社に合併し、渋川工場とする)

1962年5月

東京都町田市に中央研究所(現・デンカイノベーションセンター)完成

1962年6月

青海工場田海地区にクロロプレン工場完成(国産クロロプレンゴムの製造に成功)

1962年11月

ポリスチレン等樹脂・化成品の製造会社デンカ石油化学工業㈱を設立(1974年4月当社に合併し、千葉工場とする)

1963年5月

高圧ガスの製造・販売会社西日本高圧瓦斯㈱に資本参加(現・連結子会社)

1965年8月

肥料製造会社日之出化学工業㈱の経営権を取得(現・連結子会社)

1966年10月

機能・加工製品事業開始(デンカポリマー㈱現・連結子会社)

1968年4月

特殊混和材「デンカCSA」販売開始。以降各種特殊混和材事業拡大

1971年4月

デンカエンジニアリング㈱を設立(現・連結子会社)

1971年4月

大牟田工場にて溶融シリカの製造開始

1972年9月

山富商事㈱(現YKアクロス㈱)に資本参加

1975年9月

渋川工場にて高性能接着剤「ハードロック」製造開始

1976年6月

モノクロル酢酸の製造・販売の合併会社デナック㈱を設立

1979年7月

東京芝浦電気㈱(現㈱東芝)より同社所有の東芝化学工業㈱の株式を譲受(1982年1月デンカ生研㈱と商号変更。)

1980年9月

アセチレンブラック製造のためシンガポールにデンカシンガポールP.L.設立(現・連結子会社)

1985年6月

渋川工場にて電子基板「HITTプレート」製造開始

1987年10月

モノシランガス製造・販売の合弁会社デナールシラン㈱設立(現・連結子会社)

1989年12月

溶融シリカ製造のためシンガポールにデンカアドバンテックP.L.設立(現・連結子会社)

1992年1月

住友化学工業㈱(現住友化学㈱)との合弁会社千葉スチレンモノマー㈲設立(2014年3月清算)

1996年1月

塩化ビニール事業を東ソー㈱および三井東圧化学㈱(現三井化学㈱)と事業統合(合弁会社大洋塩ビ㈱)

1998年8月

東洋化学㈱が金属雨どい製造会社中川テクノ㈱に資本参加

1999年4月

ポリスチレン事業を新日鐵化学㈱(現日鉄ケミカル&マテリアル㈱)およびダイセル化学工業㈱(現㈱ダイセル)と事業統合。合弁会社である東洋スチレン㈱に移管

1999年12月

デンカ生研㈱が日本証券業協会の店頭登録銘柄に指定(2004年12月にジャスダック証券取引所に株式を上場、2008年3月に上場廃止)

2001年7月

コンクリート構造物の補修事業会社㈱デンカリノテックを設立(現・連結子会社)

2002年10月

東洋化学㈱を株式交換により完全子会社化

2003年3月

大阪・名古屋・福岡各証券取引所の株式上場を廃止

2003年4月

東洋化学㈱を吸収合併

2003年7月

デンカアヅミン㈱を設立(現・連結子会社)

2006年1月

電化精細材料(蘇州)有限公司を設立(現・連結子会社)

2007年10月

連結子会社のデンカ化工㈱(現デンカテクノアドバンス㈱)運営の伊勢崎工場を当社直接運営体制に変更

2008年4月

デンカ生研㈱を株式交換により完全子会社化

2009年4月

アジア地域統括持株会社としてデンカケミカルズホールディングスアジアパシフィックP.L.を設立(2009年6月にデンカシンガポールP.L.およびデンカアドバンテックP.L.を同社の子会社化。現・連結子会社)

2013年12月

塩化ビニル製粘着テープ「ビニテープ」製造のため、ベトナムにデンカアドバンストマテリアルズベトナムCO.,LTD.を設立(現・連結子会社)

2014年12月

アメリカに三井物産㈱との共同出資会社デンカパフォーマンスエラストマーLLCを設立(2015年10月に同社がDuPont社よりクロロプレンゴム事業を譲受、現・連結子会社)

2015年8月

ドイツのノマッド社より同社が保有するバイオ医薬品研究開発企業アイコンジェネティクスGmbHの全株式のうち、51%を譲受(現・連結子会社)

2015年10月

商号を「デンカ株式会社」に変更

2017年8月

アイコンジェネティクスGmbHを完全子会社化

2019年6月

「監査等委員会設置会社」へ移行

2020年4月

デンカ生研㈱を吸収合併

2021年4月

吸収分割により住設関連事業を中川テクノ㈱に承継させ、デンカアステック㈱(現・連結子会社)へ商号変更

2023年3月

吸収分割によりセメント販売事業をTDセメント販売㈱に承継

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社(デンカ株式会社)、子会社68社および関連会社28社より構成されており、「電子・先端プロダクツ」、「ライフイノベーション」、「エラストマー・インフラソリューション」、「ポリマーソリューション」の製造・販売を主たる業務としているほか、これらに附帯するサービス業務等を営んでおります。

当社グループの事業内容および当社と関係会社の当該事業における位置付けは、次のとおりであります。

なお、次の4部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(1) 電子・先端プロダクツ

主要な製品は、溶融シリカ、球状アルミナ、電子回路基板、ファインセラミックス、電子包装材料、アセチレンブラック、電設資材、接着剤、粘着テープ、半導体工程用材料等であります。

当社が製造・販売をおこなうほか、子会社のYKアクロス㈱が当社製品の販売をおこなっております。国内では子会社のデナールシラン㈱がモノシランガス等の製造・販売をおこなっております。海外では、シンガポールで子会社のデンカアドバンテックP.L.が溶融シリカおよび球状アルミナの製造・販売、デンカシンガポールP.L.がアセチレンブラックの製造・販売をおこなっております。また、中国では電化精細材料(蘇州)有限公司が電子部品包装材料の製造・販売、電化電子材料(大連)有限公司がアルシンクの製造・販売をおこない、ベトナムではデンカアドバンストマテリアルズベトナムC.L.が電子部品包装材料およびビニテープの製造・販売をおこなっております。

 

(2) ライフイノベーション

主要な製品は、ワクチン、がん治療ウイルス製剤、診断薬等であります。

国内では、当社が当部門主要製品の製造・販売をおこなっております。

海外では、子会社のIcon Genetics GmbH(ドイツ)がバイオ医薬品の研究開発、研究受託、サービスの提供をおこなっております。またデンカライフイノベーションリサーチP.L.(シンガポール)にて熱帯感染症に対する遺伝子法による簡易診断システム等の研究開発をおこなっております。

 

(3)エラストマー・インフラソリューション

主要な製品は、クロロプレンゴム、肥料、カーバイド、耐火物、セメント、特殊混和材、ポリエチレン製コルゲート管等であります。

当社が製造・販売をおこなうほか、子会社のYKアクロス㈱が当社製品の販売をおこなっております。子会社の日之出化学工業㈱が熔成燐肥の製造を、デンカアヅミン㈱が腐植酸苦土肥料および腐植酸液肥の製造をおこない、西日本高圧瓦斯㈱他がアセチレンガス等の製造・販売をおこない、当社のセメント、特殊混和材を原料として子会社の須沢生コン㈱他が生コンクリートの製造・販売をおこなっております。海外では、米国において子会社のデンカパフォーマンスエラストマーLLCがクロロプレンゴムの製造を、中国において子会社の電化無機材料(天津)有限公司が特殊混和材の製造・販売を行っているほか、東南アジアでは、デンカインフラストラクチャーマレーシアSdn.Bhd.(マレーシア)が特殊混和材および建設化学品の製造・販売を行っております。

 

 

(4) ポリマーソリューション

主要な製品は、スチレンモノマー、ABS樹脂、SBC樹脂、耐熱樹脂、N-フェニルマレイミド樹脂、透明樹脂、ポバール、ウィッグ・ヘアピース用合成繊維、食品包装用シート等であります。

当社が製造・販売をおこなうほか、子会社のYKアクロス㈱が当社製品の販売をおこなっております。国内では子会社のデンカポリマー㈱が食品包装用シート等の製造・販売を、デンカアステック㈱が住設資材の製造・販売をおこなっております。関連会社の東洋スチレン㈱がポリスチレン樹脂を、デナック㈱がモノクロル酢酸等の製造・販売をおこなっております。海外ではシンガポールにおいて、子会社のデンカシンガポールP.L.がSBC樹脂、MS樹脂といったスチレン系樹脂と、N-フェニルマレイミド樹脂を、デンカアドバンテックP.L.がウィッグ・ヘアピース用合成繊維の製造・販売をおこなっております。

 

(5) その他

プラントエンジニアリング事業、卸売業等を含んでおります。

子会社のデンカエンジニアリング㈱がプラントエンジニアリング事業を、YKアクロス㈱が当社製品等の卸売を、関連会社の黒部川電力㈱が電力供給事業をおこなっております。

 

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 


 

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の

所有割合

(%)

関係内容

セグメント

事業内容

役員の兼務等

主な事業上
の関係

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 

 

デンカケミカルズ

ホールディングス

アジアパシフィックPte.Ltd.

(注)2

シンガポール

6,870万

US$

電子・先端プロダクツ

ライフイノベーション
エラストマー・インフラソリューション

ポリマーソリューション

東南・南アジアにおける地域統括持株会社

100.0

当社の役員と兼務1名

当社の地域統括持株会社。

デンカシンガポールPte.Ltd.

(注)2.3

シンガポール

6,941万

S$

電子・先端プロダクツ

ポリマーソリューション

アセチレンブラックおよび機能樹脂製品の製造・販売

100.0

(100.0)

当社は技術を供与している。

デンカアドバン

テックPte.Ltd.

(注)3

シンガポール

1,700万

S$

電子・先端プロダクツ

ポリマーソリューション

溶融シリカ、球状アルミナおよび合繊かつら用原糸の製造・販売

100.0

(100.0)

当社は技術を供与している。

デナールシラン㈱

東京都中央区

500

電子・先端プロダクツ

モノシランガス等の製造・販売

51.0

当社の役員と兼務1名

当社は完成品を購入し、販売している。

電化精細材料(蘇州)有限公司

中国

江蘇省蘇州市

5,544万

中国元

電子・先端プロダクツ

電子包装材料の製造・加工・販売

100.0

当社の役員と兼務1名

当社の製品を原料として供給している。

電化電子材料(大連)有限公司

中国
遼寧省大連市

1,000

電子・先端プロダクツ

電子材料の加工・販売

100.0

当社の役員と兼務1名

当社の製品を原料として供給している。

デンカアドバンストマテリアルズベトナム CO.,LTD.
(注)3

ベトナム
フンイエン省

1,200万US$

電子・先端プロダクツ

電子包装材料および工業用テープの製造・販売

100.0

(100.0)

当社は技術を供与している。

デンカパフォーマンスエラストマーLLC
(注)2.3

アメリカ
ルイジアナ州

12,100万US$

エラストマー・インフラソリューション

合成ゴムの製造・販売

70.0

(70.0)

当社の役員と兼務1名

当社は完成品を購入し、販売している。

日之出化学工業㈱

京都府舞鶴市

300

エラストマー・インフラソリューション

肥料および化学製品の製造・販売

100.0

当社は完成品を購入し、販売している。

西日本高圧瓦斯㈱

福岡県福岡市

80

エラストマー・インフラソリューション

高圧ガスの製造・販売

99.6

当社の製品を原料として供給している。

㈱デンカリノテック

東京都中央区

50

エラストマー・インフラソリューション

コンクリート構造物の補修・設計・施工・管理

100.0

当社の製品を販売している。

デンカアヅミン㈱

岩手県花巻市

300

エラストマー・インフラソリューション

肥料および農業資材の製造・販売

100.0

当社は完成品を購入し、販売している。

電化無機材料(天津)有限公司

中国
天津市

250

エラストマー・インフラソリューション

特殊混和材の製造・販売

100.0

当社の役員と兼務1名

当社の製品を原料として供給している。

デンカインフラストラクチャーマレーシアSdn.Bhd.
(注)3

マレーシア
セランゴール州

8,649千MYR

エラストマー・インフラソリューション

建設化学品の製造・販売

100.0

(100.0)

当社は技術を供与している。

デンカコンストラクションソリューションズマレーシアSdn.Bhd.(注)3

マレーシア
セランゴール州

1,500千

MYR

エラストマー・インフラソリューション

建設化学品の製造・販売

100.0

(100.0)

当社は技術を供与している。

ピーティーヒッサントレーディングインドネシア(注)3

インドネシア
ジャカルタ

5,372,640千インドネシアルピア

エラストマー・インフラソリューション

インドネシアにおける特殊混和材等の販売

100.0

(100.0)

当社の製品を販売している。

 

 

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の

所有割合

(%)

関係内容

セグメント

事業内容

役員の兼務等

主な事業上
の関係

デンカポリマー㈱

東京都江東区

2,080

ポリマーソリューション

各種包装材料およびプラスチック製容器の製造・販売

100.0

当社の製品を原料として供給している。

デンカアステック㈱

東京都港区

50

ポリマーソリューション

雨どい製品の製造・加工・販売

100.0

当社は製品の製造を受託している。

電化(上海)管理有限公司

中国

上海市

200万

US$

その他

各種製品の販売および中国内グループ会社の統括会社

100.0

当社の役員と兼務1名

当社の地域事業統括会社。

デンカケミカルズG.m.b.H

ドイツ

デュッセルドルフ

256千

ユーロ

その他

化学品および電子製品の輸出入・販売

100.0

当社の役員と兼務1名

当社の製品を販売している。

デンカエンジニアリング㈱

千葉県市原市

50

その他

各種産業設備および輸送設備等の設計・施工

100.0

当社の建設工事に伴う設計・施工等をしている。

YKアクロス㈱

(注)2

東京都港区

1,200

その他

無機工業製品、有機工業製品、土木建築材料および内装材料等の販売

76.8

当社の役員と兼務1名

当社の製品を販売している。

亜克洛斯商貿(上海)有限公司

(注)3

中国

上海市

30万

US$

その他

電子包装材料等の販売

100.0

(100.0)

当社の製品を販売している。

台湾超碩股份有限公司

(注)3

台湾

新竹市

2,900万

台湾$

その他

樹脂および半導体関連材料等の販売

100.0

(100.0)

当社の製品を販売している。

その他 20社

 

 

 

 

 

 

 

(持分法適用非連結子会社) 1社

 

 

 

 

 

 

 

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

 

 

東洋スチレン㈱

東京都港区

5,000

ポリマーソリューション

ポリスチレン樹脂およびスチレン系特殊樹脂の製造・加工・販売

50.0

当社の製品を原料として供給し、完成品の一部を購入している。

湘南積水工業㈱

千葉県佐倉市

100

ポリマーソリューション

ポリスチレン樹脂等の製造・加工・販売

30.0

当社の製品を原料として供給し、完成品の一部を購入している。

デナック㈱

東京都千代田区

600

ポリマーソリューション

モノクロル酢酸の製造・販売

50.0

当社の役員と兼務1名

当社の製品を原料として供給し、副生物の一部を購入している。

十全化学㈱

富山県富山市

65

ポリマーソリューション

医薬品・工業薬品の製造・販売

50.0

当社の役員と兼務1名

関東アセチレン工業㈱

群馬県渋川市

60

エラストマー・インフラソリューション

溶解アセチレンの製造・販売

33.3

当社の製品を原料として供給している。

東日本高圧㈱

東京都千代田区

95

エラストマー・インフラソリューション

高圧ガスの製造・販売

43.7

当社の役員と兼務1名

当社の製品を原料として供給している。

黒部川電力㈱

東京都千代田区

3,000

その他

電力事業の運営および付帯関連事業

50.0

当社の役員と兼務2名

当社は電力を購入している。

その他 3社

 

 

 

 

 

 

 

 

(注) 1.「主要な事業の内容」のセグメント欄には、セグメントの名称を記載しております。

2.特定子会社に該当しております。

3.議決権の所有割合の( )内は、他の連結子会社による間接保有割合であり、内数表示をしております。

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

2023年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

電子・先端プロダクツ

1,628

(   180)

ライフイノベーション

979

(   280)

エラストマー・インフラソリューション

1,541

(   242)

ポリマーソリューション

1,187

(   209)

その他

688

(   158)

全社(共通)

383

(    67)

合計

6,406

( 1,136)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含みます。)であり、臨時雇用者数(嘱託、日雇い、パートタイマー等を含みます。)は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2023年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

4,198

( 765)

40.7

16.4

7,681,428

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

電子・先端プロダクツ

1,201

(   128)

ライフイノベーション

952

(   280)

エラストマー・インフラソリューション

1,038

(   197)

ポリマーソリューション

624

(    93)

全社(共通)

383

(    67)

合計

4,198

(   765)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者205人を除き、社外から当社への出向者6人を含みます。)であります。臨時雇用者数(嘱託、日雇い、パートタイマー等を含みます。)は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、時間外手当等の基準外賃金および賞与手当を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(3) 労働組合の状況

当社には、デンカ労働組合があります。2023年3月末現在の総組合員数は3,506名です。

現在、会社と組合との間には、2023年3月締結の労働協約があり、円満な労使関係を維持しております。

なお、デンカ労働組合は、上部団体として化学総連に加盟しております。

また、当社を除く連結子会社のうち7社には合わせて7の労働組合があり、2023年3月末現在の組合員数の合計は263名です。労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

3.5

32.7

59.1

66.4

49.3

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

 

デンカポリマー㈱

71.0

74.0

80.0

(注2)

YKアクロス㈱

0.0

58.9

57.3

62.6

 

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.労働者の人員数について労働時間を基に換算し算出しております。

 

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(経営方針、経営環境及び対処すべき課題)

当社は、2018年度よりスタートいたしました5ヵ年の経営計画「Denka Value-Up」において、「卓越した競争力をもち交易条件に左右されないスペシャリティの融合体」を目指してまいりました。この結果、この5年間で最高益を3回更新し、重点分野である「環境・エネルギー」と「ヘルスケア」分野の営業利益合計は、「Denka Value-Up」開始前の2017年度に比べ、昨年度はほぼ倍増いたしました。「Denka Value-Up」における直近の具体的な取組みについて、その一例をご紹介いたします。

まず、「環境・エネルギー」分野では、2023年3月に稼働を開始した大牟田工場の窒化ケイ素設備について、さらに1.5倍増の追加増産投資をおこなうことを決定いたしました。当社の窒化ケイ素は、独自の高温焼成技術や窒化技術により、高熱伝導性、高強度、高耐熱かつ軽量という特徴があり、要求性能が厳しい車載用途で高い評価を得ております。自動車の電動化の進展に伴い、従来の電子基板用需要が急増していることに加え、モーター用ベアリング用途でも従来素材からの転換が進んでおり、安定供給体制の確保が急務となっております。当社は窒化ケイ素のトップメーカーとして、今後さらなる供給体制の強化を図ります。

次に、「ヘルスケア」分野では、がん治療用ウイルスG47Δ(デルタ)製剤の事業基盤の強化と将来を見据えた供給力の増強を目的として、五泉事業所・新潟工場に約120億円の戦略投資を決定いたしました。本製品は生きたウイルスそのものを製剤化するもので、製造には大規模なウイルス培養技術や特殊な試験技術が必要であり、長年にわたりウイルス感染症に対するワクチンと検査試薬の開発・製造をおこなってきた当社の技術・ノウハウが活かされております。今後は、本投資を活用して、ウイルス製剤を中心とした医薬品の製造開発委託企業としてのプレゼンス確立にも取り組んでまいります。

さらに、当社は、セメント販売事業を、2023年3月末をもって新設した100%子会社へ承継させた上で、太平洋セメント株式会社に当該子会社の全株式を譲渡いたしました。これにより、2023年4月1日以降、当社青海工場で生産されたセメントは、新会社が「太平洋セメント」のブランド名で販売いたしております。また、当社は2025年上期を目途にセメント生産を終了し、石灰石の自社採掘およびセメント製造事業からの完全撤退を決議しました。当社は、1954年よりセメント事業に参入し、工場内他製品の副産物や社外の廃棄物を受け入れ、セメントの原燃料として有効活用することで独自のカーバイドチェーンを構築し、製品の競争力向上や工場のゼロエミッション化を追求してまいりました。近年、当社のセメント事業は、国内セメント需要が低調に推移し、老朽化した設備の更新やカーボンニュートラルに向けた大型投資も不可避という厳しい局面にあり、事業再構築が必要なコモディティー事業と位置付け、構造改革を検討してまいりました。結果、当社単独運営による今後の事業の維持・成長は困難との結論に至り、ポートフォリオ改革を断行いたしました。

 

このように当社は、経営計画「Denka Value-Up」における取り組みを着実に推進し、一定の成果を上げてまいりましたが、昨年度は一部の基盤事業の収支が低迷した結果、全体としては残念ながら減益となり、事業のスペシャリティ化は未だ道半ばの状況にあります。

このような状況の中、本年度から、いよいよ新たなビジョンと新経営計画「Mission 2030」がスタートいたしました。「挑戦」「誠実」「共感」の3つのコアバリューのもと、「化学の力で世界をよりよくするスペシャリストになる」ことを当社の道しるべであるパーパスと位置づけました。そして、「スペシャリティ」「メガトレンド」「サステナビリティ」の3要素を併せ持つ事業を「3つ星事業」と定義し、2030年までに当社のポートフォリオを「3つ星事業」に集中させることといたしました。また、「事業価値創造」「人財価値創造」「経営価値創造」の3つの分野において、2030年の具体的な財務・非財務目標値を設定いたしました。これらの目標値を着実に達成し、新経営計画「Mission 2030」を完遂することを目指してまいります。

 

ビジョンと経営計画の刷新に併せ、これらを社内外にわかりやすく伝えるコーポレートメッセージを「世界に誇れる、化学を。」といたしました。当社は、世界に誇れる唯一無二の存在、スペシャリストとして、化学の力で世界をよりよくすることを目指してまいります。

 

 

◇新たなビジョンと新経営計画「Mission 2030」 ~OUR "NEW" VISION & Mission 2030~

 

2023年4月、デンカグループは新たな挑戦をはじめました。これまで指針としてきた「The Denka Value」(企業理念)、Denkaの使命、Denkaの行動指針は、従業員の声をふまえ、より未来のデンカを見据えた新たな「ビジョン」へと進化。同時に、2023~2030年度の8ヵ年を対象とする新経営計画「Mission 2030」が始動しました。

 

デンカの新たなビジョン

新たなビジョンは、デンカのDNAであるコアバリューを土台とし、デンカを導く北極星となるパーパス、2030年に成し遂げたい務めとしてのミッションを重ねた構成とすることで、文字の域を超え、全従業員が自分ごと化できる新しいデンカの未来像を表しました。


 

コアバリュー

「コアバリュー」とは、デンカのDNA。さまざまな判断をする上での拠り所にもなります。「挑戦」「誠実」「共感」は、デンカが脈々と受け継いできた姿勢を改めて言語化したものです。これからも一層大切にしていくべき信条です。

 

パーパス

「パーパス」とは、デンカを導く北極星。デンカが存在する根本的理由です。デンカは世界でどのような存在でありたいのか、デンカだからこそできることは何かを突き詰めて考え、「化学の力」「世界をよりよくする」「スペシャリスト」といった言葉一つひとつを選び出しました。

 

ミッション

「ミッション」は、デンカの務め。大胆で説得力のある野心的目標です。「コアバリュー」や「パーパス」が普遍性を持つものであるのに対して「ミッション」は明確なゴールと期限があり、例えるならば“登るべき山”です。2030年に、その頂上にたどり着くことを目指し、具体的な戦略を経営計画「Mission 2030」に落とし込んでいます。

 

コーポレートメッセージ

このデンカのビジョンを社内外に分かりやすく伝達する言葉としてコーポレートメッセージ「世界に誇れる、化学を。」を創りました。世界に誇れる唯一無二の存在(=スペシャリスト)として、化学の力で世界をよりよくすることを目指すという想いを込めました。

 

 

 

 

新経営計画「Mission 2030」

新たなビジョンの実現に向けて、2030年をゴールに取り組む経営計画が「Mission 2030」です。

事業価値創造、人財価値創造、経営価値創造の3つを成長戦略として、企業価値向上に取り組みます。事業価値創造では、デンカの全ての事業を、スペシャリティ・メガトレンド・サステナビリティの3要素をそなえた「3つ星事業」とすることを目指します。


 

2030年の主なKPI目標

事業価値創造

 

人財価値創造

 

経営価値創造

売上高

6,000億円以上

 

平均研修金額(21年度比)

2倍

 

プロセス革新投資

23-30年度 500億円

3つ星事業

100%

 

 

営業利益

1,000億円以上

 

 

人権リスク特定と
対応プロセス確立 

営業利益率

15%以上

 

 

ROE

15%以上

 

女性/外国籍/経験者採用者の
管理職比率

50%

 

労働災害度数率(21年度 1.1)

0.2以下

ROIC

10%以上

 

 

投資決裁額

23-30年度 5,400億円

 

 

高リスクサプライヤー数

0件

総還元性向

50%水準

 

 

CO2排出量
 (13年度比)

60%削減

 

従業員エンゲージメント
可視化と継続的な改善

 

重大品質事故発生件数

0件

再生可能エネルギー
 発電最大出力
  (21年度 133MW)

150MW

 

 

重大コンプライアンス違反件数

0件

 

 

 

 

3つの成長戦略

 

<事業価値創造>

事業価値創造では、想定される未来世界とメガトレンドから導き出された「3つの注力分野」である、ICT & Energy(アイシーティー・アンド・エナジー)、Healthcare(ヘルスケア)、Sustainable Living(サステナブル・リビング)に重点を置きます。そして、2030年までにスペシャリティ・メガトレンド・サステナビリティの3要素をそなえた「3つ星事業」を100%にしていきます。また、「3つ星事業」への転換が困難な事業については、売却・撤退を含め、ポートフォリオ変革を進めていきます。そのために、8年間合計で戦略投資3,600億円、研究開発費1,800億円をかけて、2030年に営業利益1,000億円以上を目指します。

並行して、地球への貢献と、企業のさらなる社会的価値向上を目指し、8年間合計で850億円の環境投資を行い、サステナビリティを追求します。

 

3つの注力分野

ICT & Energy

 

2030年
営業利益目標

 

450億円

 

メガ

トレンド

再生可能エネルギー

モビリティー大変革

半導体やデバイス需要拡大

製品

次世代高速通信

xEV・再生可能
エネルギー

 

球状シリカ、球状アルミナ、キャリアテープ用シート・トップカバーテープ、放熱材料、エミッター、低誘電有機絶縁材料

アセチレンブラック、窒化ケイ素、セラミックス基板、球状シリカ、球状アルミナ

 

方針

最先端素材を供給し、
よりよい社会を実現

 

 

Healthcare

 

2030年
営業利益目標

 

400億円

 

メガ

トレンド

医療ニーズ高度化

革新的な医療技術

製品

予防

診断

治療

 

インフルエンザワクチン

ノロウイルスワクチン(開発中)

自動分析装置用試薬

抗原検査キット

がん治療用ウイルスG47Δ製剤

 

方針

予防・診断・治療の領域で
世界の人々のクオリティ・
オブ・ライフ向上

 

 

Sustainable Living

 

2030年
営業利益目標

 

150億円

 

メガ

トレンド

食料・水資源枯渇

インフラ需要増大

製品

食糧

インフラ

生活用品

 

バイオスティミュラント

特殊混和材
LEAF 

高機能スチレン系樹脂

サステナブルプラスチック「PLATIECO®」

 

方針

安全・安心・快適な
日々の暮らしの実現

 

 

サステナビリティの追求

方針

カーボンニュートラルの実現

施策

・低炭素アセチレンチェーンの確立を含むポートフォリオ変革実施

・CO2分離・回収・利用技術の開発と実装化

・水力発電増強、太陽光発電所新設によるグリーンエネルギー拡大

サステナブルな都市と暮らしの充実

・スチレン系包装材料のサーキュラーエコノミー推進

・CO2コンクリート固定化技術の確立

環境の保全・環境負荷の最小化

・廃棄物ゼロエミッション継続

・自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)に基づく生物多様性・水資源保全等の自然関連リスクへの対応

 

 


 

<人財価値創造>

社員一人ひとりが自己実現と成長を実感できる企業を目指し、人財投資と制度改革を実現します。

方針

戦略

人財育成体制の強化

将来の経営層育成と、全社一貫の教育体系の構築および自ら学ぶ文化の醸成

ダイバーシティ、
エクイティ&
インクルージョンの推進

多様な考え方を持った人間が活躍できる職場環境・制度・文化の醸成

健康経営と働き方改革

「明日も来たくなる職場」のための制度改革の推進

 

 

<経営価値創造>

ESG経営の観点から、企業存続の前提となる経営基盤の強化に取り組みます。

方針

戦略

プロセス革新

ビジネスモデル・組織の変革と生産性向上、社内デジタル人財の育成

人権の尊重

国連ビジネスと人権に関する指導原則および国連グローバルコンパクトに基づく、人権方針制定と人権尊重の徹底

安全最優先

グループ全体で本質安全化、ルールの整備と安全な職場環境づくりの推進

サプライチェーン・
 マネジメント

サプライチェーン一体となった持続的な付加価値向上

製品安全

信頼される製品とサービスを提供し、社会と環境の持続的成長に貢献

コーポレートガバナンス
高度化 

高い倫理観に基づく透明性・公平性を確保した、より高度で実効性のあるコーポレートガバナンス体制の構築

 

 

 

 

財務戦略

 

ROEとROICの改善

下記施策を通じて、ROE(株主資本利益率)とROIC(投下資本利益率)を改善させ、企業価値向上を図ります。

 

18-22年度平均

30年度目標

施策

ROE

8.4%

15%以上

・3つの価値創造による収益性と効率性向上

・ROIC評価による事業の選択と集中

・最適資本構成の追求(財務レバレッジ活用)

ROIC

7.0%

10%以上

 

 

 

 

キャッシュアロケーション~総還元性向50%水準を維持~

営業キャッシュフローと負債を有効に活用して、8年間合計で7,400億円のキャッシュを生み出し、それを投資に5,700億円、株主還元に1,700億円(総還元性向50%水準)配分します。

 

 

(億円)

 

 

 

 

(億円)

キャッシュイン累計(年平均)

 

キャッシュアウト累計(年平均)

 

Denka Value-Up
5ヵ年

Mission 2030
8ヵ年 

 

 

Denka Value-Up
5ヵ年

Mission 2030
8ヵ年

営業CF

1,717
(343)

6,500
(813)

 

投資CF

戦略

 700
 (140)

3,600
 (450)

資産売却

121

100

 

一般

1,093
 (219)

2,100
 (263)

借入

554

800

 

小計

1,793
 (359)

5,700
 (713)

合計

2,392
(478)

7,400
 (925)

 

株主還元
 (総還元性向50%水準)

599
 (120)

1,700
 (213)

 

 

 

 

合計

2,392
 (478)

7,400
 (925)

 

 

※文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、ここに記載した事項は、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ないまたは重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)外部事業環境等

当社グループの経営成績は、自動車や電子部品などの需要動向により影響を受けるほか、原油や基礎石油化学製品などの原燃料市況ならびに為替相場の変動の影響を受ける可能性があります。当社グループは、経営計画「Denka Value-Up」の成長戦略に基づき、事業のスペシャリティー化を推進し、外部環境に左右されにくい企業体質への転換を進めてまいりました。2023年4月からの新経営計画「Mission 2030」においても、全ての事業をスペシャリティ・メガトレンド・サステナビリティの3要素をそなえた「3つ星事業」とすることを目指し、企業体質の更なる強化を進めてまいります。

 

(2)品質、製造物責任

当社グループは、社会および顧客の信頼を第一に考え、安心して使用できる製品の提供のため、各事業セグメントに品質保証部門をそれぞれ設置し、当社および主要子会社における全事業所の対象製品において継続的な品質改善に努め、ISO品質マネジメントシステム規格の認証を取得するなど、万全の対策を講じております。しかしながら、製品やサービスの提供は高度かつ複雑な技術の集積であり、また原材料の外部調達もあることなどから品質保証の管理は複雑化しております。当社グループの製品やサービスに予期せぬ品質問題が発生した場合は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(第三者認証等における不適切行為について)

当社および持分法適用関連会社である東洋スチレン㈱が製造・販売する樹脂製品の一部において、米国の第三者安全科学機関である Underwriters Laboratories Limited Liability Company認証に関する不適切な行為が判明するとともに、東洋スチレン㈱において日本国内の電気用品安全法に関連して設けられている部品・材料登録制度(CMJ 登録制度)に関する不適切な行為(以下総称して「本件不適切行為」)が判明しました。

 当社は、この事態を重く受け止め、2023年5月29日開催の取締役会において社外有識者による外部調査委員会の設置を決定し、本件不適切行為に関する徹底的な調査、原因究明および再発防止策の策定を行うことを決議いたしました。

当社は「デンカグループ ESG 基本方針」に則り、コンプライアンスは経営の最重要基盤と考え、周知徹底を行ってまいりましたが、このような事態を招いてしまったことは誠に遺憾であり、お客様をはじめ関係者の皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしますことを、深くお詫び申し上げます。今後より一層のコンプライアンス強化に努め、再発防止とともに信頼回復に全力で取り組んでまいります。

 

(3)事故・自然災害

当社グループは、安全最優先をすべての事業活動の基盤と位置付けており、リスクアセスメントの統一基準整備と現場への展開、安全対策に関わる設備投資の推進、安全教育施設の充実と教育者の育成など、すべての現場で災害を起こさないための総合的な対策を進めております。しかしながら、重大な産業事故や、地震、気候変動による急性の豪雨および大型台風などの自然災害が発生した場合、従業員や第三者への人的、物的な損害、生産設備の損壊や生産停止等が生じるリスクがあり、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)環境

当社グループは、環境に関する各種法律、規制を遵守するとともに、パリ協定および日本政府が掲げる目標を念頭に、2050年のカーボンニュートラル達成に向けた温室効果ガスの排出量削減に関する中長期目標を定め、自家水力発電所建設などを通じたクリーンエネルギーの利用拡大、温室効果ガスを回収・固定化・有効利用する革新技術の開発、製品のライフサイクルを通じた地球温暖化ガスの排出削減、グループ各工場の環境負荷物質排出削減など、環境負荷の低減に取り組んでおります。しかしながら、環境に関する規制の強化やカーボンプライシング(炭素税・排出権取引)が発動された場合、事業活動の制限や対応費用の負担等が発生し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)海外事業展開

当社グループは、アジア、米国、欧州等の国および地域に進出し、現地生産や販売をおこなうなど、海外展開を推進しております。海外での事業活動には予期できない法律や制度の変更、労使や人材確保の問題、テロや戦争などによる社会的混乱等のリスクが内在しており、これらのリスクが発生した場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)財務

当社グループは、将来の安定的な成長を持続するため、良好な財務バランスを維持することが重要と考えており、資金需要に見合った資金調達をおこなうことを基本的な方針としております。資金の流動性については、適正な水準の現預金を保持した上で、不測の事態に対応するため、取引金融機関と貸出コミットメント契約を締結することで流動性を確保しております。また、長期借入金の金利を固定化する等、金利変動リスクの低減を図っております。しかしながら、金融環境が急激に悪化した場合、資金調達リスクや金利の上昇等が発生し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。当社グループが保有する固定資産について、事業環境の著しい悪化による収益性の低下等があった場合には、減損損失が発生し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)訴訟等

当社グループは、倫理規定をはじめ各種社内規定に基づき、国内外の法令遵守はもちろんのこと、当社グループの社会における信頼を維持・確保することに努めておりますが、広範な事業活動を行う中で訴訟やその他の法律的手続きの対象となり、重要な訴訟等の提起を受けた場合には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、訴訟等については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (2) その他 ② 訴訟」をご参照下さい。

 

(9)新型コロナウイルス等の感染症

当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、顧客、従業員、関係先等の安全・安心を第一に考え、国内外の事業所において各国の状況にあわせた感染防止対策をおこなっております。

今後、新型コロナウイルスやその他の感染症の流行が発生した場合には、ロックダウンなどによる活動の制限、サプライチェーンの停滞、世界経済の悪化などにより、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)ロシア・ウクライナ情勢

当社グループはESG基本方針に則り、人権の尊重やサステナビリティの観点から、ロシア・ウクライナ情勢に対する国際社会の動きや日本政府の方針を尊重するとともに、日本政府を含むステークホルダーと建設的な対話に努め、適切に対応してまいります。

今後、現下の情勢が長期化した場合には、一部原料の調達難に伴う操業への影響、およびナフサ・天然ガス・石炭など原燃料価格の継続的な高騰などにより、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

その他、国内外の経済・政治情勢、技術革新、株式相場の変動、繰延税金資産の取崩し等が、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当期のわが国経済は、個人消費や設備投資が上向くなど景気は持ち直しの動きがみられましたが、資源価格が一段と高騰したほか円安が急激に進行し、先行きに対する不透明感が高まりました。世界経済は、各国で物価の上昇が進んだほか、ウクライナ危機の長期化や、中国ではゼロコロナ政策により経済活動が抑制されるなど、減速感が強まりました。

このような経済環境のもと、当社グループは、企業理念“The Denka Value”を実現すべく、3つの成長ビジョン「スペシャリティーの融合体」「持続的成長」「健全な成長」を掲げ、2018年度より5か年の経営計画「Denka Value-Up」における2つの成長戦略「事業ポートフォリオの変革」と「革新的プロセスの導入」を推進し、業容の拡大と収益性向上に注力いたしました。また、2021年度からの2年間では、次期経営計画のありたい姿へ飛躍するための大切な準備期間と位置づけ、「社会にとってかけがえのない存在」になるための第一歩として、「事業」「環境」「人財」に関する3つの「Value-Up」に取り組みました。

この結果、当期の業績は、世界経済減速の影響を受け、主力製品の一部で需要が減少しましたが、原燃料価格の上昇に応じた販売価格の見直しを行ったほか円安による手取り増があり、売上高は4,075億59百万円と前年同期に比べ227億9百万円(5.9%)の増収となりました。

収益面では、原燃料価格の上昇に応じた販売価格の改定を行いましたが、主力製品の一部で販売数量が減少したほか、スペシャリティー化進展のためのコスト増があり、営業利益は323億24百万円(前年同期比77億99百万円減、19.4%減益)となり、売上高営業利益率は7.9%(2.5ポイント減)となりました。また、経常利益は280億25百万円(前年同期比84億49百万円減、23.2%減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は、ポートフォリオ変革としてセメント事業からの撤退を決定したことに伴い製造設備の減損損失等を特別損失として計上し、127億68百万円(前年同期比132億44百万円減、50.9%減益)となりました。

 

<電子・先端プロダクツ部門>

高純度導電性カーボンブラックは需要が前年並みに推移したほか販売価格の改定により増収となり、窒化ケイ素もxEV向けの需要が堅調に推移し増収となりました。一方、電子部品・半導体関連分野向け高機能フィルムや球状溶融シリカフィラーは、パソコン、スマートフォンなどの民生向け需要の減少により販売数量が減少しました。また、球状アルミナは、xEVや5G関連向けの需要が堅調に推移しましたが、民生向けの需要が減少し全体では販売数量が前年を下回りました。このほか、自動車産業用向けの金属アルミ基板“ヒットプレート”やLED用サイアロン蛍光体“アロンブライト”の販売も前年を下回りました。

この結果、当部門の売上高は935億41百万円(前年同期比33億88百万円(3.8%)増収)となり、営業利益は179億75百万円と前年同期に比べ6億80百万円(3.6%)の減益となりました。

 

<ライフイノベーション部門>

インフルエンザワクチンの出荷は生産能力を増強したことから前年を上回りました。一方、新型コロナウイルスの抗原迅速診断キットおよびインフルエンザウイルスとの同時診断キットは、感染の拡大により病院での検査需要が拡大し出荷量が増加しましたが、保険点数引き下げにより価格が大幅に下落し減収となりました。また、その他の検査試薬は中国でゼロコロナ政策による行動制限があり検査需要が減少したため減収となりました。

この結果、当部門の売上高は475億25百万円(前年同期比14億27百万円(3.1%)増収)となりましたが、営業利益は143億78百万円と前年同期に比べ11億17百万円(7.2%)の減益となりました。

 

 

<エラストマー・インフラソリューション部門>

当部門はウクライナ危機に端を発した原燃料価格上昇の影響を大きく受けました。クロロプレンゴムは販売数量が前年を下回りましたが、原燃料価格の上昇に応じた販売価格の改定を行い増収となりました。このほか、肥料の販売は前年を上回り、特殊混和材の販売は概ね前年並みとなりました。一方、セメントは急激な原燃料価格の上昇に対して価格転嫁が遅れたため減収となりました。

この結果、当部門の売上高は1,238億27百万円(前年同期比169億48百万円(15.9%)増収)となり、11億円の営業損失(前年同期は営業損失34億73百万円)となりました。

 

<ポリマーソリューション部門>

当部門は各製品で原燃料価格の上昇に応じた販売価格の改定を進めました。数量面では、ABS樹脂や透明樹脂は自動車減産や中国経済減速に伴う民生需要低迷の影響を受け減少し、デンカシンガポール社のMS樹脂はテレビやモニター向けの需要が減少しました。また、食品包材用シートおよびその加工品、合繊かつら用原糸“トヨカロン”の販売数量も前年を下回りました。このほか、スチレンモノマーは4年に1度の定期修繕を実施したことによるコストの増加がありました。

この結果、当部門の売上高は1,275億69百万円(前年同期比9億91百万円(0.8%)増収)となり、12億28百万円の営業損失(前年同期は営業利益79億5百万円)となりました。

 

<その他部門>

YKアクロス株式会社等の商社は取扱高が概ね前年並みとなりました。

この結果、当部門の売上高は150億94百万円(前年同期比46百万円(0.3%)減収)となり、営業利益は25億12百万円と前年同期に比べ6億7百万円(31.9%)の増益となりました。

 

 

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ345億12百万円増加の5,921億58百万円となりました。

流動資産は、棚卸資産の増加などにより前連結会計年度末に比べ336億28百万円増加の2,517億93百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べ8億83百万円増加の3,403億65百万円となりました。

負債は、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ262億54百万円増加の2,918億7百万円となりました。

非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ82億57百万円増加の3,003億51百万円となりました。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の51.7%から50.1%となり、1株当たり純資産は3,345円34銭から3,438円28銭となりました。

 

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、201億99百万円となり、前連結会計年度末と比べ10百万円の減少となりました。なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の減少などにより、89億46百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資の支払などにより、282億68百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加などにより、183億61百万円の収入となりました。

 

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。

 

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

自己資本比率(%)

51.0

50.0

50.8

51.7

50.1

時価ベースの自己資本比率(%)

57.3

39.2

72.5

52.6

39.8

債務償還年数(年)

3.4

3.2

3.4

3.2

19.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

42.6

49.3

49.8

45.4

8.1

 

自己資本比率………………………………自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率………………株式時価総額/総資産

債務償還年数………………………………有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ……営業キャッシュ・フロー/利息支払額

(注) 1.いずれの指標も連結ベースの財務数値により算出しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。

このため「生産、受注及び販売の実績」については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの経営成績に関連付けて記載しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当期のわが国経済は、個人消費や設備投資が上向くなど景気は持ち直しの動きがみられましたが、資源価格が一段と高騰したほか円安が急激に進行し、先行きに対する不透明感が高まりました。世界経済は、各国で物価の上昇が進んだほか、ウクライナ危機の長期化や、中国ではゼロコロナ政策により経済活動が抑制されるなど、減速感が強まりました。

このような経済環境のもと、当社グループは、企業理念“The Denka Value”を実現すべく、3つの成長ビジョン「スペシャリティーの融合体」「持続的成長」「健全な成長」を掲げ、2018年度より5か年の経営計画「Denka Value-Up」における2つの成長戦略「事業ポートフォリオの変革」と「革新的プロセスの導入」を推進し、業容の拡大と収益性向上に注力いたしました。また、2021年度からの2年間では、次期経営計画のありたい姿へ飛躍するための大切な準備期間と位置づけ、「社会にとってかけがえのない存在」になるための第一歩として、「事業」「環境」「人財」に関する3つの「Value-Up」に取り組みました。

この結果、当期の業績は、世界経済減速の影響を受け、主力製品の一部で需要が減少しましたが、原燃料価格の上昇に応じた販売価格の見直しを行ったほか円安による手取り増があり、売上高は増収となりました。収益面では、原燃料価格の上昇に応じた販売価格の改定を行いましたが、主力製品の一部での販売数量の減少や、スペシャリティー化進展のためのコスト増のほか、ポートフォリオ変革としてセメント事業からの撤退を決定したことに伴う特別損失の計上などにより、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、それぞれ減益となりました。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、以下のとおりであります。

電子・先端プロダクツ部門は、高純度導電性カーボンブラックの販売価格改定による増収や、窒化ケイ素のxEV向け需要の堅調な推移があった一方、電子部品・半導体関連分野向け高機能フィルムや球状溶融シリカフィラー、球状アルミナでは民生向けの需要の減少があり、前年並みの利益となりました。

ライフイノベーション部門は、インフルエンザワクチンの出荷が生産能力を増強したことから前年を上回った一方、新型コロナウイルスの抗原迅速診断キットおよびインフルエンザウイルスとの同時診断キットでは、感染の拡大により病院での検査需要が拡大し出荷量が増加しましたが、保険点数引き下げによる価格の大幅な下落などがあり、減益となりました。

エラストマー・インフラソリューション部門は、ウクライナ危機に端を発した原燃料価格上昇の影響を大きく受けました。クロロプレンゴムは原燃料価格の上昇に応じた販売価格の改定を行いましたが、セメントで急激な原燃料価格の上昇に対して価格転嫁が遅れたことなどにより、前年に引き続き営業損失となりました。

ポリマーソリューション部門は、各製品で原燃料価格の上昇に応じた販売価格の改定を進めましたが、ABS樹脂や透明樹脂は自動車減産や中国経済減速に伴う民生需要低迷、デンカシンガポール社のMS樹脂はテレビやモニター向けの需要減少の影響を受けたほか、スチレンモノマーの4年に1度の定期修繕によるコストの増加などにより、営業損失となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは89億46百万円の収入となりましたが、経営計画「Denka Value-Up」における2つの成長戦略である「事業ポートフォリオの変革」と「革新的プロセスの導入」にもとづく積極的な投資による支出をおこない、また株主還元方針にもとづく配当を実施した結果、当連結会計年度末のネット有利子負債残高は前連結会計年度末に比べ327億8百万円増加し1,495億30百万円となりました。なお、自己資本比率は50.1%、ネットD/Eレシオは0.50倍と引き続き良好な財政状態を維持しているものと判断しております。

資本の財源及び資金の流動性については、当社グループでは将来の安定的な成長を持続するため、良好な財務バランスを維持することが重要と考えており、資金需要に見合った資金調達を行うことを基本的な方針としております。

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資資金等であり、必要資金の調達については、自己資金を主とし、運転資金の一部を短期借入金やコマーシャル・ペーパーによって、設備資金等の長期資金の一部を長期借入金や社債によって外部調達しております。

資金の流動性については、適正な水準の現預金を保持した上で、不測の事態に対応するため、取引金融機関と貸出コミットメント契約を締結することで流動性を確保しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、重要な会計方針と合理的と考えられる見積りに基づき、収益、費用、資産、負債の計上について判断しております。

当社グループの連結財務諸表の作成においては、例えば一般債権に対する貸倒引当金の引当については主として過去の貸倒実績率を、繰延税金資産の計上については将来の税務計画を、退職給付債務については、昇給率、割引率などを使用して見積っておりますが、見積りにつきましては不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、主なものは以下のとおりであります。

 

(a)固定資産(のれんを含む)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しております。また、年次の減損テストが必要な場合、のれんを含む資産グループの公正価値を算定し、その帳簿価額が公正価値を超過する場合には、公正価値まで減額を行います。将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、事業計画をもとに最新の事業環境に関する情報等を反映しているほか、必要に応じて外部専門家による評価を活用しております。

減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討をおこなっておりますが、将来の予測不能な事業環境の著しい悪化等により見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。

 

(b)繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性は、収益力もしくはタックス・プランニングに基づく将来の課税所得の十分性により判断しており、課税所得の算定にあたっては、各納税主体の事業計画をもとに最新の事業環境に関する情報等を反映し見積っております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の予測不能な経営環境の著しい悪化等により見直しが必要となった場合、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。

 

(c)退職給付債務の算定

当社グループでは、簡便法を採用している連結子会社を除き、確定給付制度の退職給付債務および関連する勤務費用について、数理計算上の仮定を用いて算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、期待運用収益率等の計算基礎があり、これらの計算基礎については、例えば期待運用収益率であれば前提となる企業年金の運用方針などを、定期的かつ合理的な見直しをおこなっております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付債務および関連する勤務費用が変動する可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

技術援助契約の概要

契約会社名

契約締結先

内容

対価

契約期間

契約年

デンカ㈱

(当社)

独立行政法人物質・材料研究機構

(日本)

サイアロン蛍光体基本技術

実施料

2004年9月1日~

特許消滅日まで

2004年

デンカ㈱

(当社)

独立行政法人物質・材料研究機構

(日本)

赤色蛍光体およびそれを用いる発光デバイスに関わる特許の実施許諾

頭金

他に実施料

2010年10月7日~

特許消滅日まで

2012年

デンカ㈱

(当社)

日亜化学工業㈱

(日本)

赤色蛍光体およびそれを用いる発光デバイスに関わる特許の実施許諾

頭金

他に実施料

2012年4月10日~

特許消滅日まで

2012年

デンカ㈱

(当社)

メディミューン

(アメリカ)

ワクチン製造に用いるウイルス株の調整方法であるリバースジェネティスク法技術

頭金

他に実施料

2009年9月20日開始

2009年

デナールシラン㈱

(連結子会社)

エア・リキード

(フランス)

モノシランガス取り扱いに関するノウハウ

実施料

1988年4月1日~

2008年12月31日

以後1年ごとの自動更新

1988年

 

 

 

2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社

2023年3月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

建物及び
構築物
(百万円)

機械装置
及び
運搬具
(百万円)

土地 注4

その他
帳簿価額
(百万円)

帳簿価額
合計
(百万円)

従業員数
(人)

面積
(千㎡)

簿価
(百万円)

青海工場
(新潟県糸魚川市、
長野県北安曇郡小谷村)

エラストマー・インフラソリューション

ポリマーソリューション

無機・有機化学製品生産設備

29,200

24,345

6,742

(1,793)

注3

6,771

2,283

62,600

972

大牟田工場
(福岡県大牟田市)

電子・先端プロダクツ

エラストマー・インフラソリューション

無機・有機化学製品・電子機能材料生産設備

10,307

15,243

691

7,839

4,404

37,795

576

千葉工場
(千葉県市原市)

電子・先端プロダクツ

エラストマー・インフラソリューション

ポリマーソリューション

有機化学製品・樹脂加工製品生産設備

5,805

10,879

703

21,946

5,115

43,747

444

渋川工場
(群馬県渋川市)

電子・先端プロダクツ

電子機能材料製品生産設備

2,066

2,540

188

4,780

704

10,091

192

大船工場
(神奈川県鎌倉市)

電子・先端プロダクツ

ポリマーソリューション

樹脂加工製品生産設備

1,253

765

46

3,148

230

5,398

96

伊勢崎工場
(群馬県伊勢崎市、
群馬県太田市)

電子・先端プロダクツ

ポリマーソリューション

電子機能材料・樹脂加工製品生産設備・研究開発設備

2,222

1,693

91

3,071

813

7,801

256

五泉事業所
(新潟県五泉市)

ライフイノベーション

医薬品生産設備

12,147

11,245

102

1,420

2,172

26,985

663

イノベーション
センター
(東京都町田市)

全社(共通)

研究開発設備

2,265

342

33

4,499

540

7,648

193

本社
(東京都中央区他)

電子・先端プロダクツ

ライフイノベーション

エラストマー・インフラソリューション

ポリマーソリューション

全社(共通)

管理・販売業務用設備および福利厚生施設

379

0

1,473

1,852

661

支店・その他
(大阪府大阪市北区、
愛知県名古屋市中村区他)

電子・先端プロダクツ

ライフイノベーション

エラストマー・インフラソリューション

ポリマーソリューション

管理・販売業務用設備および福利厚生施設

415

973

128

(8)

3,244

180

4,813

145

 

(注) 1.「その他帳簿価額」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定およびリース資産の合計であります。

2.上記中の( )内は、賃借中のものであります。

3.年間賃借料は190百万円であります。

4.土地の再評価に関する法律(1998年3月31日公布法律第34号)に基づき、事業用の土地の再評価をおこなっております。なお、土地の再評価の概要等については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)」に記載のとおりであります。

 

 

(2) 国内子会社

2023年3月31日現在

会社名

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

建物及び
構築物
(百万円)

機械装置
及び
運搬具
(百万円)

土地

その他
帳簿価額
(百万円)

帳簿価額
合計
(百万円)

従業員数
(人)

面積
(千㎡)

簿価
(百万円)

デナールシラン㈱

工場
(新潟県糸魚川市)

電子・先端プロダクツ

電子機能材料生産設備

428

1,566

(13)

7

2,003

0

デンカポリマー㈱

佐倉工場
(千葉県佐倉市)

ポリマーソリューション

樹脂加工製品
生産設備

156

413

11

673

25

1,267

46

五井工場
(千葉県市原市)

ポリマーソリューション

樹脂加工製品
生産設備

193

815

7

527

123

1,658

129

香取工場
(千葉県香取郡多古町)

ポリマーソリューション

樹脂加工製品
生産設備

196

640

62

(55)

24

32

892

69

 

(注) 1.「その他帳簿価額」は、工具、器具及び備品および建設仮勘定の合計であります。

2.上記中の( )内は、提出会社より賃借中のものであります。

 

(3) 在外子会社

2023年3月31日現在

会社名

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

建物及び
構築物
(百万円)

機械装置
及び
運搬具
(百万円)

土地

その他
帳簿価額
(百万円)

帳簿価額
合計
(百万円)

従業員数
(人)

面積
(千㎡)

簿価
(百万円)

デンカシンガポールP.L

機能樹脂工場

(シンガポール)

ポリマーソリューション

有機化学製品生産設備

2,017

8,419

(95)

注3

388

10,825

92

アセチレンブラック工場

(シンガポール)

電子・先端プロダクツ

電子機能材料生産設備

1,220

2,091

(21)

注4

792

4,104

40

デンカパフォーマンスエラストマーLLC

クロロプレン工場(アメリカ ルイジアナ州)

エラストマー・インフラソリューション

有機化学製品生産設備

1,857

6,632

(151)

注5

2,613

11,104

245

デンカアドバンテックP.L

溶融シリカ工場
(シンガポール)

電子・先端プロダクツ

電子機能材料生産設備

4,200

3,227

(24)

注6

1,726

9,154

89

トヨカロン工場
(シンガポール)

ポリマーソリューション

樹脂加工製品生産設備

1,778

234

(21)

注7

331

2,345

35

デンカアドバンストマテリアルズベトナムC.L

工業用テープ工場、機能性テープ工場
(ベトナム)

電子・先端プロダクツ

電子機能材料生産設備
樹脂加工製品生産設備

978

217

(31)

注8

2

1,198

156

 

(注) 1.「その他帳簿価額」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定およびリース資産の合計であります。

2.上記中の( )内は、賃借中のものであります。

3.年間賃借料は117百万円であります。

4.年間賃借料は49百万円であります。

5.年間賃借料は1百万円であります。

6.年間賃借料は34百万円であります。

7.年間賃借料は22百万円であります。

8.年間賃借料は9百万円であります。

 

① 【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

290,000,000

290,000,000

 

② 【発行済株式】

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月22日)

上場金融商品取引所名又は
登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

88,555,840

88,555,840

東京証券取引所
プライム市場

単元株式数
100株

88,555,840

88,555,840

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
 
(百万円)

資本金残高
 
(百万円)

資本準備金
増減額
(百万円)

資本準備金
残高
(百万円)

2017年10月1日
 

△354,223,362

88,555,840

36,998

49,284

 

(注) 2017年6月22日開催の第158回定時株主総会において、同年10月1日をもって普通株式について5株を

   1株に併合する旨の議案が承認可決されたことにより、同日付けで発行済株式総数は354,223,362株

   減少し、88,555,840株となっております。

 

(5) 【所有者別状況】

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数 100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数(人)

-

81

44

413

269

75

39,475

40,357

所有株式数

(単元)

-

403,142

25,551

48,855

195,071

342

209,608

882,569

298,940

所有株式数の割合(%)

-

45.68

2.90

5.54

22.10

0.04

23.75

100.00

 

(注) 1.上記「その他の法人」および「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ26単元および17株含まれております。

2.自己株式2,280,095株は、「個人その他」に22,800単元、「単元未満株式の状況」に95株含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(百株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数の
割合(%)

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2丁目11番3号

162,786

18.87

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1丁目8-12

85,404

9.90

みずほ信託銀行株式会社 退職給付信託 みずほ銀行口 再信託受託者 株式会社日本カストディ銀行

東京都中央区晴海1丁目8番12号

32,158

3.73

全国共済農業協同組合連合会
(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)

東京都千代田区平河町2丁目7番9号 JA共済ビル
(東京都港区浜松町2丁目11番3号)

29,007

3.36

大樹生命保険株式会社
(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)

東京都千代田区大手町2丁目1-1
(東京都中央区晴海1丁目8-12)

23,816

2.76

SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT
(常任代理人 香港上海銀行東京支店 カストディ業務部)

ONE LINCOLN STREET, BOSTON MA USA 02111
(東京都中央区日本橋3丁目11-1)

17,141

1.99

STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

 P.O.BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02101 U.S.A
(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟) 

13,992

1.62

 デンカ従業員持株会

東京都中央区日本橋室町2丁目1-1 日本橋三井タワー10階

13,308

1.54

JP MORGAN CHASE BANK 385781
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM
(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)

11,532

1.34

 株式会社日本カストディ銀行(信託口4)

 東京都中央区晴海1丁目8-12

11,295

1.31

400,440

46.41

 

 

(注)1.上記のほか、自己株式が22,800百株あります。

2.2023年1月10日(報告義務発生日:2022年12月30日)に、野村證券株式会社から、以下のとおり
2社を共同保有者とする大量保有に関する変更報告書が関東財務局長に提出されておりますが、当
社として当事業年度末現在の実質所有状況を確認することができませんので、上記「大株主の状況」には含めておりません。

氏名または名称

保有株式数(株)

保有割合(%)

ノムラ インターナショナル ピーエルシー
(NOMURA INTERNATIONAL PLC)

289,961

0.33

野村アセットマネジメント株式会社

6,881,700

7.77

7,171,661

8.10

 

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

20,210

20,199

 

 

受取手形、売掛金及び契約資産

※1 101,026

※1 98,081

 

 

商品及び製品

55,790

81,461

 

 

仕掛品

4,516

5,477

 

 

原材料及び貯蔵品

25,352

34,183

 

 

その他

11,485

12,607

 

 

貸倒引当金

218

216

 

 

流動資産合計

218,164

251,793

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

※2 82,587

※2 80,961

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

※2 90,006

※2 93,286

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

※2 4,666

※2 4,360

 

 

 

土地

※6 63,494

※6 63,180

 

 

 

リース資産(純額)

※2 2,141

※2 2,824

 

 

 

建設仮勘定

20,276

18,097

 

 

 

有形固定資産合計

263,171

262,711

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

のれん

5,989

5,992

 

 

 

特許権

359

458

 

 

 

ソフトウエア

1,111

1,279

 

 

 

その他

2,931

3,270

 

 

 

無形固定資産合計

10,391

11,001

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※3,※4 60,552

※3,※4 58,072

 

 

 

長期貸付金

140

117

 

 

 

繰延税金資産

1,326

2,995

 

 

 

その他

3,971

5,539

 

 

 

貸倒引当金

73

72

 

 

 

投資その他の資産合計

65,918

66,652

 

 

固定資産合計

339,482

340,365

 

資産合計

557,646

592,158

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

※3 50,032

※3 47,969

 

 

短期借入金

※3 40,545

※3 44,754

 

 

コマーシャルペーパー

8,000

6,000

 

 

1年内返済予定の長期借入金

※3 12,470

※3 11,975

 

 

未払法人税等

5,439

4,228

 

 

未払消費税等

298

231

 

 

賞与引当金

2,904

3,022

 

 

その他

※3,※5 46,988

※3,※5 46,274

 

 

流動負債合計

166,679

164,457

 

固定負債

 

 

 

 

社債

37,000

37,000

 

 

長期借入金

※3 39,016

※3 70,000

 

 

繰延税金負債

5,995

1,369

 

 

再評価に係る繰延税金負債

8,401

8,367

 

 

退職給付に係る負債

5,074

5,366

 

 

株式給付引当金

60

81

 

 

その他

3,324

5,165

 

 

固定負債合計

98,872

127,349

 

負債合計

265,552

291,807

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

36,998

36,998

 

 

資本剰余金

49,397

49,406

 

 

利益剰余金

183,128

183,391

 

 

自己株式

7,645

7,650

 

 

株主資本合計

261,879

262,145

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

16,883

16,350

 

 

繰延ヘッジ損益

348

246

 

 

土地再評価差額金

※6 10,377

※6 10,407

 

 

為替換算調整勘定

2,410

11,101

 

 

退職給付に係る調整累計額

2,731

3,277

 

 

その他の包括利益累計額合計

26,592

34,334

 

非支配株主持分

3,621

3,871

 

純資産合計

292,094

300,351

負債純資産合計

557,646

592,158

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 384,849

※1 407,559

売上原価

※3 277,674

※3 305,217

売上総利益

107,175

102,342

販売費及び一般管理費

※2,※3 67,051

※2,※3 70,017

営業利益

40,123

32,324

営業外収益

 

 

 

受取利息

58

-

 

受取配当金

1,603

2,234

 

持分法による投資利益

876

2,328

 

為替差益

40

48

 

その他

566

655

 

営業外収益合計

3,144

5,268

営業外費用

 

 

 

支払利息

924

1,157

 

固定資産処分損

2,737

3,086

 

操業休止等経費

1,040

2,532

 

その他

2,091

2,790

 

営業外費用合計

6,793

9,567

経常利益

36,474

28,025

特別利益

 

 

 

投資有価証券売却益

100

4,970

 

関係会社株式売却益

-

425

 

特別利益合計

100

5,396

特別損失

 

 

 

製品自主回収関連費用

※4 972

-

 

減損損失

※5 968

-

 

事業整理損

-

※6 18,830

 

特別損失合計

1,940

18,830

税金等調整前当期純利益

34,633

14,590

法人税、住民税及び事業税

8,428

7,327

法人税等調整額

1,240

5,773

法人税等合計

9,668

1,553

当期純利益

24,965

13,037

非支配株主に帰属する当期純利益又は
非支配株主に帰属する当期純損失(△)

1,047

268

親会社株主に帰属する当期純利益

26,012

12,768

 

1.報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループでは、市場に密着した製品展開を図るべく、分野別に4つの部門をおき、国内および海外の事業戦略等を立案し事業展開を行っており、経済的特徴や製品の性質・サービスの内容等が概ね類似しているものを集約した「電子・先端プロダクツ」、「ライフイノベーション」、「エラストマー・インフラソリューション」、「ポリマーソリューション」を報告セグメントとしております。

 

各報告セグメントの主要製品は、次のとおりであります。

報告セグメント

主要製品

電子・先端プロダクツ

電子包装材料、ファインセラミックス、溶融シリカ、アセチレンブラック、
電子回路基板、産業用テープほか

ライフイノベーション

ワクチン、診断薬、がん治療ウイルス製剤、関節機能改善剤ほか

エラストマー・
インフラソリューション

クロロプレンゴム、セメント、特殊混和材、肥料、カーバイド、耐火物、
環境資材ほか

ポリマーソリューション

スチレンモノマー、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、クリアレン、
耐熱・透明樹脂、ポバール、合繊かつら用原糸、食品包装材料ほか

 

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

4,272

5,901

 

 

受取手形

※2 4,535

※2 5,399

 

 

売掛金

※2 80,840

※2 70,604

 

 

商品及び製品

45,679

69,393

 

 

仕掛品

4,176

5,082

 

 

原材料及び貯蔵品

20,091

26,328

 

 

前払費用

1,655

2,154

 

 

短期貸付金

※2 224

※2 230

 

 

その他

※2 7,937

※2 11,134

 

 

貸倒引当金

12

11

 

 

流動資産合計

169,399

196,219

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

43,808

42,467

 

 

 

構築物

28,938

24,166

 

 

 

機械及び装置

68,868

67,569

 

 

 

車両運搬具

892

598

 

 

 

工具、器具及び備品

3,763

3,525

 

 

 

土地

61,690

61,466

 

 

 

リース資産

206

172

 

 

 

建設仮勘定

13,530

14,226

 

 

 

有形固定資産合計

221,699

214,192

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

837

972

 

 

 

その他

461

376

 

 

 

無形固定資産合計

1,298

1,348

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

34,152

30,075

 

 

 

関係会社株式

34,807

34,241

 

 

 

長期貸付金

※2 130

※2 117

 

 

 

長期前払費用

1,072

2,586

 

 

 

前払年金費用

1,071

1,542

 

 

 

繰延税金資産

-

690

 

 

 

その他

1,549

1,540

 

 

 

貸倒引当金

1

1

 

 

 

投資その他の資産合計

72,781

70,793

 

 

固定資産合計

295,780

286,333

 

資産合計

465,179

482,552

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

※2 36,330

※2 35,979

 

 

短期借入金

27,675

27,675

 

 

コマーシャルペーパー

8,000

6,000

 

 

1年内返済予定の長期借入金

12,466

11,975

 

 

未払金

※2 21,748

※2 21,281

 

 

未払法人税等

4,273

2,489

 

 

未払費用

※2 11,510

※2 10,404

 

 

預り金

※2 23,320

※2 22,300

 

 

賞与引当金

2,270

2,399

 

 

その他

※2 996

※2 3,589

 

 

流動負債合計

148,591

144,092

 

固定負債

 

 

 

 

社債

37,000

37,000

 

 

長期借入金

38,975

70,000

 

 

繰延税金負債

5,657

-

 

 

再評価に係る繰延税金負債

8,401

8,367

 

 

株式給付引当金

60

81

 

 

資産除去債務

129

1,823

 

 

その他

571

281

 

 

固定負債合計

90,795

117,553

 

負債合計

239,387

261,646

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

36,998

36,998

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

49,284

49,284

 

 

 

その他資本剰余金

0

0

 

 

 

資本剰余金合計

49,284

49,284

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

固定資産圧縮積立金

3,749

3,602

 

 

 

 

繰越利益剰余金

117,927

114,220

 

 

 

利益剰余金合計

121,676

117,823

 

 

自己株式

7,645

7,650

 

 

株主資本合計

200,314

196,455

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

15,099

14,043

 

 

土地再評価差額金

10,377

10,407

 

 

評価・換算差額等合計

25,477

24,450

 

純資産合計

225,792

220,906

負債純資産合計

465,179

482,552

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 299,641

※1 327,019

売上原価

※1 215,385

※1 252,966

売上総利益

84,255

74,053

販売費及び一般管理費

※1,※2 50,451

※1,※2 51,954

営業利益

33,803

22,098

営業外収益

 

 

 

受取利息及び配当金

1,869

3,984

 

その他

987

1,618

 

営業外収益合計

※1 2,856

※1 5,602

営業外費用

 

 

 

支払利息

509

1,001

 

その他

6,806

5,730

 

営業外費用合計

※1 7,316

※1 6,732

経常利益

29,343

20,969

特別利益

 

 

 

投資有価証券売却益

100

4,961

 

関係会社株式売却益

-

1,093

 

特別利益合計

100

6,055

特別損失

 

 

 

関係会社株式評価損

※3 5,165

-

 

製品自主回収関連費用

※4 972

-

 

事業整理損

-

※5 18,750

 

特別損失合計

6,137

18,750

税引前当期純利益

23,305

8,274

法人税、住民税及び事業税

7,047

5,408

法人税等調整額

304

5,786

法人税等合計

7,351

377

当期純利益

15,953

8,652