株式会社ダイセル
DAICEL CORPORATION
大阪市北区大深町3番1号
証券コード:42020
業界:化学
有価証券報告書の提出日:2023年6月26日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第153期

第154期

第155期

第156期

第157期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

464,859

412,826

393,568

467,937

538,026

経常利益

(百万円)

53,433

31,781

34,683

57,291

52,035

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

35,301

4,978

19,713

31,254

40,682

包括利益

(百万円)

38,968

2,299

45,214

49,901

44,473

純資産

(百万円)

423,243

392,583

245,000

279,544

310,435

総資産

(百万円)

654,791

597,992

640,385

698,836

765,606

1株当たり純資産額

(円)

1,198.77

1,166.56

789.34

919.88

1,033.52

1株当たり当期純利益

(円)

105.38

15.49

65.18

104.14

138.87

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

60.1

60.6

37.1

38.9

38.6

自己資本利益率

(%)

9.07

1.32

6.57

12.26

14.34

株価収益率

(倍)

11.41

50.94

13.07

7.85

7.20

営業活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

58,523

57,193

57,869

42,993

26,847

投資活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

41,095

45,864

34,220

46,528

44,093

財務活動による

キャッシュ・フロー

(百万円)

25,636

47,883

17,050

5,452

19,956

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

120,016

80,674

90,747

87,986

93,493

従業員数

(人)

12,319

11,606

11,142

11,104

11,207

(外、平均臨時

雇用者数)

(1,190)

(1,246)

(1,347)

(1,362)

(1,273)

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため記載しておりません。

2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第156期の期首から適用しており、第156期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第153期

第154期

第155期

第156期

第157期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

233,345

203,228

194,371

206,427

236,535

経常利益

(百万円)

24,851

15,714

26,319

40,801

26,725

当期純利益

(百万円)

18,065

8,231

23,190

28,431

28,035

資本金

(百万円)

36,275

36,275

36,275

36,275

36,275

発行済株式総数

(千株)

331,942

315,942

302,942

302,942

302,942

純資産

(百万円)

273,419

251,324

265,492

280,442

283,919

総資産

(百万円)

443,191

399,142

599,050

624,190

663,478

1株当たり純資産額

(円)

832.75

808.68

881.06

948.37

994.00

1株当たり配当額

(円)

32.00

34.00

32.00

34.00

38.00

(うち1株当たり中間配当額)

(16.00)

(16.00)

(16.00)

(16.00)

(18.00)

1株当たり当期純利益

(円)

53.93

25.61

76.68

94.73

95.70

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

61.7

63.0

44.3

44.9

42.8

自己資本利益率

(%)

6.49

3.14

8.97

10.42

9.94

株価収益率

(倍)

22.29

30.81

11.11

8.62

10.45

配当性向

(%)

59.3

132.7

41.7

35.9

39.7

従業員数

(人)

2,421

2,492

2,597

2,553

2,524

(外、平均臨時雇用者数)

(265)

(286)

(295)

(287)

(292)

株主総利回り

(%)

106.2

73.6

81.8

81.7

100.7

(比較指標:TOPIX(東証株価指数))

(%)

(95.0)

(85.9)

(122.1)

(124.6)

(131.8)

最高株価

(円)

1,415

1,285

1,010

958

1,067

最低株価

(円)

1,046

677

681

767

752

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため記載しておりません。

2 最高株価および最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

3 提出会社の2020年3月期の1株当たり配当額34円は、創立100周年記念配当2円を含んでおります。

4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第156期の期首から適用しており、第156期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

 

年月

摘要

1919年9月

大日本セルロイド㈱として創立。資本金1,250万円。

1932年6月

神崎工場(兵庫県)においてセロハンの製造開始。

1934年1月

写真フィルム部を分離、富士写真フイルム㈱(現富士フイルムホールディングス㈱)設立。

1935年9月

新井工場(新潟県)設置、有機合成事業開始。

1949年5月

東京証券取引所(現㈱東京証券取引所)に上場。

1951年6月

網干工場(兵庫県、現姫路製造所網干工場)において酢酸セルロース事業開始。

1954年1月

播磨工場(兵庫県)設置、発射薬の製造開始。

1958年8月

堺工場(大阪府、2008年3月廃止)において、アセテート・トウの製造開始。

1961年1月

大日本化成㈱設立。(石油系有機合成事業へ進出)

1964年5月

ポリプラスチックス㈱(米国Celanese Corporationとの合弁会社、現㈱ダイセル完全子会社)設立。(ポリアセタール樹脂他の製造・販売)

1966年2月

商号をダイセル株式会社と改称。

1968年6月

大日本化成㈱を吸収合併、同社工場を大竹工場(広島県)とする。

1970年7月

ダイセル・ヒュルス㈱(現ポリプラ・エボニック㈱)、独Huels AG(現エボニック ジャパン㈱)との合弁会社)設立。(ナイロン12樹脂他の製造・販売)

1977年7月

協同酢酸㈱(三菱瓦斯化学㈱(2016年3月出資解消)及び後に参加した電気化学工業㈱(2011年3月出資解消)、協和醗酵工業㈱(現KHネオケム㈱)、チッソ㈱(現JNC㈱)との合弁会社)設立。(メタノール法による酢酸の製造)

1979年10月

商号をダイセル化学工業株式会社と改称。

1980年11月

中央研究所(埼玉県)を移転し、総合研究所(兵庫県)設置。

1984年4月

米国にDaicel (U.S.A.), Inc.(現Daicel America Holdings, Inc.)設立。

11月

ドイツにDaicel (Europa) GmbH設立。

1988年6月

ポリプラスチックス㈱が、Taiwan Engineering Plastics Co., Ltd.(現Polyplastics Taiwan

Co., Ltd.、旧Hoechstグループ(1995年6月出資解消)及び長春グループとの合弁会社)設立。(ポリアセタール樹脂他の製造・販売)

10月

ダイセル・セイフティ・システムズ㈱設立。(自動車エアバッグ用インフレータの製造)

1989年5月

シンガポールにDaicel Chemical (Asia) Pte. Ltd.(現Daicel (Asia) Pte. Ltd.)設立。

1990年11月

網干工場(現姫路製造所網干工場)において液晶表示向けフィルム用酢酸セルロース及びアセテート・トウの製造開始。

米国にChiral Technologies, Inc.設立。(光学異性体分離カラムの販売)

1992年7月

中国にXi'an Huida Chemical Industries Co., Ltd.(西安北方恵安化学工業有限公司、陜西中煙工業公司(現陜西中煙投資管理有限公司)との合弁会社)設立。(アセテート・トウの製造・販売)

1993年5月

㈱大同商工(現ダイセルパックシステムズ㈱)に資本参加。(各種容器成形品の製造加工・販売)

6月

姫路製造所広畑工場(兵庫県)設置。

1994年5月

ダイセン・メンブレン・システムズ㈱(セントラルフィルター工業㈱及びセントラルメインテナンス㈱(現㈱CFEM)との合弁会社)設立。(セパレーション事業の分社)

1995年10月

フランスにChiral Technologies-Europe SARL(現Chiral Technologies Europe S.A.S.)設立。(光学異性体分離カラムの販売)

1997年3月

ポリプラスチックス㈱が、Polyplastics Asia Pacific Sdn. Bhd.設立。(ポリアセタール樹脂他の製造・販売)

2000年7月

ポリプラスチックス㈱が、ウィンテックポリマー㈱(現ポリプラスチックス㈱、帝人㈱(2016年9月出資解消)との合弁会社)設立。(PBT樹脂、GF-PET樹脂の製造・販売)

12月

Daicel Safety Systems America, LLC(現Daicel Safety Systems Americas, Inc.、豊田合成㈱(2017年6月出資解消)との合弁会社)設立。(自動車エアバッグ用インフレータの製造・販売)

2001年1月

ダイセルパックシステムズ㈱営業開始。(成型容器製品事業を㈱大同商工と事業統合)

12月

ポリプラスチックス㈱が、PTM Engineering Plastics (Nantong) Co., Ltd.(三菱瓦斯化学㈱、韓国Korea Engineering Plastics Co., Ltd.、米国Ticona LLCとの合弁会社)設立。(POM樹脂及びその他のエンジニアリングプラスチックの製造、加工及び販売)

2002年9月

Daicel Safety Systems (Thailand) Co., Ltd.設立。(自動車エアバッグ用インフレータの製造・販売)

 

 

 

年月

摘要

2004年3月

ポーランドにDaicel Safety Systems Europe Sp. z o. o.設立。(自動車エアバッグ用インフレータの製造・販売)

4月

ダイセルバリューコーティング㈱営業開始。(フィルム事業の分社)

7月

Daicel Chemical (China) Investment Co., Ltd.(現Daicel (China) Investment Co., Ltd.)設立。(中国におけるグループ会社の統括等)

12月

中国にDaicel Safety Systems (Jiangsu) Co., Ltd.設立。(自動車エアバッグ用インフレータの製造・販売)

2005年3月

中国にNingbo Da-An Chemical Industries Co., Ltd.(西安北方恵安化学工業有限公司、陜西中煙工業公司(現陜西中煙投資管理有限公司)との合弁会社)設立。(酢酸セルロース及び無水酢酸の製造・販売)

11月

ドイツにTopas Advanced Polymers GmbH設立。(環状オレフィン・コポリマーの製造・販売)

2007年8月

中国にDaicel Chiral Technologies (China) Co., Ltd.設立。(光学異性体分離カラムの販売、受託分離サービスの提供)

10月

大竹工場においてアセテート・トウの製造開始。

2008年3月

大阪府道高速大和川線計画施行による一部敷地収用に伴い、堺工場を廃止。

4月

インドにDaicel Chiral Technologies (India) Pvt. Ltd.設立。(光学異性体分離カラムの販売、受託分離サービスの提供)

8月

大竹工場において液晶表示向けフィルム用酢酸セルロースの製造開始。

2009年7月

大竹工場においてバイオエタノールを原料とした酢酸エチルの製造開始。

2011年10月

商号を株式会社ダイセルと改称。

2012年4月

米国のSpecial Devices, Inc.(現Daicel Safety Systems Americas, Inc.)を買収。(インフレータ用イニシエータの製造・販売)

2015年4月

米国にDaicel Safety Systems America Arizona, Inc.(現Daicel Safety Systems Americas, Inc.)設立。(自動車エアバッグ用インフレータの製造・販売)

2016年5月

米国にDaicel ChemTech, Inc.設立。(有機化学品の販売)

2017年4月

総合研究所と姫路技術本社(兵庫県)を再配置し、イノベーション・パーク(兵庫県)に集約。

2018年10月

インドにDaicel Safety Systems India Pvt. Ltd.設立。(自動車エアバッグ用インフレータの販売)

2020年7月

ダイセルミライズ㈱営業開始。(樹脂事業の再編)

10月

ポリプラスチックス㈱を完全子会社化。

2022年1月

ポリプラスチックス㈱が、DP Engineering Plastics (Nantong) Co., Ltd.設立。(POM樹脂の製造・販売)

2023年10月

ダイセルビヨンド㈱操業開始。(高機能フィルムの製造・加工)

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、株式会社ダイセル(当社)および子会社63社、関連会社12社より構成されております。

当社グループが営んでいる主な事業内容は、メディカル・ヘルスケア、スマート、セイフティ、マテリアル、エンジニアリングプラスチックの各領域における製品その他の製造・販売であり、当該事業に係る当社および子会社、関連会社の位置付けは次のとおりであります。

 

メディカル・ヘルスケア事業:

当社が、化粧品原料、健康食品、光学異性体分離カラムなどを製造・販売しております。

連結子会社Chiral Technologies, Inc.、Chiral Technologies Europe S.A.S.、Daicel Chiral Technologies (China) Co., Ltd.、Daicel Chiral Technologies (India) Pvt. Ltd.が、光学異性体分離カラムを販売するとともに、同事業に関する技術サービスを行っております。

上記の他6社が当事業部門に携わっております。

 

スマート事業:

当社が、液晶保護フィルム用酢酸セルロース、電子材料向け機能品、高機能フィルムなどを製造・販売しております。

連結子会社Daicel Micro Optics Co.,Ltd.が、光学製品を開発・販売しております。

連結子会社パイクリスタル㈱が、有機半導体デバイスを開発・製造・販売しております。

連結子会社ダイセルビヨンド㈱が、高機能フィルムを製造・加工しております。

上記の他5社が当事業部門に携わっております。

 

セイフティ事業:

連結子会社ダイセル・セイフティ・システムズ㈱が、自動車エアバッグ用インフレータを製造し、当社が販売しております。

連結子会社Daicel Safety Systems Americas, Inc.が自動車エアバッグ用インフレータ、インフレータ用イニシエータを製造・販売しております。

連結子会社Daicel Safety Systems(Thailand)Co., Ltd.、Daicel Safety Systems Europe Sp. z o. o.、Daicel Safety Systems(Jiangsu) Co., Ltd.、が、自動車エアバッグ用インフレータを製造・販売しております。

上記の他7社が当事業部門に携わっております。

 

マテリアル事業:

当社が、アセテート・トウ、酢酸誘導体、カプロラクトン誘導体、エポキシ化合物などを製造・販売しております。

連結子会社協同酢酸㈱が、当社から原料の一酸化炭素およびメタノールの供給を受けて酢酸を製造・販売しております。また、同社は当社に酢酸を供給し、当社が販売しております。

連結子会社大日ケミカル㈱が、各種化学薬品を製造・販売しております。また、同社は当社よりカプロラクトンモノマーなどの供給を受けるとともに、当社にポリカプロラクトンなどを供給しております。

連結子会社Daicel ChemTech, Inc.、Daicel (Asia) Pte. Ltd.、Daicel (Europa) GmbHが当社の供給製品を海外において販売しております。

上記の他7社が当事業部門に携わっております。

 

 

エンジニアリングプラスチック事業:

連結子会社ポリプラスチックス㈱、Polyplastics Taiwan Co., Ltd.、Polyplastics Asia Pacific Sdn. Bhd.およびPTM Engineering Plastics(Nantong) Co., Ltd.が、ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどのエンジニアリングプラスチックを製造・販売しております。また、当社が液晶ポリマー原料の無水酢酸をポリプラスチックス㈱へ供給しております。

連結子会社ダイセルミライズ㈱が、ABS樹脂、エンプラアロイ樹脂、包装用フィルム、各種合成樹脂製品などを販売しております。

連結子会社ダイセルパックシステムズ㈱が、各種成型トレーなどを製造・販売しております。

連結子会社DMノバフォーム㈱が、果実用発泡緩衝材を製造・販売しております。

上記の他31社が当事業部門に携わっております。

 

その他:

連結子会社ダイセン・メンブレン・システムズ㈱が、水処理用分離膜モジュールなどを製造・販売しております。

連結子会社ダイセル物流㈱が、グループ各社の製品、原材料の保管、運送を行っております。

上記の他5社が当事業部門に携わっております。

 

(注) 上記の他に2社あり、連結子会社Daicel (China) Investment Co., Ltd.が、中国におけるグループ会社の統括などを、連結子会社Daicel America Holdings, Inc.が、米国におけるグループ会社の統括などを行っております。

 また、事業部門別の会社数は、複数の事業部門に携わっている会社については当該事業部門各々に含めて算出しております。

 

 

以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。


 

 

4 【関係会社の状況】

名称

 

住所

資本金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の所有割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 

ポリプラスチックス㈱

※4

東京都港区

3,000

エンジニアリングプラスチック

100.0

当社が液晶ポリマー用原料を供給しております。なお、当社所有の工場用地を賃借しております。

役員の兼任等…有

協同酢酸㈱

※1

東京都港区

3,000

マテリアル

92.0

当社が酢酸用原料を供給し、当社へ酢酸を販売しております。なお、当社所有の工場用地および機械等を賃借しております。

役員の兼任等…有

ダイセル物流㈱

 

大阪府大阪市北区

267

その他

100.0

当社の製品、原材料の保管、運送を行っております。なお、当社所有の工場用地および建物等を賃借しております。

ダイセルミライズ㈱

 

東京都港区

70

エンジニアリングプラスチック

100.0

当社所有の工場用地および建物を賃借しております。

ダイセル・セイフティ・

システムズ㈱

 

兵庫県たつの市

80

セイフティ

100.0

当社が自動車エアバッグ用インフレータの製造技術をライセンスしており、一部部品を販売しております。なお、当社所有の工場用地および機械等を賃借しております。

Daicel Safety

Systems Americas, Inc.

※1※2

米国アリゾナ州

百万US$

6

セイフティ

100.0

(100.0)

当社が自動車エアバッグ用インフレータの製造技術をライセンスしており、一部部品を販売しております。また、当社へイニシエータ等を販売しております。

役員の兼任等…有

Daicel Safety

Systems(Thailand)Co., Ltd.

 

※1

タイ国プラチンブリ県

百万バーツ

1,564

セイフティ

100.0

当社が自動車エアバッグ用インフレータの製造技術をライセンスしており、一部部品を販売しております。

Daicel Safety

Systems(Jiangsu)Co., Ltd.

※2

中国江蘇省

百万元

256

セイフティ

100.0

(100.0) 

当社が自動車エアバッグ用インフレータの製造技術をライセンスしており、一部部品を販売しております。

Daicel (China)

Investment Co., Ltd.

※1

中国上海市

百万元

386

全社 ※3

100.0

―――――

Polyplastics Taiwan Co.,

Ltd.

※1

※2

台湾台北市

百万NT$

1,590

エンジニアリングプラスチック

75.0

(75.0)

―――――

Polyplastics Asia Pacific

Sdn.Bhd.

※1

※2

マレーシア国

クアラルンプール市

百万リンギット

158

エンジニアリングプラスチック

100.0

(100.0)

―――――

PTM Engineering Plastics

(Nantong) Co., Ltd.

※1

※2

中国江蘇省

百万元

386

エンジニアリングプラスチック

100.0

(100.0)

―――――

その他47社  

 

 

 

 

 

 

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

 

ポリプラ・エボニック㈱

 

東京都新宿区

340

エンジニアリングプラスチック

50.0

当社所有の工場用地および建物等を賃借しております。

 

 

名称

 

住所

資本金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の所有割合(%)

関係内容

Xi'an Huida Chemical

Industries Co., Ltd.

※2

中国陝西省

百万元

248

マテリアル

30.0

(30.0)

―――――

Ningbo Da-An Chemical
Industries Co., Ltd.

※2 

中国浙江省 

百万元 

517

マテリアル

30.0

(30.0)

―――――

その他5社  

 

 

 

 

 

 

 

 

(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

2 ※1:特定子会社に該当します。

3 ※2:議決権の所有割合の括弧書(内書)は間接所有割合であります。

4 ※3:主にグループ会社の統括等を行っております。

5 ※4:ポリプラスチックス㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等 (1) 売上高     112,528百万円

(2) 経常利益     15,778百万円

(3) 当期純利益      12,998百万円

(4) 純資産額     25,811百万円

(5) 総資産額     130,490百万円

6 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

 

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

2023年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

メディカル・ヘルスケア事業

324

  (270)

スマート事業

250

   (34)

セイフティ事業

4,698

  (280)

マテリアル事業

712

   (41)

エンジニアリングプラスチック事業

2,854

  (251)

報告セグメント計

8,838

  (876)

その他

1,030

  (211)

全社(共通)

1,339

  (186)

合計

11,207

(1,273)

 

(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。

2 臨時従業員に派遣社員は含んでおりません。

 

(2) 提出会社の状況

2023年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

2,524

42.1

16.2

7,959,933

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

メディカル・ヘルスケア事業

122

  (7)

スマート事業

121

  (7)

セイフティ事業

316

 (30)

マテリアル事業

484

 (29)

エンジニアリングプラスチック事業

127

 (16)

報告セグメント計

1,170

 (89)

その他

84

 (17)

全社(共通)

1,270

(186)

合計

2,524

(292)

 

(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。

2 臨時従業員に派遣社員は含んでおりません。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合の有無にかかわらず、当社を含め各グループ企業の労使は相互理解を基調に円満な関係にあります。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社および

連結子会社

管理職に占める女性労働者の

割合

男性労働者の

育児休業取得率

労働者の男女の賃金の差異

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

提出会社

4.9%

97.9%

77.1%

78.9%

59.4%

ポリプラスチックス㈱

6.8%

96.3%

72.7%

72.9%

38.6%

ダイセル新井

ケミカル㈱

82.7%

79.4%

82.7%

ダイセル物流㈱

73.2%

82.8%

63.2%

ダイセル・セイフティ・システムズ㈱

0.0%

25.0%

62.9%

78.9%

77.9%

 

(注) 1 「管理職に占める女性労働者の割合」、「労働者の男女の賃金の差異」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

2 「管理職に占める女性労働者の割合」は正規雇用労働者を対象とし、出向者を出向元の労働者として算出しております。

3 「男性労働者の育児休業取得率」は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。

4 「男性労働者の育児休業取得率」は、出向者を出向元の労働者として算出しております。

5 「労働者の男女の賃金の差異」は、海外に駐在している労働者を除いて算出しております。

6 「労働者の男女の賃金の差異」は、出向者を出向元の労働者として算出しております。

7 「労働者の男女の賃金の差異」は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、当社は、職群及び等級により異なる賃金水準を設定しております。男女では職群及び等級毎の人数に差があるため、賃金において差異が生じております。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、確実性を保証するものではありません。

 

(1) 会社経営の基本方針

世の中が変化しても変えてはいけない当社グループが大切にする考え方を示すため、基本理念の表現を「価値共創によって人々を幸せにする会社 ~ Sustainable Value Together ~ 」と改めるとともに、新たにサステナブル経営方針を2020年度に定めました。

 

<サステナブル経営方針>

・Sustainable Product:人々の豊かな生活を実現する新しい価値を創造し提供します

・Sustainable Process:全てのステークホルダーとともに地球環境と共生する循環型プロセスを構築します

・Sustainable People:多様な社員が全員、存在感と達成感を味わいながら成長する「人間中心の経営」を進めます

 

私たちダイセルの経営方針の最上位にあるのが基本理念です。SDGs実現のために「サステナブル経営方針」を基本理念の直下に位置付けました。またこのサステナブル経営方針をProduct、Process、Peopleの3つの要素で実現します。この経営方針を具現化していくために、当社グループで働くすべての役員、従業員の基本的な行動原則を再確認し、私たち一人ひとりが、あらゆる行動において常に意識し実践していく行動指針として「ダイセルグループ行動指針」、多様化するグローバル社会で存続するための必要条件であり、すべての企業活動領域で普遍的に適用する規範として「ダイセルグループ倫理規範」を定めました。そして、それを実現するための戦略が長期ビジョンと中期戦略になります。

 


 

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

当社グループが変わらず大切にする思いとともに、今後大胆に変えなければならないことを、2020年度を開始年度とする長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』および中期戦略『Accelerate 2025』で明確にいたしました。2023年度には、さまざまな社会的変化の影響や交易条件など経営環境が大きく変化したことに伴い、必要なアップデートを行っております。

 

 

① 長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』の概要

注力するドメイン

サステナブル経営方針の具現化に向け、以下の4つのトリガーと注力する市場で価値を提供し、人々の幸せの実現と、当社グループの持続的な成長を目指します。

 

4つのトリガー

注力する市場

健康(ヘルスケア)

コスメ・健康食品・メディカル

安全・安心(セイフティ)

モビリティ・インダストリー

便利・快適(スマート)

ディスプレイ・IC/半導体・センシング

環境

水処理・生分解性樹脂

 

 

長期ビジョン実現への道のり

Operation-I(原ダイセル)では自社の現状の事業に加え、注力するドメインを含めた領域で、事業構造の転換とアセットライト化(徹底したコストダウン)を進めます。

Operation-Ⅱ(新ダイセル)では、既存事業の周辺領域でのM&Aや提携による領域拡大、既存事業の再編や合弁会社の抜本的見直しに取り組むとともに、グループ全体でのアセット・スーパーライト化を目指します。

Operation-Ⅲ(新企業集団)では、グループの枠を超えて、まず垂直統合方向のバリューチェーン(サプライチェーン)を強化し、その共通顧客に対する価値創造(共創)に取り組むとともに、同業他社や大学など、水平方向にも共創を拡大することで、より大きな価値の提供を目指します。

 


 

② 中期戦略『Accelerate 2025』の概要

基本理念実現に向けて、以下の基本的な戦略に沿った取り組みを推進することで、既存事業の強化・成長による価値の提供と、「循環型社会構築への貢献」を目指します。

 

1.全社戦略

クロスバリューチェーン実現に向けた取り組みとしてバリューチェーンの垂直/水平方向との連携を推進し、新企業集団を見据えた、組織変更に対して柔軟に組み替え可能なバーチャルカンパニーの実現を図り、その基盤となるデジタルアーキテクチャの構築を進めます。

また、事業ポートフォリオとして「健康」「安全・安心」「便利・快適」「環境」における価値提供型事業へシフトし、ビジネスユニット(BU)の特性に応じたKPIの設定とその進捗に応じた資源配分により、売上高、営業利益ともに「次世代育成」事業と「成長牽引」事業のシェアを高めてまいります。

 

 

2.事業戦略

[メディカル・ヘルスケア事業]

 ・新規腸内代謝物ベースの機能性食品素材(ウロリチン他)の展開

 ・CPI事業の中国、インドでの拡大

 ・DDS(ドラッグデリバリーシステム)や医療関連材料などメディカル領域の事業育成

[スマート事業]

 ・半導体市場への材料供給及び関連事業の拡大

 ・ダイセルビヨンド㈱の活用による高機能フィルムの拡大

 ・ドライコーティング技術による新事業創出

[セイフティ事業]

 ・生産地統廃合によるメリット拡大

 ・インド、ASEAN市場で連携し、リスクヘッジとシェアアップを両立

 ・中国企業との関係強化

 ・EV車向けの電流遮断器量産と中国・欧米での拡販

[マテリアル事業]

 ・アセテート・トウの加熱式たばこ向け販売増、増設なき増産

 ・カプロラクトン誘導体・エポキシ化合物の高付加価値用途への拡大

 ・酢酸セルロースの環境素材市場開拓

[エンジニアリングプラスチック事業]

 ・欧米市場で拡販(ポリアセタール樹脂(POM)・液晶ポリマー(LCP)の 欧米でのシェア10%)

 ・中国市場でのビジネス強化(中国企業への販売)

 ・環境ビジネス創出(リサイクル・バイオ原料使用製品の展開)

 

また、ポリプラスチックスの完全子会社化に伴うシナジー効果を最大化するために、パフォーマンス・マテリアルズ事業本部を設置しており、さらなるグループ全体の樹脂事業の強化に取り組みます。具体的には、ポリプラスチックスのグローバル展開の加速(将来需要取り込みのための増産投資、欧米市場への拡販)、コストダウンシナジーの実現(ダイセル式生産革新の展開加速、間接部門の効率的運営)、グループシナジーの最大化(ポリプラスチックスのマーケティング力の活用、R&Dリソースの相互活用、触媒効率改善など既存事業の改善および改良)などに取り組み、2025年度までにEBITDAで300億円のシナジー効果を見込んでおります。

 

3.機能別戦略

事業創出力の向上のため、R(Research:ユーザー目線によるシーズの掘り起こし)とD(Development:事業化力の強化)の自立を図り、Proactive IP(開発、事業化のアンテナ機能)、R、Dの相互作用による事業創出を目ざしてまいります。

生産(プロダクション)については、安全・品質のあくなき追求、究極のアセットライト、現場活躍の基盤強化を実践し、現場の力を結集してバーチャルカンパニーでパートナーに価値を提供することを目指します。

デジタルトランスフォーメーションについては、権限委譲を進める組織改革やそれに伴う働き方改革をサポートすることを主眼に、あらゆる業務領域へのAI、IoTの活用を進めてまいります。

人事については、多様な社員が存在感と達成感を味わいながら成長できる、変える!変わる!人事を目指してまいります。

 

 

4.全社業績・経営指標

中期戦略最終年度となる2025年度に以下の全社業績および経営指標をターゲットとしております。

 

全社業績:

 売上高 6,600億円、営業利益 820億円、親会社株主に帰属する当期純利益 580億円、

EBITDA 1,360億円

経営指標:

営業利益率 12.4%、ROE 17.1%、ROIC 9.3%、ROA 7.7%、CCC 125日

株主還元 中期戦略発表時の1株当たり配当金額(年間32円)を下限、総還元性向 40%以上

 

また、アセットライト方針に基づき、業容拡大期間においても総資産残高をキープしつつ、自己資本比率45%超、ネットD/Eレシオ 0.5以下を実現し財務安定性強化を図ることにより2026年3月末のバランスシートとして以下をイメージしております。

 

2026年3月末(ターゲット)                  (億円)

流動資産

3,700

負債

3,800

うち現預金

600

うち有利子負債

2,400

運転資産

2,800

 

 

固定資産

3,700

純資産

3,600

うち有形・無形

3,500

 

 

 政策保有株式

200

 

 

資産合計

7,400

負債・資本合計

7,400

 

 

5.資金創出力

収益力強化に加え適正在庫化などキャッシュコンバージョンサイクル削減効果で資金創出力向上を図ります。また、政策投資株式売却などにより資金創出力をさらに高め、余裕資金を成長投資や株主還元に活用します。株主還元は総還元性向40%以上とし、自己株式取得も視野に柔軟に対応してまいります。

 


 

 

(3) 経営環境及び会社の対処すべき課題

世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響からの持ち直しの動きが続くことが期待されるものの、世界的な金融引き締めなどによる海外景気の下振れや、ウクライナ情勢も影響した原燃料価格の上昇など、先行き不透明な状況のうちに推移しております。

政治、経済、社会の様々な環境が激変し続ける中、当社の事業環境も不透明な状況が続いていますが、事業環境は常に変化するものとして想定するリスクを洗い出し、中期戦略実現に向けた取り組みを進めています。

コロナ禍からの回復などにより増加する需要に対しては、サプライチェーンの緊密な連携や、需要に応じた生産体制の構築などにより、販売機会を着実に捉えてまいります。また、原燃料価格の高騰や物流費の上昇に対しては、プロセス革新による原燃料コストの抑制や、販売価格の適切な是正にも取り組んでいます。さらに、聖域を設けることなく全社のあらゆる領域において徹底したコストダウンを実践しています。

また、当社グループ力の更なる強化に向け、2020年に完全子会社化したポリプラスチックス株式会社を中心としたエンジニアリングプラスチック事業の拡大を進めています。需要増加に対応した増産計画を迅速に意思決定するとともに、生産革新手法の横展開や設備建設部門の連携など、グループのシナジー強化、収益拡大に向けた取り組みを進めています。

事業ポートフォリオについては、成長牽引、次世代育成事業を主体にメリハリのある投資を実行するとともに、既存事業の整理や体制変革も実行し、事業の選択と集中を進めてきました。今後は、基盤事業の収益力向上と成長牽引事業の着実な育成を進めながら、長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』において当社が目指す姿「循環型社会構築への貢献」を軸とした「健康、安全安心、便利快適、環境」の4つの注力事業領域での新事業展開を加速します。

その中で、大学や他社との連携によるバイオマスプロダクトツリーやバイオマスバリューチェーンの構築を進めるとともに、生産革新、プロセス革新、エネルギー革新の組み合わせによるサプライチェーン全体でのエネルギー使用量の削減やエネルギー供給の最適化、CO2還元技術の確立などによる、カーボンニュートラルの実現に向けた新たなビジネスモデルの構築にも取り組みます。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、ここに記載した事項は、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

また、将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(2023年6月26日)現在において判断したものであります。

 

(1) 市場リスク
① 市場の急激な変動に係るリスク

経済の変調により需要が急激に減少した場合、また他社による大型プラントの建設等により供給過剰となった場合や競合各社間の競争激化等により当社グループの製品の低価格化が進んだ場合は、当該事業の収益を悪化させる可能性があります。当社グループの製品は多岐にわたる分野に使用されており、特に自動車、電機、半導体、医療などの各業界における需要の変動に大きな影響を受けます。

② 為替変動に係るリスク

為替相場の変動は、当社グループの輸出入取引に係る交易条件、および海外グループ会社の業績の邦貨換算結果等に対して影響を与えます。

通常、円安は当社グループの業績に好影響を及ぼし、円高は悪影響を及ぼすと考えております。また、海外グループ会社においては、その所在国通貨と異なる外国通貨との為替相場変動により、業績等に影響を及ぼす可能性もあります。

これら為替変動に係るリスクに対して、先物為替予約取引などを用いてヘッジを行っておりますが、当該リスクを完全に回避できるものではなく、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

当社グループの海外売上高比率は、2023年3月期において62.7%であります。また、当社の試算では米ドル・円レートが1円変動すると、連結売上高で年間約24億円、連結営業利益で年間約9億円の変動をもたらすと算定しております。

③ 主要原料(メタノール)の価格変動に係るリスク

当社グループは、主力製品の酢酸やポリアセタール樹脂の原料として、メタノールを大量に購入しております。長期契約やメタノール製造会社への出資など、比較的安価なメタノールを安定的に購入するための手段を講じておりますが、メタノール市況が上昇した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

④ その他原燃料価格の変動に係るリスク

当社グループは、常に安価かつ価格の安定した原燃料への転換や、製造方法改善によるコストダウンをはかっております。原燃料の高騰が続く場合には、これらに加えて、製品販売価格への転嫁等によりできる限りの吸収をはかっておりますが、それを超えて高騰が続く場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(2) 事業リスク
① 海外事業展開拡大に係るリスク

当社グループは、中国・アジア地域を中心に、北米・ヨーロッパなど海外事業展開を拡大しつつありますが、海外での事業活動では、予期しえない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、人材の採用・確保の困難、テロ、戦争等による社会的又は政治的混乱等のリスクが存在します。

② 原材料等の調達に係るリスク

当社グループは、原材料を複数のサプライヤーから購入することにより安定調達を図り、生産に必要な原材料が十分に確保されるよう努めております。しかしながら、複数のサプライヤーからの調達を進めてはいるものの、一部の特殊な原材料については限られたサプライヤーに依存する場合があります。また、サプライヤーの被災、事故、倒産などによる原材料の供給中断、需要の急増による供給不足が発生した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

③ 資本提携・企業買収等に係るリスク

当社グループは、さらなる事業成長を目指し国内外における企業買収・資本提携等に取り組んでおります。これらの投資について予期したとおりの成果が獲得できない場合、また事業環境等の急激な変化により事業計画に大幅な修正が生じた場合には、のれんの減損や投資損失が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

(3) 環境リスク
① 感染症に係るリスク

新型インフルエンザや新型コロナウイルスなどの重大な感染症については、感染拡大予防のために経済活動が制限されたり、当社グループや取引先で罹患者が大量に出た場合は、プラントの稼働低下や生産停止、サプライチェーンの分断などが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 自然災害に係るリスク

当社グループの主要な生産拠点のひとつであるポリプラスチックス㈱富士工場は「東海地震に係る地震防災対策強化地域」内に立地しており、設備面の対策や地震防災訓練などを実施しております。また、グループの他の事業場においても、防災訓練などの緊急時対応訓練を行っております。

しかし、自然災害により重大な損害を被った場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

③ 環境規制に係るリスク

環境保全に対する社会要請の高まりにより、環境規制の強化が進み、法令遵守のための設備投資や関連するビジネスの再編成などの事態が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

④ 気候変動に係るリスク

当社グループは、全てのステークホルダーとともに、地球環境と共生する循環型プロセスの構築を目指し、持続可能な低炭素社会の実現に向けて、生産プロセスの抜本的な見直しや新技術の導入、グループ全体のエネルギー使用最適化など、省エネルギーに努め、GHG(温室効果ガス)排出量の削減に取り組んでおります。

しかしながら、気候変動に伴う異常気象等が当社グループの工場の操業やサプライチェーンに影響を与える物理的リスク、あるいは低炭素社会への移行に対応できずに原燃料価格や電力価格が上昇するリスクは、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(4) 品質・製造リスク
① 製品品質保証・製造物責任に係るリスク

当社グループは、製品の品質保証体制を確立し、製品の安全性確保および不具合品の流出防止に努めております。また、万一に備え、賠償責任保険も付保しております。しかし、当社グループが製造した製品に起因する損害が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

② 事故に係るリスク

当社グループは、保安防災活動に継続的に取り組むなど、日頃から工場の安全確保に努めております。しかし、万一、火災・爆発等の産業事故災害が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(5) 研究開発リスク
① 研究開発及び技術人材の確保に係るリスク

当社グループでは、既存事業の強化および新規事業創出のため積極的に研究開発活動を行っております。しかし、技術革新のスピードが速くタイムリーに新製品の開発ができないなど、期待した成果が得られず計画を断念することになった場合には、投下した研究開発費を回収できないため、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、これらの研究開発体制の維持・強化のためには、高度な技術を持った人材の確保が不可欠であり、技術者が十分に確保できない場合には当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 知的財産権に係るリスク

当社グループは、「知的財産権が重要な資産であることを認識し、その保全・確保に努めるとともに、第三者が保有する知的財産権についてもその権利を尊重します」との行動規範のもと、知的財産関連情報の調査、知的財産権の取得・管理、適切な契約の締結・管理など戦略的な活動に取り組んでおります。しかしながら、当社グループが第三者の知的財産権を侵害している等の予期せぬ警告や訴えを受けたり、第三者に知的財産権を無断で使用される恐れがあります。このような事態が発生した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(6) コンプライアンスリスク
① 訴訟に係るリスク

当社グループは、国内外の法令遵守に努めております。しかしながらグローバル、かつ多様な分野で事業を行う中で、訴訟、係争、その他の法的手続きの対象となるリスクがあり、重要な訴訟等の提起を受ける可能性があります。

裁判等において不利益な決定や判決がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

② 情報セキュリティに係るリスク

当社グループは、事業を遂行する上で多くの機密情報や個人情報を保有しております。これらの情報を取り扱うにあたり、管理体制の構築、従業員教育の実施およびIT技術動向の変化に応じたセキュリティソフトの導入・更新などの対策をとっております。

しかしながら、通信ネットワークに生じた障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウエアもしくはソフトウエアの不具合・欠陥、コンピュータウィルス・マルウェア等外部からの不正な手段によるコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為や使用人もしくは委託業者の過誤等により、これらの情報が流出し、または改ざんされる事態が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(7) その他のリスク
① 固定資産の減損に係るリスク

当社グループが自ら使用、または第三者に貸与する機械及び装置、土地及び建物などは、投資計画どおりに収益が得られず、投資額の回収が見込めないなど資産価値の下落に起因する潜在的な減損のリスクにさらされています。当連結会計年度末において、有形固定資産及び無形固定資産の帳簿価額の合計は2,673億円です。固定資産の減損損失が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 当社グループ会社の樹脂製品における第三者認証登録に関する不適切行為について

 当社グループ会社のダイセルミライズ株式会社が販売する樹脂製品の一部において、米国の第三者安全科学機関である Underwriters Laboratories Limited Liability Company(以下「UL」という。)の認証に関し、不適切な行為が判明しました。1980年代後半~2017年6月にかけて、ULの定める難燃性規格に関するフォローアップ工場試験の際に、指定されたロットとは別の試験片を作成し提出していたほか、1980年代~2020年5月にかけて、認証登録時の組成を一部変更した製品を、ULへの申請を行わずに製造・販売していました。(以下「本件不適切行為」という。)

 本件不適切行為について、ULに報告を行った結果、一部製品のUL認証が2022年10月31日付で取り消されました。これまでUL認証の取消しとなった製品を使用した最終製品に関して事故等の報告は受けておりません。

 また、UL認証が取消しとなった製品について、UL認証の再登録申請を進めております。これに関連し、ISO(国際標準化機構)の登録認証機関である一般財団法人日本品質保証機構(以下「JQA」という。)による不定期審査を受審しました結果、株式会社ダイセル広畑工場が取得しているISO9001:2015 (※) について認証範囲が2022年11月18日付で一部取消し・縮小となりましたが、一部取消し・縮小されていた認証範囲につきましては、2023年4月14日付で再認証を受けております。

 本件不適切行為を受けて、当社の独立社外監査役と当社と利害関係を有しない社外の有識者から構成される調査委員会を設置し、本件不適切行為の事実関係、当社国内子会社でのUL認証に関連する類似案件の有無を調査するとともに、これらの行為の原因分析及び再発防止策の提言等を委任し、2022年12月16日に同委員会からの調査報告書を受領しました。本調査報告書につきましては、当社ウェブサイト

(https://www.daicel.com/news/assets/pdf/20230110.pdf)にて公表しております。

 同委員会からの再発防止策の提言を受け、以下の取組みを行っております。

当社では、同委員会による調査結果を当社グループ全体で厳粛に受け止め、改めて「安全」「品質」「コンプライアンス」を当社の「モノづくり」の基盤と位置付けるとともに、新たに、「ダイセルグループ行動指針」、「ダイセルグループ倫理規範」を定めました。

 また、再発防止のための体制構築も進め、2023年4月1日付で、安全と品質に関する監査と取り組み推進の機能を分離し、それぞれの機能を強化することを目的とした組織変更を実施しました。今後も当社グループの役職員全員が、今一度「モノづくり」の基本に立ち返り、信頼回復・再発防止に全力を挙げて取り組んでまいります。

  なお、本件の対象製品に関連する費用が多額に発生した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(※) 品質マネジメントシステムに関する国際規格

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響からの持ち直しの動きが続いたものの、中国でのロックダウンや半導体不足などの自動車生産への影響、ウクライナ情勢も影響した原燃料価格の上昇や世界的なインフレの進行、物流の混乱、為替の変動など、先行き不透明な状況のうちに推移しました。

このような環境の中、当社グループでも自動車生産や、電子デバイスの需要低下の影響を受け、一部製品の販売数量が減少したものの、需要が伸長する製品については販売機会を着実に捉え販売数量を伸ばすとともに、高騰する原燃料価格や物流費の販売価格への転嫁、徹底したコストダウンを実施してまいりました。

当連結会計年度の売上高は5,380億26百万円(前年度比15.0%増)、営業利益は475億8百万円(同6.3%減)、経常利益は520億35百万円(同9.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は406億82百万円(同30.2%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、各事業が負担すべき費用を負担し、グループ全体の利益への貢献に責任を持って事業運営する体制に移行するため、全社共通費用を全て各事業に配賦する方法に変更しています。前年度比較については、前年度の数値を変更後の配賦方法に基づき組み替えた数値で比較しております。

 

[メディカル・ヘルスケア事業部門]

コスメ・健康食品事業は、中国のロックダウンの影響などにより化粧品原料の販売数量が減少したものの、原燃料価格上昇に伴う販売価格の是正や、健康食品素材の販売数量が増加したことなどにより、増収となりました。

ライフサイエンス事業は、キラル関連製品の販売やインドでの分析サービスなどが好調に推移したことや、為替の影響により、増収となりました。

当部門の売上高は、225億18百万円(前年度比15.5%増)、営業利益は、減価償却費の増加等により、6億99百万円(同71.3%減)となりました。

 

[スマート事業部門]

液晶表示向けフィルム用の酢酸セルロースや高機能フィルムなどのディスプレイ事業は、高機能フィルムの販売数量が新規採用により増加したものの、液晶パネルの在庫調整の影響により、酢酸セルロースの販売数量が減少し、減収となりました。

電子材料向け溶剤やレジスト材料などのIC/半導体事業は、液晶パネル材料向けの販売数量が減少したものの、半導体材料向けの販売数量の増加や、原燃料価格上昇に伴う販売価格の上昇などにより、増収となりました。

当部門の売上高は、295億99百万円(前年度比8.9%減)、利益面では、販売数量の減少や原燃料価格の上昇などにより、営業損失6億42百万円(前年同期は営業利益40億35百万円)となりました。

 

 

[セイフティ事業部門]

自動車エアバッグ用インフレータ(ガス発生装置)などのモビリティ事業は、半導体不足や中国のロックダウンなどによる自動車減産の影響を受けたものの、自動車生産が前年度より回復し販売数量が増加したことや、為替の影響などにより、増収となりました。

当部門の売上高は、839億81百万円(前年度比20.9%増)、営業利益は、利益面では、米国での人件費の増加や、物流費の上昇などにより、営業損失1億43百万円(前年度は営業利益25億83百万円)となりました。

 

[マテリアル事業部門]

酢酸は、定期修繕に伴う販売調整や、前年度高騰した酢酸市況の軟化により、減収となりました。

酢酸誘導体は、電子材料やディスプレイ向けの需要低下により販売数量が減少したものの、販売価格の是正などにより、増収となりました。

アセテート・トウは、加熱式たばこ用の需要増加などによる販売数量の増加、原燃料価格上昇に伴う販売価格の是正、為替の影響などにより、増収となりました。

カプロラクトン誘導体やエポキシ化合物などは、自動車向け塗料保護フィルム用途などの需要拡大によりカプロラクトン誘導体の販売数量が増加したことや、原燃料価格上昇に伴う販売価格の是正などにより、増収となりました。

当部門の売上高は、1,548億13百万円(前年度比26.0%増)、営業利益は、販売数量の増加や販売価格の是正、為替の影響などにより、219億36百万円(同19.6%増)となりました。

 

[エンジニアリングプラスチック事業部門]

ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックス株式会社の事業は、日系自動車の下期生産台数減少による自動車部品メーカーの在庫圧縮や、スマートフォンなどの需要低下の影響を受け、新型コロナウイルスの影響からの需要回復で販売数量が急増していた前年度と比較して販売数量が減少したものの、継続的な販売価格の是正や、為替の影響により、増収となりました。

ABS樹脂、エンプラアロイ樹脂、フィルム、水溶性高分子などダイセルミライズ株式会社の事業は、販売数量の増加や、原燃料価格上昇に伴う販売価格の是正などにより、増収となりました。

当部門の売上高は、2,380億62百万円(前年度比12.2%増)、営業利益は、販売価格の是正や、為替の影響などにより、253億10百万円(同14.5%増)となりました。

 

[その他事業部門]

その他部門は、防衛関連事業での販売数量が減少したことなどにより、減収となりました。

当部門の売上高は、90億51百万円(前年度比20.7%減)、営業利益は、3億47百万円(同70.9%減)となりました。

 

財政状態は、次のとおりであります。

総資産は、棚卸資産や有形固定資産等の増加により、前連結会計年度末に比し667億70百万円増加し、7,656億6百万円となりました。

負債は、短期社債や1年内償還予定の社債等の増加により、前連結会計年度末に比し358億78百万円増加し、4,551億70百万円となりました。

また純資産は、3,104億35百万円となりました。純資産から非支配株主持分を引いた自己資本は、2,952億9百万円となり自己資本比率は38.6%となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し55億6百万円増加し、934億93百万円(前連結会計年度末比6.3%増)となりました。

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、268億47百万円(前年同期は、429億93百万円の増加)となりました。資金増加の主な内容は、税金等調整前当期純利益549億67百万円および減価償却費315億16百万円であり、資金減少の主な内容は、棚卸資産の増減額318億75百万円および法人税等の支払額144億25百万円であります。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、440億93百万円(前年同期は、465億28百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、投資有価証券の売却及び償還による収入86億77百万円であり、資金減少の主な内容は、有形固定資産の取得による支出473億86百万円であります。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、199億56百万円(前年同期は、54億52百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、短期借入金の純増減額134億13百万円や短期社債の純増減額299億98百万円および長期借入れによる収入150億74百万円であり、資金減少の主な内容は、長期借入金の返済による支出131億7百万円や社債の償還による支出100億3百万円および配当金の支払額106億51百万円であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

生産高(百万円)

前年同期比(%)

メディカル・ヘルスケア事業

15,408

17.68

スマート事業

34,639

19.03

セイフティ事業

86,667

26.24

マテリアル事業

131,835

29.85

エンジニアリングプラスチック事業

224,896

13.90

報告セグメント計

493,446

20.40

その他

7,162

△20.23

合計

500,609

19.53

 

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

b.受注実績

受注生産を行っているのは「その他」のうちの特機関連部門であり、主として発射薬等で受注状況は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高
(百万円)

前年同期比(%)

その他

161

△91.64

84

△97.73

 

 

 

c.販売実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

メディカル・ヘルスケア事業

22,518

15.51

スマート事業

29,599

△8.90

セイフティ事業

83,981

20.91

マテリアル事業

154,813

26.05

エンジニアリングプラスチック事業

238,062

12.15

報告セグメント計

528,975

15.87

その他

9,051

△20.67

合計

538,026

14.98

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月26日)現在において判断したものであります。

 

① 経営成績等

中期戦略『Accelerate 2025』では2025年度に以下の全社業績および経営指標をターゲットとしております。

全社業績:

売上高 6,600億円、営業利益 820億円、親会社株主に帰属する当期純利益 580億円、

EBITDA 1,360億円

経営指標:

営業利益率 12.4%、ROE 17.1%、ROIC 9.3%、ROA 7.7%

株主還元:中期戦略発表時の1株当たり配当金額(年間32円)を下限、総還元性向 40%以上

 

本中期戦略の3年目である当連結会計年度は、需要の回復による販売機会を着実に捉えるとともに、販売価格の是正、徹底したコストダウンを実施してまいりました。

その結果、当連結会計年度の業績は、売上高は5,380億26百万円(前年度比15.0%増)、営業利益は475億8百万円(同6.3%減)、経常利益は520億35百万円(同9.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は406億82百万円(同30.2%増)となりました。

 

経営成績

売上高および営業利益

売上高、営業利益の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

営業外損益

営業外損益は45億円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比し21億円悪化いたしました。

主に為替損益の影響などによるものであります。

 

 

特別損益

特別利益は55億円を計上いたしました。投資有価証券売却益42億円などによるものであります。

特別損失は26億円を計上いたしました。固定資産除却損15億円などによるものであります。

 

法人税等

税効果会計適用後法人税の負担率(実効税率)は24.2%と、前連結会計年度に比し6.5ポイント減少いたしました。

 

非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益は10億円と、前連結会計年度に比し2億円(19.9%)増加いたしました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は407億円と、前連結会計年度に比し94億円(30.2%)の増益となりました。 また、ROEは14.3%となり、前連結会計年度に比し2.1ポイント改善しました。ROICは5.3%、EBITDAは791億円となりました。

 

財政状態

資産、負債および純資産の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

なお、有利子負債比率は42.1%となりました。

また、2022年11月2日取締役会決議に基づく自己株式の取得を100億円実施しております。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資金需要

当社グループにおける主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入、労務費など製造費用と、製品の仕入、販売費及び一般管理費等の支払いであります。

当社グループでは、製造設備の増強および更新などのほか、安全向上対策ならびに現業各設備の合理化・省力化を継続的に行っております。当連結会計年度の設備投資額は前連結会計年度に比し155億円増加し、563億円(前連結会計年度比37.9%増)、減価償却費は前連結会計年度に比し46億円増加し、315億円(前連結会計年度比16.9%増)となりました。

当社グループでは、既存事業の強化拡大および新事業創出のための研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費は前連結会計年度に比し11億円増加し、219億円(前連結会計年度比5.5%増)となりました。

 

 

財務政策

当社グループは、設備投資計画に照らして、必要な資金を銀行借入や社債発行により調達しております。短期的な運転資金は、キャッシュマネジメントサービスを通じてグループ内で余剰資金を活用しておりますが、地域、通貨、金利動向等を考慮した結果、銀行借入等による調達を行う場合があります。当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は3,220億円であります。

利益配分に関しては、中期戦略『Accelerate 2025』におきましては、収益力強化に加え適正在庫化などキャッシュコンバージョンサイクル削減効果で資金創出力向上を図ります。また、政策投資株式売却などにより資金創出力をさらに高め、余裕資金を成長投資や株主還元に活用します。株主還元は総還元性向40%以上とし、自己株式取得も視野に柔軟に対応してまいります。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

合弁関係

株式会社ダイセル(当社)

 

締結先

合弁会社名

設立の目的

資本金

設立年月日

KHネオケム㈱

協同酢酸㈱

(連結子会社)

メタノール法による

酢酸の製造・販売

3,000百万円

当社出資比率92%

1977年7月5日

三菱ケミカル㈱

富山フィルタートウ㈱

(持分法適用関連会社)

アセテート・トウの

製造・販売

50百万円

当社出資比率35%

2012年10月1日

 

 

ポリプラスチックス株式会社(連結子会社)

 

締結先

合弁会社名

設立の目的

資本金

設立年月日

長春石油化学股份有限公司

(台湾)

長春人造樹脂厰

股份有限公司

(台湾)

長連産業股份

有限公司(台湾)

Polyplastics Taiwan

Co., Ltd.(台湾)

(連結子会社)

ポリアセタール樹脂の製造・販売

1,590百万NT$

ポリプラスチックス㈱

出資比率75%

1988年6月18日

三菱瓦斯化学㈱

Korea Engineering

Plastics Co., Ltd.(韓国)

Ticona LLC(アメリカ)

ピーティーエム・ホールディングス㈱

(連結子会社)

PTM Engineering

Plastics

(Nantong) Co.,

Ltd.の持株会社

10百万円

ポリプラスチックス㈱

出資比率70.1%

2002年7月15日

グローバルポリアセタール㈱

ピー・ホールディングス㈱

(連結子会社)

DP Engineering

Plastics

(Nantong)Co.,

Ltd. の持株会社

 

24,000百万円

ポリプラスチックス㈱

出資比率70%※

2021年12月1日

 

(注)※当社子会社のポリプラスチックス株式会社は、2022年5月12日にグローバルポリアセタール株式会社との間で合弁契約を締結し、2021年12月1日に同社の100%子会社として設立していたピー・ホールディングス株式会社の全出資額の30%について、当該契約上の条件が満たされたとき、グローバルポリアセタール株式会社の出資を受け入れる予定でした。2022年12月26日に当該契約上の条件が満たされたため、2023年1月10日に当該出資を受け入れました。

 

Daicel (China) Investment Co., Ltd. (連結子会社)

 

締結先

合弁会社名

設立の目的

資本金

設立年月日

西安北方恵安化学工業有限公司(中国)

陜西中煙投資

管理有限公司

(中国)

Xi'an Huida Chemical

Industries Co., Ltd.

(中国)

(持分法適用関連会社)

アセテート・トウの製造・販売

248百万元

Daicel(China)

Investment

Co.,Ltd.

出資比率30%

1992年7月1日

西安北方恵安化学工業有限公司(中国)

陜西中煙投資

管理有限公司

(中国)

Ningbo Da-An Chemical

Industries Co., Ltd.

(中国)

(持分法適用関連会社)

酢酸セルロース等の製造・販売

7,322.4万US$

Daicel(China)

Investment

Co.,Ltd.

出資比率30%

2005年3月11日

西安北方恵安化学工業有限公司(中国)

陜西中煙投資管理有限公司

(中国)

Ningbo Da-An

Chemical

Industries

Co., Ltd.

(中国)

(持分法適用関連会社)

Xi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd.

(中国)

アセテート・トウの製造・販売

210百万元

Ningbo Da-An

Chemical Industries Co., Ltd.

出資比率100%

2012年5月9日

 

(注) 合弁会社として記載しておりますXi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd.は、Ningbo Da-An Chemical Industries Co., Ltd.の100%出資でありますが、同社が西安北方恵安化学工業有限公司(中国)、陜西中煙投資管理有限公司(中国)およびDaicel(China)Investment Co., Ltd.の合弁会社であることから、Xi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd.につきましては、合弁会社とみなして記載しております。

 

 

 

2 【主要な設備の状況】

当社グループ(当社および連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりであります。

(1) 提出会社

 

 

 

 

 

 

2023年3月31日現在

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数(人)

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

土地

(面積千㎡)

その他

合計

姫路製造所

網干工場

広畑工場

播磨工場

(兵庫県姫路市/たつの市)

メディカル・ヘルスケア

スマート

セイフティ

マテリアル

エンジニアリングプラスチック

酢酸セルロース等製造設備

一酸化炭素等製造設備他

15,070

14,680

15,818

(4,175)

43,392

88,962

1,043

新井工場

(新潟県妙高市)

メディカル・ヘルスケア

スマート

マテリアル

レジスト用原料等製造設備他

5,942

2,596

219

(352)

660

9,418

87

大竹工場

(広島県大竹市)

スマート

マテリアル

酢酸セルロース等製造設備

有機化学品等製造設備他

7,920

8,268

3,230

(481)

1,453

20,873

448

 

 

(2) 国内子会社

 

 

 

 

 

 

2023年3月31日現在

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数(人)

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

土地

(面積千㎡)

その他

合計

ポリプラスチックス㈱

富士工場

(静岡県富士市)

エンジニアリングプラスチック

ポリアセタール樹脂製造設備他

3,544

5,082

2,215

(167)

[38]

516

11,359

370

 

 

 

(3) 海外子会社

 

 

 

 

 

 

2023年3月31日現在

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数(人)

建物及び構築物

機械装置及び運搬具

土地

(面積千㎡)

その他

合計

Polyplastics Asia

Pacific Sdn. Bhd.

(マレーシア国

クアラルンプール市)

エンジニアリング

プラスチック

ポリアセタール樹脂製造設備他

5,781

8,504

725

(-)

[303]

253

15,263

392

PTM Engineering

Plastics (Nantong)

Co., Ltd.

(中国 江蘇省)

エンジニアリング

プラスチック

ポリアセタール樹脂製造設備他

569

2,117

324

(-)

[204]

173

3,185

191

Polyplastics (Nantong) Ltd.

(中国 江蘇省)

エンジニアリング

プラスチック

ポリアセタール樹脂製造設備他

1,009

1,589

 

230

(-)

[35]

 

712

3,542

78

DP Engineering

Plastics (Nantong) Co.,Ltd.

(中国 江蘇省)

エンジニアリング

プラスチック

ポリアセタール樹脂製造設備他

4

 

2,731

(-)

[228]

 

12,099

14,836

4

Polyplastics Taiwan Co., Ltd.

(台湾 台北市)

エンジニアリング

プラスチック

ポリアセタール樹脂製造設備他

563

1,308

683

(75)

3,601

6,156

194

TOPAS Advanced

Polymers GmbH

(ドイツ連邦共和国

ノルトライン=ヴェストファーレン州)

エンジニアリング

プラスチック

環状オレフィン・コポリマー樹脂製造設備他

436

2,570

150

(29)

[10]

6,895

10,052

104

Daicel Safety

Systems Americas

Inc.

アリゾナ拠点

(アメリカ合衆国

アリゾナ州)

セイフティ

自動車エアバッグ用インフレータ製造設備他

2,411

904

735

(79)

284

4,335

547

Daicel Safety

Systems (Jiangsu)

Co., Ltd.

(中国 江蘇省)

セイフティ

自動車エアバッグ用インフレータ製造設備他

3,310

10,623

655

(-)

[229]

1,917

16,507

1,355

Daicel Safety

Systems (Thailand) Co.,

Ltd.

(タイ国

プラチンブリ県)

セイフティ

自動車エアバッグ用インフレータ製造設備他

3,729

5,655

613

(196)

2,068

12,065

1,385

Daicel Safety

Systems Europe

Sp. z o. o.

(ポーランド共和国 ドルヌィ・シロンスク県)

セイフティ

自動車エアバッグ用インフレータ製造設備他

848

2,001

145

(240)

328

3,323

294

 

(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品および建設仮勘定の合計であります。

2 土地の一部を賃借しております。年間賃借料は134百万円であります。賃借している土地の面積については、[ ]で外書しております。

3 現在休止中の主要な設備はありません。

4 連結会社間の貸与設備については借用会社に記載しております。

 

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

1,450,000,000

1,450,000,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末

現在発行数(株)

(2023年3月31日)

提出日現在発行数(株)

(2023年6月26日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

302,942,682

286,942,682

東京証券取引所
プライム市場

単元株式数 100株

302,942,682

286,942,682

 

(注)2023年5月11日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却を決議し、2023年5月22 

   日に普通株式16,000,000株を消却いたしました。

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式

総数増減数

(千株)

発行済株式

総数残高

(千株)

資本金増減額

(百万円)

資本金残高

(百万円)

資本準備金

増減額

(百万円)

資本準備金

残高

(百万円)

2019年3月4日(注)1

△18,000

331,942

36,275

31,376

2020年3月16日(注)1

△16,000

315,942

36,275

31,376

2020年9月14日(注)1

△13,000

302,942

36,275

31,376

 

(注) 1 会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却による減少であります。

2 2023年5月11日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却を決議し、2023年

  5月22日に自己株式16,000,000株を消却いたしました。これにより、発行済株式総数は、286,942,682株と

なっております。

 

 

(5) 【所有者別状況】

 

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人

その他

個人以外

個人

株主数

(人)

55

42

282

267

46

23,391

24,083

所有株式数

(単元)

1,058,704

54,328

206,115

1,112,019

5,069

591,524

3,027,759

166,782

所有株式数の割合(%)

34.96

1.79

6.81

36.73

0.17

19.54

100.00

 

(注) 1 自己株式17,307,785株は、「個人その他」に173,077単元および「単元未満株式の状況」に85株を含めて記載しております。

2 「その他の法人」の中には、証券保管振替機構名義の株式が30単元含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数

(千株)

発行済株式

(自己株式を除く。)の総数に

対する所有株

式数の割合(%)

日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)

東京都港区浜松町2-11-3

45,692

15.99

NORTHERN TRUST CO. (AVFC) RE SILCHESTER INTERNATIONAL INVESTORS INTERNATIONAL VALUE EQUITY TRUST
(常任代理人 香港上海銀行東京支店)

50 BANK STREET CANARY WHARF LONDON E14 5NT,UK
(東京都中央区日本橋3-11-1)

21,256

7.44

日本生命保険(相)

東京都千代田区丸の内1-6-6

17,402

6.09

㈱日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1-8-12

16,088

5.63

NORTHERN TRUST CO.(AVFC)RE U.S. TAX EXEMPTED PENSION FUNDS
(常任代理人 香港上海銀行東京支店)

50 BANK STREET CANARY WHARF LONDON E14 5NT,UK
(東京都中央区日本橋3-11-1)

9,580

3.35

富士フイルムホールディングス㈱

東京都港区西麻布2-26-30

8,390

2.93

NORTHERN TRUST CO.(AVFC)RE NON TREATY CLIENTS ACCOUNT
(常任代理人 香港上海銀行東京支店)

50 BANK STREET CANARY WHARF LONDON E14 5NT,UK
(東京都中央区日本橋3-11-1)

7,439

2.60

㈱三井住友銀行

東京都千代田区丸の内1-1-2

7,096

2.48

ダイセルグループ従業員持株会

大阪市北区大深町3-1

5,972

2.09

ダイセル持株会

大阪市北区大深町3-1

5,965

2.08

144,885

50.72

 

(注) 1 上記所有株式数のうち信託業務にかかるものは、日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)45,692千株、㈱日本カストディ銀行(信託口)16,088千株であります。

2 2022年12月16日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に関する変更報告書において、シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ・エルエルピーが2022年12月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。

 

(大量保有報告書に関する変更報告書の内容)

氏名又は名称

住所

所有株式数

(千株)

発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%)

シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ・エルエルピー

英国ロンドン ダブリュー1ジェイ 6ティーエル、ブルトン ストリート1、タイム アンド ライフ ビル5階

44,041

14.54

44,041

14.54

 

3 2019年4月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に関する変更報告書において、日本生命保険(相)と他2社が2019年4月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。

(大量保有報告書に関する変更報告書の内容)

氏名又は名称

住所

所有株式数

(千株)

発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%)

日本生命保険(相)

大阪市中央区今橋3-5-12

17,407

5.24

ニッセイアセットマネジメント㈱

東京都千代田区丸の内1-6-6

2,786

0.84

大樹生命保険㈱

東京都千代田区大手町2-1-1

2,500

0.75

22,693

6.84

 

4 2022年2月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に関する変更報告書において、三井住友信託銀行㈱と他2社が2022年2月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。

(大量保有報告書に関する変更報告書の内容)

氏名又は名称

住所

所有株式数

(千株)

発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%)

三井住友信託銀行㈱

東京都千代田区丸の内1-4-1

3,584

1.18

三井住友トラスト・アセットマネジメント㈱

東京都港区芝公園1-1-1

10,035

3.31

日興アセットマネジメント㈱

東京都港区赤坂9-7-1

4,377

1.45

17,997

5.94

 

5 2022年12月5日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に関する変更報告書において、㈱三菱UFJ銀行と他2社が2022年11月28日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。

(大量保有報告書に関する変更報告書の内容)

氏名又は名称

住所

所有株式数

(千株)

発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%)

㈱三菱UFJ銀行

東京都千代田区丸の内2-7-1

4,335

1.43

三菱UFJ信託銀行㈱

東京都千代田区丸の内1-4-5

9,108

3.01

三菱UFJ国際投信㈱

東京都千代田区有楽町1-12-1

2,462

0.81

15,905

5.25

 

6 2020年12月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、ポラリス・キャピタル・マネージメント・エルエルシーが2020年12月17日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。

 

(大量保有報告書の内容)

氏名又は名称

住所

所有株式数

(千株)

発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%)

ポラリス・キャピタル・マネージメント・エルエルシー

アメリカ合衆国マサチューセッツ州02110、ボストン、ハイ・ストリート121

15,165

5.01

15,165

5.01

 

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

88,130

93,840

 

 

受取手形

4,544

4,602

 

 

売掛金

98,017

96,932

 

 

有価証券

2,398

 

 

棚卸資産

※1 142,002

※1 177,169

 

 

その他

25,186

34,149

 

 

貸倒引当金

32

66

 

 

流動資産合計

360,247

406,627

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物

176,710

181,794

 

 

 

 

減価償却累計額

115,302

116,985

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

61,408

64,809

 

 

 

機械装置及び運搬具

573,425

591,652

 

 

 

 

減価償却累計額

501,601

516,850

 

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

71,823

74,802

 

 

 

工具、器具及び備品

32,119

33,018

 

 

 

 

減価償却累計額

27,448

27,942

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

4,671

5,076

 

 

 

土地

31,660

35,639

 

 

 

建設仮勘定

60,279

75,803

 

 

 

有形固定資産合計

※2 229,843

※2 256,130

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

のれん

363

338

 

 

 

その他

9,702

10,853

 

 

 

無形固定資産合計

10,066

11,191

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※3 73,246

※3 67,914

 

 

 

繰延税金資産

2,474

2,425

 

 

 

退職給付に係る資産

8,686

7,648

 

 

 

その他

※3 14,314

※3 13,707

 

 

 

貸倒引当金

42

40

 

 

 

投資その他の資産合計

98,679

91,656

 

 

固定資産合計

338,589

358,978

 

資産合計

698,836

765,606

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

61,888

56,167

 

 

短期借入金

22,198

36,267

 

 

短期社債

30,000

 

 

1年内償還予定の社債

10,003

30,000

 

 

1年内返済予定の長期借入金

※5 12,272

※5 12,742

 

 

未払法人税等

5,529

5,343

 

 

修繕引当金

3,565

 

 

環境対策引当金

14

 

 

資産除去債務

194

 

 

その他

41,797

46,768

 

 

流動負債合計

153,898

220,856

 

固定負債

 

 

 

 

社債

130,000

100,000

 

 

長期借入金

※5 106,029

※5 108,823

 

 

繰延税金負債

16,311

14,394

 

 

役員退職慰労引当金

89

71

 

 

修繕引当金

1,052

 

 

環境対策引当金

125

122

 

 

退職給付に係る負債

6,623

4,735

 

 

資産除去債務

1,255

1,170

 

 

その他

3,906

4,995

 

 

固定負債合計

265,394

234,314

 

負債合計

419,292

455,170

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

36,275

36,275

 

 

資本剰余金

14

132

 

 

利益剰余金

174,500

204,529

 

 

自己株式

6,090

15,716

 

 

株主資本合計

204,699

225,221

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

36,813

32,906

 

 

繰延ヘッジ損益

27

43

 

 

為替換算調整勘定

25,966

33,519

 

 

退職給付に係る調整累計額

4,509

3,519

 

 

その他の包括利益累計額合計

67,317

69,988

 

非支配株主持分

7,526

15,225

 

純資産合計

279,544

310,435

負債純資産合計

698,836

765,606

 

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

467,937

538,026

売上原価

※1,※6 329,329

※1,※6 392,214

売上総利益

138,607

145,811

販売費及び一般管理費

※2,※6 87,910

※2,※6 98,303

営業利益

50,697

47,508

営業外収益

 

 

 

受取利息

236

697

 

受取配当金

2,671

3,277

 

持分法による投資利益

1,950

2,335

 

為替差益

1,685

 

固定資産賃貸料

490

482

 

補助金収入

357

147

 

その他

1,302

696

 

営業外収益合計

8,694

7,637

営業外費用

 

 

 

支払利息

1,361

1,432

 

為替差損

201

 

社債発行費

1

 

寄付金

129

550

 

その他

609

925

 

営業外費用合計

2,100

3,111

経常利益

57,291

52,035

特別利益

 

 

 

固定資産処分益

※3 213

※3 74

 

投資有価証券売却益

1,664

4,208

 

補助金収入

513

 

関係会社出資金売却益

722

 

特別利益合計

1,878

5,519

特別損失

 

 

 

固定資産除却損

※4 2,901

※4 1,524

 

減損損失

※5 9,985

 

固定資産圧縮損

513

 

事業整理損

548

 

特別損失合計

12,886

2,587

税金等調整前当期純利益

46,283

54,967

法人税、住民税及び事業税

12,630

13,055

法人税等調整額

1,598

270

法人税等合計

14,229

13,326

当期純利益

32,053

41,641

非支配株主に帰属する当期純利益

799

958

親会社株主に帰属する当期純利益

31,254

40,682

 

1.報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、「戦略ビジネスユニット(SBU)」を中心とする組織を採用しており、各SBUが国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

したがって、当社は「メディカル・ヘルスケア事業」「スマート事業」「セイフティ事業」「マテリアル事業」「エンジニアリングプラスチック事業」の5つを報告セグメントとしております。

報告セグメントにおける主要製品は、以下の通りです。

<主な製品>

セグメント

主要製品名

メディカル・

ヘルスケア事業

化粧品原料、健康食品、光学異性体分離カラム 他

スマート事業

酢酸セルロース(液晶表示向けフィルム用)、高機能光学フィルム、半導体レジスト、
電子材料向け溶剤 他

セイフティ事業

自動車エアバッグ用インフレータ、電流遮断器 他

マテリアル事業

酢酸および酢酸誘導体、酢酸セルロース(液晶表示向けフィルム用途以外)、

アセテート・トウ、カプロラクトン誘導体、エポキシ化合物 他

エンジニアリング

プラスチック事業

ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマー、ABS樹脂、エンプラアロイ樹脂、各種合成樹脂加工品 他

その他

防衛関連製品、水処理用分離膜モジュール、運輸倉庫業 他

 

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

15,816

18,990

 

 

売掛金

※2 59,887

※2 60,437

 

 

有価証券

2,398

 

 

商品及び製品

19,495

27,889

 

 

仕掛品

11,194

15,829

 

 

原材料及び貯蔵品

14,142

18,771

 

 

前渡金

1,552

4,206

 

 

前払費用

640

1,392

 

 

短期貸付金

※2 64,989

※2 79,613

 

 

その他

※2 18,755

※2 22,507

 

 

貸倒引当金

1,995

2,377

 

 

流動資産合計

206,877

247,262

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

23,049

24,085

 

 

 

構築物

8,923

9,323

 

 

 

機械及び装置

25,547

25,815

 

 

 

車両運搬具

30

19

 

 

 

工具、器具及び備品

1,712

2,237

 

 

 

土地

21,116

21,150

 

 

 

建設仮勘定

47,007

44,213

 

 

 

有形固定資産合計

※1 127,388

※1 126,846

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

技術使用権

349

2,369

 

 

 

施設利用権

2,086

2,805

 

 

 

ソフトウエア

2,941

2,688

 

 

 

無形固定資産合計

5,377

7,863

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

67,069

59,692

 

 

 

関係会社株式

196,879

199,868

 

 

 

関係会社出資金

6,126

5,805

 

 

 

長期貸付金

※2 6,967

※2 8,244

 

 

 

長期前払費用

788

447

 

 

 

その他

7,672

7,960

 

 

 

貸倒引当金

955

512

 

 

 

投資その他の資産合計

284,546

281,505

 

 

固定資産合計

417,312

416,216

 

資産合計

624,190

663,478

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

※2 41,961

※2 45,732

 

 

短期借入金

14,000

23,000

 

 

短期社債

30,000

 

 

1年内償還予定の社債

10,000

30,000

 

 

1年内返済予定の長期借入金

※4 3,874

※4 5,374

 

 

未払金

※2 14,756

※2 17,130

 

 

未払費用

※2 5,318

※2 5,473

 

 

未払法人税等

1,282

1,174

 

 

預り金

※2 18,025

※2 22,301

 

 

修繕引当金

2,348

 

 

その他

3,447

5,671

 

 

流動負債合計

112,665

188,206

 

固定負債

 

 

 

 

社債

130,000

100,000

 

 

長期借入金

※4 87,317

※4 81,943

 

 

繰延税金負債

5,065

2,744

 

 

退職給付引当金

6,955

5,681

 

 

修繕引当金

761

 

 

環境対策引当金

124

122

 

 

資産除去債務

576

578

 

 

その他

282

282

 

 

固定負債合計

231,082

191,353

 

負債合計

343,748

379,559

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

36,275

36,275

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

31,376

31,376

 

 

 

その他資本剰余金

14

6

 

 

 

資本剰余金合計

31,391

31,383

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

5,242

5,242

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

配当準備積立金

2,470

2,470

 

 

 

 

特別償却準備金

30

24

 

 

 

 

資産買換積立金

984

923

 

 

 

 

特別積立金

41,360

41,360

 

 

 

 

繰越利益剰余金

133,032

150,482

 

 

 

利益剰余金合計

183,120

200,502

 

 

自己株式

6,090

15,716

 

 

株主資本合計

244,696

252,445

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

35,745

31,474

 

 

評価・換算差額等合計

35,745

31,474

 

純資産合計

280,442

283,919

負債純資産合計

624,190

663,478

 

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 206,427

※1 236,535

売上原価

※1 147,386

※1 176,710

売上総利益

59,041

59,824

販売費及び一般管理費

※2 42,786

※2 48,170

営業利益

16,254

11,653

営業外収益

 

 

 

受取利息及び受取配当金

※1 23,835

※1 17,011

 

その他

※1 3,677

※1 1,606

 

営業外収益合計

27,512

18,618

営業外費用

 

 

 

支払利息

※1 921

※1 1,079

 

貸倒引当金繰入額

1,480

453

 

クレーム補償費用

※1 170

※1 758

 

社債発行費

1

 

寄付金

122

543

 

その他

※1 271

※1 709

 

営業外費用合計

2,966

3,546

経常利益

40,801

26,725

特別利益

 

 

 

固定資産処分益

※1,※3 2

※1,※3 4

 

投資有価証券売却益

1,660

4,168

 

関係会社株式売却益

※1 1,928

 

関係会社出資金売却益

1,107

 

補助金収入

513

 

特別利益合計

3,589

5,793

特別損失

 

 

 

固定資産除却損

※4 2,134

※4 1,300

 

減損損失

8,385

 

固定資産圧縮損

513

 

関係会社出資金評価損

2,285

 

特別損失合計

12,805

1,814

税引前当期純利益

31,585

30,704

法人税、住民税及び事業税

4,202

3,100

法人税等調整額

1,048

431

法人税等合計

3,153

2,668

当期純利益

28,431

28,035