日本特殊塗料株式会社
Nihon Tokushu Toryo Co., Ltd.
北区王子三丁目23番2号
証券コード:46190
業界:化学
有価証券報告書の提出日:2023年6月22日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第113期

第114期

第115期

第116期

第117期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

59,417

57,191

48,004

54,779

60,738

経常利益

(百万円)

4,734

4,303

2,403

2,625

3,141

親会社株主に帰属する
当期純利益

(百万円)

2,795

2,318

1,301

1,300

2,103

包括利益

(百万円)

1,558

2,269

3,396

3,614

3,762

純資産額

(百万円)

43,958

45,062

47,154

49,725

52,211

総資産額

(百万円)

73,572

72,067

75,502

79,792

82,033

1株当たり純資産額

(円)

1,828.68

1,860.68

1,961.12

2,038.07

2,125.01

1株当たり
当期純利益金額

(円)

126.74

105.34

59.27

59.90

96.77

潜在株式調整後
1株当たり
当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

54.7

56.8

56.4

55.5

56.3

自己資本利益率

(%)

6.9

5.7

3.1

3.0

4.6

株価収益率

(倍)

9.1

7.5

18.2

14.0

9.7

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

8,292

7,188

3,085

5,019

6,198

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

6,760

4,726

5,636

1,266

1,588

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

1,573

2,073

1,059

1,699

2,818

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

7,645

7,964

6,518

8,931

10,853

従業員数
(外、平均臨時雇用
者数)

(人)

1,192

1,242

1,287

1,299

1,255

(464)

(474)

(383)

(468)

(530)

 

(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第116期の期首から適用しており、第116期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等になっております。

2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3 従業員数は就業人員数を記載しております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第113期

第114期

第115期

第116期

第117期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

46,839

44,390

36,832

38,217

43,073

経常利益

(百万円)

2,419

2,113

1,329

1,759

1,979

当期純利益

(百万円)

1,902

1,636

1,369

1,720

2,238

資本金

(百万円)

4,753

4,753

4,753

4,753

4,753

発行済株式総数

(株)

23,611,200

23,611,200

23,611,200

23,611,200

23,611,200

純資産額

(百万円)

29,637

29,715

31,674

32,373

32,996

総資産額

(百万円)

53,323

52,187

54,345

55,642

56,274

1株当たり純資産額

(円)

1,341.33

1,344.87

1,453.25

1,484.15

1,511.21

1株当たり配当額
(うち1株当たり中間配当額)

(円)

36.00

40.00

38.00

40.00

42.00

(16.00)

(19.00)

(17.00)

(18.00)

(20.00)

1株当たり
当期純利益金額

(円)

85.91

74.05

62.10

78.89

102.57

潜在株式調整後
1株当たり
当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

55.6

56.9

58.3

58.2

58.6

自己資本利益率

(%)

6.4

5.5

4.5

5.4

6.8

株価収益率

(倍)

13.4

10.7

17.3

10.6

9.2

配当性向

(%)

41.9

54.0

61.2

50.7

40.9

従業員数
(外、平均臨時雇用
者数)

(人)

578

608

627

618

617

(169)

(183)

(181)

(190)

(212)

株主総利回り

(%)

138

103

138

60

54

(比較指標:東証株価指数TOPIX)

(%)

(126)

(114)

(162)

(144)

(132)

最高株価

(円)

2,697

1,642

1,322

1,197

1,044

最低株価

(円)

1,124

750

665

793

760

 

(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第116期の期首から適用しており、第116期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3 従業員数は就業人員数を記載しております。

4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

5 第114期の1株当たり中間配当額には、記念配当2円を含んでおります。

 

 

2【沿革】

1929年6月 日本特殊塗料合資会社として、東京都北区に設立し東京工場を新設

1936年8月 株式会社に改組し、日本特殊塗料株式会社となる

1945年5月 九州工場を新設

1960年8月 愛知工場を新設

1961年10月 東京証券取引所市場第二部に上場

1962年8月 東邦塗料株式会社を合併

1964年5月 平塚工場を新設(東京工場を移設)

1967年9月 Matec Holding AG[現・Autoneum Holding AG](スイス)と防音材料、防音技術に関する技術提携

1968年8月 日特不動産株式会社[現・ニットク商工株式会社]を設立(現・連結子会社)

1968年11月 広島工場を新設

1969年12月 静岡工場を新設

1973年1月 日晃工業株式会社を設立(現・連結子会社)

1979年9月 富士産業株式会社に資本参加(現・持分法適用関連会社)

1980年4月 株式会社タカヒロを設立(現・連結子会社)

1980年6月 ニットクメンテ株式会社を設立(現・連結子会社)

1983年4月 株式会社ニットク保険センターを設立(現・連結子会社)

1984年7月 Uni-NTF, Inc.(米国)を設立(現・持分法適用非連結子会社)

1986年4月 Uni-NTF, Inc.(米国)とGlobe Industries, Inc.[現・Autoneum North America,  Inc.]

      (米国)との合弁

      会社UGN, Inc.(米国)を設立(現・持分法適用関連会社)

1991年3月 開発センターを新設(東京都北区)

1991年9月 東京証券取引所市場第一部銘柄に指定

1991年12月 東九州工場を新設

1992年9月 株式会社ニットクシーケーを設立(現・連結子会社)

1994年6月 Summit Auto Seats Industry Co., Ltd.(タイ)との合弁会社SNC Sound Proof Co., Ltd.(タイ)を設立

      (現・持分法適用関連会社)

1998年2月 塗料技術棟を新設(東京都北区)

2001年10月 当社の全事業所でISO 9001を認証取得

2002年11月 当社の全工場(6工場)でISO 14001を認証取得

2003年10月 Rieter Automotive International AG[現・Autoneum Holding AG](スイス)との合弁会社日特固(広州)

      防音配件有限公司(中国)を設立(現・持分法適用関連会社)

2004年3月  Rieter Automotive International AG[現・Autoneum Holding AG](スイス)との合弁会社天津日特固

      防音配件有限公司(中国)を設立(現・持分法適用関連会社)

2005年1月 Summit Auto Seats Industry Co., Ltd.(タイ)他1社との合弁会社SRN Sound Proof Co., Ltd.(タイ)を

      設立(現・持分法適用関連会社)

2008年5月 梅居産業株式会社に資本参加(現・持分法適用関連会社)

2008年6月 Rieter Automotive International AG[現・Autoneum Holding AG](スイス)との合弁会社

      Rieter Nittoku Automotive Sound Proof Products India Pvt. Ltd.(インド)(現・Autoneum Nittoku

      Sound Proof Products India Pvt. Ltd.)を設立

 2010年7月 武漢日特固防音配件有限公司(中国)を設立(現・連結子会社)

 2012年2月 大和特殊工機株式会社の全株式を取得(現・連結子会社)

2012年4月 PT.TUFFINDO NITTOKU AUTONEUM(インドネシア)(現・連結子会社)を設立

2017年9月 本社を現在の東京都北区に新設・移転

2019年9月 武漢日特固防音配件有限公司(中国)が武漢日特固汽車零部件有限公司(中国)を設立
       (現・連結子会社)

2022年4月 東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行

 

 

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は当社、子会社11社及び関連会社10社により構成されております。
 事業内容としては、塗料関連事業では、塗料の製造・販売及び工事請負を主たる事業としており、また、自動車製品関連事業では、自動車用防音材(制振材、吸・遮音材)、防錆塗料などの自動車部品の製造・販売並びにこれに関連した研究、開発などの事業活動を行っております。
 当社グループの事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

 

区分

会社名

塗料関連事業

当社、ニットクメンテ㈱、ニットク商工㈱、梅居産業㈱

自動車製品関連事業

当社、日晃工業㈱、㈱タカヒロ、㈱ニットクシーケー、富士産業㈱、大和特殊工機㈱、㈱エヌ・シー・エス、Uni-NTF, Inc.、UGN, Inc.、SNC Sound Proof Co., Ltd.、日特固(広州)防音配件有限公司、天津日特固防音配件有限公司、武漢日特固防音配件有限公司、武漢日特固汽車零部件有限公司、SRN Sound Proof Co., Ltd.、Autoneum Nittoku Sound Proof Products India Pvt. Ltd.、PT.TUFFINDO NITTOKU AUTONEUM、ATN Auto Acoustics㈱

その他

㈱ニットク保険センター

 

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 


 

4【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金又は出資金
(百万円)

主要な事業
の内容

議決権の
所有(又は
被所有)割合
(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 

ニットク商工㈱

東京都北区

80

塗料関連事業

100.0

役員の兼任
営業上の取引
設備の賃貸借

3名
当社製品の販売
建物、社宅等の賃貸借

ニットクメンテ㈱

(注6)

東京都北区

100

塗料関連事業

85.5

営業上の取引
その他

2名
当社製品を工事に使用
建物等の賃貸借

㈱ニットク保険センター

東京都北区

10

その他(保険代理業)

100.0

役員の兼任
営業上の取引

3名
損害保険の取扱い

大和特殊工機㈱

神奈川県
藤沢市

48

自動車製品関連事業

100.0

役員の兼任

営業上の取引

1名

 金型の製造委託

武漢日特固防音配件有限公司(注4)

中国
湖北省武漢市

百万元
89

自動車製品関連事業

52.5

役員の兼任
営業上の取引
その他

3名
当社製品の製造・販売
債務保証

武漢日特固汽車零部件有限公司

中国
湖北省武漢市

百万元
81

自動車製品関連事業

76.54

 (50.62)

役員の兼任
営業上の取引

3名
当社製品の製造

日晃工業㈱(注4)
 

茨城県

坂東市

487

自動車製品関連事業

85.9

 

役員の兼任
営業上の取引
設備の賃貸借
その他

2名
当社製品の製造委託
防音材製造技術の供与
建物等の賃貸借・金型の貸与
資金の貸付

㈱タカヒロ
(注3)

広島県
東広島市

100

自動車製品関連事業

50.0

役員の兼任
営業上の取引

 

1名
当社製品の製造委託
防音材製造技術の供与

㈱ニットクシーケー
(注3)

福岡県行橋市

80

自動車製品関連事業

50.0

役員の兼任
営業上の取引
設備の賃貸借

3名
当社製品の製造委託
建物の賃貸借

資金の貸付

PT.TUFFINDO NITTOKU

AUTONEUM(注3,4)
 

インドネシア
西ジャワ州

百万インドネシアルピア

162,666

自動車製品関連事業

46.0

役員の兼任

営業上の取引

その他

2名
当社製品の製造・販売
防音材製造技術の供与

債務保証

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

 

富士産業㈱

神奈川県
平塚市

20

自動車製品関連事業

38.8

被所有( 0.7)

役員の兼任
営業上の取引

2名
当社製品の製造委託
及び製品の販売

梅居産業㈱

福岡県福岡市

49

塗料関連事業

39.9

被所有(0.2)


営業上の取引
 

当社製品の販売

UGN,Inc.

米国
イリノイ州

百万米ドル

1

自動車製品関連事業

40.0

 (15.0)

役員の兼任
営業上の取引
その他

3名
当社製品の製造・販売
防音材製造技術の供与

資金の貸付

SNC Sound Proof Co., Ltd.

タイ
Amphur Muang
Chonburi

百万バーツ

80

自動車製品関連事業

33.0

役員の兼任
営業上の取引
その他

1名
当社製品の製造・販売
防音材製造技術の供与

日特固(広州)防音配件有限公司

中国
広東省広州市

百万元
75

自動車製品関連事業

44.0

役員の兼任
営業上の取引
その他

2名
当社製品の製造・販売
防音材製造技術の供与

天津日特固防音配件有限公司

中国
天津市

百万元
47

自動車製品関連事業

34.0

役員の兼任
営業上の取引
その他

1名
当社製品の製造・販売
防音材製造技術の供与

債務保証

SRN Sound Proof Co., Ltd.

タイ
Amphur Panthong
Chonburi

百万バーツ
100

自動車製品関連事業

30.0

役員の兼任
営業上の取引
 

1名
当社製品の製造・販売
防音材製造技術の供与

 

 

(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

2 「議決権の所有(又は被所有)割合」欄の(内書)は間接所有であります。

3 持分は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。

4 特定子会社であります。

5 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

 

6 ニットクメンテ㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

(1)売上高

9,620百万円

 

(2)経常利益

303百万円

 

(3)当期純利益

195百万円

 

(4)純資産額

1,215百万円

 

(5)総資産額

4,786百万円

 

 

5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

(2023年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

塗料関連事業

234

(65)

自動車製品関連事業

980

(456)

その他

1

(-)

全社(共通)

40

(9)

合計

1,255

(530)

 

(注) 1 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 臨時従業員には、期間雇員、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いて記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

(2023年3月31日現在)

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

617

(212)

  40.3

15.7

6,297,390

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

塗料関連事業

180

(39)

自動車製品関連事業

397

(164)

全社(共通)

40

(9)

合計

617

(212)

 

(注) 1 従業員は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 臨時従業員には、期間雇員、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いて記載しております。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社の労働組合は、日本化学エネルギー産業労働組合連合会に加盟しております。連結子会社においては労働組合はありません。

なお、2023年3月31日現在の組合員数は523名であり、労使関係は円滑な関係にあり特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、労働者の男女の賃金の差異

提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

1.7

59.5

70.6

80.8

・全労働者における男女の賃金の差異は、男性に比べ女性の全労働者に占める非正規雇用労働者の割合が多く、その影響を受けております。

・正規雇用労働者における男女の賃金差異は、勤続年数の差及び管理職数が影響しております。従前に比べ女性社員数は増加傾向にあり、今後の管理職の割合についても増加することが見込まれ、それに伴い正規雇用労働者の男女賃金差異は減少していくと考えられます。

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

   2.賃金は、通勤手当を除く給与、諸手当、賞与等を含み、退職金は含んでおりません。

   3.パート・有期労働者には、期間雇員、シニア社員を含み、派遣労働者は除きます。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、「卓越した技術と製品により社会に貢献する」「株主の利益を尊重し、社員の人格を大切にする」「環境と共生し、国際標準に準拠しつつ、永遠の発展を目指す」を経営理念としております。
 この理念のもと、経営の基本方針として「創意工夫を社是とし、独自の技術と製品をもって顧客の要望と信頼にこたえる」「世界に活躍する企業として総合開発力を結集し、新製品・新需要の開発に挑戦する」「人材の育成・登用をはかるとともに、一切の無駄を省き、高生産性・高収益を追求する」を掲げ、安定的な事業基盤・収益基盤を構築し、長期にわたって持続的な企業価値向上を目指してまいります。

 

(2)当社グループを取り巻く経営環境、対処すべき課題及び当社の事業戦略

今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的となり、社会経済活動の正常化、景気の自律的回復が期待される一方、ウクライナ情勢の影響等を受けた原材料・エネルギー価格の高止まり、金融引き締めによる景気減速懸念など、依然として先行き不透明な状況が続くことが予想されます。

こうした経済状況のもと、当社グループの主要事業である塗料関連事業、自動車製品関連事業における各事業環境とそれに対応した事業戦略の概要については、以下のとおりです。

 [ 塗料関連事業 ]

塗料関連事業は、塗料の製造・販売及び工事請負を主たる事業としております。

塗料分野では、国内の人口減少トレンドが続く中、市場は趨勢的に縮小傾向にあり、大小多くの塗料メーカー等による熾烈な販売競争、環境対応型塗料を中心とした新製品の開発競争が激化しております。

また、足元の事業環境は、企業収益・個人消費の低迷や感染症の影響が一定程度継続する中、原材料価格の高騰等によるコスト増加も加わって、一層厳しい状況が続くことが見込まれます。

こうした競争環境の中、当社は航空機用塗料で培った高い技術力をベースに、地球環境や安全性に配慮した環境対応型塗料、省エネに寄与する塗料を中心とした多面的・持続的な研究開発のもと、同業他社との製品差別化に取り組んでおります。販売面では、塗料販売店・塗装施工店を中心とした自社製品の販売ネットワークを構築しており、その拡大強化にも継続して取り組んでおります。

塗料関連事業においては、厳しい経営環境の中、こうした取組みの強化に加え、顧客のニーズに合った新たな製品の開発、海外を含む新たな市場への挑戦にも積極的に取り組むと同時に、一部製品の販売価格見直しや原価改善活動に引き続き注力し、安定的な収益基盤の構築を図ってまいります。

 [ 自動車製品関連事業 ]

自動車製品関連事業は、自動車用防音材(制振材、吸・遮音材)、防錆塗料等の塗材を中心とした自動車部品の製造・販売並びにこれに関連した研究開発などの事業活動を行っております。

自動車業界におきましては、100年に一度と言われる大変革期を迎え、環境規制強化の流れの中、自動運転、電気自動車、コネクテッド、シェアリングの大きなトレンドの波が同時に押し寄せ、競争環境が大きく変わろうとしております。足元では、先行き不透明感は残るものの、自動車の生産台数は国内を中心に回復基調が続くと見込まれることから、原材料価格高騰等のコスト増加要因への対応力強化やサプライチェーンの強化・安定化等が収益力強化の中心的課題の一つとなっております。

加えて近年においては、カーボンニュートラルに向けた環境課題への対応を含め、持続的成長をより重要視した事業活動が強く求められる状況にあります。

こうした事業環境の中、当社は国内自動車メーカーの動向を的確に捉え、研究開発段階からの連携を強化しつつ、部品軽量化や車室内の快適性向上等の新しいニーズに応える新技術・製品を提供し、中長期的な受注拡大に取り組んでおります。

また、日本経済の低成長という構造的問題から国内生産の増加は期待できず、中国やアジア等の新興国を含めたグローバルでの事業活動を通した収益力強化も大きな課題です。当社は、関係会社・協力会社を含めたグローバルでの生産体制をベースに、自動車メーカーの生産体制の変化にも機動的に対応できるサプライチェーンのさらなる強化・安定化、効率的な生産体制の確立を図るとともに、収益力強化を実現するための抜本的な「もの作り」改善に、持続的に取り組んでおります。

自動車製品関連事業においては、経営環境の変革期において、研究開発、生産・製造、営業等の各部門が一体となって、グローバルで真の自動車部品サプライヤーとしての位置づけをより強固なものとしてまいります。

 

(3)中長期的な経営の基本戦略

当社グループを取り巻く経営環境と対応する事業戦略を踏まえ、以下の経営の基本戦略を着実に遂行することで、外部環境の変化に耐えうる安定的な収益基盤の構築、変化に的確に対応できる効率的な事業体制の確立に努めてまいります。

① 国内事業の安定的な収益基盤の構築

既存製品のシェア拡大、あらゆるプロセスにおける徹底した原価改善に努め、外部環境の変化に耐えうる安定的な収益基盤の構築を実現してまいります。

②「技術のニットク」の強化と新技術・新製品開発

当社の強みである機能性・軽量化・環境対応を主眼に、高機能・高付加価値製品の開発を進めるとともに、「サステナビリティ(持続可能性)」に重点を置き、社会・顧客ニーズの変化に対応した新技術・新製品開発を推進いたします。

③ グローバル展開の強化

塗料関連事業においては、各地域のニーズに即した製品販売を強化し、自動車製品関連事業においては、原料調達から「ものづくり」まで、グローバルで連携を強化して、原価改善と生産体制最適化(サプライチェーンの強化)を図ってまいります。

④ DX(デジタルトランスフォーメーション)推進

研究開発、生産、販売、ビジネスモデル構築等、各機能におけるDXを推進し、生産性向上、効率的な事業体制の確立を目指してまいります。

⑤ サステナビリティ経営の推進

環境配慮型製品の拡充、循環経済を強く意識したマテリアルリサイクルの確立、さらには2050年に全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルを実現すべく、環境負荷低減、社会課題解決に積極的に取組むと同時に、持続的な成長を支える人材育成やガバナンス強化により、経営基盤のさらなる充実を図ってまいります。

⑥ プライム市場の上場維持基準への適合

当社は、2022年4月の株式会社東京証券取引所における市場区分の見直しに関して、プライム市場への上場を選択いたしました。移行基準日時点(2021年6月30日)において、プライム市場の「流通株式時価総額」の基準を充たしていないことから、2025年3月期までを計画期間と定め、時価総額および流通株式比率の向上を目指した取組みを推進しております。2025年3月期を最終年度とする中期経営計画の達成に注力するとともに、持続的な企業価値向上に引き続き務めてまいります。

 

(4)目標とする経営指標

当社グループは、①販売力強化による事業規模拡大、②生産体制の拡充及び生産効率化、資本効率向上による安定的な収益基盤の構築と効率的な事業体制の確立を推進し、持続可能な成長の実現を目指しております。

そのため、前期対比売上高成長率、売上高営業利益率及び売上高経常利益率、自己資本利益率を重要な経営指標と位置づけております。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社が判断したリスクの重要度にしたがって記載しておりますが、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、実際の発生リスク、発生程度やその影響度は記載の順序とは異なる可能性があります。また、当社グループではこうしたリスクの最小化に継続して取り組んでおり、その対応策の一部を記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針に係るもの

当社グループは、技術開発や業務展開を効率的に行いつつ、経営資源を最適化するために技術提携や合弁の形で多くのパートナーと共同で事業を行っております。各事業会社の研究開発・設計、営業、生産・製造、管理部門等の各部門及び会社間・部門間相互において、戦略・方針等の大きな方向性や事案毎の詳細な情報を共有し、連携強化に努めておりますが、共同活動の当事者間で歩調の不一致等が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 大規模災害及び重度感染症等の発生・蔓延に係るもの

当社グループの拠点のいずれかが大規模な地震などの災害に罹災し、あるいは重度感染症の蔓延等により生産・稼動等が困難となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

特に近年においては、高い確率で予想されている首都直下型地震や東海・東南海・南海地震の発生リスク、新たな重度感染症の蔓延等に係るリスクが高まっている状況にあります。このような事態に備え、当社グループは、製品納入責任を果たすべく事業継続計画の策定、運用、定期的な訓練の実施や計画の見直し等を全社レベルで行っております。

しかしながら、想定外の現象が起きる可能性は否定できず、その内容によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、2020年初めから新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大が社会、経済活動に甚大な打撃を及ぼしてまいりました。各国で経済的な支援を含む各種の感染症対策が施され、一定の成果を発揮しつつありますが、サプライチェーンの混乱等の間接的な影響を含め、今後の経済回復・経済活動正常化の大幅な遅れや新たな感染症の流行が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 気候変動に関するもの

温室効果ガスの排出量増大に起因する地球温暖化がもたらす気候変動、及びそれに対して各国政府や地域行政が講じる政策・施策については、市場環境や顧客ニーズへの影響を含め、当社グループの事業戦略に大きく影響を与えるものと認識しており、その内容・程度によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、こうした気候変動に関するリスクについて、経営計画や事業計画にその対応策を反映し、ステークホルダーに向けた適切な情報開示を実施すべく、ガバナンス体制を整備しております。

具体的には、事業・業務部門を横断して、カーボンニュートラルに関する専門プロジェクトを設置し、気候変動に関する施策・対応策の検討を進めており、2050年に全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を目指すことを目標として定めました。また、開発・技術、製品戦略的な側面においては、従来より各事業部門が主導して取り組みを推進しております。

各施策・対応策は、取締役会による承認のもと、当該プロジェクトや関連部署において実行されるとともに、その進捗は、サステナビリティに関する施策を統括するサステナビリティ委員会(従来のCSR推進委員会を名称変更、事務局としてサステナビリティ推進室を設置)を通じて、あるいは直接取締役会に共有され、適切に管理される体制を整えております。

なお、自社でのエネルギー使用の合理化・使用量低減を目指した様々な対応策の検討・実施のほか、自動車の軽量化・燃費低減や古衣料等の廃棄物削減に資する自動車用防音材、屋根等に塗装することで建物内の温度上昇を抑える効果がある遮熱塗料等、環境対応型製品(温室効果ガス削減に資する製品)の開発・拡販に注力することを中期経営計画の基本戦略に掲げ、全社的に推進しております。

当社グループは、今後、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)等に準拠した対応活動を強化・推進し、気候変動に関するリスクの最小化に継続して取り組んでまいります。

 

 

(4) 品質管理体制、法的規制に係るもの

① 品質管理体制、製造物責任

当社グループは、品質基準「ISO9001」の認証を受け、当社を中心とした品質対応の専門部署が主導的な役割を果たしつつ、品質管理のシステムに則った厳格な品質管理を徹底しております。しかしながら、全ての製品について欠陥が無く、将来クレームが発生しないという保証はありません。また、当社の事業規模を勘案した製造物責任賠償保険に加入しておりますが、万一、製造物責任賠償保険で充分に填補できない製品の欠陥による損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 環境に関する法的規制

当社グループは、環境との共生を最重要課題の一つと捉え、環境対策には万全を期して、関連法規を遵守した事業活動を行っておりますが、環境維持に対する社会的要請は年々高まり、関連法規は厳しさを増しております。こうした法的規制に対し、事後的な対応だけでなく、事前のリスク検討・評価、それに対応する事業戦略・リスク対応策の策定・実施を行っておりますが、将来においてこれらの法的規制の強化や新たな規制の制定が想定外の範囲で行われた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性や規制遵守のコスト増加につながり、その内容・程度によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 財政状態及び経営成績の変動に係るもの

① 海外事業展開のリスク

当社グループは、北米、中国、タイ、インドネシア、インドにおいて合弁事業の形を主体に事業を展開しております。海外での事業においては、それぞれの国や地域において以下のような困難が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 ・予期し得ない法律・規制、租税制度等の変更
    ・労務環境の違いに基づく争議等の発生
    ・電力、水、輸送等インフラ面での障害発生
    ・自然災害、伝染病・感染症等衛生上の問題
    ・紛争、テロ、政情不安、治安の悪化 等

なお、当社グループは、関係各部署において、こうした諸問題が生じる前、あるいは可能な限り早期にその情報を入手し、リスク対応策の検討・実施に努めております。

② 為替リスク

当社グループの海外市場での業務展開は、合弁会社による現地生産を主体としております。これら合弁会社への出資金、合弁会社からの配当金、技術提携先との技術料の受け払いなど、一定の為替リスクを伴います。また、当社グループが購入する原材料は海外で産出されるものが多く、これらの価格は直接・間接に為替相場の影響を受けます。為替リスクを回避、軽減するために手段を講じておりますが、為替相場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 金利変動リスク及び資金調達リスク

当社グループは、将来にわたって必要な設備を新規に取得あるいは更新するための設備投資資金や運転資金を主に金融機関からの借入によりまかなっております。長期借入金は概ね固定金利により金利変動リスクの低減を図っておりますが、大幅な金利変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、現状取引金融機関との関係は良好で必要資金は問題なく調達できており、調達先金融機関との関係強化を図る一方、分散化によるリスク低減を図っておりますが、将来も引き続き充分に調達可能であるという保証はありません。

④ 有価証券投資の影響

当社は、取引金融機関、関係会社、重要取引先の株式を中心に、事業戦略上の効果や経済合理性を勘案した上で、中長期の保有を目的とした株式ポートフォリオを有しております。株式保有の合理性については、保有先企業との関係や取引状況、当該企業の経営成績及び株価、配当等を確認の上、定期的な検証を行っており、当社の企業価値向上につながると考える株式のみを保有する方針ですが、個々の保有株式の価格変動が、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 退職給付債務

当社グループの保有する年金資産の著しい下落、実際の運用結果や予測給付債務計算の前提・仮定から大幅な不利となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 重要な訴訟事件等の発生に係るもの

当社グループは、現時点において将来の業績に重大な影響を及ぼすと思われるような損害賠償の請求や訴訟の提起を受けている事実はありません。しかし、将来当社グループの事業活動に関連して、製品の不具合、有害物質の発生、知的所有権問題その他様々な事由で当社グループに対して訴訟その他の請求が提起される可能性があります。その内容によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概況

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策の進展により、経済活動正常化に向けた動きがみられましたが、長期化するウクライナ情勢等を背景とした原材料・エネルギー価格の高騰、世界的な金融引き締めによる景気減速懸念、急激な為替変動等から、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

こうした状況のもと、当社グループは、徹底した感染症拡大防止策を講じながら、新中期経営計画の基本戦略に掲げる収益基盤の強化、新技術・新製品開発、サステナビリティ経営の推進等に注力し、企業価値向上に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度における売上高は607億3千8百万円(前期比10.9%増)となり、前期を上回って堅調に推移いたしました。

損益面につきましては、原材料やエネルギー価格高騰等の影響を受けたものの、売上高の回復により、営業利益は16億3千1百万円(前期比10.0%増)となりました。経常利益は、持分法による投資利益や為替変動の影響等により31億4千1百万円(前期比19.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億3百万円(前期比61.7%増)となりました。

 

前年同期との比較については、以下のとおりとなっております。

 

 

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

経常利益
(百万円)

親会社株主に帰属
する当期純利益
(百万円)

当連結会計年度

60,738

1,631

3,141

2,103

前連結会計年度

54,779

1,482

2,625

1,300

増減率(%)

10.9%

10.0%

19.7%

61.7%

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります(各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高消去後の数値を記載)。

 

[ 塗料関連事業 ]

国内需要は回復基調にあることから、主力製品の防水材や床用塗料を中心に建築・構築物用塗料の販売は順調に推移いたしました。また、集合住宅大規模改修工事等の工事関連売上は前期比6.1%増と事業規模拡大を継続しており、当セグメントの売上高は205億6千5百万円(前期比6.3%増)となりました。

損益面では、改善効果に比べ、原材料・エネルギー価格高騰の影響が大きく、セグメント損失は1億1千3百万円前期はセグメント利益3億7千3百万円)となりました。

 

[ 自動車製品関連事業 ]

世界的な半導体不足、サプライチェーン停滞等の影響が残るものの、主要顧客である自動車メーカーの生産台数が一定程度回復してきたことから、吸・遮音材や防錆塗料等の塗材を中心に販売が増加し、当セグメント売上高は401億5千7百万円(前期比13.4%増)となりました。

損益面では、当セグメントにおきましても、原材料・エネルギー価格高騰等の影響を受けましたが、売上高の回復を受け、セグメント利益は17億3千7百万円(前期比57.8%増)となりました。

 

[ その他 ]

保険代理業の売上高は1千5百万円(前期比0.4%減)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ19億2千2百万円増加し、108億5千3百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、61億9千8百万円の収入(前期比11億7千8百万円の増加)となりました。税金等調整前当期純利益36億9千4百万円、売上債権の増加額16億1千9百万円、仕入債務の増加額17億4千7百万円、利息及び配当金の受取額15億4百万円、法人税等の支払額11億1千8百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、15億8千8百万円の支出(前期比3億2千2百万円の減少)となりました。この主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出22億8千6百万円、投資有価証券の売却による収入5億7千4百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、28億1千8百万円の支出(前期比11億1千9百万円の減少)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出14億5千6百万円、配当金の支払額9億1千2百万円によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

 a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

塗料関連事業

9,875

8.6

自動車製品関連事業

27,375

14.3

合計

37,251

12.8

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

 

 b. 受注実績

当社グループは受注による生産は僅かであり、主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残高について特に記載すべき事項はありません。

 

 c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

塗料関連事業

20,565

6.3

自動車製品関連事業

40,157

13.4

その他

15

△0.4

合計

60,738

10.9

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

5,780

10.6

6,953

11.4

 

 3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1〔連結財務諸表等〕 連結財務諸表 注記事項 〔重要な会計上の見積り〕」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討

a.経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は、塗料関連事業セグメントでは前連結会計年度に比べ6.3%増205億6千5百万円、自動車製品関連事業セグメントでは前期比13.4%増401億5千7百万円となり、全体売上高は607億3千8百万円(前期比10.9%増)となりました。

地域別売上高では、海外売上が前期比6億5千万円の増加(前期比7.6%増)し、国内売上は前期比53億8百万円の増加(前期比11.5%増)となりました。これは、塗料製品関連事業セグメントにおける工事関連売上、自動車製品関連事業セグメントにおける自動車用防音材(主に吸・遮音材)や防錆塗料等の塗材を中心に販売が増加し、前期を大きく上回ったことによるものです。なお、報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、塗料関連事業が33.9%(前期は35.3%)、自動車製品関連事業が66.1%(前期は64.6%)となりました。

利益面では、原材料・エネルギー価格高騰の影響を受ける中、販売価格見直しを含む売上高の増加に加え、多面的な原価低減活動・経費低減策推進により、営業利益は前連結会計年度に比べ1億4千8百万円増加し、16億3千1百万円(前期比10.0%増)となりました。

なお、セグメント利益につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

経常利益は、前連結会計年度に比べ5億1千6百万円増加し、31億4千1百万円(前期比19.7%増)となりました。これは営業利益が増加したことに加え、営業外収益で海外関連会社の持分法による投資利益が6億1千4百万円増加したこと等によるものです。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ8億2百万円増加し、21億3百万円(前期比61.7%増)となりました。これは経常利益が増加したことに加え、法人税等の合計が2億2千2百万円減少したこと等によるものです。

 

b.財政状態の分析

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ22億4千1百万円増加し、820億3千3百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加19億2千2百万円、売掛金の増加13億1千8百万円、長期貸付金の減少13億4千8百万円によるものです。

負債については、前連結会計年度末に比べ2億4千4百万円減少し、298億2千2百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加12億3千2百万円、借入金の減少14億6千6百万円によるものです。

純資産については、前連結会計年度末に比べ24億8千6百万円増加し、522億1千1百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加11億8千6百万円、その他有価証券評価差額金の減少7億1千6百万円、為替換算調整勘定の増加14億7千7百万円によるものです。

以上の結果、自己資本比率は0.8%増加56.3%となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用になります。投資を目的とした資金需要は、主に能力の増強及び更新に係る生産設備等への投資によるものです。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債は76億7千3百万円、営業キャッシュ・フロー対有利子負債比率は80.8%となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は108億5千3百万円となっております。

 

④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、前期対比売上高成長率、売上高営業利益率、売上高経常利益率及び自己資本利益率を重要な経営指標としております。

直近5期の実績は、以下のとおりとなっております(連結業績)。

 

 

2019年

3月期

2020年

3月期

2021年

3月期

2022年

3月期

2023年

3月期

売上高(百万円)

59,417

57,191

48,004

54,779

60,738

前期対比売上高成長率(%)

3.8

△3.7

△16.1

14.1

10.9

売上高営業利益率(%)

5.0

4.9

1.8

2.7

2.7

売上高経常利益率(%)

8.0

7.5

5.0

4.8

5.2

自己資本利益率(%)

6.9

5.7

3.1

3.0

4.6

 

 

売上高成長率については、主に自動車製品関連事業において、製品市場全体の需要低迷や市場構造・製品構成の変化等から2020年3月期の売上高が減少に転じ、さらに2021年3月期におきましては、新型コロナウイルス感染症の甚大な影響を受け、売上高が大きく減収する結果となりました。2022年3月期以降、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策進展とともに経済活動は正常化に向かいつつあることから、一転して当連結会計年度(2023年3月期)にかけて、2期連続して二桁成長を遂げる結果となりました。

売上高営業利益率につきましては、2020年3月期までは概ね5.0%程度を維持しておりましたが、2021年3月期は、前述のとおり売上高の減少幅が大きく、売上高営業利益率も大幅な低下となりました。2022年3月期以降、当連結会計年度におきましても、一定の増収効果があったものの、原材料・エネルギー価格高騰等の影響が大きく、売上高営業利益率は2.7%と一定の回復にとどまりました。

売上高経常利益率につきましては、高い利益率を達成してきた主因は、持分法による投資利益であり、20億円を超える持分法投資利益計上が続いた時期もありましたが、近年は製品構成の変化、国内外における新型コロナウイルス感染症の影響等から、同投資利益は10億円を下回る水準が続いており、売上高経常利益率は5.2%(前期比0.4%増)にとどまりました。

自己資本利益率につきましては、利益水準が一定程度回復したことから、当連結会計年度は4.6%となりました。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

技術提携

(1)技術援助契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約の内容

契約期間

対価

 日本特殊塗料
 株式会社
 (提出会社)

EFTEC AG

スイス

自動車用防錆・制振塗料の製造・販売に係わるグローバルライセンス及びコーポレーション契約

2022年11月7日新契約調印。2022年1月1日~3ヶ年有効。

(注)1
 

Autoneum Management AG

スイス

防音材の生産・販売に係る援助

1993年1月1日から1997年12月31日まで。以降5年毎に自動更新。

(注)1

CHU CHANG RUBBER
CO.,LTD.

台湾

自動車用制振材の製造・販売権の供与

2023年3月6日から2028年3月5日まで。

(注)1

SNC Sound Proof
Co., Ltd.

タイ

自動車用防音材の製造・販売権の供与及び生産技術、製品開発サポート

1996年8月14日から会社存続期間中。

(注)2,3

UGN, Inc.

米国

自動車用防音材の製造・販売権の供与及び生産技術、製品開発サポート

2002年12月1日から会社存続期間中。

 

(注)2,3

 

日特固(広州)防音配件
有限公司

中国

自動車用防音材の製造・販売権の供与及び生産技術、製品開発サポート

2003年8月5日から会社存続期間中。

(注)1,3

天津日特固防音配件
有限公司

中国

自動車用防音材の製造・販売権の供与及び生産技術、製品開発サポート

2004年2月25日から会社存続期間中。

(注)1,3

SRN Sound Proof
Co.,Ltd.

タイ

自動車用防音材の製造・販売権の供与及び生産技術、製品開発サポート

2016年3月31日から会社存続期間中。

(注)1,3

Guandong TGPM
Automotive Industry
Group Co., Ltd.

中国

自動車用防錆・制振塗料の製造・販売に係る技術供与

2019年1月1日から2028年12月31日まで。ただし、期限前12ヶ月時点で延長か終了を協議。

(注)1
 

武漢日特固防音配件
有限公司

中国

自動車用防音材の製造・販売権の供与及び生産技術、製品開発サポート

2015年7月1日から会社存続期間中。

(注)1,3

PT.Tuffindo Nittoku

Autoneun

インド

ネシア

自動車用防音材の製造・販売権の供与及び生産技術、製品開発サポート

2015年1月1日から3年有効。以降1年毎に自動更新。

(注)1,3

 

(注)1 対価として一定料率のロイヤリティーを受け取っております。

   2 対価として一定額及び一定料率のロイヤリティーを受け取っております。

    3 製品開発サポートとして開発費用の対価を受け取っております。

 

(2)技術受入契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約の内容

契約期間

対価

 日本特殊塗料
 株式会社
 (提出会社)

Autoneum Management AG

スイス

防音材料の製造、使用に関する技術供与

1993年1月1日から1997年12月31日まで。以降5年毎に自動更新。

(注)1
 

EFTEC AG

スイス

自動車用防錆・制振塗料の製造・販売に係わるグローバルライセンス及びコーポレーション契約

2022年11月7日新契約調印。2022年1月1日~3ヶ年有効。

(注)1

 

(注)1 対価として一定料率のロイヤリティーを支払っております。

 

2【主要な設備の状況】
(1) 提出会社

(2023年3月31日現在)

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の
内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

建物
及び構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積千㎡)

その他

合計

平塚工場
(神奈川県平塚市)

塗料関連
事業
自動車製品
関連事業

塗料設備
防音材設備

651

312

68

(28.7)

29

1,061

93

<29>

静岡工場
(静岡県御前崎市)

自動車製品
関連事業
塗料関連
事業

防音材設備

429

457

47

(20.3)

[19.3]

42

977

80

<49>

愛知工場
(愛知県知立市)

自動車製品
関連事業

2,287

2,025

723

(30.6)

[2.5]

128

5,164

116

<79>

広島工場
(広島県東広島市)

自動車製品
関連事業

161

63

55

(19.5)

13

293

28

<6>

九州工場
(佐賀県三養基郡みやき町)

塗料関連
事業

塗料設備

407

94

343

(26.9)

15

860

48

<10>

東九州工場
(福岡県行橋市)

自動車製品
関連事業

防音材設備

344

706

461

(38.7)

78

1,590

54

<17>

本社他
(東京都北区)

塗料関連
事業
自動車製品
関連事業

本社事務所
及び
研究開発設備

960

578

1,833

(10.8)

[0.4]

666

4,038

162

<19>

 

(注) 1.上記中帳簿価額「その他」は、工具器具備品、建設仮勘定及び無形固定資産であります。

2.上記中土地の欄の[ ]内の数字は、連結会社以外からの賃借中の面積であり、外数で記載しております。

3.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は< >内に外数で記載しております。

4.現在休止中の主要な設備はありません。

 

 

(2) 国内子会社

(2023年3月31日現在)

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの
名称

設備の
内容

帳簿価額(百万円)

従業
員数
(名)

建物
及び構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積千㎡)

その他

合計

日晃工業㈱

坂東本社工場(茨城県
坂東市)

自動車製品
関連事業

防音材
設備

1,538

920

621

(45.5)

44

3,124

101

<6>

八千代工場
(茨城県結城郡
八千代町)

107

42

20

(2.8)

[3.4]

<9.8>

8

178

28

<2>

㈱タカヒロ

本社工場
(広島県   
東広島市)

自動車製品
関連事業

防音材
設備

63

196

(―)

[5.2]

7

266

18

<7>

大和特殊工機㈱

本社工場
(神奈川県
藤沢市)

自動車製品
関連事業

金型製造
設備

15

34

98

(2.3)

[0.3]

22

171

26

<4>

㈱ニットク

シーケー

本社工場

(福岡県

行橋市)

自動車製品

関連事業

防音材

設備

85

115

15

(1.2)

1

217

11

<25>

 

(注) 1.上記中帳簿価額「その他」は、工具器具備品、建設仮勘定及び無形固定資産であります。

2.上記中土地の欄の[ ]内の数字は連結会社以外からの賃借中の面積を、< >内の数字は連結会社からの賃借中の面積を、外数で記載しております。

3.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は< >内に外数で記載しております。

4.現在休止中の主要な設備はありません。

 

(3) 在外子会社

(2022年12月31日現在)

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの
名称

設備の
内容

帳簿価額(百万円)

従業
員数
(名)

建物
及び構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積千㎡)

その他

合計

武漢日特固防音配件有限公司

本社工場

(中国 湖北省武漢市)

自動車製品
関連事業

防音材
設備

998

1,128

(―)

[41.4]

850

2,977

240

<13>

武漢日特固汽車零部件有限公司

本社工場

(中国 湖北省武漢市)

自動車製品
関連事業

防音材
設備

1,770

811

(―)

[70.2]

462

3,044

64

<―>

PT.TUFFINDO NITTOKU AUTONEUM

本社工場

(インドネシア

西ジャワ州)

自動車製品
関連事業

防音材
設備

303

244

(―)

[44.6]

540

1,088

104

<171>

 

(注) 1.上記中帳簿価額「その他」は、工具器具備品、建設仮勘定及び無形固定資産であります。

2.上記中土地の欄の[ ]内の数字は、連結会社以外からの賃借中の面積であり、外数で記載しております。

3.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は< >内に外数で記載しております。

4.現在休止中の主要な設備はありません。

 

①【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

90,000,000

90,000,000

 

 

②【発行済株式】

種類

事業年度末
現在発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在

発行数(株)
(2023年6月22日)

上場金融商品取引所名又は

登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

23,611,200

23,611,200

東京証券取引所
プライム市場

単元株式数は100株であります。

23,611,200

23,611,200

 

 

①【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

②【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
 
(百万円)

資本金残高
 
(百万円)

資本準備金
増減額
(百万円)

資本準備金
残高
(百万円)

2007年4月1日~
2008年3月31日
(注)

5,000

23,611,200

1

4,753

1

4,258

 

(注) 新株予約権(ストック・オプション)の権利行使による増加であります。

 

 

(5)【所有者別状況】

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府
及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数(人)

15

27

162

73

6

6,346

6,629

所有株式数
(単元)

45,746

3,059

66,843

47,486

12

72,763

235,909

20,300

所有株式数
の割合(%)

19.39

1.30

28.33

20.13

0.01

30.84

100.00

 

(注) 自己株式1,776,747株は「個人その他」に17,767単元及び「単元未満株式の状況」欄に47株を含めて記載
しております。

 

(6)【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(百株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

AUTONEUM HOLDING AG
(常任代理人 東海東京証券株式会社)

SCHLOSSTALSTRASSE 43, 8406
WINTERTHUR, SWITZERLAND
(東京都中央区新川1-17-21)

31,151

14.27

関西ペイント株式会社

大阪府大阪市中央区今橋2-6-14

14,677

6.72

日本マスタートラスト信託銀行株式会社
(信託口) 

東京都港区浜松町2-11-3

13,572

6.22

株式会社三菱UFJ銀行

東京都千代田区丸の内2-7-1

8,788

4.03

明治安田生命保険相互会社
(常任代理人 株式会社日本カストディ
銀行)

東京都千代田区丸の内2-1-1
(東京都中央区晴海1-8-12)

7,560

3.46

株式会社中外

愛知県名古屋市中区千代田5-21-11

7,267

3.33

ニットク親和会

東京都北区王子3-23-2
日本特殊塗料株式会社内

6,003

2.75

株式会社ヒロタニ

広島県東広島市志和町志和堀1153-10

5,490

2.51

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1-8-12

5,253

2.41

株式会社三井住友銀行

東京都千代田区丸の内1-1-2

4,001

1.83

103,763

47.52

 

(注)1 提出会社は、自己株式17,767百株を保有しておりますが、上記の大株主から除いております。

2 上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は次のとおりであります。
   日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 13,572百株
   株式会社日本カストディ銀行(信託口)       5,253百株

3 ニットク親和会の所有株式には、相互保有の無議決権株式が479百株含まれています。

 

①【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

8,948

10,870

 

 

受取手形

※6 792

※6 694

 

 

電子記録債権

2,987

3,362

 

 

売掛金

※6 10,662

※6 11,980

 

 

契約資産

※6 2,347

※6 2,456

 

 

商品及び製品

1,824

1,670

 

 

仕掛品

1,409

888

 

 

原材料及び貯蔵品

1,431

1,583

 

 

未収還付法人税等

37

 

 

その他

1,456

2,470

 

 

貸倒引当金

3

2

 

 

流動資産合計

31,857

36,013

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

※2※3 10,028

※2※3 10,234

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

※2※3 8,481

※2※3 7,732

 

 

 

土地

※3 4,703

※3 4,679

 

 

 

建設仮勘定

483

466

 

 

 

その他(純額)

※2 1,374

※2 1,187

 

 

 

有形固定資産合計

25,071

24,299

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

その他

1,265

1,247

 

 

 

無形固定資産合計

1,265

1,247

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※1※3 18,255

※1※3 18,423

 

 

 

長期貸付金

1,504

156

 

 

 

繰延税金資産

99

88

 

 

 

その他

※1 1,793

※1 1,863

 

 

 

貸倒引当金

55

57

 

 

 

投資その他の資産合計

21,597

20,473

 

 

固定資産合計

47,934

46,020

 

資産合計

79,792

82,033

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

8,649

9,882

 

 

電子記録債務

3,376

3,921

 

 

短期借入金

※3 5,617

※3 5,314

 

 

リース債務

6

7

 

 

未払法人税等

601

469

 

 

役員賞与引当金

72

75

 

 

その他

※7 3,949

※7 3,924

 

 

流動負債合計

22,273

23,595

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

※3 3,209

※3 2,045

 

 

リース債務

17

17

 

 

退職給付に係る負債

3,313

3,213

 

 

繰延税金負債

1,147

842

 

 

その他

105

107

 

 

固定負債合計

7,792

6,226

 

負債合計

30,066

29,822

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

4,753

4,753

 

 

資本剰余金

4,194

4,207

 

 

利益剰余金

30,547

31,734

 

 

自己株式

1,112

1,102

 

 

株主資本合計

38,383

39,592

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

4,989

4,273

 

 

為替換算調整勘定

702

2,180

 

 

退職給付に係る調整累計額

191

147

 

 

その他の包括利益累計額合計

5,883

6,601

 

非支配株主持分

5,458

6,017

 

純資産合計

49,725

52,211

負債純資産合計

79,792

82,033

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 54,779

※1 60,738

売上原価

※2 44,298

※2 49,652

売上総利益

10,480

11,085

販売費及び一般管理費

※3※4 8,998

※3※4 9,454

営業利益

1,482

1,631

営業外収益

 

 

 

受取利息

88

101

 

受取配当金

206

220

 

為替差益

285

103

 

不動産賃貸料

53

52

 

持分法による投資利益

369

983

 

その他

218

156

 

営業外収益合計

1,222

1,618

営業外費用

 

 

 

支払利息

56

64

 

その他

23

43

 

営業外費用合計

79

108

経常利益

2,625

3,141

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

※5 294

※5 68

 

受取保険金

14

 

投資有価証券売却益

239

529

 

受取補償金

44

 

特別利益合計

547

642

特別損失

 

 

 

固定資産処分損

※6 98

※6 88

 

特別損失合計

98

88

税金等調整前当期純利益

3,074

3,694

法人税、住民税及び事業税

1,133

953

法人税等調整額

45

41

法人税等還付税額

128

法人税等合計

1,088

866

当期純利益

1,986

2,828

非支配株主に帰属する当期純利益

685

725

親会社株主に帰属する当期純利益

1,300

2,103

 

1  報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、本社に塗料事業本部と自動車製品事業本部を置き、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、各事業本部が密接に関係する子会社及び関連会社と連携しながら、事業活動を展開しております。

したがって、当社は、事業本部を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「塗料関連事業」及び「自動車製品関連事業」の2つを報告セグメントとしております。
 塗料関連事業では、塗料の製造、販売及び工事請負を主たる事業としており、自動車製品関連事業では、自動車用防音材、防錆塗料など自動車部品の製造及び販売を主たる事業としております。

 

①【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

4,024

5,120

 

 

受取手形

※2 775

※2 677

 

 

電子記録債権

※2 2,950

※2 3,386

 

 

売掛金

※2 8,559

※2 10,274

 

 

商品及び製品

1,251

1,309

 

 

仕掛品

1,424

751

 

 

原材料及び貯蔵品

1,047

1,108

 

 

前払費用

49

69

 

 

その他

※2 2,112

※2 3,363

 

 

貸倒引当金

1

1

 

 

流動資産合計

22,193

26,058

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

※1 5,174

※1 4,901

 

 

 

構築物

※1 363

※1 355

 

 

 

機械及び装置

※1 4,430

※1 4,169

 

 

 

車両運搬具

81

68

 

 

 

工具、器具及び備品

1,006

736

 

 

 

土地

※1 3,602

※1 3,580

 

 

 

建設仮勘定

183

92

 

 

 

有形固定資産合計

14,843

13,904

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

144

100

 

 

 

その他

33

45

 

 

 

無形固定資産合計

177

145

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※1 9,450

※1 8,369

 

 

 

関係会社株式

3,502

3,502

 

 

 

関係会社出資金

1,700

1,700

 

 

 

長期貸付金

※2 3,691

※2 2,501

 

 

 

破産更生債権等

3

0

 

 

 

長期前払費用

3

4

 

 

 

繰延税金資産

13

 

 

 

その他

131

130

 

 

 

貸倒引当金

55

57

 

 

 

投資その他の資産合計

18,427

16,165

 

 

固定資産合計

33,448

30,215

 

資産合計

55,642

56,274

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形

※2 73

※2 38

 

 

電子記録債務

※2 2,908

※2 3,293

 

 

買掛金

※2 6,658

※2 8,253

 

 

短期借入金

※1 3,889

※1 3,600

 

 

未払金

※2 967

※2 967

 

 

未払費用

※2 922

※2 958

 

 

未払法人税等

151

100

 

 

預り金

※2 329

※2 344

 

 

役員賞与引当金

72

74

 

 

設備関係支払手形

288

368

 

 

その他

※2 278

※2 104

 

 

流動負債合計

16,540

18,104

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

※1 2,872

※1 1,873

 

 

繰延税金負債

394

 

 

退職給付引当金

3,389

3,225

 

 

長期未払金

70

75

 

 

固定負債合計

6,727

5,173

 

負債合計

23,268

23,278

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

4,753

4,753

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

4,258

4,258

 

 

 

その他資本剰余金

103

115

 

 

 

資本剰余金合計

4,361

4,374

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

別途積立金

6,625

6,625

 

 

 

 

繰越利益剰余金

12,778

14,100

 

 

 

利益剰余金合計

19,403

20,725

 

 

自己株式

1,079

1,067

 

 

株主資本合計

27,438

28,786

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

4,935

4,209

 

 

評価・換算差額等合計

4,935

4,209

 

純資産合計

32,373

32,996

負債純資産合計

55,642

56,274

 

②【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 38,217

※1 43,073

売上原価

※1 31,248

※1 35,701

売上総利益

6,968

7,372

販売費及び一般管理費

※2 7,450

※2 7,778

営業損失(△)

481

405

営業外収益

 

 

 

受取利息及び配当金

※1 1,830

※1 2,193

 

為替差益

279

103

 

その他

182

158

 

営業外収益合計

2,292

2,456

営業外費用

 

 

 

支払利息

33

51

 

貸倒引当金繰入額

4

5

 

その他

12

12

 

営業外費用合計

51

70

経常利益

1,759

1,979

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

46

 

受取保険金

14

3

 

投資有価証券売却益

239

529

 

受取補償金

41

 

特別利益合計

253

620

特別損失

 

 

 

関係会社債権放棄損

100

 

固定資産処分損

74

87

 

特別損失合計

74

187

税引前当期純利益

1,938

2,413

法人税、住民税及び事業税

338

391

法人税等調整額

120

88

法人税等還付税額

128

法人税等合計

218

174

当期純利益

1,720

2,238