株式会社免疫生物研究所
(1) 連結経営指標等
(注) 1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第40期の期首から適用しており、第40期以降に係る主要な経営指標等については当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2.第37期、第38期及び第39期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。第40期及び第41期については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.自己資本利益率については、親会社株主に帰属する当期純損失が計上されているため記載しておりません。
4.株価収益率については、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。
(注)1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第40期の期首から適用しており、第40期以降に係る主要な経営指標等については当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2.第37期については、売上高が若干減少したことに加え、有形固定資産及び無形固定資産の購入時全額費用処理の影響等により経常損失及び当期純損失を計上しております。
第38期については、売上高が大幅に減少したことに加え、有形固定資産の購入時全額費用処理の影響等により経常損失及び当期純損失を計上しております。
第39期については、売上高が微増したことに加え、前期と比較し販売費及び一般管理費が減少したことにより、経常損失及び当期純損失は大幅に改善しております。
第40期については、売上高が増加したことに加え、前期と比較し販売費及び一般管理費が減少したことにより、経常損失及び当期純損失が改善しております。
第41期については、売上高が大幅に増加したことに加え、前期と比較し販売費及び一般管理費が減少したことにより、経常利益は前期の損失から利益の計上に転換、当期純損失は特別損失の計上等により収支が悪化しております。
3.第37期、第38期及び第39期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。第40期及び第41期については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4.自己資本利益率については、当期純損失が計上されているため記載しておりません。
5.株価収益率については、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。
6.配当性向については、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。
7.第40期まで、株主総利回りの比較指標にJASDAQグロースを用いておりましたが、2022年4月4日の東京証券取引所の市場再編に伴い廃止されました。このため比較指標を継続して比較することが可能なTOPIXに変更し、第37期にさかのぼり数値の変更をしております。
8.最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所JASDAQ(グロース)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場におけるものであります。
(注) 用語解説については、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載しております。
(1) 当社グループの概要
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、株式会社免疫生物研究所(当社)及び連結子会社2社で構成されております。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
① 抗体関連事業
主要なサービスは、診断試薬サービス、検査サービス及びTGカイコサービスを展開しております。診断試薬サービスは、主に抗体を基盤とした研究用試薬、体外診断用医薬品、及び体外診断用医薬品原料の製造・販売並びに試薬関連受託サービスの提供、さらに、医薬シーズライセンス導出事業を行っております。検査サービスは主にLipoSEARCHⓇを中核事業とし、臨床研究、基礎研究、動物医療及び自由診療領域でのリポタンパク質プロファイリング詳細解析サービスを提供しております。また、藤岡研究所内に登録衛生検査所「IBL解析センター」を開設し、IBL独自のELISA測定キットを用いた研究検査の受託測定を実施しております。さらに、大手検査会社との提携や株式会社フェニックスバイオとの業務提携により、脂質代謝研究用素材である「PXB-cells LA」を用いた受託試験サービスを開始し、検査受託を安定的に、かつ、拡大してまいります。TGカイコサービスは、カイコの繭中に目的タンパク質や抗体を効率よく大量生産できる技術による受託サービスや試薬原料の製造・販売を行っております。
・・・株式会社免疫生物研究所
・・・株式会社AI Bio(連結子会社)
② 遺伝子組換えカイコ開発事業
当事業は、当事業の技術の有用性が発揮でき、売上規模が比較的大きいと見込まれる新規タンパク質や抗体の開発を進めてまいります。また、遺伝子組換えカイコの繭から生産する抗体やタンパク質の生産コストの低減が、利益創出の課題となっており、当該課題の基礎研究に集中しております。
・・・株式会社免疫生物研究所
③ 化粧品関連事業
化粧品原料「ネオシルクⓇ-ヒト型コラーゲンⅠ」を配合した化粧品の製品開発、販売が主な事業となっております。
・・・株式会社ネオシルク化粧品(連結子会社)
当社グループの事業内容を図示すると以下のようになります。

(1) 抗体関連事業
抗体関連事業は、診断試薬サービス、検査サービス及びTGカイコサービスから構成されております。その各々の事業内容は次のとおりであります。
① 診断試薬サービス
診断試薬サービスは、研究用試薬販売、試薬関連受託サービス、医薬シーズライセンス及び体外診断用医薬品販売から構成されております。研究用試薬販売は、抗体関連試薬販売及びその他の試薬販売に分類されます。抗体関連試薬販売では、EIA測定キット及び抗体を販売しております。また、その他の試薬販売では、合成ペプチドその他を販売しております。
・ 抗体関連試薬販売
主に抗体を基盤にした研究用試薬を販売しており、当事業の主力製品であります。抗体試薬は、抗原の定性及び定量、単離・精製など幅広く利用されており、現在では生命科学の研究に欠かせないツールとなっております。当事業では様々な研究に使用する抗体試薬を供給できる体制を整えております。また、免疫反応を利用した体外診断用医薬品では抗体試薬は大量に使用されますが、このような需要に対しても、バルク及びOEM供給できる体制を整えております。これらの事業を適正に遂行するために、診断薬を含む医療機器に関する品質マネジメントシステムISO13485を取得しております。
イ EIA測定キット
抗原を定性あるいは定量するための研究用キットであります。抗体、酵素、反応液、反応をさせるためのプレートなど測定に必要な試薬が全てセットになっており、血液や尿中等に存在する目的の抗原物質の濃度を簡便に測定することができます。
ロ 抗体
生化学、分子生物学及び病理学等の基礎研究に広く使用されております。例えば免疫組織染色用の抗体は、薄切された組織を染色することで、病因となる抗原の有無や組織中での局在状態など、多くの情報を得ることができます。その他、抗原抗体反応を利用した多くの技術が広く研究を行う現場で使用されております。
・ その他の試薬販売
イ 細胞培養関連試薬
細胞の栄養源となる細胞培養液など、細胞を培養するために必要な試薬であります。
ロ 合成ペプチド
抗体を作製するために、抗原として使用するペプチドであり、有機化学の手法によって合成されるものであります。
ハ その他
細胞の分離に必要な試薬や研究用キットの部品などです。
・ 試薬関連受託サービス
製薬企業の多くは、経営の効率化から研究開発をアウトソーシングする方針を打ち出しております。一方、公的研究機関や国立大学においても、法人化への移行に伴い研究の効率化が求められております。このような環境の下、研究開発に対する支援事業の需要は高まっております。一方、確実に成果の得られる支援先企業の選択が行われております。当社グループは「抗体作製に関する技術力の高さ」を強みとして、公的研究機関、大学、製薬企業などに対して、以下に掲げるサービスを主に提供しております。
イ 抗体の作製、精製、標識
ロ 細胞培養によるタンパク質製造
ハ 抗体による測定系の開発
ニ 受託試験
・ 医薬シーズライセンス
当社では、抗体作製技術を基盤として、治療用医薬品あるいは診断用医薬品に適した抗体の創製に取り組んでおります。治療用医薬品開発においては、製薬企業各社がパイプラインを充実させるために医薬シーズに係る権利の譲渡又は許諾を受ける活動を積極的に展開していることを受けて、当社の人的資源と効率を鑑み、創薬ターゲットの探索及びそのターゲットに対する各種抗体の作製とそれらの抗体の薬効評価に特化しております。
イ 当社はABCONTEK社との間で合弁企業の株式会社AIBioを設立し、ダニ媒介性感染症であるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)を治療するための抗体医薬品候補「ACT101」を共同開発し、早期導出を目指しておりました。しかしながら、ABCONTEK社より同社の経営事情において、今後AIBioへの研究開発費の負担が困難となる旨の通知を受け、取締役及び監査役の員数の変更などにより、当社のAIBioの経営における実質的な支配権が増加したため、AIBio を子会社化することといたしました(2023年3月14日発表)。この度の子会社化により、研究開発資金が縮小されることになりますので、予定していたカニクイザルを使用した非臨床試験を一旦中止し、現時点で取得済みの試験結果を用いて早期の導出に注力して参ります。
ロ 国立大学法人徳島大学との共同開発によって、胃や腸の消化管壁の粘膜下にある未熟な間葉系細胞に由来する「肉腫」の一種とされるGIST(消化管間質腫瘍)を診断、治療するための抗体医薬品を開発し、製薬企業等への導出等を目指しております。現在は、特許出願を完了し、さらに前臨床試験に向けた準備を進めております。
・ 体外診断用医薬品販売
当事業では、今までに研究用試薬として販売していたEIA測定キットのうち、診断に向け測定価値の認められるものを体外診断用医薬品登録に向けて開発を行ってまいります。既に国内外での登録を視野に入れ、海外他社との連携も開始しており、今後、キットの生産量に応じた収益を見込んでまいります。
イ 学校法人埼玉医科大学が所有する、難聴・めまいの原因を生化学的に診断できる世界初のバイオマーカー「CTP(cochlintomo-protein)」に関する発明を元に、体外診断用医薬品としての薬事申請・販売の権利を株式会社コスミックコーポレーションに譲渡しました。その後、2020年6月に体外診断用医薬品承認され、さらに、2022年7月1日付で、外リンパ瘻を疑う患者に対して、診断の補助を目的として保険収載 (保険点数:460点)されました(2022年8月3日発表)。当社は本品の製造を担当いたします。
外リンパ瘻患者は突発性難聴やメニエール病などの症候学的に診断されている疾患に潜伏していることも多く、似通った症候を示す外リンパ瘻が見落とされるケースが発生しております。その患者数は正確には算出されておりませんが、潜在的に外リンパ瘻患者が含まれていると考えられる、めまいなどの有訴者数は約400万人にものぼると算出されており、 外リンパ瘻の疑われる患者に対して本CTP ELISA「コスミック」を用いることにより正確な診断が可能になることが期待されます。
さらに、当社は、学校法人埼玉医科大学と簡便性・迅速性に優れたイムノクロマト法によるCTP測定試薬の開発を共同で行っております。
ロ グルカゴンは、膵臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌されるホルモンで、血糖調節因子として知られていますが、ELISA法による測定は類似ペプチドの交叉による影響を受けやすく、正確な測定が難しいとされてきました。両断端に特異的な2抗体を用いた膵グルカゴン特異的測定系の開発により、血中グルカゴン濃度の正確な評価が可能となり、今後、糖尿病の病態や病気を診断するための独立した新しい指標となる可能性が示唆されています。当社は、群馬大学と共同で、血清中グルカゴン値を測定する体外診断用医薬品の開発を行っておりますが、先行して研究用試薬としての販売を開始いたしました(2022年8月22日)。さらに、2024年3月期第1四半期の体外診断用医薬品の販売承認申請に向けた研究開発を継続してまいります。
ハ 神経筋疾患患者の尿中に存在するタイチンというタンパク質に対するELISA測定キットを開発し、神経筋疾患の病気診断・病態のモニタリングマーカーとして、2025年3月期の販売承認申請を目指し、研究開発を行ってまいります。また、販売承認の申請までの間、研究用試薬として販売をするために、認定検査試薬としての確認申請を行い、承認されましたので、認定検査試薬として販売を開始しております。タイチンは神経筋疾患のみならず、老化に伴うサルコペニア、フレイル等の疾患との関係も示唆されており、対象疾患の広がりが期待されています。
ニ 赤痢アメーバ症は赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)という寄生性の原虫が原因となって引き起こされる病気で、日本国内において、2012年以降、感染症法に基づく報告数は900例を超えてきており、増加傾向にあります。そこで当社は、簡便な血液検査で赤痢アメーバ感染の有無をチェックできる体外診断用医薬品の開発を行っております。なお、2024年3月期第1四半期中に体外診断用医薬品製造販売承認申請に向けて準備中です。
ホ その他、当社グループが所有するアルツハイマー関連及びSFTS関連の抗体を用いた体外診断用医薬品の開発を行っております。
② 検査サービス
当サービスは、秋田解析センターにおける「LipoSEARCH」を主とした研究検査と登録衛生検査所「IBL解析センター」による検査で構成されております。
秋田解析センターでは、生活習慣病領域での創薬・研究支援に加え予防・診断支援などに特化した事業を行っております。特に、世界で唯一の高感度ゲルろ過高速液体クロマトグラフィーを用いた血中リポタンパク質詳細プロファイリングサービス「LipoSEARCH」は、最先端のリポタンパク質解析技術として、当領域の専門研究機関・製薬企業・食品企業における研究・開発及び創薬支援として広く利用されております。
本「LipoSEARCH」は、血中の各リポタンパク質の粒子サイズにより分画した波形データ(クロマトグラム)と、各分画におけるコレステロール量と中性脂肪量を提供する事により、病態や薬剤投与の影響によるリポタンパク質プロファイルの全体的かつ詳細な変化をとらえることができます。
さらに、伴侶動物(ペット)向けの脂質代謝関連疾患検査サービス「LipoTEST」を動物病院の獣医師を経由して飼い主様に提供しております。
また、IBL解析センターでは、診断試薬サービスで開発された独自のELISA測定キットを用いた研究検査の受託測定を実施しており、生活習慣病関連疾患や老化関連疾患領域での総合的な支援を推進しております。
さらに、大手検査会社との提携や、株式会社フェニックスバイオとの業務提携による「PXB-cells LA」を用いた受託試験サービスの開始等により、検査サービスを安定的に、かつ、拡大させてまいります。
このように、当社グループはヒトから伴侶動物に至るまで、豊富な研究ネットワークを有して、総合的な支援を通じた医療貢献を目指しております。
③ TGカイコサービス
遺伝子組換え手法によりカイコの繭に生産させた各種抗体等のタンパク質の販売を行っております。また、株式会社ニッピとの共同研究により、iPS細胞等の培養足場材として有効であるラミニン511-E8の生産にも成功し、研究用試薬としての販売も実現しております。遺伝子組換えカイコで生産したラミニン511-E8(iMatrix-511 silk)は、機能および価格的優位性から、多くの研究者の皆様に利用いただいております。また、化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠ」につきましても、欧州において医療機器として使用されたことにより、様々な国から問い合わせが増加しております。
また、当事業においては、ヒト感染性の病原体を持たないカイコを用い、組換え型の血漿フィブロネクチン(Fibronectin Neosilk®,Plasma)と細胞性フィブロネクチン(Fibronectin Neosilk®, Cellular)の生産技術を開発し、研究用試薬として販売を開始しました(2023年3月13日)。
フィブロネクチンは、代表的な細胞外マトリックスタンパク質の一つであり、細胞の接着・伸展、移動、増殖および分化等を制御することから、間葉系幹細胞をはじめとする各種培養細胞の足場材として再生医療領域での研究等に使用可能です。また、本製品は、遺伝子組換えカイコの繭から精製するために動物由来成分の混入が無い、いわゆるXeno-freeであることから、安全性の高い製品としても期待されています。
(2) 遺伝子組換えカイコ開発事業
当事業では、目的とするタンパク質を遺伝子組換え手法によりカイコの繭に生産させる技術を有しております。この生産技術は、下記の図に示しますように、目的とするタンパク質の元になる遺伝子を用意することから始まります。用意した遺伝子を、ベクターと呼ばれる遺伝子の運び屋に組み込み、次にそのベクターをカイコの卵に注入することで、目的タンパク質の遺伝子が組み込まれた遺伝子組換えカイコを作出します。この遺伝子組換えカイコは、目的タンパク質を繭の中に吐き出すように工夫されており、そのため繭から簡便にタンパク質を回収することが可能です。

当事業では、この技術により生産したタンパク質の実用化を進めております。遺伝子組換えカイコで生産したモノクローナル抗体は、安価であるうえに、安定性やバックグラウンドの低さ等に優位性を有しており、当社のELISA測定キットの原料として利用しているほか、大手診断用医薬品メーカーへも供給されております。
また、本技術を利用してヒト型コラーゲンを大量生産させることに成功し、将来全世界に販売活動を行うことが可能なように、新規化粧品原料として「INCI名」を取得いたしました。このような戦略的な活動を通じて、世界の化粧品業界において、カイコ由来のヒト型コラーゲンが広く活用されるよう事業を推進いたします。
これら研究用試薬や化粧品分野での製品を製造販売する事業に加えて、当社は、遺伝子組換えカイコによるバイオ医薬品製造の実現へ向けた挑戦を続けてまいりました。遺伝子組換えカイコは、動物細胞では生産が困難な高分子量のタンパク質等を生産することが可能です。また、特に抗体においては、糖鎖にフコースを持たないため、高いADCC活性を発揮させることが可能です。さらに、カイコの飼育においては養蚕業で培われた優れた飼育技術を利用することができるため、医薬品に適した安定した品質のタンパク質を生産できる利点もあります。しかしながら、遺伝子組換えカイコの繭から生産する抗体やタンパク質の生産コストの低減が、利益創出の課題となっておりました。当該課題の基礎研究に集中してきましたが、医薬品原料としての生産コストに見合う生産量が得られなかったため、新規の医薬品原料開発は見送ることとさせていただきます。
(3) 化粧品関連事業
当事業は、当社グループの遺伝子組換えカイコ開発事業において開発した化粧品原料「ネオシルクⓇ-ヒト型コラーゲンI」及びネオシルクⓇ-ヒト型コラーゲンⅠ配合化粧品「フレヴァン」を化粧品業界や消費者の皆様に広く販売するため、連結完全子会社の株式会社ネオシルク化粧品が事業を展開しております。「ネオシルクⓇ-ヒト型コラーゲンI」は、遺伝子組換えカイコの繭に生産させたもので、現在使用されている魚や豚等の異種動物から生産されるコラーゲンとは異なる、今までにない全く新しい化粧品原料です。また、繭から生成したネオシルクⓇ-ヒト型コラーゲンIには、組換え遺伝子は含まれておらず、純粋にヒトのコラーゲンと同等なアミノ酸骨格を有するものであることから、安全性が高く、消費者の皆様に安心してお使いいただける化粧品原料であると考えております。また、化粧品原料「ネオシルクⓇ-ヒト型コラーゲンⅢ」の販売が開始され、今後は、「ネオシルクⓇ-ヒト型コラーゲンⅢ」を使用した高級化粧品の開発に取り組み、幅広いユーザーに提供できる製品を開発してまいります。
(注) 用語解説については、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載しております。
(注)1. 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2. 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
2023年3月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員であります。
2.従業員数欄の[ ]外書きは、臨時従業員(準社員及びパートタイマー)の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
3.当社グループは従業員数が少ないため、同一の従業員が複数の事業に従事しております。
2023年3月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員であります。
2.従業員数欄の[ ]外書きは、臨時従業員(準社員及びパートタイマー)の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
3.当社は従業員数が少ないため、同一の従業員が複数の事業に従事しております。
4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、生物の生命維持に不可欠である免疫機構「抗体」について研鑽することによって、人類が病気から安全に免れるような治療用医薬品、診断用医薬品の開発や生活習慣病領域での検査サービスができるよう、独自の研究開発と大学・研究機関などとの共同研究の成果を製品の品質向上に結びつけるべく、研究開発活動を行っております。また、カイコ繭中に、抗体を始めとした様々な安全性の高いタンパク質を発現させる技術を用いて製品化を行っております。
このように、世界で難病に苦しむ人々が、1日も早く病気を克服し、明るく豊かな暮らしを営めるよう社会に貢献することを経営理念としております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、40年以上抗体を開発し抗体作製のノウハウが蓄積され、当社のコア技術として確立されており、国内外の研究用試薬市場において製造・販売を行ってまいりました。
当社グループは、以下の取り組みにより、収益の拡大をはかり財務を安定化し、株主の皆様への還元の早期実現を目指してまいります。
① 市場規模が大きい診断用医薬品市場へ本格参入
② 海外における研究用試薬市場の開拓
③ 医薬品シーズ関連の開発コストの削減
④ 不採算事業の黒字化
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループのセグメント別中長期経営戦略は、次のとおりであります。
・ 抗体関連事業
(診断試薬サービス)
製薬企業や大学等の研究用で使用する試薬サービスの領域は、非常に流動的であり、競争が激しいグローバル社会において、安定した収益を生み出すことが困難な領域ですが、Digital Marketingの強化をおこない、SNS等を活用した情報戦略を構築し、当社の独自技術について、日本をはじめ世界へ広め、販売拡大を目指してまいります。また、安定した収益を生み出すため、有用な協業先との連携により、体外診断用医薬品領域の製品化に注力してまいります。
当事業の研究開発の状況につきましては、下記の通りです。
〇医薬品シーズとしての可能性がある研究開発
・ABCONTEK社と、ダニ媒介性感染症であるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)を治療するための抗体医薬品候補「ACT101」の共同開発について
⇒予定していたカニクイザルを使用した非臨床試験を一旦中止し、現時点で取得済みの試験結果を用いて早期の導出に注力してまいります(2023年3月14日公表の「連結持分法適用会社株式会社 AIBio の子会社化に関するお知らせ」を参照)。また、SFTSにおける動物用(ネコやイヌ等のペット)体外診断用医薬品について、検討を進めております。
・国立大学法人徳島大学と胃や腸の消化管壁の粘膜下にある未熟な間葉系細胞に由来する「肉腫」の一種とされるGIST(消化管間質腫瘍)を診断、治療するための抗体医薬品の研究開発について
⇒提携先と抗体医薬品および体外診断用医薬品の研究開発について、協議を進めております。
〇下記の体外診断用医薬品の上市を目指します。(開発中の主なテーマと進捗状況)
・学校法人埼玉医科大学が所有する、難聴・めまいの原因を生化学的に診断できる世界初のバイオマーカー「CTP(cochlintomo-protein)」に関する発明に関して、株式会社コスミックコーポレーションに日本国内での薬事申請・販売の権利を譲渡し、2019年6月26日に体外診断用医薬品製造販売承認申請をおこない、2020年6月に体外診断用医薬品承認されたCTP ELISA「コスミック」が、2022年7月1日付で、外リンパ瘻を疑う患者に対して、診断の補助を目的として保険収載(保険点数:460点)されました。
さらに、当社は、学校法人埼玉医科大学と簡便性・迅速性に優れたイムノクロマト法によるCTP測定試薬の開発を共同で行っております。なお、上市の時期は未定です。
・グルカゴンは、膵臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌されるホルモンで、血糖調節因子として知られておりますが、ELISA法による測定は類似ペプチドの交叉による影響を受けやすく、正確な測定が難しいとされてきましたが、両断端に特異的な2抗体を用いた膵グルカゴン特異的測定系の開発により、血中グルカゴン濃度の正確な評価が可能となり、今後、糖尿病の病態や病気を診断するための独立した新しい指標となる可能性が示唆されています。
当社は、群馬大学と共同で、血清中グルカゴン値を測定する体外診断用医薬品として、2024年3月期の承認、申請に向けて研究開発を行っております。
・筋ジストロフィー患者の尿中に存在するタイチンというタンパク質に対する、筋ジストロフィーの病気診断・病態のモニタリングマーカーとして測定系を開発し、研究用試薬として販売を開始いたしました。また、対象疾患を「筋ジストロフィー」から「神経筋疾患」へ変更し、体外診断用医薬品として、2025年3月期の承認申請を目指し、研究開発を行ってまいります。なお、体外診断用医薬品として承認されるまでの間、研究用試薬として販売をするために、認定試薬としての確認申請を行い、承認されましたので、認定試薬として販売を開始しております。
・赤痢アメーバ症は赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)という寄生性の原虫が原因となって引き起こされる病気で、日本国内において、2012年以降、感染症法に基づく報告数は900例を超えてきており、増加傾向にあります。そこで当社は、簡便な血液検査で赤痢アメーバ感染の有無をチェックできる体外診断用医薬品の開発を行っております。なお、2024年3月期第1四半期に体外診断用医薬品製造販売承認申請を予定しております。
・シスメックス株式会社との業務提携
本業務提携により、両社の診断薬開発技術の相互利用を進めることで、より独創的で高品質な製品を開発し 全世界に向けて提供することを目指しております。本業務提携によりIBLは、自社の特長ある抗体ライブラリをシスメックスのHISCLTMをはじめとする測定プラットフォーム向けに最適化し、診断薬原材料として供給することが可能になります。またIBLの強みである抗体開発技術を活かしてグローバル市場の様々な診断ニーズに対応した抗体を開発し、シスメックスへの供給を通じて診断薬市場向け事業を拡大します。
(検査サービス)
当サービスにおいては、「LipoSEARCH」において、大手製薬企業等からまとまった案件の引き合いがあることや自社ELISAキットを使用した受託測定サービスの売上高が順調に増加していることにより、前年を上回ることを予想しております。一方、営業・管理部門における人的、物的資源の効率化により、経費削減を進めてまいります。
(TGカイコサービス)
遺伝子組換えカイコにより生産された抗体は、非特異反応が低いことや動物愛護の対象とならないことなどから、大手診断薬メーカで使用する診断薬原料として採用されております。しかしながら、当該メーカの市場への供給スケジュールが、申請等の理由から数年先を予定しており、来期については、前年並みを予想しております。一方、培養足場材として開発した、組換えヒトフィブロネクチンの販売が開始され、国内外からの問い合わせが増加しており、安定した収益を見込んでおります。
また、ヒト型コラーゲンは、欧州の医療用品メーカでの使用が注目され、海外の医療機器メーカ等からの問い合わせが増加しており、収益の拡大を見込んでおります。
・ 化粧品関連事業
〇国内販売
国内通信販売においては、直接個人ユーザーへの販売から代理店販売に切り替え、販売代理店との情報共有を綿密に行い、販売拡大を目指してまいります。また、群馬県の温泉地において、高級旅館とコラボレーションし、SNSを活用した販売活動を行ってまいります。
〇海外販売(中国)
中国市場へのBtoB販売につきましては、依然として直接現地代理人との情報交換が出来ず、目途がついておりませんが、中国への越境ECの構築をおこない、販売を開始しております。今後につきましては、SNSを活用して、中国国内のバイヤーの方々に直接情報発信し、販路拡大の準備をすすめてまいります。
〇海外販売(欧州・その他)
欧州現地代理人は、Eマーケティング (SNS)やAmazonへの出店、さらに国際展示会での展示をおこない、販売網を拡大し売上増加を目指しております。
当事業は、遺伝子組換えカイコ開発事業が開発した、化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅢ」を使用した高級化粧品の開発に取り組み、高品質を求めるユーザーに幅広く提供できる製品を開発し、販売拡大を目指してまいります。
(4) 当社グループをめぐる業界や市場の動向等の経営環境
・ 医薬品業界
世界の医薬品関連事業を取り巻く環境は大きく変化し、高齢化社会、高ストレス社会の進展により、医薬品や診断薬に対する需要が伸び続けております。さらに、重症熱性血小板減少症候群やコロナウイルスなどの、治療法がない、もしくは治療満足度の低い疾患が多数あり、そのような疾患に対する治療薬の開発が待たれており、医薬品事業の重要性は、ますます高まっているといえます。
しかしながら、創薬技術の高度化や医薬品承認要件の厳格化などにより、治療用医薬品あるいは診断用医薬品の開発には、多額の研究開発費と長い年月が必要であり、経営環境は厳しさを増しています。従って、これら医薬品や診断薬の開発には、当社グループの人的資源と効率を鑑み、自社では製品化するまでの全過程を行うことが可能かどうか注意深く検討し、製品開発においては、選択と集中により積極的な投資によって、抗体に付加価値を付け、パイプラインを充実させることで企業価値の最大化を追求いたします。
・ 化粧品業界
化粧品市場は、コロナ禍においてマスク着用の定着やテレワークの普及により化粧品の消費が減少しましたが、外出規制緩和に伴い口紅などのメイク用品の需要が伸びつつあります。さらに、訪日外国人の受け入れが再開され、インバウンド消費に期待が高まっています。また、新たなビジネスチャンスとして、ECサイトへのシフトチェンジやインフルエンサーマーケティングを活用して、異業種参入が増えております。
当社グループが販売する化粧品「フレヴァン」シリーズにつきましては、スキンケア製品を中心に安全・安心をコンセプトに製造販売を行っております。
一方で、高齢社会や人口縮小の日本では今後市場の縮小が懸念されていることから、日本の化粧品メーカーは生き残りを賭けて海外進出を図っておりますが、当社グループにおきましても中国や欧州を中心に海外販路の開拓を行っております。
(5) 会社の対処すべき課題
当社グループは、遺伝子組換えカイコによる医薬品原料生産に向けた新規開発を中止することといたしましたが、治療用医薬品及び診断用医薬品のさらなるパイプラインの充実が、事業の安定化のためには必要となります。そのため、資源投入の集中と研究開発の効率化を図り、また、現行の共同研究先である大学などに加え、優秀な人材を採用し、研究開発のスピードアップを図ってまいります。さらに、海外企業が保有する有用なシーズの発掘も積極的に行ってまいります。
・ 体外診断用医薬品への取り組み
診断・試薬事業の領域は、非常に流動的であり、競争が激しいグローバル社会において、安定した収益を生み出すことが困難な領域となっております。安定した収益を生み出すためには、体外診断用医薬品の領域の製品化が必要であると認識し、体外診断用医薬品の研究開発に注力してまいります。
・ シスメックス株式会社との取り組み
当社とシスメックス株式会社は、両社の診断薬開発技術の相互利用を進めることで、より独創的で高品質な製品を開発し全世界に向けて提供することを目指しております。当社は、自社の特長ある抗体ライブラリをシスメックス株式会社のHISCLTMをはじめとする測定プラットフォーム向けに最適化し、診断薬原材料として供給することが可能になります。また当社の強みである抗体開発技術を活かしてグローバル市場の様々な診断ニーズに対応した抗体を開発し、シスメックス株式会社への供給を通じて診断薬市場向け事業を拡大します。
・ 遺伝子組換えカイコへの取り組み
遺伝子組換えカイコによる医薬品原料生産に向けた新規開発を中止することといたしましたが、カイコの繭中に目的タンパク質を産生する生産技術は、遺伝子組換えカイコの繭により産生される抗体やタンパク質は、非特異反応が低いことや動物愛護の対象とならないことから、短期的には、研究用試薬・体外診断用医薬品にて使用する抗体をはじめとした目的タンパク質の置換え利用や化粧品原料等への産業利用を推進し、具体的な生産拡大や製造方法の改良を目指してまいります。
・ 化粧品関連事業における販売の取り組み
中国市場におけるBtoB販売は、コロナ過の鎮静化により、販売を見込んでおりましたが、依然として、中国市場への展開が進まず、直接現地代理人との情報交換が出来ず、目途がついておりません。今後は、SNSを活用して、中国国内のバイヤーの方々に直接情報発信し、販路拡大の準備をすすめてまいります。国内市場におきましては、群馬県の温泉地において、高級旅館とコラボレーションし、SNSを活用して地域に密着した販売活動を行ってまいります。本事業については、既存製品での利益創出を重要課題ととらえ、販売拡大を目指してまいります。また、販売拡大の目途が立ち次第、遺伝子組換えカイコ事業が開発した、化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅢ」を使用した高級化粧品の開発に取り組み、幅広いユーザーに提供できる製品を開発してまいります。
・ 人材の確保及び教育
当社グループは、各事業に精通した研究員及びプロジェクトを推進できる人材の確保が必要不可欠と考えており、研究開発の効率を上げるため、ハード面とソフト面の両面から研究開発に適した環境作りを行い、企業価値の最大化を目指してまいります。
研究開発型企業である当社グループにおいては、自由な発想が生み出される柔軟な組織がふさわしいと考えております。組織が硬直化し、研究開発活動が滞ることがないように、常に問題意識をもって物事に対処する集団として組織を維持運営いたします。
・ 財務安定性の確保
当社グループは、研究開発型企業として、積極的かつ継続的に研究開発に投資していく方針であります。投資の源泉は事業からの収益をもって行われることが望ましいと考えております。当社グループは、引き続き、収益確保のため、現製品の見直しや間接部門コストの削減に努めてまいります。また、研究テーマの選択を行い、経営資源を集中して効率的な経営を行うことが重要であると認識しております。
・ 経営管理体制の強化
既存事業に加え、新規事業やサービスの展開が加速し、多角期を迎える当社グループにおきましては、経営の公正性・透明性・継続性を確保するためのさらなる管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。特に昨今におきましては、世界情勢の悪化や新型コロナウイルス感染症の影響により、物流の停滞・各種コストの増大・急激な為替の変動等、社会環境が不安定・不透明な状況となっております。その状況下においても着実に事業を継続するため、各種社内規程や関係法令等の遵守を積極的に推進し、内部統制に資する業務プロセスの整備・運用、必要に応じた是正活動を定常的に行うことで、より透明性が高く健全な経営管理体制を構築してまいります。
(注) 用語解説については、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社グループの事業活動において、リスクとなる可能性があると考えられる主な事項について記載しております。また、当社グループとして必ずしも重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から開示いたします。
当社グループは、これらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、以下の記載における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、当社グループで想定される範囲で記載したものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。
(1) 他社との業務提携、合弁会社設立等について
当社グループは、戦略を実行していく上で、合弁企業の設立や子会社化(持分法適用会社化を含む)を行うなど、他社の買収やその他の株式投資を行う可能性があります。その際、各投資の実行の検討に際し、リスクの大きさに応じ、必要十分なデュー・ディリジェンスを実施した上で、定められた承認プロセスを経て投資判断を行っております。
当社グループの業務提携先や合弁先と共同事業を行う場合には、当局の許認可が必要となったり、当該業務提携先や合弁先と共同事業の内容について合意できることが前提となります。また、当社グループの業務提携先や合弁先に対して当社グループが支配権を有するとは限らず、これらの会社が、当社グループの意向にかかわらず、事業戦略を大幅に変更する可能性があります。さらに、第三者割当増資や当社グループ以外の株主がコールオプションを行使したことにより当社グループの持株比率が低下したり、その経営成績や財政状態が大幅に悪化する可能性もあります。これらの場合、その業務提携、合弁事業などが期待通りの成果を生まない可能性や、継続が困難となる可能性があります。また、特定の第三者との業務提携や合弁事業などを実施したことにより、他の者との業務提携や合弁事業などが制約される可能性もあります。その結果、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 知的財産権に関連するリスクについて
当社グループの事業を遂行していく中で、他者が所有している知的財産権を使用する場合、ライセンス契約等の締結を行い、当該知的財産権を使用する事としておりますが、当社の認識外で他者の知的財産権を侵害してしまうこともあります。当該侵害に対して訴訟が提起された場合は、当社の事業戦略や業績に重大な影響を与える可能性があります。
そのため、当社グループでは、他者の知的財産権への抵触が判明した時は、遅滞なく当該抵触について検討の上、当該他社とライセンス契約を締結する等の対応策を講じております。また、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われますので、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針であります。
(3) 機密情報の流出について
当社グループの事業を遂行する上で、社外の研究者や研究機関との情報交換は有益であると考えております。今後も積極的に情報交換を行っていく方針であり、商品・サービスの提供や営業活動に必要となる顧客氏名・性別・住所・電話番号等の個人情報、その他業務上、必要となる各種情報をシステム上で管理しております。第三者に当該機密情報を窃取された場合、企業にとって致命傷となりかねません。そのため、当社グループでは、基幹システムやサーバーのセキュリティー強化に加え、情報を外部に開示する際の手続を明確化して組織の末端まで周知徹底させております。しかしながら、万が一機密情報が流出した場合には、多大な損害を被るおそれがあります。
(4) 個人情報に対する漏洩リスク
当社グループは、個人情報を保有しておりますが、個人情報の漏洩防止のため社内規程を整備し、セキュリティー対策を行っております。
しかしながら、昨今の企業情報漏洩に関しては、悪質化する犯罪の増加に伴い個人情報が流出するなどの不測の事態が起こっております。このような場合企業の信用は失墜し、社会的制裁を受ける事となり、「個人情報漏洩保険」に加入していますが、当社グループの業績の悪化と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 特定人物への依存について
代表取締役社長である清藤勉は、当社グループの創業以来の最高経営責任者であり、事業の立案や運営、開発活動の遂行等についてリーダーシップを発揮しています。また、当社グループは、小規模な組織であり、人的資源に限りがあるため、個々の役職員の働きに依存している面があります。こうした属人的な事業体制を見直すために、権限の委譲や業務分掌に取り組んでおります。今後の事業展開に必要な役職員が、不慮の事故等何らかの理由により当社グループの事業展開に関与することが困難になった場合には、当社グループの事業および業績に大きな影響を与える可能性があります。
(6) 海外展開による影響について
当社グループの活動の範囲は、世界各地に及んでおり、各々の地域における経済状況等により影響を受ける可能性があります。具体的には、以下に掲げるいくつかのリスクが内在しています。
・政治的又は経済的要因
・事業・投資許可、租税、為替管制、独占禁止、通商制限など公的規制の影響
・他社と合弁・提携する事業の動向により生じる影響
・戦争、暴動、テロ、海賊、伝染病、ストライキ、コンピューターウイルス、その他の要因による社会的混乱の影響
・地震、津波、台風等の自然災害の影響
これらリスクに対しては、グループ内での情報収集、外部コンサルタント起用等を通じ、その予防・ 回避に努めてまいりますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(7) 医薬品原料開発における進捗に関するリスク
当社は、社外との連携を構築することにより効率的な研究開発を進めております。しかしながら、当初計画したどおりの研究開発の結果が得られない場合や計画の遅延、中止が生じる可能性があります。当社は、このような事態を極力回避するため、進捗管理や評価をおこない開発内容の優先順位や研究開発資源の変更、あるいは、研究開発の一時中止の決定などの対応を行っております。
これらの決定により、研究開発が計画どおりに進捗しない場合には、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
(注) 用語解説については、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載しております。
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症拡大における第7波・第8波を経ながらもマスク制限の緩和、感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げる決定をし、人流は回復傾向にあり、景気についても緩やかな持ち直しの動きがみられました。しかしながら、世界情勢の不安定化や金融引き締め等により、原材料・エネルギー価格の高騰、世界的なサプライチェーンの混乱による部品・半導体不足に加え、各国の高インフレ対策による景気減速の懸念もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
こうした状況のもと、当社グループの業績につきましては、以下の通りとなりました。
(セグメント別の経営成績)
※遺伝子組換えカイコ開発事業は、研究開発のコスト管理を行っている事業のため、売上高はありません。
<抗体関連事業>
当事業の売上高は、以下のとおりです。
・診断試薬サービス
主力製品である、ELISAキット及び抗体は、海外販売におけるeマーケティング(SNS等)を活用した情報戦略の成果により、海外大手CRO企業や製薬企業および大学等の研究者からの引き合いが増加したことにより、大幅に販売数量が増加し、さらに円安の影響により、売上高は、前年に比べ大幅に増加いたしました。また、国内外において、アルツハイマー関連抗体のまとまった売上を計上したことや受託サービス、動物用体外診断用医薬品についても、前年に比べ売上高は大幅に増加いたしました。その結果、当サービスの売上高は、678,780千円(前年同期比34.7%増)となりました。
・検査サービス
臨床検査センターでの自社ELISAキットを使用した受託測定サービスの売上高は増加いたしましたが、血中リポタンパク質プロファイリングサービス 「LipoSEARCH」に関連する検査が停滞し、まとまった案件が減少したことにより、当サービスの売上高は、64,265千円(前年同期比25.3%減)となりました。
・TGカイコサービス
国内で販売している受託製品等の売上は、前年を下回りましたが、一方、欧州の医療用品メーカーが製造販売している、医療用品の原料であるヒト型コラーゲンの販売は増加傾向となっております。その結果、当サービスの売上高は、47,554千円(前年同期比7.3%増)となりました。
以上により、当事業の売上高は、790,600千円(前年同期比24.7%増)となりました。
営業利益につきましては、利益率の高い自社製品であるELISAキット及び抗体の売上高が大幅に増加したことや、コロナ禍における事業活動の最適化をはかり、諸経費を抑制したこともあり、前年に比べ大幅に増加することができました。その結果、当事業の営業利益は、152,132千円(前年同期は14,958千円の営業損失)となりました。
<遺伝子組換えカイコ開発事業>
当事業の研究開発費は、コストを抑制しつつ、有用なタンパク質の開発や当該タンパク質の繭中産生量の改良における基礎研究に徹しており、前年に比べ減少いたしました。なお、研究開発につきましては、ヒト型コラーゲンの繭中産生量の増量については目途が立ちましたが、そのほかの研究開発においては、大きな進展はありませんでした。その結果、当事業の営業損失は、80,414千円(前年同期は95,255千円の営業損失)となりました。
なお、当事業は、医薬品原料生産に向けた、遺伝子組換えカイコによる組換えタンパク質の収量を飛躍的に増加させる研究開発をおこなってまいりましたが、目標達成時期に目途が立たないことや、当社グループが所有する、限りある資金を抗体関連事業における体外診断用医薬品原料等の開発に集中するため、遺伝子組換えカイコによる医薬品原料生産に向けた新規開発を中止することといたしました。なお、すでに遺伝子組換えカイコにより製造をおこなっている組換えフィブロネクチン等の試薬製品や体外診断用医薬品原料、ヒト型コラーゲン等については、今後も「抗体関連事業」において、製造・販売および製造方法の改良を継続してまいります(2023年4月27日公表「報告セグメントの変更に関するお知らせ」を参照)。
<化粧品関連事業>
当事業は、国内通信販売において、直接個人ユーザーへの販売から代理店販売に切り替えたため、販売単価の低下により、売上高は減少しておりますが、国内通信販売に関わる経費につきましては減少いたしました。また、中国への越境ECの構築をおこない、販売を開始しておりますが、現時点においては、中国本土の反応は限定的であり、売上高への影響は軽微となっております。その結果、売上高は、4,021千円(前年同期比69.9%減)、営業損失は、13,344千円(前年同期は12,565千円の営業損失)となりました。
以上の結果、売上高は、794,621千円(前年同期比22.7%増)、営業利益は58,373千円(前年同期は122,219千円の営業損失)となり、目標としていた営業利益の黒字を達成することができました。また、経常損失については、関係会社における投資損失や棚卸資産評価損等(2023年4月27日公表の「営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失の計上に関するお知らせ」を参照)を計上し、149,503千円(前年同期は243,472千円の経常損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失については、関係会社における特別損失や特別利益等(2023年4月27日公表の「営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失の計上に関するお知らせ」を参照)を計上し、289,731千円(前年同期は258,767千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
② 財政状態
・ 流動資産
当連結会計年度における流動資産の残高は、前連結会計年度と比較して3.1%増の1,165,293千円となりました。この主な要因は、現金及び預金が105,813千円増加したこと、期末にかけて売上が非常に好調に計上できたこと等により売掛金等の売上債権が49,145千円増加したこと等によるものであります。
・ 固定資産
当連結会計年度における固定資産の残高は、前連結会計年度と比較して53.3%減の269,044千円となりました。この主な要因は、持分法による投資損失等の計上により投資有価証券が304,592千円減少したこと等によるものであります。
・ 流動負債
当連結会計年度における流動負債の残高は、前連結会計年度と比較して10.5%増の252,005千円となりました。この主な要因は、新規借入により短期借入金が5,000千円増加したこと、賞与引当金が7,981千円増加したこと等によるものであります。
・ 固定負債
当連結会計年度における固定負債の残高は、前連結会計年度と比較して4.8%減の103,715千円となりました。この主な要因は、約定弁済等により長期借入金が5,889千円減少したこと等によるものであります。
・ 純資産
当連結会計年度における純資産の残高は、前連結会計年度と比較して21.2%減の1,078,616千円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失289,731千円の計上等により減少となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度に比べ112,813千円増加し、561,997千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は26,458千円(前年は93,204千円の支出)となりました。
この主な要因は、税金等調整前当期純損失を280,611千円計上しましたが、その内容は資金支出項目ではない費用の計上が多く、持分法による投資損失203,844千円、関係会社株式評価損174,468千円といった費用の計上によるものが多かったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により獲得した資金は30,036千円(前年は155,629千円の支出)となりました。
この主な要因は、関係会社への貸付による支出55,000千円があったものの、関係会社株式の売却による収入77,787千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は991千円(前年は143,998千円の獲得)となりました。
この主な要因は、短期借入金の純増減額5,000千円によるもの等であります。
(注) 用語解説については、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載しております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
当社グループは、主として見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の分析
当社グループは抗体関連事業、遺伝子組換えカイコ開発事業及び化粧品関連事業により構成されており、当連結会計年度の当社グループの業績の分析につきましては、次のとおりであります。
・売上高
抗体関連事業は、主力製品であるELISAキット及び抗体において、特に海外での売上の伸びが大きかったことが主な要因となり前年比24.7%増の790,600千円と大幅に増加しております。この主な要因としては、取り組んできたeマーケティングを活用した情報戦略の効果が現れたことや、当期期央以降の円安、新型コロナウイルス感染症の影響の低下等によるものと考えられます。化粧品関連事業については、国内通信販売における直接販売から代理店販売に切り替えたことによる販売単価の低下等の影響により売上高は前年比69.9%減の4,021千円となっております。
・売上原価、売上総利益
原価面につきましては、諸物価高騰及び円安影響を受け、原材料、経費等にかなり影響を受けておりますが、作業効率の改善や仕入価格低減に向けた活動を絶えず行うこと等、原価低減活動を行っております。その結果、売上原価は前期比1%の微減となり、売上総利益は売上高増加、原価低減と相まって、前年比39.8%増の526,712千円となりました。
・販売費及び一般管理費、営業利益
円安や海外情勢の不安定化をはじめとしたさまざまな要因により物価高が進行しており、製造費用はもとより販売費及び一般管理費においても光熱水道費をはじめとして費用高騰圧力となっておりますが、その中にあって、遺伝子組換えカイコ開発事業において研究項目を基礎研究にシフトしたこと等により販売費及び一般管理費は前年比6.1%減の468,338千円となりました。その結果、売上高増、売上総利益増と相まって営業利益は前年度122,219千円の営業損失から58,373千円の営業利益となり、黒字に転換することができました。
・営業外損益、経常利益
当連結会計年度においては為替相場の動向が期初から期末にかけて円安傾向で推移したことにより外貨建売掛債権等において為替差益が4,559千円発生しております。一方、関係会社の持分法投資損失を203,844千円計上したこと等により経常損失は前期は243,472千円のところ93,968千円改善し、当期は149,503千円の経常損失となりました。
・特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度において、持分法適用会社の株式の一部売却をしたことにより当該持分法適用会社は持分法の適用から除外され45,799千円の関係会社株式売却益を特別利益に計上、及び関係会社株式評価損を174,468千円特別損失に計上しております。これにより親会社株主に帰属する当期純損失は289,731千円(前期は258,767千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源、資金の流動性に係る情報
当連結会計年度においては、営業活動が好調で抗体関連事業においては営業収支で利益を計上することができました。遺伝子組換えカイコ開発事業においても研究項目の選択と集中等により営業収支が改善しております。親会社株主に帰属する当期純損失は前連結会計年度に比較して悪化しておりますが、この悪化の要因は資金支出を伴わない持分法による投資損失や関係会社株式評価損の計上による影響が大きかったことから、営業活動によるキャッシュ・フローはプラス(資金の獲得)となっております。また、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては関連会社への運転資金の供与のため貸付金の支出が55,000千円ありましたが、関係会社株式の売却による収入が77,787千円あったこと等により、こちらもプラス(資金の獲得)となっております。
資金の財源については、自己資金で賄うことを基本としておりますが、状況に応じて金融機関からの借入や新株発行による増資等によるものも考慮に入れております。
資金の流動性については、前述のとおり当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローが26,458千円の資金の獲得、投資活動によるキャッシュ・フローが30,036千円の資金の獲得、財務活動によるキャッシュ・フローが991千円の資金の獲得、現金及び現金同等物の期末残高は561,997千円であり、各キャッシュ・フローの規模等を勘案し、十分な手元流動性を確保しているものと考えております。
翌連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、運転資金での支出が主なものであり、重要な設備投資は予定しておりませんので、先に述べましたとおり、現金及び現金同等物で十分賄える見込みであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
新たに締結した重要な契約は次のとおりです。
・業務提携契約
(注) 用語解説については、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載しております。
2023年3月31日現在
(注)1.従業員数欄の[ ]外書きは、臨時従業員(準社員及びパートタイマー)の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
2.当連結会計年度末にて帳簿価額を回収可能価額まで減損しております。
3.建物及び土地の一部を賃借しております。当連結会計年度の賃借料は20,857千円であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 1. 転換社債型新株予約権付社債の新株予約権の行使による増加であります。
2. 新株予約権の行使による増加であります。
3. 2016年12月1日に提出した有価証券届出書に記載した「手取金の使途」につきまして、その使途の金額及び支出予定時期を2019年12月20日開催の当社取締役会決議に基づき下記のとおり変更しております。
(1) 変更の理由及び内容
当社は、本社債調達資金予定額1,388,520千円の内、資金使途として予定していた「桑の葉の確保および人工飼料の事業化に向けた、M&A又は提携パートナーの獲得活動資金」2億円は、具体的な案件がない状況下で本社債が満期を迎えたため本変更を行うことといたしました。これは株価が新株予約権の行使期間の途中から最終日まで転換価額を下回った状況が継続し、最終的に株式への転換が行われなかったことに伴うものです。
また、当社は株式会社CURED と共同で、抗HIV 抗体を遺伝子組換えカイコにて生産し、HIV 感染症の治療薬として実用化することを目指しておりますが、原薬の品質を確保するため独自の品質管理システムを考案し、その妥当性に関してPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)より同意を得ており、「抗HIV 抗体及びその製造方法」に関する国内特許の共同出願手続きを完了いたしました。当社は、今後も意欲的に開発を継続し、2023年3月期中の導出を目指していることから、「TGカイコ大量飼育に関わる機械装置及び設備の設計及び購入資金」、「医薬品原料の製造工場の建設及び製造ライン設備(GMP準拠)購入資金」、及び「人工飼料の事業化に向けた、建設および設備購入資金」における当初の支出予定の時期について、導出予定時期に合わせ、本変更を行うことといたしました。
(2) 調達した資金の具体的な使途
(変更前)
(変更後)
4. 2016年12月1日に提出した有価証券届出書に記載した「手取金の使途」につきまして、その使途の金額及び支出予定時期を2019年12月20日開催の当社取締役会決議に基づき変更しておりましたが、2020年8月6日開催の取締役会決議に基づき再度、その資金使途、金額及び支出予定時期を下記のとおり変更しております。
(1) 変更の理由及び内容
当社は、2019年12月20日の取締役会決議により、資金使途の変更をいたしました。その後、「医薬品原料の製造工場の建設及び製造ライン設備(GMP準拠)購入資金」については、あらたな医薬品原薬候補の実用化の目途が立つまでは、不要となりました。しかしながら、当社グループの業績は、新型コロナウイルス感染の影響により2020年3月期の繁忙期から悪化し、2021年3月期までその影響は継続するため、今後の事業資金として350百万円程度、人工飼料の事業化に向けて、人材確保や他社と提携し共同研究するための資金として150百万円程度、抗HIV抗体を導出するための非臨床・臨床試験の研究開発資金として350百万円程度が必要となります。また、遺伝子組換えカイコ事業を軌道に乗せるための人材確保やノウハウを獲得するための開発資金として200百万円が必要となります。さらに、引き続き株式会社CUREDと共同し、あらたな医薬品シーズについて、研究開発を実施するための資金として550百万円必要となります。以上のことにより本変更を行うことといたしました。
(2) 調達した資金の具体的な使途
(2019年12月20日時点)
(変更後)
5. 2016年12月1日に提出した有価証券届出書に記載した「手取金の使途」につきまして、新株予約権の行使期間満了により、その使途の金額及び支出予定時期を下記のとおり変更しております。
(1) 変更の理由
本資金調達の「手取金の使途」につきまして、その資金使途、金額及び支出予定時期を当社取締役会決議に基づき2019年12月20日、2020年8月6日に変更しておりますが、このたび2021年12月19日をもって新株予約権の行使期間が満了し、454百万円が未行使となりました。このため、予定していた資金使途のうち「人工飼料の事業化に向けた、共同研究資金150百万円」については一旦中止し、「抗HIV抗体の導出に向けた非臨床・臨床試験の研究開発資金350百万円」については、当社持分法適用会社の株式会社CUREDにおいて実施してまいります。また、他の資金使途につきましては、第3回新株予約権の発行及び権利行使により調達した資金により実施してまいります。
(2) 調達した資金の具体的な使途(変更箇所に下線を付しております。)
(変更前)
(変更後)
6. 2016年12月1日に提出した有価証券届出書に記載した「手取金の使途」につきまして、その使途の金額及び支出予定時期を2019年12月20日及び2020年8月6日開催の取締役会決議に基づきを変更、また、2021年12月19日をもって新株予約権の行使期間が満了したことにより変更しておりましたが、2023年2月6日開催の取締役会決議に基づき再度その資金使途、金額及び支出予定時期を下記のとおり変更しております。
(1) 変更の理由
抗HIV抗体の研究開発は、現在株式会社CUREDが中心となり本開発を継続しており、当社の研究開発の役割も減少したことにより、2021年12月20日公表の当該開示書面において記載しております、「あらたな医薬品シーズの研究開発資金」のための550百万円(支出予定 期間:2020年10月~2023年9月)は、一部不要となりました。しかしながら、安定した財政状態や企業価値の向上を目指すために、体外診断用医薬品や体外診断用医薬品原料の開発において、350百万円程度必要(支出予定期間:2023年4月~2025年3月)となりますので、本変更を行うことといたしました。
(2) 調達した資金の具体的な使途(変更箇所に下線を付しております。)
(変更前)
(変更後)
2023年3月31日現在
(注) 自己株式1,131株は、「個人その他」に11単元、「単元未満株式の状況」に31株含まれております。
2023年3月31日現在
① 【連結貸借対照表】
【連結損益計算書】
1.報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検証を行う対象となっているものであります。
当社グループは、事業別に区分された事業ごとに国内及び海外の包括的な事業戦略を立案し、事業活動を展開しております。したがって当社グループは、事業内容を基礎とした「抗体関連事業」、「遺伝子組換えカイコ開発事業」及び「化粧品関連事業」の3つを報告セグメントとしております。
(2) 報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「抗体関連事業」は、研究用試薬関連の製造・仕入及び販売を行うとともに、医薬用関連は、医薬品の研究開発、体外診断用医薬品の製造・仕入及び販売、遺伝子組換えカイコの繭を用いた関連製品の販売及び脂質代謝解析技術を利用した生活習慣病領域での創薬・研究支援に加え、予防・診断支援などを行っております。「遺伝子組換えカイコ開発事業」は遺伝子組換えカイコの繭を用いた医薬品原料の研究開発を重点的に行っております。また、「化粧品関連事業」は化粧品等の販売を行っております。