ニチバン株式会社
NICHIBAN CO., LTD
文京区関口二丁目3番3号
証券コード:42180
業界:化学
有価証券報告書の提出日:2023年6月28日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第115期

第116期

第117期

第118期

第119期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

47,417

44,063

41,528

43,134

45,560

経常利益

(百万円)

3,860

3,095

2,070

2,561

1,748

親会社株主に帰属する
当期純利益

(百万円)

3,193

1,751

1,350

1,809

2,371

包括利益

(百万円)

3,991

1,525

1,543

1,516

2,452

純資産

(百万円)

36,480

37,218

38,078

38,961

40,603

総資産

(百万円)

60,329

59,752

61,214

64,427

69,123

1株当たり純資産

(円)

1,760.54

1,796.15

1,837.64

1,880.25

1,969.94

1株当たり当期純利益

(円)

154.12

84.54

65.15

87.34

114.67

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

114.65

自己資本比率

(%)

60.5

62.3

62.2

60.5

58.7

自己資本利益率

(%)

9.2

4.8

3.6

4.7

6.0

株価収益率

(倍)

15.2

17.7

29.4

19.5

16.8

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

5,584

5,749

5,911

4,064

2,917

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

4,743

1,380

3,067

2,898

1,153

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

979

916

772

691

867

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

7,822

11,273

13,344

13,844

14,752

従業員数

(外、平均臨時
従業員数)

(名)

1,258

1,266

1,260

1,255

1,268

(146)

(133)

(113)

(130)

(143)

 

(注) 1.第115期、第116期、第117期及び第118期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第118期の期首から適用しており、第118期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第115期

第116期

第117期

第118期

第119期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

45,785

42,412

39,955

41,331

43,077

経常利益

(百万円)

3,133

2,496

1,494

2,043

1,157

当期純利益

(百万円)

2,776

1,470

1,045

1,481

2,038

資本金

(百万円)

5,451

5,451

5,451

5,451

5,451

発行済株式総数

(千株)

20,738

20,738

20,738

20,738

20,738

純資産

(百万円)

28,765

29,338

29,840

30,651

31,871

総資産

(百万円)

48,403

47,636

48,469

50,552

54,665

1株当たり純資産

(円)

1,388.22

1,415.86

1,440.10

1,479.23

1,546.28

1株当たり配当額
(うち1株当たり
中間配当額)

(円)

38

33

30

30

35

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益

(円)

133.98

70.95

50.44

71.52

98.60

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

98.58

自己資本比率

(%)

59.4

61.6

61.6

60.6

58.3

自己資本利益率

(%)

10.0

5.1

3.5

4.9

6.5

株価収益率

(倍)

17.5

21.1

37.9

23.8

19.5

配当性向

(%)

28.4

46.5

59.5

41.9

35.5

従業員数

(外、平均臨時
従業員数)

(名)

760

759

752

743

761

(101)

(97)

(83)

(92)

(93)

株主総利回り

(%)

68.3

44.9

57.7

52.5

59.9

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

95.0

85.9

122.1

124.6

131.8

最高株価

(円)

3,555

2,674

2,137

2,010

1,953

最低株価

(円)

1,671

1,191

1,351

1,650

1,570

 

(注) 1.第115期、第116期、第117期及び第118期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため記載しておりません。

2.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は、東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第118期の期首から適用しており、第118期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

2 【沿革】

1918年1月

東京府荏原郡品川町において歌橋憲一が歌橋製薬所を創業、絆創膏類の製造を開始

1934年12月

歌橋製薬所を株式会社歌橋製薬所に改組

1944年9月

企業整備により株式会社歌橋製薬所が統合会社となり全国25の絆創膏製造業者を統合、商号を日絆工業株式会社とすると共に、東京・大阪両工場を設置

1947年9月

セロハン粘着テープの製造を開始

1948年6月

商号を日絆薬品工業株式会社に変更

1961年1月

商号をニチバン株式会社に変更

      10月

東京証券取引所市場第二部に上場

1962年6月

大阪証券取引所市場第二部に上場

1965年10月

埼玉県北足立郡鳩ケ谷町(2012年に移転し、現在は埼玉県日高市)にニチバンプリント株式会社を設立(現・連結子会社)

1967年1月

安城工場を設置

1968年4月

東京・大阪両証券取引所の市場第一部に上場

 

愛知県安城市にニチバンテクノ株式会社を設立(現・連結子会社)

1972年6月

埼玉工場を設置、東京工場を埼玉工場に移転

1983年12月

中央研究所を開設

1989年7月

福岡県朝倉郡筑前町にニチバンメディカル株式会社を設立(現・連結子会社)

1994年10月

本社を東京都文京区関口に移転

2017年7月

タイ・バンコクにNICHIBAN(THAILAND)CO.,LTD.を設立(現・連結子会社)

      8月

愛知県安城市に先端技術棟の一部完成、中央研究所を移転。名称を先端応用研究所へ変更

2018年1月

愛知県安城市に先端技術棟竣工、大阪工場を移転。名称をメディカル安城工場へ変更

      10月

創業100周年記念式典挙行

2020年10月

ドイツのデュッセルドルフに販売子会社NICHIBAN EUROPE GmbHを設立(現・連結子会社)

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、子会社5社、関連会社3社及びその他の関係会社1社で構成しております。その主な事業内容は、粘着技術を基盤に高分子技術を駆使して、布・紙・セロファン・プラスチックをベースとした医薬品、各種感圧性粘着テープ及び接着剤並びにそれらに関連する機械器具の製造販売であります。

 なお、当社グループの製品・商品は、医薬品業界向けの絆創膏等、産業用粘着テープ業界及び文具・事務用品業界向けの粘着テープ等に大別され、セグメントもこの区分によっております。

当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

 

メディカル事業

メディカル………

当社が製造販売するほか、子会社であるニチバンメディカル㈱に製造を委託し、東南アジア・南アジア・中東地域へは、子会社であるNICHIBAN (THAILAND) CO.,LTD.が、欧州地域へは、子会社であるNICHIBAN EUROPE GmbHが販売を行っております。また、その他の関係会社である大鵬薬品工業㈱とはその子会社を通じ製品の販売及び半製品の仕入を行っております。

 

テープ事業

工業品……………

当社が製造販売するほか、子会社であるニチバンプリント㈱及びニチバンテクノ㈱に製造を委託し、東南アジア・南アジア・中東地域へは、子会社であるNICHIBAN (THAILAND) CO.,LTD.が、欧州地域へは、子会社であるNICHIBAN EUROPE GmbHが販売を行っております。また、関連会社である㈱飯洋化工及びUNION THAI-NICHIBAN CO.,LTD.よりその親会社を通じ商品の仕入を、大東化工㈱より各種フィルム製品の仕入を行っております。

オフィスホーム…

当社が製造販売するほか、子会社であるニチバンプリント㈱及びニチバンテクノ㈱に製造を委託し、東南アジア・南アジア・中東地域へは、子会社であるNICHIBAN (THAILAND) CO.,LTD.が、欧州地域へは、子会社であるNICHIBAN EUROPE GmbHが販売を行っております。また、関連会社であるUNION THAI-NICHIBAN CO.,LTD.より、その親会社を通じ商品の仕入を行っております。

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。


 

子会社及び関連会社の名称及び業務内容は次のとおりであります。

連結子会社

ニチバンプリント㈱

粘着テープ・ラベル・テープ用巻心等の製造販売

ニチバンテクノ㈱

粘着テープ・テープ用カッター・テープ用巻心等の製造販売

ニチバンメディカル㈱

医薬部外品・医療機器・医療補助用テープ等の製造販売

NICHIBAN (THAILAND) CO.,LTD.

当社グループ製品の東南アジア・南アジア・中東地域への販売

NICHIBAN EUROPE GmbH

当社グループ製品の欧州地域への販売

 

 

持分法適用関連会社

㈱飯洋化工

粘着テープの製造

UNION THAI-NICHIBAN CO.,LTD.

粘着テープの製造

大東化工㈱

機能性フィルムの製造

 

 

4 【関係会社の状況】

2023年3月31日現在

名称

住所

資本金又は
出資金
(百万円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
又は[被所有]
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

ニチバンプリント㈱

埼玉県
日高市

39

テープ事業

100.0

(5.1)

当社販売品の製造委託、仕入委託
役員兼任 5名(うち当社従業員3名)
土地及び建物賃貸

ニチバンテクノ㈱

愛知県
安城市

20

テープ事業

100.0

(7.5)

当社販売品の製造委託
役員兼任 5名(うち当社従業員3名)
土地及び建物賃貸

ニチバンメディカル㈱
(注)3

福岡県
朝倉郡筑前町

70

メディカル事業

100.0

(12.9)

当社販売品の製造委託
役員兼任 5名(うち当社従業員3名)
土地及び建物賃貸、資金貸付

NICHIBAN (THAILAND)
CO.,LTD.

タイ国
バンコク市

百万Baht
10

メディカル事業

テープ事業

100.0

当社グループ販売品の販売
役員兼任 3名(うち当社従業員2名)
資金貸付

NICHIBAN EUROPE GmbH

ドイツ
デュッセルドルフ市

千Euro
 25

メディカル事業

テープ事業

100.0

当社グループ販売品の販売
役員兼任 3名(うち当社従業員2名)

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

㈱飯洋化工

東京都
千代田区

40

テープ事業

25.0

当社販売品の製造委託
役員兼任 1名(うち当社従業員1名)

UNION THAI-NICHIBAN 
CO.,LTD.

タイ国
バンコク市

百万Baht
15

テープ事業

43.0

当社販売品の製造委託
役員兼任 4名(うち当社従業員3名)

大東化工㈱

岐阜県
岐阜市

50

テープ事業

33.9

当社販売品の製造委託
役員兼任 2名(うち当社従業員2名)

(その他の関係会社)

 

 

 

 

 

大鵬薬品工業㈱

東京都
千代田区

200

メディカル事業

[32.8]

製品の販売、商品の仕入

 

(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、関連するセグメントの名称を記載しております。

2.「議決権の所有又は[被所有]割合」欄の(内書)は間接所有割合であります。

3.特定子会社に該当しております。

 

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社における状況

2023年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

メディカル事業

469

(19)

テープ事業

504

(95)

全社(共通)

295

(29)

合計

1,268

(143)

 

(注) 1.従業員数は就業人員数であります。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員(パートタイマー、嘱託契約の従業員及び派遣社員を含む)の年間平均雇用人員数であります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門及び研究所に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2023年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

761

(93)

42.9

19.0

6,693

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

メディカル事業

158

(19)

テープ事業

329

(45)

全社(共通)

274

(29)

合計

761

(93)

 

(注) 1.従業員数は就業人員数であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員(パートタイマー、嘱託契約の従業員及び派遣社員を含む)の年間平均雇用人員数であります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門及び研究所に所属しているものであります。

 

(3) 労働組合の状況

提出会社の従業員が組織する労働組合は、新ニチバン労働組合(組合員数498名)であります。その他特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

管理職に
占める
女性労働者
の割合(%)
(注)1(注)2

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)3

労働者の男女の
賃金差異(%)(注)1

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

10.8

70.5

80.2

65.2

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.2024年4月までに10.0%とすることを目標としております。なお、当事業年度において、当該目標はすでに達成しているため、2024年4月に向けて、更なる向上に努めます。

3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表をしない項目としているため、記載を省略しております。

4.管理職に占める女性労働者の割合は当事業年度、労働者の男女の賃金差異の対象は2022年1月1日から2022年12月31日の期間にて算定しております。

 

② 主要な連結子会社

当事業年度

名称

管理職に
占める
女性労働者
の割合(%)
(注)1(注)2

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)3

労働者の男女の
賃金差異(%)(注)1

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

ニチバンプリント㈱

15.4

84.2

92.4

63.9

ニチバンテクノ㈱

6.7

63.0

72.0

57.2

ニチバンメディカル㈱

11.6

84.1

89.9

87.9

 

(注) 1.ニチバンメディカル㈱は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.ニチバンメディカル㈱は、2026年3月までに15.0%とすることを目標としております。

3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表をしない項目としているため、記載を省略しております。

4.管理職に占める女性労働者の割合は当事業年度、労働者の男女の賃金差異の対象は2022年1月1日から2022年12月31日の期間にて算定しております。

5.連結子会社のうち主要な連結子会社以外のもの(海外連結子会社)については記載を省略しております。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1) 会社の経営の基本方針

当社グループの経営理念は、「粘着の分野を原点として新たな価値を創造する技術で快適な生活に貢献し続ける」ことで「当社グループにかかわるすべての人々の幸せを実現する」ことであります。この理念のもと、事業活動を通じて社会、自然との共生を目指し、ステークホルダーとともに持続可能な社会の実現に貢献する取り組みを進めてまいります。

当社グループは、創業以来、粘着技術をベースに絆創膏や「セロテープ」をはじめ人々の健康や快適な暮らし、産業の合理化・省人化に貢献する価値ある製品を幅広く供給してまいりました。

今後も、高い技術力と確かな品質を軸に地球環境に配慮した独創的な製品の提供を通じて、お客様にご満足いただき、信頼される企業を目指してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、今後の企業価値及び株主価値を高めるため、収益性重視の観点から売上高営業利益率10%以上を中期的な目標とし、また経営に託された資本の将来における成果の観点から、自己資本当期純利益率(ROE)10%を目指してまいります。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

今後の日本経済の見通しは、新型コロナウイルス感染症対策の緩和による経済活動の活性化が期待されるものの、長期化するウクライナ情勢やエネルギー資源・原材料高騰の影響により、先行きは引き続き不透明であり、当社グループを取り巻く事業環境は予断を許さない状況であります。このような状況のなか、販売価格の改定や継続的なコストダウンを実施するとともに、人的資本やTCFD提言に基づいたサステナビリティへの取り組みを推進し、コーポレート・ガバナンスの更なる充実を図ってまいります。あわせて、最終年度となった中期経営計画「ISHIZUE 2023 ~SHINKA・変革~」を推進し、重点テーマである「イノベーション創出」「グローバル展開・拡大」「事業推進体制の見直しと収益改革」「AI・IoT積極活用」「持続的成長を担う人財育成」を実行し、「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」実現に向けて取り組んでまいります。

 

① 中長期成長エンジンの確立、イノベーション創出

「マーケットイン開発による新製品の上市実現、新製品カテゴリーでの事業探索・成果の創出」

顧客を機軸とした事業推進の一環として、BtoC(ヘルスケア・EC・オフィスホーム)での開発マーケティング、BtoB(医療材・工業品)での顧客現場ニーズを起点とした新規提案による開発を推進し、新製品カテゴリーでの成果創出を進めてまいります。

「コア技術の深化・進化の成果創出と共有、新たな事業展開に向けたオープンイノベーション・協業によるターゲット領域での新規事業の創出」

新製品のスピーディーかつタイムリーな上市を実現するために、全社員がイノベーションにかかわる意識を持ち、当社グループが持つコア技術の深化・進化の成果創出と共有を進めます。またオープンイノベーションなど社内外のリソースを活用した研究開発の取り組みによりターゲット領域で新たな価値を創出し、新規事業の創出を図るとともに、将来に向けたイノベーティブな人財の育成に取り組んでまいります。

 

② グローバル市場へのスピーディな展開・拡大

「3拠点体制による海外販売の拡大、及び支援体制の強化」

販売3拠点(日本本社、タイ販社、ドイツ販社)体制による事業拡大に向けて、現地戦力の充実と新規開拓・市場育成の活動をスピーディーに推進してまいります。海外市場での主要品目(「ケアリーヴTM」、止血製品シリーズ“セサブリックTM”、和紙マスキングテープ、「PanfixTMセルローステープ」)とともに、新規注力品目(「ロイヒつぼ膏TM」、ドレッシング材“カテリープラスTM”、術後ケアシリーズ“アスカブリックTM”)の取り組みを強化してまいります。また海外事業の推進体制強化のため、サプライチェーン・開発・薬事規制関連部署との連携を強化し、あわせて販売面・物流・生産面での協業を目的とした業務提携・M&A活用施策を進めてまいります。

 

③ 事業推進体制の見直しと収益改革

「顧客を機軸とした事業推進体制での戦略遂行」

BtoC事業であるコンシューマー営業本部(ヘルスケア・EC・オフィスホーム)は、多様化する顧客の様々なニーズ・チャネル・コミュニケーション機会を的確にとらえるためのブランドマーケティング戦略のもと、プロモーション施策と販売・流通施策を積極的に推進、実行してまいります。

一方のBtoB事業である工業品及び医療材は、顧客の現場課題の探索をベースとした営業活動を推進し、更なる新規案件・新規ユーザー開拓を推進してまいります。

「サプライチェーンマネジメントの最適化と業務プロセス改善、品質管理強化」

安定した原材料・商品調達及び需要予測に基づく生産、販売、在庫プロセスの最適化を図ります。また物流の安定化と効率化、品質管理強化に努めるとともに、全社コストダウンに向けてサプライチェーン本部主導のもと各部署連携し、課題を推進してまいります。

「サステナブル社会への貢献」

サステナビリティ委員会を中心とした体制のもと重要課題の抽出を行い、医療・健康などに関わる社会課題、CO2排出抑制などの環境課題の解決に向けた製品開発と事業戦略施策を推進します。また今後、気候変動問題や人的資本経営、コーポレート・ガバナンスなどの取り組みの充実化と情報発信の強化を図ります。

 

④ 事業戦略推進に向けたAI・IoTの積極活用

「事業戦略を実現するためのIT基幹システム活用」

今後の事業戦略施策の遂行に向けて、新たに構築したIT基幹システムを販売・生産・在庫・会計などの基幹業務の管理水準向上及び業務プロセスの見直し、生産性の向上を図ります。

「社内外データの見える化、活用の推進」

DX(デジタルトランスフォーメーション)を見据えて戦略的データ活用・業務プロセス変革、デジタル技術を活用した販売拡大施策と事業運営の効率化、品質管理の強化、生産性向上を進めてまいります。

 

⑤ 将来の持続的成長を担う人財育成

「多様な人財の活用による組織運営の活性化、行動指針を実践する人財育成、社員の健康とエンゲージメント向上」

中長期ビジョンに向けた事業運営・管理体制の確立に向けて、ニチバングループの理念に掲げる行動指針を実践するための人財評価及び多様な人財の能力や特性を活かした育成を行います。また、従業員の健康、安全を基本とした健康経営の取り組みを推進し、中長期ビジョンの達成に向けて、個人の成長と事業の成長のベクトルを一致させるべく、エンゲージメント向上施策を推進してまいります。さらに、スキルマップを活用したリーダーシップやマネジメント力及び業務遂行能力の向上を図るとともに、次世代経営層の育成を進めてまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、当社グループの事業上のリスク全てを網羅するものではありません。

 

(1) リスクマネジメント体制

当社グループでは、「危機管理方針」を制定し、事業の継続を危うくする重大な危機に対して、事前に予測・予防措置を実行し、万一発生した場合には被害を最小限に抑え、再発防止措置をとることで、危機を適切に管理し、事業の継続・安定的発展を確保できるよう努めております。

損失の危険の全社的な管理や対応については内部統制委員会が管轄し、「リスク管理規則」に基づき、総務担当部署が全社的なリスク管理体制の構築、規則類の整備、運用状況の確認、情報の適切な伝達など必要な措置を講じております。

個々の損失(品質、財務等)の危険については「リスク管理規則」に基づき、当該危険の存在する各担当部署が、リスク管理体制整備、運用状況の確認等、必要な措置を講じております。

また、大規模災害等、当社グループに対する危機が生じた場合には、「緊急時対応規則」に基づき、速やかに緊急対策本部を設置し、「事業継続計画(BCP)」に沿って損失の極小化及び復旧に向けた対応を行うこととしております。

 

(2) 認識している重要なリスク

当社グループでは、(1)リスクマネジメント体制のもと、全社的なリスクのアセスメントを実施し、事業や社会環境の変化に合わせて定期的にリスクの確認や見直しを行っております。その結果、以下の重要なリスクを認識しており、リスク低減のための取り組みを実施しております。

また、リスクの洗い出しに際して、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類しており、それぞれ以下のように定義しております。

〇戦略リスク

事業戦略及び戦略目標に影響を与える、又はそれらによって生じるリスク

△オペレーショナルリスク

戦略遂行に影響を及ぼす主要なリスク又は事象発生することから当社グループに生じる損失に係るリスク

 

 

(リスクマップ及び凡例)

 


 


 

 

① 新型コロナウイルス感染症等のリスク            発生可能性:高  影響度:大

                               発生する可能性のある時期:現在

概要

新型コロナウィルス感染症に関してはワクチン接種の普及や重症化リスクの減少により社会経済活動の正常化が進むことが見込まれていますが、今後感染収束の状況や経済情勢に与える影響の度合いによっては、当社グループ製品・サービスの需要に影響を与える可能性があります。また、当社グループの事業拠点運営が困難になったり、原材料調達等のサプライチェーンに支障をきたす状況になった場合においても、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。

対応

当社グループでは、複数の事業拠点・物流拠点等を設置し事業運営を行い、「緊急時対応規則」及び「事業継続計画(BCP)」を整備するとともに、従業員のテレワークや時差出勤等の勤務体制の推進、Web会議システム活用によるリモート会議を推進し、安定して事業を継続できるような体制を整備しております。

 

 

② 原材料価格の変動リスク及び特定の購入先からの供給リスク  発生可能性:高  影響度:大 

                               発生する可能性のある時期:現在

概要

当社グループの製品は、プラスチックフィルム等石油を原料とするものや、紙やセロハン、天然ゴム等市況の影響を受ける原材料が多いため、自然災害や地政学的リスク等を起因とした市場動向の変化による価格高騰の影響を受けます。
当該原材料の高騰について、仕入先との交渉や代替可能な原材料等によって対応できない場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、原材料を安定的に調達できるよう、複数社購買を前提としておりますが、原材料の一部の供給を特定の購入先に依存せざるを得ないものがあります。そのため、当該特定の購入先の被災、事故、倒産等により、必要な原材料を確保できなくなる場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

対応

原材料価格の変動リスク及び特定の購入先からの供給リスクを低減するために、原材料の複数社購買、原材料の市場動向等の情報収集、適正在庫の確保及び生産性向上による原価低減等の様々な対応策を実施しております。
また、このような対応策を実施したうえでの原材料価格の高騰に対しては、製品・商品価格への適正な転嫁を図ってまいります。

 

 

③ 市場動向、需要変化に関するリスク             発生可能性:中  影響度:中

                                                             発生する可能性のある時期:特定時期なし

概要

当社グループの製品・商品は、医薬品業界向けの絆創膏等、産業用粘着テープ業界及びオフィス・ホーム業界向けの粘着テープ等であり、当社グループの販売先は、販売代理店となり、小売店等を通じて最終消費者に販売されることとなります。
そのため、これらの製品・商品の主要市場におけるサステナビリティの取り組みや働き方改革に伴う消費者需要の変化は、小売店等の販売政策に影響するとともに、販売代理店を通じ、当社グループの販売高にも影響し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、次のような特殊性があります。季節性のある製品・商品の入れ替え時等の小売店等の製品ラインナップの変更時に、小売店等から販売代理店を通じ、当社グループの製品・商品の返品を受け入れる商習慣があります。また、当社グループの製品・商品の販売後に販売代理店に対して売上値引を行う商習慣があります。そのため、当該返品等が多額に発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。

対応

当社グループは、サステナビリティへの積極的な取り組みを進め、販売代理店や小売店等からの販売データ等を活用し、製品・商品の主要市場における動向及びそれに伴う消費者需要の変化を即座に把握し、開発、生産計画、販売政策に適宜反映させ、廃棄・返品のリスクを最小限にとどめる取り組みを推進しております。また、将来の返品に伴う損失に備えるため、返品されると見込まれる製品・商品については、変動対価に関する定めに従って、販売時に収益を認識せず、当該製品・商品について受け取った又は受け取る対価の額で返金負債を計上することとしております。さらに、当社グループの製品・商品の販売後に発生が見込まれる販売代理店に対する売上値引に備えるため、値引が見込まれる製品・商品については、変動対価に関する定めに従って、販売時に収益を認識せず、取引対価の変動部分の額を見積り、認識した収益の著しい減額が発生しない可能性が高い部分に限り取引価格に含めることとしております。

 

 

 

④ 価格競争のリスク                     発生可能性:中  影響度:小

                               発生する可能性のある時期:特定時期なし

概要

当社グループの属する市場において、市場縮小や新規参入等により企業間の競争が激化し、販売価格が下落した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。

対応

価格競争に陥るリスクを低減するために、独自の高い技術力と確かな品質を軸に、地球環境に配慮した高機能・高付加価値製品をタイムリーに提供することにより、ブランド力の強化と他企業との差別化を常に図っております。

 

 

⑤ 災害事故の発生リスク                   発生可能性:高  影響度:特大

                                発生する可能性のある時期:特定時期なし

概要

当社グループは、地震・洪水等の天災や火災・爆発による不測の事故により、製造設備や物流拠点等が大きな損害を受けた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。

対応

本社・工場等の事業所において「緊急時対応規則」に基づき、災害事故等発生時における緊急対策本部の設置訓練や、各種保全活動など、社内体制の整備を行うとともに「事業継続計画(BCP)」への対応についても積極的に推進しております。

 

 

⑥ 情報管理に関するリスク                                  発生可能性:高  影響度:大

                                                             発生する可能性のある時期:特定時期なし

概要

当社グループは、個人情報の他、多くの重要情報を保有しております。これらの情報はサイバー攻撃やシステム障害、災害等により、情報の漏洩等が発生し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。

対応

これらの情報の取り扱いについては、「ITセキュリティ方針」及び「個人情報保護方針」に基づき、情報資産を犯罪・事故・災害等の脅威から守り、お客様及び社会の信頼に応えるべく、従業員に対し情報管理の重要性を継続的に教育するとともに、システム上のセキュリティ対策を行っております。

 

 

⑦ 製品の品質に関するリスク                                発生可能性:中  影響度:大

                                                             発生する可能性のある時期:特定時期なし

概要

当社グループでは、不適切な行為や、重大な品質上の問題が発生し、当該製品及び当社グループの製品全体に対する評価が低下した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。

対応

当社グループでは、製品・商品の品質を保持すべく、企業理念に基づく「品質方針」を策定し、品質マネジメントシステムへの取り組みを中心とした管理のもと、医薬品・医療機器、産業資材、文具・事務用品業界向けの製品・商品の企画、製造・仕入、販売を行っております。

 

 

⑧ 退職給付債務に関するリスク                発生可能性:中  影響度:中

                               発生する可能性のある時期:特定時期なし

概要

当社グループにおける年金資産運用において、市場金利の低下及び運用環境の変化による運用利回りの悪化により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。

対応

年金資産の運用目標を達成する上で、運用利回りのリスクを最小化するように、投資対象の種類等について分散投資に努めております。

 

 

 

⑨ 企業の社会的責任に関するリスク              発生可能性:中  影響度:中

                               発生する可能性のある時期:特定時期なし

概要

ステークホルダーからのESGを重視した経営やSDGsへの関心は年々高まっており、サステナブルな社会実現への取り組みが、今後ますます重要となります。当社グループが、これらの状況に適切に対応できない場合には、社会的評価の低下等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。

対応

当社グループでは、企業理念に基づく「ニチバングループのサステナビリティ」として方針を展開し、さまざまな事業活動を通じて企業の社会的責任を果たしていくよう取り組んでおります。
具体的には、環境面ではISO14001を中心とした活動を堅実に遂行するとともに、「グリーン調達ガイドライン」の遵守を徹底してまいります。また、溶剤使用の問題はテープ製品を扱う当社グループが担うべき課題と捉え、技術革新に挑戦しながら脱溶剤を目指してまいります。天然素材である「セロテープ」の積極的販売を通して環境問題のさまざまな取り組みを行ってまいります。
社会面では、メーカーとして「お客様にとっての「良いもの」を届ける」ことを基本に、女性活躍やワークライフバランスなど、社員が長く安心して働ける職場環境を整備してまいります。さらに環境保全活動である「巻心ECOプロジェクト」やスポーツメディカル分野へのサポートなど、事業活動と密接に関連した社会貢献を推進いたします。

 

 

(3) 気候変動に関するリスク

当社グループは、「サステナビリティの考え方」においてマテリアリティ(重要課題)を定め、「気候変動・温暖化対策」を最も優先度の高い項目として掲げております。(2) 認識している重要なリスクとは別に、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言において開示が推奨されている、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの内容について検討を行い、以下の通りリスクの認識をしております。

 

① 炭素税の導入によるリスク                 発生可能性:中  影響度:中

                               発生する可能性のある時期:特定時期なし

概要

排出量原単位の高いSFC認証紙や樹脂、ゴムなどの原材料や副資材コストへの価格転嫁、炭素税の支払いにより、コストが上昇し利益が圧迫される可能性があります。

対応

調達条件や調達先の見直し等の調達機能強化による調達コストの削減と価格転嫁の実施、生産拠点再編や新工法の導入等によるエネルギー使用量削減により、生産、調達コストの軽減を図っております。

 

 

② GHG排出規制を含む各種規制の強化によるリスク        発生可能性:中  影響度:中

                               発生する可能性のある時期:特定時期なし

概要

証書等環境価値購入による操業コストの増加や脱炭素(CO2排出目標達成)へ向けた新たな設備投資や生産拠点再編にともなう設備更新コストの増加により財務負担が増加する可能性があります。

対応

環境価値の価格交渉や調達先多様化を通じた購入コストの削減、CO2排出量や環境負荷の総合的判断基準導入によるコストの抑制、長期的な投資計画にもとづく設備投資等の平準化により、利益の確保を図っております。

 

 

③ 投資家のESG重視姿勢の高まりによるリスク          発生可能性:中  影響度:大

                                                             発生する可能性のある時期:特定時期なし

概要

気候変動などへの取り組みの情報開示の遅延により、投資家評価の低下を招く可能性があります。

対応

適切な気候変動への取り組みと情報の開示を継続しております。

 

 

④ 気候変動による天然資源由来原料の生産高減少のリスク    発生可能性:中  影響度:大

                               発生する可能性のある時期:特定時期なし

概要

生産に必要な資材の調達が困難になることでの生産停止になる可能性があります。

対応

原材料調達先の多様化によりリスクの分散を図っております。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 
(1) 経営成績
 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、行動制限の緩和により、社会経済活動に回復の動きが見られましたが、円安並びにウクライナ情勢による物価上昇やエネルギー資源・原材料などの高騰が重なり、依然として先行きが不透明な状況が続きました。
 このような状況のなか、当社グループは世の中の変化を柔軟にとらえ、サステナブル社会に対応した経営環境、経営課題に積極的に取り組むため、中期経営計画「ISHIZUE 2023 ~SHINKA・変革~」における重点テーマ「イノベーション創出」「グローバル展開・拡大」「事業推進体制の見直しと収益改革」「AI・IoT積極活用」「持続的成長を担う人財育成」を実行し、「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」実現に向けて取り組んでまいりました。

 

① 中長期成長エンジンの確立、イノベーション創出

・BtoC開発マーケティング・BtoB現場提案による新製品上市実現、新領域・新製品カテゴリー   

 での事業探索・創出

 ・コア技術の深化・進化と共有、オープンイノベーション・協業による新規事業の創出

② グローバル市場へのスピーディな展開・拡大

 ・販売3拠点(日本本社、タイ販社、ドイツ販社)体制による事業拡大及び支援強化、生産・ 

   物流を含めた体制拡充の推進

 ・海外事業拡大に向けた戦略的パートナー探索(業務提携・M&A活用)

③ 事業推進体制の見直しと収益改革

 ・顧客を機軸とした事業推進体制での戦略遂行、業務プロセス・活動の効率化

 ・サプライチェーンマネジメント最適化と品質管理強化

 ・サステナブル経営とSDGs視点の事業戦略・開発の推進、CO2排出削減等の取り組み強化

④ 事業戦略推進に向けたAI・IoTの積極活用

 ・事業戦略を実現するためのIT基幹システム活用の実践

 ・社内外データの見える化・活用の推進

⑤ 将来の持続的成長を担う人財育成

 ・行動指針を実践する人財育成、社員の健康とエンゲージメント向上策の強化

 ・スキルマップ活用によるミドルマネジメント・専門分野のスキル強化

 ・次世代経営層の育成

 

以上の取り組みを実施いたしました結果、

売上高は、インバウンド需要回復への事前準備、海外の販売子会社を含めた海外需要拡大に向けた取り組み、為替の円安影響等により、前期比5.6%増の455億6千万円となりました。

営業利益は、ナフサ価格の上昇等による原材料単価の上昇や電力費・燃料費等が増加したこと等による原価の上昇に加え、人員増に伴う人件費の増加、新基幹システムの稼働に伴う減価償却費の増加、行動制限の緩和に伴う旅費交通費の増加等による販売費及び一般管理費の増加等により、前期比34.3%減の16億9百万円となりました。

経常利益は、主に営業利益の減少により、前期比31.8%減の17億4千8百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、これらの影響があったものの、当社が保有していた旧大阪工場跡地の売却益16億2千9百万円を計上したこと等により、前期比31.0%増の23億7千1百万円となりました。

なお、自己資本当期純利益率は前年同期比1.3ポイント上昇の6.0%となりました。

 

 

(連結業績の概要)


 

(営業利益の前期比増減)                      (億円単位)


 

 

(フィールド別売上高、前期比増減)


 

当社グループのセグメントの概要は次のとおりです。

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、顧客機軸をベースとした事業活動を強化するために、営業担当管掌を「国内事業本部」、「海外事業本部」とし、国内事業本部の傘下に、販路別に以下の営業統括部を設置しております。

・顧客を機軸とした新たな営業推進体制の強化とブランド戦略の再構築のために、「コンシューマー営業本部」を設置し、傘下に「ヘルスケア営業統括部」、「オフィスホーム営業統括部」を置くとともに、越境EC含め積極的にEC営業の拡大を図るため、EC特販営業部から独立した「EC営業統括部」を置いております。

・より顧客に密着した営業活動を推進し、新規開発案件探索、顧客拡大のために、「工業品営業統括部」、「医療材営業統括部」を置いております。

 

また、当社グループは、以上の営業担当管掌に、各子会社を加えた事業フィールドとして、「ヘルスケアフィールド」、「ECフィールド」、「オフィスホームフィールド」、「工業品フィールド」、「医療材フィールド」及び「海外フィールド」を設定しております。

経営資源の配分の決定及び業績の評価については、取り扱う製品、商品の性質や、市場、製造方法の類似性に基づき、「メディカル事業」、「テープ事業」の単位で行っていることから、当社グループの事業セグメントとしては、「メディカル事業」、「テープ事業」と認識し、これを報告セグメントとしております。

 

なお、EC事業の拡大に伴い事業管理体制を変更したため、当連結会計年度より、「ヘルスケアフィールド」、「ECフィールド」、「オフィスホームフィールド」の区分を見直しております。

そのため、前連結会計年度の金額については、当該変更後の金額に組み替えて比較・分析しております。

 

 

「メディカル事業」、「テープ事業」セグメントと各事業フィールドとの関係は以下のとおりです。

 

事業フィールド

メディカル

事業

テープ

事業

国内

コンシューマー

営業本部

ヘルスケアフィールド

 

ECフィールド

オフィスホームフィールド

 

医療材フィールド

 

工業品フィールド

 

海外

海外フィールド

 

 

事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。

メディカル事業

(ヘルスケアフィールド)

ドラッグストアを中心とした大衆薬市場におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響があるなか、行動制限の緩和と訪日外国人の増加に伴うインバウンド需要の回復がみられましたが、物価上昇による消費者心理の冷え込みもあり、依然として先行き不透明な販売環境が続きました。

このような状況のなか、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズについては、国内需要拡大に向けて、認知度向上のためにテレビCMやキャンペーンなどのPR活動を行うとともに、試供品配布を継続して行いました。あわせて、鎮痛消炎剤“ロイヒ”シリーズについては、訪日外国人客数の増加に伴うインバウンド需要拡大への準備を行うとともに、国内需要拡大に向けてテレビCMやキャンペーンなどのPR活動を行いました。その結果、ともに売上高は前年を上回り、フィールド全体としての売上高は124億7千万円(前期比10.7%増)となりました。

 

(医療材フィールド)

医療機関向け医療材料市場におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大時には医療提供体制の逼迫により、不急の手術延期等で関連商材は影響を受け、直近では新規陽性者の減少に伴い通常に戻りつつあるものの、依然として先行き不透明な販売環境が続きました。

このような状況のなか、止血製品シリーズ“セサブリックTM”については、オミクロン株拡大により高齢者を中心に4・5回目のコロナワクチン接種の需要があったものの、若者の接種率は伸び悩みワクチン接種数が減少し、売上高は前年を下回りました。その一方、術後ケアシリーズ“アスカブリックTM”やドレッシング材“カテリープラスTM”は、国内産による安定供給と品質の良さで認知度拡大が進んだことにより、ともに売上高が前年を上回り、フィールド全体としての売上高は60億6百万円(前期比3.4%増)となりました。

 

((メディカル事業にかかる)ECフィールド)

EC市場におきましては、オンライン購買に対するWEBマーケティングを強化してきたことにより、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズが好調に推移し売上高は前年を上回りました。その一方、越境ECの売上高においては、“ケアリーヴTM”シリーズ育成に注力するものの前年を下回りました。その結果、フィールド全体としての売上高は6億5千3百万円(前期比17.4%増)となりました。

 

((メディカル事業にかかる)海外フィールド))

海外市場におきましては、Withコロナへの移行が進むなか、急激な物価上昇や中国での新型コロナウイルス感染症拡大など、経済成長への負荷が高まり、依然として先行き不透明な状況が続きました。

このような状況のなか、重点地域であるアジア及び欧州にて、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズや止血製品シリーズ“セサブリックTM”を中心に、販売代理店とともに現地に密着した営業活動を展開してまいりました。特に“ケアリーヴTM”シリーズは、主に韓国・タイにて販路拡大が進み好調に推移し、アセアン及び欧州における医療材製品も堅調に推移いたしました。これらに加えて円安影響もあり、フィールド全体としての売上高は18億6千2百万円(前期比28.1%増)となりました。

 

以上の結果、メディカル事業全体の売上高は209億9千2百万円(前期比10.0%増)となりました。また、原材料単価の上昇や電力費・燃料費等が増加したこと等による原価の上昇があったものの、ヘルスケアフィールドを中心とした売上高の増加により、セグメント利益は47億9千4百万円(前期比14.1%増)となりました。

 

テープ事業

(オフィスホームフィールド)

文具事務用品市場におきましては、原材料価格高騰を起因とした物価上昇による消費者心理の冷え込みやコロナ禍の出社減少によるオフィス用品需要の低迷が続き、厳しい販売環境となりました。

このような状況のなか、キッチン雑貨「ディアキチTMワザアリTMテープ」の売上高につきましては、大手流通への取り組みを強化し、前年を上回りました。その一方、主力製品である「セロテープ」や両面テープ「ナイスタックTM」については、価格改定や新製品を含めたラインアップ拡大を進めたものの、需要低迷の影響は大きく、ともに売上高は前年を下回りました。その結果、フィールド全体としての売上高は52億1千2百万円(前期比4.4%減)となりました。

 

(工業品フィールド)

産業用テープ市場におきましては、行動制限の緩和により消費に緩やかな回復傾向が見られましたが、部品供給不足による一部自動車メーカーの減産や原材料価格の高騰などもあり、依然として先行き不透明な販売環境が続きました。

このような状況のなか、主要製品の価格改定を進めるとともに、「セロテープ」については、多くの企業や自治体に向けて天然素材を使用した環境配慮製品であることを特設ホームページ等を通じて啓蒙し、SDGsへの取り組みとしてご賛同をいただきました。その一方、車両用マスキングテープについては、原材料供給停止による廃番が重なり、売上高は前年を大きく下回りました。その結果、フィールド全体としての売上高は131億6千4百万円(前期比0.9%減)となりました。

 

((テープ事業にかかる)ECフィールド)

EC市場におきましては、オフィス用品需要の低迷が続く厳しい販売環境のなか、価格改定を進めるとともに、オンライン購買に対するWEBマーケティングを強化してきたことにより、「セロテープ」や両面テープ「ナイスタックTM」など消耗品の需要が好調に推移いたしました。その結果、フィールド全体としての売上高は34億3千6百万円(前期比5.6%増)となりました。

 

((テープ事業にかかる)海外フィールド)

海外市場におきましては、中国での新型コロナウイルス感染症拡大によるビジネスの停滞など、先行き不透明な状況が続きましたが、欧州市場においては、Withコロナへの移行によりイベント需要が大きく回復いたしました。

このような状況のなか、重点地域であるアジア及び欧州にて、「PanfixTMセルローステープ」は香港やインドネシア市場への取り組みを強化し、塗装用和紙マスキングテープは欧州市場での取り組みを強化するなど、販売チャネルの構築と製品育成に注力いたしました。あわせて、主要製品の価格改定を実施し、改定前の仮需要も発生いたしました。これらに加えて円安影響もあり、フィールド全体としての売上高は27億5千4百万円(前期比34.0%増)となりました。

 

以上の結果、テープ事業全体の売上高は245億6千8百万円(前期比2.1%増)となりました。また、売上高の増加に伴い、テープ事業にかかる工場の生産は増加しているものの、ナフサ価格の上昇等による原材料単価の上昇や電力費・燃料費等が増加したこと等による原価の上昇により、セグメント利益は9億5千6百万円(前期比56.3%減)となりました。

 

調整額

報告セグメントに帰属しない一般管理費の計上等により、営業利益と報告セグメントの利益の合計額との調整額が41億4千1百万円(前期比5.0%増)となりました。

 

(トピックス コンシューマー営業本部)



 

 

 

(トピックス 医療材フィールド)


 

(トピックス 工業品フィールド)


 

 

(トピックス 海外フィールド)




 

 

(主要製品別 前期比推移)


 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

メディカル事業

22,298

+8.7

テープ事業

20,741

+1.1

合計

43,029

+4.9

 

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

② 受注実績

当社グループは需要見込による生産方式をとっております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

メディカル事業

20,992

+10.0

テープ事業

24,568

+2.1

合計

45,560

+5.6

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ピップ株式会社

4,194

9.7

5,093

11.2

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ46億9千6百万円増加し、691億2千3百万円となりました。流動資産は35億3千万円の増加、固定資産は11億6千5百万円の増加となりました。

流動資産の増加は、設備投資や配当等にかかる支払い等により減少したものの旧大阪工場の土地売却等により現金及び預金が9億8百万円、前第4四半期連結会計期間の売上高と比較して、当第4四半期連結会計期間の売上高が増加したこと等により売上債権が14億7百万円、原材料単価の上昇等により棚卸資産が11億8千4百万円増加したこと等によるものです。

固定資産の増加は、当社の埼玉工場における粘着液製造設備及び建屋の設備投資等により有形固定資産が13億1千万円増加したこと等によるものです。なお、前連結会計年度末に建設仮勘定に計上しておりましたニチバンメディカル㈱における新棟及び医療機器製造設備は、当連結会計年度において、すべて本勘定に振り替えられております。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

メディカル事業

当連結会計年度末のメディカル事業の資産は、前年同期と比べ14億8千4百万円増加し、274億3千9百万円となりました。

テープ事業

当連結会計年度末のテープ事業の資産は、前年同期と比べ28億2千4百万円増加し、223億8千8百万円となりました。

 

負債は、前連結会計年度末と比べ30億5千3百万円増加し、285億1千9百万円となりました。流動負債は、29億7千8百万円の増加、固定負債は、7千4百万円の増加となりました。

流動負債の増加は、生産増により、電子記録債務が14億3千6百万円、設備投資の増加により営業外電子記録債務が16億6千1百万円増加したこと等によるものです。

固定負債の増加は、役員退職慰労引当金が1千7百万円減少したものの、退職給付に係る負債が8千3百万円増加したこと等によるものです。

純資産は前連結会計年度末と比べ16億4千2百万円増加し、406億3百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等によるものです。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より1.7ポイント低下し、58.7%となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ9億8百万円(6.6%)増加し、147億5千2百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ11億4千6百万円(28.2%)減少し、29億1千7百万円となりました。当連結会計年度の主な内容は税金等調整前当期純利益34億3千1百万円の計上、減価償却費27億5千7百万円の計上、売上債権の増加14億7百万円の計上、棚卸資産の増加11億8千4百万円の計上、仕入債務の増加20億3千6百万円の計上、法人税等の支払額10億4千万円等によるものです。

営業活動によるキャッシュ・フローの減少は、長期化するウクライナ情勢やエネルギー資源・原材料高騰の影響等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ17億4千5百万円(60.2%)減少し、11億5千3百万円となりました。これは主に当社埼玉工場の粘着液製造建屋新設等の有形固定資産の取得による支出25億5千万円、当社が保有していた旧大阪工場跡地の売却等による有形固定資産の売却による収入16億8千6百万円等があったことによるものです。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億7千6百万円(25.5%)増加し、8億6千7百万円となりました。これは配当金の支払額6億2千2百万円及び自己株式の取得による支出1億8千7百万円等によるものです。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、株主の皆様への利益還元とのバランスを考えながら、企業体質の強化及び設備投資、コスト競争力向上のための技術開発等の資金需要に備えるために内部留保の充実を図っております。

資金調達は、自己資金を基本とし、自己資金で賄えない場合は金融機関から借入れることとしております。

なお、資金調達の柔軟性及び機動性を確保するため、取引銀行と40億円の貸出コミットメント契約(借入未実行残高40億円)を締結しております。

当社グループの運転資金の需要のうち主なものは、原材料・商品の仕入のほか製造経費・販売経費等の営業費用によるものです。また設備資金の需要のうち主なものは、埼玉工場、テープ安城工場、メディカル安城工場及び製造子会社における絆創膏・粘着テープ等の製造設備の新設又は更新によるものです。

2023年3月31日現在、当社グループの借入金の残高は20億円で、その内の一部について金利スワップ取引を利用することで、その全額を円建ての固定金利にて国内銀行より調達しております。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

2 【主要な設備の状況】

(1) 提出会社

2023年3月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

建物及び
構築物

機械装置
及び
運搬具

土地
(面積㎡)

リース
資産

建設
仮勘定

ソフトウェア

その他

合計

本社
(東京都文京区)

本社機能

11

1

34

6

1,194

47

1,295

195(11)

埼玉工場
(埼玉県日高市)

テープ事業

紙粘着テープ類、プラスチックテープ類、及び粘着シート類の製造設備

1,027

1,579

454

(82,284)

4

2,274

5

91

5,438

114(17)

メディカル安城工場
(愛知県安城市)

メディカル事業

医薬品類の製造設備

3,660

1,902

54

(22,685)

133

8

171

5,931

68(15)

テープ安城工場
(愛知県安城市)

テープ事業

紙粘着テープ類、プラスチックテープ類の製造設備

798

600

99

(43,602)

375

0

51

1,926

103(24)

 

(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品であります。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員数であります。

3.上記の他、主要なものとして本社オフィスビルを連結会社以外から賃借しており、当該年間賃借料は145百万円、延床面積は2,307㎡であります。

 

 

(2) 国内子会社

2023年3月31日現在

会社名

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

建物及び
構築物

機械装置
及び
運搬具

土地
(面積㎡)

リース
資産

建設
仮勘定

その他

合計

ニチバンメディカル㈱

本社
第一工場
第二工場
(福岡県朝倉郡
筑前町)

メディカル
事業

医療機器の製造設備

3,643

3,110

931

(51,858)

86

12

62

7,847

311(0)

ニチバンテクノ㈱

本社
井杭山工場
新町工場
二本木工場
(愛知県安城市)

テープ事業

粘着テープの製造設備

344

244

581

(6,170)

25

25

2

1,223

91(36)

ニチバンプリント㈱

本社
日高工場
(埼玉県日高市)

テープ事業

粘着テープ及び粘着シートの製造設備

322

228

53

(5,847)

3

4

613

84(14)

 

(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品であります。

2.ニチバンメディカル㈱の建物及び構築物2百万円及び土地907百万円、ニチバンテクノ㈱の建物及び構築物89百万円、機械装置及び運搬具0百万円及び土地408百万円、ニチバンプリント㈱の建物及び構築物50百万円及び土地48百万円は、提出会社が賃貸しているもので、その帳簿価額は提出会社の金額によっております。

3.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員数であります。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

70,000,000

70,000,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月28日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

20,738,006

20,738,006

東京証券取引所
プライム市場

単元株式数
100株

20,738,006

20,738,006

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
 
(百万円)

資本金残高
 
(百万円)

資本準備金
増減額
(百万円)

資本準備金
残高
(百万円)

2017年10月1日
(注)

△20,738,006

20,738,006

5,451

4,186

 

(注) 2017年6月28日開催の第113回定時株主総会において、株式併合に係る議案(2株を1株に併合)が承認可決されております。これにより、株式併合の効力発生日(2017年10月1日)をもって、発行済株式総数が20,738,006株となっております。

 

 

(5) 【所有者別状況】

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府

及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数(人)

23

21

95

78

13

13,096

13,326

所有株式数
(単元)

59,248

1,323

76,665

15,757

103

54,171

207,267

11,306

所有株式数
の割合(%)

28.6

0.6

37.0

7.6

0.0

26.1

100.0

 

(注) 自己株式126,347株は「個人その他」の欄に1,263単元及び「単元未満株式の状況」の欄に47株それぞれ含めて記載しております。

 

(6) 【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(千株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

大鵬薬品工業株式会社

東京都千代田区神田錦町1-27

6,758

32.79

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2-11-3

1,482

7.19

ニチバン取引先持株会

東京都文京区関口2-3-3

1,198

5.81

株式会社三菱UFJ銀行

東京都千代田区丸の内2-7-1

1,000

4.85

株式会社みずほ銀行

東京都千代田区大手町1-5-5

1,000

4.85

株式会社日本カストディ銀行
(信託口)

東京都中央区晴海1-8-12

592

2.87

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

東京都渋谷区恵比寿1-28-1

499

2.42

株式会社りそな銀行

大阪府大阪市中央区備後町2-2-1

288

1.40

第一生命保険株式会社

東京都千代田区有楽町1-13-1

277

1.35

NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE IEDP AIF CLIENTS NON TREATY ACCOUNT
(常任代理人 香港上海銀行東京支店) 

50 BANK STREET CANARY WHARF LONDON E14 5NT UK
(東京都中央区日本橋3-11-1) 

268

1.30

13,362

64.84

 

(注) 1.日本マスタートラスト信託銀行株式会社は上記信託口のほか、退職給付信託口に198千株を保有しております。

2.株式会社日本カストディ銀行は上記信託口のほか、信託口4に25千株、信託A口に19千株、年金信託口に11千株、年金特金口に9千株を保有しております。

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

14,200

15,108

 

 

受取手形

1,284

1,052

 

 

電子記録債権

4,262

5,115

 

 

売掛金

7,860

8,646

 

 

商品及び製品

4,430

5,376

 

 

仕掛品

1,627

1,758

 

 

原材料及び貯蔵品

1,489

1,596

 

 

その他

589

620

 

 

貸倒引当金

1

1

 

 

流動資産合計

35,742

39,273

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

※3 9,315

※3 10,169

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

6,536

7,668

 

 

 

土地

※3 2,257

※3 2,208

 

 

 

リース資産(純額)

187

160

 

 

 

建設仮勘定

3,475

2,821

 

 

 

その他(純額)

385

438

 

 

 

有形固定資産合計

※1 22,157

※1 23,467

 

 

無形固定資産

1,269

1,233

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※2 2,459

※2 2,501

 

 

 

退職給付に係る資産

941

952

 

 

 

繰延税金資産

1,385

1,286

 

 

 

その他

470

408

 

 

 

投資その他の資産合計

5,257

5,148

 

 

固定資産合計

28,684

29,849

 

資産合計

64,427

69,123

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

4,051

4,652

 

 

電子記録債務

5,619

7,055

 

 

リース債務

58

52

 

 

未払金

1,192

1,145

 

 

未払費用

1,387

1,438

 

 

未払法人税等

682

620

 

 

契約負債

17

31

 

 

賞与引当金

1,094

1,136

 

 

役員賞与引当金

57

52

 

 

設備関係支払手形

576

29

 

 

営業外電子記録債務

281

1,942

 

 

返金負債

817

882

 

 

その他

362

137

 

 

流動負債合計

16,199

19,178

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

※3 2,000

※3 2,000

 

 

リース債務

94

90

 

 

役員退職慰労引当金

63

46

 

 

株式給付引当金

-

5

 

 

退職給付に係る負債

3,596

3,679

 

 

長期預り保証金

2,996

3,000

 

 

資産除去債務

515

518

 

 

固定負債合計

9,266

9,341

 

負債合計

25,465

28,519

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

5,451

5,451

 

 

資本剰余金

4,186

4,186

 

 

利益剰余金

28,377

30,127

 

 

自己株式

15

203

 

 

株主資本合計

38,000

39,562

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

234

223

 

 

為替換算調整勘定

66

10

 

 

退職給付に係る調整累計額

792

807

 

 

その他の包括利益累計額合計

960

1,041

 

純資産合計

38,961

40,603

負債純資産合計

64,427

69,123

 

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 43,134

※1 45,560

売上原価

※2 29,638

※2 32,586

売上総利益

13,496

12,974

販売費及び一般管理費

※3,※4 11,046

※3,※4 11,365

営業利益

2,450

1,609

営業外収益

 

 

 

受取利息

2

3

 

受取配当金

22

23

 

為替差益

40

77

 

持分法による投資利益

94

79

 

その他

76

99

 

営業外収益合計

236

284

営業外費用

 

 

 

支払利息

37

37

 

固定資産除却損

17

16

 

固定資産撤去費用

52

76

 

その他

16

15

 

営業外費用合計

124

145

経常利益

2,561

1,748

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

-

※5 1,629

 

補助金収入

-

※6 53

 

特別利益合計

-

1,683

税金等調整前当期純利益

2,561

3,431

法人税、住民税及び事業税

836

971

法人税等調整額

84

88

法人税等合計

751

1,059

当期純利益

1,809

2,371

非支配株主に帰属する当期純利益

-

-

親会社株主に帰属する当期純利益

1,809

2,371

 

1.報告セグメントの概要

(1) 報告セグメントの決定方法

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、顧客機軸をベースとした事業活動を強化するために、営業担当管掌を「国内事業本部」、「海外事業本部」とし、国内事業本部の傘下に、販路別に営業統括部を設置しております。

また、当社グループは、以上の営業担当管掌に、各子会社を加えた事業フィールドとして、「ヘルスケアフィールド」、「ECフィールド」、「オフィスホームフィールド」、「工業品フィールド」、「医療材フィールド」及び「海外フィールド」を設定しております。

経営資源の配分の決定及び業績の評価については、取り扱う製品、商品の性質や、市場、製造方法の類似性に基づき、「メディカル事業」、「テープ事業」の単位で行っていることから、当社グループの事業セグメントとしては、「メディカル事業」、「テープ事業」と認識し、これを報告セグメントとしております。

 

(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類

「メディカル事業」は、医薬品、医療機器、化粧品、医療補助テープ、テーピングテープ等の製造及び販売を行っております。「テープ事業」は、家庭用・事務用の粘着テープ・粘着シート及びそれらの機器等、産業用の粘着テープ・粘着シート及びそれらの機器等の製造及び販売を行っております。

 

(3) 報告セグメントの変更等に関する事項

EC事業の拡大に伴い事業管理体制を変更したため、当連結会計年度より、「ヘルスケアフィールド」、「ECフィールド」、「オフィスホームフィールド」の区分を見直しております。これに伴い、事業セグメントの利益又は損失の算定方法を変更しております。

なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の利益又は損失の算定方法により作成したものを記載しております。

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

11,203

11,128

 

 

受取手形

1,182

966

 

 

電子記録債権

4,238

5,094

 

 

売掛金

※2 7,759

※2 8,547

 

 

商品及び製品

3,949

4,786

 

 

仕掛品

995

1,032

 

 

原材料及び貯蔵品

902

951

 

 

関係会社短期貸付金

384

564

 

 

前払費用

150

168

 

 

未収入金

※2 127

※2 378

 

 

その他

49

26

 

 

貸倒引当金

1

1

 

 

流動資産合計

30,941

33,645

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

※1 5,446

※1 5,182

 

 

 

構築物

841

818

 

 

 

機械及び装置

4,460

4,059

 

 

 

車両運搬具

15

25

 

 

 

工具、器具及び備品

316

366

 

 

 

土地

※1 2,054

※1 2,006

 

 

 

リース資産

71

39

 

 

 

建設仮勘定

840

2,783

 

 

 

有形固定資産合計

14,046

15,281

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

1,241

1,209

 

 

 

その他

22

15

 

 

 

無形固定資産合計

1,264

1,225

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

1,271

1,239

 

 

 

関係会社株式

436

436

 

 

 

関係会社長期貸付金

1,194

1,395

 

 

 

繰延税金資産

1,029

1,044

 

 

 

差入保証金

201

202

 

 

 

長期前払費用

111

86

 

 

 

前払年金費用

55

109

 

 

 

その他

0

0

 

 

 

投資その他の資産合計

4,301

4,513

 

 

固定資産合計

19,611

21,020

 

資産合計

50,552

54,665

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形

24

14

 

 

電子記録債務

※2 5,456

※2 6,876

 

 

買掛金

※2 2,307

※2 2,205

 

 

リース債務

17

9

 

 

未払金

537

510

 

 

未払費用

※2 844

※2 866

 

 

未払法人税等

538

537

 

 

契約負債

17

19

 

 

預り金

210

45

 

 

賞与引当金

739

777

 

 

役員賞与引当金

30

18

 

 

営業外電子記録債務

281

1,895

 

 

返金負債

817

882

 

 

その他

0

3

 

 

流動負債合計

11,823

14,663

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

※1 2,000

※1 2,000

 

 

リース債務

14

8

 

 

退職給付引当金

2,595

2,642

 

 

役員退職慰労引当金

2

1

 

 

株式給付引当金

-

5

 

 

長期預り保証金

2,985

2,989

 

 

資産除去債務

479

482

 

 

固定負債合計

8,077

8,130

 

負債合計

19,901

22,793

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

5,451

5,451

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

4,186

4,186

 

 

 

資本剰余金合計

4,186

4,186

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

744

744

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

別途積立金

15,754

16,754

 

 

 

 

固定資産圧縮積立金

※4 398

※4 361

 

 

 

 

繰越利益剰余金

3,898

4,352

 

 

 

利益剰余金合計

20,795

22,212

 

 

自己株式

15

203

 

 

株主資本合計

30,418

31,647

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

233

223

 

 

評価・換算差額等合計

233

223

 

純資産合計

30,651

31,871

負債純資産合計

50,552

54,665

 

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 41,331

※1 43,077

売上原価

 

 

 

製品売上原価

 

 

 

 

製品期首棚卸高

1,931

2,241

 

 

当期製品製造原価

18,433

20,254

 

 

合計

20,365

22,495

 

 

製品期末棚卸高

2,241

2,830

 

 

製品他勘定振替高

※2 91

※2 35

 

 

製品売上原価

18,032

19,630

 

商品売上原価

 

 

 

 

商品期首棚卸高

1,678

1,708

 

 

当期商品仕入高

11,572

12,341

 

 

合計

13,251

14,049

 

 

商品期末棚卸高

1,708

1,956

 

 

商品他勘定振替高

※2 166

※2 55

 

 

商品売上原価

11,377

12,037

 

売上原価合計

※1 29,409

※1 31,667

売上総利益

11,922

11,409

販売費及び一般管理費

※1,※3 10,207

※1,※3 10,560

営業利益

1,714

849

営業外収益

 

 

 

受取利息及び受取配当金

233

209

 

受取賃貸料

117

117

 

為替差益

43

61

 

その他

40

76

 

営業外収益合計

※1 434

※1 465

営業外費用

 

 

 

支払利息

37

37

 

支払手数料

0

1

 

貸与資産減価償却費

14

14

 

固定資産除却損

5

15

 

固定資産撤去費用

20

66

 

その他

26

23

 

営業外費用合計

※1 105

※1 157

経常利益

2,043

1,157

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

-

※4 1,629

 

特別利益合計

-

1,629

税引前当期純利益

2,043

2,786

法人税、住民税及び事業税

584

759

法人税等調整額

22

11

法人税等合計

561

748

当期純利益

1,481

2,038