横浜ゴム株式会社
(注) 1 国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2 売上収益には、消費税等は含まれておりません。
3 上記金額は、百万円未満を四捨五入して表示しております。
4 第146期に、ハマタイト事業を非継続事業に分類しました。これに伴い、第145期の売上収益、税引前利益は
非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております。
(注) 1 売上高には、消費税等は含まれておりません。
2 最高及び最低株価は、東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
3 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を第144期の期首から適用しております。これに伴い、第143期については遡及適用後の数値を表示しております。
当社グループ(当社及び関係会社)は、当社及び子会社117社、関連会社33社で構成され、当社グループが営んでいる主な事業の内容と事業を構成している各関係会社の当該事業における位置づけは次のとおりであります。
なお、以下の3事業は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に掲げるセグメント情報におけるセグメントの区分と同一であります。
事業の系統図は、次のとおりであります。

(注) その他の会社は、主にグループ内におけるサービスの提供、持株会社機能等を有しております。
(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報の名称を記載しております。
2 その他の連結子会社36社は、タイヤ販売子会社の出資子会社等で小規模な会社であります。
3 上記のうち、㈱ヨコハマタイヤジャパン、Yokohama Tire Corporation、Yokohama Corporation of North America、Yokohama Tire Philippines,Inc.、杭州優科豪馬輪胎有限公司、Yokohama Tire Manufacturing (Thailand) Co.,Ltd.、優科豪馬橡胶有限公司、LLC Yokohama R.P.Z.、蘇州優科豪馬輪胎有限公司、Yokohama Tire Manufacturing Mississippi LLC.、Yokohama Tire Manufacturing Virginia LLC.、Yokohama Industries Americas Inc.、Yokohama India Private Limited、杭州優科豪馬橡胶制品有限公司、Alliance Tire Company Ltd.、ヨコハマ・オフハイウェイタイヤ㈱は特定子会社であります。
4 有価証券届出書または有価証券報告書を提出している会社はありません。
5 ※1:持分は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としたものであります。
6 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
7 ㈱ヨコハマタイヤジャパン及びYokohama Tire Corporationについては、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。
8 ヨコハマ・オフハイウェイタイヤ㈱につきましては、本社所在地が神奈川県平塚市へ予定です。なお、本移転に関する登記は2023年4月中旬以降に完了する予定です。
主要な損益情報等
㈱ヨコハマタイヤジャパン
(1) 売上収益 152,861百万円
(2) 税引前利益 2,217百万円
(3) 当期利益 1,535百万円
(4) 資本合計 7,182百万円
(5) 資産合計 90,599百万円
Yokohama Tire Corporation
(1) 売上収益 162,933百万円
(2) 税引前利益 7,501百万円
(3) 当期利益 5,362百万円
(4) 資本合計 75,028百万円
(5) 資産合計 157,287百万円
(2022年12月31日現在)
(注)1.従業員数は、当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。
2.従来、事業セグメントとしていた「タイヤ」「MB」「ATG」のうち、「ATG」につきまして、当期より「タイヤ」に集約いたしました。
(2022年12月31日現在)
(注) 1 従業員数は、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
3 臨時従業員には、季節工及びパートタイマーを含み、派遣社員を除いております。
4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
当社には1946年に結成された労働組合があり、ユニオン・ショップ制で、主に全日本ゴム産業労働組合総連合を上部団体としております。
2022年12月末現在の組合員数は 4,978名であります。組合とは円満に労使間協調を保っております。
なお、組合組織をもつ連結子会社が一部ありますが、労使関係は良好であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループでは、以下を経営方針とし、基本理念である「心と技術をこめたモノづくりにより幸せと豊かさに貢献します」の実現を目指しております。
・技術の先端に挑戦し、新しい価値を創り出す
・独自の領域を切り拓き、事業の広がりを追求する
・人を大切にし、人を磨き、人が活躍する場をつくる
・社会に対する公正さと、環境との調和を大切にする
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは、2023年度までの中期経営計画において以下の財務目標の達成に向けて取り組んで参ります。
(3) 経営環境及び経営戦略・対処すべき課題
当社グループは、2021年から2023年までの3カ年計画として、中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」の取り組みを2021年度より開始しており、2022年度は中間年となります。
既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し、次世代の成長に向けた「変革」を図ることを、Yokohama Transformation 2023の位置づけとしております。
各分野での戦略と取り組み内容は、次の通りです。
■タイヤ消費財事業
高付加価値商品の主力であるグローバルフラッグシップタイヤブランド「ADVAN(アドバン)」、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」、そして「ウィンタータイヤ」の販売比率の最大化をテーマに掲げ、①ADVANと GEOLANDARの新車装着の拡大、②補修市場でのリターン販売強化とウィンタータイヤを含む商品のサイズラインアップ拡充、③各地域の市場動向に沿った商品の販売を強化する「商品・地域事業戦略」に取り組んでおります。
2022年度は、LEXUS「RX」、トヨタ自動車「bZ4X」や、日産自動車「フェアレディZ」 に「ADVAN」が、LEXUS「LX」に「GEOLANDAR」が装着されました。補修市場においては、2022年度を「ヨコハマ夏の陣」と位置付け、「ADVAN Sport V107」、「ADVAN NEOVA AD09」、また「BluEarth-RV RV03」を新規に発売し、拡販に努めました。その結果、2022年度の高付加価値品比率は42%となり、「ADVAN」「GEOLANDAR」「WINTER」そして18インチ以上についても、2021年度を上回る販売伸張となりました。
■タイヤ生産財事業
CASE、MaaSなど大きな市場変化の取り込みとして新たな提供価値を「探索」し、4つのテーマに取り組んでいます。またOHT(オフハイウェイタイヤ)事業、TBR(トラック・バス用タイヤ)事業の強化に取り組んでいます。
①コスト:
市場の変化に伴うコスト低減への要求の高まりを見越し、インドの乗用車用タイヤ工場を「横浜ゴムグループで最も安くタイヤを作る工場」と位置づけ低コストモデルの確立を目指します。
②サービス:
車両保有の法人化の進展を見越し、タイヤ単体ではなくサービスのセット提供を推進するため、全国の販売・物流ネットワークを活用しサービスカーの導入を拡大することによりサービス体制の強化を進めております。
③DX:
先進タイヤセンサー開発を加速化し、機能の追加に従い段階的にサービスや顧客を拡大していくことで、新たな付加価値サービスを創出するため、かねてよりT.M.S(タイヤマネジメントシステム)による輸送ビジネスのサポートと、乗用車向けTPRS(Tire air Pressure Remote access System)の実証実験によるビジネスモデルの検証を進めてまいりました。
④商品ラインアップ:
運輸・物流業界では車両の電動化・無人運転に伴い、運行距離や使用状況に応じて多様な品種のタイヤが求められることが予想されます。この物流の変革に向け、当社の強みである幅広い商品ラインアップをさらに拡充し、市場での優位性を確立します。
OHT事業:「さらなる成長ドライバー」として強化
2021年に「Yokohama Off-Highway Tires」の名のもと、グローバルでの事業統合を行ったOHT事業では、北米など各販路でコスト優位性を生かした増販を行い、厳しい環境の中、2022年度も継続して成長することができました。また、2022年8月より、ヴィシャカパトナム新工場での生産を開始いたしました。なお、2022年3月25日に、 スウェーデンに本社を置くTrelleborg ABと、Trelleborg Wheel Systems Holding ABの全株式を取得することで合意しております。また、競争法に基づく事前承認が必要となる各国・地域での承認の取得が全て完了しました。引き続き、予定している2023 年上期の買収完了に向けて必要な手続きを進めて参ります。
TBR事業:成長に向けた事業基盤の強化
三重工場では、旺盛な需要対応のため、増産投資を行いました。また、米国ミシシッピ工場の安定供給の確保に
努め、2022年度の生産量は、過去最高となり、YX2023で策定した中期生産計画を達成することが出来ました。な
お、ミシシッピ工場は、足元での改善を織り込んだ上で、2025年度にフル生産を達成することを目標としており
ます。
■MB事業
MB事業では「成長性・安定性の高いポートフォリオへの変革」をテーマに掲げ、強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中してMB事業の成長を牽引し、安定収益を確保できる体制の構築に取り組んでいます。2022年度は、ホース配管事業では、自動車用の生産体制再編を米国とメキシコで進め、油圧用では中国工場での増産投資に続き、茨城工場の増産投資を決定しました。工業資材事業では、国内販売を強化し、標準在庫品のラインナップ拡充などに取り組みました。今後、更なるシェア最大化に向け、平塚製造所の生産能力増強を進めていきます。また、航空部品事業は工業資材事業との事業統合を2022年3月に行い、リソースを集中することで安定した収益を確保することを目指す構造改革を推進しました。
■経営基盤
「人事戦略」は人事制度の変革による経営・管理職層のレベル強化や環境変化に迅速に対応できる強い組織作り、従業員の働き方改革などを推進しております。その一環として、2023年3月に本社・平塚製造所の統合を予定しております。「ESG経営」については、「未来への思いやり」をCSRスローガンとし、様々な取り組みを推進しております。カーボンニュートラルについては、2030年に38%削減、2050年にネットゼロとすることを目標に設定しており、2022年度は新城南工場のカーボンニュートラルモデル工場化に着手しました。サーキュラーエコノミーについては、中期目標として2030年に再生可能/リサイクル原料の使用率30%、長期目標としては2050年にサステナブル原料100%を目指しており、2022年度はサステナブル素材を活用したタイヤの実用化に向けた取り組みや、YOKOHAMA千年の杜活動を通じたネイチャーポジティブの取り組みを進めました。今後も環境に配慮した製品の提供に努めるとともに、カーボンニュートラルを達成する取り組みや地域社会に根差した支援活動を推進してまいります。
また、引き続きコーポレートガバナンスのさらなる強化と安心・安全で働きやすい職場作りを目指します。なお、コーポレートガバナンスの強化の取り組みとして、取締役会の監督機能の強化と経営の意思決定の迅速化のため、監査等委員会設置会社へ移行いたします。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは下記のようなものがあります。なお、文中における将来等に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経済状況
当社グループの全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める自動車用タイヤの需要は当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本、北米、欧州、アジアなどの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、競業他社との販売競争激化による市場シェアダウン及び価格競争の熾烈化による販売価格の下落も、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替レートの影響
当社グループは主として円建で一般商取引、投融資活動等を行っておりますが、米ドルその他の外国通貨建でもこれらの活動を行っております。今後一層の事業のグローバル化の進行に伴い、海外事業のウエイトが高まることが予想されます。したがって、従来以上に外国通貨建の一般商取引、投融資活動等が増加し、外国為替の変動により当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける度合いが大きくなります。為替予約の実施等、為替レートの変動によるリスクを最小限にとどめる努力を行っておりますが、当該リスクを完全に回避することはきわめて困難であります。
(3) 季節変動の影響
当社グループの業績は上半期と下半期を比較した場合、下半期の業績がよくなる傾向にあります。特に、寒冷地域で冬場の降雪時に使用する自動車用タイヤ(スタッドレスタイヤ)の販売が下半期に集中することが主な理由であります。従って、降雪時期の遅れや降雪量の減少等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料価格の影響
当社グループの製品の主要な原材料は、天然ゴム及び石油化学製品であります。従って、天然ゴム相場の大幅な上昇及び国際的な原油価格の高騰があった場合、当社製品の製造コストが影響を受ける可能性があります。これらの影響を最小限にとどめるべく各種対策を実施しておりますが、吸収できる範囲を超えた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 資金調達力及びコストの影響
当社グループは資金調達の安定性及び流動性の保持を重視した財務運営を行っておりますが、日本を含めた世界の主要な金融市場で混乱が発生した場合、計画通りに資金調達を行うことができない可能性があります。また、格付会社より当社グループの信用格付けが大幅に下げられた場合、資金調達が制約されるとともに調達コストが増加し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 有利子負債の影響
当社グループの総資産に占める有利子負債の割合は、約20.7%(2022年12月31日現在)であります。グループファイナンスの実施によりグループ資金の効率化を行うことで財務体質の改善に取り組んでおりますが、今後の金利動向によっては当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの一部の借入契約には財務制限条項が付されております。
(7) 保有有価証券の影響
当社グループが保有する市場性のある有価証券のうち日本株式への投資が大きな割合を占めております。従って、日本の株式市場の変動及び低迷等による有価証券評価損の計上等で、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 投資等に係る影響
当社グループは世界的な自動車用タイヤの需要に対応すべく、アジアを中心に生産拠点の拡大及び生産能力の増強のための投資を行っております。この投資により製品の品質向上を図るとともに需要増にも対応でき、当社グループの信頼を高め、シェアアップが期待できます。しかしながら、現地の法的規制や慣習等に起因する予測不能な事態が生じた場合、期待した成果を得ることができなくなるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) M&A、資本・業務提携による影響
当社グループは、さらなる成長の実現に向けた競争力強化のため、他社の買収や他社との資本・業務提携を行うことがあります。万一対象会社の業績が買収時の想定を下回る場合、または事業環境の変化や競合状況等により期待する成果が得られないと判断された場合にはのれん等の減損損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 退職給付債務
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は割引率、年金資産の期待運用収益率等の一定の前提条件に基づいて数理計算を行っております。実際の割引率、運用収益率等が前提条件と異なる場合、つまり、金利低下、年金資産の時価の下落、運用利回りの低下等があった場合や退職金制度、年金制度を変更した場合、将来の退職給付債務の増加により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 災害等の影響
当社グループは地震等の自然災害、疾病、戦争、テロに直接又は間接的に影響を受ける可能性があるため、各種対応策を検討し、計画的に実施しております。しかしながら、生産拠点及び原材料の主要な仕入先が所在する地域でこれら事象が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11-2) 感染症の大流行
当社グループは新型コロナウイルスなどの全世界的な感染症の流行に備え、従業員の安全と社内外への感染拡大抑止を第一に対策を講じておりますが、感染症の拡大や長期化の状況によっては、当社グループが事業を展開している国・地域における活動規制や企業活動の停滞等により、当社グループ全体の事業活動、業績、及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11-3) ウクライナ情勢
現下のウクライナ情勢により、ロシアの乗用車用タイヤ生産会社の生産については、状況を注視しながら判断する方針ですが、進展状況や対応によっては今後当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 知的財産権の影響
当社グループは技術ノウハウの蓄積と知的財産権の保護に努めておりますが、第三者の知的財産権の侵害を効果的に防止できないことがあります。また、当社グループの製品または技術が、第三者から知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、それが認められた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 製品の品質による影響
当社グループは、品質管理を経営の最重要課題とし、品質管理体制の万全を期しておりますが、製品の欠陥や不良を皆無にすることは困難であります。大規模なリコールや欠陥に起因する多額の損害賠償が起きた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 法律・規制・訴訟の影響
当社グループは、事業活動を行っている各国において、投資、貿易、為替管理、輸出管理、独占禁止、個人情報保護、環境保護など、当社グループが、展開している様々な事業に関連する法律や規制の適用を受けております。
将来において、国内外における新たな法律や規制の施行又は予期せぬ法律や規則の変更などにより、事業活動の制約やコストの上昇など当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これらの他、当社グループは国内外の事業活動に関連して、訴訟や各国当局による捜査・調査の対象となる可能性があります。重大な訴訟が提起された場合や、各国当局による捜査・調査が開始された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(注)1.事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
2.前連結会計年度の売上収益、事業利益、営業利益、税引前利益に関しましては、非継続事業を除いた継
続事業の金額を表示しております。
当期における当社グループをとり巻く環境は、国内では、原材料コストの増加により素材業種を中心に景況感が悪化しているものの、供給制約が緩和した自動車が復調しつつあるほか、世界的に堅調な設備投資を背景に輸出は緩やかに増加しつつあります。また、水際対策の緩和によるインバウンド需要の急回復などを受け、消費関連の景況感が大幅に改善しています。
一方、海外においては、米国はFRBによる政策金利の引き上げが続いているにもかかわらず、高水準の企業収益を背景に設備投資に底堅さが見られます。中国はゼロコロナ政策を12月に緩和したものの、ほぼ通年で継続したことから景気悪化に歯止めがかからないままでした。欧州は、ウクライナ情勢に改善の兆しがみられない中、高インフレが持続しエネルギー価格の高止まりは長期化が見込まれます。
こうした状況の中、当社グループは、既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し、次世代の成長に向けた「変革」を図ることを位置づけた中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」に取り組んでおり、当期の連結売上収益は、8,604億77百万円(前期比28.3%増)、利益面では、連結事業利益は700億89百万円(前期比12.8%増)、連結営業利益は688億51百万円(前期比17.7%減)、また、親会社の所有者に帰属する当期利益は459億18百万円(前期比29.9%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
①タイヤ
売上収益は7,543億9百万円(前期比30.6%増)で、当社グループの連結売上収益の87.7%を占めており、事業利益は668億43百万円(同16.8%増)となりました。
新車用タイヤは、世界的な半導体不足による生産調整の影響や中国でのロックダウンの影響を受けたものの、自動車メーカーの挽回生産および北米での新規車種獲得などに加え、円安も寄与し、売上収益は前期を上回りました。
市販用タイヤは、日本では2022年年初の降雪により国内で冬用タイヤの販売が好調に推移したほか、海外で高付加価値商品の拡販に努めた結果、北米や中国、アジア地域でも販売を伸ばし、売上収益は前期を上回りました。
YOHTは、北米など各販路でインドを生産拠点とするコスト優位性を活かした拡販や、値上げの浸透に努めた結果、売上収益、事業利益は過去最高となりました。
②MB(MB:マルチプル・ビジネスの略)
売上収益は962億48百万円(前期比14.0%増)で、当社グループの連結売上収益の11.2%を占めており、事業利益は39億65百万円(同4.9%増)となりました。
ホース配管事業は、北米で自動車の生産が回復したほか、国内では建機向けを中心とした油圧ホース販売が底堅く推移し、売上収益は前期を上回りました。
工業資材事業は、コンベヤベルトの国内販売が前期を大きく上回り、また航空部品も民間航空機向けの補用品需要が回復したことにより、売上収益は前期を上回りました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,660億88百万円増加し、11,510億76百万円となりました。
流動資産は棚卸資産の増加等により、5,039億80百万円(前期比31.4%増)となりました。非流動資産は投資有価証券の増加等により、6,470億97百万円(前期比7.6%増)となりました。
流動負債は仕入債務の増加等により、2,945億8百万円(前期比21.4%増)となりました。非流動負債は長期借入金の返済等により、2,334億47百万円(前期比11.4%増)となりました。
資本合計は親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により6,231億21百万円(前期比16.9%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて330億49百万円増加し、755億72百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、392億31百万円(前連結会計年度比290億72百万円の収入減少)となりました。
これは主として、税引前利益716億22百万円、減価償却費499億14百万円、棚卸資産の増加額476億82百万円、法人税等の支払額284億44百万円の計上等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、463億57百万円(前連結会計年度比418億78百万円の支出増加)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出543億78百万円、投資有価証券の売却による収入73億40百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、351億72百万円(前連結会計年度は551億95百万円の支出)となりました。
これは主として、長期借入金による収入135億24百万円、社債の償還による支出120億円、社債発行による収入300億円等であります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
(4)生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格を基礎として算出しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、ごく一部を除いてすべて見込生産であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は以下のとおりであります。
(のれんの償却停止)
日本基準では、のれんの償却については償却年数を見積り、その年数で均等償却を行っておりましたが、IFRSではIFRS移行日以降、償却せず毎期減損テストを行っております。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、「販売費及び一般管理費」が5,132百万円減少しております。
(表示組替)
日本基準において、「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」、「特別損失」として表示していた項目を、IFRSでは財務関連損益については「金融収益」及び「金融費用」として表示し、それ以外の項目については、「その他の収益」、「その他の費用」として表示しております。
(6)重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の判断、見積り及び仮定は、「第5.経理の状況 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
該当する事項はありません。
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。
(注)帳簿価額のうち「その他」は、工具・器具・備品、使用権資産及び建設仮勘定の合計です。
なお、金額には消費税等を含んでおりません。
該当する事項はありません。
該当する事項はありません。
(注)1 株式併合(当社普通株式2株を1株の割合で併合)によるものであります。
(2022年12月31日現在)
(注) 1 自己株式 8,851,231株は、「個人その他」に 88,512単元、「単元未満株式の状況」に 31株含まれております。
2 上記「その他の法人」には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が1単元含まれております。
(2022年12月31日現在)
(注)1 上記のほか、当社所有の自己株式が 8,851千株あります。
2 2021年5月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(株式会社三菱UFJ銀行他)が2021年4月26日現在で以下の株式を保有している旨、2023年1月10日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、三井住友信託銀行株式会社他が2022年12月30日現在で以下の株式を保有している旨、また、2022年12月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、野村證券株式会社他が2022年11月30日現在で以下の株式を保有している旨がそれぞれ記載されているものの、当社として2022年12月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書(変更報告書)の内容は以下のとおりであります。
3 2023年1月11日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、株式会社みずほ銀行他が2022年12月30日現在で以下の株式を保有している旨が記載されているものの、当社として2022年12月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は株主名簿上の所有株式数に基づき記載しております。
なお、大量保有報告書(変更報告書)の内容は以下のとおりであります。