オカモト株式会社
(注) 1 第123期、第124期、第125期、第126期及び第127期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2 2018年10月1日付で普通株式5株につき普通株式1株の割合で株式併合を行っております。第123期の期首に当該株式併合が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準29号 2020年3月31日)等を第126期の期首から適用しており、第126期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準を適用した後の指標等となっております。
(注) 1 第123期、第124期、第125期、第126期及び第127期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2 2018年10月1日付で普通株式5株につき普通株式1株の割合で株式併合を行っております。第123期の期首に当該株式併合が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
3 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。なお、第123期の株価については株式併合後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式併合前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しております。
4 第123期の1株当たり配当額には、創立85周年記念配当25.00円(期末配当25.00円)が含まれております。
5 第123期の1株当たり配当額85.00円は、中間配当額10.00円と期末配当額75.00円(記念配当25.00円含む)の合計となっております。なお、2018年10月1日付で普通株式5株につき普通株式1株の割合で株式併合を行っており、中間配当額10.00円は株式併合前の配当額、期末配当額75.00円は株式併合後の配当額となっております。
6 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準29号 2020年3月31日)等を第126期の期首から適用しており、第126期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準を適用した後の指標等となっております。
当社及び当社の関係会社(子会社23社及び関連会社1社(2023年3月31日現在))においては、産業用製品(主要製品:プラスチックフイルム、壁紙、自動車内装材、産業資材)と生活用品(主要製品:医療・日用品、シューズ、衣料・スポーツ用品)の製造及び販売を主な内容として密接な相互協力のもと、活動を展開しております。
事業内容の当社と関係会社の位置付けは、次のとおりであります。
なお、事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一のものであります。
〔事業系統図〕
事業の系統図は、次のとおりであります。

(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2 有価証券報告書の提出会社であります。
3 Okamoto North America,Inc.及びOkamoto Sandusky Manufacturing,LLCは特定子会社であります。
4 「議決権の所有〔被所有〕割合」欄の( )内数字は間接所有割合(内数)であります。
5 2023年4月1日付で、当社を存続会社として、世界長ユニオン株式會社を吸収合併いたしました。
6 Okamoto Sandusky Manufacturing,LLCについては、売上高(連結会社相互間の内部取引高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
3 臨時従業員には、季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
4 全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員であります。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
3 臨時従業員には、季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
5 全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員であります。
組合名:オカモト労働組合(日本ゴム産業労働組合連合)
組合員数:978名(2023年3月31日現在の人数であり、出向者を含んでおります。)
(労使関係について、特に記載すべき事項はありません。)
なお、連結子会社である世界長ユニオン㈱の労働組合は日本ゴム産業労働組合連合に所属し、理研コランダム㈱の労働組合は日本化学エネルギー産業労働組合連合会に所属しております。
また、それ以外の連結子会社には労働組合は組織されておりません。
①提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金割合を示しております。なお、賃金の基準は性別に関係なく同一であり、等級別人員構成の差によるものであります。賃金は、基本給、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
②連結子会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金割合を示しております。なお、賃金の基準は性別に関係なく同一であり、等級別人員構成の差によるものであります。賃金は、基本給、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社は「創意あふれる技術を結集して、健康的で快適な人間生活に寄与する商品をつくり出し、当社に関係するすべての人々により大きな満足を与えることをめざす」ことを企業使命とし、以下の事項を経営理念に据え、グループの総力を尽くしてこれらを実現させながら企業価値の増大を図るとともに、結果としてお客様、株主、従業員、その他のステークホルダーの信頼を得て、経済・社会の発展に貢献してまいります。
1 法令(行政上の通達・指針等を含む)、就業規則及び企業倫理を遵守する。
2 独自の技術を基盤に人々の生活に役立つ商品を多面的、積極的に開発し提供していく。
3 高品質を徹底して追求することによってオリジナルブランド「オカモト」への信頼感を高め、国内・国際市場で強い競争力を維持していく。
4 可能なかぎりの合理化努力を続け、つねにユーザーやお客様に歓迎されるよい仕事を継続する。
5 社内においては、協調を旨とし、全員一丸となって生き甲斐と潤いのある職場環境を創造していく。
当社はROE(株主資本利益率:当期利益/株主資本)を世間一般の要求水準とされている8%以上とすることを目標としております。過去の株価等の市場データに基づき、CAPM(資本資産評価モデル)により推計される当社の株主資本コストはこれを下回る水準ですが、中長期的に株主資本コストを上回るリターンを継続することによって企業価値の増大を目指してまいります。
当社グループは、原油価格や為替の変動及び海外発の不安が引き続きリスクとなっておりますが、上記の経営方針のもと更なる成長と事業基盤の拡大に努めるため、次の課題に重点的に取り組んでまいります。
① 産業用製品事業及び生活用品事業それぞれにおいて、事業の継承や経営権の取得等を通じて事業の多角化を進めてまいりましたが、これら事業及びグループ企業における生産面及び販売面での一層の相乗効果を出し、グループ全体の売上及び利益の向上を目指す。
② 原油価格や為替の変動等により事業環境が変動しても、固定費・経費の圧縮等を更に進め、確たる利益を継続的に計上できる体質を強化する。
③ 競争力のある高付加価値の新製品を市場に投入していくため、研究開発力の維持・向上を図るとともに、研究開発センターを中心に長年培ってきた技術を生かして製造コストの削減を継続的に行い、製造期間の短縮・品質の向上等モノづくりの強化に努め、さらに、資材調達から物流までのサプライチェーンの最適化及び強化を進め、コスト競争力の向上を図る。
④ ISO14001認証の企業グループとして、省資源の促進及び廃棄物の削減による環境負荷低減活動を進めるとともに、ユーザーが要望する環境対応商品の開発及び上市を進め、また、コンドーム業界のリーディング・カンパニーとして、HIV/AIDSをはじめとするSTI(性感染症)予防啓発活動を積極的に展開し、環境問題や社会的要請への取り組みを強化し、もってサステナビリティ(持続可能な社会)の実現を目指す。
⑤ 品質の追求と顧客ニーズに合致した製品開発により他社との差別化を図り、オカモトのブランド力を高め、中長期的に市場競争力を維持する。
⑥ 製造現場での再生可能エネルギーの積極的な活用とさらなる省エネを推進し、また生産性をさらに改善させるための設備投資により廃棄物を削減し、太陽光発電事業についても維持発展させることにより持続可能な成長を図ってまいります。
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症による厳しい行動制限が徐々に緩和され、社会経済活動の正常化が進んでおります。また、各種催事の復活が相次いだことで、人出が増加し、外食、旅行などを中心とした個人消費が持ち直したことに加え、各国の行動規制緩和を受けインバウンド需要も戻りつつあり、景気は緩やかに回復基調にあります。しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う資源・原材料やエネルギー価格の高騰、円安による輸入品価格の上昇、市況悪化による生産数量の減少や多品種少量生産による生産性の悪化に起因する原価率のアップや利益率の低下という事態に直面しております。
これらに対応することが当社グループの喫緊の課題であり、当社が掲げる「身近な暮らしを科学する」の下、以下の取り組みを推進してまいります。
産業用製品事業においては、主力であるプラスチック製品は、従来からの市場構造やサプライチェーンの変革期にあるうえ、世界レベルでの温室効果ガス削減の動きを踏まえた「脱プラスチック」の影響も重なり、社会的にも3R(Reduce、Reuse、Recycle)の推進が求められておりますので、環境負荷に配慮した新素材の研究や新たな機能性・用途の開発等により細かなニーズの獲得に努めてまいります。また、自動車内装材及び建材関連製品は、半導体その他の部品の供給不足及び既存のサプライチェーンの見直し等により市況は不安定で、競争環境は激化しており、新製品の開発や積極的な販売戦略を展開してまいります。
生活用品事業においては、主力であるコンドーム市場は、各種の規制緩和に伴い訪日外国人によるインバウンド需要が戻りつつありますが、日本国内においては少子化の影響もあり、先行きが不透明な状況にありますので、国内では新商品の上市や店頭での積極的な販促活動を行い需要喚起を図り、また、国外では、引き続き技術力及びブランド力をより強化してシェア拡大に努めてまいります。また、その他の生活用品は、既存製品のブランド力の強化を図りながら、多様化する消費者のニーズを踏まえた新製品の開発と積極的な販売戦略に努めてまいります。
全社的には、サステナビリティを意識した経営体制を確立・推進するため、前期に「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。同委員会での活動を中心に、脱炭素社会の実現に向けたプラスチック製品使用削減の動きを踏まえて、全社を挙げて石化製品及びエネルギーの使用量の削減と産業廃棄物の削減に取り組むとともに、各既存工場での自然災害対策と岡山県井原市内での新工場・新倉庫の建設等によりサプライチェーンの強化を図り、また、引き続き少子高齢化を踏まえた人手不足に対応するため、省人化、業務の効率化のための設備投資を継続し生産効率のさらなる向上に取り組んでまいります。
また、株主のほか従業員・取引先・得意先・地域社会を含むすべてのステークホルダーの成長や幸福を実現するため、サプライチェーンの適正化や職場環境の改善に加え、地域社会との交流を継続的に行うことにより、企業としての社会的責任を果たすべく活動してまいります。
更に、幅広く株主の皆様の支持を得られるよう、資本コストを意識した経営に努め、生産性の向上や収益力の強化を図ることに加え、サステナブルな企業として中・長期的な視点での企業価値の向上を実現するため、各ステークホルダーとの協働・協調と、コンプライアンスやリスク管理体制の更なる充実を図り、より透明性の高い経営を行うとともに、それらに関する情報の積極的な開示に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 原材料価格高騰のリスク
当社グループの製品群の多くは、石油など一次産品をもとにした原材料を加工したものであり、ここ数年来の原材料価格の高騰に伴い、製品価格に転嫁が出来ないような景気動向が続く場合、営業利益への圧迫が懸念されます。
(2) 季節要因のリスク
当社グループの製品群には、カイロ、雨衣、除湿剤等の季節的要因、特に冷夏・暖冬、低降水量・低降雪量といった天候の影響を受けやすい製品があります。機動的な生産、在庫の最適化に努めておりますが、これらの季節的要因については予測が困難であるため、その変動によって当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 海外展開に伴うリスク
当社グループは、事業をグローバルに展開しておりますが、これに伴い以下の場合には当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
① 為替変動リスク
当社グループは外貨建取引を行っておりますが、それらは為替レート変動による影響を受けることがあります。為替予約等による相場変動のリスクヘッジを行っているものの、急激な為替レートの変動は、業績に影響を与える可能性があります。
② 地政学的リスク
当社グループではアジア及び北米地域に事業拠点を開設するとともに、グローバルに取引を展開しておりますが、昨今の国際情勢で経済格差が顕著な地域や一部には政治的な緊張感が高まっている地域があり、こうした地域で、政治変動・経済情勢の変化・法改正等により、著しい景気の悪化、労働力不足やストライキのほか、テロ、戦争などが発生した場合、当社グループの経営成績や財政状況などに影響を及ぼす可能性があります。
(4) 地震等自然災害及び感染症によるリスク
当社グループは、全社的に突発的な自然災害、不慮の事故の発生等に備えて、損害保険及び火災保険等により影響を最小限度に止めるよう努めておりますが、当社の産業用製品事業の中核を担う静岡工場は大規模地震発生の可能性を指摘されている地域に位置し、また、福島工場は「令和元年東日本台風」による浸水被害が発生した地域に位置しており、これらを含めた自然災害が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、感染症の発生及び拡大は、原材料の継続的な調達、生産体制の維持、市場への製品の安定供給やサプライチェーンに著しい支障をきたす場合があり、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、お客様、取引先及び従業員の安全を第一に考えるとともにさらなる感染拡大を防ぐため、出張制限やテレワーク等の勤務形態の見直し等を実施しながら事業活動への影響の低減に努めておりますが、今後事態が長期化又はさらなる感染拡大が進行した場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当該影響を現時点において合理的に算定することは困難であります。
(5) 気候変動に関するリスク
当社グループは、気候変動により気温上昇が進んだ場合に考えられる台風・集中豪雨等の異常気象や自然災害によって風水害の発生による工場等の復旧のためのコスト負担など経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、脱炭素社会に向けた各種規制の強化、炭素税の導入など移行時の環境変化により、今後の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 製品の品質によるリスク
当社グループは、品質管理を経営の重要課題とし、品質管理体制に万全を期しておりますが、予想を超える品質トラブルが発生すれば、売上の減少や企業ブランド価値の低下等経営成績や財政状態に支障をきたす懸念があります。
(7) 情報漏洩のリスク
当社グループは、事業活動において顧客等の個人や信用に関する情報を入手し、他企業等の情報を受け取ることがあります。これらの情報の秘密保持には細心の注意を払い、情報の漏洩が生じないよう最大限の管理に努めておりますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。この場合には、損害賠償等の多額な費用負担が発生して、事業活動やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。また、事業上の重要機密が第三者に不正流用されるおそれもあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法律・規制・訴訟等のリスク
当社グループは、事業活動を行っている各国において、展開している事業に関連する様々な法律や規制の適用を受けております。今後、国内外における予期せぬ法律や規制の変更、新たな法律や規制により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの国内外の事業活動に関連して、重要な訴訟等が提起された場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 固定資産の減損リスク
① 産業用製品事業の減損リスク
当社及び当社グループの産業用製品事業が有する固定資産は、固定資産全体の約37%であります。これら製品は主として、取引先の生産工程で使用されるなど事業者向けの製品であります。これらを生産する設備は事業者向けのため、製造設備の構造的規模あるいは投資金額が大きくなる傾向があり、短期的な回収より長期的な視点で設備投資を実施する場合があります。その場合、将来キャッシュ・フローを短期的に生成することが出来ず減損損失に至る場合があります。
② 生活用品事業の減損リスク
当社及び当社グループの生活用品事業が有する固定資産は、固定資産全体の約32%であります。当社及び当社グループの一部製品は、他社と競合する製品が多数あり、その年の事業環境あるいは販売動向等、市場での商圏変動や販売価格変動等が起こりやすい環境下にあります。これにより収益性の低下が生じた場合、減損損失の兆候を認識し将来キャッシュ・フローを生成することが出来なかった場合は減損損失に至る場合があります。
(10) 知的財産侵害に関するリスク
当社グループは、技術ノウハウの蓄積と知的財産権の保護に努めておりますが、第三者による知的財産権の侵害を効果的に防止できないことがあります。また、当社グループの製品又は技術が第三者の知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、その訴えが認められた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、年度末に向けて厳しい制限が徐々に緩和され、社会経済活動の正常化が進み、約3年ぶりとなる各種催事の復活が相次いだことで人出が増加し、外食、旅行などを中心とした個人消費が持ち直したことに加え、各国の行動規制緩和を受けたインバウンド需要により、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、一方で、中国市場の景気回復の遅れ、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う資源・原材料やエネルギー価格の高騰、円安による輸入品価格の上昇などによる物価の上昇もあり、依然として不透明な状況が続いております。
このような、いまだ先行きに不透明感の残る経営環境が続くなか、当社グループは、自動車業界及びフイルム業界等での一時的な需要回復に対応し機会損失を被らないための原材料の調達及び生産体制の構築と、コンドーム事業や家庭用品事業におけるシェア拡大のための新製品開発と供給能力の増強に努めるとともに、環境保全を意識したリサイクル事業の推進とエネルギー消費量の削減に努め、また、依然として予測困難な外部環境の急激な変化に対応し、資金の機動的な活用を実現するため、生産体制の見直しと生産効率の管理のより厳格化に努め、企業グループ全体において収益力の向上を図ってまいりました。
結果、当連結会計年度における売上高は99,076百万円(前年同期比10.6%増)となりました。利益面では、原材料及び電力価格の高騰の影響で営業利益は6,898百万円(前年同期比8.5%減)、経常利益は7,922百万円(前年同期比14.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,893百万円(前年同期比12.3%減)となりました。
a. 経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(産業用製品)
一般用フイルム及び産業用フイルムは、春先の需要が回復傾向となり売上増となりました。工業用フイルムは、サプライチェーンの混乱による市場在庫過多の影響により売上減となりました。建材用フイルムは、住宅需要の落込みによる影響がありましたが新規商権の取込みにより売上増となりました。多層フイルムは、工業材料用の需要低迷により売上減となりました。壁紙は、新規案件の受注及び価格改定の影響で売上増となりました。農業用フイルムは、価格改定と値上げ前の駆け込み需要により売上増となりました。自動車内装材は、各自動車メーカーの半導体不足解消に伴う増産計画は実現されませんでしたが、受注拡大により売上増となりました。フレキシブルコンテナは、石油化学向けの需要が増加し売上増となりました。粘着テープは、包装用テープの販売が堅調に推移し売上増となりました。工業テープは、精密機械用の受注が堅調に推移したため売上増となりました。食品衛生用品は、業務用ラップ及び小巻ラップは新規採用があり売上増となりましたが、手袋衛生用品は飲食店向けが徐々に回復の兆しですが売上前年並みとなりました。食品用吸水・脱水シートであるピチット製品は、外食関連は回復傾向ですが水産加工向けが漁獲高不安定の影響により売上前年並となりました。研磨布紙等は、機械工具商向け研磨布及び精密加工用フイルム製品が堅調に推移し、半導体向けの研磨材が伸長したことから売上増となりました。
以上により、当セグメントの売上高は64,083百万円(前年同期比12.1%増)、セグメント損失は5百万円(前年同期比100.3%減)となりました。
(生活用品)
コンドームは、訪日外国人によるインバウンド需要が戻りつつあり売上増となりました。浣腸は、主要卸店の受注減及び海外向けの出荷時期の変更の影響により売上前年並となりました。除湿剤は、3月に気温上昇により湿度が高まり店頭での販売が好転し売上増となりました。カイロは、年末年始の急激な気温低下と需要の増加により売上増となりました。手袋は、炊事用は拡販により堅調でしたが、医療用及び産業用が供給過多の影響で売上減となりました。メディカル製品のうち滅菌器は、特需の反動により販売台数減となりました。ブーツ及び雨衣は、ホームセンター等での消費者の購買意欲の低迷で店頭での販売が振るわず売上減となりました。シューズは、輸入品のサプライチェーンの混乱からの回復がみられ売上増となりました。
以上により、当セグメントの売上高は34,761百万円(前年同期比8.0%増)、セグメント利益は8,634百万円(前年同期比13.6%増)となりました。
(その他)
その他事業は、物流受託事業及び太陽光発電事業であります。
当セグメントの売上高(振替前)は3,443百万円(前年同期比3.1%減)、セグメント利益は312百万円(前年同期比10.5%増)となりました。
b. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は127,176百万円で、前連結会計年度末と比べ9,615百万円増加しております。
流動資産は78,364百万円で、前連結会計年度末と比べ5,337百万円の増加となりました。これは主として、売掛金1,904百万円、現金及び預金776百万円、原材料及び貯蔵品710百万円、電子記録債権699百万円、商品及び製品529百万円が増加したことによるものです。
固定資産は48,812百万円で、前連結会計年度末と比べ4,278百万円の増加となりました。これは主として、投資有価証券1,304百万円、長期性預金1,300百万円、土地810百万円、機械装置及び運搬具526百万円が増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における総負債は48,076百万円で、前連結会計年度末と比べ5,432百万円増加しております。
流動負債は36,330百万円で、前連結会計年度末と比べ5,533百万円の増加となりました。これは主として、支払手形及び買掛金3,460百万円、短期借入金663百万円、未払法人税等356百万円が増加したことによるものです。
固定負債は11,745百万円で、前連結会計年度末と比べ101百万円の減少となりました。これは主として、繰延税金負債が1,055百万円増加し、長期借入金が944百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は79,099百万円で、前連結会計年度末と比べ4,183百万円増加しております。これは主として、その他有価証券評価差額金2,112百万円、為替換算調整勘定1,671百万円、利益剰余金873百万円が増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ806百万円(2.5%)増加し、32,616百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、8,318百万円(前年同期比21.8%減)となりました。
増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益7,610百万円、仕入債務の増加による増加2,581百万円、減価償却費2,458百万円、減少の主な内訳は、法人税等の支払額2,132百万円、売上債権の増加による減少1,569百万円、棚卸資産の増加による減少1,118百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,892百万円(前年同期比22.9%減)となりました。
収入の主な内訳は、持分法の適用範囲の変更を伴う関連会社持分譲渡による収入2,273百万円、支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出3,788百万円、長期性預金の預入による支出1,300百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、5,611百万円(前年同期比46.6%増)となりました。
支出の主な内訳は、自己株式の取得による支出2,671百万円、配当金の支払額2,000百万円、長期借入金の返済による支出284百万円、短期借入金の純減額232百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの事業領域は、大きく産業用製品事業と生活用品事業に分かれ、その代表的な製品は、産業用製品事業ではプラスチックフイルム、壁紙、フレキシブルコンテナ、車輌内装材、粘着テープ、食品衛生用品、食品用脱水・吸水シート等であり、生活用品事業ではコンドーム、カイロ、除湿剤、メディカル製品、手袋、シューズ・雨衣等と多岐に亘ります。これらの事業は1934年の創業以来培ってきた素材の研究と高度な技術の追求、並びに会社の統合・合併・事業の譲受等による製造技術・ノウハウの吸収により、成長してまいりました。これらの事業を基盤として当社グループは環境にやさしい製品を世に送り出し、株主・顧客・取引先・地域社会・従業員などの様々のステークホルダーとの友好な関係の維持、発展に努めてまいりました。このような状況のなか、当連結会計年度における売上高は99,076百万円(前年同期比10.6%増)、在庫圧縮やコストダウンを継続してまいりましたが営業利益は、6,898百万円(前年同期比8.5%減)となりました。営業外損益は、為替レートの変動により169百万円の為替差損となりました。特別利益は、持分法適用会社の持分を譲渡したことにより、関係会社出資金譲渡益649百万円、為替換算調整勘定取崩益277百万円を計上しております。特別損失は、収益性の低下が生じ短期的な業績回復が見込まれないと判断した事業(農業用フイルム事業、カイロ事業、除湿剤事業、壁紙事業、フレキシブルコンテナ事業、ラップ事業、PPフイルム事業、シューズ事業及び研磨布紙事業)に関して減損損失を1,110百万円計上しております。これらにより、親会社株主に帰属する当期純利益4,893百万円(前年同期比12.3%減)となりました。
事業全体としては、新型コロナ感染症は、5類への移行で社会活動が回復しつつあります。また人出が増加し、訪日外国人も戻りつつあるため、それら仮定を定めた上で会計上の見積もりを実施しております。
経営成績については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 a.経営成績」に記載のとおりですが、産業用製品事業のうち特に車輌内装材は、新型コロナウイルス感染症による自動車メーカーの生産調整から回復傾向にありますが、サプライチェーンにおける部品の供給遅延などによる生産拠点の生産活動への影響が一部残っております。また、原材料やエネルギーコストの上昇が収益を圧迫しております。当該状況においても安定して収益を得られるように、より幅広い受注のための研究開発力の強化と、将来を見据えた営業体制の構築に努めてまいります。
生活用品事業のうち特にコンドームは、人出の増加やインバウンドが徐々に戻りつつあるため、コロナ前同様に安定して収益を得られるように、新製品販売や販売強化を国内及び国外で努めてまいります。なお、メディカル製品や衛生用品においては、円安の影響が継続し、先行き不透明ではありますが、値上げや拡販を行い収益の確保するよういたします。
今後、将来への成長をより加速・維持する経営を図るため、当社並びに連結子会社各社に至るまで収益の基盤を広げ、かつ強固なものとするため設備投資を進めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ806百万円(2.5%)増加し、32,616百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益は71百万円減少し7,610百万円の増加となりました。また売上債権の増加による減少1,569百万円(前年同期比3,169百万円減)、棚卸資産の増加による減少1,118百万円(前年同期比323百万円減)となりました。さらに、減価償却費2,458百万円(前年同期比31百万円増)、固定資産減損損失1,110百万円(前年同期比360百万円増)などにより、営業活動によるキャッシュ・フロー全体では8,318百万円の増加(前年同期比2,325百万円の収入減)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、将来の事業基盤となる設備投資を実施しており、投資活動によるキャッシュ・フロー全体では2,892百万円の支出(前年同期比859百万円の支出減)となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株主還元の充実及び資本効率の向上等を目的とした施策としての配当金の支払額2,000百万円、自己株式の取得2,671百万円により財務活動によるキャッシュ・フロー全体では5,611百万円の支出(前年同期比1,784百万円の支出増)となっております。
よって、これらにより当連結会計年度末においての現金及び現金同等物は32,616百万円となりました。
また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、円滑な事業活動に必要な流動性の確保を主眼とし、主として銀行等から長期借入金及び短期借入金にて資金調達を行っております。なお、現時点では借入れによる資金調達により一定程度手許資金が確保されている状況のため、社債等の資金調達手段は考えておりません。今後も今まで築いてきた金融機関等との良好な関係を確保しつつ、追加で資金が必要になった時点で最良の判断を行っていく考えであります。
さらに当社グループは、様々な事業を展開していることから戦略的に資源配分を行っていく方針であります。特にここ最近では、将来の事業基盤を支える事業に積極的に設備投資を実施しており、設備投資額も高水準となっております。今後も経済状況を鑑み、競争力を維持していくための資源配分を行う考えであります。また同時に、株主還元の充実を図るため配当及び自己株式の取得も併せて実施する考えであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社は、2022年12月16日開催の取締役会において、当社を存続会社として当社の完全子会社である世界長ユニオン株式會社を吸収合併することを決議し、2023年4月1日をもって吸収合併いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 2財務諸表等 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
2023年3月31日現在
(注) 1 現在休止中の主要な設備はありません。
2023年3月31日現在
(注) 1 現在休止中の主要な設備はありません。
2023年3月31日現在
(注) 1 現在休止中の主要な設備はありません。
①【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
(注) 1 株式併合(5:1)によるものであります。
2 自己株式の消却による減少であります。
3 2023年5月12日開催の取締役会決議により、2023年5月31日付で自己株式を消却し、発行済株式総数が500,000株減少しております。
2023年3月31日現在
(注) 1 自己株式988,563株は「個人その他」に9,885単元、「単元未満株式の状況」に63株含まれております。
2 「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の中には証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ16単元及び10株含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 1 上記のほか当社所有の自己株式988千株があります。
2 上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、次のとおりであります。
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、製品・サービス別に事業活動を展開しており、事業者向け製品の事業としての「産業用製品」と消費者向け製品の事業としての「生活用品」の2つの報告セグメントで構成されております。
「産業用製品」は主にプラスチック系樹脂を主原料とした製品群を加工事業者向けに販売している事業であり、「生活用品」は主に日用品や消耗財等を消費者向けに販売している事業であります。