ニッタ株式会社
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.1株当たり純資産額の算定に用いられた期末の普通株式の数及び1株当たり当期純利益の算定上の基礎となる普通株式の期中平均株式数は、その計算において控除する自己株式に、従業員持株会信託型ESOPが保有する当社株式を含めて算出しております。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第93期の期首から適用しており、第93期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.1株当たり純資産額の算定に用いられた期末の普通株式の数及び1株当たり当期純利益の算定上の基礎となる普通株式の期中平均株式数は、その計算において控除する自己株式に、従業員持株会信託型ESOPが保有する当社株式を含めて算出しております。
3.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第93期の期首から適用しており、第93期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
5.第92期の1株当たり配当額70円には、記念配当5円を含んでおります。
当社及び当社の関係会社(当社、子会社32社及び関連会社11社(当連結会計年度末日現在)により構成)においては、ベルト・ゴム製品、ホース・チューブ製品、化工品、その他産業用製品、不動産、経営指導を主たる事業としております。
各事業における当社及び主要関係会社の位置づけ等は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
事業の系統図は、次のとおりであります。

(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。
2 特定子会社に該当いたします。
3 米国法上のLimited Liability Companyであるため、資本金の概念と正確に一致するものがないことから資本金の額は記載しておりません。
4 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
5 ニッタ化工品(株)については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 ① 売上高 11,223百万円
② 経常利益 285 〃
③ 当期純利益 219 〃
④ 純資産額 3,836 〃
⑤ 総資産額 10,958 〃
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は少数のため省略しております。
2 不動産事業及び経営指導事業におきましては、専従者がいないためそれぞれ0名としております。
3 全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員数であります。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員数であります。
当社では、総合職・業務職で構成されたニッタ職員組合と技能職等で構成されたニッタ労働組合が組織されております。その他、北海道ニッタ㈱の従業員で構成されたニッタ労働組合が組織されております。
なお、組合員数は、2023年3月31日現在で合計830人であり、労使関係について特記すべき事項はありません。
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.当社は、職種別に賃金を定めており、男女別の賃金制度は設けておりません。
② 連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
現在、世界13の国と地域に展開するNITTAグループ(以下「当社グループ」といいます。)は、国や地域で異なるお客さまのご要望に、コツコツと応え続け、発明と改良の精神をもって、新たな顧客価値の創造に取り組んでいます。
当社グループは、2017年3月に新たな経営理念(以下「理念」といいます。)を制定しました。この理念においては、当社グループを取り巻くステークホルダーに対する当社グループの役割として[使命]、使命達成のために当社グループ社員が持つべき考え方として[価値観]、使命達成のために当社グループ社員が取るべき行動として[行動指針]を制定しております。この理念は、当社グループのあらゆる事業活動やサステナビリティに関する取り組みの判断基準となっており、この理念に基づき、グループ全体が一丸となり、真のグローバル企業として更なる価値創造に取り組んでまいります。

(2) 目標とする経営指標
当社グループは、いたずらに規模の拡大のみを求めることなく収益性重視の経営を基本とし、中長期的な経営戦略に基づき、経営指標について目標値を設定しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2022年3月期から2031年3月期の10年間を対象とする中長期経営計画『SHIFT2030』を策定し、全社一丸となってその達成に向けた取り組みを開始しました。
10年後のあるべき姿として、「ものづくりを核としたシフトイノベーター」と定め、それを達成するための3大SHIFTとして、①成長へのSHIFT、②企業価値向上へのSHIFT、③更なるグローバル化へのSHIFT、に取り組んでまいります。
2021年4月からスタートした『SHIFT2030』フェーズ1(2022年3月期~2025年3月期)の定量目標は、売上高900億円、営業利益率5.0%、新製品売上高比率10.0%、海外売上高は2021年3月期比+30%としています。
『SHIFT2030』の概要は以下のとおりです。
1.あるべき姿
ものづくりを核としたシフトイノベーター
2.『SHIFT2030』の3大SHIFT
(1)成長へのSHIFT
・既存事業の持続的成長
・新事業の探索
・新製品開発の加速
(2)企業価値向上へのSHIFT
・品質及びトータルコスト競争力の向上
・コーポレートガバナンス、コンプライアンスの強化
・ESG推進とSDGsのGOAL達成
(3)更なるグローバル化へのSHIFT
・各事業の更なるグローバル展開
・コーポレート部門によるグローバルサポート強化
3.業績目標(連結)
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループの製品は、自動車業界や半導体業界、その他多様な業界で使用されており、その売上は様々な要因により増減いたします。それぞれの需要業界において対処すべき課題は以下の通りです。
自動車業界
自動車業界では、燃料タンク周りやエアブレーキ用のホース・チューブ製品の他、製造ラインにおける作業ロボットの先端ツールを容易に交換できるメカトロ製品などを製造販売しております。自動車業界向けの売上は、自動車メーカーからの新規プログラムの受注や、その生産台数により増減しますが、一旦受注したプログラムは3~5年単位で継続します。また、受注先は自動車メーカーの他、タンクメーカーなどのTier1の会社となります。当社グループは、常に新しいプログラムを受注すべく自動車メーカーやTier1の会社に対する受注活動を行っております。
また、環境問題に対する意識の高まりとともに脱炭素への動きが強くなり、電動車の比率が高まる事が予想されます。これにより現在当社グループが製造販売している製品の需要が減少する可能性があります。当社では、そのような状況に備え、自動車の軽量化や新エネルギーへの対応ニーズに応えるべく、常に新たな製品や用途の開発を進めております。
半導体業界
半導体業界では、半導体製造装置の部品としてホース・チューブ製品、半導体クリーンルーム向けの空調製品、電子部品製造時に使用される感温性粘着テープなどを製造販売しております。当社グループの売上は半導体業界市場の中でも、半導体製造装置メーカー向けの製品比率が高いため、半導体需要及びそれに伴う半導体メーカーの設備投資の増減により影響を受けます。その需要変動に対応するため、適切で安定的な供給体制を整える事が重要になっています。当社グループでは、需要先の発注計画だけではなく、社内や代理店の在庫等も注視し、常にお客様の要望に応えられる体制構築を目指しております。
その他の業界
自動車業界や半導体業界が主要な業界ですが、両方を合わせても当社グループ全体の売上の3割程度であると認識しています。その他の業界としては物流業界や土木業界、食品業界、衛生用品業界、鉄道業界などがあり、その他にも繊維機械、紙工機械、建設機械、工作機械、金融機械などの様々な機械の部品としても使用されているため、業界は多岐にわたっています。
そのため当社の業績は、一部業界の好不調による影響を受けにくく、全体としては安定したものとなっています。一方で、各業界に対する知識の不足や、対応する人的資本の分散が懸念され、当社グループ全体の成長が見通しにくくなることは課題でもあります。今後、事業ポートフォリオの見直しや、製品別損益、事業別RIOCなどの分析・改善を加速し、投下資本の効率的な運用を図るとともに成長分野への投資を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの企業価値の持続的向上、コンプライアンス推進並びにリスク管理を統括する機関として、取締役、監査役及び事業部長等が出席する「サステナビリティ推進委員会」、「コンプライアンス推進委員会」、「リスク管理委員会」を定期的に開催し、グループ全体のサステナビリティ、コンプライアンス並びにリスク管理に係る重要な事項について審議し、取締役会に定期的に報告しております。
(1) 当社グループは、中長期かつESGの観点から、地球環境の保全と社会の継続的な発展に貢献する事業活動を展開するため、「サステナビリティ推進委員会」内に「サステナビリティ推進部会」を設け、当社グループの企業価値の持続的向上を図る取り組みを推進しております。
(2) 当社グループの役員及び従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保する体制を整備、運用するために、「NITTAグループ行動憲章」を定めると共に、「コンプライアンス推進委員会」内に「コンプライアンス推進部会」を設け、役員及び従業員へのコンプライアンス教育・研修を推進しております。
(3) 当社グループ全体のリスク管理業務を担当する機関として、「リスク管理委員会」内に「リスク管理部会」を設置し、当社グループとしてのリスクの把握及び対策を推進しております。
(4) 不祥事の未然防止や早期発見を目的に、経営陣から独立した内部通報制度を設け、運用しております。
(5) 「品質・環境・労働安全衛生方針」に基づき、事業活動における品質、環境、労働安全衛生の継続的改善に取り組んでおります。
(6) 重大な損害を及ぼす恐れのある事故その他の事象が発生した場合には、初動対応を指揮命令する機関として、「危機管理本部」をすみやかに設置し、損害の拡大あるいは事業が継続できなくなるリスクに対応します。
(7) 適正な財務報告を確保するための体制を構築し、運用しております。
(8) 当社内部監査部門が定期的に当社グループの全社統制監査を実施し、当社監査役に報告しております。
リスク管理の体制図は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載の(会社の機関関係図)に記載の通りです。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく、現時点で予見できない又は重要とみなされないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループでは、このような経営及び事業リスクを最小化するために、様々な対応及び仕組みづくりを行ってまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や世界的な金融引き締めなどの影響で景気に下振れが見られ、また、原油をはじめとする資源・エネルギー価格の高騰が継続するなど、景気減速の懸念が高まる状況となりました。国内経済は、新型コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和により社会経済活動は正常化へと向かいましたが、資源・エネルギー価格の高騰や物価の上昇による消費の下振れ懸念や、堅調であった半導体需要の減少など、先行きの不透明感を払拭できない状況が続きました。
当社グループ製品の主要需要業界におきましては、これまで堅調に推移してきた半導体業界向けや物流業界向けは、設備投資の抑制などにより年度後半にかけて減速しました。一方、半導体不足等の影響を受け低調に推移していた自動車業界向けは、年度後半にかけて回復傾向となりました。
このような環境下、当社グループの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比42億6千5百万円増(5.1%増)の880億円となりました。
損益面では、原材料価格やエネルギー価格及び物流コストなどの上昇、また、コロナ禍からの営業活動再開に伴う販管費増加の影響もあり、営業利益は49億8千9百万円と前連結会計年度比3億4千7百万円の減益(6.5%減)となりました。
また、経常利益は、持分法適用会社の主要需要業界である半導体業界向けが概ね堅調に推移した反面、自動車業界向けが低調であったため、持分法による投資利益は減少しましたが、円安の影響で為替差益が増加した結果、129億円と前連結会計年度比2億9千2百万円の減益(2.2%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、108億5千3百万円と前連結会計年度比3億6千4百万円の増益(3.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ベルト・ゴム製品事業
主力のベルト製品(受注額154億6千5百万円、前期比23.7%減、当社単独ベース)、ゴム製品(受注額45億5千8百万円、前期比4.7%減、当社単独ベース)は、国内では、物流業界向けは概ね堅調でしたが年度後半にかけて減速傾向となりました。電子部品業界向けの感温性粘着テープが低調でした。海外では、繊維業界向け等のベルト製品が堅調でした。
ベルト・ゴム製品の生産規模は、143億4千4百万円(前期比0.1%増・販売価格ベース、当社単独ベース)となりました。
以上の結果、売上高は286億円と前連結会計年度比26億8千4百万円の増加(10.4%増)となりました。セグメント利益は、31億2千2百万円と前連結会計年度比5億3千2百万円の減少(14.6%減)となりました。
ホース・チューブ製品事業
ホース・チューブ製品(受注額225億9千8百万円、前期比1.4%減、当社単独ベース)は、国内では、半導体製造装置向けや建設機械向け製品が堅調に推移しました。自動車業界向け製品は半導体不足による生産調整等の影響を受けておりましたが、年度後半にかけて回復傾向となりました。海外では、アジア圏で建設機械向けホース製品が低調でしたが、EV車製造ライン向けのメカトロ製品や半導体製造装置向けチューブ製品が堅調に推移しました。
ホース・チューブ製品の生産規模は、231億3千3百万円(前期比0.3%減・販売価格ベース、当社単独ベース)となりました。
以上の結果、売上高は332億5千1百万円と前連結会計年度比11億3千8百万円の増加(3.5%増)となりました。セグメント利益は、9億3千5百万円と前連結会計年度比5億9千万円の減少(38.7%減)となりました。
化工品事業
化工品製品(受注額148億6千1百万円、前期比8.4%増、ニッタ化工品株式会社単独ベース)は、国内では、鉄道向けゴム製品が堅調に推移しましたが、土木業界向けの遮水製品等が低調でした。海外では、OA機器向けエラストマー製品や鉄道向けゴム製品が堅調に推移しました。
化工品製品の生産規模は、149億7千3百万円(前期比10.0%増、販売価格ベース、ニッタ化工品株式会社単独ベース)となりました。
以上の結果、売上高は115億9千7百万円と前連結会計年度比5億5千6百万円の減少(4.6%減)となりました。セグメント利益は、2億2百万円と前連結会計年度比2億8千7百万円の増加となりました。
その他産業用製品事業
空調製品(受注額42億3千2百万円、前期比3.6%増、当社単独ベース)は、半導体や電子部品、製薬業界等のクリーンルーム向けフィル他製品や測定器の需要が堅調でした。
以上の結果、売上高は104億4千9百万円と前連結会計年度比6億8千6百万円の増加(7.0%増)となりました。セグメント利益は、2億2千7百万円と前連結会計年度比4百万円の増加(1.8%増)となりました。
不動産事業
コロナ禍で減少していたテナント収入の回復などにより、売上高は8億3千7百万円と前連結会計年度比2千6百万円の増加(3.3%増)となりました。セグメント利益は、1億8千3百万円と前連結会計年度比4千万円の減少(18.0%減)となりました。
経営指導事業
経営指導の対象となる関連会社の業績が好調に推移した結果、売上高は19億6千8百万円と前連結会計年度比3億2千3百万円の増加(19.6%増)となりました。セグメント利益は、17億2千5百万円と前連結会計年度比2億6千7百万円の増加(18.4%増)となりました。
その他
自動車運転免許教習事業や北海道における山林事業等で構成されるその他の事業の売上高は、12億9千5百万円と前連結会計年度比3千6百万円の減少(2.8%減)となりましたが、セグメント利益は、1億5千8百万円と前連結会計年度比4千1百万円の増加(35.1%増)となりました。
当連結会計年度末における資産合計は1,583億8千5百万円となり、前連結会計年度末に比べて109億3千4百万円の増加となりました。流動資産は840億2千4百万円となり46億8千1百万円の増加となりました。主な要因は現金及び預金や棚卸資産が増加したことによるものです。
固定資産は743億6千万円となり62億5千3百万円増加しました。そのうち有形固定資産は259億5千2百万円と20億2千1百万円増加しました。無形固定資産は7億8千4百万円と1億6千5百万円の減少となりました。投資その他の資産は476億2千3百万円と、43億9千6百万円増加しました。
負債合計は289億3千5百万円と6億9千9百万円の増加となりました。純資産合計は1,294億5千万円となり102億3千5百万円の増加となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加や為替換算調整勘定が増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の80.3%から81.3%となりました。
期末発行済株式総数(自己株式控除後)に基づく1株当たり純資産は、前連結会計年度末の4,188.15円から4,623.35円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、354億3百万円(前連結会計年度末比45億3千1百万円の増加)となりました。各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、119億9千5百万円の収入(前連結会計年度比29億8千3百万円の収入増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益128億3千1百万円等があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、30億4千4百万円の支出(前連結会計年度比1億7千万円の支出増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出34億2千4百万円等があったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、49億6千8百万円の支出(前連結会計年度比16億1千万円の支出増)となりました。これは主に配当金の支払額32億7千7百万円、自己株式の取得による支出15億6千1百万円があったことによるものです。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であってもその容量、構造、形式等は、必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産、受注及び販売の状況については、各セグメントの業績に関連付けて示しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比42億6千5百万円増(5.1%増)の880億円となりました。主要な需要業界であります物流業界向けや半導体業界向けは、前連結会計年度から当連結会計年度の前半までは好調に推移していましたが、年度の後半にかけて減速傾向となりました。物流業界向けでは、主に欧米での需要が物流倉庫の設備投資抑制などの影響を受け減少し、半導体業界向けは旺盛であった需要の減速が影響しています。自動車業界向けは半導体不足等の影響を受け低調に推移していましたが、当連結会計年度の後半にかけて回復傾向となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ3億4千7百万円減少(6.5%減)し、49億8千9百万円となりました。原材料価格やエネルギー価格の上昇や、コロナ禍からの営業活動再開に伴う販管費増加の影響もあり、減益となりました。原材料価格の上昇に対して、販売価格への転嫁を進めていますが、原材料価格の上昇額を吸収するだけの転嫁は進んでいません。
(持分法による投資利益)
当社グループの持分法適用会社には、ゲイツ・ユニッタ・アジア㈱グループと、ニッタ・デュポン㈱グループの2グループがあり、それぞれの主要需要業界は自動車業界と半導体業界となります。
ゲイツ・ユニッタ・アジア㈱グループは合弁契約に従って、日本を含むアジア地区で自動車メーカーや一般産業向けのタイミングベルト、テンショナー、プーリーなどの製造販売を行っております。ゲイツ・ユニッタ・アジア㈱グループの2022年度の業況は、中国でのロックダウンの影響などもあり減収となりました。
ニッタ・デュポン㈱グループは合弁契約に従って、日本及び海外の日系メーカーを中心に半導体研磨材料の製造販売を行っております。ニッタ・デュポン㈱グループの2022年度の業況は、旺盛な半導体需要を受け増収となりました。
上記の結果、当連結会計年度における持分法投資利益は、前連結会計年度に比べ3億7千6百万円減少し、68億9千4百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ2億9千2百万円減少(2.2%減)し、129億円となりました。前連結会計年度より持分法による投資利益は減少しましたが、円安により為替差益は増加しています。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ3億6千4百万円増加(3.5%増)し、108億5千3百万円となりました。前連結会計年度より減損損失の計上や法人税等が少なかったことが影響しています。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は1,583億8千5百万円となり、前連結会計年度末に比べて109億3千4百万円の増加となりました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の増加による現金及び預金の増加や棚卸資産の増加、持分法適用会社の評価により投資有価証券が増加したこと等によるものです。
(負債)
負債合計は289億3千5百万円と6億9千9百万円の増加となりました。繰延税金負債や退職給付に係る負債の増加によるものです。
(純資産)
純資産合計は1,294億5千万円と102億3千5百万円の増加となり、自己資本比率は81.3%となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ① 財政状態及び経営成績の状況 (i)経営成績」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは119億9千5百万円であり、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を354億3百万円保有しております。
営業活動上の運転資金、設備投資、研究開発のための資金及び配当支払など、主に短期的に資金需要を満たすための資金は、原則として営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、M&A等の巨額の資金需要に対応する場合は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保及び財務の健全性・安定性を維持するため、自己資金もしくは銀行等から資金調達を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、また自己資本比率やROEといった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。
株主還元の考え方
当社では、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置づけ、企業体質の強化・充実を図りつつ、業績に応じた適正な利益配分を行うことを「基本方針」としております。また、中長期経営計画『SHIFT2030』のフェーズ1(2022年3月期~2025年3月期)の期間における配当方針は、この「基本方針」を維持しつつ、連結配当性向30%を目安に、安定的且つ着実な配当を継続的に実施する事で、株主の皆様のご期待にお応えしてまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用する事が必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じた合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。
2023年3月31日現在
(注) 1 建設仮勘定は含めておりません。
2 奈良工場には、ゲイツ・ユニッタ・アジア㈱(関連会社)に貸与中の建物及び構築物296百万円を含んでおります。
(2) 国内子会社
2023年3月31日現在
(注) 1 建設仮勘定は含めておりません。
2 ニッタ化工品㈱の明石工場の土地は親会社であるニッタ㈱から、福島工場の土地は連結会社以外から賃借しており、その面積は[ ]で外書しております。
(3) 在外子会社
2023年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額のうち「その他」はリース資産であり、建設仮勘定は含めておりません。
2 ニッタムアー科技(常州)有限公司の土地は、連結会社以外から賃借しており、その面積は[ ]で外書しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 新株予約権(ストックオプション)の権利行使による増加であります。
2023年3月31日現在
(注) 1 自己株式2,155,853株は、「個人その他」の欄に21,558単元を含めて記載しております。
2 ㈱日本カストディ銀行(信託口)が従業員持株会信託型ESOPの信託財産として保有している当社株式267,900株は金融機関に含めて記載しております。
3 上記「その他の法人」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が50単元含まれております。
4 所有株式数の割合については、小数第3位以下を切り捨てており、各項目の比率を加算しても100%にならない場合があります。なお、合計欄は100%で表示しています。
2023年3月31日現在
1 千株未満は切り捨てて表示しております。
2 当社所有の自己株式2,155千株を保有していますが、上記の大株主からは除いています。なお、自己株式には従業員持株会信託型ESOPの信託財産として㈱日本カストディ銀行(信託口)が所有する当社株式267千株は含んでおりません。
3 上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、次のとおりであります。
日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口) 3,087千株
㈱日本カストディ銀行(信託口) 1,310千株
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、製品群別・サービス別の事業部を置き、各事業部は取り扱う製品群・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略・予算を立案し事業活動を行っております。
従って、当社は事業部を基礎とした製品群・サービス別セグメントから構成されており、「ベルト・ゴム製品事業」「ホース・チューブ製品事業」「化工品事業」「その他産業用製品事業」「不動産事業」「経営指導事業」の6つを報告セグメントとしております。
「ベルト・ゴム製品事業」はベルト製品、搬送用製品、ゴム製品、感温性粘着テープ等の製造販売を、「ホース・チューブ製品事業」は樹脂ホース・チューブ製品、金具及びフィッティング、メカトロ製品等の製造販売を行っております。また、「化工品事業」は、高機能製品、産業資材製品、建設資材製品、防水資材製品等の製造販売を、「その他産業用製品事業」は空調製品、医療用ゴム・プラスチック製品等の製造販売を、「不動産事業」は土地及び建物の賃貸、「経営指導事業」は関係会社に対する経営指導をそれぞれ行っております。