株式会社フコク
(注) 1.第66期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.第67期から第70期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.第66期の自己資本利益率及び株価収益率については、当期純損失であるため記載しておりません。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第69期の期首から適用しており、第69期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1.第66期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.第67期から第70期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.第66期の自己資本利益率、株価収益率及び配当性向については、当期純損失であるため記載しておりません。
4.最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第69期の期首から適用しており、第69期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社フコク)及び連結子会社16社、持分法適用会社1社により構成されており、機能品事業、防振事業、金属加工事業、ホース事業、産業機器事業を主な事業として営んでおります。
当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。次の5事業はセグメントの区分と同一であります。
機能品事業・・・・シール部品及びワイパーブレードラバー等の製品の製造販売であります。
当社及び韓国フコク㈱、サイアムフコク㈱、㈱フコク東海ゴムインドネシア、フコクインディア㈱、フコクベトナム㈲、上海フコク有限公司、東莞フコク有限公司、フコクアメリカインク、フコクメキシコ㈱が製造しております。販売については、当社は国内及び海外の得意先に販売しており、韓国フコク㈱、サイアムフコク㈱、㈱フコク東海ゴムインドネシア、フコクインディア㈱、フコクベトナム㈲、上海フコク有限公司、東莞フコク有限公司、フコクアメリカインク、フコクメキシコ㈱、フコク(上海)貿易有限公司は主としてそれぞれの国内の得意先に販売しております。
防振事業・・・・・ダンパー及びマウント等の製品の製造販売であります。
当社及び韓国フコク㈱、タイフコク㈱、サイアムフコク㈱、タイフコクパナプラスファウンドリー㈱、㈱フコク東海ゴムインドネシア、フコクインディア㈱、上海フコク有限公司、東莞フコク有限公司、青島フコク有限公司、南京富国勃朗峰橡膠有限公司が製造しております。販売については、当社は国内及び海外の得意先に販売しており、韓国フコク㈱、タイフコク㈱、サイアムフコク㈱、タイフコクパナプラスファウンドリー㈱、㈱フコク東海ゴムインドネシア、フコクインディア㈱、上海フコク有限公司、東莞フコク有限公司、青島フコク有限公司、フコク(上海)貿易有限公司、フコクアメリカインク、南京富国勃朗峰橡膠有限公司は主としてそれぞれの国内の得意先に販売しております。
金属加工事業・・・トラック及び建設機械用金属部品等の製品の製造販売であります。
末吉工業㈱が製造販売しております。
ホース事業・・・・ホース等ゴム製品の製造販売であります。
㈱東京ゴム製作所、サイアムフコク㈱、㈱トリムラバーが製造販売しております。
産業機器事業・・・OA、医療、モータ及びウレタン等の製品の製造販売であります。
当社及びサイアムフコク㈱、フコクベトナム㈲、東莞フコク有限公司が製造販売しております。
「事業系統図」
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

連結子会社
持分法適用関連会社
(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.上記連結子会社のうち、韓国フコク㈱、タイフコク㈱、サイアムフコク㈱、㈱フコク東海ゴムインドネシア、㈱トリムラバー、フコクインディア㈱、フコクベトナム㈲、上海フコク有限公司、東莞フコク有限公司、青島フコク有限公司、フコク(上海)貿易有限公司、フコクアメリカインク、フコクメキシコ㈱は、特定子会社に該当します。
3.タイフコクパナプラスファウンドリー㈱は、実質的に支配しているため連結子会社としております。
4.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
5.フコクチェコ㈲は、2022年11月25日付で清算結了いたしました。
6.韓国フコク㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1) 売上高 12,552百万円
(2) 経常利益 632百万円
(3) 当期純利益 495百万円
(4) 純資産額 5,834百万円
(5) 総資産額 9,103百万円
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であります。
2.従業員数の( )は、臨時従業員の年間平均雇用人員で外数であります。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.従業員数の( )は、臨時従業員の年間平均雇用人員で外数であります。
当社の労働組合は、フコク労働組合と称し、上部団体の全日産・一般業種労働組合連合会に加盟しております。また、一部連結子会社においても労働組合が結成されております。
なお、何れも労使関係は安定しております。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
非正規労働者は契約社員、パートタイマーを対象とし、派遣社員を除いております。
なお、労働者の男女の賃金の差異については、同一労働の賃金に差はなく、主に等級別人員構成の差によるものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
(1) 経営方針と経営戦略
当社グループは「ゴムからはじまる、未来がひろがる」を合言葉に、創業以来ものづくりで培った設計・試作・評価・量産のノウハウを集結させ、今までにない価値創造に挑戦し社会に提案し続ける企業、また、世界中のお客様や社会の声に真摯に耳を傾け、『安心』『安全』『快適』をお届けするグローバル企業を目指しております。
現在の経営方針は2021年2月24日発表の中期経営計画(2021年度-2023年度)で掲げたとおりであり、最終年度として以下の目標を目指し、グループ一丸となって取り組んでおります。
(目標)2023年度:連結売上高 800億円、経常利益率 7%、ROE 8%、連結配当性向 30%

(2) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、経営環境への変化に対して以下の如く鋭意取り組んでおります。
①CASE対応
自動車業界の大変革に対応できる開発体制を構築し、競争力のあるCASE対応製品群を拡充する。
②事業ポートフォリオの転換
持続的な成長の実現に向けて、基盤技術を活かし、ライフサイエンス事業を自動車関連事業と並ぶ柱に育てるとともに、更なる新規事業開拓を行う。
③グローバリゼーション対応
アセアン・インド地区、中国地区にエリア本部を設立し、現地完結型のスピード経営を推進する。
欧州地区はフコクチェコ(有)を閉鎖しましたが、アライアンスにより競争力を強化する。
④DX推進
会社の基盤強化、生産性向上、更なる顧客ニーズに合わせた製品・サービス提供のため、DXを推進する。
⑤ESG対応
サステナビリティ委員会を設置するとともに、更なるサステナビリティ経営推進のため、2023年度よりサステナビリティ推進課を設置。重要課題(マテリアリティ)への取り組み、TCFDの考えに基づく情報開示等を強化する。
⑥多様な人材が活躍できる職場環境づくり
グローバル企業として持続的成長を実現するため、人材育成と働きがいのある職場環境づくりをさらに強化する。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
当社グループは、世界各地に工場及び事業所を保有しており、各国の政治体制下における政策、及び経済状況の影響を受ける可能性があります。これに対し、積極的に情報収集を進め、さまざまなケースを想定して対策を講ずるべく努めております。
当社グループは、自動車関連部品が売上高の8割以上を占めており、自動車メーカー及び一次部品メーカーの経営戦略、生産動向の影響を受けます。特に、自動車メーカーのEV化、一次部品メーカーの統合やグローバル生産体制の見直しは、当社グループの需要動向に大きな影響を及ぼす可能性があります。顧客からの要請・ニーズの変化等を想定し、日常的な情報収集を進め、必要な技術開発投資などを適切に判断しながら対応策を検討しております。
当社グループが推進する戦略的提携や合弁事業は、パートナーの経営方針や経営環境の変化により維持不可能となった場合には、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、パートナーと常に良好なコミュニケーションを維持しながら情報交換や必要な交渉に努め、不測の事態の回避を図ると同時に、状況の変化に即応できる態勢を維持しております。
当社グループは多数の外部の取引先から原材料及び部品を購入しており、原材料及び部品の高騰、供給逼迫、さらには取引先の廃業などによって影響を被る可能性があります。これに対し、取引先との良好な関係を維持しつつ、製造原価の低減に資する選択的購入や切り替え、災害等の不測の事態における安定調達を目的として、継続的に取引先の拡充や適正化を進めると同時に、取引先の経営状況の把握や必要な支援の提供等にも努めております。
当社グループは海外に多くの取引先や提携先を持ち、事業所を展開しておりますため、為替レートの変動によって当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、継続的に変動を注視するとともに、必要に応じてネッティングや予約等の施策を講じ、可能な限りマイナスインパクトを軽減するべく努めております。
当社グループが保有する、自社製品に関連する多数の特許及び商標等の知的財産が広範囲にわたって保護できない場合、あるいは不当に侵害された場合には、事業活動が影響を被る可能性があります。これに対し、常に侵害にあたる事実の把握に努めており、そのような事実を認めた場合には適切な対抗手段を取れる体制を整えております。
大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、当社グループの業績と財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。これに対し、設計から製品のリリースまでの全プロセスにおいて顧客や取引先との密なる連携に基づく工程並びに機能、品質の作りこみを常に心掛けております。また、万一の事態においては迅速なリカバリーと供給体制の維持に努めます。
自動車部品業界は広範囲な環境その他の法的規制に服しており、これらの規制を遵守するための費用が、当社グループの事業にとって重大な金額となる可能性もあります。これに対し、日常的に情報の取得に努め、材料変更、工法・設備の改良、生産地変更など、負担軽減に向けた対応策を講じております。
当社グループは、事業活動を通して得意先、取引先等の個人情報や機密情報を入手することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しております。万一、サイバー攻撃その他によって情報セキュリティの仕組みが無効化し、これらの情報が流出または破壊された場合や、システムの停止等に陥った場合には、当社グループの業績や財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、万全のセキュリティを企図したグループ・ネットワークを構築し、日々の進化を図るとともに、当社グループ内の情報セキュリティ教育・啓蒙にも努めております。
(災害・戦争・社会インフラ麻痺等の影響)
当社グループは国内外に広く事業を展開しており、地震や津波等の自然災害、戦争、電力不足等の社会インフラの麻痺、伝染病、パンデミック、テロ、ストライキ等が発生した地域においては、原材料や部品の調達、生産活動、製品の販売及び物流などの遅延や停滞、また、受注減少や取引停止の可能性があります。そのような場合には、当社グループの業績と財務状況が影響を被る可能性があります。これに対し、日常的に情報の収集と共有を進めているほか、万一の事態においては危機対策本部を設け、「安全最優先」の基本方針に則って従業員の安全・安心を守ると同時に、当社グループ内の連携と相互支援を強めるなど、経営への影響を最小限に留めるよう努めております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症による影響が徐々に緩和され、内需を中心に緩やかに持ち直しの動きがみられた一方で、ウクライナ情勢など地政学リスクの顕在化、急激な為替変動や物価上昇など不安定な状況が続きました。自動車業界においては、需要が高い水準にあるものの、半導体の供給不足等により、自動車メーカーは生産計画の下方修正を余儀なくされております。
このような経済情勢の下で、当社グループにおいては、円安の影響により円換算時の収益増がありましたが、自動車メーカーの生産調整の影響による操業度の低下、また、資源価格高騰による原材料費や燃料費の上昇が、損益に大きな影響を与える状況となっております。
当連結会計年度の業績については、自動車メーカーの生産調整による減収の影響を受けましたが、為替の影響により、連結売上高は前年同期比15.1%増の823億18百万円の増収となりました。営業利益は、原材料費や輸送費及び燃料費の上昇の影響を合理化や販売価格への転嫁等により吸収し、前年同期比14.9%増の20億10百万円、経常利益は同24.4%増の31億39百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は同2.4%増の21億35百万円となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりです。
売上高は、自動車メーカーの生産調整による操業度低下がありましたが、為替換算の影響により、前年同期比7.9%増の333億61百万円となりました。セグメント損益については、原材料価格の上昇と輸送費の高騰の影響が大きく、前年同期比14.3%減の26億89百万円の利益となりました。
売上高は、建設機械向けの受注好調と電気自動車向け新製品の販売、及び為替換算の影響により、前年同期比22.5%増の347億24百万円となりました。セグメント損益については、合理化効果と金具鋼材費の上昇を販売価格へ転嫁したことにより、前年同期比83.6%増の15億14百万円の利益となりました。
売上高は、建設機械向けの受注好調により、前年同期比17.8%増の64億80百万円となりました。セグメント損益については、合理化効果と金具鋼材費の上昇を販売価格に転嫁し2百万円の利益となりました(前年同期は1億75百万円の損失)。
売上高は、受注が回復基調となったことを受けて、前年同期比17.3%増の51億34百万円となりました。セグメント損益については、前年同期比24.0%増の1億16百万円の利益となりました。
売上高は、前年同期比11.0%増の33億80百万円となりました。セグメント損益については、売上高回復に伴う操業度が改善したことにより、前年同期比16.7%増の6億7百万円の利益となりました。
財政状態の状況は次のとおりです。
総資産は、前連結会計年度末に比べて64億90百万円増加し、715億30百万円となりました。
主な要因は、円安下での為替換算に伴う商品及び製品、並びに売掛金の増加等による流動資産の増加47億83百万円によるものです。固定資産は、設備投資に伴う有形固定資産の増加等により17億6百万円増加しております。
負債は、前連結会計年度末に比べて29億15百万円増加し、335億77百万円となりました。
主な要因は、借入金の増加等による流動負債の増加35億53百万円によるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べて35億75百万円増加し、379億52百万円となりました。
主な要因は、利益剰余金の増加14億15百万円、為替換算調整勘定の増加19億57百万円等によるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億95百万円増加し、94億78百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は35億15百万円(前年同期は53億44百万円)となりました。これは主に減価償却費44億71百万円、税金等調整前当期純利益35億11百万円による資金の増加と、売上債権の増加15億72百万円、棚卸資産の増加8億76百万円、退職給付に係る資産負債の減少7億22百万円等による資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は39億88百万円(前年同期は28億46百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得が41億3百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は7億53百万円(前年同期は28億15百万円の支出)となりました。これは主に借入による収入が返済を15億76百万円上回ったこと、配当金の支払が7億56百万円あったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、当該課税所得を見積るにあたって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
b.固定資産の減損
固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、将来キャッシュ・フローを見積り、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前年同期比64億90百万円(10.0%)増の715億30百万円となりました。うち流動資産は同47億83百万円(12.7%)増の425億28百万円、固定資産は同17億6百万円(6.3%)増の290億1百万円となっております。流動資産の増加は、円安下での為替換算に伴う商品及び製品、並びに売掛金の増加等によるものです。固定資産の増加は、設備投資に伴う有形固定資産の増加とDX推進のためのソフトウェア投資に伴う無形固定資産の増加等によるものです。
当連結会計年度末の負債の合計は、前年同期比29億15百万円(9.5%)増の335億77百万円となりました。うち流動負債は同35億53百万円(15.6%)増の263億45百万円、固定負債は同6億38百万円(8.1%)減の72億32百万円となっております。流動負債の増加は、短期借入金の増加等によるものです。固定負債の減少は、退職給付制度の移行に伴う退職給付に係る負債の減少等によるものです。
純資産
当連結会計年度末における純資産は、前年同期比35億75百万円(10.4%)増の379億52百万円となりました。その主な要因は、増収に加え、原材料費や輸送費等のコスト上昇の影響を生産合理化や販売価格への転嫁等で吸収したことによる利益剰余金の増加と、為替換算調整勘定の増加によるものです。為替換算調整勘定は主として米ドル、中国元及びタイバーツの為替変動の影響により前連結会計年度末の10億25百万円から29億83百万円に増加しました。非支配株主持分は、非支配株主に帰属する当期純利益59百万円の計上並びに為替換算調整勘定の増加により、前年同期比1億80百万円(8.4%)増の23億33百万円となりました。
上記の結果、自己資本比率は前年同期比0.3ポイント増の49.8%、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産は前年同期比209.07円増の2,211.12円となりました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症による影響が徐々に緩和され、内需を中心に緩やかに持ち直しの動きがみられた一方で、ウクライナ情勢など地政学リスクの顕在化、急激な為替変動や物価上昇など不安定な状況が続きました。自動車業界においては、需要が高い水準にあるものの、半導体の供給不足等により、自動車メーカーは生産計画の下方修正を余儀なくされております。
このような経済情勢の下で、当社グループにおいては、自動車メーカーの生産調整による減収の影響を受けましたが、為替の影響により、連結売上高は前年同期比15.1%増の823億18百万円となりました。営業利益は、原材料費や輸送費及び燃料費の上昇による外部要因の影響をグローバルでの最適地生産や歩留まり向上などの合理化や販売価格への転嫁等の企業努力により吸収し、前年同期比14.9%増の20億10百万円、経常利益は子会社が所有する固定資産の売却益や為替差益等による一過性の収益により同24.4%増の31億39百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は同2.4%増の21億35百万円となりました。これにより、1株当たりの当期純利益は132.61円(前年同期は127.24円)となっております。
なお、セグメント別の業績分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
c. キャッシュ・フローの分析
当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比18億29百万円減の35億15百万円となりました。売上の増加による売上債権の増加が主な要因となります(前年同期は売上債権の減少)。なお法人税等の支払額は7億88百万円(前年同期は6億1百万円)となっております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比11億42百万円増の39億88百万円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出の増加が主な要因となります。これは生産合理化等の設備投資を実施したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、7億53百万円の収入(前年同期は28億15百万円の支出)となりました。設備投資等により、借入金の収入が返済を上回り15億76百万円の収入となったことが主な要因となります。一方、配当金の支払額は7億56百万円となっております。
現金及び現金同等物に係る換算差額は、主に中国元及び米ドルの為替変動の影響により4億15百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて6億95百万円増加し、94億78百万円となりました。
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資並びに配当金の支払いであります。これらの資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの借入による資金調達にて対応していくことを基本方針としております。
また、突発的な資金需要に備え、当社は主要な取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結し、手許流動性リスクに備えております。なお、これについて当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
当連結会計年度末における有利子負債は130億54百万円となっており、前連結会計年度末に比べ20億84百万円増加しております。
キャッシュ・フローの状況の詳細については、「c.キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは2024年3月期に、連結売上高800億円、経常利益率7%、ROE8%の目標を達成するため、既存事業の拡販、新規事業の創出、及び合理化推進や生産性向上に取り組んでおり、その達成状況は「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針と経営戦略」のとおりです。
中期経営計画初年度であった2022年3月期及び2023年3月期は、売上高は概ね計画線上で推移したものの、利益面においては、計画を下回る形となりました。これは中期経営計画策定時に想定していた外部要因と比較し、半導体不足に伴う生産調整や原材料価格高騰が収益面に影響を与えたこと等の要因によるものです。
中期経営計画最終年度である2024年3月期におきましても、その計画数値には届かない見通しではありますが、時系列的においては、売上・利益面共に総じて右肩上がりで伸張する計画です。
尚、中期経営計画の3年目となる2024年3月期の業績予想としては、2023年5月15日発表の決算短信にて公表のとおり、売上高880億円、営業利益39億円、経常利益40億円、当期純利益29億円を掲げております。
今後の見通しとしましては、新型コロナウイルス感染症における行動規制緩和により、徐々に経済活動の正常化がみられる一方、依然として半導体供給不足は先行き不透明な状況です。また、ロシア・ウクライナ情勢並びにこれに伴う世界的な為替変動及び物価高騰の影響についても、予断を許さないところであります。
このような状況の中、CASE対応を含む社会的ニーズの高い次世代製品の開発・育成が急務となり、既存のビジネスモデルを超越した価値の創造が求められています。この大きな変化をチャンスととらえ、フコクは新たな一歩を踏み出し、より成長し、発展していくために、この度の経営体制刷新とともに現在「新中期経営計画2026」を策定しました。
前中期経営計画は体質強化に注力し、土台作りは完了したとの認識です。今回の中期経営計画は「既存事業の強化」と「成長事業・新事業の拡大」の事業戦略の両輪に加え、ESGの各観点を重視した経営基盤の改革に取り組むことによって「収益力の最大化」を狙います。そして、将来への飛躍のファーストステップとして位置付けております。
長期的にはフコク独自のコア技術で高付加価値製品・ソリューションを提供し続けることで収益力の極大化を狙います。飛躍的成長を経て、サスティナブルな社会の実現に貢献出来る「心から愛される企業」を目指します。
(目標)2026年度 連結売上高1,200億円、営業利益率 8.0%、ROE 12.0%、連結配当性向30%
詳細は,2023年6月28日発表の「新中期経営計画2026」をご覧ください。

セグメント別の状況は以下のとおりであります。

地域別の状況は以下のとおりであります。

技術供与契約
当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定であります。
2.従業員数の( )は、臨時従業員の年間平均雇用人員で外数であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 1株を1.1株に株式分割
(注) 1.自己株式1,500,004株は、「個人その他」に15,000単元及び「単元未満株式の状況」に4株を含めて記載しております。
2.上記「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の欄に、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ100単元及び11株含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 1.上記のほか当社所有の自己株式1,500千株があります。
2.上記日本マスタートラスト信託銀行㈱の所有株式数のうち、信託業務に係る株式の総数は、1,187千株であります。
3.上記㈱日本カストディ銀行の所有株式数のうち、信託業務に係る株式の総数は、715千株であります。
1.報告セグメントの概要
(1)報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、本社に製品群別の事業部を置き、各事業部は、取り扱う製品群について国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。ただし、国内子会社の事業のうち、上記の事業部の製品群に属さないものについては、親会社が直接これを統括することとしております。
したがって、当社は、事業部を基礎とした製品群別のセグメントと、事業部に属さない国内子会社の事業セグメントから構成されており、これらの中から「機能品事業」、「防振事業」、「金属加工事業」、「ホース事業」及び「産業機器事業」の5つを報告セグメントとしております。
(2)各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「機能品事業」は、シール部品及びワイパーブレードラバー等の製品を製造販売しております。「防振事業」は、ダンパー及びマウント等の製品を製造販売しております。「金属加工事業」は、トラック及び建設機械用金属部品等の製品を製造販売しております。「ホース事業」はホース等ゴム製品を製造販売しております。「産業機器事業」は、OA、医療、モータ及びウレタン等の製品を製造販売しております。