岡本硝子株式会社
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第74期、第75期及び第76期は1株当たり当期純損失であり、また希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため、第77期は潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 株価収益率について、第74期、第75期及び第76期は1株当たり当期純損失が計上されているため記載しておりません。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第76期の期首から適用しており、第76期、第77期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第74期及び第75期は1株当たり当期純損失であり、希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため記載しておりません。第76期、第77期は希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 株価収益率について、第74期及び第75期は1株当たり当期純損失が計上されているため記載しておりません。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第76期の期首から適用しており、第76期、第77期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。
当社グループは、当社、連結子会社(新潟岡本硝子株式会社、二光光学株式会社、蘇州岡本貿易有限公司、岡本光学科技股份有限公司、JAPAN 3D DEVICES株式会社)の計6社で構成され、特殊ガラス及び薄膜製品の製造販売を主な事業の内容としております。
当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、セグメントと同一の区分であります。
プロジェクター用反射鏡、フライアイレンズ、デジタルシネマ用映写機の反射鏡などの製造及び販売を行っております。
<主な関係会社>
新潟岡本硝子株式会社、岡本光学科技股份有限公司、蘇州岡本貿易有限公司
自動車用ヘッドライト・フォグライト用カバーガラス、一般用照明用ガラス製品などの製造及び販売を行っております。
<主な関係会社>
岡本光学科技股份有限公司、蘇州岡本貿易有限公司
ガラス容器への加飾蒸着、高耐久性銀ミラー(Hi-Silver®)、コックピット用液晶ディスプレイの表面ガラスへの蒸着、フリット(ガラス粉末)などの製造及び販売を行っております。
<主な関係会社>
新潟岡本硝子株式会社、二光光学株式会社、岡本光学科技股份有限公司
デンタルミラーなどの医療向けガラス製品、洗濯機用ドアガラスなどの製造及び販売を行っております。
<主な関係会社>
岡本光学科技股份有限公司
以上述べた事実を事業の系統図によって示すと次のとおりであります。

(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
3 特定子会社であります。
4 債務超過会社であり、債務超過額は64百万円であります。
(2023年3月31日現在)
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の平均雇用人員であります。
(2023年3月31日現在)
(注) 1 従業員数は当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であります。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。(正社員のみ)
3 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の平均雇用人員であります。
4 全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員等であります。
当社及び連結子会社では労働組合は結成されておりません。労使関係は円滑に推移しております。
(注) 1「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社を対象としております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
21世紀は地球環境問題が大きく取り上げられる世紀と認識しております。当社は環境に優しい特性を持つガラスにより、地球環境を汚すこと無く、社会への貢献、事業の拡大発展を図る所存であります。古くて新しいガラスについて、既成概念にとらわれず、大企業では難しい小回りの良さを活かし市場創造を目指します。会社は社員一人ひとりの事を考え、社員は常に何事にもチャレンジして行く活気あふれる会社にしたいと考え、次に掲げる理念を経営の基本方針としております。
①基本理念
特殊ガラスと薄膜で「光の時代」をリードしお客様が感動する商品・サービスを提供し続けます。
②経営理念
常に地球と時代をみつめるダイナミックな経営を行い、社員一人ひとりの人生の充実と会社の発展を目指します。
③行動規範
始まりは、いつも私から。それ、私がやります。Yes, I can.
当社グループは、収益体質を一層堅固なものとするため①経営資源の最適配分、②既存事業の収益安定化、③新規事業の早期立ち上げを進めます。
当社の企業価値・株主共同の利益の向上を図り、ICTの急速な進歩・応用拡大、世界的な環境、健康への取組みをはじめとする世の中の変化に対応するために、当社グループは、2023年度から2025年度までの中期経営計画(以下「GROWTH25」といいます。)を策定しております。ここで定めた基本方針の概要は以下のとおりです。
・GROWTH25で事業ポートフォリオの革新を断行し、当社のDNAである機動力、技術力及びコスト競争力を「再進化」させ、次期中期計画(2026年度から2028年度、以下「GROWTH28」といいます。)の「再成長」フェーズに繋げる。GROWTH28では、当社連結グループでの売上高営業利益率10%を目指す。
・将来に渡り拡大が見込める成長分野並びに事業に成長投資を集中し、当社の成長並びにレジリエンス強化を実現する。
・コアコンピタンスの3技術(硝材開発技術、精密成型技術、薄膜蒸着技術)を再進化させ、成長ターゲット分野(モビリティ、ヘルスケア、環境)に事業拡大する。
GROWTH25での主な製品別取組みは以下のとおりです。
フライアイレンズ
・固体光源化等に対応した要求仕様変化に対し、技術再進化により確実に対応
・精密成型技術の再進化
車載
・再進化させた精密成型技術、薄膜蒸着技術(Hi-Silver®他)により車載部品要求仕様を満足させる
フリット
・LTCC 低誘電率・低誘電損失の実現によりチップ部品、5Gアンテナ向けの需要を拡大させる
機能性薄膜
・機能性薄膜「Hi-Silver®」とガラス封止蛍光体「PiG」の複合化商品を展開する
当社グループの主力事業であるプロジェクター用反射鏡及びフライアイレンズが、プロジェクターの固体光源化、フラットパネルディスプレイの価格低下によるプロジェクター需要の頭打ちの影響を受ける中で、プロジェクター市場の変化に対応した製品の開発及び生産計画の編成並びに並立する事業の柱として次世代自動車向け部品、5G通信インフラ機器向け部品等の新規領域を立ち上げていくため、以下の課題に取り組むことを経営方針としています。
ア プロジェクター、自動車ヘッドランプの固体光源化への対応
プロジェクター、自動車ヘッドランプなどの固体光源化により、光学部品において「耐熱性」、「対候性」、「長寿命」が課題となり、樹脂からガラスへの回帰が進むと予想しております。ヘッドランプ向けの複雑形状のガラスへのニーズ、プロジェクター向けの高精度な内部レンズへのニーズなどを取り込み、開発、生産、販売の体制を構築していきます。加えて、高耐久性銀ミラー「Hi-Silver®」、蛍光体とガラスフリットで基盤を作るPiG(Phosphor in Glass)などの開発・生産・販売を強化してまいります。
イ プロジェクター市場の変化に対応した生産・供給計画及び生産工程の構築
数年ごとの冷修(大規模改修)による設備投資額が大きくなる電気溶融炉について、設備稼働率を維持できるよう生産、供給計画を立てるとともに、将来的には、変動する需要、小ロット生産でも効率的生産を可能とする生産方式の開発、構築を目指します。
ウ スリムで効率的な事業体制の構築による固定費の削減
プロジェクター向けの当社製品の販売が横ばいあるいは減少傾向となる中で、これらの事業単独で引き続き収益が確保できるように、グループ企業を含む陣容及び生産体制の構築に引き続き取り組みます。岡本硝子株式会社本社及びその他の拠点の機能分担の見直し、ITシステムによる業務合理化を進めていきます。
エ 次世代自動車向け車載部品の事業化の推進
自動車の自動運転、ADAS(先進運転支援システム) 、LiDAR(Light Detection and Ranging)などの成長分野に向けて、フィルター、カバーガラスなどの開発・生産・販売を強化してまいります。
オ Withコロナ、デジタルトランスメーションに向けた商品展開
Withコロナの事業戦略としてウイルスの不活性化等に対応した深紫外線高反射膜の販売を強化するとともに、深紫外領域の波長選択フィルターの事業化に取り組みます。5G通信部品用ガラスフリットなど加速するデジタルトランスメーションに対応した製品展開を進めます。
カ ソリューションビジネスの拡大、標準化を生かした事業展開
当社グループの品質保証体制と海外拠点のネットワークを生かしたガラス及び光学のソリューションビジネスを拡大していきます。また、2021年7月に深海探査機「江戸っ子1号」を使用した環境調査手法が国際標準規格(ISO23731)となりましたが、引き続き、標準化を生かした事業展開を進めます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 主要顧客への販売依存度について
当社グループの業績は、セイコーエプソン株式会社、 Epson Precision (Hong Kong) Ltd.、Epson Engineering (Shenzhen) Ltd.、Epson Precision (Philippines), Inc.、愛晋精密光電(無錫)有限公司(以下「セイコーエプソングループ」)、Signify Electronics Technology 、Signify Belgium NV、Signify industry (China) Co.,Ltd.(以下「Signify Electronics Technologyグループ」)などの主要顧客との取引状況の影響を受けます。現在、セイコーエプソングループ及びSignify Electronics Technologyグループとは良好な取引関係を維持していると考えておりますが、将来にわたり、当社グループの製品が採用される保証はありません。
当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセイコーエプソングループ及びSignify Electronics Tecnologyグループへの販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は下表のとおりであります。
注1 Epson Precision(Hong Kong)Ltd.、Epson Engineering(Shenzhen) Ltd.、Epson Precision(Philippines), Inc.及び愛晋精密光電(無錫)有限公司に販売した製品の多くは、最終的にセイコーエプソン株式会社の製品に組み込まれるため、セイコーエプソングループとして合算いたしました。
注2 Signify Electronics Technology 、Signify Belgium NV、Signify industry (China) Co.,Ltd.及びSignify Netherlands B.Vは取引相手先として一体性が高いため、Signify Electronics Technology グループとして合算いたしました。
② 競合状況について
当社グループの主要製品であるプロジェクター用反射鏡の市場は当社が先駆したものの、市場の拡大とともに他の特殊ガラスメーカーも参入し、競合が発生しております。当社グループとしては市場競争力の強化を図るため、プロジェクター用反射鏡の小型化や、耐熱性、反射率の向上等が可能な材料及び精密成型技術の開発を進めております。しかし、当該開発の成否によっては、当社製品の優位性の低下により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、競合の激化による販売価格の下落を、販売数量の増加あるいはコストダウンで吸収できなくなれば、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ 特許について
当社グループが保有する主要な特許は、「耐熱性ガラス」、「ガラス偏光子」、「可視光用ガラス偏光子」、「ガラス偏光子およびその製造方法」、「無鉛白色ガラスセラミックス基板」、「低軟化点ガラス粉末」、「水中ビデオカメラ用ハウジング」、「高耐久性銀ミラー」、「蛍光体分散ガラス」、「耐圧ガラス球」、「濃度測定装置」、「銀被覆鉛テルルガラス粉およびその製造方法、ならびに導電性ペースト」、「連結水中探査機」、「ガラス製光学部品成形用金型並びにその金型を用いたガラス製光学部品の製造方法」、「画像記録方法、画像記録プログラム、情報処理装置及び画像記録装置」、「化学強化用ガラス」及び「光学用曲げガラス板及びその製造方法」に関するものであります。将来、特許期限を過ぎましても、製品化に関する技術・ノウハウは内部に蓄積しているため、当該特許に記載されている組成や製法が他社に利用されることにより当社グループの業績が重大な影響を受けるとは認識しておりません。また、多くは国内特許であり、外国の同業他社から日本国外に出荷される最終製品についての対抗力は有しておりませんが、「可視光用ガラス偏光子」及び「ガラス偏光子およびその製造方法」につきましては日本、中国、米国で、「水中ビデオカメラ用ハウジング」につきましては日本、米国、欧州で、「高耐久性銀ミラー」につきましては日本、中国、台湾で、「耐圧ガラス球」につきましては日本、中国、米国、欧州で、「連結水中探査機」につきましては日本、中国、米国で、「ガラス製光学部品成形用金型並びにその金型を用いたガラス製光学部品の製造方法」につきましては日本、中国、台湾で「画像記録方法、画像記録プログラム、情報処理装置及び画像記録装置」につきましては日本、中国、米国で、また「光学用曲げガラス板及びその製造方法」につきましては日本、米国で特許が成立しており、国内のみならず当該諸外国においても、当社グループは当社技術及び製品に関する独占権(特許権)を保有しております。
なお、当社グループでは他社の特許を侵害している可能性はないと考えておりますので、他社から特許侵害の訴訟を受ける懸念は少ないと評価しております。ただし、他社の類似製品の進出で当社グループの業績が影響を受ける可能性はあります。当社グループは特許等の知的財産権の社内管理体制を強化しておりますが、当社グループが認識していない知的財産権の事案等により知的財産権侵害の訴訟等を提起された場合には、その訴訟等の結果によっては当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
④ 為替変動について
当社グループは、輸出の一部を外貨建てで行っており、このうちの大半について取引先との間で定期的に為替の変動に応じた外貨建て注文単価の見直しを行うとともに、輸出取引実績に対して為替予約取引を行うことで為替変動リスクの低減を図っております。しかしながら、急激な為替変動により売上高の減少、為替差損が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、円建てによる輸出についても、急速な為替変動により受注が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 自然災害等による影響について
当社グループは、千葉県柏市及び新潟県柏崎市で集中的に一貫生産することで効率化を図っております。しかしながら、これら地域に甚大な自然災害等が発生した場合は生産活動の中断等により当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
⑥ 借入契約に係る財務制限条項について
当社グループの借入金の一部には、財務制限条項が付されており、当社の連結純資産、連結経常利益等の項目が当該財務制限条項に抵触した場合には、期限前返済義務が生じるおそれがあります。
⑦ 特定事業分野への依存について
当社グループの主要な報告セグメントは光学事業であり、2023年3月期連結売上高の47%を占めております。光学事業は、プロジェクター用反射鏡及びプロジェクター内部に装着されるフライアイレンズ等の製造及び販売を行っております。当社グループは、今後ともこの光学事業を中心に事業を展開して行く方針でありますが、経済情勢の変化又は技術革新等により、当社グループが取扱う光学事業関連製品の市場規模が縮小した場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑧ 海外における事業活動について
当社グループは、海外市場における事業活動を拡充するために、台湾及び中国に販売拠点を有しております。これら海外の事業活動においては、現地の経済動向の変化、法的規制の改廃、商慣習の相違、労使関係の変化、政治的・社会的変化、並びにテロ又は伝染病の発生等の要因により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑨ 顧客情報の管理について
当社グループは、顧客ニーズを的確に把握するために、販売先の製品開発及び生産計画等の重要情報を早期に入手し得る立場にあります。当社グループは、これら重要情報の取り扱いに際してはコンプライアンス関連規程に則り厳格に運用し、情報漏洩を未然に防ぐ措置を講じております。しかしながら、万一、当社グループからの情報漏洩が発生した場合には、損害賠償責任を負う可能性があるほか、信用の低下等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑩ 原材料の調達について
原材料価格の上昇は製造コストの上昇につながり、これらのコストを製品価格に十分に転嫁できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループが使用する主要な原材料の中には、その価格が市況変動の影響を受けたり、調達先が限定されるものが含まれているため、受注動向に見合った適正な価格・量の原材料が調達できない場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑪ 設備投資計画について
当社グループは、将来の受注動向を見定めながら計画的な設備投資を継続しておりますが、経済情勢又は顧客ニーズの変化等により、受注動向が大きく変動した場合には、当初の設備投資計画の変更・遅延等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑫ 固定資産の減損等について
当社グループは光学事業における製造・販売業を主たる事業として展開しており、多額の固定資産を保有しております。今後、当社グループが推進中の事業収支が何らかの理由により悪化した場合、或いは事業資産を売却した場合等には、固定資産の減損又は売却損の計上が必要となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑬ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について
世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、当社グループにおいても、事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が生じております。
この対策として、従業員やお客様、そして地域の安心・安全を第一に、次のような対策により感染予防に取り組んでおります。
・安全衛生の徹底(マスク着用、検温、手指のアルコール消毒等)
・在宅勤務、時差出勤の推進
・Web会議等の活用
・不要不急の国内、海外出張の禁止
今後も動向を注視しながら適宜対策を講じてまいりますが、さらなる感染拡大等、想定を超えるような事態が発生する場合には、当社グループの財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢に起因する資源価格の上昇と主要国での中央銀行の金融引き締めによる金利上昇、一部で未だ続く半導体不足などの影響により景気回復のペースは鈍りました。米国の景気は住宅着工の減少など一部に弱さがみられるようになりました。ヨーロッパ地域では、景気は持ち直しに足踏みがみられます。中国では、ゼロコロナ政策に基づく行動制限を2022年12月以降に緩和したことにより消費が持ち直しをみせています。日本経済は、個人消費の増加などにより景気は緩やかに持ち直しています。
当連結会計年度において、プロジェクター需要は、教育用を中心に堅調であり、当社グループのフライアイレンズの販売は増加しました。当連結会計年度での反射鏡の販売は、2022年3月期において国際物流の混乱を背景としたプロジェクターメーカーの部品調達前倒しがあったことの反動及びプロジェクターの固体光源化の影響で減少しました。
政策保有株式の一部について公開買付けに応募したことにより投資有価証券売却益を39百万円計上いたしました。
当連結会計年度及び今後の業績動向等を勘案し、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産を計上いたしました。これにより、当連結会計年度の法人税等調整額(△は利益)は△56百万円となりました。
また、この結果、当期の連結業績は、売上高4,886百万円(前期比3.6%減)、経常利益146百万円(前期比8.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益214百万円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は87百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により資金は423百万円増加(前連結会計年度は373百万円増加)しました。税金等調整前当期純利益188百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失58百万円)、減価償却費285百万円(前連結会計年度は307百万円)、売上債権の減少額286百万円(前連結会計年度は売上債権の増加額243百万円)などの増加要因に対し、棚卸資産の増加額204百万円(前連結会計年度は棚卸資産の減少額203百万円)などの減少要因がありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により資金は256百万円減少(前連結会計年度は713百万円減少)しました。有形固定資産の取得による支出313百万円(前連結会計年度は92百万円)などの減少要因がありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により資金は288百万円減少(前連結会計年度は339百万円減少)しました。長期借入れによる収入950百万円などの増加要因に対し、短期借入金の純減額170百万円、長期借入金の返済による支出982百万円などの減少要因がありました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売額に在庫増減原価を加えております。
(注) 2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 2 最近2連結会計年度における主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 2 当連結会計年度からSignify Electronics TechnologyはSignify Industry(China)Co.,Ltdとなっておりま す。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ92百万円の減少となりました。この主な要因は、仕掛品が140百万円増加し、現金及び預金が122百万円減少、売掛金が265百万円減少したことなどによるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ34百万円の増加となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ34百万円の減少となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ16百万円の増加となりました。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ76百万円の減少となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ182百万円の減少となりました。この主な要因は、短期借入金が170百万円減少したことなどによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ140百万円の減少となりました。この主な要因は、リース債務が71百万円減少したことなどによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ323百万円の減少となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ246百万円の増加となりました。この主な要因は、利益剰余金が214百万円増加したことなどによるものであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の採用や、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当期の連結業績は、売上高4,886百万円(前期比3.6%減)、経常利益146百万円(前期比8.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益214百万円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は87百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(イ)光学事業
当連結会計年度の売上高は2,275百万円と前期と比べ25百万円(1.1%)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は381百万円と前期と比べ1百万円(0.4%)の減益となりました。
プロジェクター用反射鏡は、販売数量が前期比で26.3%減少し、売上高は23.7%減少いたしました。フライアイレンズは、販売数量が前期比で28.7%増加し、売上高は24.6%増加いたしました。
(ロ)照明事業
当連結会計年度の売上高は724百万円と前期と比べ97百万円(11.9%)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は38百万円と前期と比べ0.9%の増益となりました。タッチパネルのカバーガラス及び舞台照明関係の売上高が減少いたしました。
(ハ)機能性薄膜・ガラス事業
当連結会計年度の売上高は1,256百万円と前期と比べ62百万円(5.3%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は74百万円と前期と比べ144百万円(65.9%)の減益となりました。ガラス容器への加飾蒸着及びフリットの売上高が増加いたしましたが、原材料費の高騰などにより減益となりました。
(二)その他
当連結会計年度の売上高は630百万円と前期と比べ122百万円(16.2%)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は109百万円と前期と比べ15百万円(16.4%)の増益となりました。洗濯機用ドアガラスの売上高が減少いたしました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、当社、連結子会社(新潟岡本硝子株式会社、二光光学株式会社、蘇州岡本貿易有限公司、岡本光学科技股份有限公司、JAPAN 3D DEVICES株式会社)の計6社で構成され、特殊ガラス及び薄膜製品の製造販売を主な事業の内容としております。
セグメントの業績は、売上高において光学事業への依存度が高水準となっております。光学事業では、主にプロジェクター用反射鏡及びフライアイレンズの製造販売を行っており、当社グループの業績は、プロジェクター用反射鏡及びフライアイレンズの製造販売状況及びプロジェクター市場の推移の影響を受けます。
当社グループの業績は、セイコーエプソン株式会社、Epson Precision(Hong Kong) Ltd.、Epson Engineering
(Shenzhen) Ltd、Epson Precision(Philippines), Inc.、愛晋精密光電(無錫)有限公司(以下「セイコーエプソン
グループ」)、Signify Electronics Technology ,Signify Belgium NV、Signify industry(China) Co.,Ltd.(以
下「Signify Electronics Technologyグループ)などの主要顧客との取引状況の影響を受けます。現在、セイコーエプソングループ及びSignify Electronics Technologyグループとは良好な取引関係を維持しておりますが、将来にわたり、当社グループの製品が採用される保証はありません。
当社グループが保有する主要な特許は、「耐熱性ガラス」、「ガラス偏光子」、「可視光用ガラス偏光子」、「ガラス偏光子およびその製造方法」、「無鉛白色ガラスセラミックス基板」、「低軟化点ガラス粉末」、「水中ビデオカメラ用ハウジング」、「高耐久性銀ミラー」、「蛍光体分散ガラス」、「耐圧ガラス球」、「濃度測定装置」、「銀被覆鉛テルルガラス粉およびその製造方法、ならびに導電性ペースト」、「連結水中探査機」、「ガラス製光学部品成形用金型並びにその金型を用いたガラス製光学部品の製造方法」、「画像記録方法、画像記録プログラム、情報処理装置及び画像記録装置」、「化学強化用ガラス」及び「光学用曲げガラス板及びその製造方法」に関するものであります。将来、特許期限を過ぎましても、製品化に関する技術・ノウハウは内部に蓄積しているため、当該特許に記載されている組成や製法が他社に利用されることにより当社グループの業績が重大な影響を受けるとは認識しておりません。また、多くは国内特許であり、外国の同業他社から日本国外に出荷される最終製品についての対抗力は有しておりませんが、「可視光用ガラス偏光子」及び「ガラス偏光子およびその製造方法」につきましては日本、中国、米国で、「水中ビデオカメラ用ハウジング」につきましては日本、米国、欧州で、「高耐久性銀ミラー」につきましては日本、中国、台湾で、「耐圧ガラス球」につきましては日本、中国、米国、欧州で、「連結水中探査機」につきましては日本、中国、米国で、「ガラス製光学部品成形用金型並びにその金型を用いたガラス製光学部品の製造方法」につきましては日本、中国、台湾で、「画像記録方法、画像記録プログラム、情報処理装置及び画像記録装置」につきましては日本、中国、米国で、また「光学用曲げガラス板及びその製造方法」につきましては日本、米国で特許が成立しており、国内のみならず当該諸外国においても、当社グループは当社技術及び製品に関する独占権(特許権)を保有しております。
なお、当社グループでは他社の特許を侵害している可能性はないと考えておりますので、他社から特許侵害の訴訟を受ける懸念は少ないと評価しております。ただし、他社の類似製品の進出で当社グループの業績が影響を受ける可能性はあります。
(イ) キャッシュフロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」② キャッシュ・フローの概況に記載しております。
(ロ) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は、設備投資資金と運転資金であります。持続的かつ長期的な成長戦略の実現を図り、次世代のニーズを捉えた新商品の投入を実現するための研究開発活動や設備投資資金を、金融機関借入等多様な手段を用い、低コストの資金調達を目指しております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は5,052百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,531百万円となっております。
該当事項はありません。
当社グループの当連結会計年度(2023年3月31日現在)における主要な設備は、次のとおりであります。
(2023年3月31日現在)
(2) 国内子会社
(2023年3月31日現在)
(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計であります。なお、金額には消費税等は含まれておりません。
2 従業員数の( )は、臨時従業員(パート・アルバイト)を外書きで示しております。
3 現在休止中の主要な設備はありません。
事業年度末現在及び提出日現在の発行済株式のうち110,390株は譲渡制限付株式報酬として、金銭報酬債権(19,318千円)を出資の目的とする現物出資により発行したものであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注)1 新株予約権の権利行使による増加であります。
(注)2 譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行による増加であります。
(2023年3月31日現在)
(注) 自己株式 29,869株は「個人その他」に298単元、「単元未満株式の状況」に69株含まれております。
(2023年3月31日現在)
(注) 持株比率は、自己株式( 29,869 株)を控除して計算しております。
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、プロジェクターなどの電子機器に組み込まれるガラス製部品の製造販売に関する光学事業、照明用ガラス製品の製造販売に関する照明事業及び機能性薄膜、特殊ガラス製品の製造販売に関する機能性薄膜・ガラス事業を主力に事業展開をしております。
したがって、当社は「光学事業」、「照明事業」、「機能性薄膜・ガラス事業」の3つを報告セグメントとしております。
「光学事業」は、プロジェクター用反射鏡、フライアイレンズ、デジタルシネマ用映写機の反射鏡などの製造及び販売を行っております。
「照明事業」は、自動車用ヘッドライト・フォグライト用カバーガラス、一般照明用ガラス製品などの製造及び販売を行っております。
「機能性薄膜・ガラス事業」は、ガラス容器への加飾蒸着、高耐久性銀ミラー(Hi-Silver®)、フリット(ガラ ス粉末)などの製造及び販売を行っております。