東京製鐵株式会社
提出会社の最近5事業年度に係る主要な経営指標等の推移
(注) 1 当社は連結財務諸表を作成していないので「最近5連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移」については、記載していない。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載していない。
3 従業員数は就業人員数を表示している。
4 最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所市場第一部におけるものである。
5 企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(2020年3月31日)及び企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」(2021年3月26日)を第108期の期首から適用している。
当社グループが営んでいる主な事業内容、各関係会社等の当該事業における位置付け及び事業部門等との関連は、次のとおりである。
当社グループは、当社(鉄鋼製品の製造及び販売業)1社で構成されている。また、当社は鉄鋼事業の単一セグメントである。
事業の系統図は次のとおりである。

該当事項なし。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、出向者を除いた就業人員数である。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいる。
当事業年度の多様性に関する指標は、以下のとおりである。
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出している。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出している。
3.賃金は、基本給、超過勤務手当、各種手当、賞与等を含み、退職金、通勤手当等を除く。
4.非正規雇用労働者は、パートタイマーを含み、派遣社員を除く。
当社の労働組合は、東京製鉄労働組合連合会を組織し、日本基幹産業労働組合連合会に加盟している。
なお、2023年3月31日現在の組合には、従業員中886人が加入している。
経営の基本方針としては、当社は、鉄鋼資源のリサイクルを通じ、省エネルギーと省資源に努め、環境の保全に貢献していく。
中期的な会社の経営戦略としては、当社は、鉄スクラップの高度利用を推進するとともに、需要家のニーズに応えるべく、製品の多様化と生産性・品質の向上を進めてきた。引き続き、鉄鋼資源のリサイクルが重要使命の一つであるとの認識に立ち、生産面においては、生産性と品質の向上をさらに進めるとともに一層のコストダウンをはかり、営業面では、機動的な販売・物流体制をとることで顧客満足度のさらなる向上に努めていく。また、将来に向けての経営基盤の一層の安定をはかるため、キャッシュ・フローを重視した経営を推進するなかで、不要資産の整理を徹底的に進めるなど、財務内容をより強固なものとするよう取り組んでいる。
目標とする経営指標としては、経済のグローバル化が進み、さらに競争の激しい時代を迎えて、投資を的確かつ機動的に行っていくことがますます重要となっている状況のなかで、当社は、キャッシュ・フローへの貢献度を個々の事業推進のための経営判断の指標と捉えることで、内部留保の一層の充実をはかり、将来の必要な投資を的確に実行できる、より強固な経営基盤の構築に努めていく。
今後の見通しについては、国内鋼材市場は民間設備投資等による鋼材需要が引き続き堅調に推移することが期待される。このような状況のもと、当社しては、資源循環と脱炭素の観点から、当社製品に対して高まる需要を取り込みながら、社内各部門の連携を一段と強化して、国内外の製品・原料事情の変化に、より迅速・柔軟に対応できる体制の構築に取り組んでいく。
一方で主原料・諸資材価格の高止まりが懸念されるが、全社一丸となって、歩留まりの向上や使用原単位の低減を一段と進めるなど、徹底したコストダウンをはかることで、競争力の一層の強化に努めていく。
営業面では、引き続き国内外で新規需要先の開拓に努め、脱炭素による環境面での優位性をはじめとした、当社電炉鋼材の特性を活かした製品を供給していく。生産面では、全ての工場で、安全管理体制をさらに強化し、法令遵守を徹底するとともに、品質面では、技術部が社内各部門と密接な連携を取りつつ、高品質の維持・向上に努めていく。
今般、社会全体での脱炭素シフトが不可逆なものであり、鉄鋼業においては電炉の存在が不可欠であるという認識が共有されつつある。こうした動きのなか、当社においては岡山工場の熱延工場を前年12月に再稼働させるなど、電炉鋼板の本格的な拡大への準備を整えている。今後も、わが国の貴重な資源である鉄スクラップを、より付加価値の高い鉄鋼製品へと「アップサイクル」させるチャレンジを進めるとともに、環境に優しい電炉鋼材の普及拡大による「カーボンマイナス」とあわせ、「循環型社会」「脱炭素社会」の実現に貢献していく。
当社は日々、弛まぬコストダウンと品質向上への取り組みを強力に推進し、条鋼類・鋼板類ともに、多様化する需要家のニーズにお応えしながら、貴重な国内資源である鉄スクラップの高度利用を一段と加速することで、さらなる業績の向上を実現するため、全社一丸となって、ますます尽力する所存である。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2023年3月31日現在)において当社が判断したものである。
当社の属する普通鋼電炉業界の特色は市況産業であることである。したがって、製品の販売価格及び主原料である鉄スクラップ価格については、国内外の経済情勢、市場動向の変化等、当社を取り巻く外部環境の変化に大きく影響を受ける可能性がある。
当社としては、営業部門と生産部門の連携を一層強化して、このような市況変動に迅速かつ柔軟に対応できる体制の構築に努めるとともに、需要に見合った生産を徹底し、収益の維持・向上を達成することで対処していく。
当社の当事業年度における輸出は主としてアジア向けであり、今後の同地域の経済情勢又は保護主義的な政策等により、受注環境が変化する可能性がある。
また、主原料である鉄スクラップについても、アジア地域の鉄鋼需要の拡大により、日本からの輸出が増加することにより、当社の調達価格並びに入荷量に影響を及ぼす可能性がある。
加えて、アジア域内の生産設備の拡張による供給余力が、日本への製品輸出の増加を伴い、日本国内の競争の激化を招く可能性がある。
当社としては、電炉鋼材の特性を活かした製品の開発や、顧客ニーズに応える製品品質の実現により差別化をはかるとともに、主原料として国内の鉄スクラップを使用する利点を生かしつつ、徹底したコストダウンを推し進めることで、競争力の維持・向上に努めていく。
当社は、輸出取引に伴う外貨建取引の為替変動によるリスクを回避する目的で、先物為替予約を利用することがある。しかし、間接的な影響を含め、為替変動による影響をすべて排除することは困難であり、当社の業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社は、現時点の規制に従って業務を遂行している。将来における法律、規則、政策等の変更並びにそれらによって発生する事態が、当社の業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性がある。
当社は、災害等が発生した場合に製造ラインの中断による影響を最小にするため、全工場において定期的な災害防止検査と設備点検を行っている。しかしながら、生産施設で発生する災害、停電その他の中断事象による損害を完全に防止または軽減できる保証はない。
当社は、同一製品を複数の拠点で生産すること等により、災害等による生産中断を極力回避できるよう努めている。
(6) 気候変動の及ぼす影響
気候変動に起因する自然災害が深刻化した場合、洪水・高潮等による生産設備の故障や、サプライチェーンの寸断による操業停止等の損失が発生する可能性がある。また、炭素税や排出権取引制度といった温室効果ガスの排出規制が導入された場合、原材料価格や電力料金等の操業コストが高騰し、収益性が低下する可能性がある。
当社は気候変動問題を経営上の重要な課題として捉えており、2021年6月に改定した長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」の中で、CO2排出原単位を、2030年時点で2013年比の60%を削減し、2050年では実質ゼロとする目標を掲げている。また、2019年5月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言に賛同を表明している。今後も気候変動が及ぼすリスクおよび機会の分析と対応を行い、有価証券報告書や統合報告書、ホームページなどにおいて継続的な情報開示を行っていく。
(7) 繰延税金資産に関するリスク
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上している。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性がある。
(8) 固定資産の減損処理に関するリスク
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性がある。
当期においては、中国のゼロコロナ政策によるサプライチェーンの混乱や、ロシアのウクライナ侵攻に端を発するエネルギー価格の高騰を受けて鋼材需要が鈍化するなか、前年まで高水準で推移していた海外市況は調整局面に入ったが、国内では、民間設備投資等による需要が堅調に推移したことに加え、円安の進行により、鋼材市況は年間を通じて歴史的な高値水準で推移した。
このような状況のもと、当社においては前期比で製品出荷数量が17.8%増加したことに加え、年間を通じた製品出荷単価が11万円を超え、前期比で1万4千円弱の値上がりとなったことを受け、過去最高の売上高を達成した。一方で、鉄スクラップやエネルギー・諸資材の購入価格が高騰したものの、全社一丸となったコスト削減の取り組みにより、前期を上回る営業利益となった。
売上高は、製品出荷数量の増加と製品出荷単価の上昇により361,245百万円(前年実績270,883百万円)となった。営業利益は38,063百万円(前年実績31,773百万円)、経常利益は39,257百万円(前年実績33,426百万円)、当期純利益は、繰延税金資産の取り崩しによる法人税等調整額の計上などにより、税金費用が増加したことから30,848百万円(前年実績31,937百万円)となった。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ16,430百万円増加し、当期末の資金残高は85,074百万円となった。なお、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリーキャッシュ・フローは、27,862百万円の収入である。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は39,767百万円(前期26,913百万円)となった。これは、主として税引前当期純利益が38,656百万円であったことと、減価償却費が5,032百万円であったこと等によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は11,904百万円(前期9,676百万円)となった。これは、有形固定資産の取得による支出が9,177百万円であったこと等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は11,696百万円(前期7,483百万円)となった。これは、自己株式の取得による支出が6,836百万円であったこと及び配当金の支払額が3,996百万円であったこと等によるものである。
資本の財源及び資金の流動性について、装置産業と市況産業に属する当社は、業績が景気変動に大きく左右されるなかで、最新の生産技術を保持し生産性と競争力を向上させるための設備投資を、自己資金を活用し、自己の判断で的確なタイミングで実施することを原則としている。
また、株主還元については、一定の株主還元を保つという考え方をとるのではなく、業績に応じて総還元性向を決定する方針である。
このような方針のもと、将来に向けたより強固な経営基盤の構築のため、当社では、キャッシュ・フローへの貢献度を個々の事業推進のための経営判断の指標としている。
当期においては、当社の資金は16,430百万円増加し、85,074百万円となった。
輸出は受注生産を行っており、その受注実績は次のとおりである。
(注) 販売価格は、出荷時点で決定されるため、受注高及び受注残高とも金額による表示は困難であるので数量表示によっている。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりである。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っている。詳細については、本報告書「第5 経理の状況 2 財務諸表 注記事項 重要な会計方針 及び 重要な会計上の見積り」に記載している。
市況産業に属する当社の業績は、景気変動に大きく左右されることがある。当社としては、会計上の見積りにあたり、期末時点で入手可能な情報を基に、以下の検証を行っている。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上している。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性がある。
当事業年度の売上高は、361,245百万円(前期270,883百万円)となった。一方、売上原価は、298,344百万円(前期220,694百万円)となった。
販売費及び一般管理費は、24,836百万円(前期18,415百万円)であり、営業利益は38,063百万円(前期 31,773百万円)となった。
営業外収益は、受取配当金551百万円等により1,282百万円(前期 1,826百万円)となった。また、営業外費用は、89百万円(前期173百万円)となった。以上から、経常利益は39,257百万円(前期33,426百万円)となった。
特別利益は、49百万円(前期1百万円)となった。特別損失は、650百万円(前期545百万円)となった。これに、法人税、住民税及び事業税4,181百万円及び法人税等調整額3,626百万円を計上した結果、当期純利益は30,848百万円(前期31,937百万円)となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度比で12,853百万円増加し、39,767百万円の収入となった。これは、主として税引前当期純利益が38,656百万円であったことと、減価償却費が5,032百万円であったこと等によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度比で2,228百万円減少し、11,904百万円の支出となった。これは有形固定資産の取得による支出が9,177百万円であったこと等によるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度比で4,213百万円減少し、11,696百万円の支出となった。これは、主として自己株式の取得による支出が6,836百万円であったこと及び配当金の支払額が3,996百万円であったこと等によるものである。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度比で16,430百万円増加し、85,074百万円となった。
当事業年度末の流動資産合計の残高は、前事業年度比で22,374百万円増加し、170,877百万円となった。また、固定資産合計の残高は、前事業年度比で8,275百万円増加し、100,097百万円となった。これは主として投資有価証券が前事業年度比で3,953百万円増加したこと等による。以上により、資産合計の残高は、前事業年度比で30,650百万円増加し、270,975百万円となった。
流動負債合計の残高は、前事業年度比で9,207百万円増加し、78,050百万円となった。これは主として、買掛金が前事業年度比で4,404百万円増加したこと等による。一方、固定負債合計の残高は、前事業年度比で469百万円増加し、13,670百万円となった。以上により負債合計の残高は、前事業年度比で9,676百万円増加し、91,720百万円となった。
純資産合計の残高は、前事業年度比で20,973百万円増加し、179,254百万円となった。これは、主として利益剰余金が、26,934百万円増加したこと等による。これらにより、当事業年度末の自己資本比率は、66.2%となった。
該当事項なし。
2023年3月31日現在
(注) 1 金額は帳簿価額であり、建設仮勘定は除いている。
2 上記の金額には消費税等は含まれていない。
3 本社には、東京都足立区所在の土地36百万円(33,070㎡)、建物及び構築物2百万円、機械装置0百万円、工具器具及び備品0百万円が含まれている。
4 貸与中の田原工場内土地4,587百万円(269,384㎡)を含んでいる。
5 上記の他、賃借中の主な設備は次のとおりである。
(注) 株主としての権利内容に制限のない、標準となる株式であり、単元株式数は100株である。
該当事項なし。
該当事項なし。
(注) 発行済株式総数の減少は自己株式の利益による消却によるものである。
2023年3月31日現在
(注) 1 自己株式44,288,186株は「個人その他」に442,881単元、「単元未満株式の状況」に86株含まれている。
2 上記「その他の法人」の中には、証券保管振替機構名義の株式が、1,000単元含まれている。
2023年3月31日現在
(注) 上記のほか、自己株式が44,288千株ある。