古河電気工業株式会社
Furukawa Electric Co., Ltd.
千代田区大手町二丁目6番4号
証券コード:58010
業界:非鉄金属
有価証券報告書の提出日:2023年6月21日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第197期

第198期

第199期

第200期

第201期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

991,590

914,439

811,600

930,496

1,066,326

経常利益

(百万円)

39,078

22,771

5,189

19,666

19,639

親会社株主に帰属する
当期純利益

(百万円)

29,108

17,639

10,001

10,093

17,911

包括利益

(百万円)

19,137

2,060

27,941

27,760

30,064

純資産額

(百万円)

279,911

273,030

291,617

314,062

330,990

総資産額

(百万円)

818,021

794,616

832,044

935,876

934,837

1株当たり純資産額

(円)

3,513.58

3,408.86

3,686.36

3,967.08

4,312.07

1株当たり当期純利益

(円)

412.98

250.25

141.88

143.40

254.45

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

30.3

30.2

31.2

29.8

32.5

自己資本利益率

(%)

12.02

7.23

4.00

3.74

6.15

株価収益率

(倍)

6.76

7.85

20.93

15.17

9.67

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

46,460

41,942

479

13,269

36,516

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

31,042

33,119

1,908

40,074

21,677

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

19,414

171

35,140

35,020

34,475

現金及び現金同等物の
期末残高

(百万円)

46,838

55,055

87,189

67,632

51,950

従業員数

(人)

52,215

50,232

48,449

50,867

51,314

 

(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.当社は、取締役等への株式報酬制度のために株式給付信託(BBT)を設定しております。このBBTにかかる信託口が保有する当社株式は、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益の算定上、期末株式数及び期中平均株式数の計算において控除する自己株式数に含めております。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第200期の期首から適用しており、第200期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第197期

第198期

第199期

第200期

第201期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

473,626

440,675

392,616

292,424

305,835

経常利益

(百万円)

22,619

11,991

5,591

6,461

8,686

当期純利益又は当期純損失(△)

(百万円)

21,510

18,177

24,333

525

25,235

資本金

(百万円)

69,395

69,395

69,395

69,395

69,395

発行済株式総数

(株)

70,666,917

70,666,917

70,666,917

70,666,917

70,666,917

純資産額

(百万円)

164,075

167,901

190,070

183,515

201,845

総資産額

(百万円)

469,013

473,935

570,121

608,376

593,768

1株当たり純資産額

(円)

2,327.21

2,381.45

2,695.56

2,606.69

2,866.61

1株当たり配当金

(円)

85.00

85.00

60.00

60.00

80.00

(うち、1株当たり中間

配当額)

(円)

()

()

()

()

()

1株当たり当期純利益又は当期純損失(△)

(円)

305.11

257.82

345.10

7.47

358.40

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

35.0

35.4

33.3

30.2

34.0

自己資本利益率

(%)

13.63

10.95

13.59

0.28

13.10

株価収益率

(倍)

9.15

7.62

8.61

6.87

配当性向

(%)

27.9

33.0

17.4

22.3

従業員数

(人)

3,816

3,925

4,084

4,201

4,267

株主総利回り

(比較指標:TOPIX)

(%)

(%)

50.4

37.4

56.0

43.2

49.6

(92.7)

81.7)

113.8)

113.4)

116.7)

最高株価

(円)

5,760

3,305

3,115

3,110

2,668

最低株価

(円)

2,453

1,620

1,746

2,050

2,033

 

(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益、株価収益率及び配当性向を記載していない事業年度は、当期純損失であったため、または潜在株式が存在しないためであります。

2.当社は、取締役等への株式報酬制度のために株式給付信託(BBT)を設定しております。このBBTにかかる信託口が保有する当社株式は、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は当期純損失の算定上、期末株式数及び期中平均株式数の計算において控除する自己株式数に含めております。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第200期の期首から適用しており、第200期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

4.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

 

 

2 【沿革】

 

年  月

経  歴

1896年6月

横浜電線製造株式会社として設立された。

1920年4月

古河鉱業株式会社(現古河機械金属株式会社)より日光電気精銅所(現日光事業所)を取得し、商号を現在の古河電気工業株式会社に変更した。

1921年12月

門司市(現北九州市門司区)所在の九州電線製造株式会社を買収し、その所属工場を九州電線製造所(旧九州事業所→現古河電工産業電線株式会社九州工場)とした。

1938年11月

兵庫県尼崎市に大阪伸銅所(旧大阪事業所、後の銅管事業部門)を新設した。

1949年5月

株式を東京証券取引所に上場した。

1950年9月

電池部門を分離独立させるため、古河電池株式会社を設立した。

1958年9月

神奈川県平塚市に平塚電線製造所(現平塚事業所)を新設した。

1961年3月

千葉県市原郡市原町(現市原市)に千葉電線製造所(現千葉事業所)を新設した。

1971年3月

三重県亀山市に三重工場(現三重事業所)を新設した。

1972年8月

古河電池株式会社の株式を東京証券取引所市場第一部に上場した(現在はプライム市場)。

1981年4月

非鉄金属の総合メーカーとして将来の発展を図るため、古河金属工業株式会社を吸収合併した。

1987年2月

横浜市西区に横浜研究所を新設した。

1993年10月

軽金属事業を製販一本化して事業基盤の強化拡充を図るため、古河アルミニウム工業株式会社及び福井圧延株式会社を吸収合併した。

2001年11月

米国LUCENT TECHNOLOGIES社(当時)の光ファイバ・ケーブル部門を買収した(現OFS Fitel, LLC)。

2003年10月

軽金属事業部門を会社分割し、スカイアルミニウム株式会社(同時に古河スカイ株式会社に商号を変更、現在は株式会社UACJ)に承継させた。

2005年1月

電力事業部門を株式会社ビスキャスに営業譲渡した。

同年12月

古河スカイ株式会社(現株式会社UACJ)の株式を東京証券取引所市場第一部に上場した(現在はプライム市場)。

2007年2月

FCM株式会社の株式を大阪証券取引所ヘラクレス市場に上場した。

2012年3月

 

東京特殊電線株式会社(現株式会社TOTOKU)の普通株式による第三者割当増資を引き受け、同社を連結子会社とした。

2013年10月

 

古河スカイ株式会社が住友軽金属工業株式会社を吸収合併し、商号を株式会社UACJに変更するとともに、同社は当社の持分法適用関連会社となった(東京証券取引所市場第一部上場、現在はプライム市場)。

2015年4月

当社の持分法適用関連会社である株式会社ビスキャスより海外電力ケーブル事業を譲り受けた。

2016年10月

当社の持分法適用関連会社である株式会社ビスキャスより国内電力ケーブル事業を譲り受けた。

2018年12月

FCM株式会社の株式を譲渡し、同社は当社の連結範囲から除外された。

2020年4月

銅管事業部門を会社分割し、当社が新たに設立した完全子会社であるDaishin P&T株式会社に承継させた。

 同年6月

Daishin P&T株式会社の株式を譲渡し、同社は当社の連結範囲から除外された。

 同年10月

巻線事業の一部の再編を実施し、太物巻線等の製造等の事業をEssex Furukawa Magnet Wire LLCに承継させたことにより、同社は当社の持分法適用関連会社となった。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行した。

 同年12月

東京特殊電線株式会社(現株式会社TOTOKU)の株式を譲渡し、同社は当社の連結範囲から除外された。

 

 

3 【事業の内容】

当企業集団は、インフラ、電装エレクトロニクス、機能製品の各事業において培われた技術を発展、応用した製品の製造販売を主な内容とし、さらに各事業に関連する研究及びその他のサービス等の事業活動を展開しております。

当連結会計年度末における当企業集団の事業内容、各関係会社の当該事業に係わる位置づけ及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。

 

インフラ

当社、OFS Fitel,LLC、Furukawa Electric LatAm S.A.、古河電工産業電線㈱、瀋陽古河電纜有限公司他が製造及び販売を行っております。

電装エレクトロニクス

当社、古河電池㈱、古河AS㈱、古河マグネットワイヤ㈱他が製造及び販売を行っております。

機能製品

当社、Trocellen GmbH、古河銅箔股份有限公司、台日古河銅箔股份有限公司他が製造及び販売を行っております。

サービス・開発等

当社、古河日光発電㈱他が各種サービス事業及び新製品研究開発等を行っております。

 

 

なお、販売会社については、主に取り扱う製品の種類により、各セグメントに区分しております。

以上の項目を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

 

 


 

 

4 【関係会社の状況】

    2023年3月31日現在

名称

住所

資本金又は
出資金

(百万円)

主要な事業

の内容

議決権の所有
(又は被所有)割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

古河電池㈱

(注)4

横浜市保土ヶ谷区

1,640

電装エレクトロニクス

58.1
(0.8)

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を購入。このほか、当社が不動産及び設備を賃貸。

役員の兼任等あり。

㈱KANZACC

(注)7

大阪市中央区

720

インフラ

99.9

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を購入。このほか、当社が不動産を賃貸。役員の兼任等あり。資金の貸付(CMS)あり。

古河産業㈱

(注)7

東京都港区

700

販売子会社

100.0

当社製品の販売、当社が同社より原材料の一部を購入。このほか、当社が不動産を賃貸。役員の兼任等あり。資金の貸付・借入(CMS)あり。

岡野電線㈱

(注)5

神奈川県大和市

489

インフラ

49.2

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を販売。役員の兼任等あり。資金の借入あり。

古河電工産業電線㈱

(注)7

東京都荒川区

450

インフラ

100.0

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を購入・販売。このほか、当社が不動産及び設備を賃貸。

役員の兼任等あり。資金の貸付(CMS)あり。

古河電工パワーシステムズ㈱

(注)7

横浜市青葉区

450

インフラ

100.0

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を購入・販売。このほか、当社が不動産を賃貸。

役員の兼任等あり。資金の貸付・借入(CMS)あり。

古河樹脂加工㈱

(注)7

千葉市美浜区

300

機能製品

100.0

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を購入。このほか、当社が不動産及び設備を賃貸。

役員の兼任等あり。資金の貸付(CMS)あり。

㈱古河テクノマテリアル

(注)7

神奈川県平塚市

300

電装エレクトロニクス

100.0

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品を販売。
役員の兼任等あり。資金の貸付(CMS)あり。

古河日光発電㈱

(注)7

栃木県日光市

300

サービス・開発等

100.0

当社が同社より電力の一部を購入。このほか、当社が不動産を賃貸。役員の兼任等あり。資金の貸付(CMS)あり。

 

 

名称

住所

資本金又は
出資金

(百万円)

主要な事業

の内容

議決権の所有
(又は被所有)割合

(%)

関係内容

古河ネットワークソリューション㈱

(注)7

神奈川県平塚市

150

インフラ

100.0

当社が購買及び製造を受託、当社が同社製品を販売。このほか、当社が不動産を賃貸。役員の兼任等あり。資金の借入(CMS)あり。

古河AS㈱

(注)3, 7

滋賀県犬上郡

100

電装エレクトロニクス

100.0

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品を販売。このほか、当社が不動産を賃貸。役員の兼任等あり。資金の貸付(CMS)あり。

古河ファイテルオプティカルデバイス㈱

(注)7

千葉県市原市

100

インフラ

70.6

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品を販売。このほか、当社が不動産を賃貸。役員の兼任等あり。資金の貸付・借入(CMS)あり。

古河精密金属工業㈱

(注)7

栃木県日光市

100

電装エレクトロニクス

100.0

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品を販売。このほか、当社が不動産を賃貸・賃借。

役員の兼任等あり。資金の貸付(CMS)あり。

理研電線㈱

(注)7

東京都中央区

100

インフラ

100.0

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を購入・販売。このほか、当社が不動産及び設備を賃貸。

役員の兼任等あり。資金の借入(CMS)あり。

古河エレコム㈱

(注)7

東京都千代田区

98

販売子会社

100.0

当社製品の販売。このほか、当社が不動産を賃貸。

役員の兼任等あり。資金の借入(CMS)あり。

古河マグネットワイヤ㈱

(注)7

東京都千代田区

96

電装エレクトロニクス

100.0

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品を販売。このほか、当社が不動産を賃貸。役員の兼任等あり。資金の貸付(CMS)あり。

古河C&B㈱

(注)7

神奈川県平塚市

90

インフラ

100.0

当社が同社製品を販売。このほか、当社が不動産を賃貸。役員の兼任等あり。資金の貸付(CMS)あり。

OFS Fitel, LLC

(注)3

アメリカ

362百万
米ドル

インフラ

100.0

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を購入・販売。役員の兼任等あり。資金の貸付あり。

Furukawa Electric LatAm S.A.

(注)3

ブラジル

149百万
レアル

インフラ

100.0

当社より原材料の一部を供給。役員の兼任等あり。

American Furukawa,Inc.

(注)3

アメリカ

109百万
米ドル

電装エレクトロニクス

100.0
(0.1)

当社子会社製品の販売。当社子会社より原材料の一部を供給。役員の兼任等あり。資金の貸付あり。

瀋陽古河電纜有限公司

(注)3

中国

768百万

インフラ

100.0

当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を販売。役員の兼任等あり。資金の貸付あり。

古河銅箔股份有限公司

台湾

1,555百万
台湾ドル

機能製品

100.0

当社が同社製品の一部を販売。役員の兼任等あり。

 

 

名称

住所

資本金又は
出資金

(百万円)

主要な事業

の内容

議決権の所有
(又は被所有)割合

(%)

関係内容

台日古河銅箔股份有限公司

台湾

1,475百万

台湾ドル

機能製品

81.9

当社子会社より原材料の一部を供給。役員の兼任等あり。資金の貸付あり。

Furukawa Electric Singapore Pte. Ltd.

シンガポール

3百万

米ドル

販売子会社

100.0

当社製品の販売。

役員の兼任等あり。

Furukawa Precision
(Thailand) Co.,Ltd.

タイ

169百万
バーツ

電装エレクトロニクス

100.0
(50.0)

当社より原材料の一部を供給。役員の兼任等あり。

Thai Furukawa Unicomm 
Engineering Co.,LTD.

タイ

104百万
バーツ

インフラ

91.8
(42.8)

当社子会社より原材料の一部を供給。役員の兼任等あり。

Furukawa Automotive Parts
(Vietnam) Inc.

ベトナム

18百万
米ドル

電装エレクトロニクス

100.0
(100.0)

当社子会社より原材料の一部を供給。役員の兼任等あり。資金の貸付あり。

PT Tembaga Mulia Semanan Tbk

(注)5

インドネシア

12百万
米ドル

電装エレクトロニクス

42.4

当社子会社より原材料の一部を供給。役員の兼任等あり。

Trocellen GmbH

ドイツ

8百万
 ユーロ

機能製品

100.0

役員の兼任等あり。資金の貸付あり。

PT.Furukawa Indomobil Battery Manufacturing

(注)3

インドネシア

899,732百万

インドネシアルピア

電装エレクトロニクス

51.0

(51.0)

当社子会社より原材料の一部を供給。当社子会社が同社より原材料の一部を購入。

  その他81社

 

 

 

 

 

(持分法適用関連会社)

富士古河E&C㈱

(注)4

神奈川県川崎市

1,970

インフラ

20.2

当社より工事を請負。役員の兼任等あり。

㈱UACJ

(注)4

東京都千代田区

52,276

サービス・開発等

25.0

当社より原材料の一部を供給、当社が同社より原材料の一部を購入、業務の一部を受託。このほか、当社が不動産及び設備を賃貸・賃借。

山崎金属産業㈱

(注)4

東京都千代田区

600

電装エレクトロニクス

25.0

当社が同社より原材料の一部を購入。当社製品を販売。

㈱ビスキャス

東京都大田区

10

インフラ

50.0

役員の兼任等あり。資金の貸付あり。

Asia Vital Components Co.,Ltd.

(注)6

台湾

3,533百万
台湾ドル

機能製品

17.7

(2.7)

役員の兼任等あり。

西安西古光通信有限公司

中国

227百万

インフラ

49.0

役員の兼任等あり。

  その他9社

 

 

 

 

 

 

(注)1.主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。

2.議決権の所有又は被所有割合の(  )内は、間接所有割合で内数であります。

3.古河AS㈱、OFS Fitel, LLC、Furukawa Electric LatAm S.A.、American Furukawa,Inc.、瀋陽古河電纜有限公司、PT.Furukawa Indomobil Battery Manufacturingは特定子会社に該当します。

4.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社は、古河電池㈱、富士古河E&C㈱、㈱UACJ、山崎金属産業㈱であります。

5.持分は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社とした会社は、岡野電線㈱、PT Tembaga Mulia Semanan Tbkであります。

6.持分は100分の20未満でありますが、実質的な影響力を持っているため関連会社としたものであります。

7.当社と一部の関係会社は、効率的な資金活用のために、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

2023年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

インフラ

10,051

電装エレクトロニクス

36,815

機能製品

2,282

サービス・開発等

2,166

合計

51,314

 

(注)1.従業員数には、臨時従業員及び企業集団外への出向者を含めておりません。

2.サービス・開発等の従業員数には、当社の本部部門など、全社共通の業務に従事する人員数が含まれております。

 

(2) 提出会社の状況

2023年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

4,267

43.7

19.9

6,845,157

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

インフラ

 1,516

電装エレクトロニクス

525

機能製品

 712

サービス・開発等

1,514

合計

 4,267

 

(注)1.従業員数には、臨時従業員及び出向者を含めておりません。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.サービス・開発等の従業員数には、当社の本部部門など、全社共通の業務に従事する人員数が含まれております。

 

(3) 労働組合の状況
当社グループには、古河電気工業労働組合をはじめとする労働組合が組織されており、全日本電線関連産業労働組合連合会(日本労働組合総連合会加盟)等に所属しております。なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

4.8

72.0

69.1

69.5

58.7

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 ② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

古河電池㈱

3.1

14.8

84.7

86.8

73.8

古河AS㈱

1.2

88.5

63.5

68.8

64.8

古河電工パワーシステムズ㈱

3.6

75.0

81.7

82.0

69.1

古河電工ビジネス&ライフサポート㈱

13.3

77.9

60.8

72.6

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 ③ 提出会社・国内連結子会社グループ

当年度

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

3.5

56.2

59.8

63.9

42.6

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

[古河電工グループ理念]

 

■基本理念

世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。

 

■経営理念

私たち古河電工グループは、人と地球の未来を見据えながら、

・ 公正と誠実を基本に、常に社会の期待と信頼に応え続けます。

・ お客様の満足のためにグループの知恵を結集し、お客様とともに成長します。

・ 世界をリードする技術革新と、あらゆる企業活動における変革に絶えず挑戦します。

・ 多様な人材を活かし、創造的で活力あふれる企業グループを目指します。

 

■Core Value(コア・バリュー

古河電工グループ理念を達成し持続的に成長していく上で、特に大事にし、より強化していきたい価値観として<正々堂々><革新><本質追究><主体・迅速><共創>の5つを定め、「Core Value」としております。

 

■古河電工グループ ビジョン2030

当社グループの事業を取り巻く環境の急速な変化を捉え、目指す時間軸と事業領域を明確にした「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、「ビジョン2030」という)を策定しております。

ビジョン2030は、「世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。」という当社グループの基本理念を踏まえ、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs*)」が 示す社会課題の解決を念頭に置いて、当社グループの2030年におけるありたい姿を描くとともに、そこへ向けて目指す時間軸と領域を明確にしております。

ビジョン2030のもと、情報/エネルギー/モビリティの各領域及びこれらの融合領域において、当社グループは社会課題の解決を目指してまいります。さらに、新領域においても、これまでにない新たな事業の創出を通じた社会課題の解決を目指してまいります。

 


古河電工グループは

「地球環境を守り」「安全・安心・快適な生活を実現する」ため、

情報 / エネルギー / モビリティが融合した社会基盤を創る。

 

 

さらに、当社グループでは、ビジョン2030を達成するために当社グループが対処すべき経営上の重要課題を「マテリアリティ」と定義し、収益機会とリスクの両面で次のとおりマテリアリティを特定しております。これらのマテリアリティに取り組むことにより、ビジョン2030を達成するとともに、SDGsの達成にも寄与してまいります。

 


*SDGs…国連で採択されたSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称であり、17のゴール・169のターゲットで構成される国際目標

 

(2) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社は、ビジョン2030のありたい姿からのバックキャストで中間地点としての2025年の目指す姿を定義し、その達成に向け2025年度を最終年度とする4か年の新中期経営計画「Road to Vision2030-変革と挑戦-」(以下、「25中計」という)を昨年策定し、各施策に取り組んでまいりました。


<経営環境>

25中計の前提となる当社を取り巻く経営環境は、今後非連続かつ不可逆的に変化していくものと考えております。例えば、ESG/SDGsが企業の存続に欠かせない経営課題となる、人生100年時代などを踏まえた新たなライフスタイルが広がる、人口減少・高齢化の進展により国内市場が縮小する、DX(Digital Transformation)が急速に進展する、等の変化が想定されます。

このような環境においては、Beyond5G*の実現やカーボンニュートラルの実現、安全・安心・快適に人とモノが移動の自由を享受するための次世代インフラの実現、健康寿命延伸の実現、サーキュラー・エコノミーの実現等の社会課題解決の期待がより高まるものと想定されます。

*Beyond5G…5Gの特徴(高速・大容量、低遅延、多数端末との接続)のさらなる高度化に加えて、空・海・宇宙への利用領域の拡張、超低消費電力、超高信頼などの特徴を備えることが想定されている。6G(第6世代移動通信システム)とも呼ばれる。


 

<各事業領域における市場環境の見通し>

世界経済は、回復傾向をたどるとみられます。しかし、インフレ率は高止まりしているほか、金融環境は不安定な状況にあり、リスクバランスは下振れの方向にあります。先行き不透明な状況が続くと予想されますが、当社グループが重点領域と位置づけているインフラ(情報通信、エネルギー)/自動車分野、また、注力事業と位置づけている半導体に関連する機能製品分野は、中長期では継続的な市場成長が見込まれます。

情報通信分野は、5GやIoTなど、クラウドをベースとしたサービスが様々な分野で成長しておりましたが、それに加えコロナ禍で定着したテレワークとその拡大により、データセンタ関連の光ネットワークの建設が今後も続くと考えられます。足元では世界的な光ファイバ等の需給バランスが悪化しておりますが、中長期では継続的な市場成長が見込まれます。

エネルギー分野は、国内に関しては国のエネルギー政策に伴う洋上風力を中心とする再生可能エネルギーや電力会社のリプレース需要が見込まれ、海外に関しては欧米、新興国での旺盛な需要が継続する見通しであります。

自動車分野は、半導体供給制約が緩和の方向にあるとともに、日系自動車メーカーのBEVシフトが加速するなど、今後も当該分野は継続的に成長する見通しであります。

機能製品分野は、足元ではスマートフォン・パソコン・データセンタ向けの需要が落ち込んでおりますが、中長期的には継続的な市場拡大・成長が見込まれます。

 

<25中計達成に向けた取組み(対処すべき課題)>

25中計のもと、情報/エネルギー/モビリティの各領域及びこれらの融合領域における社会課題解決型事業の強化・創出を掲げ、収益の拡大に向けた取組みとして、「資本効率重視による既存事業の収益最大化」及び「開発力・提案力の強化による新事業創出に向けた基盤整備」を推進してまいります。また、これらを下支えする「ESG経営の基盤強化」に取り組んでまいります。

 

 

①資本効率重視による既存事業の収益最大化

収益性・成長性等の観点から事業の位置付けを可視化し、これに則した投資配分の最適化を進め、事業ポートフォリオの見直しを含む、資本コストをより意識した経営管理と意思決定を一層加速してまいります。また、売上における高付加価値製品の比率の向上や付加価値に見合った製品価格の適正化により、収益の改善・拡大を図ってまいります。具体的には、光ファイバ等の需要拡大をとらえ、拡販を進めているローラブルリボンケーブル等の高付加価値製品の売上増を図るとともに、中南米で培ったビジネスモデルの強みを活かしネットワーキングシステム事業をグローバルに拡大してまいります。電力ケーブルシステムについては、製造能力や工事施工能力の増強等を進め、国内での電力網強靭化や再生可能エネルギー向けの海底線及び地中線を主なターゲット領域として事業基盤を確立し、収益成長を図ってまいります。また、EV化の加速に伴う自動車の軽量化ニーズの高まりに応えるため、新車種への搭載を着実に拡大しているアルミワイヤハーネスの優位性を活かし、事業拡大と収益性向上を進めてまいります。さらに、中長期的に半導体需要の拡大が見込まれることから、半導体製造用テープにつきまして、2025年度の量産開始に向け新工場建設を進めており、製造能力の増強による安定的供給及び高性能・高品質な製品の提供により、売上拡大を目指してまいります。

 

②開発力・提案力の強化による新事業創出に向けた基盤整備

当社グループは、素材力を核として長年培ってきた「メタル」「ポリマー」「フォトニクス」「高周波」の4つのコア技術を活用し、新たな社会課題解決型事業創出の基盤整備を図ってまいります。Beyond5G社会に向け情報通信トラフィックの増加が見込まれる中、当社のコア技術であるフォトニクス技術及び高周波技術を活かした高機能なフォトニクス製品の開発力と、光通信市場への幅広い対応力を活かし、オール光ネットワークと高効率エネルギー社会の実現に貢献してまいります。また、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、化石資源によらないグリーンLPガスの開発・製造を進めてまいります。さらに、次世代のエネルギー源として期待される核融合発電に必要な高温超電導線材の開発・製造により、環境に配慮したクリーンな電力の供給に寄与してまいります。引き続き、外部パートナーとの共創を進めるほか、デジタル技術やデータの利活用を推進し、課題解決を起点とした製品・サービスを開発・提供することを通じて、新たな提供価値の創造を目指してまいります。

 

③ESG経営の基盤強化

25中計では、特定したマテリアリティごとに2025年度の目指す姿を定め、それらを実現する施策を策定するとともに、進捗を測定するサステナビリティ指標・目標値を設定しており、それらの達成を図ることで、ESG経営の基盤を強化してまいります。持続可能な企業へ変革する上で必須となっている気候変動に配慮したビジネス活動を展開するべく、「自社のCO2を出さない・減らす」「社会のCO2を出さない・減らす」「排出されたCO2を溜める・変える」という収益機会の獲得とリスクの低減の両面からの活動により、カーボンニュートラル実現への取組みを加速してまいります。また、人的資本の強化を図るため、人材に対するグループ・グローバル共通の考え方である「古河電工グループPeople Vision」に基づき、2030年のありたい姿として「多様な人材を確保し、挑戦し続けようとする人の成長を支援する」「全員が主役で誇りを持ちワクワク働ける企業グループを目指す」「『チームで徹底的にやりきる』古河電工グループの文化を醸成する」ことを基本方針として、「人材・組織実行力」の強化に取り組んでまいります。具体的には、従業員エンゲージメントの要素を含む人材・組織実行力調査を実施し、これをモニタリングツールとして、ダイバーシティ&インクルージョン推進、リーダーシップ変革活動、経営戦略・事業戦略遂行に資する人材の採用・配置・育成施策など、人材マネジメントに関わる取組みを強化してまいります。人権マネジメントについては、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」の企業の取り組むべき3つの要件に基づき推進してまいります。その中でも「人権デューディリジェンスの実施」としては、従業員と取引先を優先して対応すべきステークホルダーとして、それぞれについて想定される人権上の課題を特定し、課題への改善策や予防策を講じてまいります。具体的には、人権問題に関する教育について当社はもとより国内外グループ会社の管理職にまで拡大し、継続的に実施してまいります。また、サプライチェーンにおける人権を含めたCSR調達実現のため、「古河電工グループCSR調達ガイドライン」に基づく自己評価調査(SAQ)について当社から国内外グループ会社の主要な取引先へと段階的に拡大してまいります。

 

 

(3) 目標とする経営指標

25中計において、資本効率を意識した事業の強化と創出を行うため、ROICやROEなどを経営指標として重視し、最終年度である2026年3月期の到達目標水準は、ROIC(税引後)6%以上、ROE11%以上、連結売上高1.1兆円以上、連結営業利益580億円以上、親会社株主に帰属する当期純利益370億円以上としております。また、25中計では、これらの財務目標に加え、各マテリアリティにおける2025年度の目指す姿を実現するための指標をサステナビリティ指標(温室効果ガス排出量削減率、管理職に占める女性比率、管理職に対する人権リスクに関する教育実施率等)として目標を設定しており、収益機会とリスクの両面から、企業価値向上に向けた取組みを実施し、これらの達成を図ってまいります。

当社グループ経営理念及びビジョン2030の実現に向けて、本中期経営計画を着実に推進してまいります。

 

2025年度の財務目標値

ROIC(税引後)

6%以上

ROE

11%以上

Net D/Eレシオ

0.8以下

自己資本比率

35%以上

連結売上高

1.1兆円以上

連結営業利益

580億円以上

親会社株主に帰属する当期純利益

370億円以上

 

 

2025年度のサステナビリティ目標値

環境調和製品売上高比率

70%

新事業研究開発費増加率(2021年度基準)

125%

事業強化・新事業創出テーマ(*1)に対するIPランドスケープ実施率

100%

温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2)(2021年度基準)

△18.7%(*2)

電力消費量に占める再生可能エネルギー比率

30%(*3)

(単体)従業員エンゲージメントスコア

75(*4)

(単体)管理職層に占める女性比率

7%

(単体)スタッフ新規採用者に占めるキャリア採用比率 

30%

全リスク領域に対するリスク管理活動フォロー率

100%

主要取引先に対するCSR調達ガイドラインに基づくSAQ実施率

グローバル100%

管理職に対する人権リスクに関する教育実施率

グローバル100%

 

(*1) 2022年度に設定したテーマが対象。

(*2) 環境目標2030改定に伴い基準年度と目標値を改定。従来の2017年度基準で△42%に相当。

(*3) 環境目標2030改定に伴い目標値を改定。

(*4) 2022年度に目標値を新たに設定。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの業績、財務状況等は、当社グループが製品販売・サービス提供をしている様々な市場における経済状況の影響を受けます。

当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のある重要なリスクには以下のようなものがあります。発生可能性と影響度の双方が中以上のものをリスク項目とし、主にどの視点でリスク認識したかにより、リスク項目は大きく「経営視点のリスク」と「オペレーショナル視点のリスク」に分類しております。各リスクに対する取り組みを進めるにあたり、特に経営視点のリスクについてはそれぞれ単独のリスクではなく、相互に連関したリスクであると認識しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 


 

 

分類

リスク項目

リスクの内容

主要な取り組み

影響度

発生可能性

事業ポートフォリオ

・事業構成が経済動向や市場環境の変化に対応できないことによる、収益性・成長性の停滞・悪化

・M&Aや外部との提携後に発生した市場環境の悪化等による、当初の期待水準に満たない収益又は効果

・経営会議・取締役会などで定期的に事業ポートフォリオの構成を確認・検証し、必要に応じて見直しを討議・実施

・事業ポートフォリオの変革を推進する機関として、事業ポートフォリオ検討委員会を設置

・投下資本利益率(ROIC)と投下資本付加価値額(FVA)、売上高年平均成長率などの社内基準に基づいて、事業の継続・縮小・撤退を判断

・買収・提携の目的明確化と資産内容・リスクの事前把握

・リスクと収益性を踏まえた適切な投下資本額での買収・提携

・買収・提携後、早期に投下資本を回収

新事業の創出

・新事業の企画・開発と営業との連携不足による、新事業創出の遅延・中止

・新事業創出の専門組織を営業組織に統合し、テーマ分野における顧客との共創を加速

気候変動(カーボンニュートラル)

・移行リスクとして、各国の温室効果ガス排出目標・政策による炭素税による製造コストや材料調達コストの上昇

・気候変動対策が不十分であることによるサプライチェーン、製品・サービス・労働市場からの排除

・気候変動による洪水・渇水リスクの未認識による工場操業の停止

・環境ビジョン2050を策定、温室効果ガス削減についてチャレンジ目標ゼロを設定、また、環境目標2030を引き上げ、再設定

・気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、シナリオ分析を実施

・日光地区の水力発電利用に加え、国内外での太陽光発電の設置と購入電力の再生可能エネルギーへの転換

・気候変動による洪水・渇水リスクの把握と対応策の策定

人材・組織

・専門性を持つ人材や事業ポートフォリオマネジメントができる人材の不足により、新規事業が創出できない

・企業の持続的な成長の原動力である従業員エンゲージメントが高まらない

・人材獲得や定着、育成が不十分なことによる人材の質的量的な不足

・「古河電工グループPeople Vision」に基づき、多様な人材の確保と個々人の成長支援、従業員エンゲージメント向上、チームで成果を上げる文化の醸成の3つを柱に、「人材・組織実行力」強化施策を実施

・働き方改革を含むダイバーシティ&インクルージョン活動の推進

・リーダーシップ変革活動の継続と進化

・経営・事業戦略の実現と個々人の成長の両立を企図した各種人材マネジメント(採用・配置・育成)の取組み強化

・従業員エンゲージメントの要素を含む人材・組織実行力調査によるモニタリング

地域戦略、国際政治経済

・ロシア・ウクライナ情勢の影響拡大に伴う、国家群間での経済制裁の影響等によるサプライチェーンの寸断。特定の購入先からの供給依存による供給不足、供給停止

・米中貿易摩擦激化によるグローバル分業体制の崩壊

・世界各地域における政情不安による事業継続不能、経済安全保障規制への対応不備による輸出入不全

・サプライチェーンの多重化(購入先の複数化、製造拠点の分散)

・在庫数量の適正化

・長期契約による安定調達

・情報の入手、解析、迅速な対応

・法令・規則の遵守

・国際物流の主要ルートにおける潜在リスクの把握

人権・労働慣行

・企業としての人権尊重に対する責任を果たせず、潜在的または実際に人権への負の影響が生じることに伴う、サプライチェーン、製品・サービス・労働市場からの排除

・国連グローバル・コンパクト10原則、当社グループ人権方針に基づき、人権を尊重した事業活動を推進

・CSR調達ガイドラインの周知によりサプライチェーン上の人権リスクへの対応を強化

・当社グループ及び単体の主要取引先向けの人権デューディリジェンス(人権DD)を継続実施

 

 

分類

リスク項目

リスクの内容

主要な取り組み

影響度

発生可能性

 

災害・感染症等の影響

・異常気象によって起きる大型台風等による建物被害や洪水による工場操業の停止

・大規模な地震や津波、火災、感染症大流行等による納入先、調達先のサプライチェーンの寸断

・従業員等の大規模クラスター発生による事業継続不能

・ISO22301による事業継続マネジメント(BCM)を促進

・事業継続計画の策定、ブラッシュアップ、安否確認システムによる従業員の安全確保

・耐震性と安定した通信環境が確保された施設におけるデータセンタの設置

・サプライチェーンの多重化

[新型コロナウイルスへの対応]

・リモート等も活用し顧客との信頼関係を維持強化

・納入先、調達先の与信調査、製造拠点調査

・従業員等の在宅勤務、会議、イベントのリモート活用

・来訪者受入・会食等に関するガイドライン、発熱等体調不良時の管理報告基準等の策定

品質管理

・製品及びサービスでの欠陥の発生等により、将来に予期せぬ損失補償の発生(特に、電力ケーブル、通信ケーブル、自動車用部品等の関連製品で、欠陥の内容により多額な追加コストの発生)

・お客様の期待する品質の実現を目指し、欠陥の未然防止を図る取り組み、並びに問題解決力を向上する活動を継続

・品質管理に関するガイドラインを作成し、それに沿って品質マネジメントシステムを強化

・損害賠償請求に備える為、生産物賠償責任保険や生産物回収費用保険等に加入

法令違反等(注)

・事業展開する国内外の法令や規則に関するコンプライアンス違反

・事業展開する上で適用される国内外の法令改正、規制当局から受ける規制強化や法令解釈の厳格化による、事業制限や費用の増加等

・法令違反等の事象が生じた場合の、各規制当局からの処分・制裁、取引先等関係者からの損害賠償請求、社会的評価の悪化等

・禁輸国への輸出による行政処分、外国為替法違反、米中関係悪化による米国及び中国における輸出管理規則・法令の域外適用リスク

・海外拠点での不適切会計や粉飾決算

・各国の国内及び国際間取引に係る租税制度の変更や移転価格税制などによる税金コストの発生

・各国の税務当局との見解の相違等による追加の税金コストの発生

・当社グループ理念、Core Value、CSR行動規範を倫理法令遵守の基本とするコンプライアンス体制を構築

・毎年定期的にコンプライアンス自主点検を行うとともに、コンプライアンスセミナーやEラーニングを通じて、競争法上の規制や贈収賄防止等のテーマについて当社グループ内への教育を実施

・安全保障貿易管理や関税等に関して、関連する部署への教育及び内部監査の実施。海外輸出管理法令の専門弁護士との提携

・東南アジアや中国における地域統括会社により、当該地域内の拠点における調達、経理、人事等の業務統括の実施

・データアナリティクスを活用した財務分析による統制の実施

・税務に関する基本方針を定めることによる税務コンプライアンスに対する意識向上

・各国における税法の遵守や税制や税務行政の変更への対応策の実行

原料及び燃料価格の変動

・需給関係や投機的取引、世界情勢等の変動による、銅・アルミ等の非鉄金属やポリエチレン等合成樹脂及び燃料である重油やLPG、LNG価格の急激な変動

・市況を反映した非鉄金属、合成樹脂、燃料価格等の製品販売価格への転嫁

・先物取引を利用したヘッジ

・生産活動におけるコスト低減や省エネ化

・複数購買化による価格変動リスクの分散

 

 

分類

リスク項目

リスクの内容

主要な取り組み

影響度

発生可能性

 

情報システム、情報セキュリティ

・サイバー攻撃や不正アクセス等の外的要因や人為的要因等に起因する情報流出による不正使用、システム障害

・レガシーシステム利用によるセキュリティリスクの増加

・情報セキュリティ基本方針のもと、グループ全体へのセキュリティガバナンス強化、教育・支援活動

・ゼロトラスト視点でのネットワークセキュリティ強化等の対策による情報資産の保護

・レガシーシステム更新の中期的な取り組み実施

為替・金利・株価変動

・輸出入等の国外取引、外貨建て債権・債務の円換算金額の変動

・在外連結子会社等の現地通貨建の個別財務諸表の円換算金額の変動

(米ドルに対し1円円高につき年間で約3億円の減益を予想)

・金利上昇による資金調達コストの増加

(当連結会計年度末の有利子負債残高は3,238億円)

・年金資産の時価減少による、会社からの追加的な資金拠出の発生と退職給付費用の増加

・先物為替予約等の活用

・外貨建て取引額のバランス化

・長期固定金利を中心とした資金調達により、金利上昇による資金調達コストの増加を抑制

・キャッシュマネジメントシステム(CMS)を通じた資金効率改善や、財務体質の改善方針のもと、有利子負債を削減

・運用リスク低減を考慮した運用資産のポートフォリオの構築

研究開発・

知的財産

・技術開発の遅れ、他社新技術による代替製品の台頭

・研究開発データの改ざんによる訴訟、認証のはく奪、会社、製品の評判低下

・知的財産における第三者の権利侵害に関する交渉や係争、第三者との不十分な技術契約に伴う紛争により、事業における直接的な損害や機会損失が発生

・技術の流出により、企業競争力が低下

・高い専門性を持つ人材の確保、育成

・社外との共創により、技術開発の優位性を確保

・設計開発段階から知的財産権を取得、他社特許調査や他社による権利行使抑制のカウンター特許出願

・技術資産の創出と保全、知的財産関係の法令順守のための教育

従業員の安全・衛生

・労働災害、交通事故、疾病等による、従業員の死亡、就業不可、障害の残存、長期休業、体調不良

・製造設備への投資の意思決定の遅れによる、設備の老朽化による故障に伴う災害

・安全推進活動の3本柱(安全人間化教育による安全知識の付与と実践、本質安全化活動による設備の安全化推進、安全管理レベルの向上による安全組織の構築)の確実な実践

・産業医を中心とした産業保健体制を維持し、健診結果のフォローや指導・教育による従業員のヘルスリテラシー向上施策の実施

・産業保健中期計画に基づく年度ごとの衛生管理指針により、喫煙対策・メタボリック対策・メンタルヘルス対策・身体機能向上施策、熱中症対策の各拠点での展開

・感染症の予防対策の徹底と、産業医判断による発熱等の体調不良者への対応の徹底

・設備保全レベルの向上と維持更新計画の適正化

 

 

分類

リスク項目

リスクの内容

主要な取り組み

影響度

発生可能性

 

工事プロジェクトの採算悪化

(国内外共通)

・工事途中での設計変更、建設資材及び労務費の高騰

・ケーブル敷設工事における災害、疫病の発生、海洋条件や台風等天候の影響による追加費用の発生

・重大な瑕疵や事故の発生、それに伴う工期遅れが生じた場合の、修復費用や損害賠償金の支払、長期間に渡る瑕疵補修保証の延長

・コンソーシアムを組成した場合におけるパートナー企業のプロジェクト遂行能力の不足、分担業務の不履行などが生じた場合、予想外の大幅な費用負担の増大、追加費用の発生

(海外)

・海外工事案件における当該国での法規制の変更や政情不安、為替レートの変動

・物品・工事それぞれの責任分解点・仕様と保証範囲を厳格に見極め、プロジェクト固有のリスク分析を行い、合理的な条件での契約を締結する活動を強化

・遂行段階においては、プロジェクトの進捗、採算状況等を適切にモニタリングすることによるリスクの低減

・建設工事保険等の付保によるリスクヘッジ

・コンソーシアム組成時の契約における責任関係の明確化、パートナー所管を含む工事プロジェクト全体の工事進捗管理の徹底

環境汚染・

環境規制

・製造工程における有害物質の漏洩による環境保全上の問題の発生や、環境関連法令の改正等による新たな設備投資や対策費用の発生

・土地の使用・処分等に対する制限

・過去の製造状況等に伴う土壌汚染やアスベスト・PCB等の有害物質の処理について、関連法規制の強化等による追加の対策費用の発生

・世界各国におけるRoHS指令やREACH規制等の製品含有化学物質に関わる規制に違反した場合の製品リコール、生産・販売中止などの損失・費用の発生

・当社グループの生産拠点において、環境マネジメントシステム(ISO14001)に基づき、事業活動に関連する各種環境関連法規制の順守と保全対策等の徹底

・製品含有化学物質に関わる規制について、CSR調達ガイドライン、グリーン調達ガイドラインの発行とパートナーへの遵守状況確認、及び規制の強化に対応した定期的な当社グループ内調査の実施

固定資産の減損

・市況や事業環境の悪化による収益性低下による固定資産の減損

・投資委員会や経営会議等における投資計画の適切性に関する審議

・投資後の定期的なモニタリング及びフォローアップ

資金管理

(資金調達)

・金融環境悪化により、資金調達困難に陥る可能性と資金調達条件の悪化

・当社の財務状況悪化に伴う与信力低下により、資金調達に制約が発生する可能性と資金調達条件の悪化

(与信管理)

・取引先の財政状態や資金繰りの悪化に伴い、売掛債権が回収困難となることによる貸倒損失の発生

・多様な資金調達手段の確保と、返済時期の分散化

・コミットメントラインの設定と一定水準の手元資金の確保

・資金調達コスト低減とのバランスをとりつつ長期借入割合を増加

・財務体質の改善

・取引先各社の与信状況の定期的チェックと、グループ関係会社内での与信情報共有等により、売掛金回収事故と回収遅延リスク最小化

開示・ブランド

・適切な情報開示がなされないことによる、信頼の低下

・一貫性あるコミュニケーションの不足による認知機会や、イメージ向上機会の損失

・経営に大きな影響を及ぼすと判断される情報の一元的な把握・管理や、規模・性質に応じた開示手段の選択等、適切な管理体制の構築と適時適切な情報の開示

・統一的なメッセージの複数メディア活用による発信強化

・ブランド統一のためのコンセプト、スローガン、ロゴを検討

 

(注)当社は、自動車用部品カルテルに関し、ブラジル競争法当局の調査を受けております。また、米国での一連の自動車用部品カルテルによる損害の賠償を求める集団訴訟などにおいて、当社や当社連結子会社がその被告となっております。このほか、自動車メーカーなどの顧客に対して、当社または当社関係会社が民事賠償金を支払う可能性があります。なお、これまで複数の原告・顧客等との間で和解が成立し、上記継続案件の当社決算への潜在的な金額的インパクトは大きくないものと認識しております。今後も、これまでと同様、顧問弁護士とも連携しながら、早期解決、損失の最小化に向けて対応してまいります。また、上記継続案件はいずれも自動車用部品カルテルを含む過去の競争法違反行為に関するものであり、現時点においてはこれらの行為は行われておりません。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 業績

当期の世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う社会経済活動の制限が緩和され、需要と供給の両面で景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界的なインフレとその抑制のための金融引締め強化や地政学的な緊張等の影響により、先行きが不透明な経済環境が続きました。

米国では、物価高止まりによる消費下押し圧力や大幅利上げ継続による住宅投資減少、さらには急激な金融引締めによる一部金融機関の経営への悪影響が生じたものの、雇用環境が個人消費を下支えし、底堅く推移しました。欧州では、新型コロナウイルス感染拡大防止のための規制が緩和されたことによる消費の持ち直しや自動車生産に回復の兆し等が見られたものの、ロシア・ウクライナ情勢の影響で加速したエネルギー価格高騰・供給制約による物価上昇が継続し、景気は減速基調で推移しました。中国では、経済成長重視の政策による下支えがあったものの、ゼロコロナ政策下での長期間に亘る厳格な行動制限や制限緩和後の感染急拡大、不動産市況低迷等が影響し、景気の回復は限定的なものとなりました。

わが国の経済は、社会経済活動の正常化が進み、緩やかな持ち直しが続いているものの、円安を背景とする物価高や原油・天然ガス、各種原材料の供給不安及び価格高騰等の影響が下押し要因となり、景気の本格的な回復には至りませんでした。

このような環境の下、当社グループでは、2030年におけるありたい姿を描き、そこへ向けての時間軸と領域を明確にした「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、「ビジョン2030」という)からバックキャストして2025年に目指す姿の達成を見据えて策定した中期経営計画「Road to Vision2030-変革と挑戦-」(以下、「25中計」という)に基づき、「資本効率重視による既存事業の収益最大化」及び「開発力・提案力の強化による新事業創出に向けた基盤整備」を推進してまいりました。また、これらを下支えする「ESG経営の基盤強化」に取り組んでまいりました。

「資本効率重視による既存事業の収益最大化」については、成長性と収益性の指標を用いて事業の位置付けを可視化し、その結果に応じて経営資源を成長が見込まれる分野に集中的に配分することにより、資本効率性を意識した経営管理を推進するとともに事業ポートフォリオの見直しを図ってまいりました。この取組みにおいて、当社連結子会社である東京特殊電線株式会社の位置付けの検討を行い、昨年12月に当社所有の同社株式全てを売却いたしました。さらに、情報通信ソリューション事業においては、高付加価値製品の拡販や人員の確保及び育成強化による工場生産性の改善に注力してまいりました。また、自動車部品事業においては、コスト競争力があり変化に強い生産・供給体制の確立を推進し、加えてDX(Digital Transformation)の活用を通じた業務プロセス改善の取組みにより原価低減を図ってまいりました。

「開発力・提案力の強化による新事業創出に向けた基盤整備」については、カーボンニュートラルの実現に貢献する新事業創出として化石資源によらないグリーンLPガス*の合成技術の開発を進めてまいりました。本取組みを実用化に向けて加速するために昨年9月には「地産地承*エネルギープロジェクトチーム」を新設いたしました。また、次世代のエネルギー源として期待される核融合*発電の開発を進める英国の顧客に対して必要とされる高温超電導線材を供給する契約を締結いたしました。

*グリーンLPガス…バイオガス(家畜の排泄物や生ゴミなどを発酵させた際に発生するメタンガスと二酸化炭素の混合ガス)を原料に生成したLPガスのこと。

*地産地承…地域の資源や文化を次世代に承継すること。

*核融合…強力な超電導マグネットで高温プラズマ(数億度)を閉じ込め、核融合反応でエネルギーを発生させる。核融合の燃料の元は海水(重水素(2H))であり、二酸化炭素(CO2)を排出せずに発電可能で環境負荷も低いことから、核融合による発電は次世代のエネルギー源として期待されている。

「ESG経営の基盤強化」については、脱炭素社会への貢献と水・資源循環型社会への貢献等を掲げた「古河電工グループ環境目標2030」(以下、「環境目標2030」という)の達成に取り組んでおり、そこに定める温室効果ガス排出量削減目標は、SBTi(Science Based Targets initiative)によりSBT WB2℃*の認定を取得いたしました。なお、カーボンニュートラル実現への取組みを加速するため、昨年12月に環境目標2030において設定した2030年度温室効果ガス排出量削減率をより厳しい目標値に改定いたしました。さらに、本目標値をもってSBT1.5℃認定の申請をいたしました。製造時における省エネルギー化、製品設計の見直し、水力発電や太陽光発電の活用等により目標達成を目指してまいります。また、「人材・組織実行力の強化」に継続的に取り組んでおり、人と組織の現状と改善施策の効果をモニタリングするため昨年7月に当社及び国内外のグループ会社の従業員を対象とした従業員エンゲージメントの要素を含む人材・組織実行力調査を実施し、その後の活動計画に活かしております。本年3月には、女性活躍推進に優れた企業として「なでしこ銘柄」に3度目の選定を受けました。また、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む企業として「健康経営銘柄2023」にも選定されました。加えて、特に優良な健康経営を実践している企業として「健康経営優良法人2023(ホワイト500)」に5度目の認定を受けました。さらに、2021年度にガバナンスの4つ目のサブ・マテリアリティとして追加した「人権・労働慣行」については、当社グループの管理職を対象とした人権に関する教育を人権デューディリジェンスの一環として実施するとともに、人権に関する社外の通報窓口を活用し、客観性・透明性をもった救済メカニズムの構築に努めてまいりました。

*WB2℃…well-below 2℃。世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準に抑える温室効果ガス削減目標。

当期の業績につきましては、情報通信ソリューション事業における北米での光ファイバ等の増収や電装エレクトロニクス事業におけるワイヤハーネス等の自動車部品の増収、また為替や銅地金価格高騰の影響により、グループ全体の売上は増加しました。損益面では、原燃料価格の高騰等がありましたが、価格転嫁による販売価格適正化の進捗や円安の進行等により増益となりました。

これらの結果、連結売上高は1兆663億円前期比14.6%増)、連結営業利益は154億円前期比35.1%増)、連結経常利益は196億円前期比0.1%減)となりました。連結子会社株式などの売却による投資有価証券売却益153億円などを特別利益に、関係会社事業損失23億円などを特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は179億円前期比77.4%増)となりました。なお、海外売上高は5,490億円(前期比17.0%増)で、海外売上高比率は51.5%(前期比1.1ポイント増)となりました。

単独の業績につきましては、売上高は3,058億円前期比4.6%増)、営業損失は18億円(前期比23億円悪化)、経常利益は87億円前期比34.4%増)、当期純利益は252億円(前期比258億円改善)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

〔インフラ〕

情報通信ソリューション事業では、半導体の調達難に伴う生産数量減による国内ネットワーク関連製品の減収、ロシア・ウクライナ情勢に伴う減収の影響が一部あったものの、北米において光ファイバ等の需要が堅調に推移したことや工場生産性改善により増収となりました。また、原燃料価格の高騰が継続したものの、高騰分の価格転嫁の進捗、製品ミックスの改善や為替の影響などにより増益となりました。

エネルギーインフラ事業では、中国での新型コロナウイルス感染拡大による顧客工事遅延の影響で中国子会社の売上は減少したものの、国内においては地中線案件が堅調に推移したことや海底線・送水管案件のケーブル出荷・布設工事による売上を順調に計上したこと、加えて原燃料価格高騰分の転嫁を進めたことにより、増収増益となりました。

これらの結果、当セグメントの連結売上高は3,239億円前期比9.1%増)、連結営業利益は86億円(前期比66.1%増)となりました。また、単独売上高は898億円(前期比5.8%増)となりました。

情報通信ソリューション事業では、引き続き北米の光ファイバケーブル生産性向上や高付加価値製品の拡販を進め収益の増加を図るとともに、中南米において展開している、光ファイバケーブル等の製品販売だけでなく、ネットワークの設計や運用支援、アフターサービスなどをトータルで提供するネットワーキングシステム事業について、北米、欧州、アジアへの拡大を加速してまいります。さらに、半導体調達難の国内ネットワーク関連製品への影響が継続する中、半導体の戦略在庫の確保や長期先行発注、新機種への切替えにより調達難の影響を低減する施策を進めてまいります。エネルギーインフラ事業では、国内超高圧地中線、太陽光発電や洋上風力発電等の再生可能エネルギー向け海底線及び地中線など市場拡大が見込まれる分野に注力し、ケーブル製造能力や工事施工能力の増強を図るとともに、軽量かつ柔軟性に優れ建設工事の省力化・効率化に貢献するアルミCVケーブルなどの機能線及び送配電部品の拡販を進め、収益の拡大を目指してまいります。

 

 

〔電装エレクトロニクス〕

自動車部品事業では、原燃料等の価格高騰の継続、新型コロナウイルスの感染拡大による中国でのロックダウンや顧客の生産計画変更による人件費などの増加があったものの、製造工程における再生可能エネルギーの利用及び軽量化によるCO2削減への貢献など、環境に配慮した製品であるアルミワイヤハーネスの販売強化や、原燃料費増加に対する価格転嫁の進捗、さらに2021年度において東南アジア一部拠点のロックダウンに伴い発生した緊急輸送費が当期は減少したこともあり、増収増益となりました。

電装エレクトロニクス材料事業では、通信インフラ関連やパワー半導体向け製品の堅調な需要を着実に取り込んだことや銅地金価格高騰により増収となったものの、原燃料等の価格高騰の影響や下期における車載及びエレクトロニクス関連製品の需要減少があり、減益となりました。

これらの結果、当セグメントの連結売上高は6,103億円前期比21.9%増)、連結営業利益は47億円(前期比46億円増)となりました。また、単独売上高は1,527億円(前期比4.2%増)となりました。

自動車部品事業では、アルミワイヤハーネスの更なる拡販を推進するとともに、安全・安心で環境にやさしい高付加価値製品の創出に取り組んでまいります。また、原燃料価格の更なる高騰を受け、価格転嫁による販売価格の適正化を進めてまいります。さらに、顧客の生産計画の変更にも柔軟に対応できる体制を整えるとともに、DXの活用等による業務プロセスの改善を推進し、原価低減に努めてまいります。電装エレクトロニクス材料事業では、原燃料価格高騰に対応した更なる価格転嫁や、グローバル通信ネットワークを支える光海底ケーブル用及びパワー半導体用無酸素銅条の拡販、製品ミックスの改善を進めてまいります。

 

〔機能製品〕

機能製品事業では、原燃料価格等の高騰に伴う価格転嫁は進捗しているものの、主に下期以降の世界的なスマートフォンやパソコン、データセンタの需要の減少に伴うサプライチェーン上の在庫調整が、半導体製造用テープ、ハードディスクドライブ用アルミブランク材、電解銅箔の売上に影響し、減収減益となりました。

これらの結果、当セグメントの連結売上高は1,265億円前期比2.7%減)、連結営業利益は42億円前期比44.9%減)となりました。また、単独売上高は601億円(前期比2.1%増)となりました。

機能製品事業では、顧客とのコミュニケーション強化を通じてサプライチェーン上の在庫状況の把握に努め、市況の急激な変化にも柔軟に対応できる生産体制の確立や、市場・顧客のニーズに沿ってより一層他社と差別化した新製品の提案・開発を行い、収益の拡大を図ってまいります。さらに、原燃料価格高騰に対する価格転嫁を引き続き推進し、収益の確保に努めてまいります。

なお、事業ポートフォリオ見直しの一環として、昨年12月に当社連結子会社の東京特殊電線株式会社の全株式を売却いたしました。これにより、同社は当社の連結子会社から外れておりますが、同社との取引関係を従来どおり継続してまいります。

 

〔サービス・開発等〕

水力発電、新製品の研究開発、不動産の賃貸、各種業務受託等による当社グループ各事業のサポート等を行っております。なお、当社日光事業所においては、必要な電力のほとんどを再生可能エネルギー(水力発電)で賄っており、本水力発電は25中計におけるサステナビリティ目標値「電力消費量に占める再生可能エネルギー比率30%」の達成に向け、その一端を担っております。

当セグメントの連結売上高は317億円前期比8.0%減)、連結営業損失は21億円(前期比7億円悪化)となりました。また、単独売上高は33億円(前期比48.0%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、520億円(前連結会計年度比△157億円)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益+303億円、減価償却費+391億円、有価証券及び投資有価証券売却損益(△は益)△153億円、仕入債務の増減額(△は減少)△87億円などにより+365億円(前連結会計年度比+498億円)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出△359億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入+119億円などにより△217億円(前連結会計年度比+184億円)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、コマーシャル・ペーパーの純増減額△260億円や長期借入れによる収入+106億円、長期借入金の返済による支出△130億円、配当金の支払額△42億円などにより△345億円(前連結会計年度比△695億円)となりました。

 

(生産、受注及び販売の状況)

当社グループの生産・販売品目は、広範かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額または、数量で示すことはしておりません。

 

(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

(1) 財政状態の分析

当連結会計年度末の資産の部では、合計が前連結会計年度末に比べ10億円減少して9,348億円となりました。棚卸資産が82億円、有形固定資産が91億円、投資有価証券が42億円増加しましたが、現金及び預金が177億円減少しました。

流動資産から流動負債を差し引いた運転資本は、前連結会計年度末に比べ175億円減少して1,058億円となりました。

有形・無形固定資産は、資本的支出で438億円の増加、減価償却で391億円の減少のほか、除売却による減少等により変動しております。

負債の部では、合計が前連結会計年度末に比べ180億円減少して6,038億円となりました。借入金、社債、コマーシャル・ペーパーを含む有利子負債が3,238億円と前連結会計年度末比で183億円減少しました。

純資産の部では、合計が前連結会計年度末に比べ169億円増加して3,310億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の増加等により利益剰余金が145億円増加し、その他の包括利益累計額が98億円増加しました。その結果、自己資本比率は、前連結会計年度末比2.7ポイント上昇し32.5%となりました。

キャッシュ・フローの概況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要)(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の連結売上高は、前連結会計年度比14.6%増1兆663億円、連結営業利益は、前連結会計年度比35.1%増の154億円となりました。情報通信ソリューション事業における北米での光ファイバ等の増収や電装エレクトロニクス事業におけるワイヤハーネス等の自動車部品の増収、また為替や銅地金価格高騰の影響により、グループ全体の売上は増加しました。損益面では、原燃料価格の高騰等がありましたが、価格転嫁による販売価格適正化の進捗や円安の進行等により増益となりました。

営業外損益では、持分法による投資損益が31億円悪化しました。この結果、連結経常利益は前連結会計年度比0.1%減196億円となりました。

特別損益は、107億円の利益(純額)となりました。連結子会社株式などの売却による投資有価証券売却益153億円などを特別利益に、関係会社事業損失23億円などを特別損失として計上いたしました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比77.4%増179億円となりました。

なお、セグメント別の概況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要)(1)業績」に記載しております。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループでは、事業活動の継続及び発展のための成長投資や運転資金需要に対して、営業活動を通じて獲得したキャッシュ・フローの他、金融機関からの借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等の負債性調達や、資産の流動化等により、資金調達を実施しております。具体的な調達手段については、市場環境や当社のバランスシート状況を踏まえ、経済合理性や財務構造の安定化の観点から判断しております。

また、日本、中国及びタイにおいては、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、効率的な資金活用に努めております。

手元流動性については、手元現預金とコミットメントラインにより、短期的な支払リスクをカバー出来うる水準を確保しております。

 

(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、2022年11月8日開催の取締役会において、The Carlyle Groupに属する投資ファンドであり、ケイマン諸島法に基づき2021年6月2日に設立された特例リミテッド・パートナーシップであるTTC Holdings, L.P.がその株式の100%を保有するTTCホールディングス株式会社(以下、「TTC」という)との間で、TTCが当社の連結子会社である東京特殊電線株式会社(以下、「東特」という)を非公開化するための取引の一環として行う、TTCによる東特の普通株式(以下、「東特株式」という)に対する公開買付け(以下、「本公開買付け」という)に対し、当社が保有する東特株式の全てについて本公開買付けに応募すること等を定めた応募契約(以下、「本応募契約」という)を締結することを決議し、同日付で本応募契約を締結しました。

その後、本応募契約に基づき本公開買付けに応募し、本公開買付けは2022年12月21日をもって成立しました。なお、本公開買付けの決済の開始日である2022年12月28日付で、東特は当社の連結範囲から除外されました。

詳細は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](企業結合等関係)」をご参照ください。

 

 

2 【主要な設備の状況】

当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりであります。

(1) 提出会社

2023年3月31日現在

事業所名

(所在地)

セグメントの

名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数

(人)

土地

(面積

千㎡)

建物及び構築物

機械

装置

及び

運搬具

工具他

(含む建

設仮勘

定)

リース

資産

合計

千葉事業所

(千葉県市原市)

インフラ、サービス・開発等

光関連部品、電力ケーブルの製造設備、研究開発設備

3,117

(665)

10,199

6,926

5,719

 3

25,966

843

日光事業所

(栃木県日光市)

機能製品、電装エレクトロニクス、サービス・開発等

伸銅品、メモリーディスク用アルミ基板等の製造設備、研究開発設備

462

(776)

8,049

4,197

1,992

1

14,703

579

平塚事業所

(神奈川県平塚市)

インフラ、機能製品、サービス・開発等

機能樹脂製品、情報通信機器、放熱製品等の製造設備、研究開発設備

497

(222)

4,495

3,281

1,527

0

9,802

735

三重事業所

(三重県亀山市)

インフラ、機能製品、電装エレクトロニクス

光ファイバ・ケーブル、銅線、伸銅品、半導体製造用テープ等の製造設備

1,004

(532)

7,881

6,776

4,276

0

19,938

602

銅箔事業部門

(栃木県日光市)

機能製品

電解銅箔の製造設備

1,057

(154)

679

640

72

0

2,449

146

本社及び本社管轄

(東京都千代田区)

全社

(全社的管理業務・販売業務)

本社事務及び製品販売他

5,873

(69)

3,628

177

1,326

51

11,057

1,109

横浜事業所

(横浜市西区)

サービス・開発等

(研究開発)

インフラ、機能製品及び電装エレクトロニクス等の研究開発施設・設備

0

(7)

1,216

197

212

1,626

229

 

 

 

(2) 国内子会社

2023年3月31日現在

会社名

(所在地)

セグメントの

名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数

(人)

土地

(面積

千㎡)

建物及び構築物

機械

装置

及び

運搬具

工具他

(含む建

設仮勘

定)

リース

資産

合計

古河電池㈱

(福島県いわき市)

電装エレクトロニクス

蓄電池・電源製造設備

1,161

(100)

2,194

1,074

281

318

5,031

416

古河AS㈱

(滋賀県犬上郡)

電装エレクトロニクス

自動車部品の製造設備

647

(72)

2,167

 152

247

1

3,217

636

古河日光発電㈱

(栃木県日光市)

サービス・開発等

電力の発電・送電設備

650

(267)

3,310

3,601

117

7,680

40

 

 

(3) 在外子会社

2023年3月31日現在

会社名

(所在地)

セグメント

の名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数

(人)

土地

(面積

千㎡)

建物及び構築物

機械

装置

及び

運搬具

工具他

(含む建

設仮勘

定)

使用権

資産

合計

OFS Fitel,LLC

(アメリカ・

 ノークロス)

インフラ

光ファイバの製造設備

927

(270)

8,041

4,862

541

295

14,668

395

台日古河銅箔股份有限公司

(台湾・雲林県)

機能製品

電解銅箔の製造設備

1,202

(40)

2,228

7,110

413

294

11,250

254

FURUKAWA AUTOMOTIVE SYSTEMS LIMA PHILIPPINES INC.

(フィリピン・リパ)

電装エレクトロニクス

ワイヤハーネスの製造設備

(-)

4,162

3,634

85

1,053

8,936

4,667

FURUKAWA AUTOMOTIVE PARTS VIETNAM

(ベトナム・

 ホーチミン)

電装エレクトロニクス

ハーネス・電線の成形設備

(-)

1,782

4,327

234

1,029

7,374

7,599

Furukawa Electric LatAm S.A.

(ブラジル・クリチバ)

インフラ

通信ケーブルの製造設備

556

(282)

1,044

2,741

3,698

88

8,129

1,369

 

(注) 子会社については、主要な事業所のみ記載しております。

 

①【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

250,000,000

250,000,000

 

 

②【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在

発行数(株)

(2023年3月31日)

提出日現在

発行数(株)

(2023年6月21日)

上場金融商品取引所名又は

登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

70,666,917

70,666,917

東京証券取引所
プライム市場

完全議決権株式で権利内容に何ら限定のない当社の標準となる株式であり、単元株式数は100株です。

70,666,917

70,666,917

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式

総数増減数

(千株)

発行済株式

総数残高

(千株)

資本金増減額

 

(百万円)

資本金残高

 

(百万円)

資本準備金

増減額

(百万円)

資本準備金

残高

(百万円)

2016年10月1日(注)

△636,002

70,666

69,395

 

(注)2016年10月1日付で、普通株式10株につき1株の割合で株式併合を実施しており、発行済株式総数が636,002,262株減少し、70,666,917株となっております。

 

 

(5) 【所有者別状況】

 2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満

株式の状況

(株)

政府及び

地方公共

団体

金融機関

金融商品

取引業者

その他の

法人

外国法人等

個人

その他

個人以外

個人

株主数(人)

64

42

528

258

55

41,620

42,567

所有株式数
(単元)

297,496

14,825

46,847

163,031

400

183,013

705,612

105,717

所有株式数の割合(%)

42.16

2.10

6.64

23.10

0.06

25.94

100

 

(注)1.自己株式50,453株は、「個人その他」欄に504単元を、「単元未満株式の状況」欄に53株をそれぞれ含めて記載しております。なお、当該自己株式には、株式給付信託(BBT)にかかる信託口が保有する当社株式  203,700株は含まれておりません。

2.「その他の法人」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が5単元含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を除く。)の総数に
対する所有株式数の割合(%)

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2丁目11番3号

11,829,200

16.75

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1丁目8番12号

4,763,900

6.75

BNYMSANV AS AGENT/ CLIENTS LUX UCITS NON TREATY 1

VERTIGO BUILDING - POLARIS 2-4 RUE EUGENE RUPPERT L-2453 LUXEMBOURG GRAND DUCHY OF LUXEMBOURG

3,154,100

4.47

株式会社日本カストディ銀行(信託口4)

東京都中央区晴海1丁目8番12号

2,718,200

3.85

みずほ信託銀行株式会社 退職給付信託 みずほ銀行口 再信託受託者 株式会社日本カストディ銀行

東京都中央区晴海1丁目8番12号

2,413,500

3.42

朝日生命保険相互会社

東京都新宿区四谷1丁目6番1号

1,365,050

1.93

古河機械金属株式会社

東京都千代田区大手町2丁目6番4号

1,329,045

1.88

DFA INTL SMALL CAP VALUE PORTFOLIO

PALISADES WEST 6300, BEE CAVE ROAD BUILDING ONE AUSTIN TX 78746 US

1,292,296

1.83

みずほ信託銀行株式会社 退職給付信託 古河機械金属口 再信託受託者 株式会社日本カストディ銀行

東京都中央区晴海1丁目8番12号

1,091,900

1.55

野村信託銀行株式会社(投信口)

東京都千代田区大手町2丁目2番2号

1,072,400

1.52

31,029,591

43.94

 

 

(注)1.株式会社みずほ銀行については、同社が退職給付信託として信託設定した上記株式2,413,500株とは別に、同社が保有する株式が173株あります。また、朝日生命保険相互会社については、上記1,365,050株とは別に、同社が退職給付信託として信託設定した株式が1,050,000株あります。

 

2.2020年12月22日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、2020年12月15日現在で以下のとおり株式を所有している旨の記載がありますが、当社として2023年3月31日現在における実質保有状況の確認ができておりません。なお、変更報告書の内容は次のとおりであります。

提出者(大量保有者)の氏名又は名称

保有株式数

(株)

保有割合

(%)

株式会社みずほ銀行

2,413,673

3.42

みずほ証券 株式会社

350,100

 0.50

みずほ信託銀行株式会社

354,900

0.50

アセットマネジメントOne株式会社

2,099,200

2.97

 5,217,873

7.38

 

3.2022年7月21日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、2022年7月15日現在で以下のとおり株式を所有している旨の記載がありますが、当社として2023年3月31日現在における実質保有状況の確認ができておりません。なお、変更報告書の内容は次のとおりであります。

提出者(大量保有者)の氏名又は名称

保有株式数

(株)

保有割合

(%)

野村證券株式会社

169,461

0.24

ノムラ インターナショナル ピーエルシー

(NOMURA INTERNATIONAL PLC)

45,692

0.06

野村アセットマネジメント株式会社

4,859,200

6.88

5,074,353

7.18

 

   4.2022年8月4日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、2022年7月29日現在で以下のとおり株式を所有している旨の記載がありますが、当社として2023年3月31日現在における実質保有状況の確認ができておりません。なお、変更報告書の内容は次のとおりであります。

提出者(大量保有者)の氏名又は名称

保有株式数

(株)

保有割合

(%)

三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社

4,709,400

6.66

日興アセットマネジメント株式会社

1,376,500

1.95

6,085,900

8.61

 

①【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

65,153

47,432

 

 

受取手形、売掛金及び契約資産

*1 230,326

*1 229,550

 

 

有価証券

3,257

5,127

 

 

商品及び製品

59,932

65,755

 

 

仕掛品

40,116

38,556

 

 

原材料及び貯蔵品

64,067

67,985

 

 

その他

41,157

33,803

 

 

貸倒引当金

1,048

1,389

 

 

流動資産合計

502,963

486,821

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物

*2 246,887

247,121

 

 

 

機械装置及び運搬具

475,919

491,387

 

 

 

工具、器具及び備品

75,229

76,458

 

 

 

土地

*2 35,935

33,473

 

 

 

リース資産

1,273

1,169

 

 

 

使用権資産

15,078

23,099

 

 

 

建設仮勘定

20,074

23,069

 

 

 

減価償却累計額

610,235

626,488

 

 

 

有形固定資産合計

260,163

269,288

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

のれん

573

211

 

 

 

その他

19,947

20,024

 

 

 

無形固定資産合計

20,520

20,236

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

*3 116,767

*3 120,920

 

 

 

出資金

*3 6,082

*3 4,262

 

 

 

繰延税金資産

7,899

9,428

 

 

 

退職給付に係る資産

8,127

8,900

 

 

 

その他

14,264

15,894

 

 

 

貸倒引当金

912

915

 

 

 

投資その他の資産合計

152,228

158,490

 

 

固定資産合計

432,912

448,015

 

資産合計

935,876

934,837

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

127,988

125,409

 

 

短期借入金

*2 115,000

141,281

 

 

コマーシャル・ペーパー

54,000

28,000

 

 

未払法人税等

2,649

4,730

 

 

製品補償引当金

3,045

2,238

 

 

その他

*4 77,033

*4 79,365

 

 

流動負債合計

379,716

381,025

 

固定負債

 

 

 

 

社債

40,000

40,000

 

 

長期借入金

133,120

114,547

 

 

環境対策引当金

9,343

9,284

 

 

退職給付に係る負債

43,806

38,239

 

 

資産除去債務

1,485

1,588

 

 

その他

14,340

19,161

 

 

固定負債合計

242,097

222,821

 

負債合計

621,813

603,846

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

69,395

69,395

 

 

資本剰余金

23,178

23,179

 

 

利益剰余金

174,346

188,847

 

 

自己株式

901

871

 

 

株主資本合計

266,018

280,550

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

12,446

10,546

 

 

繰延ヘッジ損益

2,963

204

 

 

為替換算調整勘定

817

14,541

 

 

退職給付に係る調整累計額

3,024

2,296

 

 

その他の包括利益累計額合計

13,201

22,996

 

非支配株主持分

34,843

27,442

 

純資産合計

314,062

330,990

負債純資産合計

935,876

934,837

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

*1 930,496

*1 1,066,326

売上原価

*3,*4 791,804

*3,*4 909,622

売上総利益

138,691

156,703

販売費及び一般管理費

 

 

 

販売費

38,850

47,732

 

一般管理費

*3 88,413

*3 93,530

 

販売費及び一般管理費合計

*2 127,263

*2 141,262

営業利益

11,428

15,441

営業外収益

 

 

 

受取利息

549

1,095

 

受取配当金

1,611

1,423

 

持分法による投資利益

9,045

5,991

 

為替差益

1,496

1,668

 

その他

1,807

3,267

 

営業外収益合計

14,510

13,447

営業外費用

 

 

 

支払利息

3,375

6,334

 

その他

2,897

2,914

 

営業外費用合計

6,272

9,248

経常利益

19,666

19,639

特別利益

 

 

 

固定資産処分益

*5 2,082

*5 1,158

 

投資有価証券売却益

1,859

*6 15,279

 

受取保険金

*7 2,051

 

受取和解金

800

 

過年度社会負担金還付額

*8 2,722

 

その他

864

404

 

特別利益合計

9,580

17,642

特別損失

 

 

 

固定資産処分損

*9 1,296

*9 1,187

 

減損損失

*10 1,489

*10 402

 

関係会社事業損失

*11 2,322

 

事業構造改革費用

*12 2,303

*12 1,307

 

その他

3,727

1,758

 

特別損失合計

8,816

6,979

税金等調整前当期純利益

20,430

30,302

法人税、住民税及び事業税

5,673

9,455

法人税等調整額

1,517

1,198

法人税等合計

7,190

10,654

当期純利益

13,239

19,648

非支配株主に帰属する当期純利益

3,145

1,737

親会社株主に帰属する当期純利益

10,093

17,911

 

1.報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高経営意思決定機関が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループは、製品・サービス別に事業部門を置いており、各事業部門は取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

 

各セグメントの主な事業に係る製品及びサービスは、以下のとおりであります。

(1) 「インフラ」は、光ファイバ、光ファイバ・ケーブル、メタル通信ケーブル、光関連部品、光半導体デバイス、光ファイバ融着接続機、産業用レーザ、ネットワーク機器、CATVシステム、無線製品、電力ケーブル及び接続部品、電力部品、産業用電線、送配電部品、電材製品等であります。

(2) 「電装エレクトロニクス」は、自動車部品(ワイヤハーネス、ステアリング・ロール・コネクタ、バッテリ状態検知センサ、周辺監視レーダほか)、自動車用・産業用電池、銅線・アルミ線、巻線、伸銅品、めっき製品、電子部品用加工製品、特殊金属材料(形状記憶・超弾性合金ほか)等であります。

(3) 「機能製品」は、ケーブル管路材、発泡製品、半導体製造用テープ、電子部品、放熱製品、ハードディスクドライブ用アルミブランク材、電解銅箔等であります。

(4) 「サービス・開発等」は、主に水力発電、新製品研究開発、不動産賃貸等であります。

 

①【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

15,832

6,850

 

 

受取手形

*1 2,354

*1 922

 

 

電子記録債権

7,780

9,433

 

 

売掛金

*1 101,984

*1 96,514

 

 

契約資産

6,968

4,294

 

 

未収法人税等

1,194

 

 

商品及び製品

9,150

10,265

 

 

仕掛品

18,392

17,205

 

 

原材料及び貯蔵品

13,296

14,759

 

 

前払費用

*1 1,384

*1 1,612

 

 

短期貸付金

*1 79,391

*1 84,562

 

 

未収入金

*1 25,428

*1 21,831

 

 

その他

2,426

1,302

 

 

貸倒引当金

21

17

 

 

流動資産合計

285,565

269,540

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

31,706

32,384

 

 

 

構築物

3,459

3,763

 

 

 

機械及び装置

20,114

22,048

 

 

 

車両運搬具

135

149

 

 

 

工具、器具及び備品

3,112

3,181

 

 

 

土地

12,391

12,013

 

 

 

リース資産

84

57

 

 

 

建設仮勘定

9,618

11,945

 

 

 

有形固定資産合計

80,621

85,544

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

12,532

12,438

 

 

 

その他

247

243

 

 

 

無形固定資産合計

12,780

12,681

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

28,483

24,804

 

 

 

関係会社株式

99,432

95,318

 

 

 

関係会社出資金

44,899

44,899

 

 

 

関係会社長期貸付金

64,059

68,728

 

 

 

前払年金費用

5,517

6,245

 

 

 

繰延税金資産

4,129

5,081

 

 

 

その他

*1 5,054

*1 5,184

 

 

 

貸倒引当金

22,167

24,259

 

 

 

投資その他の資産合計

229,409

226,003

 

 

固定資産合計

322,811

324,228

 

資産合計

608,376

593,768

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形

947

941

 

 

買掛金

*1 80,685

*1 76,939

 

 

短期借入金

*1 52,954

*1 71,307

 

 

コマーシャル・ペーパー

54,000

28,000

 

 

未払金

*1 14,319

*1 11,487

 

 

未払費用

*1 16,318

*1 17,167

 

 

契約負債

1,205

1,747

 

 

製品補償引当金

387

387

 

 

環境対策引当金

214

6

 

 

工事損失引当金

53

397

 

 

未払法人税等

2,539

 

 

その他

4,737

4,118

 

 

流動負債合計

225,824

215,041

 

固定負債

 

 

 

 

社債

40,000

40,000

 

 

長期借入金

127,100

107,000

 

 

退職給付引当金

20,715

18,494

 

 

環境対策引当金

9,333

9,280

 

 

関係会社事業損失引当金

234

492

 

 

役員株式給付引当金

468

452

 

 

資産除去債務

508

500

 

 

その他

*1 677

*1 662

 

 

固定負債合計

199,036

176,881

 

負債合計

424,861

391,922

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

69,395

69,395

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

その他資本剰余金

21,466

21,466

 

 

 

資本剰余金合計

21,466

21,466

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

3,495

3,919

 

 

 

その他利益剰余金

78,188

98,763

 

 

 

 

繰越利益剰余金

78,188

98,763

 

 

 

利益剰余金合計

81,684

102,682

 

 

自己株式

860

829

 

 

株主資本合計

171,685

192,715

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

10,833

9,179

 

 

繰延ヘッジ損益

996

48

 

 

評価・換算差額等合計

11,829

9,130

 

純資産合計

183,515

201,845

負債純資産合計

608,376

593,768

 

②【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

*2 292,424

*2 305,835

売上原価

*2 250,922

*2 264,176

売上総利益

41,501

41,658

販売費及び一般管理費

*1 41,000

*1 43,420

営業利益又は営業損失(△)

501

1,761

営業外収益

 

 

 

受取利息

*2 1,192

*2 2,823

 

受取配当金

*2 9,150

*2 11,318

 

為替差益

1,504

608

 

その他

671

357

 

営業外収益合計

12,520

15,108

営業外費用

 

 

 

支払利息

*2 964

*2 1,868

 

貸倒引当金繰入額

4,810

2,003

 

その他

785

789

 

営業外費用合計

6,560

4,660

経常利益

6,461

8,686

特別利益

 

 

 

固定資産処分益

*2 1,761

*2 432

 

関係会社株式売却益

623

17,854

 

投資有価証券売却益

427

3,958

 

その他

261

820

 

特別利益合計

3,074

23,065

特別損失

 

 

 

固定資産処分損

555

524

 

関係会社株式評価損

6,485

327

 

その他

1,364

73

 

特別損失合計

8,406

925

税引前当期純利益

1,129

30,826

法人税、住民税及び事業税

805

5,351

法人税等調整額

849

239

法人税等合計

1,655

5,590

当期純利益又は当期純損失(△)

525

25,235