オーエスジー株式会社
(1) 連結経営指標等
(注)1 当社は、第107期より「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)」を導入しており、「オーエスジー社員持株会専用信託」が保有する当社株式については、連結財務諸表において自己株式として計上しております。そのため、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。また、1株当たり当期純利益金額及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
2 第110期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第110期の期首から適用しており、第110期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 第106期の1株当たり配当額47円には、創立80周年記念配当1円が含まれております。
2 当社は、第107期より「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)」を導入しており、「オーエスジー社員持株会専用信託」が保有する当社株式については、財務諸表において自己株式として計上しております。そのため、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。また、1株当たり当期純利益金額及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
3 最高株価及び最低株価は、東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
4 第110期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第110期の期首から適用しており、第110期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社グループは、当社及び子会社92社並びに関連会社4社で構成され、切削工具、転造工具、測定工具、工作機械、機械部品等の精密機械工具の製造・販売を主な事業内容としております。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
なお、次の4つの地域は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(注) ◎連結子会社
※持分法適用関連会社
事業の系統図は次のとおりであります。

(注) 1 特定子会社に該当します。
2 持分は100分の50以下ですが、実質的に支配しているため子会社としたものであります。
3 「議決権の所有割合」欄の(内書)は間接所有割合であります。
4 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
5 OSG USA, INC.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 ① 売上高 19,546百万円
② 経常利益 3,040百万円
③ 当期純利益 2,286百万円
④ 純資産額 25,179百万円
⑤ 総資産額 28,154百万円
6 上記以外に持分法適用非連結子会社が1社ありますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。
2022年11月30日現在
(注) 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であります。
2022年11月30日現在
(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であります。
2 臨時雇用者数(嘱託契約の従業員、人材会社からの派遣社員及び期間社員を含む。)は、年間平均人員を( )外数で記載しております。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4 提出会社のセグメントの名称は日本であります。
なお、連結子会社の一部は、それぞれ企業内組合を結成しておりますが、労使関係について特記すべき事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)会社の経営の基本方針
当社は「地球会社」という企業理念のもと、持続可能な社会の発展に向け、株主をはじめお客様・従業員・取引先・地域社会などのステークホルダーの皆様と健全な関係の維持・発展に努め、社会とのより良い調和を図っていきます。
①企業は、社会の公器であることを常に自覚し、顧客に喜ばれる製品を供給する。
②社員には、職場の適正配置と生活の向上を図る。
③株主には、適正な安定配当を行うよう努める。
④社会的信頼を高めつつ、堅実な経営を行い、世界的企業に発展するよう努める。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、持続的な成長を目指す中、2022年11月期より3ヶ年の中期経営計画「Beyond the Limit 2024」を策定いたしました。
カーボンニュートラルの時代に向けて、世界のモノづくり産業に貢献するエッセンシャル・プレイヤーとなることを長期ビジョンとして新たに掲げるとともに、持続的な企業価値向上(サステナビリティ)に向けてESG経営を推進します。経営目標としてROA(営業利益ベース)15%、営業利益300億円を設定し、収益性及び事業効率を改善することで将来に向けて強固な企業体質を作ります。
(3)経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
ロシア・ウクライナ紛争、それに伴う資源・エネルギー価格の上昇、中国における新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響、欧米における景気後退懸念など、経済環境は先行き不透明となっております。当社グループの主要市場では、依然として自動車関連産業はサプライチェーン問題による生産への影響が継続していますが、航空機関連産業は欧米ではボトムアウトして徐々に回復しています。また、IoTやAIをはじめとするデジタル技術の革新、自動車のEV化、ニーズの多様化など、当社グループを取り巻く経営環境は大きく変化しております。
このような状況のもと、中期経営計画を元に以下の基本方針を策定しております。
1)収益性/事業効率の改善
グループにおける製販会社の収益性や事業効率の改善に取り組み、景気変動に左右されにくい強固な企業体質を作ります。そのための経営指標として2024年11月期のROA(総資産営業利益率)は15%、連結営業利益は300億円を目標とします。
2)Aブランド戦略
主力製品ごとにフラッグシップである「Aブランド製品」のラインナップを拡充することにより、OSGブランドの価値向上を図るとともに、海外販売代理店網の強化によるボリュームゾーンでのシェアアップを通して、2024年11月期におけるAブランド売上比率30%を目指します。
3)微細精密加工向けのシェアアップ
自動車関連産業、航空機関連産業に次ぐ産業として、半導体・5G産業、ロボット・自動化関連・機械部品産業、モビリティ産業、医療産業など今後成長が見込まれる産業向けの売上を拡大し、微細精密加工においては2024年11月期における顧客別ポートフォリオ構成において20%以上を目指します。
4)ESG経営の推進
当社のサステナビリティ方針をもとに選定した重要課題(マテリアリティ)に対する取り組みによって、企業価値向上及び地球・社会の持続的な発展に貢献してまいります。また、製造プロセスの省エネ化やクリーンエネルギーの利活用等を通じて、2050年にはCO2排出量の100%削減を目指します。
(4)サステナビリティに関する取り組み
1)サステナビリティ基本方針
当社グループは、独自の高付加価値な製品とサービスを通じて、世界中のサステナブルなモノづくり産業に貢献するエッセンシャル・プレーヤーとして、社会の持続的な発展に寄与することを目指しております。
その実現に向けて、当社はサステナビリティ委員会を設置しており、ESGに関連した課題や、方針やビジョンの徹底、重要施策などについて審議し、活動状況を定期的に取締役会へ報告しております。サステナビリティ推進のための施策は、サステナビリティ委員長である社長の決定の下、各組織の部門長(ESG責任者)及び推進担当者が実行しております。
2)マテリアリティの特定
当社グループは、サステナビリティ基本方針に基づき優先的に取り組むべき8項目のマテリアリティ(重要課題)を特定し、その達成に向けて取り組みを進めてまいります。
3)気候変動への取り組みとTCFDへの対応
当社グループにとって気候変動は事業の持続的成長に影響を与える重要課題であると認識しています。2021年10月に賛同したTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言を踏まえ、気候変動シナリオ分析に着手し、以下の枠組みで取り組みを進めています。
①ガバナンス
当社は、気候変動問題を重要な経営課題の一つとして位置づけ、気候関連の課題は「サステナビリティ委員会」の委員長である社長が監視、監督責任を持っています。「サステナビリティ委員会」では、気候変動をはじめとするESGに関連した課題、方針やビジョンの徹底、重要施策などについて審議し、活動状況は定期的に取締役会へ報告します。サステナビリティ推進のための施策は、サステナビリティ委員長である社長の決定の下、各組織の部門長(ESG責任者)及び推進担当者が実行していきます。
②戦略
異なるシナリオ(1.5℃シナリオ、4.0℃シナリオ)を選定し、国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)の情報を参考にリスク、機会及びその対応について検討を行いました。
リスクとその対応策
※時間軸については、2030~2050年を想定しています。
機会とその対応策
※時間軸については、2030~2050年を想定しています。
③リスク管理
当社は、リスク及びコンプライアンス管理委員会にて、気候変動リスクをはじめとした自社全体のリスクについて、事業への影響度をもとに優先度を評価しています。気候変動に関するリスク・機会のモニタリングについては、サステナビリティ委員会、リスク及びコンプライアンス管理委員会、安全衛生委員会が連携して進めています。
④指標と目標
当社は、2022年1月に発表した中期経営計画「Beyond the Limit 2024」において、CO2排出量の削減について以下の目標を掲げています。
・2030年度目標:2019年度比30%削減
・2050年度目標:カーボンニュートラル達成
4)人的資本への取り組み
当社グループの持続的な発展のためには人的資本への投資が重要課題であるとの認識のもと、以下の取り組みを進めております。詳細は当社サステナビリティサイト(https://www.osg.co.jp/sustainability/)をご参照ください。
①ダイバーシティの推進
当社グループは、国籍、性別、人種、障がいなどの有無に関わらず、多様な人財がそれぞれの個性を活かし、能力を十分に発揮出来るよう「ダイバーシティ&インクルージョン」の推進をテーマに働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。
女性活躍推進を重要課題として位置づけ、一人ひとりの女性が安心して活き活きと働き続けることで、能力を最大限に発揮しキャリアアップ出来ることを目指しています。中期経営計画においては、ESG経営を具現化させていくことを方針に掲げ、パイオニアとしての活躍を期待しサステナビリティ推進メンバーに8名の女性を起用しました。一人でも多くの女性リーダーが誕生し活躍できるよう、積極的な女性の採用、女性活躍に関する実態・意識の把握や開示、社内周知や教育を積極的に行っていきます。
中長期的な計画の下、部門横断人事の実施により複数の職場や業務の経験を積み、さまざまな部門においてマネジメントの出来る管理職の増加につなげていきます。また、フレックス勤務制度、カムバック制度を制定し、従業員の柔軟な働き方をサポートする制度を整えています。
また、障がい者雇用の取り組みを積極的に進めております。2022年12月に特例子会社を設立し、障がいのある方が一人でも多く、その適正と症状に応じて社会で活躍できるように作業範囲拡大など整備してまいります。
②安全健康経営
当社グループは、「社員のウェルビーイングを追求し、社員・家族・お客様・地域・社会・地球の豊かな未来づくりに貢献する」をスローガンに、社員一人ひとりが元気に働ける環境づくりを行っております。
主な取り組みとして、安全衛生教育の実施、産業医・カウンセラー・ヘルススタッフによる健康相談窓口の設置、バランスの取れた健康な食事の提供を行っております。
③人財育成
当社グループは、企業価値を最大化させる人財の育成と自己啓発やチャレンジが尊重される社風を目指しております。社員を無限の可能性を秘めた財産であると位置づけ、人財の能力開発と向上に努めることを人財育成理念として掲げ、高度なモノづくりに向けて7つの人財要件(グローバル、チャレンジ精神、コンセプション能力、コミュニケーション、リーダーシップ、フォロワーシップ、イノベーション)に基づき人財育成を行っております。
主な取り組みとして、階層別教育の実施や、社員のスキルアップ、モチベーションアップ、品質意識向上を目的とした国家技能検定や各種資格取得の推進と奨励金支給制度を運用しています。
④人権の尊重
当社グループ及び全社員は、国内外を問わず、人権を尊重し、関係法令・国際ルール及びその精神を遵守すると共に、社会的良識をもって持続可能な社会の創造に向けて自主的に行動します。また、人種、信条、肌の色、性別、宗教、国籍、言語、身体的特徴、財産、出身地等の理由で嫌がらせや差別を受けない健全な職場環境を確保します。
主な取り組みとして、新入社員研修や外部講習会を通じて人権意識の向上を行い、社内報では人権課題を取り上げることで労働環境における課題の発生防止に努めています。また、従業員のハラスメントに関する相談・苦情等に対応する専用窓口を設置しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの製品は、自動車関連産業、航空機関連産業をはじめIT関連産業等の広汎な製造業にて使用されています。また、当社グループの販売先は、日本国内のほか、米州、欧州、アジア等にわたっています。従って、当社グループの製品需要はこれら関連業界の需要の減少や、日本及び世界各地域における景気の減退の影響を受ける可能性があります。これらのリスクに対し、販売先を特定の業種や国・地域に集中せず多様化することによりリスクの分散化を図っておりますが、急激な景気変動や需要減少が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは世界各国に現地法人を配置して製品の製造・販売を行っており、連結財務諸表の作成にあたっては各地域における収益、費用、資産、負債を含む現地通貨建の項目を円換算しております。そのため、たとえ現地通貨における価値に変動が無くても、換算時の為替レートによって影響を受けることになります。
また、当社や一部のグループ会社では販売や材料の調達等外貨建で取引しているものもあり、為替動向によって売上高や製造コスト等に影響する可能性があります。当社グループはこれらの為替リスクを回避するために為替予約の活用及び外貨預金口座を通じた決済等によるヘッジを行っておりますが、全てのリスクを排除することは困難であり、為替相場の変動は当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループの主要な製品である工具の主な原材料は超硬合金、高速度工具鋼、ダイス鋼であり、これらの原材料にはコバルト、バナジュウム、モリブデン、タングステン等のレアメタルが使用されています。レアメタルは、産地及び供給者が限定され、市況により価格が急激に変動する可能性があり、当社グループの原材料調達価格もこの変動の影響を受ける可能性があります。
原材料価格の高騰に対しては、販売価格に反映する努力を行っておりますが、原材料価格の上昇と販売価格の改定のタイムラグがあること及び必ずしも原材料価格の上昇分のコストを販売価格に転嫁できない場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは自動車関連産業をはじめとする主要ユーザーの海外進出への対応と市場に近接した最適地での生産・販売体制の確立のため米州、欧州及びアジアなど世界各地への海外拠点の構築を行っております。従って、海外各国における法律や税制規則の変更、その他の社会的、政治的な諸情勢の変動により、当社グループの事業活動に障害が生じる可能性があります。これらのリスクに対し、グループ会社と連携し定期的な情報収集に努めておりますが、リスクが顕在化した場合には当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、当社の本社、生産及び研究開発拠点が愛知県内の東三河地区に集中しております。そのため同地区に大規模な地震等の自然災害が発生した場合、生産活動をはじめとする事業活動全般に重大な影響を与える可能性があります。当社グループでは、事業継続計画(BCP、初動対応マニュアル及び業務復旧手順書)の整備を行うとともに、建物等の耐震工事、非常時を想定した訓練の実施及び安否確認システムの導入等の対策を講じておりますが、リスクを完全に回避することは困難であり、想定を超える事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6) 新型コロナウイルス感染症に係るリスク
新型コロナウイルス感染症の影響については、現時点では限定的ではありますが、感染再拡大等の懸念もあり、依然先行き不透明な状況となっております。当社グループは、従業員の健康と安全を確保するとともに事業活動への影響を最小化するため、新型コロナウイルス感染症の対応基本方針を作成し、リモート会議やテレワークの推進、就業時のマスク着用や手洗いの徹底等の感染防止策を講じております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症による影響は不確実性が高いため、今後の経過によっては当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における経済環境は、引き続き燻る新型コロナウイルス感染症の流行による影響やグローバル・サプライチェーンの混乱、ロシアによるウクライナへの侵攻や各国におけるインフレ懸念など、大きなマイナス材料に直面し予断を許さない状況が続きましたが、概ね堅調に推移しました。しかし期の終わりにかけて、各国における高インフレとそれに伴う金融引き締めの影響により景気回復のペースが鈍化しました。一方で為替市場においては、主要国と日本の金融政策の違い等により、急激な円安局面へと突入しました。
当社グループにおいては、アジアでは国によって強弱のある結果となりましたが、米州及び欧州・アフリカでは総じて回復が顕著でした。とりわけ自動車関連産業において回復が思うように進まずに足踏み状態となっている中、当社主力製品であるタップの売上が一般部品産業向けに堅調に推移しました。また、航空機関連産業においても底を脱し、徐々に新規案件等も増えて回復基調になっております。
以上の結果、売上高は142,525百万円(前期比13.0%増)、営業利益は21,898百万円(前期比36.0%増)、経常利益は23,648百万円(前期比46.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16,534百万円(前期比50.5%増)となりました。また、海外売上高比率は前期と比較して増加し、64.9%(前期は61.8%)となっております。
セグメントの業績は次のとおりです。
(日本)
売上高は73,474百万円(前期比7.3%増)、営業利益は9,617百万円(前期比35.1%増)となりました。
国内では当期においても新型コロナウイルス感染症の感染拡大の波が何度か到来しましたが、行動制限が設けられなかった等の要因もあり経済活動に与える影響は限定的となりました。一方でグローバル・サプライチェーンの混乱は終息しておらず、自動車関連産業においては半導体等部品不足の影響が継続しております。また、航空機関連産業においては景気が底を打ったものの、引き続き厳しい状況が継続しております。
上記のように、足元は依然不透明感のある状況となっておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響から回復途上であった前期と比較すると売上高、営業利益ともに増加しました。
(米州)
売上高は28,763百万円(前期比27.9%増)、営業利益は4,327百万円(前期比36.4%増)となりました。
主要市場の北米では、インフレによる個人消費の抑制やそれに伴う政策金利の引き上げ、またグローバル・サプライチェーンの混乱による供給不足からの生産下押しなどのマイナス材料はありましたが、景気は底堅く推移しました。自動車関連産業は引き続き半導体等の部品不足により足踏み状態にありますが、機械設備等は好調を維持しており、航空機関連産業も回復基調にあります。南米ブラジルにおいても、自動車の生産台数が増加傾向にあり、航空機関連産業も回復基調に変化してきた兆しがあります。加えて北米向けの輸出も引き続き堅調に推移しました。以上の結果に加えて為替換算の影響もあり、売上高、営業利益ともに前期と比較して増加しました。
(欧州・アフリカ)
売上高は29,227百万円(前期比18.3%増)、営業利益は2,820百万円(前期比45.1%増)となりました。
欧州・アフリカではロシアによるウクライナ侵攻が続いており、エネルギー制約と大幅な物価上昇、利上げが景気に影響を与えました。自動車関連産業は引き続き回復途上にありますが、上述のロシアによるウクライナ侵攻が拍車をかけた部品不足の影響や原材料、輸送費用等の高騰がブレーキを掛けております。一方で一般部品産業は堅調に推移し、航空機関連産業も回復基調にあり、新規案件等も増加傾向にあります。以上の結果、売上高、営業利益ともに前期と比較して増加しました。
(アジア)
売上高は38,403百万円(前期比15.2%増)、営業利益は6,392百万円(前期比39.2%増)となりました。
中国では期初は新型コロナウイルス感染症の影響から順調に回復しておりましたが、ゼロコロナ政策によるロックダウンが複数の都市で行われ、経済活動に大きな影響を与えました。台湾においても、期の後半にかけて中国でのロックダウンの影響を受けて景況が悪化しました。韓国においては、自動車関連産業は昨年よりも回復しておりますが、インフレと利上げにより先行き不透明な状況となっております。その他のアジア諸国においても、半導体等部品不足や人件費の高騰等が経済の回復に影響を与えましたが、一方で航空機関連産業では少しずつ回復が見られております。以上の結果に加えて為替換算の影響もあり、売上高、営業利益ともに前期と比較して増加しました。
(資産)
総資産は、前期末と比較して19,095百万円増加し、228,852百万円となりました。
流動資産は、前期末と比較して13,210百万円増加し、128,967百万円となりました。これは主に、商品及び製品が4,684百万円、受取手形及び売掛金が3,354百万円、原材料及び貯蔵品が2,428百万円、仕掛品が2,074百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前期末と比較して5,884百万円増加し、99,885百万円となりました。これは主に、為替換算の影響により機械装置及び運搬具(純額)が2,139百万円、繰延税金資産が1,282百万円、関係会社への増資等により出資金が976百万円増加したことによるものであります。
(負債)
負債は、前期末と比較して2,942百万円減少し、52,014百万円となりました。
流動負債は、前期末と比較して2,064百万円減少し、23,765百万円となりました。これは主に、未払費用が1,300百万円増加した一方で、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が1,670百万円、短期借入金が1,652百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、前期末と比較して878百万円減少し、28,248百万円となりました。これは主に、長期借入金が1,262百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前期末と比較して22,038百万円増加し、176,838百万円となりました。これは主に、自己株式の取得により5,346百万円減少した一方で、為替換算調整勘定が12,367百万円、利益剰余金が12,127百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は72.0%(前期末は68.6%)となりました。
当連結会計年度末における連結ベースでの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は36,717百万円となり、前連結会計年度末と比較して3,637百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は20,175百万円(前期比6,806百万円減)となりました。これは税金等調整前当期純利益23,378百万円、減価償却費10,498百万円、法人税等の支払額7,645百万円、棚卸資産の増加額5,269百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は12,170百万円(前期比5,209百万円増)となりました。これは有形固定資産の取得による支出8,600百万円、定期預金の預入による支出7,783百万円、定期預金の払戻による収入5,188百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は14,740百万円(前期比476百万円増)となりました。これは自己株式の取得による支出5,953百万円、配当金の支払額4,357百万円、短期借入金の返済による支出2,205百万円等であります。
当社グループの生産品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であってもその形状は一様ではなく、正確な生産規模としての把握が困難であり、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメント別に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な販売先については、総販売実績の100分の10以上の販売先がないため記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高が前期比13.0%増加の142,525百万円、営業利益は前期比36.0%増加の21,898百万円となりました。第2四半期以降は中国におけるゼロコロナ政策により、アジアのセグメント売上が一部影響を受けましたが、日米欧の主要市場において通期を通して受注が堅調であった結果、前連結会計年度と比較して大幅な増収増益となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、海外市場と比較してシェアの高い国内市場の自動車関連産業や航空機関連産業の需要動向、輸出に関連する為替状況等が挙げられます。当連結会計年度は、自動車関連産業は期初より半導体やその他部品不足による減産が工具の需要に影響しました。航空機関連産業は欧米ではボトムアウトして徐々に回復している一方、日本は引き続き厳しい状況となっております。しかしながら、主力製品のタップを中心にドリル、エンドミルの売上がシェアアップにより増加し、過去最高であった2018年11月期の売上を上回ることができました。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については次のとおりであります。当連結会計年度の経営指標は、一般部品産業向けを中心に売上が堅調に推移した結果、売上高142,525百万円、営業利益21,898百万円(営業利益率15.4%)となり、前連結会計年度と比較して売上高、営業利益額、営業利益率ともに増加する結果となりました。
2022年11月期を初年度とする中期経営計画に掲げた目標である2024年11月期にROA(総資産営業利益率)15%、営業利益300億円の達成に向けて、全社一丸となって取り組んでまいります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、超硬材等の原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資及びM&Aによるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金の調達につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本とし、場合によっては社債の発行等を行うなど、資金調達の多様性を図っております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は25,570百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は36,717百万円となっております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としますが、これらの見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
当社グループは、のれんについて、主として発生日以降5年間(在外連結子会社は10年間)で均等償却しております。その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定していた収益が見込めなくなった場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
該当事項はありません。
2022年11月30日現在
2022年11月30日現在
2022年11月30日現在
(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品であり、建設仮勘定は含んでおりません。
2 提出会社の福利厚生施設他は主として社宅、寮、保養所、スポーツスクエア等の福利厚生施設であります。
3 上記中外書の[ ]は連結会社以外からの土地賃借面積であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注)1 転換社債型新株予約権付社債の新株予約権の行使による増加であります。
2 譲渡制限付株式報酬としての新株式発行による増加であります。
発行価格 1,763円
資本組入額 882円
割当先 取締役(監査等委員である取締役を除く。)2名
取締役を兼務しない執行役員 10名
3 譲渡制限付株式報酬としての新株式発行による増加であります。
発行価格 1,966円
資本組入額 983円
割当先 取締役(監査等委員である取締役を除く。)2名
取締役を兼務しない執行役員 11名
2022年11月30日現在
(注) 1 自己株式3,241,190株は、「個人その他」に32,411単元「単元未満株式の状況」に90株含まれております。
2 「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ11単元及び50株含まれております。
3 「金融機関」の欄には、オーエスジー社員持株会専用信託が所有する当社株式が2,393単元含まれております。
2022年11月30日現在
(注) 1 上記のほか当社が保有している自己株式3,241千株があります。
2 2022年7月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、三井住友信託銀行株式会社及びその共同保有者である三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及び日興アセットマネジメント株式会社が2022年7月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2022年11月30日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社は、主に精密機械工具を生産・販売しており、国内においては当社が、海外においては米州(米国、カナダ、メキシコ、ブラジル)、欧州・アフリカ(英国、アイルランド、ベルギー、フランス、オランダ、デンマーク、スペイン、ドイツ、イタリア、スイス、トルコ、ルーマニア、ポーランド、南アフリカ)、アジア(中国、シンガポール、タイ、台湾、韓国、インド、インドネシア、ベトナム、フィリピン)等の各地域をOSG USA, INC.(米国)、OSG Europe S.A.(ベルギー)、欧士机(上海)精密工具有限公司(中国)、韓国OSG株式会社(韓国)、OSG Asia Pte Ltd.(シンガポール)及びその他の現地法人が、それぞれ担当しています。アジアについては、地理的に近接しており、販売する市場又は顧客の種類、販売方法が類似していることから、1つの集約した事業単位として管理しています。現地法人はそれぞれ独立した経営単位であり、取り扱う製品について各地域の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。
従って、当社は生産・販売体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、「日本」、「米州」、「欧州・アフリカ」及び「アジア」の4つを報告セグメントとしています。各報告セグメントでは、主として精密機械工具を生産・販売しています。