株式会社大谷工業
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回次 |
第80期 |
第81期 |
第82期 |
第83期 |
第84期 |
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決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益 |
(千円) |
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当期純利益 |
(千円) |
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持分法を適用した場合の投資利益 |
(千円) |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(千株) |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
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( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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営業活動による キャッシュ・フロー |
(千円) |
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投資活動による キャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
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財務活動による キャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
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現金及び現金同等物の 期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(人) |
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(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
( |
( |
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株主総利回り |
(%) |
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(比較指標:TOPIX配当込み指数) |
(%) |
( |
( |
( |
( |
( |
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最高株価 |
(円) |
3,880 |
18,310 |
10,520 |
6,100 |
16,050 |
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最低株価 |
(円) |
3,580 |
3,630 |
4,505 |
4,005 |
3,800 |
(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所スタンダード市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所(JASDAQ)におけるものであります。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第83期の期首から適用しており、第83期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社の前身は、1946年2月に設立された大谷重工業株式会社富山支社小杉製作所であり、民生用金物の生産を行っておりましたが、その後架線金物の製造を開始し、その本格化にともない分離独立いたしました。その後の当社の沿革は以下のとおりであります。
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年月 |
概要 |
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1947年6月 |
富山県射水郡小杉町(現富山県射水市)に株式会社大谷工業小杉製作所を設立 |
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1948年12月 |
名古屋市に名古屋出張所(現名古屋営業所)を開設 中部配電株式会社(現中部電力株式会社)及び日本電信電話公社東海電気通信局(現株式会社NTT西日本東海事業本部)などに対して営業活動を開始 |
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1954年5月 |
小杉研砥工業株式会社(創立1941年1月)を合併し本社分工場とする。同時に商号を大谷工業株式会社と改称 |
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1956年7月 |
仙台市に仙台工場を設置、東北電力株式会社への販売を目的として架線金物の製造を開始 |
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1959年3月 |
東京都墨田区に東京工場を設置、東京電力株式会社向け製品の製造開始 |
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1960年1月 |
仙台工場を閉鎖し、仙台出張所を開設 |
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1960年2月 |
東京工場を東京都江東区に移転 |
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1970年10月 |
本社を東京都品川区西五反田7丁目22番17号TOCビル内に移転、本社工場を富山工場と改称 |
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1971年1月 |
名古屋出張所を名古屋営業所に昇格 |
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1971年2月 |
昭和電機製造株式会社(創立1935年3月)を合併、栃木県鹿沼市に鹿沼工場を設置 |
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1975年8月 |
事業部制をひき、東京地区に第一事業部、富山地区に第二事業部を設置 |
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1977年11月 |
特販部を設け、鉄骨ビル・各種橋梁工事の一部に使用するスタッドの製造販売を開始 |
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1984年3月 |
東京工場を閉鎖、諸設備を鹿沼工場に移転すると同時に、溶融亜鉛めっき設備の自動化・自動倉庫の設置等、設備の近代化に着手 |
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1985年7月 |
鹿沼工場頭付きスタッドのJIS規格認可 |
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1986年11月 |
櫻井鐡工株式会社の子会社としてサクライエンジニアリング株式会社設立(所在地千葉県松尾町) |
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1988年3月 |
鹿沼工場六角ボルト・六角ナットのJIS規格認可 |
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1988年10月 |
富山工場溶融亜鉛めっきのJIS規格認可 |
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1988年11月 |
日本証券業協会に株式を店頭登録 |
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1989年7月 |
本社を東京都品川区北品川5丁目4番14号TOC北品川ビルに移転 |
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1989年9月 |
櫻井鐡工株式会社(創立1979年5月)を合併し、商号を大谷櫻井鐡工株式会社に変更 同日、従来の事業部制度を廃止し、新事業部制度として、管理本部、電力通信事業本部、建材事業本部、橋梁鉄構事業本部を新設、並びに仙台出張所を仙台営業所に、広島出張所を広島営業所に昇格するとともに、合併に伴い、大阪営業所及び福岡営業所を継承 |
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1992年8月 |
サクライエンジニアリング株式会社の商号を大谷エンジニアリング株式会社に変更するとともに所在地を東京都品川区北品川に移転 |
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1995年4月 |
事業部制を廃止、また広島営業所を閉鎖 |
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1995年10月 |
大谷エンジニアリング株式会社は事実上休眠会社となる |
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1996年6月 |
橋梁鉄構事業を営業譲渡 |
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1996年9月 |
本社を東京都品川区西五反田7丁目22番17号TOCビルに移転 |
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1996年10月 |
商号を大谷櫻井鐡工株式会社より株式会社大谷工業に変更 |
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1997年3月 |
千葉工場の土地の約半分と、建物・機械装置等を処分 |
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1999年6月 |
鹿沼工場ISO9001認証取得 |
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1999年9月 |
富山工場ISO9001認証取得 |
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2004年12月 |
日本証券業協会への店頭登録を取消し、ジャスダック証券取引所に株式を上場 |
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2006年1月 |
福岡営業所を閉鎖 |
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2006年3月 |
仙台営業所を閉鎖 |
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2006年8月 |
大谷エンジニアリング株式会社清算結了 |
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2010年4月 |
ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQ(現 大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード))に上場 |
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2013年3月 |
富山工場にレーザー加工機(イタリア製)を導入し、金属加工を開始 |
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2013年7月 |
大阪証券取引所と東京証券取引所の現物市場の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQスタンダード市場に上場 |
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2015年6月 |
鹿沼工場ISO14001認証取得 |
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2022年4月 |
東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、東京証券取引所JASDAQスタンダード市場からスタンダード市場に移行 |
当社グループは、当社及び㈱ニュー・オータニ(その他の関係会社)から構成されております。
各社の事業内容並びに当社との取引関係は下記のとおりであります。
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会社名 |
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事業内容 |
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当社との取引関係 |
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㈱ニュー・オータニ |
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ホテル業 |
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当社との取引はありません。 |
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当社グループが営んでいる主な事業は、架線金物、鉄塔・鉄構及びスタッドの設計、製造販売であります。事業に係る位置づけは次のとおりであります。
(注)1.電力通信部門の取扱品目は、主に架線金物及び鉄塔・鉄構であります。
2.建材部門の取扱品目は、主に建築用スタッド、免震ベースプレートであります。
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名称 |
住所 |
資本金 (千円) |
主要な事業 の内容 |
議決権の 被所有割合 (%) |
関係内容 |
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(その他の関係会社) |
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㈱ニュー・オータニ(注) |
東京都千代田区 |
3,462,000 |
ホテル業 |
27.84 |
事業上の関係はありません。 役員の兼任 有 |
(注)有価証券報告書の提出会社であります。
(1) 提出会社の状況
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2023年3月31日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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( |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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電力通信部門 |
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( |
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建材部門 |
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( |
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報告セグメント計 |
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( |
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全社(共通) |
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( |
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合計 |
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( |
(注)1.従業員数は就業人員であり、嘱託及び臨時雇用者は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門、開発部門及び営業推進部門に所属しているものであります。
(2) 労働組合の状況
「株式会社大谷工業労働組合」として主に富山工場の従業員で構成され、2023年3月31日現在の組合員数は、76名であります。
所属上部団体は、JAMであります。
発足以来労使関係は円満に推移しており、特記すべき事項はありません。
(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は1946年の創業以来、豊富な知識・高度な技術で鉄に生命の息吹を与え「豊かな社会を築き上げる」ことを理念としており、経営方針として「目標達成、調和、志気高揚」を掲げております。本邦において基幹インフラ(電力・通信業等)の一翼を担っているとの矜持を忘れず、「安心・安全・高品質」な製品をお届けする「社会に継続していく意義のある企業」として貢献し続けたいと念願しております。
(2) 目標とする経営指標
当社は毎期安定的な利益を継続的に確保するとともに、株主利益重視と経営効率化の観点から総資本利益率(ROA)、自己資本比率及び配当性向の向上に努力してまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社製品は、電力会社、通信会社、建設会社を主なお客様として、インフラや各種建物の建築資材として用いられ、その信頼性・安全性を支える一端を担っております。今後もこれまでに培ってきたノウハウや金属加工技術を駆使しお客様の要望に最大限応えることができるよう「提案型」の営業に注力するとともに、膜天井金物など架線金物以外の製品についても営業努力を図り、大型鋼材から小物まで処理できるメッキ設備を活かし新分野での製品開発にも努めて参ります。
(4) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上・財務上の課題
今後も安定的な成長をするために下記の点を重要課題として取り組んでおります。
① 電力業界、通信業界は、自発工事を中心に劣化電柱の建替工事や支持物の取替工事、保守関連工事等が動くと見込んでおり、更新需要を着実に取り込むことが出来るかが課題となっております。鋼材価格の高騰が続いておりますが、単に価格転嫁を進めるだけでなく、原価低減・新製品開発など当社製品の優位性(品質・価格など)を確立し、「提案型営業」に努め、取引先にとって有為なメーカーであることを追求して参ります。
② 建設業界は、大型の再開発事業や物流施設の建設など、建築需要が高い状態が続いており、当社製品の販売量も増加が見込まれます。そのため、鋼材価格の高騰による製造コストの増加が課題となっております。生産プロセスの見直しや、材料費の販売価格への転嫁を進めると同時に、着実に受注に結びつける営業体制を構築し、案件ごとに徹底した採算管理に努めて参ります。
③ 物流費においては業容の拡大とともに、取引先の遠距離化・小口注文による発送頻度増など、運送費が増加する傾向にあります。売上を増加させる一方で、如何にして物流費負担を軽減し利益を確保するかが課題であると認識しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、本項に記載した将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 事業環境の変化に伴うリスク
当社の営業基盤を大別すると、電力通信関連と建材関連となります。事業環境の変化への対応として、電力通信関連では営業部門による市場動向の調査および営業推進部門・開発部門によるVAを含めた提案と市場の開拓を行っています。また、建材関連においては、営業部門による新規顧客の獲得、営業推進部門による新分野の開拓ならびに開発部門による顧客ニーズへの対応を行っています。しかしながら、各市場の景気動向、ニーズの変化への的確な対応ができない場合、中長期的な業績および財務状況に影響を及ぼすリスクとなります。また、国際情勢の悪化や、景気の冷え込みに伴う設備投資や建築需要の抑制は、当社の業績および財務状況に影響を及ぼすリスクとなります。
(2) 原材料等の価格変動によるリスク
当社の生産に必要な原材料においては、市況価格のモニタリングを行っております。また、仕入先および外注先においては良好な関係を保つことで円滑なサプライチェーンを築いております。しかしながら、原材料や副資材、外注加工品の価格が原価管理上想定以上の高騰により製造コストの上昇が生じた場合は、採算性の悪化により当社の業績および財務状況に影響を及ぼすリスクとなります。
(3) 事故・災害発生によるリスク
当社においては各事業所において労働安全衛生活動を推進することで、安全確保に努めています。また、大規模地震等の自然災害発生時への備えとして、事業継続計画の策定、社員安否確認システムの構築、耐震対策、防災訓練を行っております。しかしながら、想定を超える規模の事故・災害が発生し、設備の損傷や物流の寸断等により顧客への製品供給に支障を生じた場合は、当社の業績および財務状況に影響を及ぼすリスクとなります。
(4) 製品の品質に関するリスク
当社の生産部門、販売部門においては、ISO規格認証を受けた品質マネジメントシステムを活用し、製品の品質保証はもとより、当社およびサプライチェーンの品質管理体制と顧客満足度をモニタリングすることで製品品質の信頼性・安定性を継続的に確保できるよう努めています。しかしながら、予期せぬ製品の欠陥が判明し、大規模な製品の回収・返金・無償交換等の措置による費用の発生ならびに当社信頼性の低下に及んだ場合は、当社の業績および財務状況に影響を及ぼすリスクとなります。
(5) 法令違反によるリスク
当社では、法的要求事項への対応としてコンプライアンス宣言とともにコンプライアンスマニュアル・行動規範を策定しております。また、社員に対するコンプライアンス教育と行動規範の周知を行い、法令遵守の徹底に努めています。しかしながら、法令に反する事象が発生し、当社の社会的信用が低下した場合は、当社の業績や財務状況に影響を及ぼすリスクとなります。
(6) 情報流出によるリスク
当社では、情報資産を適切に管理するために情報セキュリティ要領を策定し、全社員へ周知のうえ、遵守・徹底に努めています。しかしながら、情報が外部に流出し、当社の社会的信用が低下した場合は、当社の業績や財務状況に影響を及ぼすリスクとなります。
(7) 保有資産の価格変動によるリスク
当社が保有する資産(有形固定資産、投資有価証券)において著しい価格下落が生じ、減損または評価損が発生する場合は、当社の業績および財務状況に影響を及ぼすリスクとなります。
(8) 債権回収に関わるリスク
建材部門における施工付きスタッド販売においては、設計数量をもとに受注金額を決定し、施工数量に応じて収益を得る契約としていますが、工事案件によっては工事完了前に受注金額を超過することがあり、その超過部分について設計変更内容と施工状況の精査を含めた顧客との価格交渉になることがあります。当社においては月次に売掛金残高を確認することにより債権回収状況をモニタリングしておりますが、工事案件の交渉状況により、長期にわたり債権回収できない取引が発生した場合は、当社の業績および財務状況に影響を及ぼすリスクとなります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国の経済は、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されています。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
当社の主要な取引先である電力業界は、電力システム改革によって小売全面自由化や、発送電部門の法的分離等が実施されたことや、2023年度よりレベニューキャップ制度(新託送料金制度)が導入されるなど、大きな変革の時期を迎えております。
一方で、建設業界は、都心の再開発を中心とする大規模案件や大型物流施設の建設など、建築需要は依然として高い状態が続いております。
a.財政状態
総資産は前事業年度末に比べ740百万円増加し6,228百万円となりました。これは主に売上債権649百万円、棚卸資産172百万円の増加と現金及び預金62百万円、未収還付法人税等20百万円、有形及び無形固定資産23百万円の減少によるものです。
負債は前事業年度末に比べ586百万円増加し2,844百万円となりました。これは主に仕入債務503百万円、未払法人税等83百万円の増加と設備関係電子記録債務37百万円の減少によるものです。
純資産は前事業年度末に比べ154百万円増加し3,383百万円となりました。これは主に当期純利益173百万円の計上と、配当金23百万円の支払によるものです。
b.経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高は7,189百万円と前期比781百万円(12.2%)の増加となりました。
利益面では売上総利益は1,290百万円と前期比59百万円(4.9%)の増加、営業利益は250百万円と前期比77百万円(45.2%)の増加、経常利益は257百万円と前期比74百万円(41.0%)の増加となりました。また、当期純利益は173百万円と前期比46百万円(36.9%)の増加となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(電力通信部門)
売上高は3,985百万円と前期比94百万円(2.3%)の減少、セグメント利益は516百万円と前期比63百万円(14.0%)の増加となりました。
(建材部門)
売上高は3,203百万円と前期比875百万円(37.6%)の増加、セグメント利益は115百万円と前期比28百万円(20.0%)の減少となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前事業年度末に比べ62百万円減少し1,164百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、112百万円(前年同四半期は56百万円の獲得)となりました。
これは主に償却・税引前の当期利益402百万円を計上したこと、売上債権の増加額649百万円、棚卸資産の増加額172百万円、仕入債務の増加額503百万円、法人税等の支払額33百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は150百万円(前年同四半期は324百万円の使用)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出154百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は23百万円(前年同四半期は28百万円の使用)となりました。これは、配当金の支払額23百万円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
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電力通信部門 |
3,075,043 |
3.5 |
|
建材部門 |
1,552,444 |
48.0 |
|
合計 |
4,627,487 |
15.1 |
(注)金額は、標準原価によっております。
b.商品仕入実績
当事業年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
電力通信部門 |
217,002 |
18.3 |
|
建材部門 |
1,247,822 |
37.9 |
|
合計 |
1,464,824 |
34.6 |
(注)金額は、実際仕入価格によっております。
c.受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
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電力通信部門 |
4,028,491 |
△2.7 |
562,415 |
8.3 |
|
建材部門 |
3,141,762 |
30.4 |
797,066 |
△7.2 |
|
合計 |
7,170,254 |
9.5 |
1,359,481 |
△1.4 |
(注)金額は、販売予定価格によっております。
d.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
電力通信部門 |
3,985,506 |
△2.3 |
|
建材部門 |
3,203,908 |
37.6 |
|
合計 |
7,189,414 |
12.2 |
(注)主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
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販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
北陸電力送配電㈱ |
939,830 |
14.67 |
767,204 |
10.67 |
|
イワブチ㈱ |
741,348 |
11.57 |
564,080 |
7.85 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の売上高は7,189百万円と前期比781百万円(12.2%)の増加となりました。
利益面では材料費の高騰は続いているものの、販売価格への転嫁を進めていることや、製造コストの見直し等により売上総利益は1,290百万円と前期比59百万円(4.9%)の増加、営業利益は250百万円と前期比77百万円(45.2%)の増加、経常利益は257百万円と前期比74百万円(41.0%)の増加となりました。また、当期純利益は173百万円と前期比46百万円(36.9%)の増加となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
(電力通信部門)
電力通信部門において、電力関連では、劣化電柱の建替え、変圧器取換え等、支持物の更改が多かったため、計画通りに推移いたしました。また、通信関連では、「高度無線環境整備推進事業」の落ち着きもあり、前年度より売上は減少しておりますが、一方で、利益は材料費の販売価格への転嫁を進めているため前年度より増加となりました。
鉄塔・鉄構では、建替需要があるものの、当初計画していたよりも受注量が少ない状況が第3四半期までは続いておりましたが、第4四半期に入り、鉄塔設計の受注が増加しております。
この結果、売上高は3,985百万円と前期比94百万円(2.3%)の減少、セグメント利益は516百万円と前期比63百万円(14.0%)の増加となりました。
セグメント資産は、主に売掛金及び契約資産949百万円と前期比248百万円の増加、棚卸資産1,070百万円と前期比132百万円の増加、有形及び無形固定資産864百万円と前期比53百万円の減少により、前期比349百万円増加の3,136百万円となりました。
(建材部門)
建材部門においては、大型物件の稼働も増加し、中小の物件もコンスタントに動いている状況であり、売上は好調ですが、材料費の高騰の影響もあり、利益は減少しております。
この結果、売上高は3,203百万円と前期比875百万円(37.6%)の増加、セグメント利益は115百万円と前期比28百万円(20.0%)の減少となりました。
セグメント資産は主に売掛金及び契約資産741百万円と前期比267百万円の増加、電子記録債権368百万円と前期比139百万円の増加、棚卸資産257百万円と前期比39百万円の増加により、442百万円増加の1,562百万円となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の主力製品である架線金物、鉄塔・鉄構、スタッドは、鉄鋼等の原材料比率が高く、「3 事業等のリスク」に記載してありますように、その価格変動による収益への影響は甚大であり、販売価格への速やかな価格転嫁が必要となります。しかしながら、受注競争が激しさを増している状況であり、上昇したコスト分すべてを販売価格に転嫁することは、厳しくなっております。
この状況に対し、これまで培ったノウハウを集約し原価低減を進め、販売価格への原材料の価格変動の影響を抑えると共に、市場環境や多様化する顧客のニーズに応えるため、新製品開発など提案型営業を進める事で取引先にとって有為なメーカーであることを追求してまいります。
③ 経営上の目標の達成状況について
当社は毎期安定的な利益を継続的に確保するとともに、株主利益重視と経営効率化の観点から「総資本利益率(ROA)」、「自己資本比率」及び「配当性向」を重要な指標として位置づけております。
当事業年度における「総資本利益率(ROA)」は2.8%(前年同期比0.5ポイント増加)、「自己資本比率」は54.3%(前年同期比4.5ポイント減少)、「配当性向」は13.4%(前年同期比5.0ポイント減少)でした。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
④ キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関わる情報について
当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、現金及び現金同等物の期末残高が前年同期に比べ62百万円減少しております。これは主に償却・税引前の当期利益402百万円を計上したこと、売上債権の増加額649百万円、仕入債務の増加額503百万円、棚卸資産の増加額172百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出154百万円が主な要因であります。
資本の財源及び資金の流動性については、当社の資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。
運転資金需要のうち主なものは製品を製造するための材料仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、また設備資金需要としましては、主に製造設備等の固定資産購入によるものであります。
現在、運転資金、設備資金につきましては内部資金より充当し、不足が生じた場合短期及び長期借入金で調達を行っております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の財務諸表の注記事項「重要な会計方針」に記載しているとおりであります。
該当事項はありません。
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2023年3月31日現在 |
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事業所名 (所在地) |
セグメント の名称 |
設備の内容 |
帳簿価額(千円) |
従業 員数 (人) |
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建物及び 構築物 |
機械装置 及び運搬具 |
土地 (面積㎡) |
その他 |
合計 |
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富山工場 (富山県射水市) |
電力通信部門 |
架線金物及び鉄塔・鉄構製造販売設備 |
136,621 |
137,791 |
300,119 (20,709.21) |
17,477 |
592,010 |
89 |
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鹿沼工場 (栃木県鹿沼市) |
電力通信部門 建材部門 |
架線金物及びスタッド製造設備 |
150,506 |
198,346 |
23,757 (32,840.94) |
6,737 |
379,347 |
56 |
|
本社 (東京都品川区) |
全社共通 |
販売管理統括施設 |
51 |
1,383 |
- |
1,748 |
3,184 |
39 |
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旧千葉工場 (千葉県山武市) |
全社共通 |
賃貸用不動産及び遊休地 |
- |
- |
109,025 (83,474.61) |
- |
109,025 |
- |
(注)1.帳簿価額のうち「その他」は工具、器具及び備品の合計であり、建設仮勘定は含めておりません。
2.土地の面積は、共有持分がある場合は持分相当面積を算出して記載しております。
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種類 |
発行可能株式総数(株) |
|
普通株式 |
2,800,000 |
|
計 |
2,800,000 |
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種類 |
事業年度末現在発行数(株) (2023年3月31日) |
提出日現在発行数(株) (2023年6月28日) |
上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名 |
内容 |
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東京証券取引所 スタンダード市場 |
単元株式数 100株 |
|
計 |
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|
- |
- |
該当事項はありません。
該当事項はありません。
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年月日 |
発行済株式 総数増減数 (千株) |
発行済株式 総数残高 (千株) |
資本金増減額
(千円) |
資本金残高
(千円) |
資本準備金 増減額 (千円) |
資本準備金 残高 (千円) |
|
2021年9月30日(注) |
△100 |
780 |
- |
655,200 |
- |
221,972 |
(注)自己株式の消却による減少であります。
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2023年3月31日現在 |
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区分 |
株式の状況(1単元の株式数 |
単元未満 株式の状況 (株) |
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政府及び 地方公共 団体 |
金融機関 |
金融商品 取引業者 |
その他の 法人 |
外国法人等 |
個人 その他 |
計 |
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個人以外 |
個人 |
||||||||
|
株主数(人) |
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- |
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所有株式数 (単元) |
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所有株式数 の割合(%) |
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100.00 |
- |
(注)自己株式803株は「個人その他」に8単元、「単元未満株式の状況」欄に3株を含めて記載しております。
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2023年3月31日現在 |
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氏名又は名称 |
住所 |
所有株式数(百株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
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計 |
- |
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(単位:千円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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資産の部 |
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流動資産 |
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|
現金及び預金 |
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受取手形 |
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電子記録債権 |
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売掛金 |
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契約資産 |
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|
商品及び製品 |
|
|
|
仕掛品 |
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原材料及び貯蔵品 |
|
|
|
前払費用 |
|
|
|
未収還付法人税等 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
貸倒引当金 |
△ |
△ |
|
流動資産合計 |
|
|
|
固定資産 |
|
|
|
有形固定資産 |
|
|
|
建物 |
|
|
|
減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
建物(純額) |
|
|
|
構築物 |
|
|
|
減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
構築物(純額) |
|
|
|
機械及び装置 |
|
|
|
減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
機械及び装置(純額) |
|
|
|
車両運搬具 |
|
|
|
減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
車両運搬具(純額) |
|
|
|
工具、器具及び備品 |
|
|
|
減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
工具、器具及び備品(純額) |
|
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|
土地 |
|
|
|
建設仮勘定 |
|
|
|
有形固定資産合計 |
|
|
|
無形固定資産 |
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ソフトウエア |
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|
|
電話加入権 |
|
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|
ソフトウエア仮勘定 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
無形固定資産合計 |
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
|
投資その他の資産 |
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投資有価証券 |
|
|
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関係会社株式 |
|
|
|
出資金 |
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差入保証金 |
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会員権 |
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|
繰延税金資産 |
|
|
|
破産更生債権等 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
貸倒引当金 |
|
△ |
|
投資その他の資産合計 |
|
|
|
固定資産合計 |
|
|
|
資産合計 |
|
|
|
負債の部 |
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流動負債 |
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支払手形 |
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電子記録債務 |
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買掛金 |
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短期借入金 |
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未払金 |
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設備関係未払金 |
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未払費用 |
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未払法人税等 |
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未払消費税等 |
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|
|
その他 |
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流動負債合計 |
|
|
|
固定負債 |
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退職給付引当金 |
|
|
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役員退職慰労引当金 |
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長期預り保証金 |
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資産除去債務 |
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固定負債合計 |
|
|
|
負債合計 |
|
|
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|
(単位:千円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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純資産の部 |
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株主資本 |
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|
|
資本金 |
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|
|
資本剰余金 |
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資本準備金 |
|
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|
資本剰余金合計 |
|
|
|
利益剰余金 |
|
|
|
利益準備金 |
|
|
|
その他利益剰余金 |
|
|
|
繰越利益剰余金 |
|
|
|
利益剰余金合計 |
|
|
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自己株式 |
△ |
△ |
|
株主資本合計 |
|
|
|
評価・換算差額等 |
|
|
|
その他有価証券評価差額金 |
|
|
|
評価・換算差額等合計 |
|
|
|
純資産合計 |
|
|
|
負債純資産合計 |
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
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前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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売上高 |
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商品及び製品売上高 |
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売上原価 |
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商品及び製品期首棚卸高 |
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当期商品仕入高 |
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当期製品製造原価 |
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|
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合計 |
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他勘定振替高 |
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商品及び製品期末棚卸高 |
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売上原価合計 |
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売上総利益 |
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販売費及び一般管理費 |
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営業利益 |
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営業外収益 |
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受取利息 |
|
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受取配当金 |
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|
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受取保険金 |
|
|
|
業務受託料 |
|
|
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雑収入 |
|
|
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営業外収益合計 |
|
|
|
営業外費用 |
|
|
|
支払利息 |
|
|
|
雑損失 |
|
|
|
営業外費用合計 |
|
|
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経常利益 |
|
|
|
特別利益 |
|
|
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固定資産売却益 |
|
|
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特別利益合計 |
|
|
|
特別損失 |
|
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投資有価証券評価損 |
|
|
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固定資産除売却損 |
|
|
|
特別損失合計 |
|
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税引前当期純利益 |
|
|
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法人税、住民税及び事業税 |
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|
法人税等調整額 |
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△ |
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法人税等合計 |
|
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|
当期純利益 |
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1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分を決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は鉄鋼製品の製造販売を主たる事業とし、取り扱う製品・サービス別に「電力通信部門」、「建材部門」としております。各事業部門は、国内の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
従って、当社は事業部門を基礎とした製品サービス別セグメントから構成されており、「電力通信部門」及び「建材部門」の2つを報告セグメントとしております。
「電力通信部門」は、主として架線金物及び鉄塔・鉄構を製造販売しております。「建材部門」は、主として建築用資材のスタッド、免震ベースプレートを製造販売しております。