ダイハツディーゼル株式会社
DAIHATSU DIESEL MFG.CO.,LTD.
大阪市北区大淀中一丁目1番30号
証券コード:60230
業界:輸送用機器
有価証券報告書の提出日:2023年6月30日

(1) 連結経営指標等

回次

第59期

第60期

第61期

第62期

第63期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

57,270

60,087

56,745

57,599

72,113

経常利益

(百万円)

2,576

2,915

1,149

2,506

3,660

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

1,818

1,996

712

1,968

2,948

包括利益

(百万円)

1,648

1,878

991

2,330

3,215

純資産額

(百万円)

39,263

40,645

41,214

43,069

45,724

総資産額

(百万円)

82,512

85,558

80,381

89,268

95,377

1株当たり純資産額

(円)

1,232.01

1,276.43

1,296.22

1,354.99

1,446.90

1株当たり当期純利益金額

(円)

57.11

62.80

22.43

62.01

93.37

自己資本比率

(%)

47.5

47.5

51.2

48.2

47.9

自己資本利益率

(%)

4.7

5.0

1.7

4.7

6.6

株価収益率

(倍)

10.89

6.34

22.38

8.19

5.82

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

4,792

1,614

3,035

7,870

4,488

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

5,178

1,137

1,847

1,300

3,076

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

109

77

2,310

84

1,981

現金及び現金同等物の
期末残高

(百万円)

20,143

20,495

19,509

26,354

25,815

従業員数
(ほか、平均臨時
雇用者数)

(名)

1,247

1,256

1,263

1,258

1,270

(234)

(236)

(225)

(217)

(243)

 

(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第62期の期首から適用しており、第62期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については潜在株式がないため記載しておりません。

3 従業員数は就業人員数を表示しております。

4 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第59期

第60期

第61期

第62期

第63期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

49,755

52,239

49,409

50,292

64,063

経常利益

(百万円)

1,698

1,609

384

1,936

2,662

当期純利益

(百万円)

1,270

1,484

725

2,188

2,766

資本金

(百万円)

2,434

2,434

2,434

2,434

2,434

発行済株式総数

(千株)

31,850

31,850

31,850

31,850

31,850

純資産額

(百万円)

32,382

33,348

33,666

35,417

37,642

総資産額

(百万円)

74,690

77,876

73,120

81,167

85,745

1株当たり純資産額

(円)

1,017.23

1,048.46

1,060.05

1,115.26

1,192.36

1株当たり配当額
(うち1株当たり
中間配当額)

(円)

15.00

15.00

15.00

15.00

28.00

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益金額

(円)

39.89

46.70

22.86

68.94

87.61

自己資本比率

(%)

43.4

42.8

46.0

43.6

43.9

自己資本利益率

(%)

4.0

4.5

2.2

6.3

7.6

株価収益率

(倍)

15.59

8.52

21.95

7.37

6.20

配当性向

(%)

37.6

32.1

65.6

21.8

32.0

従業員数
(ほか、平均臨時
雇用者数)

(名)

843

829

834

821

833

(176)

(176)

(160)

(144)

(168)

株主総利回り
(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(%)

73.1

49.1

62.7

65.1

72.4

(95.0)

(85.9)

(122.1)

(124.6)

(131.8)

最高株価

(円)

905

743

576

746

579

最低株価

(円)

601

373

350

450

433

 

(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第62期の期首から適用しており、第62期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については潜在株式がないため記載しておりません。

3 従業員数は就業人員数を表示しております。

4 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

5 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第二部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。

 

 

2 【沿革】

1966年5月

ダイハツ工業株式会社から、船舶用および汎用ディーゼル機関の製造・販売を行っていた大阪事業部を分離し、新たに「ダイハツディーゼル株式会社」を設立。

1968年8月

九州地区の内燃機関販売代理店として長崎マリンサービス株式会社を設立。(現ダイハツディーゼル西日本株式会社・連結子会社)

1969年8月

滋賀県守山市に守山工場を建設、操業開始。

1970年4月

株式額面金額を変更するため会社合併を行った。(登記上の設立年月日:1939年4月29日)

1970年4月

四国地区の内燃機関販売代理店としてダイハツディーゼル今治サービス株式会社を設立。(現ダイハツディーゼル四国株式会社・連結子会社)

1972年12月

近畿・中国・山陰地区の内燃機関販売代理店として中日本ダイハツディーゼル販売株式会社を設立。(現ダイハツディーゼル中日本株式会社・連結子会社)

1977年11月

大阪証券取引所市場第二部に株式を上場。

1979年1月

滋賀県守山市に守山第二工場を建設、操業開始。

1979年1月

関東・東北・北海道地区の内燃機関販売代理店として東日本ダイハツディーゼル販売株式会社を設立。(現ダイハツディーゼル東日本株式会社・連結子会社)

1981年9月

米国に北・中米総販売代理店としてDAIHATSU DIESEL (U.S.A.) ,INC.を設立。(現DAIHATSU DIESEL (AMERICA) ,INC.・連結子会社)

1981年12月

内燃機関の塗装・梱包・運送を目的としてダイハツディーゼル輸送株式会社を設立。(現ディーエス商事株式会社・連結子会社)

1982年1月

中国の安慶中船柴油機有限公司および陜西柴油機重工有限公司とディーゼル機関に関する技術提携契約を締結。

1982年8月

シンガポールにアジア総販売代理店としてDAIHATSU DIESEL (SINGAPORE) PTE. LTD.を設立。(現DAIHATSU DIESEL (ASIA PACIFIC) PTE. LTD.・連結子会社)

1983年8月

守山第二工場に部品センター、研究工場を建設。

1983年10月

英国に欧州総販売代理店としてDAIHATSU DIESEL (EUROPE) LTD.設立。(現・連結子会社)

1986年9月

近畿地区の部品販売会社としてディー・ディー部品サービス株式会社を設立。(現ダイハツディーゼル部品サービス株式会社・連結子会社)

1986年11月

守山第二工場に精機メカトロ工場を建設、精機メカトロの生産開始。

1990年9月

大阪市中央区に本社移転。

1991年11月

旧本社跡地に積水ハウス株式会社他2社と再開発事業を行うにあたりダイハツディーゼル梅田シティ株式会社を設立、貸事務所および駐車場業を開始。(現・連結子会社)

1993年12月

中国に上海事務所を開設。

1994年1月

英国LRQAから国際品質標準規格のISO9001の認証を取得。

2000年5月

中国に中国総販売代理店としてDAIHATSU DIESEL (SHANGHAI) CO.,LTD.(現・連結子会社)を設立。

2000年12月

守山工場に国際環境基準ISO14001の認証を取得。

2001年10月

守山第一工場に技術開発センター、史料館を建設。

2004年4月

台湾に台湾事務所を開設。

2004年10月

三井造船株式会社(現・株式会社三井E&S)とガスエンジンに関する技術提携契約を締結。

2005年7月

大阪市北区に本社移転。

2005年9月

守山工場に中国船級社(CCS)工場認定を取得。

2007年7月

安慶中船柴油機有限公司との共同出資による合弁会社DAIHATSU DIESEL ANQING  IRONWORKS.CO.,LTD.を設立。

2008年5月

守山第二工場に研究開発センターを建設。

2010年9月

三井造船株式会社(現・株式会社三井E&S)との共同出資による合弁会社「MDエンジニアリング株式会社」を設立。(現・非連結子会社)

 

 

2013年7月

東京証券取引所と大阪証券取引所の市場統合に伴い、大阪証券取引所市場第二部は、東京証券取引所市場第二部に統合。

2015年7月

2015年11月

日本ノッズル精機株式会社の株式を取得。(現・連結子会社)

姫路工場開設に向け、ダイハツディーゼル姫路株式会社を設立。(現・連結子会社)

2017年11月

守山第一工場に総合棟を建設。

2018年8月

姫路工場竣工および操業開始。

2018年9月

ドイツのMTU Friedrichshafen GmbH社(現・Rolls-Royce Solutions GmbH)との技術提携契約を締結

2018年12月

OFFICINE MECCANICHE TORINO S.p.Aの株式を取得。(現・持分法適用関連会社)

2022年4月

東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、東京証券取引所市場第二部からスタンダード市場に移行。

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社および子会社等21社より構成され、内燃機関・産業機器の製造販売事業および不動産賃貸事業等を展開しています。

なお、産業機器事業のアルミホイールについては、全てその他の関係会社1社に納入しています。

 

事業内容と当社および関係会社の当該事業に係る位置づけは、次のとおりであります。


 

主要製品(事業)

主要な会社






舶用・陸用       

機 関 関 連

船舶用ディーゼル機関
陸用ディーゼル機関
ガスタービン
同上の部品の製造

当社、ダイハツディーゼル姫路㈱

船舶用ディーゼル機関

陸用ディーゼル機関

ガスタービン

同上の部品の販売

当社、ダイハツディーゼル東日本㈱、ダイハツディーゼル中日本㈱、ダイハツデーゼル四国㈱、ダイハツディーゼル西日本㈱

DAIHATSU DIESEL(ASIA PACIFIC)PTE.LTD.

DAIHATSU DIESEL(EUROPE)LTD.

DAIHATSU DIESEL(AMERICA),INC.

DAIHATSU DIESEL(SHANGHAI)CO.,LTD.

運送業
倉庫内管理請負業

ディーエス商事㈱

ダイハツディーゼル部品サービス㈱

産業機器関連

アルミホイールの販売

当社

不動産賃貸関連

貸事務所業

当社、ダイハツディーゼル梅田シティ㈱

売電関連

太陽光発電事業

当社

精密部品関連

精密部品

日本ノッズル精機㈱

 

 

 以上の関連を概要図に示すと、次のとおりであります。


 

4 【関係会社の状況】

会社名

住所

資本金又は
出資金
(千円)

主要な
事業の内容

議決権の
所有(又は被所有)割合
(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

DAIHATSU DIESEL (ASIA PACIFIC)
PTE. LTD.

シンガポール

2,000,000
S$

内燃機関
  関連

100.0

当社製品の販売
役員の兼任 有

DAIHATSU DIESEL (EUROPE) LTD.

英国
ロンドン

50,000
STG£

  〃

100.0

当社製品の販売
役員の兼任 有

DAIHATSU DIESEL (AMERICA) ,INC.

米国
ニューヨーク

100,000
US$

  〃

100.0

当社製品の販売
役員の兼任 有

DAIHATSU DIESEL (SHANGHAI)
CO.,LTD.

中国
上海

200,000
US$

  〃

100.0

当社製品の販売
特定子会社に該当しております。
役員の兼任 有

ダイハツディーゼル部品サービス㈱

滋賀県
守山市

50,000

  〃

100.0

当社製品の部品流通管理
役員の兼任 有

ダイハツディーゼル東日本㈱

東京都
台東区

30,000

  〃

100.0

当社製品の販売
特定子会社に該当しております。
役員の兼任 有

ダイハツディーゼル中日本㈱

広島県
福山市

10,000

  〃

100.0

当社製品の販売

役員の兼任 有

ダイハツディーゼル四国㈱

愛媛県
今治市

10,000

  〃

100.0

当社製品の販売
特定子会社に該当しております。
役員の兼任 有

ダイハツディーゼル西日本㈱

福岡市
東区

30,000

  〃

100.0

当社製品の販売
役員の兼任 有

ディーエス商事㈱

大阪市
北区

10,000

  〃

100.0

当社製品の運搬取扱い

役員の兼任 無

ダイハツディーゼル姫路㈱

兵庫県
姫路市

300,000

  〃

100.0

特定子会社に該当しております。
役員の兼任 有

ダイハツディーゼル梅田シティ㈱

大阪市
北区

50,000

不 動 産
賃貸関連

100.0

役員の兼任 有

日本ノッズル精機㈱

埼玉県
久喜市

42,000

精密部品
 関連

93.9

当社より資金援助を受けております。
役員の兼任 有

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

OFFICINE MECCANICHE TORINO S.p.A

(注)3

イタリア

トリノ

 1,500,000
EURO€

精密部品
  関連

19.0

役員の兼任 有

(その他の関係会社)

 

 

 

 

 

ダイハツ工業㈱

大阪府
池田市

28,404,346

自動車等各種車両およびその部品の製造・販売

35.26 (0.11)

当社に対し建物を賃貸しております。
当社製品の納入
役員の兼任 有

 

(注)1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

2 「議決権の所有(又は被所有)割合」欄の(内書)は間接所有割合を示し、内数であります。

3 持分は、100分の20未満でありますが、実質的な影響力を持っているため関連会社としております。

4 ダイハツディーゼル東日本㈱、ダイハツディーゼル四国㈱および、DAIHATSU DIESEL(SHANGHAI)CO.,LTD.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

 

 主要な損益情報等

・ダイハツディーゼル東日本㈱

(1) 売上高

8,512百万円

(2) 経常利益

464百万円

(3) 当期純利益

297百万円

(4) 純資産額

1,175百万円

(5) 総資産額

4,656百万円

 

 

・ダイハツディーゼル四国㈱

(1) 売上高

7,822百万円

(2) 経常利益

193百万円

(3) 当期純利益

123百万円

(4) 純資産額

741百万円

(5) 総資産額

2,826百万円

 

 

 

・DAIHATSU DIESEL(SHANGHAI)CO.,LTD.

(1) 売上高

9,725百万円

(2) 経常利益

220百万円

(3) 当期純利益

162百万円

(4) 純資産額

511百万円

(5) 総資産額

4,400百万円

 

 

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

2023年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

 内燃機関部門

 舶用機関関連

828

(166)

 陸用機関関連

233

(46)

 その他の部門

129

(21)

 全社(共通)

80

(10)

合計

1,270

(243)

 

(注) 1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。

2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

 

(2) 提出会社の状況

2023年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

833

41.3

16.3

6,195

(168)

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

 内燃機関部門

 舶用機関関連

582

(125)

 陸用機関関連

166

(31)

 その他の部門

5

(2)

 全社(共通)

80

(10)

合計

833

(168)

 

(注) 1 従業員数は、就業人員数であります。

2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

3 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合との間に特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

提出会社

2.6

7.1

80.09

82.34

64.04

日本ノッズル精機㈱

25.0

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 「-」は、女性活躍推進法等に基づく公表をしていないため記載を省略していることを示しております。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1)会社の経営の基本方針

当社は「たくましい創造性と優れた技術を磨きあげ、社会を豊かにする価値を提供し、人々との共生を願い、限りなく前進する」ことを企業理念として掲げております。

この企業理念のもと、『①お客様に満足いただける新しい商品とサービスの提供、②地球環境保護の流れと調和のとれた事業展開、③企業環境の変化に迅速に対応して適正な利益を確保できる、強靱で柔軟性のある企業体質と、活力に満ちた明るい企業風土の確立』を経営方針としております。この経営方針を実践することで、グループ各社が一体となった事業活動を展開し、顧客、株主、取引先そして従業員等当社に関わる皆様にとって大きな存在価値を認めていただける企業グループとして、更なる発展・繁栄を目指していく所存であります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループでは、収益性と資本効率を重視する観点から、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)を経営数値目標として掲げて企業経営に取り組んでおります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

当社は1907年の創業以来、社会インフラの一端を担うことを社会的使命として、船舶用機関で海上物流を、陸用機関で常用・非常用の電源を確保するなど、海と陸の両方から人々の安心安全な暮らしを支えてきております。

2020年10月に日本では2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言するなど、コロナ禍を経てネットゼロエミッションに向けた目標が世界的に前倒しされました。またデジタル化が加速するなど、当社を取り巻く事業環境は急速に変化しています。

 

造船・海運業界ではGHG削減の取り組みとして、海上物流での新たな動力源の開発や航行スピードの調整、船体設計や排出CO₂の回収などの取り組みを進めております。海上物流での新たな動力源の開発は、内燃機関の技術革新が寄与するものと考えられており、当社においては次世代燃料であるメタノール・アンモニア・水素・バイオ燃料などの次世代燃料対応機関を開発・市場投入することでGHG削減の貢献を目指しております。

 

船舶用内燃機関のライフサイクルは2050年までに重油燃料型ディーゼル機関から、重油とLNGの二元燃料を動力源とする環境負荷低減型のデュアルフューエル機関、そして次世代燃料対応機関へと機関移行が進むと想定しているものの、移行時期等は不透明な状況にあります。

当社では、2021年10月にデュアルフューエル機関4機種のラインアップを完了し、2022年度末までには約220台以上を販売・受注しており、重油燃料型ディーゼル機関からの置き換えが加速しました。次世代燃料対応機関の開発については見通しが不透明であることから、特定の燃料に限定せず幅広く開発し、各燃料に対応した機関研究開発を並行して進めております。併せて、造船業界での中国造船所へのシェアシフトに対応するため、コスト競争力をこれまで以上に強化する必要があります。

 

陸用分野では、我が国の人口減、財政逼迫、公共インフラの老朽化が同時並行で進む中、ゲリラ豪雨等の気候変動から人々の安心安全を確保することで、Society5.0に貢献していくことが将来における当社のあるべき姿であると想定しています。

 

当社は、2022年11月に中長期ビジョン『POWER! FOR ALL beyond 2030』を公表し、2050年までの中長期的な事業戦略を示しました。不確実性の高い時代に当社グループが柔軟に対応し成長し続けるためには、次世代燃料対応機関の開発だけでなく、デジタルを駆使したサービタイゼーション事業を確立させ、アフターメンテナンス事業の収益性を高めることを2030年への最優先課題として取り組んでおります。

 

2030年以降の次世代燃料対応機関の本格移行までに、人的資本への投資を加速することで求める組織能力を構築・開発しつつ、新たな成長・収益ドライバーを構築するために注力すべき分野へ選択と集中を進めることで事業基盤を強化してまいります。

 

1.事業開発

・サービタイゼーション事業を成長ドライバーに据えるための関連投資やアライアンスの推進

・製品とデジタルを融合させた、付加価値の高いサービス事業の事業収益化

 

2.次世代燃料対応開発

・カーボンニュートラルに向けた各種次世代燃料対応機関開発の早期実現と市場投入

 

3.能力構築

・無形資産の投資強化によるデジタル化推進、中国市場における一層の事業拡大のための組織能力強化

・グローバル人材の育成・強化

 

 

4.サステナビリティ経営

・サステナブル投資の実行

・既存事業の深化

・ESG経営の実行

 

これら取組みを早期に実現するため、2023年度より5年間で総額500億円の投資を実施することで、モノづくりを通した社会貢献に加え、社員についても人材の多様化を図り、社員一人ひとりの成長と事業活動の両立を図ってまいります。今後もサステナブルな企業であり続けるため、ESGを経営の中核に据えた事業運営への展開を図ってまいります。

 

※Society5.0…現実空間と仮想空間が一体となり、さまざまな社会問題の解決と経済発展を実現する社会

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、経営者がリスクとなる可能性があると認識している主要な事項(事業等のリスク)は以下のとおりであります。

 

事業等のリスクの洗い出しに際して、事業遂行上に起こりうるリスクの発生要因に基づき、ビジネスリスクとオペレーションリスクに分類し、各リスクに応じた対策を立案・遂行し、リスク管理の実効性を検証し、対応しております。

ビジネスリスク

(Business)

 事業環境の不確実性がある中、事業戦略を策定・遂行することで、事業成果を獲得するために、意思決定を通じ健全な範囲で負担することを選択したリスク

オペレーションリスク

(Operation)

 外生的事象が生起することから事業オペレーション上で発生可能性がある事象および損失であり、対策を講じて一定水準以下になるよう管理するリスク

 

 

主要なビジネスリスク、オペレーションリスクの内容と対策は以下のとおりです。

リスク

内容

対応

Business(1)

カーボンニュートラルに向けた開発リスク

・国際海運の2050年の温室効果ガス(GHG)排出ネットゼロ(実質ゼロ)が求められ、削減目標は前倒しされています。

 

・海運・造船業界におけるカーボンニュートラルは、舶用機関の開発を中心に実現されるというのが主流の見方ではあるものの、どの新燃料が主流となるかについては見解が分かれています。

 

・開発リソースの投入・開発時期次第では、当社の研究開発テーマが実用化されず、新製品の開発が著しく遅延または断念される場合には、競争力が低下し、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・舶用機関メーカーとしてどの燃料にも対応できるよう、研究開発を進めていますが、選択肢が多岐に渡る中、新燃料の技術開発には一定の投資が必要であるため、動向を見ながら開発テーマの絞込みや優先順位付けを今後進めてまいります。

 

・自前主義にこだわらず、産官学との連携を通じ、研究リソースの適正な配分に努めてまいります。

Business(2)

中国市場リスク

・当社は中国ライセンシー2社と技術提携関係を40年以上継続しており、連結販売子会社・ライセンシーを通じ、中国市場でのダイハツブランドの拡販施策を実施しています。しかし、想定外の事情で中国市場が縮小し、中国ライセンシーのエンジン生産量が急減した場合、当社の成長戦略に齟齬が生じる可能性があります。

・中国での市場性を想定したライセンス機種の検討や生産・品質面での支援を含めた技術供与のあり方をライセンシーと適宜協議しながら進めています。

 

・中国ライセンシーの機関生産の原価低減に向けた支援を行っています。

Business(3)

調達リスク

・当社製品の開発・生産は、仕入先からの一定数の部材やサービスの供給に依存しており、当社事業において、これらが必要に応じて、適正なコストでタイムリーに入手可能なことが重要となります。自然災害や事故、または仕入先の経営悪化など様々な要因での供給の遅滞や停止、コストアップ等で当社製品に関する開発や生産に遅滞や停止が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・仕入先との良好な取引関係の確立・維持に努め、また、調達の停止リスク回避を考慮した仕入先の複数確保、必要在庫の保有等の対策を講じてまいります。

仕入先の事業継続に関しても定期的に精査し、適宜代替となる仕入先の検討を実施してまいります。

 

・当社グループでは最適な部材やサービスをグローバルに調達しておりますが、リスク回避検討の一つとして、付加価値取り込みも視野に入れた内外製の検討も進めております。

Business(4)

一部調達先への技術依存がもたらすリスク

・主要な部品の一部には、特定の高度な技術を有し、供給先に依存するため供給先の供給不足、納入遅延等の発生により、販売機会損失発生や、適正な在庫水準を維持できない状況が想定されます。また、特定材料の値上げ要請を受ける状況があった場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・基幹部品の内製化投資および生産能力増強や調達先の多様化により、調達の安定化を図るとともに、原価低減に結びつけてまいります。

 

・次世代燃料対応機関開発において、調達先を見極めるとともに、知財戦略に基づき重要技術の自社保有を目指します。

 

 

リスク

内容

対応

Business(5)

知財リスク

・当社グループは、製品開発の中で技術あるいはノウハウを蓄積し、それらを保護するための知的財産権の取得に努めておりますが、第三者が当社グループの知的財産権を使用して類似製品を製造、販売することを防止できない可能性があり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

・当社グループでは他社の権利を侵害しないように製品の開発を進めておりますが、意図せずまたは、見解の相違等により第三者の知的財産権を侵害することにより、訴訟その他解決に係る費用の増加、製品差し止めによる事業損失、損害賠償責任、当社グループの評判、ブランド価値の毀損を引き起こす可能性があります。

 

・現在当社グループがライセンスを受けている第三者の知的財産権の使用が将来差し止められる、あるいは不当な条件に変更される可能性があります。

・当社グループでは、知財専門部門を設置し、新規製品開発時には要件として、他社の知的財産権を侵害していないことの調査実施を規定に定め、チェック機能を働かせています。

 

・パテントマップに基づく戦略の立案等、知財戦略を当社グループの競争力の維持、成長戦略の牽引役として強化に努めてまいります。

 

・新燃料対応の機関開発では委託契約の内容を充分に精査し、知的財産権の保全に努めてまいります。

Business(6)

為替変動のリスク

・以下の2点で当社グループの財政状態・経営成績に影響を及ぼしています。

①当社の連結財務諸表は日本円で表示のため、為替換算による差損益が生じます。

②外貨建ての製品販売、材料等の調達では、為替変動の影響により販売・仕入額の円貨額が変動します。

特に海外調達が増加する中、為替変動が材料費等に影響を与える可能性があります。

・円建取引を基本とし、外貨建の取引については以下の方法でリスクヘッジを行っております。

①事業活動を通じて得た外貨を、同一の外貨建ての支払いに充当。

②事業計画や事業見通しに基づき、通貨ごとに外貨建て為替予約枠を設定。

③国内調達や内製化投資により為替変動リスクを低減。

Operation(1)

自然災害による操業リスク

・当社グループの主要製品である機関製造工場は守山工場と姫路工場の2拠点があります。加えて子会社である日本ノッズル精機㈱には埼玉工場と加古川工場の2拠点があります。巨大地震や風水害等の自然災害や火災等が発生した場合に、当該工場での直接被害により生産活動が阻害される可能性があります。さらに、これらの災害・事故等が、部品等の供給業者や製品納入先等といった当社グループのサプライチェーンにおいて発生した場合には、供給業者からの部品等の供給不足・中断、製品納入先における生産活動の休止または低下等により当社グループの生産活動・販売活動等が大きな影響を受ける可能性があります。

・以下の対策を実施して、速やかな事業復旧をはかります。

①避難訓練の実施、安否確認システムの運用、帰宅困難者用備品の拡充、防災マニュアルの見直しと教育の実施を通じ、従業員の安全を確保。

②危機管理体制やBCP整備による、緊急時の被災状況等の情報収集体制の確立、お客様や従業員等の安全確保と事業継続に向けた体制の構築。

③賠償責任保険、企業財産包括保険等の付保。

④建物・構築物・製造設備の耐性診断および補強、被災拠点機能の代替体制構築、本社機能不全時の代替体制構築。

⑤供給業者の複社発注化によるサプライチェーン寸断による被害拡大抑止。

Operation(2)

人材確保・流出リスク

・当社グループの競争力は、研究・開発・技術・製造・管理等各職種における優れた専門的知識や技能を持った従業員により支えられています。グローバルな事業活動を進める中で、優秀な人材確保における競争は高まっております。また、在籍している従業員の退職や有能な人材の獲得ができない場合は、当社グループの将来の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・専門性の高い多様な人材の採用を進めております。

 

・社員のエンゲージメントを高める施策を検討、実行しております。

 

・人材投資をおこない、社員のリスキリングをはかってまいります。

 

・幹部人材の確保、育成するプロセスの強化を進めております。

 

・定年延長または継続雇用制度の上限年齢引き上げの検討と制度構築を行っております。

 

 

リスク

内容

対応

Operation(3)

資金調達リスク

・当社グループは資金調達を間接金融としているため、様々な外的要因により金融市場が不安定化もしくは悪化した場合に、資金調達が制約されたり、資金調達コストが上昇するなど、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・自己資金の創出を図るべく、事業計画時点で資金計画を策定し、キャッシュ・フローを見極めます。

 

・資金予測精度を高め、必要資金確保のための方策を検討します。

 

・コミットメントラインを設定し、万が一の場合の流動性を確保しております。

 

 ※コミットメントライン:

  金融機関との間で、期間・融資枠の範囲内で融資を受けることを可能とする旨、予め約定する契約

Operation(4)

情報セキュリティー面のリスク

・当社グループは事業活動を通じて、お客様や取引先から営業機密・個人情報を入手することがあります。また、当社グループの事業活動でも営業機密・個人情報を作成・保管しております。これらの機密情報に対する悪意を持った行為や過失によりグループ外に流出する可能性や改竄・利用不可状態に陥ることにより事業活動が制限される可能性があります。

 

・当社グループとしては、保有する機密情報を台帳等により記録・管理すると共に、サイバー攻撃・不正行為から守るためセキュリティー対策に取り組んでおります。しかし、IT機能の不備や予期せぬ侵入・窃盗、不正操作などにより、グループ外への情報流出、製造・開発・エンジニアリングサービスの停止などが発生した場合には、お客様や関係者に対して損害賠償責任を負うことや、インシデント対応費用の発生、社会的信用の毀損等で当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・当社グループは機密管理委員会を通じて、機密管理活動に取り組んでおります。具体的には、役員、従業員、取引先に対し、機密管理教育を徹底しております。

 

・事業活動を支えるIT機能に対しても万全な防御機能を整備運用するとともに、外部からの不正アクセスと外部への不正流出を常時監視する機能を運用し、有事の際の検知と迅速な初動対応を開始する準備を講じております。

Operation(5)

コンプライアンスリスク・訴訟リスク

・当社グループでは、世界各国に販売・サービス網を構築し事業活動を行っており、国内外の様々な法令、諸規制の適用を受けております。これらに対する違反等が発生する可能性は皆無と言えず、発生した場合には、社会的信用を毀損する等、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

・当社グループが事業活動を展開する中で、知的財産権、製造物責任、環境、労務等、様々な訴訟の当事者となるリスクがあります。重大な訴訟提起の場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・当社では、倫理行動基準および諸規程を整備するとともに、法令遵守に基づき、業務遂行の徹底ならびに、役員・従業員へのコンプライアンス研修を実施しております。

 

・当社グループでは、コンプライアンス委員会ならびに法務、内部監査等の統制部門を設置し、関連法令、規制、内部基準等の遵守状況を適宜モニタリングしております。

 

・訴訟や法的な手続きが必要となる事案が発生した場合に、弁護士等の外部専門家と対策を検討することが出来る体制を構築し、社内の関連部署のスキルや専門知識の強化に努めております。また、訴訟等による予期せぬ損失に備えて保険の付保等をおこなっております。

 

 

リスク

内容

対応

Operation(6)

輸出管理規制によるリスク

・当社製品ならびにアフター部品・サービスは広く世界各国へ販売されており、また、製品開発時には各国のメーカー、研究機関との共同・委託開発をおこなっております。

 上記は外為法の規制を受ける為、製品・アフター部品・サービス・共同開発行為がリスト規制の対象となる可能性があり、また取引先がキャッチオール規制の対象である可能性があります。社内に輸出管理体制を構築し、対策を講じておりますが、違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、発生した場合には、社会的信用を毀損し、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・社内に輸出管理委員会を設け、輸出管理事務局・監査部門における定期的監査・モニタリングを実施しております。また、輸出管理業務が円滑かつ正確におこなえるよう専用の輸出管理システムを構築し、運用しております。

 

・輸出管理に係る規程・マニュアルを整備し、当該業務の関係者への定期的研修を実施しております。また、役員および管理職へは昇格時に別途研修実施を講じております。

 

・関連法令の制定・改正等の情報を適時に事業活動に反映できる社内体制を強化しております。判断が難しい場合には政府当局やCISTEC等の関係団体に確認するなどの対応を実施しております。

 

 ※CISTEC:

  一般財団法人 安全保障貿易情報センター

Operation(7)

感染症リスク

・感染症の感染地域・感染者数の拡大による、工場の操業度低下、人流や物流制限による販売や調達活動への制約、世界経済悪化に伴う受注量の停滞など、当社グループを取り巻く事業環境への影響が懸念されます。

 

・今後も動向を注視しながら適宜対策を講じてまいりますが、さらなる感染拡大等、想定を超えるような事態が発生する場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・当社グループでは、社会インフラを支える当社グループの製品・サービス等の提供を途切れさせることがないよう、お客様、そして地域の皆様の安心・安全を第一と考え、対策本部を設置し、対応マニュアルを定め、周知徹底をし、感染症の流行状況に応じた感染拡大防止策をはじめとする各種施策を実施してまいります。

 

・従業員やその家族の健康を守る為、職場での感染予防・拡大防止策として、衛生管理の徹底(マスク着用、検温、手指のアルコール消毒等)や各部署における在宅勤務や時差出勤の本格運用、WEB会議の活用等に取り組んでおります。

 

 

本項に記載した予想、予見、見込み、見通し等の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)
(1) 企業集団の業績

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による消費活動の自粛志向が薄らぎ経済活動の正常化が一段と進むことで、コロナ禍からのリバウンド需要を中心に回復基調となりました。その一方で、円安の進行、資源高の影響による物価上昇等もあり、引き続き先行きの見通せない状況が続いております。

世界経済におきましては、ウクライナ情勢の長期化に伴う食料・エネルギー危機、中国でのゼロコロナ政策に伴う経済活動の抑制、インフレが加速したことによる積極的な金融引き締めが行われる等、経済成長は低水準で推移いたしました。IMFが2023年4月に公表した世界経済見通しでは、世界のインフレ率は2022年の8.7%から2023年は7.0%に鈍化する見込みであり、世界経済の成長率は2022年の3.4%から2023年には2.8%へ低下するとの見通しが示されました。

当社の主要な販売先である造船・海運業界につきましては、2022年の新造船受注量は、鋼材価格高騰を背景とした船価の上昇で発注が控えられたこともあり2021年の特需は落ち着くものの、コンテナ船やばら積み船を中心に堅調に推移いたしました。また、海上輸送網の混乱も解消に向かい、人流制限等で停滞していた東南アジアを中心にメンテナンス需要も回復しております。

このような企業環境下、当社グループにおきましては、大型機関やデュアルフューエル機関の受注が好調に推移するとともに、メンテナンス関連も好調に推移いたしました。その結果、当連結会計年度における連結売上高は72,113百万円(前期比25.2%増)となり、利益面におきましては、営業利益は3,601百万円(前期比72.1%増)、経常利益は3,660百万円(前期比46.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,948百万円(前期比49.8%増)になりました。

 

なお、当連結会計年度の当社および連結グループのセグメント別の業績は次のとおりであります。

 

(単位:百万円)

区分

売上高

セグメント利益

前連結会計年度

当連結会計年度

前年同期

増減率(%)

前連結会計年度

当連結会計年度

前年同期

増減率(%)

内燃機関部門

舶用機関関連

43,685

56,854

30.1

2,316

4,603

98.7

陸用機関関連

10,192

10,997

7.9

1,589

817

△48.6

その他の部門

3,722

4,261

14.5

418

670

60.1

調整額

△2,232

△2,489

57,599

72,113

25.2

2,092

3,601

72.1

 

(注) セグメント利益の調整額は全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

 

<内燃機関部門>

イ)舶用機関関連

コンテナ船向けを中心に大型機関やデュアルフューエル機関の売上構成比率が増加したことに加え、メンテナンス関連の売上増加ならびに為替の影響等により、売上高は56,854百万円(前期比30.1%増)、セグメント利益は4,603百万円(前期比98.7%増)となりました。

ロ)陸用機関関連

機関売上は増加したものの、一部の物件の採算性が悪化したこと等により、売上高は10,997百万円(前期比7.9%増)、セグメント利益は817百万円(前期比48.6%減)となりました。

 

従いまして、当部門の売上高は67,852百万円(前期比25.9%増)、セグメント利益は5,420百万円(前期比38.8%増)となりました。

 

<その他の部門>

イ)産業機器関連

アルミホイール部門に関しましては、売上構成の変化および原材料費の高騰により売上高は増加となり、セグメント利益は減少となりました。

ロ)不動産賃貸関連

不動産賃貸関連に関しましては、売上高、セグメント利益とも微増となりました。

ハ)売電関連

売電関連に関しましては、売上高、セグメント利益とも増加となりました。

ニ)精密部品関連

精密部品関連に関しましては、売上高、セグメント利益とも増加となりました。

 

従いまして、当部門の売上高は4,261百万円(前期比14.5%増)、セグメント利益は670百万円(前期比60.1%増)となりました。

 

創業以来100年以上にわたり、当社の社会的使命は一貫して「社会インフラの一端を担う」ということであり、「私たちは、たくましい創造性とすぐれた技術を磨き上げ、社会を豊かにする価値を提供し、人々との共生を願い、限りなく前進する」を企業理念に掲げ、技術力で社会を豊かにする、つまり、舶用機関で海上物流を、陸用機関で常用・非常用の電力を確保する等、海のフィールドと陸のフィールドの両方から人々の安心安全な暮らしを支えてまいりました。

 

新型コロナウイルス感染症がもたらした未曽有のパンデミックを契機とし、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代に突入しております。また、造船・海運業界におきましては、脱炭素化機運の高まりを受けて石油系燃料から次世代燃料へと本格移行が進むとの予測があり、当社グループにとっては新たなチャンスである一方で、その移行スピードや、どの燃料が舶用機関の主力となるのかについて等、不確実な部分を抱えているのが現状です。このような変動性や不確実性の高い経営環境の中で、持続的な成長と、長期的な企業価値・株主価値の最大化を実現するため、昨年11月に中長期ビジョン「POWER! FOR ALL beyond 2030」を発表いたしました。

 

この中長期ビジョンにおきましては、「GHG(温室効果ガス)削減と経済的価値向上の両立」そして、「新たなお客様価値のご提供」この2点を2030年へ向け取り組むべき最重要テーマであると位置付けております。

次世代燃料対応機関の開発だけではなく、AI・IoTを積極的に活用してお客様をサポートする技術を加速させ、新たなお客様価値をご提供することで、サービタイゼーションによるビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。

また、アフターメンテナンスの収益性を高めることを最優先課題の一つとして取り組むとともに、2030年以降の次世代燃料対応機関の本格移行までに人的資本への投資を加速させ、既存事業の経営体質強化と今後の事業環境の変化に備えた組織能力強化を図ってまいります。

 

今後もサステナブルな企業であり続けるため、成長分野への選択と集中による事業構造改革を推進し、グローバルな市場において成長性と収益性の向上に努めてまいります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の増減は、営業活動によるキャッシュ・フローは4,488百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは3,076百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは1,981百万円の減少となりました。結果として、資金は539百万円の減少(前連結会計年度は6,844百万円の増加)となりました。

 

・営業活動によるキャッシュ・フロー

舶用内燃機関を中心とした売上の計上により、税金等調整前当期純利益4,007百万円を確保し、減価償却費計上(2,753百万円の増加)、仕入債務の増加(3,144百万円の増加)がありましたが、棚卸資産の増加(1,862百万円の減少)、売上債権の増加(2,509百万円の減少)、法人税等の支払額(1,488百万円の減少)等により、営業活動によるキャッシュ・フローは4,488百万円の増加(前連結会計年度は7,870百万円の増加)となりました。

 

  ・投資活動によるキャッシュ・フロー 

次世代燃料対応機関開発のための設備投資を行ったこと等から有形固定資産の取得による支出が3,033百万円ありました。これにより投資活動によるキャッシュ・フローは3,076百万円の減少(前連結会計年度は1,300百万円の減少)となりました。

 

・財務活動によるキャッシュ・フロー

借入金の返済による支出が1,150百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が319百万円、配当金の支払による支出が476百万円ありました。これにより財務活動によるキャッシュ・フローは1,981百万円の減少(前連結会計年度は84百万円の増加)となりました。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

数  量

金  額

 

前年同期増減率

 

馬力

千円

 内燃機関部門

 

 

 

        舶用機関関連

1,242,276

56,854,918

30.1

        陸用機関関連

80,183

10,997,455

7.9

 その他の部門

3,630,439

17.3

 

 

 

 

合       計

 

71,482,812

25.5

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受  注  高

受  注  残  高

数  量

金  額

前年同期
増減率

数  量

金  額

前期同期
増減率

 

馬力

千円

馬力

千円

 内燃機関部門

 

 

 

 

 

 

    舶用機関関連

1,356,955

72,119,784

(44,506,576)

16.5

1,937,524

58,258,724

(31,080,891)

35.5

    陸用機関関連

75,035

10,735,515

(1,352,553)

△2.5

87,031

5,295,108

(782,899)

△4.7

 その他の部門

3,895,258

29.2

862,918

44.3

 

 

(―)

 

 

(―)

 

合       計

 

86,750,558

(45,859,130)

14.2

 

64,416,751

(31,863,791)

31.1

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 ( )内は輸出受注高、輸出受注残高を示し、内数であります。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

数 量

金 額

輸出比率

前期同期増減率

 

馬力

千円

 内燃機関部門

 

 

 

 

        舶用機関関連

1,242,276

56,854,918

(36,427,907)

64.1

30.1

        陸用機関関連

80,183

10,997,455

(583,438)

5.3

7.9

 その他の部門
  (注)3

4,261,381

14.5

 

 

(―)

 

 

合    計

 

72,113,754

(37,011,346)

51.3

25.2

 

(注) 1 ( )内は輸出高を示し、内数であります。

2 主要な輸出地域およびその割合は次のとおりであります。
アジア(74.3%)、欧州(17.8%)、中南米(4.7%)、北米(2.5%)、その他(0.7%)

3 「その他の部門」には精密機器関連(1,690,693千円)、産業機器関連(1,939,745千円)および不動産賃貸関連等(630,942千円)を含んでおります。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

(1) 財政状態についての分析

当連結会計年度末における資産の部では、前連結会計年度末に比べ、現金及び預金が、518百万円減少しました。受取手形、売掛金及び契約資産は、前連結会計年度末に比べ、2,546百万円増加し、売掛債権回転日数は、前連結会計年度では115.0日でしたが、当連結会計年度は99.3日となっております。また、棚卸資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、1,862百万円増加し、棚卸資産回転日数は、前連結会計年度では74.2日に対し、当連結会計年度は68.9日となっております。有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ、682百万円増加しました。その結果、資産の部合計については、前連結会計年度末に比べ、6,108百万円増加し、95,377百万円となりました。

負債の部では、支払手形及び買掛金と電子記録債務の合計が、前連結会計年度末に比べ、3,158百万円増加し、買掛債務回転日数は、前連結会計年度では69.2日に対し、当連結会計年度は、70.2日となっております。一方、短期借入金と長期借入金の合計は、約定返済等により、1,050百万円減少しました。当連結会計年度末における売上高有利子負債比率(リース債務を除く)は、前連結会計年度末から6.5ポイント低下して18.4%となっております。その結果、負債の部合計では、前連結会計年度末に比べ、3,453百万円増加し、49,652百万円となりました。

純資産の部では、利益剰余金が、前連結会計年度末に比べ、2,471百万円増加し、40,865百万円となりました。純資産の部合計では、前連結会計年度末に比べ、2,654百万円増加し、45,724百万円となりました。その結果、当連結会計年度末における自己資本比率は47.9%となっております。自己資本比率の推移につきましては、「第1企業の概況 1主要な経営指標等の推移 (1)連結経営指標等」に記載のとおりであります。

 

(2) 当期の経営成績の分析
① 為替変動の影響について
当連結会計年度の為替レート変動により、売上高は前連結会計年度に比べ2,168百万円増加し、営業利益は1,286百万円増加したと試算されます。この試算は当連結会計年度の外貨建て売上高、売上原価、販売費及び一般管理費を、前連結会計年度の換算レートで再計算したものであり、為替変動に対応した財務政策等の影響は考慮されておりません。

② 当期の経営成績について

コンテナ船向けを中心とした大型機関やデュアルフューエル機関の売上比率増加および移動制限緩和によるメンテナンス関連売上の増加により、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ25.2%増収となる72,113百万円となりました。

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度の44,318百万円に比べ13,181百万円増加し、57,500百万円となりました。なお、売上高原価率は、前連結会計年度から2.8ポイント上昇して79.7%となっております。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ176百万円減少し、11,012百万円となりました。売上高販管費率は、前連結会計年度から4.2ポイント低下して15.3%となっております。

この結果、営業利益は、前連結会計年度の2,092百万円から72.1%増益の3,601百万円となり、売上高営業利益率は、前連結会計年度から1.4ポイント上昇して5.0%となりました。経常利益は、前連結会計年度の2,506百万円から46.0%の増益となる3,660百万円となり、売上高経常利益率は、前連結会計年度から0.7ポイント上昇して5.1%となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,968百万円から979百万円の増益となる2,948百万円となりました。なお、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の62.01円に対し、当連結会計年度は93.37円となりました。自己資本利益率(ROE)は、前連結会計年度から1.9ポイント上昇して6.6%となっております。目標とする経営指標の推移につきましては、以下のとおりであります。

 

 

第59期

第60期

第61期

第62期

第63期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高営業利益率(%)

4.6

4.5

1.8

3.6

5.0

売上高経常利益率(%)

4.5

4.9

2.0

4.4

5.1

自己資本利益率(ROE)(%)

4.7

5.0

1.7

4.7

6.6

 

 

 

(3) キャッシュ・フローの分析

当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。

当社グループは現在、必要な運転資金および設備投資資金につきましては、自己資金または金融機関からの借入金を基本としております。今後も原価低減等により利益確保に努め、併せて在庫の適正化や取引条件の改善等を通じて、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことで、事業運営上必要な資金の流動性を高めていく考えであります。

なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は前連結会計年度末に比べ、1,291百万円減少し、13,601百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ539百万円減少し、25,815百万円となりました。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

なお、当社グループの事業は新型コロナウイルス感染症の影響が即座に及ぶものではなく、今後海運、造船業界全体を通じて間接的に影響を受けることから、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることは困難であります。その中、期末時点で取引先および公的機関より入手可能な情報を基に、今後、新型コロナウイルス感染症は収束していくという想定のもと、当社グループでは会計上の見積りについて、連結財務諸表作成時までに入手可能な情報に基づき、合理的な金額を見積もって計上しております。

 

 (棚卸資産の評価)

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 (繰延税金資産の回収可能性)

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 (固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

契約の種類

契約会社名

相手先

契約の内容

契約期間

技術供与

ダイハツディーゼル
株式会社

安慶中船柴油機
有限公司
(中国)

内燃機関一部機種の製造および販売権の供与

1982年1月9日から継続中
(2022年3月15日から
 2032年3月14日まで)

技術供与

ダイハツディーゼル
株式会社

陜西柴油機重工
有限公司
(同上)

同上

1982年1月9日から継続中
(2021年12月15日から
 2031年12月14日まで)

技術受入

ダイハツディーゼル
株式会社

Rolls-Royce Solutions GmbH
(ドイツ)

内燃機関一部機種の製造および販売権の許諾

2018年9月25日から
2028年9月24日まで

 

 

 

2 【主要な設備の状況】

2023年3月31日現在における各事業所の設備、投下資本ならびに従業員の配置状況は次のとおりであります。

 

(1) 提出会社

事業所名
(所在地)

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数
(名)

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積:㎡)

その他

投下資本
合計

守山第一工場
(滋賀県守山市)

生産設備

1,978,320

2,093,240

1,780,070

(117,294 )

491,278

6,342,909

520

(133)

守山第二工場
(滋賀県守山市)

生産設備

573,625

1,843,294

1,019,904

(56,160) 

166,138

3,602,963

75

(13)

姫路工場

(兵庫県姫路市)

生産設備

2,740,979

2,502,268

1,692,690

(63,304)

100,719

7,036,658

21

(5)

 

(注) 1 投下資本の金額は有形固定資産の帳簿価額であり、建設仮勘定は含んでおりません。

2 資産については、事業セグメントに配分しておりません。

3 寮・福利厚生施設等は守山第一工場に含めております。

4 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品の合計であります。

5 従業員数は就業人員であります。

6 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

 

(2) 子会社

会社名

事業所名
(所在地)

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数
(名)

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積:㎡)

その他

投下資本
合計

ダイハツ
ディーゼル
梅田シティ㈱

本 社
(大阪市
 北 区)

賃貸用
ビル

2,814,760

7,750

8,063

(4,518)

9,138

2,839,712

1

日本ノッズル精機㈱

本 社
 (埼玉県
 久喜市)

生産設備

80,893

241,467

40,869

(10,832)

46,108

409,339

63

(24)

関西事業部
 (兵庫県
加古川市)

生産設備

463,238

135,717

(5,766)

28,776

627,733

46

(10)

 

(注) 1 投資資本の金額は有形固定資産の帳簿価額であり、建設仮勘定は含んでおりません。

2 資産については、事業セグメントに配分しておりません。

3 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品の合計であります。

4 従業員数は就業人員であります。

5 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

6 日本ノッズル精機㈱ 関西事業部の土地は賃借地であります。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

80,000,000

80,000,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末
現在発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月29日)

上場金融商品取引所名又は
登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

31,850,000

31,850,000

東京証券取引所
スタンダード市場

単元株式数は
100株であります。

31,850,000

31,850,000

 

(注)1966年5月2日会社設立資本金10億円のうち現物出資額548,900千円があります。

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(千株)

発行済株式
総数残高
(千株)

資本金増減額
(千円)

資本金残高
(千円)

資本準備金
増減額
(千円)

資本準備金
残高
(千円)

2007年3月14日
(注)1

3,000

31,400

882,000

2,302,000

882,000

2,018,563

2007年3月27日
(注)2

450

31,850

132,300

2,434,300

132,300

2,150,863

 

(注) 1 一般募集  発行価格 620円、発行価額 588円、資本組入額 294円

2 第三者割当 発行価格 620円、発行価額 588円、資本組入額 294円

  主な割当先 三菱UFJ証券株式会社

 

 

(5) 【所有者別状況】

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融
機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

16

25

77

119

9

4,120

4,366

 一

所有株式数
(単元)

39,963

3,578

145,823

68,943

40

60,094

318,441

5,900

所有株式数
の割合(%)

12.55

1.12

45.79

21.65

0.01

18.88

100.00

 

(注) 1 自己株式280,235株は、「個人その他」欄に2,802単元「単元未満株式の状況」欄に35株含まれております。

2 「その他の法人」欄には、証券保管振替機構名義の株式が20単元含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(千株)

発行済株式
(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)

ダイハツ工業株式会社

大阪府池田市ダイハツ町1番1号

11,181

35.42

積水ハウス株式会社

大阪市北区大淀中1丁目1番88号

2,000

6.34

PERSHING-DIV. OF DLJ SECS. CORP.
 (常任代理人 シティバンク、
 エヌ・エイ東京支店)

ONE PERSHING PLAZA JERSEY CITY NEW JERSEY U.S.A.
 (東京都新宿区新宿6丁目27番30号)

1,471

4.66

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1丁目8番12号

1,014

3.21

株式会社三菱UFJ銀行

東京都千代田区丸の内2丁目7番1号

740

2.34

中島 秀樹

福岡市早良区

623

1.97

株式会社りそな銀行

大阪市中央区備後町2丁目2番1号

590

1.87

BNYM RE BNYMLB RE GPP CLIENT MONEY AND ASSETS AC
 (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)

7 OLD PARK LANE, LONDON, W1K 1QR
 (東京都千代田区丸の内2丁目7番1号)

565

1.79

GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL
 (常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)

PLUMTREE COURT, 25 SHOE LANE, LONDON EC4A 4AU, U.K.
 (東京都港区六本木6丁目10番1号)

561

1.78

DFA INTL SMALL CAP VALUE PORTFOLIO
 (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)

PALISADES WEST 6300, BEE CAVE ROAD BUILDING ONE  AUSTIN TX 78746 US
 (東京都新宿区新宿6丁目27番30号)

408

1.29

19,155

60.7

 

(注) 2022年8月5日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、エフエムアール エルエルシーが2022年7月29日現在で以下の株式を保有している旨が記載されているものの、当社として当第2四半期会計期間末時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には反映しておりません。
なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。

氏名又は名称

住所

保有株券等の数
(千株)

株券等保有割合
(%)

エフエムアール エルエルシー

米国 02210 マサチューセッツ州ボストン、サマー・ストリート245

1,404

4.41

 

 

①【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

27,146,483

26,627,533

 

 

受取手形、売掛金及び契約資産

※3 18,336,205

※3 20,883,107

 

 

棚卸資産

※2 12,685,674

※2 14,548,201

 

 

その他

1,896,414

3,339,487

 

 

貸倒引当金

6,489

8,722

 

 

流動資産合計

60,058,287

65,389,607

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

※5 9,133,566

※5 8,935,962

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

※5 5,792,865

※5 6,843,059

 

 

 

土地

※5 5,084,692

※5 5,084,692

 

 

 

建設仮勘定

525,618

188,232

 

 

 

その他(純額)

777,617

944,763

 

 

 

有形固定資産合計

※1 21,314,359

※1 21,996,710

 

 

無形固定資産

628,246

541,126

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※4 2,707,316

※4 2,798,304

 

 

 

繰延税金資産

4,096,092

4,223,028

 

 

 

その他

474,235

432,705

 

 

 

貸倒引当金

10,294

4,372

 

 

 

投資その他の資産合計

7,267,350

7,449,666

 

 

固定資産合計

29,209,956

29,987,503

 

資産合計

89,268,244

95,377,111

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

6,777,716

8,179,319

 

 

電子記録債務

5,502,563

7,259,910

 

 

短期借入金

4,440,192

4,461,092

 

 

リース債務

309,950

157,097

 

 

未払法人税等

869,847

526,288

 

 

賞与引当金

671,719

790,596

 

 

役員賞与引当金

35,000

56,000

 

 

未払費用

5,050,958

5,490,612

 

 

その他

※6 2,474,290

※6 3,665,537

 

 

流動負債合計

26,132,238

30,586,453

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

9,871,226

8,800,134

 

 

リース債務

271,327

183,165

 

 

役員退職慰労引当金

34,663

46,603

 

 

退職給付に係る負債

7,216,424

7,394,007

 

 

資産除去債務

194,241

195,711

 

 

その他

2,478,890

2,446,855

 

 

固定負債合計

20,066,773

19,066,477

 

負債合計

46,199,012

49,652,931

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

2,434,300

2,434,300

 

 

資本剰余金

2,173,421

2,175,208

 

 

利益剰余金

38,393,733

40,865,469

 

 

自己株式

43,783

130,213

 

 

株主資本合計

42,957,671

45,344,764

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

295,629

344,995

 

 

繰延ヘッジ損益

7,490

27,707

 

 

為替換算調整勘定

97,582

284,072

 

 

退職給付に係る調整累計額

313,372

267,577

 

 

その他の包括利益累計額合計

72,349

333,782

 

非支配株主持分

39,210

45,633

 

純資産合計

43,069,231

45,724,180

負債純資産合計

89,268,244

95,377,111

 

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 57,599,930

※1 72,113,754

売上原価

※3 44,318,829

※3 57,500,231

売上総利益

13,281,100

14,613,523

販売費及び一般管理費

 

 

 

販売費

8,956,299

8,522,927

 

一般管理費

2,232,337

2,489,077

 

販売費及び一般管理費合計

※2 11,188,637

※2 11,012,005

営業利益

2,092,463

3,601,518

営業外収益

 

 

 

受取利息

5,723

10,984

 

受取配当金

37,613

28,722

 

持分法による投資利益

13,600

45,519

 

為替差益

101,761

18,333

 

業務受託料

209,106

42,768

 

受取保険金

567

4,613

 

貸倒引当金戻入額

5,308

50

 

雑収入

162,990

66,115

 

営業外収益合計

536,674

217,108

営業外費用

 

 

 

支払利息

86,407

86,258

 

租税公課

8,064

17,223

 

支払補償費

23,000

 

災害による損失

18,313

1,348

 

雑損失

9,384

30,413

 

営業外費用合計

122,170

158,243

経常利益

2,506,966

3,660,383

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

※4 4,108

※4 3,496

 

国庫補助金

81,990

71,405

 

補助金収入

178,002

264,245

 

投資有価証券売却益

61,148

 

特別利益合計

264,101

400,294

特別損失

 

 

 

固定資産廃棄損

※5 9,215

※5 53,071

 

特別損失合計

9,215

53,071

税金等調整前当期純利益

2,761,852

4,007,606

法人税、住民税及び事業税

1,327,313

1,208,053

法人税等調整額

525,223

154,955

法人税等合計

802,089

1,053,098

当期純利益

1,959,762

2,954,508

非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△)

8,434

6,423

親会社株主に帰属する当期純利益

1,968,197

2,948,085

 

1  報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の事業構成を財務情報として区分し、定期的に開催する取締役会において行う、各事業別年間事業計画の達成水準評価のための財務報告に基づいております。

当社は、内燃機関の製造販売を本業とし、一部で関連会社への内燃機関関連以外の製品供給と、当社が所有する不動産を活用する事業を行っております。

当社事業の大部分を占める内燃機関は、船舶用と陸上用とでその稼働状況が大きく異なっておりますので、当社といたしましては機関の生産・販売からアフターサービスに至るまでの事業活動を船舶用と陸上用とに区分して管理・評価しております。

従って、当社の報告セグメントは舶用機関関連事業と陸用機関関連事業の2つで構成しております。

 

①【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

22,926,167

19,616,367

 

 

受取手形

※2 852,983

※2 1,128,862

 

 

売掛金

※2 16,799,276

※2 21,082,717

 

 

原材料

88,938

96,530

 

 

仕掛品

11,943,619

13,529,404

 

 

前払費用

498,573

534,369

 

 

短期貸付金

777,352

508,614

 

 

その他

※2 1,049,411

※2 2,027,657

 

 

貸倒引当金

3,557

3,652

 

 

流動資産合計

54,932,765

58,520,872

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

※1 4,216,925

※1 4,147,616

 

 

 

構築物

1,290,566

1,355,538

 

 

 

機械及び装置

※1 5,150,655

※1 6,319,085

 

 

 

車両運搬具

180,205

127,010

 

 

 

工具、器具及び備品

696,597

841,962

 

 

 

土地

※1 4,507,640

※1 4,507,640

 

 

 

建設仮勘定

523,260

185,874

 

 

 

有形固定資産合計

16,565,852

17,484,728

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

601,224

473,805

 

 

 

その他

11,648

58,037

 

 

 

無形固定資産合計

612,873

531,842

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

836,334

833,650

 

 

 

関係会社株式

3,980,503

3,980,503

 

 

 

繰延税金資産

4,076,851

4,286,715

 

 

 

その他

170,485

109,501

 

 

 

貸倒引当金

8,436

2,298

 

 

 

投資その他の資産合計

9,055,738

9,208,071

 

 

固定資産合計

26,234,464

27,224,642

 

資産合計

81,167,229

85,745,515

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形

771,756

413,512

 

 

買掛金

※2 5,741,444

※2 7,578,893

 

 

電子記録債務

5,453,203

7,097,050

 

 

短期借入金

3,300,000

3,300,000

 

 

1年内返済予定の長期借入金

1,130,184

1,151,084

 

 

リース債務

296,201

142,592

 

 

未払金

※2 271,392

※2 202,778

 

 

未払費用

※2 4,871,629

※2 5,147,700

 

 

未払法人税等

464,028

94,508

 

 

前受金

※2 63,295

※2 648,816

 

 

預り金

※2 5,877,736

※2 5,470,662

 

 

賞与引当金

505,100

606,250

 

 

役員賞与引当金

35,000

50,000

 

 

その他

267,371

427,704

 

 

流動負債合計

29,048,344

32,331,552

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

9,846,286

8,785,202

 

 

リース債務

222,434

148,020

 

 

長期預り保証金

16,000

16,000

 

 

退職給付引当金

6,406,262

6,611,046

 

 

資産除去債務

115,377

115,484

 

 

その他

95,500

95,500

 

 

固定負債合計

16,701,860

15,771,253

 

負債合計

45,750,205

48,102,806

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

2,434,300

2,434,300

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

2,150,863

2,150,863

 

 

 

その他資本剰余金

1,862

3,649

 

 

 

資本剰余金合計

2,152,726

2,154,512

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

221,740

221,740

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

固定資産圧縮積立金

168,598

151,647

 

 

 

 

別途積立金

27,590,000

29,090,000

 

 

 

 

繰越利益剰余金

2,611,591

3,418,492

 

 

 

 

その他利益剰余金合計

30,370,190

32,660,140

 

 

 

利益剰余金合計

30,591,930

32,881,880

 

 

自己株式

43,783

130,213

 

 

株主資本合計

35,135,172

37,340,480

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

290,715

336,918

 

 

繰延ヘッジ損益

8,863

34,689

 

 

評価・換算差額等合計

281,851

302,228

 

純資産合計

35,417,024

37,642,708

負債純資産合計

81,167,229

85,745,515

 

 

②【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 50,292,877

※1 64,063,522

売上原価

※1 42,252,139

※1 55,277,979

売上総利益

8,040,738

8,785,542

販売費及び一般管理費

※2 8,190,363

※2 7,632,821

営業利益又は営業損失(△)

149,625

1,152,721

営業外収益

 

 

 

受取利息及び配当金

※1 1,738,102

※1 1,501,523

 

雑収入

※1 462,250

※1 132,095

 

営業外収益合計

2,200,352

1,633,618

営業外費用

 

 

 

支払利息

87,536

87,494

 

雑損失

26,894

36,020

 

営業外費用合計

114,431

123,515

経常利益

1,936,296

2,662,825

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

3,684

3,402

 

国庫補助金

81,990

71,405

 

補助金収入

178,002

264,245

 

投資有価証券売却益

61,148

 

特別利益合計

263,676

400,200

特別損失

 

 

 

固定資産廃棄損

4,895

52,328

 

特別損失合計

4,895

52,328

税引前当期純利益

2,195,078

3,010,698

法人税、住民税及び事業税

668,511

461,173

法人税等調整額

661,717

216,775

法人税等合計

6,793

244,397

当期純利益

2,188,284

2,766,300