株式会社アマダ
(注) (イ)第81期より国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
(ロ)従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。
(ハ)第83期より希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
(注) (イ)第81期の日本基準の諸数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
(ロ)従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。
(注) (イ)従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
(ロ)第83期より潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
(ハ)最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
(ニ)第83期における経営指標等の大幅な変動は、2020年4月の株式会社アマダの吸収合併による事業会社への移行によるものであります。
当社の企業集団は、当連結会計年度末現在、当社並びに子会社89社及び関連会社4社で構成され、金属加工機械器具・金属工作機械器具の開発、製造、販売、サービス等(ファイナンスを含む。)を主要な事業内容としており、主要な商品等は次のとおりであります。
(イ)金属加工機械事業
・板金商品(レーザマシン、NC付タレットパンチプレス〔NCT〕、パンチ・レーザ複合加工機、
プレスブレーキ、ベンディングロボット、シャーリング、板金加工システムライン、
FA用コンピューター、FA用ソフトウエア等)
・微細溶接商品(精密レーザ機器・抵抗溶接機器等)
(ロ)金属工作機械事業
・切削商品(金切帯鋸盤、形鋼切断機、ボール盤、金切帯鋸刃等)
・研削盤等
・プレス商品(メカニカルプレス、プレス加工自動化機械装置)
(ハ)その他
・不動産の賃貸等
(イ)金属加工機械事業
金属加工機械事業は、当社及び以下の主な子会社、関連会社で構成されております。
(a) 国内
株式会社アマダ(親会社)は、板金商品の開発・製造・販売・サービスを行っております。
株式会社アマダウエルドテック(連結子会社)は、精密レーザ機器・抵抗溶接機器等の開発・製造・販売・サービスを行っております。
株式会社アマダオートメーションシステムズ(連結子会社)は、板金商品の周辺装置等の製造等を行っております。
株式会社アマダツール(連結子会社)は、NC付タレットパンチプレス〔NCT〕及びプレスブレーキ用の金型の開発・製造・販売等を行っております。
(b) 北米
アマダ・ノース・アメリカ社(米国:連結子会社)は、北米地域における現地法人の統括機能を有する持株会社であります。
アマダ・アメリカ社(米国:連結子会社)は、当社で製造した板金商品等を北米市場へ販売するとともに、自ら板金商品を製造し、主に北米市場へ商品を供給しております。
アマダ・カナダ社(カナダ:連結子会社)は、板金商品等をカナダ市場へ、アマダ・メキシコ社(メキシコ:連結子会社)は板金商品等をメキシコ市場へ、それぞれ販売しております。
アマダ・ツール・アメリカ社(米国:連結子会社)は、NC付タレットパンチプレス〔NCT〕及びプレスブレーキ用の金型の製造を行っております。
アマダ・キャピタル社(米国:連結子会社)は、主にアマダ・アメリカ社が取り扱う商品の顧客に対するファイナンス及び当社グループ商品のリースを行っております。
(c) 欧州
アマダ・ユー・ケー社(英国:連結子会社)は、板金商品等を英国市場等へ、ドイツ・アマダ社(ドイツ:連結子会社)は、板金商品等をドイツを中心とした欧州市場へ、アマダ・エス・エー社(フランス:連結子会社)は、板金商品等をフランスを中心とした欧州市場へ、また、アマダ・イタリア社(イタリア:連結子会社)は、板金商品等をイタリアを中心とした欧州市場へ、アマダ・スカンジナビア社(スウェーデン:連結子会社)は板金商品等をスウェーデン市場へ、アマダ・ロシア社(ロシア:連結子会社)は板金商品等をロシア市場へ、それぞれ販売しております。
アマダ・ヨーロッパ・エス・エー社(フランス:連結子会社)は、板金商品等を製造し、欧州市場へ商品を供給するとともに、欧州地域の現地法人を統括しております。
アマダ・オーストリア社(オーストリア:連結子会社)は、プレスブレーキ用金型を製造し欧州・米国市場へ供給しております。
アマダ・エンジニアリング・ヨーロッパ社(イタリア:連結子会社)は、当社グループの板金商品のソフトウエアの研究開発を行っております。
アマダ・オートメーション・ヨーロッパ社(フィンランド:連結子会社)は、欧州市場において板金商品の周辺装置等の製造、サービス等を行っております。
アマダ・ウエルドテック・ヨーロッパ社(ドイツ:連結子会社)は、主に自社で製造した微細溶接商品を欧州市場へ販売しております。
(d) アジア
天田(中国)有限公司(中国:連結子会社)は、中国の現地法人の統括、板金商品等の中国市場への販売を行っております。また、アマダ・アジア・パシフィック社(タイ:連結子会社)は、ASEAN地域の現地法人の統括機能を有する持株会社であります。
天田香港有限公司(中国:連結子会社)は板金商品等の中国市場への販売を行っております。
天田股份有限公司(台湾:連結子会社)は板金商品等を台湾市場へ、アマダ・コリア社(韓国:連結子会社)は板金商品等を韓国市場へ、アマダ(タイランド)社(タイ:連結子会社)は板金商品等をタイ市場へ、アマダ(マレーシア)社(マレーシア:連結子会社)は板金商品等をマレーシア市場へ、アマダ・シンガポール社(シンガポール:連結子会社)は板金商品等をシンガポール市場へ、アマダ(インディア)社(インド:連結子会社)は板金商品等をインド市場へ、アマダ・マシナリー・インドネシア社(インドネシア:連結子会社)は板金商品をインドネシア市場へ、それぞれ販売しております。
アマダソフト(インディア)社(インド:連結子会社)は、当社グループの板金商品のソフトウエアの研究開発を行っております。
天田溶接技術(上海)有限公司(中国:連結子会社)は、精密レーザ機器・抵抗溶接機器等を主にアジア市場へ販売・サービスを行っております。
アマダ・ウエルドテック・コリア社(韓国:連結子会社)は、精密レーザ機器・抵抗溶接機器等を主にアジア市場へ製造・販売・サービスを行っております。
(e) その他の地域
アマダ・ブラジル社(ブラジル:連結子会社)は板金商品等をブラジル市場へ、アマダ・オセアニア社(オーストラリア:連結子会社)は板金商品等をオセアニア市場へ、それぞれ販売しております。
(ロ)金属工作機械事業
金属工作機械事業は、当社及び以下の主な子会社、関連会社で構成されております。
(a) 国内
株式会社アマダマシナリー(連結子会社)は、金属工作機械(切削商品及び研削盤等)の開発、製造、販売、サービス等を行っております。
株式会社アマダプレスシステム(連結子会社)は、プレス及びプレス加工自動化機械装置等の開発、製造、販売、サービス等を行っております。
(b) 北米
アマダ・マシナリー・アメリカ社(米国:連結子会社)は、金属工作機械を北米市場へ販売しております。
アマダ・プレスシステム・アメリカ社(米国:連結子会社)は、プレス及びプレス加工自動化機械装置等の販売・サービスを行っております。
(c) 欧州
アマダ・マシナリー・ヨーロッパ社(ドイツ:連結子会社)は、金属工作機械を欧州市場へ販売しております。
アマダ・オーストリア社(オーストリア:連結子会社)は、切削商品(金切帯鋸刃)を製造し欧州・米国市場へ供給しております。
(d) アジア
アマダ(タイランド)社(タイ:連結子会社)は、金属工作機械をASEAN市場へ販売しております。
天田連雲港機械有限公司(中国:連結子会社)は、切削商品(金切帯鋸刃)を製造し、中国市場へ供給しております。
天田(連雲港)机床有限公司(中国:持分法適用の関連会社)は、切削商品(金切帯鋸盤)を製造し、中国市場へ供給しております。
(ハ)その他
当社は、遊休地の有効利用を目的として、ショッピングセンター等への賃貸を行っております。
主な事業の系統図は次のとおりであります。
(2023年3月31日現在)

(2023年3月31日現在)
(注)1. 特定子会社は次の2社であります。
アマダ・ノース・アメリカ社、アマダ・アメリカ社
2. 議決権の所有(被所有)割合欄の下段( )内数は、間接所有割合であります。
3. 当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を通じて当社グループ企業相互間で余剰資金の効率化を図っております。
4. アマダ・アメリカ社については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く。)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。IFRSに基づいて作成された同社の財務諸表における主要な損益情報等は次のとおりであります。
主要な損益情報等(1)売上収益 68,451百万円
(2)当期利益 6,411百万円
(3)資本 19,398百万円
(4)資産合計 49,739百万円
2023年3月31日現在
(注) (イ)従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。
(ロ)その他の従業員数は、セグメントを区分して表示することが困難なため、金属加工機械セグメント又は金属工作機械セグメントの従業員数に含めております。
2023年3月31日現在
(注) (イ)従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
(ロ)平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
労使関係については円滑に推移しており、特記すべき事項はありません。
(注) (イ)連結子会社は、主要事業を担う国内4社を対象としております。
(ロ)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
(5) 提出会社及び連結子会社における男性労働者の育児休業取得率及びその復職率
(注) (イ)連結子会社は、主要事業を担う国内4社を対象としております。
(ロ)「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
(6) 提出会社及び連結子会社における労働者の男女の賃金の差異
男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)
(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「お客さまとともに発展する」、「事業を通じた国際社会への貢献」、「創造と挑戦を実践する人づくり」、「高い倫理観と公正性に基づいた健全な企業活動を行う」、「人と地球環境を大切にする」という5つの経営理念の下、市場環境の変化とともに急速に多様化するユーザーニーズに迅速・的確に対応し、経営資源を戦略的・効率的に活用することにより、金属加工機械、金属工作機械及びこれらに関連するソフトウエア・情報ネットワークシステム・技術サービスの各事業分野で質の高いソリューションを提供し続けることにより、長期的な成長と社会に貢献できる会社づくりを進め、持続的な企業価値の向上に努めています。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「お客さまとともに発展する」をはじめとする5つの経営理念を基に、2030年に目指す姿として「長期ビジョン2030」を策定し、2022年5月に公表しました。また、2023年5月には持続的な成長と企業価値向上に向けた具体的なアクションプランとして、「まだないものをアマダとつくる」をスローガンに2023年から2025年までの3か年の「中期経営計画2025」を策定し公表しました。
① 長期ビジョン2030の概要
当社グループは2030年に目指す姿とその実現に向けて「長期ビジョン2030」を策定しました。具体的な長期目標・長期経営目標は以下のとおりです。
長期ビジョン2030の達成に向け、以下の3つの成長戦略を柱に事業を推進してまいります。
ⓐ 環境対応ビジネス
・カーボンニュートラルに向けた社会・お客さまに価値を生み出す商品の展開
・産業構造の変化によるビジネスチャンスの拡大・環境対応型ビジネスへの変化
・働き方改革、労働環境への対応(自動化・スキルレスソリューションの展開)
ⓑ DX&サービス
・お客さまの製造現場におけるDX化・デジタル化への対応に向けた提案システム改革
・アフターサービスビジネスにおける新稼働保障体制構築によるサービス拡大
・DXによる効率化、コスト構造改革による収益性改善
ⓒ グローバル拡大
・日本、北米、欧州、アジアの4極体制における自主独立体制構築
・欧米先進国市場における地域ニーズに即した商品展開
・新興国市場での現地仕様の商品展開と新たなビジネスモデルの構築
② 中期経営計画2025の概要
ⓐ 重要経営指標とキャッシュアロケーション
ⓑ 基本戦略方針
(ⅰ)売上収益4,000億円の必達と収益性の改善
・労働環境の変化やカーボンニュートラル実現等の社会課題解決に対応した新商品の拡販によるシェア拡大・利益率向上
・顧客ニーズに即したアフターサービス事業の展開による収益力の向上
・誘客施設 Amada Global Innovation Center(AGIC)を活用したビジネス領域拡大と効率的な提案活動の推進
(ⅱ)長期成長戦略への活動開始
・当社グループで培ったレーザ技術の応用による新ビジネス分野への拡大
・グローバル製造改革による供給体制強化と収益力の改善
・DX、技術開発、環境、人財投資等を含めた戦略投資の実行
(ⅲ)資本政策(株主還元)の実施
・安定配当とROE向上を目指した株主還元方針の策定
(ⅳ)ESG経営・体制強化
・商品の省エネルギー化の推進と事業所・工場排出CO2の削減
・人財能力開発、ダイバーシティ推進、働きがいのある職場づくり
・取締役会の多様性確保と機能強化、役員報酬制度の見直し、コンプライアンスの徹底、リスクマネジメントの強化
(非財務目標)
(注)表中の「グループ国内」は、㈱アマダ、㈱アマダマシナリー、㈱アマダウエルドテック、㈱アマダプレスシステム、㈱アマダツールの主要5社を指します。
当社グループの損失発生の防止及び損失の最小化を図ることを目的として「リスク管理基本規程」においてリスク管理に関する基本的な事項を定め、平常時から対応策を検討する等のリスク管理に努めております。内部統制・リスク管理委員会が当社グループのリスクを一元管理し全社的推進等を図り、個々のリスク管理は「安全衛生委員会」、「輸出管理本部」、「アマダグループ環境エコ推進委員会」等の各専門委員会において管理・対応を図っております。これに加え、内部統制・リスク管理委員会の下部組織であるリスクマネジメント部会が、ヒト・モノ・カネ・情報等に係るグループレベルでの重要リスクについての方針を定め、対応を図っております。また、重大な事件・事故及び自然災害等の緊急事態が発生し全社的な対応が必要と判断された場合は、緊急対策本部等を設置して迅速に危機管理を行っております。
(リスク管理活動の概要)
リスクマネジメント部会又はリスク主管部署は、毎期リスクの見直しを行い、「損失規模」と「発生頻度」の観点から重要度を再評価し、主要リスクのリスクマップを作成しています。主要リスクの対応範囲や目標、期限等を明確にした上で各リスク対策を実施し、実施状況と効果等をモニタリングし必要な是正・改善を行います。識別されたリスク項目とその対策状況は内部統制・リスク管理委員会が全社的なリスク管理活動として一元管理し、主要リスク項目については取締役会へ報告されます。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点で当社グループが判断したものであり、以下の記載事項は、当社グループの事業に関するすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社グループの販売する商品は、生産設備として輸送機器・家電製品・情報通信機器・一般機械・建築資材など幅広い分野の製造工程において使用されております。その結果、特定の産業の景況変動の影響は受けにくい傾向にありますが、産業全体の設備投資動向等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外展開について
当社グループは、市場のグローバル化に対応して、生産及び営業拠点を北米、欧州、アジア等の海外にも展開しており、連結売上収益に占める海外売上比率は、当連結会計年度で61.2%であります。このため、進出国における紛争(戦争、内乱、クーデター等)・テロ、経済動向及び政治・社会情勢の変化、予期せぬ法規制等の変更などにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループはロシア連邦(モスクワ市)に子会社を有しております。ロシア・ウクライナ情勢については、各国の対露制裁措置等により当社グループの業績に影響を及ぼすことが見込まれますが、当社グループの連結業績に与える影響は軽微であります。
(3) 価格競争について
当社グループが事業を展開する市場は、激しい価格競争下にあり、新商品の投入やソリューション提案型のエンジニアリングビジネスへの取り組みなどにより、適正な販売価格の維持に努めておりますが、競争のさらなる激化や長期化による販売価格の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 為替相場の変動について
当社グループは、主に米ドルやユーロの現地通貨建てで商品を輸出しております。このため、為替相場の変動に備えて、為替予約取引などによるリスクヘッジや海外での生産比率の向上に努めておりますが、想定以上に為替相場が変動した場合は、為替差損益の発生や商品競争力の変化により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 資材調達について
当社グループは、部品や資材を複数の取引先から調達しております。これらは原材料価格や原油等のエネルギー価格の変動により、調達価格が大幅に変動する可能性があります。また業界の需給状況や調達先の事情、自然災害によって安定的な供給が困難になり、生産効率が低下することも想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、半導体をはじめとする各種制御部品等の調達が困難となっておりますが、代替品の調達や設計変更等により生産体制を維持、拡大しております。
(6) 製品の品質について
当社グループは、国際標準化機構(ISO)の品質マネジメントシステムに基づき、万全の品質管理体制を整え、製品の設計・製造を行い欠陥の発生を抑えるように努めており、設計審査(デザインレビュー)においては、リスクアセスメントや試作機による製品安全チェックを実施しております。しかしながら、万が一製品に欠陥が発生した際のリコール費用や、事故につながった場合の損害賠償請求費用が加入している保険等で補えない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 環境問題の対応について
当社グループは、独自の環境方針のもと環境保全に資する生産体制の構築や、商品・サービスの提供に心がけ、環境負荷の低減に努めております。環境に配慮した商品については、オイルやガスの使用量が少ない省資源機、騒音が小さい低騒音機、電気の使用量が少ない省エネ機等を社内基準により評価しアマダエコプロダクツとして市場投入しております。しかしながら各国の環境規制によっては、現在の商品の販売や部品の使用が困難になり、設計変更のための費用や研究開発費の増加につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産権について
当社グループでは、新たな価値創造のために研究開発に重点をおき、そこで開発された技術やノウハウにおいては特許出願することで知的財産権の保護に努めております。しかしながら、これらの権利が第三者により侵害されることでの競争優位性の低下や、第三者から権利侵害を追及され、損害賠償請求や商品の販売差し止めを受けることで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報セキュリティーについて
当社グループでは、事業活動に必要な機密情報・個人情報などを保有しており、これら情報の機密保持については厳格な管理体制を構築しております。しかしながら、サイバー攻撃やコンピュータウィルスにより、不正アクセスが発生した場合は、当社グループの業務システムの停止や機密情報・個人情報の外部流出、信頼の低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは情報セキュリティに関する担当部署を設立し、全社的なITガバナンスの構築・強化を図っております。情報セキュリティインシデント発生時は情報収集や事態収拾、再発防止を行い、平常時においては社員教育を行っています。
(10) 自然災害、広範囲な感染症の流行などについて
当社グループは、生産及び営業拠点をグローバルに展開しております。それら周辺地域での地震・水害等の自然災害や広範囲な感染症の流行などにより甚大な被害が発生し、復旧、復興が長期化した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、事業継続計画(BCP)対策の一環として、伊勢原事業所内の一部の建物に免震装置の導入や防災エネルギーセンターの建設により自家発電設備、給水、食料備蓄などを整備しております。また、国内及び海外の製造拠点の拡充を推進し、生産活動や供給におけるリスク分散を図っております。
(11) 金融市場の変動について
当社グループは、一部でキャッシュ・マネジメント・システムの導入などを行うことで有利子負債の最適化に取り組んでおりますが、大幅な金利の上昇は支払利息の増加につながります。一方で金利の低下や株式市場の変動により、保有する有価証券の利回りの低下や評価額の変動及び、制度資産の割引率への影響による退職給付費用や債務が増加することも想定されます。これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 人材について
当社グループは、製造・開発・販売等に携わる優秀な人材を採用し育成することで、グローバルな事業活動の推進と競争力の維持向上を図っております。しかしながら、採用や育成に失敗した場合、また優秀な社員が退職又は流出した場合には、競争力の低下により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、継続的なエネルギー価格の高騰やサプライチェーンの混乱による部材不足の影響などから、先行き不透明感による設備投資マインドの低下と景気減速が懸念されましたが、地政学リスクに対するサプライチェーン再構築や社会課題などへの対応を背景に生産性向上、自動化に関する設備投資需要が底堅く推移しました。このような環境の下、当社グループの業績は、代替品の調達や設計変更等により生産体制を維持、拡大することで、高水準な受注環境から売上につなげることに注力し、その結果、売上収益・営業利益・親会社の所有者に帰属する当期利益は、いずれも過去最高を更新しました。
当連結会計年度における当社グループの経営成績は次のとおりです。
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は365,687百万円(前期比17.0%増)となりました。売上収益の内訳は、国内141,769百万円(前期比11.7%増)、海外223,918百万円(前期比20.6%増)となりました。詳細については、① 事業別・地域別の成績に記載のとおりです。
(営業利益)
営業利益は、部品・材料価格高騰の影響は見られたものの、増収及び操業度向上、販売価格の改善に伴う売上総利益増加に加え、為替の円安推移等により、49,867百万円(前期比29.4%増)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
親会社の所有者に帰属する当期利益については、34,158百万円(前期比23.0%増)となりました。
なお、経営成績に重要な影響を与える要因については、3 事業等のリスクに記載のとおりであり、経営方針・経営戦略を達成するための客観的な指標については、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載のとおりです。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
事業別売上収益及び地域別の状況は、以下のとおりです。
(事業別売上収益の状況)
(注)その他は、遊休地の有効利用を目的としたショッピングセンター等の不動産賃貸事業等です。
売上収益は301,371百万円(前期比17.8%増)、営業利益は41,513百万円(前期比33.2%増)となりました。
<板金部門>
(注) 本表の地域別売上収益は、顧客の所在地別の売上収益です。(以下の表も同様。)
なお、当連結会計年度における板金部門の地域別の経営環境は以下のとおりです。
日本:経済活動の正常化に伴う人手不足等を背景に、政府補助金の後押しもあり、物流倉庫需要の増加に伴うFA関連や産業機械等の一般機械関連、OA・コンピュータ機器や通信機器、医療機器等、幅広い業種で受注が拡大しました。このような受注環境の中、売上収益は101,408百万円(前期比13.9%増)となりました。
北米:インフレの高進とその対策としての金融引き締めによる影響から、景気の減速が懸念されたものの、期を通じて米国及び周辺国へのサプライチェーンの再構築等による設備投資需要と、労働市場の逼迫を受けた自動化商品の需要拡大と為替の円安効果もあり、売上収益は76,766百万円(前期比29.1%増)となりました。
欧州:ロシアによるウクライナ侵攻の長期化とそれに伴うエネルギー価格の高騰による設備投資意欲への影響が懸念されたものの、製造現場における省エネ意識の高まりや東欧諸国等への工場移転による設備投資需要が見られ、売上収益は57,155百万円(前期比12.7%増)となりました。
アジア他:中国では、ゼロコロナ政策からの転換による混乱や、外資系メーカーによる他地域への工場移転等が影響したことから減収となりました。一方で、ASEANを中心にサプライチェーン再編の動きが加速化する等、販売が拡大したことで、アジア他地域全体としての売上収益は35,130百万円(前期比15.3%増)となりました。
<微細溶接部門>
EVバッテリーやEV関連部品が活況で、全地域で増収となりました。特に北米では、医療機器向けや政府のEV車向けの奨励策及びインフラ投資の増加により好調に推移しました。
(金属工作機械事業)
売上収益は63,028百万円(前期比13.5%増)、営業利益は7,632百万円(前期比14.3%増)となりました。
<切削・研削盤部門>
国内の研削盤部門は、政府による補助金の後押しもあり、新商品の投入が奏功し半導体・電子部品向けの売上が拡大しましたが、切削部門は鋼材切断業における部材の長納期化により低調となりました。海外では、特に北米において切削マシンの販売が好調に推移したことにより増収となりました。
<プレス部門>
国内では、主力の自動車部品関連業界において、メーカー各社の減産の影響を受け、顧客の設備投資意欲の減退が懸念されましたが、生産性向上を目的としたプレスマシンと周辺装置を組み合わせた自動化商品が増収に寄与しました。海外では、米国やその周辺諸国における製造回帰による設備投資需要を背景に売上が拡大しました。
なお、各部門別の状況を合算した主要地域の状況は以下のとおりです。
(地域別売上収益の状況)
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
財政状態の概要及び分析は以下のとおりです。
(総資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ33,122百万円増加し、647,562百万円となりました。流動資産は、部材調達の長納期化を背景とした原材料・仕掛品の積み増し等による棚卸資産の増加や増収に伴う営業債権の増加により、34,584百万円増加の398,716百万円となり、非流動資産は投資有価証券の償還等により1,461百万円減少の248,846百万円となりました。
(負債及び資本)
負債は営業取引増加に伴う営業債務等の増加により、前連結会計年度末比8,636百万円増加の139,041百万円となりました。また資本については、利益剰余金の積み上がりや円安による為替換算調整勘定の増加等により24,486百万円増加の508,521百万円となり、これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末と比べ78.1%から77.8%と0.3%pt減少しました。
連結キャッシュ・フローの区分別状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、増収に伴い税引前利益が増加しましたが、部材調達の長納期化への対応に伴う棚卸資産の増加や業績拡大による法人所得税の支払額の増加により支出が増加し、24,949百万円の収入(前連結会計年度比31,915百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出に対し、有価証券及び投資有価証券の償還等による収入が上回ったものの、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出により、13,323百万円の支出(前連結会計年度比5,401百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、主として配当金の支払いにより、20,392百万円の支出(前連結会計年度比1,916百万円の支出減)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ8,235百万円減の98,556百万円となりました。
なお、連結キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
* 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
* 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。
* 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループの主な資金の源泉は、営業活動からのキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、内部資金で構成され、運転資金や設備投資等の経常的な資金需要及びM&A等の機動的な資金需要に充当されています。このうち、金融機関からの借入は現金及び現金同等物を下回る残高水準である事から、今後必要となる資金を適切に調達するうえで特段の問題は生じないものと考えています。加えて、格付投資情報センターより信用格付(A+安定的)を取得、維持しており、幅広い手段で低利で安定的な資金調達が実施可能であると認識しています。なお、日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しており、資金効率の向上、金融費用の抑制を図ると同時に、流動性確保の状況について継続的なモニタリングが可能な体制となっております。
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び、将来に関する仮定及び報告期間末における見積りの不確実性の要因となる事項は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針及び4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
該当事項はありません。
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
(注) (イ)帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
(ロ)投資不動産のうち主なものは、土地8,124百万円(面積137千㎡)であります。
(ハ)帳簿価額のうち「その他」は、工具器具及び備品、貸与資産、のれん及び無形資産(ソフトウエアを除く)の合計であります。
(ニ)当社の事業所、工場、販売拠点等の設備は一部国内子会社に貸与しております。
(ホ)土地の再評価に関する法律に基づき、事業用土地の再評価を行っております。
(ヘ)アマダ・ノース・アメリカ社の帳簿価額及び従業員数には、連結子会社であるアマダ・アメリカ社、アマダ・キャピタル社、アマダ・ツール・アメリカ社及びアマダ・メキシコ社の帳簿価額及び従業員数を含んでおります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注)発行済株式総数の減少は、自己株式の消却によるものであります。
2023年3月31日現在
(注) (イ)当社は自己株式を11,458,462株保有しておりますが、このうち114,584単元(11,458,400株)は「個人その他」の欄に、62株は「単元未満株式の状況」の欄に、それぞれ含めて記載しております。
(ロ)「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ32単元(3,200株)及び39株含まれております。
2023年3月31日現在
(注) (イ) 当社は、自己株式を11,458千株保有しておりますが、上記大株主からは除外しております。
(ロ) 当事業年度中において、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書を含む。)により、以下のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、当該報告書の内容は次のとおりであります。