株式会社宇野澤組鐵工所
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、「最近5連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移」については記載しておりません。
3.第127期の1株当たり配当額40円には、創立120周年記念配当10円を含んでおります。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第130期の期首から適用しており、第130期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
5.第130期まで、株主総利回りの比較指標に東証第二部株価指数(配当込み)を用いておりましたが、2022年4月4日の東京証券取引所の市場再編に伴い廃止されました。このため第131期から比較指標を、継続して比較することが可能な配当込みTOPIXに変更しております。
6.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第二部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。
当社は、1899年8月創業以来ポンプの専門メーカーとして各種ポンプの製造、販売並びに1984年からは不動産事業を行っております。
創業当初はウォシントン型ポンプ、続いて暖房用真空給水ポンプ、タービンポンプ、真空ポンプ、1945年代後半からはルーツ式ロータリブロワ、送風機、圧縮機、空気力輸送装置等の製造、販売、又1984年から不動産の賃貸及び管理、そして現在の主力製品であるドライ真空ポンプなどを開発して今日に至っております。
当社は風水力機械のメーカーとして、真空ポンプ、送風機・圧縮機、輸送装置等の製造販売を行う製造事業と、不動産の賃貸及び管理を行う不動産事業を主な事業として取り組んでおります。
なお、次の2部門は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
製造事業の真空ポンプ等製品は、原材料等を購入し、当社にて機械加工、組立、検査を行い、当社にて得意先に販売しております。
不動産事業は、ビル並びに駐車場の賃貸及び管理を行っております。
事業の系統図は次のとおりであります。

(注) 当社には、その他の関係会社「株式会社ウノザワコーポレーション」がありますが、独自に事業活動を行っており、当社と直接の取引はないことなどから事業の系統図には入れておりません。
2023年3月31日現在
(注)1.従業員数は就業員数であり、( )内に臨時従業員として派遣社員の最近1年間の平均人員(1日8時間換算)を外数で記載しております。
2.平均年齢及び平均勤続年数、平均年間給与の数値には、臨時従業員の数値は含まれておりません。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
当社の労働組合は本社及び工場の従業員(部課長を除く)101名をもって組織され、2023年3月31日現在の組合員数はウノサワ労働組合(無所属)が94名、JMITUが7名となっております。
現在のところ労使関係は円滑で特記すべき事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
今後の当社を取り巻く環境としましては、競合他社との価格競争が激しくなるなか、世界的な部材不足、資源価格の高騰等、当社を取り巻く環境は引き続き厳しい状況で推移するとみられます。
このような環境に対し、当社は「新たな営業戦略の実現」と「生産性の向上」の2点を重点課題とし、経営理念の実現及び製造事業の黒字化達成に注力してまいります。そのため、当面の具体策として以下の基本的な課題に地道に取り組んでまいります。
1. 新たな営業戦略
① 既存顧客に加え、成長分野を市場とする装置メーカー、エンジニアリング会社への営業活動を強化します。
② 付加価値の高い真空ポンプ、ブロワ及び修理の拡販を重点的に推進します。
③ 佐賀のサービスセンターを移転新設し、九州地区の修理、メンテナンス事業を拡販します。
2. 新製品開発の推進
① 営業戦略実現のため、他社製品と差別化可能な新製品の開発を目指します。
② 省電力をはじめとする環境負荷の少ない真空ポンプ、ブロワの開発を目指します。
③ コスト競争力のある製品の開発を目指します。
3. 工場生産能力増強策の推進
① 生産性の高い高精度な自動工作機械の増設と置き換えを計画的に進めます。
② 効率的な生産を可能とするため、工場レイアウトの改善を進めます。
4. 生産体制の見直し
① 多能工化を推進し、機種別生産台数の変化にフレキシブルに対応できる体制を目指します。
② 工作機械の負荷をより正確に把握し、適切な生産計画により内製化率を向上します。
③ より効率的な生産実現のため、生産技術部門を強化します。
5. 働き甲斐のある職場の実現
① 従業員のモチベーションを高め、生産性向上を図るため、評価制度、報酬制度の見直しを進めます。
当社の事業展開上、財政状態等や投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスク要因は以下のとおりです。これらのリスク要因を認識したうえで、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避するための努力をしてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 市場環境について
当社は、日本、アジア、欧州、米州等の様々な国・地域に商品を供給しております。従って、これら国・地域の経済状況の変化や、対象市場での当社商品に対する需要変化の影響を受けます。その対策として、海外市場に注力する一方、特定の国・地域に偏ることのない案件毎の営業活動に取り組んでまいります。
② 製品特性について
当社製品は、生産部門、研究開発部門で使用する装置等に設置されるポンプ・送風機等が主力であるため、景気動向はもとより各企業の設備投資動向の影響を受けます。その対策として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における「1. 新たな営業戦略」、「2. 新製品開発の推進」に記載の取組みを行い、新たな顧客の確保、付加価値の高い真空ポンプ、ブロア及び修理の拡販を重点的に推進してまいります。
③ 受注残について
当期末における製品受注残高は3,320百万円(前年同期比920百万円増)を確保しておりますが、期中における受注の確保が不可欠となっております。その対策として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1. 新たな営業戦略」に記載の取組みを行い、受注の確保を図ってまいります。
④ 製品・機種別売上構成について
当社は多くのユーザーのニーズに応えるため多品種の真空ポンプ・送風機を製造販売しておりますが、採算性は機種別に大きく異なります。採算性の高い機種を重点商品として取り組んでおりますが、採算管理の不備により受注段階で計画した利益を確保できないことも想定されます。また、当社全体として計画した売上高を確保しても、機種別売上構成によっては想定した利益を確保できないことも想定されます。その対策として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における「1. 新たな営業戦略」、「3. 工場生産能力増強策の推進」、「4. 生産体制の見直し」に記載の取組みを行い、想定した利益の確保に努めてまいります。
⑤ 製品価格について
当社は「真空ポンプのウノザワ」としてドライ真空ポンプ等の高付加価値商品の投入で競合企業との差別化を図ってまいりましたが、国内のみならず海外の競合先から当社類似製品や低価格製品が市場投入されており、競争が激化しております。その対策として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における「2. 新製品開発の推進」、「3. 工場生産能力増強策の推進」、「4. 生産体制の見直し」に記載の取組みを行い、製品競争力の強化を図ってまいります。
⑥ 原材料等について
当社製品では鋳物を主材料として使用しており、原材料や電気料金などの高騰や為替相場の変動などにより、資材の仕入価格が上昇し、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、国内鋳物業者数の減少により、原材料の安定的な調達に支障をきたす可能性があります。また、モーターやその他の電気・電子部品も多く使用しており、地政学リスクの高まり等様々な原因によるサプライチェーンの混乱により、安定的な調達に支障をきたすリスクが発生しております。その対策として、海外も含めた調達先の多様化を図ってまいります。
⑦ 品質管理、納期管理について
当社はISO9001の認証取得を含む品質保証体制を確立し、高いレベルのサービスを提供しておりますが、予期せぬ不良が発生して対応を余儀なくされる場面も想定されます。また、大口顧客に対するロットの大きい製品が出荷されていること、大口の海外ユーザーもあることから、万一の不良が発生した際の影響が大きくなることが想定されます。大型で仕様の複雑な製品においては、納期管理の不備に伴うペナルティの負担が発生することも想定されます。その対策として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における「3. 工場生産能力増強策の推進」、「4. 生産体制の見直し」に記載の取組みを行い、不良の発生の低減及び納期管理を徹底し、追加コストの発生回避を図ってまいります。なお、製品納入後に発生する保証費用に備えるため、製品保証引当金を計上しております。
⑧ 与信管理について
同業他社との競争激化に対応すべく、国内外ともに営業活動を強化しております。海外ユーザーの割合が増加すること及び新規取引先の増加が見込まれますが、販売先の与信管理が不十分で回収懸念や貸倒れが発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その対策として、取引先の与信枠を設定するとともに、海外についてはL/C決済等により貸倒れリスクの低減を図ってまいります。
⑨ 人材の確保と育成に係るリスク
当社は、「ブロワ・真空ポンプのプロフェッショナルとしてお客様信頼度No.1の企業を目指します。」というビジョンのもと、プロフェッショナル人材の育成に注力しております。しかし、今後、従業員の安全・健康の確保、高齢化対策、技術や技能及びノウハウの継承、多能工化、事業拡大のための人材の確保・育成等に課題が生じた場合は、業績及び財政状態に影響が出る可能性があります。その対策として、新規採用を通じて人材の確保を図るとともに、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における「5. 働き甲斐のある職場の実現」に記載の取組みを行い、人材の確保、育成に努めてまいります。
⑩ 災害等について
大規模な地震、津波、台風等の自然災害により、工場等への物理的な損害、従業員への人的被害並びに顧客への被害等があった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その対策として、震災対応マニュアルを定め、物理的、人的被害の低減を図るとともに、損害保険に加入し、被害による金銭的負担を担保しております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症にかかる行動制限が緩和され、経済社会活動の正常化が進む一方、ウクライナ情勢の長期化、資源・エネルギー価格の高騰、半導体等部品供給の不足等、依然として不透明な状況で推移しております。
このような環境のなか、製造事業の業績が改善し、会社全体として増収増益となりました。売上高は5,105百万円(前年同期比16.5%増)となりました。損益面におきましては、営業利益444百万円(前年同期比73.5%増)、経常利益468百万円(前年同期比74.2%増)、当期純利益352百万円(前年同期比116.6%増)となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりです。
① 製造事業
主に半導体製造装置向け真空ポンプ、一般産業向け送風機及び部品売上が増加し、製造事業の売上高は前年同期比737百万円増加の4,452百万円(前年同期比19.9%増)となりました。損益面におきましては、セグメント損失51百万円(前年同期はセグメント損失264百万円)と前年同期比増益となりました。
売上高を製品別に示しますと、真空ポンプは2,210百万円(前年同期比13.8%増)、送風機・圧縮機は1,016百万円(前年同期比59.3%増)、部品は779百万円(前年同期比12.5%増)、修理は446百万円(前年同期比1.2%増)の結果となりました。
また、輸出関係におきましては、売上高は420百万円(前年同期比46.8%増)となりました。
② 不動産事業
売上高652百万円(前年同期比1.9%減)、セグメント利益495百万円(前年同期比4.8%減)となりました。
当事業年度末の財政状態は、前事業年度末と比べ、総資産は519百万円増加し7,887百万円、負債は193百万円増加し5,353百万円、純資産は325百万円増加し2,533百万円となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ149百万円減少し、2,405百万円となりました。
当事業年度における各区分ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権及び契約資産の増加202百万円、棚卸資産の増加192百万円等の減少要因があったものの、税引前当期純利益467百万円、減価償却費192百万円、仕入債務の増加213百万円等の増加要因により、457百万円の資金の増加(前年同期は509百万円の資金の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出468百万円等により、525百万円の資金の減少(前年同期は125百万円の資金の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入930百万円、長期借入金の返済による支出978百万円等により、81百万円の資金の減少(前年同期は114百万円の資金の減少)となりました。
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は製造原価によっております。
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
金額は販売価格によっております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
(a) 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は5,105百万円(前年同期比16.5%増)となり、前事業年度と比べ724百万円増加しました。
製造事業におきましては、売上高は4,452百万円(前年同期比19.9%増)となり、前事業年度と比べ737百万円増加しました。
不動産事業におきましては、売上高は652百万円(前年同期比1.9%減)となり、前事業年度と比べ12百万円減少しました。
(営業損益)
当事業年度における営業利益は444百万円(前年同期比73.5%増)となり、前事業年度と比べ188百万円増加しました。
製造事業におきましては、営業損失は51百万円となり、前事業年度と比べ213百万円改善しました。
不動産事業におきましては、営業利益は495百万円(前年同期比4.8%減)となり、前事業年度と比べ25百万円減少しました。
(b) 財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における総資産は7,887百万円となり、前事業年度末に比べ519百万円増加しました。これは、受取手形が321百万円減少したものの、電子記録債権が249百万円、売掛金が255百万円、機械及び装置が216百万円増加したこと等が主な要因です。
(負債)
当事業年度末における負債は5,353百万円となり、前事業年度末に比べ193百万円増加しました。これは、支払手形が86百万円減少したものの、電子記録債務が236百万円、買掛金が62百万円増加したこと等が主な要因です。
(純資産)
当事業年度末における純資産は2,533百万円となり、前事業年度末に比べ325百万円増加しました。これは、利益剰余金が319百万円増加したこと等が主な要因です。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(a) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 (キャッシュ・フローの状況)」に記載のとおりであります。
(b) 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、製造事業における原材料の仕入のほか、製造費、販管費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、当事業年度における財務状態及び経営成績に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
繰延税金資産
当社は、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
該当事項はありません。
当社の主要な設備は、以下のとおりであります。
2023年3月31日現在
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.帳簿価額のうち「その他」は、ソフトウエアであります。
3.リース契約による主な賃借設備は、下記のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 株式併合(10:1)によるものであります。
2023年3月31日現在
(注) 自己株式15,487株は「個人その他」に154単元、「単元未満株式の状況」に87株含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 前事業年度末において主要株主であった宇野澤虎雄は、当事業年度末では主要株主ではなくなりました。
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は真空ポンプ、ブロワ等各種ポンプの製造販売事業を展開している「製造事業」とオフィスビルを中心に不動産賃貸事業を展開している「不動産事業」の2つを報告セグメントとしております。