富士変速機株式会社
(注) 1 持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社がないため記載しておりません。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 最高株価および最低株価は、2022年4月3日以前は名古屋証券取引所市場第二部におけるものであり、2022年4月4日以降は名古屋証券取引所メイン市場におけるものであります。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社グループは、当社と立川ブラインド工業株式会社(親会社)で構成され、各種産業機械、電動シャッタ駆動装置等の変減速機を製造、販売しており、また、関連技術を応用した機械式立体駐車装置の設計、施工ならびに販売を行っております。さらにその他事業として可動間仕切等の製造ならびに販売を行っております。
当社グループの事業内容と、当該事業に係わる各社の位置付けならびにセグメントとの関連は次のとおりであります。また、事業内容とセグメントの区分は同一であります。
[減速機関連事業]
当社は各種産業用減速機、シャッタ開閉機、電動シャッタ水圧開放装置等の製造販売を行っており、一部減速機を親会社である立川ブラインド工業株式会社へ販売しております。
[駐車場装置関連事業]
当社は機械式立体駐車装置の設計、施工、販売ならびに保守点検業務を行っております。
[室内外装品関連事業]
当社が可動間仕切等の製造を行い、親会社である立川ブラインド工業株式会社へ販売しております。
事業の系統図は、次のとおりであります。

2022年12月31日現在
(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。
2 有価証券報告書提出会社であります。
2022年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
3 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
4 全社(共通)は、総務および経理等の管理部門の従業員であります。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、1947年創業以来、長年培ってきた歯車技術に関するノウハウを活かし、動力伝導技術を中核技術とし、製品の製造、販売を行う専門企業として今日に至っております。社是「技術革新」及び社訓「初心忘るべからず、日々新たなり」のもと、顧客第一主義を社内に徹底し、顧客の皆様のご要望に応える技術力、常に新しいものを追求していく開発力、さらには柔軟なサービス精神をモットーとして顧客の繁栄と社会の発展に貢献していくこととしております。
(2)目標とする経営指標
当社は、収益の源泉となる売上高ならびに各段階の利益を重視し、収益力強化に向けた活動を通じて企業価値の向上に努めております。
(3)中長期的な経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後のわが国経済の見通しは、ウィズコロナへの移行と各種政策の効果により景気の回復が期待される一方、長期化するウクライナ情勢や原材料価格の高止まり、半導体を始めとした各種部品の供給停滞等により、経営環境は予断を許さない状況が続くものと思われます。
当社といたしましては、中核技術である動力伝導技術に中期的な対策と資源を集中するとともに、新規顧客開拓や生産体制の最適化に注力し、いかなる事業環境の変化にも対応出来るよう以下を優先的に対処すべき課題として取組んでまいります。
① 減速機関連事業では、当社の保有技術を活かした製品の差別化戦略により物流・工場自動化設備等の成長分野においてシェア拡大を図るとともに、生産体制の最適化、更なる品質向上に取り組み、収益力の強化に努めてまいります。
② 駐車場装置関連事業では、業界トップレベルの入出庫スピードや省エネ性、耐震性を誇る当社の「くし歯技術」を活かした付加価値開発を行い、積極的な提案活動を展開するとともに、既設物件に対する改造改修提案を推進し顧客満足度の向上に努めてまいります。また、原価管理および施工管理体制の強化により収益拡大に努めてまいります。
③ 室内外装品関連事業においては、売上高の確保ならびに品質管理体制の強化と生産性の向上および原価低減を図ることにより、利益確保に努めてまいります。
④ 将来にわたる安定的な経営基盤の構築として、経営資源の計画的整備や人材を育成に加えコンプライアンスを徹底し、内部統制システムの適切な運用を継続的に実践してまいります。
⑤ サスティナビリティへの取り組みとして、SDGsに賛同し環境に配慮した製品づくりの推進、CO2排出量や廃棄物等の削減を推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 原材料価格の変動
当社の機械式立体駐車装置や減速機など主要製品の原材料である鋼材や特殊鋼等の価格は、市況の変化などにより、変動する可能性があり当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 価格競争の激化
当社の機械式立体駐車装置や減速機の販売は、民間設備投資や公共事業投資など建設業界の景気動向の影響を受けることがあります。特に駐車場装置関連事業においては、他社との激しい価格競争などにより、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 製品の品質
当社は顧客満足と評価を得る製品の提供を品質保証の原点と考え、品質確保に努めるとともに信頼性の向上と品質管理に重点を置き取り組んでおりますが、予期せぬ事情により重大な製品の欠陥が発生した場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 自然災害等
当社は主な事業拠点を東海地区(岐阜県)に有しております。この地域において大規模な地震等の災害が発生した場合には、その程度によっては生産設備等に重大な支障を来たすとともにその復旧に多額の費用が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大リスク
新型コロナウイルス感染症の感染拡大や長期化によっては営業活動の制限や材料調達の遅延等により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首より適用しております。このため、前期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いておりますが、当事業年度の損益に与える影響は軽微であります。詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)および(セグメント情報等) セグメント情報 2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」をご参照ください。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する各種制限が緩和され、経済活動正常化へ進む一方、ウクライナ情勢の長期化や急激な為替変動による各種原材料費の更なる高騰、半導体をはじめとした資材調達の不安定等、不透明な状況で推移いたしました。
このような環境のもと、当社におきましては、差別化戦略に基づく当社の強みや技術を活かした製品開発と生産体制の最適化を行い、いかなる事業環境の変化にも対応すべく原価低減活動と生産性の向上に努めてまいりました。
減速機関連事業では、顧客ニーズに応えた個別製品の開発による提案営業を進め、新規顧客獲得に注力するとともに、生産体制の改善等による収益獲得に努めてまいりました。
駐車場装置関連事業では、くし歯式の強みを活かした営業展開により新規開拓に取り組むとともに、既設物件に対する計画的な改修提案や付加価値提案を推進し、受注・収益の獲得に努めてまいりました。
室内外装品関連事業では、生産・品質管理体制の強化を図り、収益改善に努めてまいりました。
この結果、当事業年度の売上高は7,482百万円(前期比4.1%増)、営業利益は502百万円(前期比1.9%減)、経常利益は532百万円(前期比1.1%減)、当期純利益は359百万円(前期比1.0%減)となりました。
なお、セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
[減速機関連事業]
設備投資の市況回復に支えられ、定番品に加え無人搬送台車駆動用減速機など、当社が得意とする個別製品をはじめとした、各種産業用減速機の受注が堅調に推移したことにより、売上高は3,778百万円(前期比10.6%増)となりました。営業利益につきましては、材料高騰の影響もありますが、売上高の増加により244百万円(前期比28.6%増)となりました。
[駐車場装置関連事業]
付加価値提案により改造改修案件の受注が堅調に推移した一方、新築工事における主力の「パズルタワー」の前年後半の大型物件による反動等により、売上高は3,530百万円(前期比1.4%減)となりました。営業利益につきましては、売上高の減少や資材価格高騰影響等により、290百万円(前期比18.2%減)となりました。
[室内外装品関連事業]
品質管理の徹底と生産性向上および継続的な原価低減に取り組みましたが、売上高は172百万円(前期比10.0%減)、営業損益につきましては31百万円の損失(前期は32百万円の損失)となりました。
また、当事業年度における財政状態の概要は、次の通りであります。
[資産]
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ336百万円増加し12,799百万円となりました。
流動資産は、受取手形が195百万円、現金及び預金が65百万円、未成工事支出金が52百万円減少した一方で、完成工事未収入金及び契約資産が261百万円、原材料及び貯蔵品が146百万円、仕掛品が92百万円、未収入金が61百万円、電子記録債権が55百万円増加したことにより、前事業年度末に比べ283百万円増加し8,905百万円となりました。
固定資産は、減価償却等により有形固定資産が51百万円、繰延税金資産が51百万円減少した一方で、保有株式の株価上昇等により投資有価証券が133百万円増加したことにより、前事業年度末に比べ52百万円増加し3,894百万円となりました。
[負債]
当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ14百万円減少し2,066百万円となりました。
流動負債は、未払法人税等が85百万円、未払消費税等が23百万円、製品保証引当金が12百万円減少した一方で、買掛金が74百万円、工事未払金が39百万円、未払金が24百万円増加したことにより、前事業年度末に比べ5百万円増加し1,671百万円となりました。
固定負債は、役員退職慰労引当金が7百万円増加した一方で、リース債務が15百万円、退職給付引当金が12百万円減少したことにより、前事業年度末に比べ20百万円減少し395百万円となりました。
[純資産]
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ351百万円増加し10,733百万円となりました。
これは利益剰余金が257百万円、その他有価証券評価差額金が93百万円増加したことによるものであります。
なお、自己資本比率は前事業年度末に比べ0.6ポイント増加し83.9%となり、1株当たり純資産は前事業年度末に比べ20円76銭増加し634円56銭となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、4,434百万円(前事業年度末4,500百万円)となりました。
これは、営業活動、投資活動、財務活動によるキャッシュ・フローの合計が65百万円減少したことによるものであります。
なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動による資金は、223百万円の増加(前事業年度は326百万円の増加)となりました。
これは主に、売上債権及び契約資産の増加148百万円、棚卸資産の増加140百万円、法人税等の支払244百万円による減少があった一方で、税引前当期純利益532百万円、仕入債務の増加121百万円、減価償却費238百万円による増加があったことによるものであります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動による資金は、169百万円の減少(前事業年度は200百万円の減少)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出141百万円があったことによるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動による資金は、119百万円の減少(前事業年度は115百万円の減少)となりました。
これは主に、株主配当金の支払があったことによるものであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 生産実績金額の算出は、販売価格によっております。
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
※当事業年度においては、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
・売上高
当事業年度の売上高は、製品の受注が堅調に進捗したことで、前期比4.1%(294百万円)増の7,482百万円となりました。
減速機関連事業においては、各種産業用減速機の受注が堅調に推移し、前期比10.6%(362百万円)増の3,778百万円、駐車場装置関連事業では、新築工事における主力の「パズルタワー」の前年後半の大型物件による反動等により、前期比1.4%(49百万円)減の3,530百万円となりました。このほか、室内外装品関連事業においては、前期比10.0%(19百万円)減の172百万円となりました。
売上総利益は、資材価格高騰影響等により、前期比2.2%(31百万円)減の1,397百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、効果的な費用の投入に努め、894百万円(前事業年度は915百万円)となりました。
この結果、営業利益は前期比1.9%(9百万円)減の502百万円となりました。
営業外収益は、保険配当金や受取ロイヤリティー等の減少により、29百万円(前事業年度は33百万円)となりました。
営業外費用は、売上割引等の減少により、0百万円(前事業年度は7百万円)となりました。
この結果、経常利益は前期比1.1%(5百万円)減の532百万円となりました。
特別損益は、投資有価証券売却益および固定資産除却損の計上により、0百万円の損失(前事業年度は0百万円の損失)となりました。
税引前当期純利益に対する法人税等の負担率は前事業年度と同様の32.5%となり、この結果、当期純利益は1.0%(3百万円)減の359百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益は前事業年度に比べ21銭減少し21円24銭となりました。
b.財政状況の分析
当事業年度における財政状況の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の通りであります。
② キャッシュ・フロー状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社は、事業運営上必要な資金の流動性を確保することで、安定した財務基盤を維持することを基本方針としております。
当社の主な資金需要は、原材料等の購入費用等の製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用のための運転資金および設備投資資金であり、全て自己資金で賄っております。資本の財源は、主として営業活動により得られた資金であります。
③ 重要な会計方針及び見積り並びに当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当事業年度末における資産、負債および純資産の計上、当事業年度における収益、費用の計上については、過去の実績や現況に応じて合理的と考えられる基準による見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は、見積り特有の不確実性があるため実際の結果と異なる可能性があります。
なお、この財務諸表の作成にあたって、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に、重要となる会計上の見積りおよび仮定については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響におきましては、固定資産の減損会計や繰延税金資産の回収可能性等、当事業年度の見積りに重大な影響を与えるものではないと判断しておりますが、今後の収束状況に応じては、将来における実績と異なる可能性があります。
該当事項はありません。
2022年12月31日現在
(注) 1 上記金額は帳簿価額で、建設仮勘定は含まれておりません。
2 現在休止中の主要な設備はありません。
3 従業員数の〔外書〕は、臨時従業員数であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 額面普通株式1株を1.35株に分割
2022年12月31日現在
(注) 1 自己株式1,040,244株は、「個人その他」に10,402単元および「単元未満株式の状況」に44株含まれております。
2 証券保管振替機構名義の株式450株は、「その他の法人」に4単元および「単元未満株式の状況」に50株含まれております。
2022年12月31日現在
(注) 上記のほか当社所有の自己株式1,040千株があります。
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は製品、サービスの区分別セグメントから構成されており、減速機、シャッタ開閉機、電動シャッタ水圧開放装置等の製造販売を事業とする「減速機関連事業」、機械式立体駐車装置の設計、施工、販売ならびに保守点検業務を事業とする「駐車場装置関連事業」、可動間仕切等の製造、販売を事業とする「室内外装品関連事業」の3つを報告セグメントとして、包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。