株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ
Harmonic Drive Systems Inc.
品川区南大井6丁目25番3号
証券コード:63240
業界:機械
有価証券報告書の提出日:2023年6月22日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第31期

第32期

第33期

第34期

第35期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

67,809,268

37,487,753

37,034,042

57,087,914

71,527,316

経常利益

(千円)

17,185,194

236,398

1,366,803

9,108,243

10,757,728

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(千円)

11,322,541

1,095,310

662,495

6,643,893

7,595,928

包括利益

(千円)

7,673,132

4,561,959

9,009,792

5,508,053

12,132,168

純資産額

(千円)

113,277,932

106,718,488

110,059,815

98,856,302

103,955,658

総資産額

(千円)

142,872,657

131,848,248

140,028,170

143,289,918

154,336,246

1株当たり純資産額

(円)

1,076.68

1,003.79

1,068.83

1,026.94

1,093.53

1株当たり当期純利益金額又は当期純損失金額(△)

(円)

117.62

11.38

6.88

69.02

79.67

潜在株式調整後
1株当たり
当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

72.5

73.3

73.5

69.0

67.4

自己資本利益率

(%)

11.2

1.1

0.7

6.6

7.5

株価収益率

(倍)

32.2

415.3

1,086.9

61.1

55.2

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

15,121,877

10,950,184

9,555,003

9,881,633

10,850,473

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

22,399,586

12,537,222

1,230,204

4,703,089

8,663,281

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

3,271,142

2,362,352

6,561,849

6,663,893

1,599,848

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

17,600,386

18,342,443

19,996,738

18,767,531

19,921,977

従業員数
〔ほか、平均臨時
雇用人員〕

(名)

1,111

1,097

1,104

1,145

1,324

491

353

236

348

421

 

 

(注) 1.従業員数は、就業人員数を表示しております。

     2.第33期(2021年3月期)から第35期(2023年3月期)においては潜在株式が存在しないため、潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額を記載しておりません。

     3.第31期(2019年3月期)においては潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額について、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。

     4.第32期(2020年3月期)の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額は、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失金額であるため、記載しておりません。

     5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第34期の期首から適用しており、第34期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

 (2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第31期

第32期

第33期

第34期

第35期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

49,249,506

19,788,300

24,264,898

41,120,072

50,883,969

経常利益

(千円)

14,213,974

848,602

2,764,064

8,702,593

9,378,859

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

10,413,480

173,564

1,868,012

6,545,851

6,880,487

資本金

(千円)

7,100,036

7,100,036

7,100,036

7,100,036

7,100,036

発行済株式総数

(株)

96,315,400

96,315,400

96,315,400

96,315,400

96,315,400

純資産額

(千円)

84,813,898

80,133,028

85,421,219

85,897,339

85,678,586

総資産額

(千円)

100,247,654

90,985,281

101,279,098

115,596,583

120,888,788

1株当たり純資産額

(円)

874.56

825.94

887.37

892.32

901.27

1株当たり配当額
(1株当たり
中間配当額)

(円)

38

20

20

21

28

(  19)

(  10)

(  10)

(  10)

(  11)

1株当たり当期純利益金額又は当期純損失金額(△)

(円)

108.18

1.80

19.41

68.00

72.17

潜在株式調整後
1株当たり
当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

84.0

87.4

84.3

74.3

70.9

自己資本利益率

(%)

12.8

0.2

2.3

7.6

8.0

株価収益率

(倍)

35.0

2,620.6

385.5

62.1

60.9

配当性向

(%)

35.1

103.1

30.9

38.8

従業員数
〔ほか、平均臨時
雇用人員〕

(名)

349

371

406

412

490

238

175

100

138

156

株主総利回り
〔比較指標:配当込み
TOPIX〕

(%)

(%)

62.7

78.3

123.7

70.7

74.0

110.0)

(99.6)

(141.5)

(144.3)

(152.7)

最高株価

(円)

6,240

5,630

9,510

8,270

5,530

最低株価

(円)

2,730

3,270

4,190

3,700

3,015

 

 

(注) 1.従業員数は、就業人員数を表示しております。

     2.第33期(2021年3月期)から第35期(2023年3月期)においては潜在株式が存在しないため、潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額を記載しておりません。

     3.第31期(2019年3月期)においては潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額について、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。

     4.第32期(2020年3月期)の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額は、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

     5.最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。

     6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第34期の期首から適用しており、第34期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

当社(旧会社と同一商号である株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズとして1989年2月23日設立。額面50,000円)は、旧会社(1970年10月27日に株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズの商号で設立された、営業の実質上の存続会社。額面50円)の100%子会社として設立されました。旧会社の営業の全部(一部の資産を除く)が当社に1989年3月15日付をもって譲渡され、以降当社が旧会社の営業の活動を全面的に継承し、今日に至っております。設立時及び営業譲受け時の当社の役員全員は、旧会社の役職と同一の役職で就任しております。なお、旧会社は1989年4月20日に株式会社光電製作所により吸収合併され、解散しております。

従いまして、以下の記載につきましては、別段の記載がない限り、営業譲受け日の前日(1989年3月14日)までの事項は、営業の実質上の存続会社たる旧会社について記載しております。また、当社の当時の従業員全員は旧会社から同一の職位で当社に移籍しておりますので、従業員の勤続年数は、旧会社における勤続年数を通算して記載しております。

事業年度の回次につきましては、旧会社としての事業年度を通算せずに、当社としての事業年度を記載しております。

旧会社と新会社との関係を簡略に図示しますと次のとおりであります。

 


 

年月

事項

1970年10月

㈱長谷川歯車と米国法人ユーエスエムコーポレーション(USM社)との合弁契約に基づき、東京都大田区南六郷3丁目24番13号に、「株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ」を設立(USM社は1970年12月に資本参加。資本金2億円。出資比率は両社各50%)。㈱長谷川歯車からUSM社との技術提携契約によるハーモニックドライブ機構の営業権を譲受。

1970年11月

松本工場(現長野県安曇野市豊科)においてハーモニックドライブ減速機の製造を開始。

1970年11月

三井物産㈱と非独占的代理店契約締結。

1976年9月

減資1億円により、USM社の100%子会社(新資本金1億円)となる。

1977年11月

FA機器(現メカトロニクス製品)の製造・販売を開始。

1980年11月

三井物産㈱と当社製品の日本国内に販売することに関する販売店契約締結(代理店契約を解除)。

1984年12月

台湾、韓国の市場開拓のための販売代理店を設置。

1987年2月

米国市場へ進出のため子会社エイチ・ディー・システムズ・インコーポレイテッド(現・連結子会社)を設立。

1987年4月

三井物産㈱と当社製品の韓国に販売することに関する販売店契約締結。

1988年6月

新歯形(IH歯形)のハーモニックドライブ減速機の製造、販売を開始。

1989年2月

旧会社の100%子会社として新「株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ」を設立。

1989年3月

旧会社から新会社へ、営業を譲渡。

1989年4月

㈱光電製作所による旧会社の吸収合併。㈱光電製作所の100%子会社となる。

1990年12月

穂高工場(現長野県安曇野市穂高)竣工により生産拠点を松本工場から穂高工場に移転。

1996年3月

ドイツ法人ハーモニック・ドライブ・アントゥリーブステヒニク・ゲーエムベーハー(現ハーモニック・ドライブ・エスイー、現・連結子会社)と当社製品のヨーロッパ、中近東、アフリカ、インド及び南米地域における販売に関する独占販売店契約締結。

1996年12月

ハーモニック・ドライブ・アントゥリーブステヒニク・ゲーエムベーハー(現ハーモニック・ドライブ・エスイー、現・連結子会社)とライセンス及び技術援助契約を締結。

1998年3月

社団法人日本証券業協会に株式店頭登録。

1999年4月

子会社 株式会社エッチ・ディ・ロジスティクス(現・連結子会社)を設立。

1999年7月
2002年7月

子会社 株式会社ハーモニック プレシジョン(現・連結子会社)を設立。
ハーモニック・ドライブ・アーゲー(現ハーモニック・ドライブ・エスイー、現・連結子会社)の発行済株式の25%を取得。

2003年4月

2004年12月

子会社 株式会社ハーモニック・エイディ(現・連結子会社)を設立。

㈱ジャスダック証券取引所に株式を上場。(2010年4月の㈱大阪証券取引所と㈱ジャスダック証券取引所の合併に伴い、㈱大阪証券取引所JASDAQ市場に名称変更。)

 

 

 

年月

事項

2005年2月

三井物産㈱と台湾地域における一手販売店契約締結。

2005年3月

三井物産㈱と韓国地域における一手販売店契約締結(販売店契約を解除)。

2005年12月

子会社 ハーモニック・ドライブ・エルエルシー(現・連結子会社)を米国に設立。

2007年5月

㈱ウィンベル(現・連結子会社)と業務及び資本提携契約を締結。

2008年9月

ドイツ法人ハーモニック・ドライブ・アーゲー(現ハーモニック・ドライブ・エスイー、現・連結子会社)と1996年3月締結した独占販売店契約及び1996年12月締結した技術援助契約の発展的契約更改。

ハーモニック・ドライブ・アーゲー(現ハーモニック・ドライブ・エスイー、現・連結子会社)の発行済株式の10%を追加取得(所有比率を25%から35%へ引上げ)。

2008年10月

青梅鋳造㈱(現・持分法適用会社)と業務及び資本提携契約を締結。

2008年11月

青梅鋳造㈱(現・持分法適用会社)既存株主からの株式取得及び同社が行う第三者割当方式による募集株式の発行を引受け、発行済株式の49.2%を取得。

2009年2月

三井物産㈱と締結した以下の契約を解除。①1980年11月締結の日本国内に販売することに関する販売店契約、②2005年2月締結の台湾地域における一手販売店契約、③2005年3月締結の韓国地域における一手販売店契約。

2010年10月

大阪証券取引所ヘラクレス市場、同取引所JASDAQ市場及びNEO市場の統合に伴い、大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場。

2011年1月

中国への販売拡大、技術サービスの充実を図るため哈默納科(上海)商貿有限公司(現・連結子会社)を設立。

2013年2月

中国、韓国などの東アジア圏での精密遊星減速機の販売拡大及び生産体制構築のため、三益HDS㈱との合弁会社三益ADM株式会社(現・連結子会社)を韓国に設立。

2013年7月

東京証券取引所と大阪証券取引所の現物市場の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場。

2017年3月

ドイツ法人ハーモニック・ドライブ・アーゲー(現ハーモニック・ドライブ・エスイー、現・連結子会社)の発行済株式63.2%を㈱産業革新機構(現・㈱INCJ)と共同で追加取得し子会社化。(所有比率 当社36.8%から74.7%に引上げ、㈱産業革新機構(現・㈱INCJ)25.3%)

2021年2月

合弁相手先が保有する米国子会社ハーモニック・ドライブ・エルエルシーの全持分を米国持株会社エイチ・ディ・システムズ・インコーポレイテッドが買い取り、完全子会社化。

2021年6月

㈱ウィンベル(現・連結子会社)の株式を追加取得し、完全子会社化。

2021年7月

㈱INCJと共同で設立した合同会社エイチ・ディ・マネジメントの相手先持分の全部を取得し、ハーモニック・ドライブ・エスイーを完全子会社化。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、JASDAQ(スタンダード)からスタンダード市場に移行。

 

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社関係会社。以下同様。)は、当社、連結子会社18社及び持分法適用会社1社の計20社で構成されており、主に減速装置とその応用製品であるメカトロニクス製品(アクチュエーター及び制御装置)を生産・販売する精密減速機事業を専ら営んでおります。
 
 当社及び当社関係会社の製品の主な地域別市場は、「日本(アジア地域含む。以下同様。)」、「北米」、「欧州」であり、当社グループは、生産・販売体制を基礎とした地域別の所在地別セグメントから構成されているため、「日本」、「北米」、「欧州」の3つを報告セグメントとしております。
 
 当社グループ各社の概要と事業内容は次のとおりであります。

名称

所在地

資本金又は
出資金

議決権の所有割合

セグメント名

事業内容

株式会社ハーモニック・
ドライブ・システムズ

東京都品川区

7,100,036

千円

当社

日本

・減速装置にモーター、センサー等を組み合わせたアクチュエーター及びコントローラーの製造、販売
・精密位置決め装置及び同システムの製造、販売
・波動歯車装置「ハーモニックドライブ®」の製造、販売及び精密遊星減速機の販売

連結子会社

エイチ・ディ・システムズ・インコーポレイテッド

米国
マサチューセッツ州ビバリー

100

千米ドル

100.0%

北米

ハーモニック・ドライブ・エルエルシーへの出資並びに減速装置及びメカトロニクス製品の調査・研究

ハーモニック・ドライブ・エルエルシー

米国
マサチューセッツ州ビバリー

6,000

千米ドル

100.0%

(100.0%)
(注)

北米

減速装置及びメカトロニクス製品の開発、製造並びに北米地域における販売

株式会社エッチ・ディ・
ロジスティクス

長野県安曇野市

10,000

千円

100.0%

日本

当社グループの物流業務等の受託

株式会社ハーモニック
プレシジョン

長野県松本市

10,000

千円

100.0%

日本

当社グループの減速装置ユニット製品の主要部品であるクロスローラーベアリングの製造、加工

株式会社ハーモニック・
エイディ

長野県安曇野市

10,000

千円

100.0%

日本

当社販売の精密遊星減速機の製造

株式会社ウィンベル

長野県駒ヶ根市

45,000

千円

100.0%

日本

各種モーターの開発、量産支援及び生産、販売

哈默納科(上海)商貿有限公司

中国
上海市

8,200

千元

100.0%

日本

減速装置及びメカトロニクス製品の販売及び技術サービス

三益ADM株式会社

韓国
大邱廣域市

5,OOO,000

千ウォン

51.0%

(51.0%)

(注)

日本

精密遊星減速機の製造

合同会社エイチ・ディ・マネジメント

東京都品川区

1,OOO

千円

100.0%

日本

ハーモニック・ドライブ・エスイーへの出資を目的とした持株会社

ハーモニック・ドライブ・エスイー及びその連結子会社8社

ドイツ国
ヘッセン州
リンブルグ

1,550

千ユーロ

100.0%
(63.2%)
(注)

欧州

減速装置及びメカトロニクス製品の開発、製造、並びに欧州・中近東・アフリカ・インド・南米地域における販売

持分法適用会社

青梅鋳造株式会社

東京都西多摩郡

60,000

千円

49.2%

日本

高強度鋳鉄を中心とした鋳造製品の開発、製造、販売

 

 

(注) 議決権の所有割合の(内書)は間接所有割合を表しております。

 

(その他の関係会社)

名称

所在地

資本金又は
出資金

議決権の
所有割合

事業内容

株式会社KODENホールディングス

東京都大田区

50,000

千円

34.8%

KODENグループへの出資を目的とした持株会社

 

 

 

事業の概要図は、次のとおりであります。

 


 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金又は

出資金
 

主要な事業
の内容

議決権の所有及び

被所有割合(注3)

関係内容

所有割合

(%)

被所有割合

(%)

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 

エイチ・ディ・
システムズ・

インコーポレイテッド

米国
マサチューセッツ州ビバリー

100

千米ドル

精密減速機
(事業持株会社)

100.0

ハーモニック・ドライブ・エルエルシーへの出資を目的とした持株会社。
役員の兼任等……有

ハーモニック・
ドライブ・エルエルシー

(注)1、3、4

米国
マサチューセッツ州
ビバリー

6,000

千米ドル

精密減速機
(製造・販売)

100.0

(100.0)

ハーモニックドライブ®及びメカトロニクス製品を開発、製造し、北米地域で販売している。
役員の兼任等……無

(株)エッチ・ディ・
ロジスティクス

長野県安曇野市

10,000

千円

精密減速機
(物流)

100.0

当社の出荷業務等を請負っている。
役員の兼任等……無

(株)ハーモニック
プレシジョン
(注)1

長野県松本市

10,000

千円

精密減速機
(部品加工)

100.0

当社精密減速機ユニットの主要部品であるクロスローラーベアリングの製造及び加工請負を行っている。
役員の兼任等……無

(株)ハーモニック・
エイディ
(注)1

長野県安曇野市

10,000

千円

精密減速機
(遊星減速機の製造)

100.0

当社が販売する精密遊星減速機を製造し、当社に納入している。
役員の兼任等……有

(株)ウィンベル

(注)6

長野県駒ヶ根市

45,000

千円

精密減速機
(開発、製造、販売)

100.0

各種モーターの開発、製造等における協業関係。
役員の兼任等……有

哈默納科(上海)商貿有限公司

中国
上海市

8,200

千元

精密減速機
(販売)

100.0

当社から当社製品を輸入し中国で販売及び技術サービスを行っている。
役員の兼任等……無

三益ADM(株)

(注)3

韓国
大邱廣域市

5,000,000

千ウォン

精密遊星減速機
(製造)

51.0

(51.0)

精密遊星減速機を製造し、主に韓国の代理店に販売している。
役員の兼任等……有

合同会社エイチ・ディ・マネジメント
(注)1

東京都品川区

1,000

千円

精密減速機

(持株会社)

100.0

ハーモニック・ドライブ・エスイーへの出資を目的とした持株会社。
役員の兼任等……有

ハーモニック・
ドライブ・エスイー
(注)3、5

ドイツ国・
ヘッセン州
リンブルグ

1,550

    千ユーロ

    

精密減速機
(製造、販売)

100.0
(63.2)

ハーモニックドライブ®及びメカトロニクス製品を開発、製造し、欧州・中近東・アフリカ・インド・南米地域で販売している。
役員の兼任等……有

その他8社

 

 

 

 

 

 

(持分法適用会社)
青梅鋳造(株)

東京都西多摩郡

60,000

千円

精密減速機
(部品加工)

49.2

高強度鋳鉄材料の開発・応用・製造等における協業関係。
役員の兼任等……無

(その他の関係会社)
(株)KODENホールディングス

東京都大田区

50,000

千円

電子機器の
製造、販売
(持株会社)

34.8

当社との取引は無い。
役員の兼任等……有

 

 

(注) 1.特定子会社であります。

2.上記の会社はいずれも有価証券届出書又は有価証券報告書を提出しておりません。

3.議決権の所有及び被所有割合の(内書)は間接所有であります。

4.ハーモニック・ドライブ・エルエルシーについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。ただし、最近連結会計年度におけるセグメント情報の北米セグメントの売上高に占める当該連結子会社の売上高(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む。)の割合が90%を超えておりますので主要な損益情報等の記載を省略しております。

5.ハーモニック・ドライブ・エスイーについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。ただし、最近連結会計年度におけるセグメント情報の欧州セグメントの売上高に占める当該連結子会社の売上高(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む。)の割合が90%を超えておりますので主要な損益情報等の記載を省略しております。

6.株式会社ウィンベルは2023年4月1日付で株式会社ハーモニックウィンベルに社名変更いたしました。

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

2023年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

日本

621

384 〕

北米

197

2 〕

欧州

377

21 〕

全社(共通)

129

14 〕

合計

1,324

〔 421 〕

 

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、嘱託及び臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.全社(共通)は、当社の基礎的研究部門、総務・経理部門等の管理部門の従業員であります。

3 当連結会計年度の従業員の増加の主な理由は、業務拡大に伴う採用によるものであります。

 

 

(2) 提出会社の状況

2023年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

490

〔 156 〕

41.8

14.4

7,727,941

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

日本

361

〔 142 〕

全社(共通)

129

〔 14 〕

合計

490

〔 156 〕

 

 

(注) 1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であり、嘱託及び臨時従業員数は〔 〕内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)は、基礎的研究部門、総務・経理部門等の管理部門の従業員であります。

 

 

(3) 労働組合の状況

提出会社には労働組合が組織されており、JAM HDS労働組合と称し、産業別組合であるJAMに属し、組合員数は2023年3月31日現在310名であります。また、連結子会社である株式会社ハーモニック・エイディにも、提出会社と同一の産業別組合に属する労働組合が組織されております。

その他の連結子会社には労働組合は組織されておりません。なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

2023年3月31日現在

管理職に占める

女性労働者の割合(%)(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

2.4

56.3

70.8

74.7

91.4

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したも

     のであります。

  2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の

    規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」

    (平成3年労働省第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

②連結子会社

2023年3月31日現在

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

株式会社ハーモニック プレシジョン

11.1

16.7

75.3

76.9

89.1

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したも

     のであります。

  2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の

    規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」

       (平成3年労働省第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、以下の経営理念のもと、経営を遂行しております。

① 個人の尊重

当社は、社員一人一人の権利を尊重し、個人が意義のある文化的な人生と、生き甲斐を追求できる企業でありたい。一人一人の向上心を信じ、自立的な活動を援助し、仕事を通して能力が最大限に発揮できる環境を作り、能力や業績に報う企業とする。

② 存在意義のある企業

当社は、存在意義のある、優れた企業として認められることを望む。独創性を発揮し、個性と特徴をもち、経営の基盤を、絶えることのない研究開発活動と品質優先に置く経営を貫く。全ての組織が全力を尽くすことに生き甲斐を感ずる企業とする。

③ 共存共栄

当社は、社員、顧客、株主、材料部品の購入先、協力会社、取引先などの多くの人々に支えられている。当社は、これら関係者の全てに満足してもらえるように魅力ある製品、サービス、報酬、環境、取引関係を作り上げるよう最善の努力を払う。

④ 社会への貢献

当社は、社会の良き一員として企業活動を通じ、広く社会や産業界に貢献して行く。我々が提供する製品やサービスが、直接的間接的に広く社会の向上に役立ち、属する地域社会の環境や質の向上に役立つ企業を目指す。

 

 

 (2)当社グループの事業と製品

当社グループは、トータル・モーション・コントロールを提供する技術・技能集団として、技術者・技能者という人的資源を中核に、トータル・モーション・コントロールを構成するコア技術を高度に応用することによって、お客様が求める“動き”の実現に貢献できる製品を提供しております。
 当社グループでは、ハーモニックドライブ®、アキュドライブ®、ハーモニックプラネタリ®といった高精度減速機に、モーター、センサーなどを組み合わせたアクチュエーター、さらにはその性能を引き出すドライバー、コントローラー、その他システム要素を組み合わせ、他社製品とは差別化された高付加価値製品を提供しております。
 

 

 (3)当社グループの強みや特長

① 波動歯車装置に係る技術・技能の蓄積

当社グループは、波動歯車装置との運命的な出会いを契機に、創業以来50年以上にわたって無限に広がるこの減速装置の可能性を追求してきました。これまでに蓄積した開発技術、生産技術、加工・組立の技能、生産システムは、当社グループのかけがえのない財産であり、最大の強みと考えております。

② 小型・軽量・高精度を提供する製品群

当社グループが製造・販売するメカトロニクス製品と減速装置は、高度なモーション・コントロールや各種装置のコンパクト化・軽量化を求めるお客様にご採用いただいております。なかでも、小型、軽量、高精度を特長とするハーモニックドライブ®は、自動車、デジタル機器、半導体ウェハー、フラットパネルディスプレイなどの製造工程で使われる産業用ロボットの関節部に組み込まれ、世界市場で高いシェアを獲得しています。さらに、工作機械、計測試験装置、人工衛星、先進医療機器、車載などの幅広い用途において、他の機構では実現の難しい差別化された付加価値を提供しています。

③ 「トータル・モーション・コントロール」の提供を可能とするコア技術

当社グループは、減速機のほか、モーター、センサー、ドライバー、コントローラー、その他システム要素に関する研究開発とものづくりを通じて、これらの技術・技能を蓄積してきました。このようにして培ったコア技術に係る有形・無形の技術と技能は、お客様が求める高度なモーション・コントロールを提供するために不可欠なものであり、当社グループの競争力の源泉と考えております。

④ 営業・製造・開発が一体となった事業運営

当社グループは、お客様のニーズをものづくりや製品開発に生かすため、営業部門、製造部門、技術・開発部門が密接な関係をもった事業運営を行っています。例えば、長野県の安曇野市にこれらの主要部門を集中させ、引合いから技術検討、試作、受注、製造、出荷までの業務プロセスを効率的に進める体制を構築しています。お客様のニーズや技術者の発想を素早くものづくりに反映し、新たなモーション・コントロールをタイムリーに提供できる体制も当社グループの強みのひとつと考えております。

⑤ 国際的な事業展開

当社グループは、日本、米国、ドイツ、韓国、中国、台湾に事業拠点を展開し、各地域の特性に合わせた事業戦略を推進するとともに、各拠点が相互に連携しながら世界的に広がるお客様に対し最適な製品・サービスの提供を進めております。

 

 

(4)中長期的な当社グループの経営戦略

 当社グループは、現行中期経営計画(2021年度〜2023年度)に掲げた「モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する」という不変のミッションを遂行すべく、邁進してまいります。当社グループが手掛けるメカトロニクス製品、精密減速装置の市場は、EV化、手術支援ロボットなど、新たな「社会の技術革新」に大きく貢献しており、今後もその需要は拡大していきます。また、世界的な人手不足が叫ばれるなか、協働ロボットの需要増加により、中長期にわたり高い成長機会があると見込んでおります。当社はこのような成長機会を確実に取り込むための経営基盤をより強固なものにするとともに、2022年3月に策定した「サステナビリティ基本方針」に基づき、グループ一体となって持続可能な社会の実現に向け活動を推進してまいります。さらに、長期ビジョン、中期経営計画に掲げた方針に基づく戦略を実行し、攻めと守りのバランスを勘案した経営戦略を遂行することにより、中長期的な企業価値向上を図ってまいります。

 

 

■サステナビリティ基本方針

私たちは、「個人の尊重」「存在意義のある企業」「共存共栄」「社会への貢献」という4つの柱で構成された経営理念に基づき、トータル・モーション・コントロールを提供する技術・技能集団として、社会をより良くするための技術革新に貢献することで、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。

 

■当社グループのミッション

モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する
 

■長期ビジョン

~トータル・モーション・コントロールの追求~

  ・環境の変化を捉えた新技術・技能への挑戦と創出

  ・お客様の期待値を超えるQCDSの実現

  ・企業活動を通じて持続可能な社会に貢献する

 

■中期経営計画(2021年度〜2023年度)

   新たな50年に向けて~確かな成長ステージへ~
 (基本方針と戦略)

① お客様の期待値を満足させるQCDSの実現

Q:シグマゼロ:不適合・クレームゼロ

C:生産性向上、VA+VEの一層の充実

D:顧客希望納期に対するコミット

S:ER活動の充実:スピードアップ

価値ある製品の開発とサービスの強化によるRD、AD、MT事業の拡大

 RD:波動歯車装置

・次世代用途に適合していくための新技術・技能の創出と製品化

 AD:精密遊星減速機

・事業再構築による地域・各種用途に即した製品提供の拡大

 MT:メカトロニクス製品

・お客様の“やりたい”を実現し得る製品提供と課題解決力のさらなる向上

時代の要求に適合した経営基盤の構築

・持続可能な経営の推進(SDGs)

・事業拡大をけん引できる人材の育成、多様性を高める人事制度や働き方の構築

・IT強化戦略・当社独自のIoT構想実践

・成長を支える財務基盤の確立と資金調達力の強化

④ 海外グループ会社・機関との連携強化とシナジーの最大化

・各拠点の経営資源の最大活用

・海外研究機関との積極的な研究活動の維持・促進

・グローバル生産体制の確立

⑤ 固定概念にとらわれず、次の50年の新常識を創造する

・新素材、新原理、新機構、新工法への積極的な挑戦

・知能メカトロニクスの実現に向けた布石

・社会の変化に敏感な感覚と非常識を受入れる風土の醸成

 

(5)経営環境と対処すべき課題

 資源・原材料価格の高止まり、半導体の需給逼迫、為替相場の変動など、世界経済の不透明感が継続するなか、2023年度の当社グループの事業環境は、中国製造業の設備投資や半導体の設備投資に当面慎重な姿勢がみられることに加え、当社グループのお客様や代理店各社における当社製品の在庫調整に今しばらくの時間を要する見通しであることから、短期的には厳しい状況で推移することが予想されます。従いまして、厳しい事業環境に対応すべく、各事業・業務におけるムダを徹底的に排除し、効率的な経営に尽力いたします。一方で、世界的に加速している製造業における高度な自動化市場は、今後も高い成長率で伸長していく見通しに変化はありません。そのため、当社がこれまで進めてきた高い生産能力の維持とサプライチェーン体制の強化による安定した部材調達、ITの積極投資による生産性向上・業務効率の改善をさらに推し進め、さらなるQCDSの向上(製品力の向上、コスト低減、リードタイム短縮)に取り組んでまいります。加えて、営業・開発技術一体によるお客様の課題解決力向上と迅速化を推し進め、さらなる競争優位性の拡大に傾注してまいります。

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月22日)現在において、当社グループが判断したものです。

 

① 設備投資動向に関するリスク

当社グループの製品は、産業用ロボット、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置をはじめとする産業用機械の部品として販売されるものが大半でありますので、設備投資動向が当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、産業用ロボット、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置業界向けについては、スマートフォンや半導体デバイス並びにパネル市場の市況好転や製造技術の革新などにより大きな成長を遂げることがある反面、需給調整などによる予期せぬ市場の縮小が起こった場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 研究開発に関するリスク

当社グループは、モーション・コントロール分野における技術・技能集団として、研究開発部門への重点的な資源配分を実施することで、高付加価値で特長ある製品を開発し、市場投入していきます。しかしながら、研究開発への資源配分及び研究開発のための人材確保の努力を継続する一方、技術革新に追い付きお客様や市場の需要を満たす魅力的な新製品を開発できなかった場合または研究開発の成果である新製品の市場投入もしくは市場浸透が遅れた場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 品質に関するリスク

当社グループは、お客様満足の向上と市場における優位性を高めるために、ISO9001の認証取得をはじめとして、品質保証体制の強化に努めております。しかしながら、予期せぬ製品の不具合が発生することなどにより、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 外国為替の変動に関するリスク

当社グループは、米国に連結子会社2社、中国に連結子会社1社、韓国に連結子会社1社、欧州に連結子会社9社を有し、事業における積極的な国際化を推進しております。従いまして、為替変動は当社グループの事業活動に悪影響を与えることがあります。また、為替変動は、当社グループの外貨建取引に伴う収益・費用及び資産・負債の円換算額に影響を与え、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 退職給付債務に関するリスク

当社及び一部の連結子会社では、確定給付型の退職年金制度または退職一時金制度を設けておりますが、退職給付債務及び退職給付費用の計算の基礎となる条件の見直しや、年金資産の運用環境悪化等が、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、2016年12月1日より、確定給付企業年金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行しております。

⑥ 生産に関するリスク
 当社グループは、生産能力の向上及び増強に努めておりますが、生産能力が計画どおりに向上する保証はありません。また、当社グループは、生産能力を向上させるため、特に国内の工場が位置する地域において生産業務に携わる従業員を雇用する必要がありますが、当社グループがその労働力需要を満たす能力は、多くの外部要因(工場が位置する地域において適切な従業員を確保できる可能性、当該地域の失業率、給与水準及び人口動態等)に左右されます。計画どおりに生産能力が向上したとしても、お客様が求める水準またはスピードを満たすよう生産ができる保証はありません。
 他方で、当社グループの商品に対するお客様の需要が当社グループの予想を下回った場合、当社グループの生産能力が十分に活用されず、投下資本等を回収することができないか、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。
 これらの場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑦ 調達に関するリスク

当社グループは、幅広いサプライヤーから原材料、部品及び生産設備を購入しておりますが、サプライヤーの供給不足、費用増加またはその他の理由により当社グループの利用量が制限される可能性があります。原材料、部品及び生産設備の価格上昇または利用制限があった場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 ⑧ 人材の確保に関するリスク

当社グループの事業においては、事業及びノウハウに関する深い知識と高い技術を有する研究者その他の技術者を含む熟練した従業員並びに能力の高い役員を確保する必要があり、かかる従業員または役員を確保できなかった場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの人材が競合他社に流出した場合、当該人材を通じて競合他社に当社グループの技術やノウハウが漏れ、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 ⑨ 海外事業の展開に関するリスク

当社グループは、グローバルに事業を展開しているため、次のような海外事業展開に関するリスクがあります。
 ・各国の政治情勢及び経済状況の変化及び社会的混乱

・海外市場の関連産業における景気の減速または後退

各国の予期しない法律や規制の変更(移転価格問題、当社の在外子会社及び関連会社による送金その他の支払いにかかる源泉徴収その他の税金の賦課または増税等)

・各国における許認可の取得及び維持の困難性及び不確実性

・取引制限または関税の変更

・テロ、戦争、自然災害、悪天候、感染症その他の制御不能な要因

・当社グループが事業を行っている国もしくは地域と日本との間の、またはかかる国もしくは地域間の政治的、経済的関係の悪化

・各国の政府による投資制限及びその他の規制の実施または増加

・人件費の著しい増加及び賃金上昇

・労働紛争、争議行為、ゼネストまたは労働環境におけるその他の障害

・開発途上のインフラによりもたらされる予期せぬ事故(停電等)

・文化の違いやその他の要因による現地の人材及び事業の管理の困難性

・一部の国における限定的な知的財産権の保護

また、海外における事業の展開に際しては、投下資本の回収が当初の計画どおりに進まない場合があり、収益の増加よりも早く費用の増加が生じることがあります。これにより、当社グループの業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 ⑩ M&A及び事業提携等に関するリスク

当社グループは、ドイツ子会社ハーモニック・ドライブ・エスイーの買収をはじめ、様々な業務及び資本提携並びに合弁事業を行っており、適切な機会があれば、さらなる買収(M&A)や事業提携等を行う可能性があります。これらを行う際は、利益性及び投資利益率の見込みを慎重に検討しますが、実施時に見込んだ計画どおりに進捗しない可能性、シナジー効果を実現できない可能性、買収した事業を成功裏に経営できない可能性があります。これらの場合、買収や事業提携等にかかるのれんや無形固定資産の減損等を通じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 ⑪ 事業戦略の実現に関するリスク

当社グループは、良好な財政基盤を維持しつつ生産能力を増強させることを含め、事業戦略を推進しております。しかしながら、事業戦略の実現や目標の達成は様々な要因(当社グループが事業を行う地域における一般的な経済環境及び市場環境、競争や需要の水準等)に左右されるため、当社グループの事業戦略の実施が意図したとおりの効果をもたらさない可能性、実際の数値が事業計画の前提と異なる可能性、設定した目標が達成されない可能性があります。また、かかる目標が将来的にさらに変更される可能性もあります。

 

 ⑫ 競合に関するリスク

当社グループは、減速装置及びメカトロニクス製品の市場において高い市場占有率を持つ製品を多数保有しております。新規参入者により競争が激化した場合、製品の利益率の悪化や販売の機会損失の発生により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑬ 知的財産に関するリスク
特許及び商標を含む知的財産権並びに企業機密情報を含むノウハウは、当社グループにとって重要な競争力の源泉であり、その保護に努めていますが、当社グループの権利が干渉を受けた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが事業活動の中で他者の知的財産権を意図せず侵害した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 訴訟その他の法的手続きに関するリスク

当社グループの事業活動において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの責任の有無にかかわらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟等の提起を受ける可能性があります。かかる訴訟等は、とりわけ製品、環境責任及び特許権侵害の申立て等の知的財産に関する問題に関連して生じる可能性があります。これらの事象が発生した場合は、提訴内容や損害賠償額の状況及びその結果によっては当社グループの社会的信用が低下することに加え、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑮ 法令及びコンプライアンスに関するリスク

当社グループの事業活動は、貿易、反トラスト、知的財産、製造物責任、労働関連法令、コーポレート・ガバナンス、個人情報保護、環境法令、政府の許認可、課税、国家間の国家安全保障に関する法令及び国家安全保障のための輸出入の規制を含む、各国における規制の対象となっております。当社グループのリスク管理体制、コンプライアンス体制及び内部統制システムを維持する努力が効果的でないかまたは不十分である場合、当社グループは(従業員または第三者によって行われたかを問わず)不正行為または腐敗行為に関与する可能性があり、また法令を遵守していないとみなされる可能性があります。これらにより、当社グループに制裁または罰金が科せられる可能性があり、また当社グループの事業及びレピュテーションに悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、今後、法規制が強化された場合や、事業活動を展開する地域が拡大した場合、法規制への対応に追加費用を要することとなり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑯ 環境法令及び有害物質に関するリスク

当社グループの事業は、特に製造プロセスにおいて、使用、貯蔵、排出及び廃棄に厳しい規制がかかっている化学物質等の使用を伴うため、当社グループが事業を展開している国々において幅広い環境法令及び規制の対象となっております。また、当社グループは、エネルギー及び資源保護、リサイクル、地球温暖化、汚染防止、並びに環境衛生及び安全性について、様々な法令及び工業規格の対象となっております。環境法令は、今後、規制が強化される可能性があります。その場合に当社グループの一部の生産及び一部の活動が制限もしくは禁止されてしまう可能性、または是正措置命令を受け、これの実行に伴う費用、適用された環境法令に準拠するために必要となる設備投資その他の費用が相当な金額になる可能性があります。これらによって、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 ⑰ その他のリスク

当社グループだけでは避けることのできない、経済や政治環境の変化、テロ、戦争、自然災害、悪天候、感染症その他の制御不能な要因などの予期せぬ事象が発生した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大による中国でのロックダウンの影響、ウクライナ情勢の深刻化に起因する資源価格・原材料価格の高騰、世界的な半導体不足、欧米各国の利上げ政策による為替相場の急変など、先行きの不透明感が一段と強まりました。一方、当社グループの受注環境は、中国における製造業の設備投資の鈍化、最先端半導体の設備投資の一巡による新規投資の抑制などの影響を受け、お客様の需要動向懸念により、先々の注文を手控える動きがみられ、全般的に厳しい状況となりました。また、これらを主因とした受注減少に加え、お客様からの旺盛な先行発注により高水準であった前期の受注高の反動を受け、通期の連結受注高は前期比41.2%減少557億60百万円となりました。

また、前期の高水準な受注による期初の豊富な受注残高に支えられたことに加え、国内では期中において実施した有明工場の増産投資、欧米の海外拠点におきましても前期から取り組んでまいりました生産能力の増強施策が奏功し、連結売上高は、前期比25.3%増加715億27百万円となりました。

用途別の売上高の動向につきましては、産業用ロボット向けは、EV関連の設備投資拡大など高度な自動化投資に加え、慢性的な人手不足を補うための協働ロボットの需要拡大が進み、大幅に増加しました。半導体製造装置向けも、特に最先端分野において、世界的に設備投資意欲が旺盛だった影響から売上高は大幅に増加しました。また、先進医療用途(手術支援ロボット関連)は、新たなプレイヤーからの採用も含め、確実に需要が拡大し、売上高が増加しました。車載用途は、半導体不足によりお客様での生産調整は継続されているものの、売上高は徐々に増加しました

損益面につきましては、生産能力増強投資を実施したことにより、減価償却費が増加したことに加え、製造部門の増員などにより製造費用が増加しました。また、物流費高騰と増収による運送費増加に加え、研究開発費などを積み増したことにより、販売費及び一般管理費も増加しました。このように費用は増加したものの、売上高の増加による増益効果が上回ったことにより、営業利益は前期比17.0%増102億24百万円となりました。また、主に営業利益の増益に伴い、親会社株主に帰属する当期純利益も前期比14.3%増75億95百万円となりました。

なお、製品群別の売上高は、減速装置が570億円前期比20.7%増)、メカトロニクス製品が145億27百万円前期比47.5%増)で、売上高比率はそれぞれ79.7%20.3%となりました。

 

報告セグメントの業績は、以下のとおりであります。

 

(日本)

中国における新型コロナウイルス感染拡大に伴う都市封鎖(ロックダウン)の影響を受け、中国向け販売が一時的に減少したものの、生産の高度化・自動化を目的とした設備投資が積極的に行われたことにより、産業用ロボット向けの売上が増加したことに加え、半導体製造装置向けの売上も世界的に設備投資意欲が旺盛だった影響により、売上高は、前期比21.9%増加454億45百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、増収の影響により、前期比7.2%増加127億48百万円となりました。

 

(北米)

金利上昇と物価高騰の懸念はあるものの、半導体製造装置向けの需要と先進医療用途(手術支援ロボット関連)向けの需要が高水準で推移し、売上高は、前期比63.4%増加108億58百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、前期比100.5%増加14億6百万円となりました。

 

 

(欧州)

北米と同様に、金利上昇と物価高騰の懸念はあるものの、自動化投資需要が堅調に推移したことに伴い、主に産業用ロボット向けと一般産業機械向けの需要が増加し、売上高は、前期比15.6%増加152億22百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、ハーモニック・ドライブ・エスイー株式取得時に計上した無形資産に係る償却費17億6百万円の負担はあったものの、増収効果により、前期比264.2%増加6億24百万円となりました。

 

 

当連結会計年度における財政状態は、以下のとおりです。

総資産は、前連結会計年度末と比較して、設備投資の実行により有形固定資産が49億59百万円増加(前期比11.3%増)したこと、商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品が30億97百万円増加(前期比32.9%増)したことに加え、増収に伴い受取手形及び売掛金が19億88百万円増加(前期比12.8%増)したこと等により、110億46百万円増加前期比7.7%増)し、1,543億36百万円となりました。

負債は、前連結会計年度末と比較して、未払法人税等が15億57百万円減少(前期比59.8%減)した一方で、設備投資と自己株式取得の資金調達等を目的とした借入金が60億58百万円増加(前期比35.9%増)したこと等により、59億46百万円増加前期比13.4%増)し、503億80百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末と比較して、為替変動の影響により為替換算調整勘定が43億92百万円増加(前期比117.0%増)したことに加え、利益剰余金の増加と自己株式取得の影響により株主資本合計が5億63百万円増加(前期末比0.6%増)したこと等により、50億99百万円増加前期比5.2%増)し、1,039億55百万円となりました。

 この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の69.0%から67.4%になりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて11億54百万円増加し、199億21百万円となりました。
 当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による収入は108億50百万円となりました。(前連結会計年度は98億81百万円の収入

 これは、税金等調整前当期純利益を101億94百万円、減価償却費を85億20百万円計上した一方で、棚卸資産が25億40百万円、売上債権が16億36百万円増加したことが主な要因です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による支出は86億63百万円となりました。(前連結会計年度は47億3百万円の支出

 これは、生産能力拡大のため有形固定資産の取得による支出が88億38百万円あったことが主な要因です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による支出は15億99百万円となりました。(前連結会計年度は66億63百万円の支出

 これは、自己株式取得の資金調達等を目的とした短期借入による収入が99億10百万円、設備投資を目的とした長期借入による収入が60億円あった一方で、自己株式の取得による支出が50億円、配当金の支払いが21億5百万円あったことが主な要因です。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

日本

減速装置

45,108,210

25.5

メカトロニクス製品

7,243,055

34.1

北米

減速装置

3,840,421

44.2

メカトロニクス製品

4,427,954

118.4

欧州

減速装置

10,560,484

24.8

メカトロニクス製品

3,187,389

32.7

合 計

74,367,516

30.7

 

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記金額は販売価格により表示し、消費税等は含まれておりません。

3.当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。

4.当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。

5.磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ウィンベルの生産実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高
(千円)

前期比
(%)

受注残高
(千円)

前期比
(%)

日本

減速装置

20,632,342

△65.5

7,466,530

△76.2

メカトロニクス製品

4,288,639

△22.2

1,764,750

△23.5

北米

減速装置

5,654,062

△12.5

5,062,511

26.2

メカトロニクス製品

7,175,533

4.9

7,303,186

37.3

欧州

減速装置

13,136,250

8.4

6,926,061

36.1

メカトロニクス製品

4,873,594

16.8

3,051,308

38.4

合 計

55,760,423

△41.2

31,574,349

△37.3

 

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。

4.当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。

5.磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ウィンベルの受注実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。

6.受注残高は、当連結会計年度において日本セグメントを中心に発生した4,304,678千円の受注取り消し額を差し引いております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

日本

減速装置

40,833,118

21.2

メカトロニクス製品

4,612,860

29.1

北米

減速装置

5,058,209

37.3

メカトロニクス製品

5,800,262

96.0

欧州

減速装置

11,108,709

12.8

メカトロニクス製品

4,114,154

24.0

合 計

71,527,316

25.3

 

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社羽根田商会

5,748,575

10.1

8,800,059

12.3

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。

5.当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。

6.磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ウィンベルの販売実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月22日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(繰延税金資産)
 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得の発生時期及びその金額を合理的に見積もり、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、経営者が見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の繰延税金資産が減額され税金費用が増加する可能性があります。
 
 (固定資産の減損処理)
 当社グループは、固定資産について減損の兆候の有無に係る判定を行い、認識及び測定のプロセスを経た上で、減損が必要と認められる固定資産については帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、当該資産の耐用年数、将来の使用目処、将来キャッシュ・フロー、割引率の設定などにおいて、経営者の判断や見積もりを用いておりますが、今後の事業計画や市場環境の変化により、当該見積りや判断の前提条件や仮定に変更が生じた場合には減損処理が必要となることがあり、翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

 

 

② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析

a. 財政状態

 (流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて63億2百万円増加前期比13.7%増)し、521億75百万円となりました。これは、商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品が30億97百万円増加(前期比32.9%増)したことに加え、受取手形及び売掛金が19億88百万円増加(前期比12.8%増)したことが主な要因です。
 

 (固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末に比べて47億43百万円増加前期比4.9%増)し、1,021億60百万円となりました。これは、生産能力増強投資の実行により有形固定資産が49億59百万円増加(前期比11.3%増)したことが主な要因です。

 この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて110億46百万円増加前期比7.7%増)し、1,543億36百万円となりました。

 

 (流動負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて23億40百万円増加前期比16.6%増)し、164億67百万円となりました。これは、未払法人税等が15億57百万円減少(前期比59.8%減)した一方で、自己株式取得等を目的とした借入金が29億9百万円増加(前期比128.2%増)、その他の流動負債が9億76百万円増加(前期比33.3%増)したことが主な要因です。

 

 (固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末に比べて36億6百万円増加前期比11.9%増)し、339億13百万円となりました。これは、設備投資を目的とした長期借入金が31億49百万円増加(前期比21.5%増)したことが主な要因です。

 この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて59億46百万円増加前期比13.4%増)し、503億80百万円となりました。

 

 (純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて50億99百万円増加前期比5.2%増)し、1,039億55百万円となりました。これは、為替換算調整勘定が43億92百万円増加(前期比117.0%増)したことに加え、利益剰余金の増加と自己株式取得の影響により株主資本合計が5億63百万円増加(前期比0.6%増)したことが主な要因です。

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の69.0%から67.4%になりました。

 

 

 

b. 流動性および資金の源泉

 (キャッシュ・フロー)

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 (資金需要)

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料の購入や外注加工費の支払いのほか、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用に係るものです。また、当社グループの研究開発費は研究開発に携わる従業員の人件費が主要な部分を占めております。

設備投資、M&Aなどに係る投資資金需要に対しましては、自己資金の充当を優先した上で、不足する資金については直接金融、間接金融など多面的な調達方法を検討し実行いたします。なお、当連結会計年度における設備投資のうち主なものは、工作機械等の製造装置、各種検査装置、切削工具、治具の取得などでありますが、これらへの投資にあたっては、有形・無形固定資産の購入とする方法と、リース取引による方法とを併用しております。

 

c. 経営成績

 (売上高)

売上高は、前連結会計年度に比べて144億39百万円増加前期比25.3%増)し、715億27百万円となりました。これは、前期の高水準な受注による期初の豊富な受注残高に支えられたことに加え、国内では期中において実施した有明工場の増産投資、欧米の海外拠点におきましても前期から取り組んでまいりました生産能力の増強施策が奏功したことによるものです。

 

 (営業利益)

営業利益は、前連結会計年度に比べて14億85百万円増加前期比17.0%増)し、102億24百万円となりました。これは、生産能力増強投資を実施したことにより減価償却費が増加したこと、製造部門の増員などにより製造費が増加したこと、物流費高騰と増収による運送費が増加したことに加え、研究開発費などを積み増したことにより販売費及び一般管理費も増加したものの、売上高の増加による増益効果が上回ったことによるものです。

 

 (営業外損益)

営業外収益は、前連結会計年度に比べて1億79百万円増加前期比21.4%増)し、10億16百万円となりました。これは、円高の影響を受け為替差益が2億75百万円発生したことが主な要因です。

営業外費用は、前連結会計年度に比べて15百万円増加前期比3.2%増)し、4億84百万円となりました。これは、支払利息が1億66百万円、賃貸費用が1億44百万円、自己株式取得費用が1億16百万円発生したことが主な要因です。

 これらの結果、経常利益は前連結会計年度に比べて16億49百万円増加前期比18.1%増)し、107億57百万円となりました。

 

 (特別損益)

特別利益は、前連結会計年度に比べて20百万円減少前期比83.9%減)し、3百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べて4億45百万円増加前期比368.3%増)し、5億67百万円となりました。

 

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて9億52百万円増加前期比14.3%増)し、75億95百万円となりました。

 

d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、目標とする経営指標を売上高営業利益率:20%以上、自己資本当期純利益率(ROE):10%以上としております。また、2021年度を初年度とする中期経営計画(2021-2023年度)において、2023年度における財務目標を連結売上高 700億円、売上高営業利益率 21.4%、ROE10%以上と掲げております。2年目である当連結会計年度の実績(連結売上高715億27百万円、売上高営業利益率14.3%)は、売上高営業利益率は未達となりましたが、連結売上高は前期の高水準な受注に支えられ、目標を上回るものとなりました。最終年度である2023年度は、世界経済の不透明感があり、お客様や代理店各社における当社製品の在庫調整が終了するまでは厳しい状況が続くものと予測しておりますが、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、世界的に加速している製造業における高度な自動化市場が、今後も高い成長率で伸長していく見通しに変化はございません。今後の成長拡大に向けて、2023年度を最終年度とした中期経営計画の達成に向けて取り組みを進めてまいります。

連結売上高、連結営業利益、ROEの過去5年間の推移は以下のとおりです。

 

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

連結売上高

678億9百万円

374億87百万円

370億34百万円

570億87百万円

715億27百万円

売上高営業利益率

24.5%

△0.5%

2.3%

15.3%

14.3%

ROE

11.2%

△1.1%

0.7%

6.6%

7.5%

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社

2023年3月31日現在

事業所名
(所在地)

セグ
メント
の名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業
員数
(名)

建物
及び
構築物

機械装置
及び
運搬具

土地
(面積
千㎡)

リース
資産

その他

合計

穂高工場・有明工場
(長野県安曇野市穂高)

精密
減速機
事業
(日本)

減速装置及び
メカトロニクス
製品の生産設備

9,948,866

11,917,553

1,132,781

( 109 )

1,400,899

2,810,567

27,210,667

366

〔128〕

本社及び営業所
(東京都品川区、他)

同上

管理及び
販売設備

16,051

724

2,184

18,960

55

〔5〕

旧松本工場
(長野県安曇野市豊科)

賃貸建物、
構築物及び用地、他

147,303

0

49,168

( 11 )

27,063

223,535

〔2〕

松本工場
(長野県松本市大字和田、他)

賃貸建物、
構築物及び用地、他

5,685,151

105,423

1,097,949

( 38 )

15,876

6,904,402

24

〔11〕

駒ヶ根工場
(長野県駒ヶ根市赤穂)

賃貸建物、
構築物及び用地、他

603,866

46,958

64,562

( 5 )

43,431

758,818

16

〔10〕

 

 

 

(2) 国内子会社

2023年3月31日現在

会社名

事業所名
(所在地)

セグ
メント

の名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業
員数
(名)

建物
及び
構築物

機械装置
及び
運搬具

土地
(面積
千㎡)

リース
資産

その他

合計

㈱ハーモ
ニック
プレシジ
ョン

本社
(長野県
松本市
大字和田)

精密減速
機事業
(日本)

減速装置
部品の
生産設備

216,969

969,101

221,891

13,473

1,421,435

100

〔163〕

㈱ハーモ
ニック・
エイディ

本社
(長野県
安曇野市
豊科)

同上

遊星減速
装置の
生産設備

24,407

660,062

10,914

55,866

751,251

40

〔11〕

㈱ウィンベル

本社
(長野県
駒ヶ根市
赤穂)

同上

モーターの
生産設備

40,289

11,211

58,388

( 6 )

2,102

661

112,653

56

〔―〕

 

 

 

(3) 在外子会社

2023年3月31日現在

会社名

事業所名
(所在地)

セグ
メント

の名称

設備の

内容

帳簿価額(千円)

従業
員数
(名)

建物
及び
構築物

機械装置
及び
運搬具

土地
(面積
千㎡)

リース
資産

その他

合計

エイチ・
ディ・シ
ステムズ
・インコ
ーポレイ
テッド

本社
(米国マサチューセッツ州
ビバリー)

精密

減速機

事業
(北米)

減速装置及びメカトロニクス製品の生産設備

1,957,812

1,694,178

932,765

( 31 )

80,965

1,304,609

5,970,331

197

〔2〕

哈默納科(上海)商貿有限公司

本社
(中国
上海市)

精密

減速機

事業
(日本)

メカトロニクス製品及び減速装置の販売及び技術サービス

6,243

36,533

42,777

29

〔―〕

三益ADM㈱

本社
(韓国
大邱廣域市)

同上

遊星減速
装置の
生産設備

1,556

12,061

13,617

16

〔―〕

ハーモニック・ドライブ・エスイー

本社
(ドイツ国ヘッセン州リンブルグ)

精密

減速機

事業
(欧州)

減速装置及びメカトロニクス製品の生産設備

782,351

1,934,537

2,423,184

755,375

5,895,450

377

〔21〕

 

 

(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具器具備品、建設仮勘定及び無形固定資産の合計であります。

2.帳簿価額は減損損失計上後の金額であります。減損損失の内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」に記載のとおりであります。

3.従業員数の〔 〕は、嘱託及び臨時従業員数を外数で記載しております。

4.旧松本工場の建物、構築物及び土地は、子会社である㈱ハーモニック・エイディに貸与しております。

5.松本臨空工業団地の土地の一部は、子会社である㈱ハーモニック プレシジョンに工場用地として貸与しております。

6.駒ヶ根工場の建物、構築物及び土地は、子会社である㈱ウィンベルに貸与しております。

7.エイチ・ディ・システムズ・インコーポレイテッドの状況については、その子会社であるハーモニック・ドライブ・エルエルシーの状況を含めて表示しております。

8.ハーモニック・ドライブ・エスイーの状況については、その連結子会社8社の状況を含めて表示しております。

9.上記の他、連結会社以外からの賃借及びリース設備として、以下のものがあります。

① 提出会社

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

賃借料又はリース料

穂高工場
(長野県安曇野市穂高)

精密減速機
事業(日本)

生産用機械及び付属システム等

年間リース料

55,792千円

穂高工場
(長野県安曇野市穂高)

同上

生産用機械及び付属システム等

年間賃借料

12,065千円

本社及び営業所
(東京都品川区、他)

同上

事務所

年間賃借料

73,707千円

 

 

 

② 国内子会社

会社名

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

賃借料又は
リース料

 

㈱ハーモニック 
プレシジョン

本社
(長野県
松本市大字和田)

精密減速機
事業
(日本)

生産用機械及び付属システム等

年間リース料

297,055千円

事務所

年間賃借料

250千円

㈱ハーモニック
・エイディ

本社
(長野県
安曇野市豊科)

同上

生産用機械及び付属システム等

年間リース料

7,029千円

電子計算機及びその周辺機器

年間リース料

446千円

㈱ウィンベル

本社
(長野県
駒ヶ根市赤穂)

同上

生産用機械及び付属システム等

年間リース料

78千円

生産用機械及び付属システム等

年間賃借料

339千円

電子計算機及びその周辺機器

年間リース料

2,927千円

 

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

356,400,000

356,400,000

 

 

② 【発行済株式】

種類

当事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月22日)

上場金融商品取引所名
又は登録認可金融商品
取引業協会名

内容

普通株式

96,315,400

96,315,400

東京証券取引所
スタンダード市場

単元株式数は100株であります。

96,315,400

96,315,400

 

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
 
(千円)

資本金残高
 
(千円)

資本準備金
増減額
(千円)

資本準備金
残高
(千円)

2018年1月29日
(注)1

1,566,100

96,315,400

5,489,493

7,100,036

5,489,493

9,697,431

 

 

(注)1 有償一般募集

発行価格   7,322.0円

発行価額   7,010.4円

資本金組入額 3,505.2円

 

 

(5) 【所有者別状況】

  2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

16

22

107

288

22

7,420

7,875

所有株式数
(単元)

142,308

15,218

418,483

271,165

28,465

87,376

963,015

13,900

所有株式数
の割合(%)

14.78

1.58

43.45

28.16

2.96

9.07

100.00

 

 

(注)1. 証券保管振替機構名義の株式はありません。

 2. 自己株式1,251,002株は「個人その他」に12,510単元、「単元未満株式の状況」に2株含まれております。

 

 

 

(6) 【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住     所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数の
割合(%)

株式会社KODENホールディングス

東京都大田区多摩川2丁目13-24

33,490,700

35.22

SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人:香港上海銀行東京支店 カストディ業務部)

ONE LINCOLN STREET, BOSTON MA USA 02111(東京都中央区日本橋3丁目11-1)

6,436,296

6.77

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2丁目11番3号

4,576,300

4.81

トヨタ自動車株式会社

愛知県豊田市トヨタ町1番地

4,379,400

4.60

伊藤 典光

東京都港区

3,041,600

3.19

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1丁目8-12

2,970,100

3.12

管理信託(A030)受託者 株式会社SMBC信託銀行

東京都千代田区丸の内1丁目3-2

2,176,800

2.28

野村信託銀行株式会社(信託口)

東京都千代田区大手町2丁目2-2

2,000,000

2.10

J.P.MORGAN BANK LUXEMBOURG S.A. 381572(常任代理人:株式会社みずほ銀行決済営業部)

EUROPEAN BANK AND BUSINESS CENTER 6, ROUTE DE TREVES, L-2633 SENNINGERBERG, LUXEMBOURG(東京都港区港南2丁目15-1)

1,786,000

1.87

STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234(常任代理人:株式会社みずほ銀行決済営業部)

1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171,U.S.A.(東京都港区港南2丁目15-1)

1,223,500

1.28

62,080,696

65.30

 

 

(注)1 上記の他当社所有の自己株式1,251,002株があります。

 2 次の法人から、2022年12月22日現在で、4社連名により6,974,650株を所有している旨記載の変更報告書が提出されておりますが、2023年3月31日現在における当該法人名義の実質所有株式数の確認ができませんので、上記「大株主の状況」には含めておりません。
1)キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー
  (Capital Research and Management Company)
2)キャピタル・インターナショナル株式会社
3)キャピタル・インターナショナル・インク

     (Capital International Inc.)

 4)キャピタル・インターナショナル・エス・エイ・アール・エル

        (Capital International Sarl)

 3 次の法人から、2023年2月7日現在で、2社連名により7,487,900株を所有している旨記載の変更報告書が提出されておりますが、2023年3月31日現在における当該法人名義の実質所有株式数の確認ができませんので、上記「大株主の状況」には含めておりません。
1)ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社
2)ティー・ロウ・プライス・アソシエイツ,インク

     (T.Rowe Price Associates,Inc.)

 

 

 

 

①【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

19,901,290

20,783,570

 

 

受取手形

6,963,283

7,408,386

 

 

売掛金

8,621,584

10,165,121

 

 

有価証券

27,616

28,840

 

 

商品及び製品

1,146,401

2,014,249

 

 

仕掛品

3,883,587

3,658,753

 

 

原材料及び貯蔵品

4,374,176

6,828,695

 

 

その他

976,918

1,307,220

 

 

貸倒引当金

22,146

19,356

 

 

流動資産合計

45,872,713

52,175,480

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物

※2 26,804,118

※2 27,102,635

 

 

 

 

減価償却累計額

7,124,971

7,679,564

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

19,679,146

19,423,071

 

 

 

機械装置及び運搬具

33,349,565

41,046,656

 

 

 

 

減価償却累計額

19,281,112

23,709,576

 

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

14,068,453

17,337,080

 

 

 

工具、器具及び備品

8,080,872

9,579,522

 

 

 

 

減価償却累計額

6,492,005

7,735,852

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

1,588,866

1,843,670

 

 

 

土地

※2,※4 3,207,177

※2,※4 3,329,452

 

 

 

リース資産

5,298,778

6,253,972

 

 

 

 

減価償却累計額

1,477,527

2,100,357

 

 

 

 

リース資産(純額)

3,821,250

4,153,614

 

 

 

建設仮勘定

1,545,561

2,766,545

 

 

 

その他

844,931

821,282

 

 

 

 

減価償却累計額

787,784

747,867

 

 

 

 

その他(純額)

57,146

73,415

 

 

 

有形固定資産合計

43,967,603

48,926,847

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

のれん

15,336,072

15,258,139

 

 

 

ソフトウエア

250,811

191,453

 

 

 

顧客関係資産

19,589,451

19,489,904

 

 

 

技術資産

5,232,055

5,205,468

 

 

 

その他

27,468

187,939

 

 

 

無形固定資産合計

40,435,860

40,332,904

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

11,129,188

11,044,878

 

 

 

関係会社株式

※1 90,821

※1 89,956

 

 

 

退職給付に係る資産

1,207,717

1,191,060

 

 

 

繰延税金資産

454,910

439,351

 

 

 

その他

136,704

141,366

 

 

 

貸倒引当金

5,600

5,600

 

 

 

投資その他の資産合計

13,013,742

12,901,013

 

 

固定資産合計

97,417,205

102,160,765

 

資産合計

143,289,918

154,336,246

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

3,856,847

3,596,434

 

 

契約負債

284,221

267,842

 

 

短期借入金

327,135

2,610,183

 

 

1年内返済予定の長期借入金

※2 1,942,662

※2 2,569,064

 

 

リース債務

471,703

583,255

 

 

未払法人税等

2,604,300

1,046,412

 

 

賞与引当金

1,342,333

1,471,732

 

 

役員賞与引当金

305,941

351,669

 

 

製品補償損失引当金

62,294

64,009

 

 

その他

2,929,949

3,906,913

 

 

流動負債合計

14,127,390

16,467,518

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

※2 14,617,513

※2 17,766,840

 

 

リース債務

3,548,469

3,836,603

 

 

繰延税金負債

9,938,302

10,003,116

 

 

役員退職慰労引当金

490,413

12,000

 

 

執行役員退職慰労引当金

129,193

80,260

 

 

退職給付に係る負債

1,009,659

750,593

 

 

その他

572,673

1,463,654

 

 

固定負債合計

30,306,225

33,913,069

 

負債合計

44,433,616

50,380,587

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

7,100,036

7,100,036

 

 

資本剰余金

22,762,168

22,773,595

 

 

利益剰余金

59,361,329

64,852,655

 

 

自己株式

38,897

4,978,535

 

 

株主資本合計

89,184,636

89,747,751

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

5,911,738

5,845,310

 

 

為替換算調整勘定

3,753,287

8,146,088

 

 

退職給付に係る調整累計額

6,640

216,507

 

 

その他の包括利益累計額合計

9,671,666

14,207,906

 

純資産合計

98,856,302

103,955,658

負債純資産合計

143,289,918

154,336,246

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 57,087,914

※1 71,527,316

売上原価

※3 34,661,874

※3 45,741,012

売上総利益

22,426,040

25,786,304

販売費及び一般管理費

※2,※3 13,686,314

※2,※3 15,561,495

営業利益

8,739,726

10,224,808

営業外収益

 

 

 

受取利息

12,979

14,951

 

受取配当金

264,278

268,412

 

為替差益

275,886

 

補助金収入

261,404

245,089

 

その他

298,725

212,596

 

営業外収益合計

837,388

1,016,936

営業外費用

 

 

 

自己株式取得費用

116,897

 

支払利息

138,182

166,982

 

売上割引

10,091

 

持分法による投資損失

5,404

865

 

為替差損

44,280

 

賃貸費用

167,317

144,211

 

その他

103,595

55,059

 

営業外費用合計

468,870

484,015

経常利益

9,108,243

10,757,728

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

※4 2,848

※4 1,922

 

投資有価証券売却益

21,579

 

補助金収入

2,000

 

特別利益合計

24,427

3,922

特別損失

 

 

 

固定資産売却損

※5 761

 

減損損失

※6 54,724

 

固定資産除却損

※7 47,125

※7 63,496

 

固定資産圧縮損

2,000

 

特別退職金

1,792

 

役員退職特別加算金

16,690

501,537

 

特別損失合計

121,093

567,034

税金等調整前当期純利益

9,011,578

10,194,617

法人税、住民税及び事業税

3,048,895

3,089,772

法人税等調整額

754,364

491,084

法人税等合計

2,294,531

2,598,688

当期純利益

6,717,047

7,595,928

非支配株主に帰属する当期純利益

73,154

親会社株主に帰属する当期純利益

6,643,893

7,595,928

 

1 報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分を決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象になっているものであります。
 当社は、主に精密減速装置とその応用製品である精密アクチュエーター及び制御装置を生産・販売しており、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでいるため、事業の種類別セグメントは単一であります。
 また、当社の製品の主な地域別市場は、「日本(アジア地域含む。以下同様。)」、「北米」、「欧州」であります。「日本」は、国内の当社を含む子会社・関連会社とアジア地域の現地法人である子会社が、「北米」は、現地法人である子会社が、「欧州」は、現地法人である子会社が、それぞれ生産・販売を担当しております。
 従いまして、当社は、生産・販売体制を基礎とした地域別の所在地別セグメントから構成されており、「日本」、「北米」、「欧州」の3つを報告セグメントとしております。

 

①【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

8,029,536

7,743,620

 

 

受取手形

83,989

31,780

 

 

電子記録債権

6,684,000

7,151,507

 

 

売掛金

※1 7,167,969

※1 8,090,662

 

 

商品及び製品

214,270

290,236

 

 

仕掛品

2,373,159

1,672,755

 

 

原材料及び貯蔵品

1,746,843

2,496,813

 

 

前払費用

125,994

176,422

 

 

その他

※1 836,721

※1 375,544

 

 

貸倒引当金

176,220

 

 

流動資産合計

27,086,263

28,029,342

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

20,941,341

21,618,535

 

 

 

 

減価償却累計額

5,224,856

6,127,027

 

 

 

 

建物(純額)

15,716,484

15,491,507

 

 

 

構築物

1,583,393

1,602,825

 

 

 

 

減価償却累計額

596,042

693,092

 

 

 

 

構築物(純額)

987,350

909,732

 

 

 

機械及び装置

17,777,088

23,038,918

 

 

 

 

減価償却累計額

8,957,014

10,969,330

 

 

 

 

機械及び装置(純額)

8,820,074

12,069,587

 

 

 

車両運搬具

2,269

2,686

 

 

 

 

減価償却累計額

2,269

2,338

 

 

 

 

車両運搬具(純額)

0

347

 

 

 

工具、器具及び備品

5,784,444

6,989,827

 

 

 

 

減価償却累計額

4,982,306

5,983,380

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

802,138

1,006,446

 

 

 

土地

※3 2,346,461

※3 2,344,461

 

 

 

リース資産

1,536,286

2,103,828

 

 

 

 

減価償却累計額

461,167

702,205

 

 

 

 

リース資産(純額)

1,075,118

1,401,623

 

 

 

建設仮勘定

868,010

1,582,512

 

 

 

有形固定資産合計

30,615,638

34,806,219

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

184,336

133,069

 

 

 

その他

15,740

177,095

 

 

 

無形固定資産合計

200,077

310,164

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

11,129,188

11,044,878

 

 

 

関係会社株式

8,939,548

8,939,548

 

 

 

関係会社出資金

34,148,233

34,148,233

 

 

 

関係会社長期貸付金

2,361,603

2,439,854

 

 

 

前払年金費用

1,061,425

1,114,728

 

 

 

敷金及び保証金

41,600

41,927

 

 

 

その他

18,604

19,490

 

 

 

貸倒引当金

5,600

5,600

 

 

 

投資その他の資産合計

57,694,604

57,743,061

 

 

固定資産合計

88,510,319

92,859,446

 

資産合計

115,596,583

120,888,788

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形

1,698,102

1,692,920

 

 

買掛金

※1 2,530,248

※1 1,986,935

 

 

短期借入金

1,776,428

4,376,428

 

 

リース債務

187,476

264,184

 

 

未払金

※1 974,918

※1 1,142,183

 

 

未払費用

383,937

396,248

 

 

未払法人税等

2,213,208

883,951

 

 

契約負債

137,928

85,764

 

 

預り金

42,109

45,344

 

 

賞与引当金

1,008,541

1,018,953

 

 

役員賞与引当金

246,936

254,635

 

 

製品補償損失引当金

27,880

21,753

 

 

設備関係支払手形

340,163

1,021,213

 

 

その他

69,236

16,863

 

 

流動負債合計

11,637,115

13,207,379

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

13,818,573

17,142,145

 

 

役員退職慰労引当金

490,413

 

 

執行役員退職慰労引当金

129,193

80,260

 

 

リース債務

892,407

1,147,726

 

 

長期未払金

493,973

1,371,646

 

 

繰延税金負債

2,237,567

2,261,043

 

 

固定負債合計

18,062,129

22,002,822

 

負債合計

29,699,244

35,210,202

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

7,100,036

7,100,036

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

9,697,431

9,697,431

 

 

 

その他資本剰余金

20,527,930

20,539,357

 

 

 

資本剰余金合計

30,225,361

30,236,788

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

166,700

166,700

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

別途積立金

11,000,000

11,000,000

 

 

 

 

繰越利益剰余金

31,532,401

36,308,286

 

 

 

利益剰余金合計

42,699,101

47,474,986

 

 

自己株式

38,897

4,978,535

 

 

株主資本合計

79,985,601

79,833,275

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

5,911,738

5,845,310

 

 

評価・換算差額等合計

5,911,738

5,845,310

 

純資産合計

85,897,339

85,678,586

負債純資産合計

115,596,583

120,888,788

 

②【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 41,120,072

※1 50,883,969

売上原価

 

 

 

製品期首棚卸高

119,216

214,270

 

当期製品製造原価

23,148,925

31,896,521

 

当期商品仕入高

2,963,325

2,897,765

 

合計

26,231,467

35,008,556

 

製品期末棚卸高

214,270

290,236

 

売上原価合計

※1 26,017,197

※1 34,718,319

売上総利益

15,102,875

16,165,650

販売費及び一般管理費

※1※2 6,744,823

※1※2 7,237,797

営業利益

8,358,051

8,927,852

営業外収益

 

 

 

受取利息

※1 74,707

※1 87,478

 

受取配当金

※1 312,906

※1 387,620

 

為替差益

78,842

142,645

 

不動産賃貸料

※1 200,222

※1 253,507

 

補助金収入

225,687

224,877

 

その他

※1 63,411

※1 70,104

 

営業外収益合計

955,778

1,166,234

営業外費用

 

 

 

支払利息

50,698

79,912

 

不動産賃貸費用

※1 468,685

※1 445,942

 

自己株式取得費用

116,897

 

その他

※1 91,852

※1 72,474

 

営業外費用合計

611,236

715,227

経常利益

8,702,593

9,378,859

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

99

 

投資有価証券売却益

21,579

 

関係会社株式売却益

0

 

補助金収入

2,000

 

特別利益合計

21,679

2,000

特別損失

 

 

 

固定資産除却損

28,950

20,983

 

固定資産圧縮損

2,000

 

役員退職特別加算金

12,500

501,537

 

退職特別加算金

1,792

 

特別損失合計

43,242

524,520

税引前当期純利益

8,681,030

8,856,338

法人税、住民税及び事業税

2,373,269

1,934,492

法人税等調整額

238,091

41,358

法人税等合計

2,135,178

1,975,850

当期純利益

6,545,851

6,880,487