三井海洋開発株式会社
MODEC,INC.
中央区日本橋二丁目3番10号
証券コード:62690
業界:機械
有価証券報告書の提出日:2023年3月28日

(1) 連結経営指標等

 

回次

国際財務報告基準

移行日

第35期

第36期

第37期

決算年月

2020年1月1日

2020年12月

2021年12月

2022年12月

売上収益

(千米ドル)

2,736,586

3,899,748

2,739,762

税引前利益又は税引前

損失(△)

(千米ドル)

115,771

344,300

54,835

親会社の所有者に帰属
する当期利益又は親会
社の所有者に帰属する
当期損失(△)

(千米ドル)

131,907

363,975

37,377

親会社の所有者に帰属
する包括利益

(千米ドル)

197,604

297,650

278,925

親会社の所有者に帰属
する持分

(千米ドル)

1,070,722

848,940

532,541

811,640

資産合計

(千米ドル)

3,299,975

3,176,928

3,425,542

3,136,213

1株当たり親会社
所有者帰属持分

(米ドル)

19.00

15.06

9.45

14.40

基本的1株当たり当期
利益又は基本的1株当
たり当期損失(△)

(米ドル)

2.34

6.46

0.66

希薄化後1株当たり
当期利益

(米ドル)

2.34

6.46

0.66

親会社所有者帰属持分
比率

(%)

32.4

26.7

15.5

25.9

親会社所有者帰属持分
利益率

(%)

13.7

52.7

5.6

株価収益率

(倍)

7.0

1.9

15.5

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千米ドル)

302,195

152,239

208,895

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千米ドル)

6,218

220,544

56,846

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千米ドル)

130,096

265,965

49,013

現金及び現金同等物
の期末残高

(千米ドル)

473,441

617,149

810,131

492,625

従業員数

(名)

4,363

4,781

5,173

5,225

(ほか 平均臨時
雇用者数)

(682)

(679)

(687)

(678)

 

(注) 1 第36期より国際財務報告基準(IFRS)に基づいて連結財務諸表を作成しております。

2 従業員数は就業人員をもって表示しております。

 

 

連結経営指標等の邦貨による併記情報

回次

国際財務報告基準

移行日

第35期

第36期

第37期

決算年月

2020年1月1日

2020年12月

2021年12月

2022年12月

売上収益

(百万円)

314,734

448,510

363,593

税引前利益又は税引前

損失(△)

(百万円)

13,314

39,597

7,277

親会社の所有者に帰属
する当期利益又は親会
社の所有者に帰属する
当期損失(△)

(百万円)

15,170

41,860

4,960

親会社の所有者に帰属
する包括利益

(百万円)

22,726

34,232

37,016

親会社の所有者に帰属
する持分

(百万円)

123,143

97,636

61,247

107,712

資産合計

(百万円)

379,530

365,378

393,971

416,206

1株当たり親会社
所有者帰属持分

(円)

2,185.43

1,732.57

1,086.67

1,910.82

基本的1株当たり当期
利益又は基本的1株当
たり当期損失(△)

(円)

269.22

742.75

88.00

希薄化後1株当たり
当期利益

(円)

269.22

742.75

87.96

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

34,755

17,509

27,722

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

715

25,364

7,544

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

14,962

30,588

6,504

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

54,450

70,978

93,173

65,376

 

(注) 「円」で表示している金額は、便宜上の換算として、移行日、2020年12月期、2021年12月期 1米ドル=115.01円(2021年12月30日現在株式会社三井住友銀行の対顧客電信直物相場の仲値)2022年12月期 1米ドル=132.71円(2022年12月30日現在株式会社三井住友銀行の対顧客電信直物相場の仲値)の換算レートに基づいて算出しております。

 

 

 

回次

日本基準

第33期

第34期

第35期

第36期

決算年月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

売上高

(百万円)

221,909

332,644

309,925

429,272

経常利益又は経常損失
(△)

(百万円)

28,779

294

12,854

47,757

親会社株主に帰属する
当期純利益又は親会社

株主に帰属する当期純

損失(△)

(百万円)

21,891

18,227

13,076

50,359

包括利益

(百万円)

19,357

25,565

27,762

27,216

純資産額

(百万円)

164,814

125,366

95,015

60,690

総資産額

(百万円)

343,229

383,189

357,532

390,039

1株当たり純資産額

(円)

2,707.95

2,161.43

1,622.30

1,014.17

1株当たり当期純利益又

は1株当たり当期純損失

(△)

(円)

388.23

323.47

232.05

893.55

自己資本比率

(%)

44.5

31.8

25.6

14.7

自己資本利益率

(%)

15.1

13.3

12.3

67.80

株価収益率

(倍)

5.9

8.2

8.1

1.5

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

45,193

3,248

31,004

18,332

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

4,176

26,259

742

25,424

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

17,043

20,751

13,888

30,387

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

50,773

52,142

64,746

94,784

従業員数
(ほか 平均臨時
雇用者数)

(名)

3,691

4,363

4,781

5,173

(610)

(682)

(679)

(687)

 

(注) 1 第36期の諸数値につきましては、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益につきましては、期末において潜在株式がないため記載しておりません。

3 従業員数は就業人員をもって表示しております。

4 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第34期の期首から適用しており、第33期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等であります。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第33期

第34期

第35期

第36期

第37期

決算年月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

売上高

(百万円)

106,386

222,396

231,587

358,045

269,663

経常利益

(百万円)

11,905

4,170

377

4,052

29,192

当期純利益又は当期純

損失(△)

(百万円)

11,931

4,327

1,954

67,621

5,112

資本金

(百万円)

30,122

30,122

30,122

30,122

30,122

発行済株式総数

(千株)

56,408

56,408

56,408

56,408

56,408

純資産額

(百万円)

90,678

92,235

87,865

16,389

21,532

総資産額

(百万円)

231,957

243,895

272,458

263,987

241,328

1株当たり純資産額

(円)

1,608.44

1,636.90

1,559.17

290.78

381.98

1株当たり配当額

(1株当たり中間配当額)

(円)

52.50

45.00

45.00

15.00

(21.25)

(22.50)

(23.75)

(15.00)

(-)

1株当たり当期純利益
又は1株当たり当期純
損失(△)

(円)

211.59

76.80

34.68

1,199.82

90.69

自己資本比率

(%)

39.1

37.8

32.2

6.2

8.9

自己資本利益率

(%)

13.9

4.7

2.2

129.7

27.0

株価収益率

(倍)

10.7

34.7

54.0

1.1

15.5

配当性向

(%)

24.8

58.6

従業員数

(ほか 平均臨時

雇用者数)

(名)

150

166

192

202

184

(13)

(11)

(10)

(10)

(7)

株主総利回り

(%)

79.9

94.9

69.3

52.7

52.2

(比較指標:配当込み

 TOPIX)

(%)

(84.0)

(99.2)

(106.6)

(120.2)

(117.2)

最高株価

(円)

3,785

3,610

2,805

2,399

1,833

最低株価

(円)

2,002

2,018

1,021

1,345

1,043

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益につきましては、期末において潜在株式がないため記載しておりません。

2 第33期の1株当たり配当額52.5円は、創立50周年記念配当10円を含んでおります。

3 従業員数は就業人員をもって表示しております。

4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所(市場第一部)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所(プライム市場)におけるものであります。

 

 

2 【沿革】

当社は、1968年12月に三井造船株式会社(現 株式会社三井E&Sホールディングス。以下同じ。)及び三井物産株式会社の出資により設立された三井海洋開発株式会社(以下「旧 三井海洋開発株式会社」という。)を前身としております。旧 三井海洋開発株式会社は、海洋開発関連船舶や各種の海洋構造物及び海洋関連工事の企画・設計・建造・施工、並びにこれらに関する技術の提供及びコンサルティング等を事業としておりました。当社は1987年6月、旧 三井海洋開発株式会社の子会社として地中レーダー等による地質の調査及びコンサルティング等を目的に設立されましたが(設立時の商号 モデック・テクニカル・サービス株式会社)、同社が解散することをうけて、1988年12月に商号を株式会社モデックに変更し、その事業を継承いたしました。また、これに伴い当社の全株式は旧 三井海洋開発株式会社の株主であった三井造船株式会社及び三井物産株式会社に折半にて引継がれました。当社の設立及び事業継承の経過、並びに当社グループのその後の沿革は、以下のとおりであります。

 


 

1987年6月

旧 三井海洋開発株式会社の子会社として設立(設立時の商号 モデック・テクニカル・サービス株式会社)。

1988年12月

株式会社モデックに商号を変更し、旧 三井海洋開発株式会社の事業を継承。

1989年4月

北米における事業拠点としてMODEC(U.S.A.),INC.社(現 MODEC INTERNATIONAL, INC.社)を米国テキサス州に設立。

1991年3月

三井物産株式会社の所有する当社株式が全株譲渡され、当社は三井造船株式会社の子会社に。

1995年5月

浮体式海洋石油・ガス生産設備等の設計・建造・据付及びオペレーション業務を対象としてISO「9001」の認証を取得。

1999年1月

南北アメリカ・西アフリカ等での事業拠点としてFMC CORPORATION社(現 TechnipFMC社)と合弁によりMODEC INTERNATIONAL LLC社(現 MODEC INTERNATIONAL, INC.社。以下同じ。)を米国テキサス州に設立。

2002年9月

PRODUCTION TECHNICAL SERVICE CO LTD.社Rubyフィールド(ベトナム)向けFPSOのオペレーションを目的としてMODEC MANAGEMENT SERVICES PTE. LTD.社をシンガポールに設立。

2002年10月

SHELL OIL DO BRASIL LTDA社Bijupira-Salemaフィールド(ブラジル)向けFPSOのオペレーションを目的としてMODEC SERVICOS DE PETROLEO DO BRASIL LTDA社をブラジルに設立。

2003年1月

商号を三井海洋開発株式会社に変更。

2003年7月

東京証券取引所市場第二部に株式を上場。

2003年8月

MODEC INTERNATIONAL LLC社所掌のプロジェクト業務支援を目的としてMODEC OFFSHORE PRODUCTION SYSTEMS (SINGAPORE) PTE.LTD.社をシンガポールに設立。

2004年6月

東京証券取引所市場第一部銘柄に指定。

2004年11月

CNR INTERNATIONAL (COTE D'IVOIRE) S.A.R.L.社Baobabフィールド(コートジボアール)向けFPSOのチャーターの現地下請業務を目的としてNATIONAL D'OPERATIONS PETROLIERES DE COTE D'IVOIRE社をコートジボアールに設立。

2006年12月

SOFEC,INC.社の全株式をFMC TECHNOLOGIES, INC.社(TechnipFMC社)より取得し、子会社化。

2008年5月

BP EXPLORATION(ANGOLA)LTD.社Plutao,Saturno,Venus及びMarteフィールド向けのFPSOプロジェクトの業務支援を目的として、MODEC ANGOLA LDA.社をアンゴラに設立。

2012年6月

本社を東京都中央区に移転。

 

2018年3月

TULLOW GHANA LTD.社Jubileeフィールド向けのFPSOのオペレーションを目的として、MODEC PRODUCTION SERVICES GHANA JV LTD社をガーナに設立。

2019年1月

Eni Mexico S. de R.L. de C.V.社Area 1フィールド向けのFPSOのオペレーションを目的として、MITSUI OCEAN DEVELOPMENT & ENGINEERING COMPANY MEXICO SOCIEDAD DE RESPONSABILIDAD LIMITADA DE CAPITAL VARIABLE (S. DE R.L DE C.V.)をメキシコに設立。

2021年5月

デジタルソリューション事業会社 SHAPE PTE. LTD.を三井物産株式会社と共同でシンガポールに設立。

2021年11月

株式会社三井E&Sホールディングスが保有する当社株式の一部を売却したことにより、親会社の異動があり、同社はその他の関係会社に該当。

2022年8月

FPSOのEPCI事業会社Offshore Frontier Solutions Pte. Ltd.を東洋エンジニアリング株式会社と共同でシンガポールに設立。

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、子会社26社及び関連会社23社で構成され、FPSO、FSO及びTLPといった浮体式海洋石油・ガス生産設備の設計・建造・据付、販売、リース及びオペレーションを主な事業としております。主な得意先は海外各国の政府系又は民間石油開発会社であり、当社グループは浮体式海洋石油・ガス生産設備について、以下のようなトータルサービスを提供しております。

 

(1) 当社グループの事業分野

石油開発事業は、油田の探鉱から始まって開発・生産、精製・販売といった過程に大きく分けられます。石油開発事業は一般的に、比較的リスクが高いビジネスですが、リスクの高い分野は鉱業権・石油権益取得から試掘までの探鉱の分野であり、当社グループが関わる開発・生産の分野は、石油開発事業者において商業採算性の評価が得られた後に開始される事業であります。

 


 

オイルメジャーに代表される石油開発事業者は、かつてはこうした事業に用いる設備等を自らが建造して所有し、かつ一連のプロセスを直轄しておりましたが、近年では専業会社にアウトソーシングする流れにあります。当社グループは石油開発業界におけるこのような趨勢のもと、海外各国の政府系又は民間石油開発事業者の開発計画に応じたFPSOをはじめとする浮体式海洋石油・ガス生産設備について、以下のようなトータルサービスを提供しております。

サービスの名称

内容

建造工事

浮体式海洋石油・ガス生産設備(FPSO)等の設計・建造・据付工事を受注し、売渡し契約により石油開発会社へ提供するサービス。

リース、チャーター
及びオペレーション

リースサービス

FPSO等を当社の関係会社で保有し、リース契約により石油開発事業者へ提供するサービス。

オペレーション
サービス

海洋で石油・ガスの生産活動を行うFPSO等に対して、一連の操業及び付随するメンテナンス等のオペレーションを提供するサービス。

チャーター
サービス

リースサービスとオペレーションサービスを併せて受託し、チャーター契約としてFPSO等を提供するサービス。

その他

当社グループが建造のうえ石油開発事業者へ売渡したFPSO等のアフターサービスとして、部品供給やエンジニアリングサポート等を提供するサービス。関連会社及び共同支配企業に対してマネジメントサポート及びオペレーションサポート等を提供するサービス。

 

 

 

(2) 浮体式海洋石油・ガス生産設備

海洋石油・ガス生産設備は、生産設備を搭載するプラットフォームの形態によって固定式と浮体式に大別されます。一般的に固定式は海底にプラットフォームを固定する方式で、設備本体のほかに海底パイプライン、陸上の貯蔵タンク及び港湾積出施設等、インフラの建設に多額の投資が必要になります。これに対しFPSOをはじめとする浮体式は、こうしたインフラを必要とせず出油までの工期も短期間であるため、一般的に固定式に比べて経済的であるという利点があります。また、技術的な面では、高度な係留技術を利用することによって、固定式よりも大水深の海域での石油生産に対応することができます。

 

 

固定式

浮体式

プロセス(一次精製)

生産設備上にて処理

同左

貯蔵

陸上に設置されたタンクまでパイプラインを介して送油

貯蔵タンクを内蔵しているため送油は不要

タンカーへの積出

港湾施設から積出

洋上で積出

 

 

各種の浮体式海洋石油・ガス生産設備のうち、当社グループはFPSO、FSO及びTLPといわれる設備に関連する分野を主としておりますが、これらの概要は以下のとおりであります。

 

① FPSO(Floating Production, Storage and Offloading System)

FPSOは「浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備」といわれる設備であります。石油・ガスの生産、貯蔵及び積出の機能を有し、洋上で石油・ガスを生産し、生産した石油・ガスは設備内のタンクに貯蔵して、港湾設備や陸上タンクを介さずに洋上で輸送タンカーへの積出を行います。構造的にはタンカー船体を基礎とし、原油に含まれる不純物を分離して石油・ガスを生産し、船外に排出する不純物を各国の定める環境基準に適合した状態にするためのプロセスシステム、海洋上で船体を一定位置に保持する係留システムを搭載しております。なお、船体は新規に建造する場合のほか、中古タンカーを改造して建造する場合があります。

 

② FSO(Floating Storage and Offloading System)

FSOは「浮体式海洋石油・ガス貯蔵積出設備」といわれる設備であります。構造的にはFPSOと同様に船体を基礎として係留システムを搭載しておりますが、石油・ガスの生産を行うプロセスシステムは有しておりません。石油・ガスの生産機能をもたない、洋上での貯蔵、積出専用の浮体式設備であります。

 

③ TLP(Tension Leg Platform)

FPSO及びFSOと同様に、TLPも浮体式海洋石油・ガス生産設備の一種で「緊張係留式プラットフォーム」といわれる設備であります。洋上のプラットフォームにプロセスシステムを搭載して、洋上での石油・ガス生産を行います。半潜水型の浮体から生ずる浮力を利用した係留方式によって、洋上プラットフォームの水平・垂直方向への動揺が小さな範囲にとどまるところが特徴であり、水深1,000m超の大水深海域に適しております。固定式生産設備と同様に生産専用の設備であるため、貯蔵積出機能を有するFSOとの併用や、パイプラインとつなげ石油・ガスの積出を行います。

 

 

(3) 事業の推進体制と海外関係会社の設立・運営方針等

当社は、FPSO等の浮体式海洋石油・ガス生産設備の受注から設計・建造・据付を完了しての売渡し事業をグローバルに展開、推進しております。

この事業において当社グループは、建造工事やFPSO等に搭載する設備等の製作並びに据付工事を海外造船所や専門の業者に外注し、ファブレス企業として工程・品質管理等のプロジェクトマネジメントに特化しております。

FPSO等のリース、チャーター及びオペレーションの事業は、プロジェクトごとに関係会社を設立して運営いたします。これは各プロジェクトの採算管理を明確にする目的のほか、主にこれら事業に係る長期の資金負担を軽減するために、わが国の総合商社を中心とするパートナーと合弁で事業を展開するという方針に基づくものであります。従って、リースを行う場合は、建造したFPSO等は当社グループの関係会社が引渡しを受けて保有し、オペレーションサービスの提供とこれに伴う技術者・操業要員の雇用、安全・環境保全、資機材の調達・輸送及びメンテナンス等のマネジメントも各関係会社において行っております。

当社グループは、海外各国の政府系又は民間の石油開発事業者を販売先としているほか、建造工事等における外注先や資材・機器等の仕入先の多くも海外の企業であります。このため、事業上の取引及び資金収支の大半は米ドルを主とした外貨にて行っております。

 


 

 

事業の系統図は、以下のとおりであります。

 


 

 

なお、当連結会計年度における主な建造工事、チャ-ター及びオペレーションプロジェクトは、以下のとおりであります。

プロジェクト名

(契約先)

操業国

契約形態

受注年月

当年度における

サービス概況

SHELL Bijupira-Salema FPSO

(SHELL OIL DO BRASIL LTDA.)

ブラジル

FPSO建造

オペレーション

2001年5月

操業中

CNR Baobab FPSO

(CNR INTERNATIONAL (COTE D’IVOIRE)

S.A.R.L.)

コートジボワール

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2003年7月

操業中

KNOC Rong Doi FSO

(KOREA NATIONAL OIL CORPORATION)

ベトナム

FSO建造

チャーター

オペレーション

2005年5月

操業中

PETROBRAS PRA-1 FSO

(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)

ブラジル

FSO建造

チャーター

オペレーション

2005年12月

操業中

JVPC Rang Dong FSO

(JAPAN VIETNAM PETROLEUM CO.,LTD.)

ベトナム

FSO建造

チャーター

オペレーション

2006年7月

操業中

PETROBRAS Opportunity Oil FPSO

(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)

ブラジル

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2006年12月

操業中

BHPB Pyrenees FPSO

(BHP BILLITON PETROLEUM PTY LTD.)

オーストラリア

FPSO建造

オペレーション

2007年6月

操業中

PETROBRAS Opportunity Gas #2 FPSO

(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)

ブラジル

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2008年2月

操業中

TULLOW Jubilee FPSO

(TULLOW GHANA LTD.)

ガーナ

FPSO建造

オペレーション

2008年8月

2022年6月まで操業・売却済み

PETROBRAS Tupi Pilot FPSO

(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)

ブラジル

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2008年8月

操業中

PETROBRAS Guara FPSO

(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)

ブラジル

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2010年8月

操業中

PETROBRAS Cernambi Sul FPSO

(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)

ブラジル

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2011年9月

操業中

PETROBRAS Iracema North FPSO

(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)

ブラジル

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2012年11月

操業中

OMV Maari FPSO

(OMV NEW ZEALAND LTD.)

ニュージーランド

オペレーション

2012年11月

操業中

TULLOW T.E.N. FPSO

(TULLOW GHANA LTD.)

ガーナ

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2013年8月

操業中

PETROBRAS Carioca FPSO

(TOTAL E&P DO BRASIL LTDA.)

ブラジル

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2013年11月

操業中

PETROBRAS Tartaruga Verde and Mestica

FPSO

(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)

ブラジル

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2014年12月

操業中

PETROBRAS Sepia FPSO

(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)

ブラジル

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2017年10月

操業中

PETROBRAS Mero Pilot FPSO

(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)

ブラジル

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2017年12月

建造工事完了

操業開始

Eni Mexico Area 1 FPSO

(Eni Mexico S. de R.L. de C.V.)

メキシコ

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2018年10月

建造工事完了

操業開始

PETROBRAS Buzios 5 FPSO

(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)

ブラジル

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2019年6月

建造工事中

PETROBRAS Marlim 1 FPSO

(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)

ブラジル

FPSO建造

チャーター

オペレーション

2019年10月

建造工事中

Equinor Bacalhau FPSO

(Equinor Brasil Energia Ltda.)

ブラジル

FPSO建造

オペレーション

2020年1月

建造工事中

Woodside Sangomar FPSO

(Woodside Energy (Senegal) B.V.)

セネガル

FPSO建造

オペレーション

2020年12月

建造工事中

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金又は
出資金

主要な事業
の内容

議決権の
所有又は
被所有
割合(%)

役員の
兼任等
(人)

関係内容

(その他の関係会社)

 

 

 

 

 

 

株式会社三井E&Sホールディングス

(注)2

東京都中央区

百万円
44,384

株式等の保有

被所有49.1

1

役員の兼任等

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 

MODEC INTERNATIONAL,INC.

米国

米ドル
5,629

FPSO等の設計、業務支援

100.0

1

業務委託、

債務保証等

MODEC OFFSHORE PRODUCTION
SYSTEMS (SINGAPORE) PTE.LTD.
(注)3

シンガポール

シンガポールドル

1,043,790,100

エンジニアリングサービス、FPSO等の設計・建造・据付

100.0

-

FPSO建造工事委託、エンジニアリングサービス、業務支援等

MODEC MANAGEMENT SERVICES PTE.

LTD.
(注)3

シンガポール

シンガポールドル
37,940,000

FPSO/FSOのオペレーション

100.0

-

業務委託、

債務保証等

MODEC SERVICOS DE PETROLEO DO
BRASIL LTDA
(注)3,4

ブラジル

レアル

4,317,083,307

FPSO/FSOのオペレーション

100.0

(100.0)

-

業務委託、

債務保証等

NATIONAL D'OPERATIONS
PETROLIERES DE COTE D'IVOIRE

コートジボアール

CFAフラン
10,000,000

FPSOのオペレーション

100.0

(100.0)

-

該当事項なし

MODEC OPERATIONS AND
MAINTENANCE SERVICES,INC.

米国

米ドル

1,000

関係会社への業務支援

100.0

(100.0)

-

該当事項なし

MODEC SERVICES NETHERLANDS B.V.

(注)3

オランダ

ユーロ
407,018,000

関係会社業務支援、CMS運営

100.0

-

業務委託等

MODEC HOLDINGS NETHERLANDS B.V.
(注)3

オランダ

米ドル

422,544,357

株式等の保有

100.0

-

業務支援等

SOFEC,INC.

(注)3

米国

米ドル
26,600

係留システムの設計・製作・販売

80.0

(80.0)

-

業務委託等

MODEC ANGOLA LDA.

アンゴラ

アンゴラクワンザ
1,500,000

関係会社への業務支援

100.0

(100.0)

-

該当事項なし

MODEC (GHANA) LTD.

ガーナ

ガーナセディ
60,000

FPSOのオペレーション

100.0

(100.0)

-

業務支援等

SOFEC SERVICES,LLC

米国

米ドル
10,000

保守業務

80.0

(80.0)

-

該当事項なし

SOFEC FLOATING SYSTEMS PTE.LTD.

シンガポール

シンガポールドル
1

係留システムの設計・製作・販売

80.0

(80.0)

-

該当事項なし

SOFEC MALAYSIA SDN.BHD.

マレーシア

リンギット
489,419

係留システムの設計・製作・販売

80.0

(80.0)

-

該当事項なし

SOFEC FZE

ナイジェリア

米ドル

100,000

係留システムの設計・製作・販売

80.0

(80.0)

-

該当事項なし

SOFEC MOZAMBIQUE LDA

モザンビーク

メティカル

63,000

係留システムの設計・製作・販売

80.0

(80.0)

-

該当事項なし

MODEC PRODUCTION SERVICES
GHANA JV LTD

ガーナ

ガーナセディ

1,125,000

FPSOのオペレーション

85.0

(85.0)

-

業務支援等

MODEC OFFSHORE SERVICOS LTDA.

(注)3

ブラジル

レアル

103,844,900

関係会社への業務支援

100.0

-

業務支援等

MITSUI OCEAN DEVELOPMENT &

ENGINEERING COMPANY MEXICO

SOCIEDAD DE RESPONSABILIDAD

LIMITADA DE CAPITAL VARIABLE

(S. DE R.L DE C.V.)

メキシコ

メキシコペソ

603,653,749

FPSOの据付及びオペレーション

100.0

-

業務支援等

MODEC UK LTD.

イギリス

 米ドル
1,050,000

ユーロ
90,000

関係会社への業務支援

100.0

-

業務支援等

MODEC SENEGAL SASU

セネガル

CFAフラン298,500,000

FPSOのオペレーション

100.0

(100.0)

-

業務支援等

OFFSHORE FRONTIER SOLUTIONS
PTE.LTD.

シンガポール

米ドル

10,000,000

エンジニアリングサービス、FPSO等の設計・建造・据付

65.0

(65.0)

-

FPSO建造工事委託、エンジニアリングサービス、業務支援等

MODEC SERVICES NETHERLANDS 2
B.V.

オランダ

ユーロ

500,000

関係会社業務支援

100.0

-

業務委託等

MODEC GUYANA INC.

ガイアナ

米ドル

1,000,000

FPSOのオペレーション

100.0

(100.0)

-

業務支援等

 その他2社

 

 

 

 

 

 

       合計 26社 (注)5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名称

住所

資本金又は
出資金

主要な事業
の内容

議決権の
所有又は
被所有
割合(%)

役員の
兼任等
(人)

関係内容

(持分法適用会社) 関連会社

 

 

 

 

 

 

ESPADARTE MV14 B.V.

オランダ

ユーロ
6,942,295

FPSOのチャーター

40.6

-

FPSO建造工事受託等

PRA-1 MV15 B.V.

オランダ

ユーロ
19,584,627

FSOのチャーター

40.6

-

FSO建造工事受託等

TUPI PILOT MV22 B.V.

オランダ

ユーロ
68,144,900

FPSOのチャーター

42.5

(42.5)

-

FPSO建造工事受託、債務保証等

GUARA MV23 B.V.

オランダ

ユーロ
124,050,000

FPSOのチャーター

34.0

(34.0)

-

FPSO建造工事受託、債務保証等

CERNAMBI SUL MV24 B.V.

オランダ

ユーロ
163,172,304

FPSOのチャーター

29.4

(29.4)

-

FPSO建造工事受託、債務保証等

T.E.N. GHANA MV25 B.V.

オランダ

ユーロ
149,649,663

FPSOのチャーター

25.0

(25.0)

-

FPSO建造工事受託、債務保証等

CERNAMBI NORTE MV26 B.V.

オランダ

ユーロ
175,026,035

FPSOのチャーター

29.4

(29.4)

-

FPSO建造工事受託、債務保証等

CARIOCA MV27 B.V.

オランダ

ユーロ
169,419,960

FPSOのチャーター

29.4

(29.4)

-

FPSO建造工事受託、債務保証等

TARTARUGA MV29 B.V.

オランダ

米ドル

206,138,000

FPSOのチャーター

29.4

(29.4)

-

FPSO建造工事受託、債務保証等

SEPIA MV30 B.V.

オランダ

米ドル

208,526,000

FPSOのチャーター

29.4

(29.4)

-

FPSO建造工事受託、債務保証等

LIBRA MV31 B.V.

オランダ

米ドル
327,936,000

FPSOのチャーター

29.4

(29.4)

-

FPSO建造工事受託、債務保証等

BUZIOS5 MV32 B.V.

オランダ

米ドル

100,000

FPSOのチャーター

35.0

(35.0)

-

FPSO建造工事受託、債務保証等

MARLIM1 MV33 B.V.

オランダ

米ドル

100,000

FPSOのチャーター

32.5

(32.5)

-

FPSO建造工事受託、債務保証等

AREA1 MEXICO MV34 B.V.

オランダ

米ドル

100,000

FPSOのチャーター

35.0

(35.0)

-

FPSO建造工事受託、債務保証等

MODEC AND TOYO OFFSHORE
PRODUCTION SYSTEMS PTE.LTD.

シンガポール

米ドル
100,000

FPSOの建造

50.0

1

FPSO建造工事委託等

(持分法適用会社) 共同支配企業

 

 

 

 

 

 

MODEC VENTURE 10 B.V.

オランダ

ユーロ
22,644,000

FPSOのチャーター

50.0

-

FPSO建造工事受託等

RONG DOI MV12 PTE.LTD.

シンガポール

米ドル
20,000

FSOのチャーター

42.0

-

FSO建造工事受託等

RANG DONG MV17 B.V.

オランダ

ユーロ
40,000

FSOのチャーター

65.0

(65.0)

-

FSO建造工事受託、
債務保証等

OPPORTUNITY MV18 B.V.

オランダ

ユーロ
36,370,000

FPSOのチャーター

67.0

(45.0)

-

FPSO建造工事受託

GAS OPPORTUNITY MV20 B.V.

オランダ

ユーロ
38,678,800

FPSOのチャーター

70.0

(50.0)

-

FPSO建造工事受託、債務保証等

SHAPE PTE.LTD.

シンガポール

米ドル

53,025,000

デジタル事業

60.2

-

業務支援等

SHAPE BRASIL SOLUCOES DIGITAIS

LTDA.

ブラジル

レアル

13,721,510

FPSO O&M分野でのデジタル事業開発

60.2

(60.2)

-

業務支援等

 その他1社

 

 

 

 

 

 

合計 23社

 

 

 

 

 

 

 

 (注)1 上記は2022年12月31日現在の状況であります。また、「議決権の所有又は被所有割合」の( )内は、間接所有割合を内書きで表示しております。

2 有価証券報告書の提出会社であります。なお、株式会社三井E&Sホールディングスは、IFRSにおける親会社に該当しますが、会社法において当社の議決権の保有比率等から親会社に該当しないものとしており、その他の関係会社としております。

3 特定子会社であります。

4 債務超過会社であり、2022年12月末時点で債務超過額は385,713千米ドルであります。

5 株式給付信託制度において設定した信託は子会社としてIFRS上において連結対象となりますが、上記の連結子会社に含めておりません

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

(2022年12月31日現在)

従業員数(名)

5,225

(678)

 

(注) 1 当社グループは事業の種類別セグメントを記載しておらず、事業部門等に関連付けて記載することが困難なため、連結会社の合計で表示しております。

2 従業員数は就業人員をもって表示しており、正社員・嘱託・受入出向者等の人数であります。

3 派遣社員等の臨時社員の人数を( )にて外数で表示しております。臨時社員とは、一時的な雇用関係にある社員であります。

 

(2) 提出会社の状況

(2022年12月31日現在)

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

184

(7)

41.3

7.5

8,785

 

(注) 1 従業員数は就業人員をもって表示しており、正社員、嘱託、受入出向者等の人数であります。また、このほかに派遣社員等の臨時社員がおりますが、これらの当事業年度の平均人数を( )にて外数で表示しております。臨時社員とは、プロジェクト推進のための技術者等の要員であります。臨時社員の人数は、プロジェクトの進行状況により変動いたします。

2 従業員数は、当社から社外への出向者は除き、社外から当社への出向者を含めて表示しております。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合との間に特記すべき事項はありません。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、年々重要度が高まる海洋石油・ガス開発の分野において、浮体式設備の設計・建造・据付、販売、リース、チャーター及びオペレーションを中核事業とし、海洋石油・ガス開発プロジェクトに関わるトータルサービスを世界各国の石油開発会社に提供しております。

事業の展開にあたっては以下の経営目標を掲げ、21世紀の資源エネルギーを支えるグローバル企業として、幅広く社会に貢献してまいります。

・ 浮体式設備の分野で、世界的に信頼される企業を目指します。

・ 浮体式設備の建造・販売、リース、チャーター及びオペレーション等の営業形態の多様化により、事業ポートフォリオの最適化を図り、当社グループの安定的発展を推進します。

・ 事業領域を拡大し、顧客に対してトータルソリューションを提供します。

・ 上記の企業活動を通じ、海洋開発事業の担い手として広く社会に貢献します。

 

(2) 経営環境等

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、経済社会活動の正常化が進み、個人消費や企業収益などについて持ち直しの動きが見られたものの、急激な円安進行や諸物価の高騰等により、先行きは不透明な状況で推移しました。世界経済においても、各国で新型コロナウイルス感染症に対する規制緩和政策が取られ、総じて経済社会活動の正常化が進み回復基調となりましたが、ロシアによるウクライナ侵攻等の影響により、資源価格・原材料価格が高騰し、急激にインフレが進行致しました。

原油価格は、EUによるロシア産原油の禁輸措置の導入を発端に、供給不足が強まるとの見方などから、一時1バレル120米ドル台前半へ上昇したものの、その後中国経済の下振れや、主要先進国の金融引き締めによる景気後退への懸念から、エネルギー需要が減少するとの見方が強まった結果、2022年12月末は1バレル70米ドル台で取引を終えました。この様な状況から、脱炭素の流れと併存しつつ、安定したエネルギー供給を維持することは依然重要な課題であり、石油会社による深海油田開発は当面継続すると考えられます。また、浮体式海洋石油・ガス生産設備についても、特に当社グループが強みを持つ超大水深大型プロジェクト向けのFPSOについては、今後も安定した需要が見込まれます。

しかしながら、当社グループを取り巻く事業環境は、脱炭素化、再生可能エネルギーの更なる普及、デジタル技術の進化など大きく変化しております。こうした事業環境の変化を確実に捉え、既存事業で確実に収益を確保しつつ、浮体式洋上風力発電、環境に配慮したFPSOの開発、デジタルソリューション事業など、将来の新たな収益源の開拓を着実に進めてまいります。

 

(3) 経営戦略等

当社は、サステナブルな社会の実現に貢献することを当社の長期ビジョンとして描いております。長期ビジョンの実現に向けて、「本業の収益力徹底強化」、「新規事業の研究開発・育成への投資」及び「環境・社会的要請への取組」という3つの中長期戦略のサイクルを回し続ける事で事業モデルの進化を目指します。

2021年からの3カ年の中期経営計画においては、重要テーマとして①アセット・インテグリティ(安定操業を実現する生産設備の設計・建造及び機能の維持)の改善、②デジタライゼーション戦略推進、③研究開発:FPSOに次ぐ将来の収益源の育成、④環境・社会的要請への取り組みの4つを設定いたしました。

・アセット・インテグリティの改善: 

船齢が上昇している初期ブラジル船の集中メンテナンス及び継続的なアセット・マネジメントにより、安全に石油・ガスを生産し続ける為のトータルサービス提供に注力いたします。

・デジタライゼーション戦略推進:
 「更なるFPSO操業の効率化」、「操業から上流工程へデジタル適用領域拡大」及び「デジタルソリューション事業の立ち上げ」をデジタル戦略の柱として事業モデルを進化させます。

・研究開発:
 FPSOのゼロエミッション化を進めるとともに、FPSOに次ぐ将来の収益源の育成に向け、独自の浮体構造及び係留技術(TLP)を活用した浮体式洋上風力発電設備の事業化への取り組みを加速させます。

 

・環境・社会的要請への取り組み:
 国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals (SDGs))が掲げる17の目標のうち、当社が最も貢献できると考える5つの目標を選定し、達成に向けた重点的な取り組みを推進いたします。

目標5、「ジェンダー平等を実現しよう」
目標7、「エネルギーを皆に、そしてクリーンに」
目標8、「働きがいも経済成長も」
目標13、「気候変動に具体的対策を」
目標14、「海の豊かさを守ろう」

これらの活動の成果として、2023年に達成すべき数値目標は親会社株主に帰属する当期利益200百万米ドルを掲げていたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により建造工事に遅延が生じ追加費用が発生したことや、アセット・インテグリティの改善に係る費用が想定以上に増加したこと等から2023年の通期業績予想における親会社の所有者に帰属する当期利益を45百万米ドルといたしました。

指標

2023年度目標

2022年度実績

目標との差異

ROE

12.0%

5.6%

6.4%

 

 

(4) 継続企業の前提に関する重要事象等

前連結会計年度末において、当社を借入人とする借入契約及び社債について財務制限条項に抵触している状態となっておりましたが、金融機関等との財務制限条項の改定の合意により、当連結会計年度末において、財務制限条項に抵触する状態は解消しております。

以上から、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は存在しないと判断しております。

 

(5) 対処すべき課題

① アセット・インテグリティの改善

大水深大規模な海洋油田の開発が進み、FPSO等も大型化・複雑化する傾向にあります。当社グループは、2000年代前半より業界に先駆けて大水深大規模な海洋油田開発向けのFPSO等を受注してまいりました。しかしながら、初期の段階で受注したFPSO等につきましては、アセット・コンディション維持に関して近年のFPSOとは異なる課題に直面しており、安全性の確保を優先させたことから、稼働率の低下を余儀なくされておりました。

石油・ガスの安定かつ安全な生産は当社グループの最重要課題の一つであり、アセット・インテグリティの改善を中期経営計画の重要テーマに設定し、集中メンテナンス及び継続的なアセット・マネジメント等の対応を進めております。

② 大水深大規模プロジェクト同時遂行能力の強化

脱炭素化の流れは加速しておりますが、一方で温室効果ガス排出量の削減に取り組みつつ原油・天然ガスの安定的な確保に向けてFPSO等の潜在需要は底堅く、新規案件の開発も環境等に配慮しながら着実に進むものと予想されております。良好な市場環境が続く中、当社グループは、これまで積み上げてきた多くのプロジェクト遂行実績を基に、更なるコスト競争力の強化に努め受注機会の増加に向けた取り組みを進めております。

一方、FPSO等の建造工事の工期は一般的に3年から4年を要することから、受注機会が増加することにより複数の建造工事を同時に遂行する能力が必要となります。当社グループは、プロジェクト・マネジメント力の強化を進めプロジェクト・マネジャーをはじめとする人材育成を続けるとともに、実績のある企業との協業等を行うことで同時遂行能力の強化に努めてまいります。

③ 資金調達の多様化

FPSO等のプロジェクトの増加及び大型化に伴い当社グループの資金需要は拡大しており、当社では、資本市場からの調達や金融機関からの借り入れによる資金調達力の強化に努めております。チャータープロジェクトの遂行に際してプロジェクトファイナンスを活用すると共に、総合商社をはじめとするパートナーとの提携など、資金調達手法の多様化及び資金調達ソースの拡大に取り組んでおります。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

 <特に重要なリスク>

 (1) 新たな進出地域におけるプロジェクト遂行に伴うリスク

 当社グループは、海外のプロジェクトを中心に受注し、海外で建造工事やオペレーションを行っております。オイルメジャーによる開発案件におけるFPSOの受注機会増強に取り組んでおり、顧客層が拡大するに伴い、工事を行う国や地域によっては、経済情勢の急変に伴う工事従事者の動員及び資機材調達の遅れ、現地の労使関係等のリスク、商習慣に関する障害、資金移動の制約、特別な税金及び関税等によりプロジェクトの採算が悪化し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため、特に新たな進出地域におけるプロジェクトの遂行にあたっては、現地の法律や会計コンサルタント等からの情報収集及び顧客や取引先との間で最適な責任分担を図ることにより、これらリスクの低減に努めております。

 

 (2) 当社グループの事業の特性

 海洋油田の発見が探査の行われていなかった大水深海域に拡大していることを背景として、浮体式海洋石油・ガス生産設備の稼働数は増加してきました。また、当社グループがFPSO等の建造を行う場合の受注額は1件につき少なくとも2千億円を超える大規模なものとなっております

 しかしながら、原油価格が下落すると、石油開発会社は投資を縮小します。石油開発会社はまず探鉱活動に対する投資から縮小するものの、原油価格の低迷が長期化すると新規プロジェクトが遅延するため、当社グループもプロジェクトの受注が一時的に減少するといった影響を受ける可能性があります。

 また、当社グループが石油開発会社に提供しているFPSO等のリース、チャーター及びオペレーションに関わるサービスは、契約期間が長期にわたり、安定した収入を期待できる事業ですが、操業を行っている海域における台風等の自然災害の発生や、鉱区を保有する国の政情などによってサービス提供が中断するリスクがあります。これらについては、客先である石油開発会社との契約において当社グループの免責を明文化することや保険付保といった手段によってリスク回避に努めておりますが、事前に予期することが困難な事態の発生によりプロジェクトが中断した場合には、当社グループの業績に一時的な影響を及ぼす可能性があります。

 

 (3) 化石燃料需要の減少

 気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの排出削減を目的とした取り組みが進み、化石燃料需要の減少により長期的には石油開発企業の化石燃料関連への投資抑制や事業内容の変更が予測されております。当社グループにおいても中期経営計画の中で、事業モデルの進化によりサステナブルな社会の実現に貢献することを長期ビジョンとして描き、FPSO等の低炭素化や独自の浮体式構造及び係留技術(TLP)を活用した浮体式洋上風力発電設備の事業化へむけた取り組みを推進しております。しかしながら、事業環境の変化に対し当社グループの対応が遅れた場合には、当社グループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 <その他の重要なリスク>

(1) 財務内容について

FPSO等の浮体式海洋石油・ガス生産設備の建造にあたっては多額の資金を要するほか、これを当社グループが保有して石油開発事業者にリース、チャーターを行う場合は、そのリース、チャーター期間が10年を超えるなど建造資金の回収に長期間を要することになります。

当社グループはこうした事業資金を主に社債及び借入金により調達しており、当連結会計年度末における社債及び借入金残高は393,378千米ドルとなり、負債及び資本合計に占める割合は12.5%となっております。

当社グループでは金利スワップを用いるなど借入に係る金利変動リスクの低減に努めておりますが、金利の変動によっては当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

また、今後もFPSO等に係る新規プロジェクトを開始する場合には、新たに資金調達を行う必要があります。当社グループは、プロジェクトの推進にあたり総合商社をはじめとする事業パートナーとの連携によって資金負担の低減を図るほか、プロジェクトファイナンスの利用によるリスクの遮断も行う方針であります。
 しかしながら、入札にあたって所要資金を十分に調達することが困難な場合や、金利等の資金調達条件が悪化した場合には、プロジェクトの受注及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。

 

  (2) 大規模災害について

当社グループは、地震、風水害、感染症の世界的流行(パンデミック)など各種災害に対して発生時の損失を最小限に抑えるため、危機発生時の対応体制や対応指針をまとめたグループ危機管理ガイドラインを策定しております。しかしながら、このような災害による物的・人的被害の発生や物流機能の麻痺等により、FPSO等の建造工事、リース、チャーター及びオペレーションといった当社グループの事業活動に影響が生じる可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症に関しては、各国で各種規制は緩和・撤廃されてきており、当社グループ事業に対する影響も軽微となって来ております。しかしながら新たな変異株の出現等により感染が再拡大した場合の備えを継続し、リスクの最小化を図ってまいります。

 

 (3) 法規制について

当社グループは、国内外での事業の遂行にあたり、それぞれの国での各種法令、行政による許認可や規制等を遵守しております。しかしながら、これら法令の改廃や新たな法的規制が設けられる等の場合には、その結果が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、経済社会活動の正常化が進み、個人消費や企業収益などについて持ち直しの動きが見られたものの、急激な円安進行や原材料価格の高騰等により、先行きは不透明な状況で推移しました。一方、世界経済については、ロシアによるウクライナへの軍事進攻の長期化や中国での新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、一部の国では持ち直しに鈍化がみられたものの、総じて経済正常化が進み回復基調となりました。

原油価格は、EUによるロシア産原油の禁輸措置の導入を発端に、供給不足が強まるとの見方などから、一時1バレル120米ドル台前半へ上昇したものの、その後中国経済の下振れや、主要先進国の金融引き締めによる景気後退への懸念から、エネルギー需要が減少するとの見方が強まった結果、1バレル70米ドル台まで下落しました。こうしたことから、脱炭素の流れと併存しながらも、安定したエネルギー供給を維持することは依然重要な課題であり、石油会社による深海油田開発プロジェクトは継続すると考えられます。また、当社グループの主要事業である浮体式海洋石油・ガス生産設備に関する事業についても、特に当社グループが強みを持つ超大水深大型プロジェクトにおいて、今後も安定した成長が期待されます。

こうした状況のもと、当連結会計年度の連結業績は、FPSO建造プロジェクトの設計変更等により、受注高は、1,462,207千米ドル(前年比49.6%減)となりました。売上収益は、FPSO建造工事の進捗により2,739,762千米ドル(前年比29.7%減)となりました。

利益面では、前期から続く新型コロナウイルス感染症の感染拡大による建造工事の収益率の低下による影響が当期にも及んでいることや、ブラジルで操業するFPSO等に対する追加的な修繕費用等の発生による利益の押し下げ要因があったものの、比較的収益率の高い建造工事の進捗及びチャーター事業の収益の積み上げなどにより、営業利益は、75,330千米ドル(前連結会計年度は営業損失317,552千米ドル)となりました。

対して、米ドル高による為替差損及びFPSOを保有する関連会社への追加融資に対する損失評価引当金を金融費用に計上したことなどにより、税引前利益は、54,835千米ドル(前連結会計年度は税引前損失344,300千米ドル)となりました。これらにより、親会社の所有者に帰属する当期利益は、37,377千米ドル(前連結会計年度は親会社の所有者に帰属する当期損失363,975千米ドル)となりました。なお、当期末において、2023年12月期の配当予想は、未定であります。

当社グループは、浮体式石油生産設備の建造及びこれに関連する各種サービスを提供する単一の事業を展開しているため、セグメント別の業績等の記載は省略しております。

 

(2) 財政状態について

当連結会計年度末の資産合計は、主に現金及び現金同等物及び契約資産の減少により、前連結会計年度末から289,328千米ドル減少し、3,136,213千米ドルとなりました。

負債合計は、主に営業債務及びその他の債務の減少により、前連結会計年度末から575,690千米ドル減少し、2,295,092千米ドルとなりました。

資本合計は、主にその他の資本の構成要素の増加により、前連結会計年度末から286,362千米ドル増加し、841,121千米ドルとなりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フロー支出が大きく増加したことにより、前連結会計年度末から317,505千米ドル減少し、492,625千米ドルとなりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて361,135千米ドル減少し、208,895千米ドルの支出となりました。これは主に、FPSO等の建造工事に係る売上債権の回収時期と買掛金の支払時期のバランスによる変動であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、主に持分法で会計処理されている投資の取得による支出96,383千米ドルや長期貸付けによる支出24,103千米ドルにより、56,846千米ドルの支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入金の返済による支出31,620千米ドルやリース負債の返済による支出21,463千米ドルにより、49,013千米ドルの支出となりました。

 

(生産、受注及び販売の状況)

当社グループは、浮体式石油生産設備の建造及びこれに関連する各種サービスを提供する単一の事業を展開しているため、セグメント別の記載は省略しており、以下の各項目は当社グループ全体の実績を記載しております。

(1) 生産実績

 

 

当連結会計年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

金額(千米ドル)

前年比(%)

当社グループ

1,775,068

△43.0

 

 (注)1 上記の金額は、FPSO、FSO及びTLPの設計・建造・据付並びにその他の工事に係る完成工事高であります。

2 金額は、販売価格によっております。

 

(2) 受注実績

 

 

当連結会計年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

受注高(千米ドル)

前年比(%)

受注残高(千米ドル)

前年比(%)

当社グループ

1,462,207

△49.6

10,934,356

△6.3

 

 (注) 上記の他、持分法適用会社のリース及びチャーターに関する当社グループ持分相当の受注残高は、6,013,891千米ドルであります。

 

(3) 販売実績

 

 

当連結会計年度
(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

金額(千米ドル)

前年比(%)

当社グループ

2,739,762

△29.7

 

 

    主な顧客の販売実績及び総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。

顧客

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千米ドル)

割合(%)

金額(千米ドル)

割合(%)

Equinor Brasil Energia Ltda.

1,105,552

28.4

660,690

24.1

Woodside Energy (Senegal) B.V.

517,646

13.3

490,056

17.9

BUZIOS5 MV32 B.V.

538,220

13.8

-(注)

MARLIM1 MV33 B.V.

496,444

12.7

-(注)

 

 (注) 該当年度において売上収益の10%未満であるため、記載を省略しております。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1)  経営成績に重要な影響を与える要因

① 関係会社への出資比率

FPSO等のリース、チャーター事業推進にあたっては多額の資金を必要とします。当社グループは、各々のプロジェクトごとに総合商社などと合弁で事業会社を設立することにより、資金負担の軽減を図っております。これらの事業会社に対する当社の出資比率は、プロジェクトの規模やリスク許容度等を総合的に勘案した上で決定しており、プロジェクトによって異なります。
 連結財務諸表の作成にあたっては、議決権などから支配権を有していると判断される関係会社を連結子会社とし、支配権を有しないと判断される関係会社を持分法適用会社としております。

連結子会社を事業会社としたプロジェクトでは、FPSO等の建造工事をグループ内取引と認識するため、建造工事が完工し、リース及びチャーターサービスの提供が開始されてから連結損益計算書において損益を認識します。また、連結財政状態計算書にはFPSO等の有形固定資産を計上します。

一方、持分法適用会社を事業会社としたプロジェクトでは、建造工事期間における損益を収益認識基準に基づくインプット法(発生した原価の見積総原価に占める割合で収益認識)によって連結損益計算書に反映させます。ただし、期間損益のうち、当社グループの出資比率に相当する金額はグループ内取引と判断されるため、連結調整によって未実現利益として消去します。建造工事が完工し、リース及びチャーターサービスの提供を開始すると、当該関連会社の損益のうち当社グループの出資比率に相当する金額を、連結損益計算書において持分法による投資損益として計上します。
 以上のとおり、事業会社に対する当社グループの出資比率等により、連結財務諸表への影響は大きく異なっております。

② 未実現損益の消去

プロジェクトの規模が大型化するに従い、リース及びチャータープロジェクトのために設立する事業会社に対する当社グループの出資比率は概ね50%以下に止まるケースが多く、事業会社は持分法適用会社となっております。前述のとおり、こうしたプロジェクトの建造工事期間中は収益認識基準に基づくインプット法によって連結損益計算書に売上収益を計上する一方、期間損益のうち当社グループの出資比率に相当する金額を未実現損益として消去しております。
 消去した未実現損益は、FPSO等を所有する持分法適用会社において、リース及びチャーター事業の会計処理にファイナンス・リースを適用する場合は、リース及びチャーターの開始時期に一括して実現させております。一方、オペレーティング・リースを適用する場合は、減価償却期間に応じ未実現利益を実現させております。
 なお、連結損益計算書における営業損益に影響を与える未実現損益の消去額及び未実現損益の実現額、並びに未実現損益残高の推移は、以下のとおりであります。

(単位:千米ドル)

 

2021年12月

2022年12月

未実現損益の消去額

8,905

△5,029

未実現損益の実現額

21,271

5,268

差引影響額

△12,366

△10,297

未実現損益の残高

59,614

49,316

 

 

 

(2)  経営成績に関する分析

① 受注の状況

当連結会計年度は、ウッドサイド社セネガル沖合サンゴマール鉱区向けFPSOの建造及びオペレーションの新規受注及び既存プロジェクトの仕様変更並びにオペレーションサービス等により1,462,207千米ドルの受注高となりました。受注残高は、前連結会計年度末から1,078,274千米ドル減少し、10,934,356千米ドルとなりました。また、持分法適用会社のリース及びチャーターに関する当社グループ持分相当の受注残高は、6,013,891千米ドルとなりました。

 

② 売上収益の状況

売上収益は、主にFPSO等の建造工事の進捗とチャーター及びオペレーションサービスの提供により2,739,762千米ドルとなりました。

 

③ 営業損益の状況

営業損益は、主に新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、建造中のプロジェクトにおいて建造工事の中断や、機器の調達の遅れ、また建造工事現場への移動制限などからスケジュール全体の進捗に影響が発生し、多額の追加コストの増加を見込んだことにより75,330千米ドルの営業利益となりました。

 

④ 当期損益の状況

当期損益は、金融収益の増加により54,835千米ドルの税引前利益となりました。

 

⑤ 親会社の所有者に帰属する当期損益の状況

以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期損益は、37,377千米ドルの利益となりました。

 

(3)  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況  3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要)(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(4)  資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資本の財源

当社グループの資金の源泉は、主に営業活動からのキャッシュ・フローと金融機関からの借入としておりますが、FPSO等の建造工事においては、工事代金の回収時期と工事費用の支払時期のずれにより当該建造工事に関わる債権債務が一時的に大きく変動し、営業キャッシュ・フローに大きな影響を与えます。当社グループではこれらの建造工事に関わる債権と債務のバランスを図ることで資金効率の向上に努めております。また、当社グループは、「CMS預貸制度(キャッシュ・マネジメント・システム)」によりグループ内で資金融通を行うことで資金効率を高めております。

② 建造工事期間における資金負担

FPSO等を客先に売り渡すプロジェクトの場合、建造工事に要する費用は工事の進行度合いに応じて前受金にて回収しているため、当社グループでは運転資金の調達を必要としません。一方、リース及びチャータープロジェクトの場合、当社グループと総合商社等が合弁で設立する事業会社が建造工事の発注者となるため、当社グループには事業会社に対する出資比率に相当する建造工事費用の負担が生じます。

当社グループは、建造工事期間における必要資金を、主に短期借り入れによって当社が調達して関係会社へ貸し付ける方法、ないしは当社の債務保証によって関係会社が借り入れる方法によって調達しております。

 

③ 総リスク額の管理

当社グループでは、大型プロジェクトにおける多額の資金負担と、それに伴うリスクを軽減するため、リース及びチャータープロジェクトのFPSO等への投資資金についてプロジェクトファイナンスによる調達を行っております。それによって当社の債務保証なしに関係会社が長期資金を調達することが可能となり、プロジェクト個々のリスクを当社から遮断する効果をもたらします。

当社グループでは、プロジェクトファイナンスを活用すると共に、総合商社などの事業パートナーをプロジェクトに招聘する等の方策により、総リスク額をコントロールして事業を展開する方針であります。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項については、それぞれ合理的な方法により、会計上の見積りを行なっており、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「連結財務諸表注記」、「2. 作成の基礎 (4)判断及び見積りの使用」及び「3. 重要な会計方針」に記載しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社グループの経営上の重要な契約は、以下のとおりであります。

契約会社名

相手方の名称

契約期間等

契約内容

当社

三井物産(株)(日本)

① 締結年月日

  2010年2月26日

② 契約期間

  2010年2月26日から
終了合意日まで

戦略的パートナーとして、経営資源、ノウハウ、ブランド、顧客基盤等を相互に活用することによる、FPSO等に関する事業の共同推進

 

 

 

2 【主要な設備の状況】

当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。

 

(1) 提出会社

(2022年12月31日現在)

事業所名
(所在地)

設備の
内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

建物

工具、器具
及び備品

リース
資産

ソフト
ウェア

その他
無形固定
資産

合計

本社
(東京都中央区)

事務所ほか

44

6

30

54

1,839

1,975

184

(7)

 

 (注)1 上記事務所の建物は全て賃借により使用しており、年間賃借料は195百万円であります。

2 帳簿価額のうち「その他無形固定資産」の主な内訳は、次世代FPSO用新造船体設計費用であります。

3 従業員数の( )内には、臨時従業員数を外書きで表示しております。

4 現在休止中の主要な設備はありません。

5 上記のほか、主要な賃借設備はありません。

 

(2) 子会社

(2022年12月31日現在)

会社名

所在地

設備の
内容

帳簿価額(千米ドル)

従業
員数
(名)

有形固定資産

使用権
資産

無形
資産

合計

建物付
属設備

器具及
び備品

建設仮
勘定

MODEC INTERNATIONAL,INC.

米国

情報シス
テムほか

918

870

43

2,828

33,625

38,286

170

( 67)

MODEC OFFSHORE PRODUCTION
SYSTEMS(SINGAPORE)PTE.LTD.

シンガ
ポール

事務所ほか

477

983

27,413

16,452

45,327

967

(  1)

MODEC SERVICOS DE
PETROLEO DO BRASIL LTDA

ブラ
ジル

事務所ほか

1,823

2,323

465

8,235

1,912

14,760

2,950

(241)

 

 (注)1 従業員数の( )内には、臨時従業員数を外書きで表示しております。

2 上記のほか、主要な賃借設備はありません。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

102,868,000

102,868,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2022年12月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年3月28日)

上場金融商品取引所
名又は登録認可金融
商品取引業協会名

内容

普通株式

56,408,000

56,408,000

東京証券取引所
(プライム市場)

単元株式数は100株であります

56,408,000

56,408,000

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(千株)

発行済株式
総数残高
(千株)

資本金増減額
(百万円)

資本金残高
(百万円)

資本準備金
増減額
(百万円)

資本準備金
残高
(百万円)

2014年5月21日

464

56,408

448

30,122

448

30,852

 

(注) 2014年5月21日を払込期日とするオーバーアロットメントによる売出しに関連して行う第三者割当増資

    払込金額      1,933.8円

    資本組入額   966.9円

    割当先      SMBC日興証券株式会社

 

 

(5) 【所有者別状況】

(2022年12月31日現在)

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

13

31

86

161

25

12,459

12,775

所有株式数
(単元)

40,898

5,160

362,807

96,777

116

58,163

563,921

15,900

所有株式数
の割合(%)

7.25

0.92

64.34

17.16

0.02

10.31

100.00

 

(注) 自己株式990株は、「個人その他」欄に9単元、「単元未満株式の状況」欄に90株含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

(2022年12月31日現在)

氏名又は名称

住所

所有
株式数
(千株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する所有株式数の割合(%)

株式会社三井E&Sホールディングス

東京都中央区築地5-6-4

27,697

49.10

三井物産株式会社

東京都千代田区大手町1-2-1

8,387

14.86

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2-11-3

3,048

5.40

JP MORGAN CHASE BANK 385632
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

25 BANK STREET, CANARY WHARF,
LONDON, E14 5JP UNITED KINGDOM
(東京都港区港南2-15-1品川インターシティA棟)

1,908

3.38

NORTHERN TRUST GLOBAL SERVICES SE, LUXEMBOURG
RE LUDU RE:UCITS CLIENTS 15.315 PCT NON TREATY
ACCOUNT
(常任代理人 香港上海銀行東京支店カストディ業務部) 

10 RUE DU CHATEAU D’EAUL-3364
LEUDELANGE GRANDDUCHY OF
LUXEMBOURG
(東京都中央区日本橋3-11-1) 

897

1.59

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1-8-12

717

1.27

MSIP CLIENT SECURITIES
(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)

25 Cabot Square, Canary Wharf,
London E14 4QA, U.K.
(東京都千代田区大手町1丁目9-7 大手町フィナンシャルシティ サウスタワー)

511

0.90

STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505227
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

P.O.BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS
02101 U.S.A.
(東京都港区港南2-15-1品川インターシティA棟) 

437

0.77

STATE STREET LONDON CARE OF STATE STREET BANK
AND TRUST, BOSTON SSBTC A/C UK LONDON BRANCH
CLIENTS- UNITED KINGDOM
(常任代理人 香港上海銀行東京支店カストディ業務部) 

ONE LINCOLN STREET, BOSTON MA USA
02111
(東京都中央区日本橋3-11-1)

433

0.76

BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)
(常任代理人 ㈱三菱UFJ銀行)

PETERBOROUGH COURT 133 FLEET
STREET LONDON EC4A 2BB UNITED
KINGDOM
(東京都千代田区丸の内2-7-1)

293

0.52

44,333

78.59

 

(注)1  日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)及び株式会社日本カストディ銀行(信託口)の信託業務に係る株式数については、当社として把握することができないため記載しておりません。

2 上記のほか、「役員向け株式報酬制度」の信託財産として、三井住友信託銀行株式会社が役員向け株式報酬制度信託口37.2千株(0.07%)を保有しております。なお、当該株式は連結財務諸表上、自己株式として処理しております。

 

① 【連結財政状態計算書】

(単位:千米ドル)

 

注記番号

前連結会計年度
(2021年12月31日)

当連結会計年度
(2022年12月31日)

資産

 

 

 

流動資産

 

 

 

現金及び現金同等物

5

810,131

492,625

営業債権及びその他の債権

6,24,32

379,394

478,083

契約資産

24

704,730

257,328

貸付金

11,31,32

14,176

-

その他の金融資産

12,16,31,33

14,171

37,288

その他の流動資産

13,24

138,134

141,820

流動資産合計

 

2,060,740

1,407,147

非流動資産

 

 

 

有形固定資産

4,7,9

51,366

64,314

無形資産

4,8

80,845

70,213

持分法で会計処理されている投資

4,10,32

739,046

1,114,066

貸付金

11,31,32

398,562

365,032

その他の金融資産

12,31

13,278

13,603

繰延税金資産

28

54,941

65,016

その他の非流動資産

4,13,24

26,760

36,819

非流動資産合計

 

1,364,801

1,729,066

資産合計

 

3,425,542

3,136,213

 

 

 

(単位:千米ドル)

 

注記番号

前連結会計年度
(2021年12月31日)

当連結会計年度
(2022年12月31日)

負債及び資本

 

 

 

負債

 

 

 

流動負債

 

 

 

営業債務及びその他の債務

14,31,32

1,356,472

921,708

契約負債

24

405,807

499,383

社債及び借入金

15,31,33

426,867

19,084

未払法人所得税

 

40,564

38,389

引当金

19

237,013

109,704

その他の金融負債

20,31,33

94,549

99,219

その他の流動負債

21

103,483

76,954

流動負債合計

 

2,664,758

1,764,443

非流動負債

 

 

 

社債及び借入金

15,31,33

55

374,293

繰延税金負債

28

8

1,283

確定給付負債

17

54,693

43,959

引当金

19

80,597

56,675

その他の金融負債

20,31,33

23,584

37,127

その他の非流動負債

21

47,084

17,310

非流動負債合計

 

206,024

530,649

負債合計

 

2,870,782

2,295,092

資本

 

 

 

資本金

22

282,292

282,292

資本剰余金

22,32

280,711

280,686

利益剰余金

22

85,957

131,004

自己株式

22

1,291

1,092

その他の資本の構成要素

 

115,129

118,748

親会社の所有者に帰属する持分合計

 

532,541

811,640

非支配持分

 

22,218

29,481

資本合計

 

554,759

841,121

負債及び資本合計

 

3,425,542

3,136,213

 

 

② 【連結損益計算書】

(単位:千米ドル)

 

注記番号

前連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

売上収益

4,24,32

3,899,748

2,739,762

売上原価

7,8,17,18,25,32

4,125,283

2,671,503

売上総利益又は売上総損失(△)

 

225,534

68,259

販売費及び一般管理費

7,8,17,18,25,32

145,963

153,101

持分法による投資利益

10,31

29,309

126,845

その他の収益

26

24,680

33,384

その他の費用

 

44

57

営業利益又は営業損失(△)

 

317,552

75,330

金融収益

27,31

55,438

64,389

金融費用

27,31

82,185

84,884

税引前利益又は税引前損失(△)

 

344,300

54,835

法人所得税費用

28

15,620

13,691

当期利益又は当期損失(△)

 

359,920

41,143

 

 

 

 

当期利益の帰属

 

 

 

親会社の所有者

 

363,975

37,377

非支配持分

 

4,055

3,766

当期利益又は当期損失(△)

 

359,920

41,143

 

 

 

 

(単位:米ドル)

1株当たり当期利益

 

 

 

基本的1株当たり当期利益又は基本的1株当たり当期損失(△)

29

6.46

0.66

希薄化後1株当たり当期利益又は希薄化後1株当たり当期損失(△)

 

6.46

0.66

 

 

①【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2021年12月31日)

当事業年度

(2022年12月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

52,749

19,476

 

 

売掛金

※1 18,579

※1 45,145

 

 

契約資産

74,024

※1 31,663

 

 

仕掛工事

161

-

 

 

前渡金

16,543

13,223

 

 

前払費用

962

729

 

 

短期貸付金

※1 9,959

※1 4,334

 

 

未収入金

-

19,408

 

 

未収収益

1,319

5,070

 

 

その他

※1 2,273

※1 1,063

 

 

貸倒引当金

10,702

2,214

 

 

流動資産合計

165,871

137,901

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

53

44

 

 

 

工具、器具及び備品

8

6

 

 

 

リース資産

38

30

 

 

 

有形固定資産合計

101

81

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

22

54

 

 

 

その他

2,430

1,839

 

 

 

無形固定資産合計

2,453

1,893

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

0

0

 

 

 

関係会社株式

89,175

94,144

 

 

 

関係会社長期貸付金

4,692

18,325

 

 

 

その他

※1 1,693

※1 1,498

 

 

 

貸倒引当金

-

12,516

 

 

 

投資その他の資産合計

95,561

101,451

 

 

固定資産合計

98,115

103,427

 

資産合計

263,987

241,328

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2021年12月31日)

当事業年度

(2022年12月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

※1 94,422

※1 78,605

 

 

1年内返済予定の長期借入金

3,412

2,524

 

 

リース債務

22

16

 

 

未払金

※1 1,359

※1 1,638

 

 

未払費用

245

2,832

 

 

未払法人税等

87

-

 

 

契約負債

24,672

48,175

 

 

預り金

※1 167

※1 165

 

 

CMS預り金

※1 69,829

※1 29,655

 

 

賞与引当金

71

58

 

 

受注損失引当金

5,614

3,829

 

 

その他

66

50

 

 

流動負債合計

199,971

167,551

 

固定負債

 

 

 

 

社債

25,877

29,859

 

 

長期借入金

19,833

20,361

 

 

リース債務

20

17

 

 

退職給付引当金

877

838

 

 

その他の引当金

79

89

 

 

繰延税金負債

937

992

 

 

その他

-

86

 

 

固定負債合計

47,625

52,245

 

負債合計

247,597

219,796

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

30,122

30,122

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

30,852

30,852

 

 

 

資本剰余金合計

30,852

30,852

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

68

68

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

44,504

39,392

 

 

 

利益剰余金合計

44,435

39,323

 

 

自己株式

140

119

 

 

株主資本合計

16,398

21,532

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

繰延ヘッジ損益

9

-

 

 

評価・換算差額等合計

9

-

 

純資産合計

16,389

21,532

負債純資産合計

263,987

241,328

 

 

②【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

当事業年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

売上高

※1 358,045

※1 269,663

売上原価

※1 355,771

※1 263,684

売上総利益

2,273

5,978

販売費及び一般管理費

※1,※2 7,808

※1,※2 8,725

営業損失(△)

5,535

2,747

営業外収益

 

 

 

受取保証料

※1 473

※1 194

 

受取利息及び受取配当金

※1 4,665

※1 45,184

 

その他

10

2,746

 

営業外収益合計

5,149

48,126

営業外費用

 

 

 

支払利息

※1 566

※1 5,229

 

為替差損

2,192

9,561

 

その他

907

1,395

 

営業外費用合計

3,666

16,186

経常利益又は経常損失(△)

4,052

29,192

特別損失

 

 

 

関係会社株式交換差損

5,603

-

 

関係会社株式評価損

48,422

19,767

 

貸倒引当金繰入額

8,669

4,252

 

特別損失合計

62,695

24,020

税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△)

66,747

5,171

法人税、住民税及び事業税

57

4

法人税等調整額

930

54

法人税等合計

873

59

当期純利益又は当期純損失(△)

67,621

5,112