ホーチキ株式会社
(注)1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第126期の期首から適用しており、第126期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注)1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第126期の期首から適用しており、第126期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
1918年4月 東京市麹町区有楽町において、わが国最初の火災報知機メーカーとして創業。
(商号:東京報知機株式会社、設立年月日:1918年4月2日、資本金:100万円)
1920年4月 わが国初の公衆用火災報知機を日本橋に設置。
1951年10月 自動火災感知器を開発。
1962年5月 需要の増大に伴う製造部門及び技術・研究部門の拡充整備を目的に、東京都町田市に町田工場を建
設。
1963年7月 東京証券取引所市場第二部に上場。
1964年7月 水噴霧、泡消火装置等を開発。
1968年1月 東京報知機販売株式会社(現・連結子会社、ホーチキ商事株式会社)を設立。
1968年6月 イオン化式煙感知器を開発。
1968年11月 本社を現在地に移転。
1969年3月 宮城県角田市に角田工場(現・宮城工場)を建設。
1969年7月 テレビ共聴機器、放送設備の本格的販売を開始。
1971年11月 米国にロスアンゼルス駐在事務所を開設。
1972年5月 東京証券取引所市場第一部に指定替え。
1972年7月 商号をホーチキ株式会社に変更。
米国カリフォルニア州にホーチキアメリカコーポレーション(現・連結子会社)を設立。
1974年12月 茨城県結城郡に茨城工場を建設。
ホーチキ茨城電子株式会社(現・連結子会社)を設立。
1980年6月 関西ホーチキエンジニアリング株式会社(現・連結子会社)を設立。
1986年1月 株式会社ホーチキ物流センターを設立。
1986年9月 英国にロンドン駐在事務所を開設。
1988年3月 決算期を12月31日から3月31日に変更。
大空間火災検出消火システム(放水銃)の販売を開始。
1988年4月 愛媛ホーチキ株式会社の株式取得。
1988年7月 株式会社ホーチキメンテナンスセンターの株式取得。
1988年9月 ホーチキエンジニアリング株式会社(現・連結子会社)を設立。
1989年4月 株式会社ホーチキ名古屋メンテナンスを設立。
1989年10月 株式会社ホーチキ福岡メンテナンスを設立。
1990年4月 株式会社ホーチキ札幌メンテナンスを設立。
1990年10月 株式会社ホーチキ大阪メンテナンスを設立。
株式会社ホーチキ横浜メンテナンスを設立。
1991年1月 宮城県角田市に宮城新工場を建設、移転。
1991年8月 株式会社ホーチキ中国メンテナンスを設立。
1991年9月 英国ケント州にホーチキヨーロッパ(U.K.)リミテッド(現・連結子会社)を設立。
1992年4月 埼玉ホーチキ株式会社を設立。
1992年7月 宮城工場がISO9001を認証取得。
1993年5月 大阪府東大阪市に大阪支店(現・関西支店)新社屋を建設、移転。
1994年6月 出入管理システム「ID・TECHNO」の販売を開始。
1995年10月 R型防災システムHRK型受信機の販売を開始。
1995年12月 宮城県角田市に総合防災実験場を建設。
1996年6月 R型防災システムHRI型受信機の販売を開始。
1997年6月 東南アジア営業拠点としてシンガポール駐在事務所を営業所に昇格設立。
1998年3月 非常電源不要型共同住宅システム(SVシステム)の販売を開始。
1999年8月 町田工場がISO9001を認証取得。
2001年10月 特殊防災部(現・トンネルシステム部)がJIS Q 9001:2000、ISO9001:2000を認証取得。
2001年12月 町田事業所がJIS Q 14001、ISO14001を認証取得。
2002年2月 P型とR型を組み合わせたハイブリッドな受信機の販売を開始。
2002年10月 住宅用の火災・ガス漏れ複合型警報器の販売を開始。
2002年11月 超高感度煙感知システム小型一体型の販売を開始。
2003年6月 住宅用火災警報器の販売を開始。
2003年10月 R型防災システムHRN型受信機の販売を開始。
2003年11月 煙感知器SLVシリーズの販売を開始。
茨城工場がJIS Q 9001:2000、ISO9001:2000を認証取得。
2004年1月 株式会社ホーチキ東北メンテナンスの株式取得。
2004年4月 東京支店施工管理部がJIS Q 9001:2000、ISO9001:2000を認証取得。
2004年5月 綜合警備保障株式会社と業務提携。
2005年1月 大規模建築物向けR型防災システムHRO型受信機の販売を開始。
2005年9月 三和シヤッター工業株式会社と業務・資本提携。
2005年11月 中国北京市にホーチキ消防科技(北京)有限公司を設立。
住宅用火災警報器SS-2LHの販売を開始。
2006年11月 ホーチキエンジニアリング株式会社(現・連結子会社)において、大和防災工業株式会社の株式を取
得。
2007年12月 宮城事業所がISO14001を認証取得。
2008年4月 株式会社ホーチキメンテナンスセンターを除く全国メンテナンス子会社7社を株式会社ホーチキ東日
本メンテナンス、株式会社ホーチキ西日本メンテナンス2社に統合。
2009年1月 ホーチキエンジニアリング株式会社(現・連結子会社)から、大和防災工業株式会社の発行済株式の全
てを取得。
2009年4月 連結子会社である大和防災工業株式会社を吸収合併。
2009年6月 宮城工場の風力発電・太陽光発電設備が竣工。
2010年3月 日本初の無線式自動火災報知システムの販売を開始。
2011年4月 連結子会社である株式会社ホーチキ物流センターを吸収合併。
持分法適用関連会社である埼玉ホーチキ株式会社の株式を売却。
2011年10月 連結子会社である株式会社ホーチキメンテナンスセンター、株式会社ホーチキ東日本メンテナンス、
株式会社ホーチキ西日本メンテナンスを吸収合併。
2012年2月 豪州ニューサウスウェールズ州にホーチキオーストラリアPTYリミテッド(現・連結子会社)を設立。
2012年5月 メキシコモレロス州にホーチキサービスS.de R.L.de C.V.(現・連結子会社)を設立。
2012年6月 メキシコモレロス州にホーチキメキシコS.A.de C.V.(現・連結子会社)を設立。
2012年7月 関西ホーチキエンジニアリング株式会社(現・連結子会社)において、愛媛ホーチキ株式会社を吸収合
併。
2012年10月 英国ケント州のケンテックエレクトロニクスリミテッド(現・連結子会社)の株式取得。
2013年3月 ドバイ首長国シリコンオアシスにホーチキミドルイーストFZE(現・連結子会社)を設立。
2014年4月 シンガポール共和国シンガポール市にホーチキアジアパシフィックPTEリミテッド(現・連結子会社)を
設立。
2015年7月 連結子会社であるホーチキ消防科技(北京)有限公司の全出資持分を売却。
2017年1月 伊国ベネト州のD.E.S.SRL(2017年4月1日付ホーチキイタリアSRL a s.u. に商号変更 現・連結子会
社)の全出資持分取得。
2018年7月 水戸ホーチキ株式会社(現・連結子会社)の株式取得。
2018年10月 タイ王国バンコク都にホーチキタイランドリミテッド(現・連結子会社)を設立。
2022年4月 東京証券取引所の市場再編により、東京証券取引所市場第一部からプライム市場へ移行。
2022年10月 株式会社ディーディーエル(現・連結子会社)の株式取得。
当社の企業集団は、当社、連結子会社16社で構成され、火災報知設備、消火設備、情報通信設備、防犯設備等の製造、販売、施工及び保守を主な内容とし、さらに各事業に関連する損害保険代理業務その他の事業活動を展開しております。
当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。
防災事業
火災報知設備………当社が製造販売するほか、製品の一部を連結子会社ホーチキ茨城電子株式会社より仕入れ、販売を行っております。販売、施工及び保守の一部については、連結子会社ホーチキエンジニアリング株式会社、関西ホーチキエンジニアリング株式会社、水戸ホーチキ株式会社が行っております。連結子会社ホーチキアメリカコーポレーションは、アメリカの営業拠点として米国カリフォルニア州において、連結子会社ホーチキヨーロッパ(U.K.)リミテッドは、ヨーロッパの営業拠点として英国ケント州において、当社グループより一部の製品及び材料の供給を受けて、火災報知機器の製造及び販売を行っております。ホーチキオーストラリアPTYリミテッドは、オーストラリアの営業拠点として豪州ニューサウスウェールズ州において、ホーチキアジアパシフィックPTEリミテッドは、シンガポールの営業拠点としてシンガポール共和国シンガポール市において、当社グループより一部の製品を輸入し販売を行っております。ホーチキメキシコS.A.de C.V.は、メキシコの営業拠点としてメキシコモレロス州において、ホーチキアメリカコーポレーションより一部の製品を輸入し販売を行っております。ケンテックエレクトロニクスリミテッドは、英国ケント州において、火災報知機器の製造を行い当社グループへ供給するほか、顧客への販売を行っております。ホーチキミドルイーストFZEは、中東の営業拠点としてドバイ首長国シリコンオアシスにおいて、ホーチキアメリカコーポレーションとホーチキヨーロッパ(U.K.)リミテッドより一部の製品を輸入し販売を行っております。ホーチキイタリアSRL a s.u.は、イタリアの営業拠点として伊国ベネト州において、ホーチキヨーロッパ(U.K.)リミテッドより一部の製品を輸入し販売を行っております。ホーチキタイランドリミテッドは、タイの営業拠点としてタイ王国バンコク都において、ホーチキアジアパシフィックPTEリミテッドより一部の製品を輸入し販売を行っております。
なお、その他の関係会社である綜合警備保障株式会社に対して当社の機器をOEMにて供給しております。
消火設備……………当社及びケンテックエレクトロニクスリミテッドが製造販売するほか、一部は当社で仕入れて販売を行っております。販売、施工及び保守の一部は、火災報知設備を主に行っている連結子会社と同様であります。
情報通信事業等
情報通信設備………当社は、製品の一部を連結子会社ホーチキ茨城電子株式会社より仕入れ、販売を行っております。販売、施工及び保守の一部については、連結子会社ホーチキエンジニアリング株式会社、関西ホーチキエンジニアリング株式会社、水戸ホーチキ株式会社が行っております。
防犯設備等…………当社及び株式会社ディーディーエルが製造販売するほか、一部は当社で仕入れて販売を行っております。
なお、その他の関係会社である綜合警備保障株式会社に対して当社の機器をOEMにて供給しております。
2022年10月3日付で株式会社ディーディーエルの全株式を取得し、連結子会社としております。
事業の系統図は次のとおりであります。

(注) 当社の「その他の関係会社」である綜合警備保障株式会社は、当社の得意先の一つであります。
連結子会社は次のとおりであります。
連結子会社
(注)1 主要な事業内容の欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2 議決権の所有(又は被所有)割合の欄の〔内書〕は間接所有であります。
3 上記連結子会社のうち、ホーチキアメリカコーポレーション及びホーチキヨーロッパ(U.K.)リミテッドは特定子会社であります。
4 上記連結子会社は全て、有価証券届出書又は有価証券報告書を提出しておりません。
5 上記連結子会社は全て、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%以下であるため、主要な損益情報等の記載を省略しております。
6 当社ではグループ内資金を一元管理するCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。
7 上記その他の関係会社は、有価証券届出書又は有価証券報告書を提出しております。
2023年3月31日現在
(注)1 従業員数は就業人員であり、顧問、嘱託、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
2023年3月31日現在
(注)1 従業員数は就業人員であり、顧問、嘱託、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
当社には、ホーチキ労働組合(組合員数1,051名)が組織されております。
労使関係については、特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
提出会社
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 全ての労働者の男女の賃金の差異は54.9%となっております。
賃金の差異の主な要因は、以下に示すとおり女性正規雇用労働者において総合職が男性と比較して少数であり、かつ、女性正規労働者における一般職・その他(工場現業職)等の割合が80%超を占めるためです。女性総合職の比率及び総合職における各職能等級の人数分布が男性同様と仮定した場合、労働者の男女の賃金の差異は83.3%となります。
当社では、ダイバーシティ&インクルージョン推進の観点からも女性総合職が少ない現状を課題と受け止めており、女性総合職の採用・各種登用を増やしていく方針です。また、現行の総合職・一般職の括りを一本化し、分け隔てない職能資格制度を構築することで、より「誰もが活躍できる企業づくり」を進めていきます。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、グループの使命・存在意義を定義する経営理念として、「人々に安全を」「社会に価値を」「企業をとりまく人々に幸福を」を掲げております。
「災害の防止を通じ人命と財産の保護に貢献する」ことを基軸とし、社会のニーズに適合した価値ある商品とサービスを提供するとともに、お客様、株主、取引先、その他地域社会の人々及び従業員に豊かな生活と生きがいのある場を提供する一方、地球環境の保全に配慮して活動することを経営の基本方針としております。
(2) 経営戦略等
当社グループは、企業価値向上と持続可能な社会に一層の貢献を果たすべく、中期経営計画「VISION2023」(2021~2023年度)を策定しております。
「VISION2023」では、「将来への戦略投資」を確実に実行し、「経営体質改善」と「財務基盤強化」により、「営業利益率」の改善と、「ROE」の維持を目指します。
経営理念を真に実践できる企業集団を目指し、中期ビジョンとして「魅力あるグローバルブランドへの挑戦」を掲げ、不透明な経営環境にあっても持続的成長を実現するため、各事業分野における選択と集中を通した企業価値の最大化を図ってまいります。
そのために、防災事業を核とする企業活動を通して安全・安心な社会の構築に貢献するという経営目標のもと、高品質な製品・システムの提供や、収益性を重視した製造・販売・施工・保守体制の充実を図ってまいります。
(3) 経営環境
当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症にかかる活動制限の緩和を受け、経済活動の正常化に向けた動きがみられるものの、依然としてエネルギー価格、原材料価格の高騰による物価高の継続や物流費用の高止まり、電子部品を中心とした部品調達リスク等をはらんでおります。
このような環境の中、当社グループは、経営理念である「人々に安全を」「社会に価値を」「企業をとりまく人々に幸福を」を具現化し、企業価値向上と持続可能な社会に一層の貢献を果たすべく、中期経営計画「VISION2023」の達成に向けて施策を実行し、企業体質変革を実現します。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 「競争優位性の高いビジネスモデル」の追求・持続的成長の実現
国内におきましては、効率的な顧客循環サイクルを踏まえた施策を実施します。
防災事業につきましては、CRMを最大限活用し、効果的に新築・リニューアル需要を取り込みます。メンテナンス事業におきましては、更なる安定成長を目指し、業務品質の向上を図りながら、デジタル技術を活用した付加価値サービスの提供に向けた施策を進めます。
情報通信事業等につきましては、今後も市場成長が見込まれるセキュリティ分野へ注力するとともに、アライアンス先との連携を強化し、提案型営業のビジネスモデルを確立します。
海外におきましては、継続する市場成長を背景に、当社の成長シナリオの中心として位置付けております。戦略製品である新型受信機を軸に、火災報知設備を構成する製品群のシステム販売を推進するとともに、建物規模の大きな市場や新規顧客へ営業領域を拡げるなど、市場の深耕を図ります。また、欧州、米国、アジアパシフィックの主要地域を中心に、地域ごとの最適なビジネスモデルを展開し、当社の強みである技術サポート力を活かしながら、海外事業の着実な伸長を目指します。
② 持続的な成長を支えるモノづくり基盤の強化
将来に向けた基礎研究や要素技術開発を強化するなど、中長期的な視点で「モノづくり力」を高めます。また、将来にわたって、高品質で、コスト競争力のある製品を適切な納期で提供できるよう、商品企画・開発から部品調達・生産技術・製造までのグローバルでのサプライチェーンマネジメントの再構築を進めるとともに、新たな付加価値商品の創出に向けた取り組みを推進します。
③ 環境変化に適応した経営改革
当社グループの持続的な成長を図るため、競争力強化に向けたグローバル・高度専門人材の積極登用やジョブ型人事制度の整備、従業員エンゲージメントの向上や高齢者・女性の更なる能力発揮など、多様性を経営に活かす施策を実施します。また、資本効率を意識した事業運営により、財務の健全性の維持・向上に努めるとともに、新たな企業価値を提供するDX(デジタル・トランスフォーメーション)の展開や、環境、社会貢献等、将来への戦略投資につきましては、投資マネジメントの精度向上を図りつつ、着実に実行します。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「VISION2023」では、「将来への成長投資」を確実に実行し、「経営体質改善」と「財務基盤強化」により、「営業利益率」の改善と、「ROE」の維持を目指します。2023年3月期において海外事業の計画を超える販売拡大が進み、「VISION2023」で目標と定めた売上高80,300百万円を前倒しで達成しております。また、2024年3月期においては営業利益も目標額に到達する計画ですが、採用活動の強化やコロナ禍の収束に伴う活動費の増加、開発案件の進捗に伴う研究開発費の増加等により販売費及び一般管理費が増加する計画としており、売上高営業利益率及び自己資本利益率は目標値を下回る想定です。上記に伴い、2024年3月期の経営目標を次のとおり掲げております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市場リスク
当社グループの事業は、「防災事業」「情報通信事業等」ともに、国内外の設備投資や建設市場の動向に影響を受けます。
特に国内市場では、少子高齢化に伴って建設市場の成長が減速していく可能性が高く、減速した場合には当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、持続的な成長に向け、収益性を高め、将来に向けた戦略的な投資を実施していくと同時に、海外事業を成長ドライバーと位置付けております。
海外市場においては、戦略商品として市場投入した新型受信機を軸に、火災報知設備を構成する製品群のシステム販売を進めることで、段階的に海外事業の拡大を図っており、全事業に占める売上高比率を高めることを目指しております。また、DXによる生産性の向上と事業領域の拡大に取り組んでおり、従来の枠を超えた顧客価値の創造を目指しております。
(2) 地政学的リスク
当社グループは、英国その他の海外各地で事業活動を営んでおります。そのため、米中の貿易摩擦等の地政学的リスクによる影響が顕在化した場合には当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、ロシア、ウクライナの顧客に対する販売高が全体に占める割合はごく僅かでありますが、ウクライナ情勢が及ぼす金融やサプライチェーンへの影響が当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、各海外グループ会社との連携を強め、定期的に当社の経営委員会に海外グループ会社メンバーを参加させるなど、情報共有を行っております。加えて、(4) 部品・原材料等の供給リスクに示すとおり、可能な限り一社からの集中購買は避けるようにしております。
(3) 法的規制等リスク
当社グループが提供する火災報知設備に関する生産品等は、消防法その他関係法令により、設置等が義務付けられております。今後、社会情勢等の変化により、適宜、法令の改正ないし解釈の変更等が行われる可能性があります。また、当社グループの製品は、各国の認証機関の認証を受けて販売しておりますが、国によって製品の規格が異なるため、ある国では認証を受けられても、他国では認証取得に時間を要することがあります。
建設業については、2024年4月より改正労働基準法に基づき時間外労働時間の上限が見直しとなるため、人員の確保や受注量を抑える必要が生じる可能性があります。
これらの事象により、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、関係法令の改正等があった場合に速やかに対応できるよう、動向について継続的に情報収集を行っております。また、時間外労働時間の上限見直しについては、ITを活用した施工支援ツールによる効率化などを推進し、施工現場における業務負荷の軽減に取り組んでおります。
(4) 部品・原材料等の供給リスク
当社グループにおいて、サプライヤーから供給を受けている部品や原材料等の価格が需給環境の変化等により高騰した場合や、世界的な供給難、サプライヤーの災害や倒産等により部品や原材料等の供給が不足して当社グループ製品の製造に支障を来した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
部品や原材料等の種類によっては、特定のサプライヤーに依存せざるを得ない場合もありますが、可能な限り一社からの集中購買は避けるようにし、最適なサプライチェーンの再構築に取り組んでおります。
(5) 品質管理リスク
生産品や設置工事等において品質不具合が生じた場合、対象製品の単価や販売実績、工事物件の規模等によっては、損害が膨らみ、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの火災報知設備に関する生産品の大部分については、日本消防検定協会による検定品及び日本消防設備安全センター等による認定品を提供しており、また、設置工事等については、消防検査の義務付けがあるものは検査に合格したものを納入しております。また、当社グループ内においては、PL委員会等の設置により徹底した品質管理を実施しております。
(6) 自然災害リスク
当社グループやサプライヤーの事業所や工場が地震等の自然災害を被った場合、事業活動に影響が生じ、結果的に経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループでは、自然災害の発生時においても製品の供給やサービスの提供を果たすため、各本部・会社別の事業継続計画(BCP)基本計画書を策定するとともに、当社役職員やサプライヤーを対象として机上訓練を実施しております。また、BCP視点において、部材調達網の見直しを進めてまいります。
(7) 気候変動リスク
気候変動に伴うリスクとしては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 戦略 ② 気候変動 a.気候変動に関する主なリスクと機会」に記載のとおり、夏季の平均気温上昇に伴う熱中症対策の雇用コスト増加、生産性低下等の各種リスクを想定しております。これらのリスクが顕在化した場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、対応策については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 戦略 ② 気候変動 b.気候変動への対応策」に記載のとおりです。
(8) コンプライアンスリスク
独禁法違反、外国公務員等贈賄法制違反、建設業法違反、各国個人情報保護法制違反等の重大な法令違反や長時間労働等に起因する労務災害が生じた場合には、課徴金や営業停止、損害賠償等の法的リスクが想定され、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、関連規程を制定し、申請・届出による事前チェック体制の整備や、内部監査による遵守状況の確認等を行うとともに、法令遵守のための定期的な社内教育を行っております。
(9) 為替変動リスク
当社グループは海外でも製品の生産、販売事業を展開しており、また輸出入もあるため、為替レートが大きく変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、為替予約等によるヘッジを行い、為替変動リスクの軽減に努めております。
(10) 保有株式関連リスク
当社は、取引関係を維持、強化する目的で取引先の株式を政策的に保有することがありますが、株式市況の低迷等が生じた場合には、政策保有株式について売却損、評価損が生じ、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社では「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり、政策保有株式の貸借対照表計上額の総額が、直近の期末における連結純資産の10%を超えないこと等をルール化して、保有をコントロールしております。
当社グループは、債権の貸倒れに備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能額に対して貸倒引当金を設定しておりますが、実際の貸倒れが当該前提等を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となることがあります。
また、経済状況全般の悪化により、設定した前提等を変更せざるを得なくなり、貸倒引当金の積み増しを実施する可能性があります。
これらの場合、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、取引先について与信管理を徹底しております。
当社グループの従業員退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等数理計算上で設定されている前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されます。今後、年金資産の運用環境の悪化等から数理計算上の差異が発生する可能性及び前提条件について再検討する必要が生じる可能性もあります。
その場合、退職給付債務の増加等、費用処理される債務金額が増加することにより、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、退職給付債務の把握、年金資産の運用状況のモニタリングを定期的に行い、年金資産の運用配分の見直しを検討するなど対応しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限の緩和により社会経済活動が正常化に向かう一方、ウクライナ情勢の長期化を背景に、世界的な電子部品の需給逼迫や、資源価格・原材料価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
防災・情報通信業界におきましても、原材料価格や労務費、並びに物流費の上昇など、収益に影響を及ぼすリスクが顕在化しております。
このような状況のもと、当社グループは、全社を挙げて営業活動を推進してまいりました結果、当連結会計年度における経営成績は、次のとおりとなりました。
当社が経営上の目標の達成状況を判断するための経営指標としている自己資本利益率(ROE)は、自己資本の増加により、10.0%(前連結会計年度比0.1ポイント減)となりました。
また、2023年3月末のWACC(加重平均資本コスト)は4.76%、株主資本コストは4.83%と推定しております。
営業利益の主な増減要因は次のとおりであります。
<売上高による影響> 1,369百万円
国内事業におけるリニューアル事業・メンテナンス事業が好調に推移したことに加え、海外事業において部品調達難による製品供給難が下期から回復へ向かったことやシステム販売拡大施策の進展によるものであります。また為替レートの円安進行も寄与いたしました。
<売上原価率による影響> 243百万円
原材料調達価格及び物流費用上昇の影響はあるものの、前年に発生した製品補償引当金計上の反動減により売上原価率は改善いたしました。
<販売費及び一般管理費による影響> △1,503百万円
人員増及び労働条件改善等に伴う人件費の増加やコロナ禍収束へ向かう中での活動費の増加、成長のための研究開発費の増加が主な要因であります。
事業別の概況は次のとおりであります。
(防災事業)
当セグメントは、火災報知設備及び消火設備の2つの事業領域で構成されており、保守事業、海外事業もこのセグメントに含まれております。
当連結会計年度における売上高は、71,594百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。これは主に、海外事業の増収及び国内事業におけるリニューアル事業・メンテナンス事業が安定的に推移したことによるものであります。
海外事業における売上高は16,631百万円(同23.3%増)となりました。これはシステム販売拡大施策の進展によるものであります。地域別では、全地域で増収を実現しております。
セグメント利益は10,002百万円(同3.1%増)となりました。増益となっておりますのは、主に海外事業等の増収の影響によるものであります。
(情報通信事業等)
当セグメントは、情報通信設備及び防犯設備等の2つの事業領域で構成されており、屋内放送設備、インターホン設備、ITV設備、出入管理システムのほか、テレビ共同受信設備やその技術を活用したCATV/光伝送システム等が含まれております。
当連結会計年度における売上高は、13,863百万円(同6.3%増)となりました。これは主に、情報通信設備セグメントで非常放送設備が好調に推移したことによるものであります。
セグメント利益は525百万円(同6.9%増)となりました。これは、主に増収によって売上総利益が増益となっていることによるものであります。
次期(2024年3月期)の業績見通しにつきましては、売上高86,500百万円(当連結会計年度比1.2%増)、営業利益6,100百万円(同9.1%増)、経常利益6,100百万円(同4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,500百万円(同1.7%増)を見込んでおります。
次期の外部環境におきましては、半導体を中心とした電子部品の需給逼迫による生産遅延等先行きに不透明感はあるものの、防災・情報通信業界における需要環境は前年に引き続き堅調に推移することを想定しております。
当社の成長事業として位置付けております海外事業においては、戦略パネルを核としたシステム販売の拡大施策を進めることで、1,268百万円の増収を見込んでおります。
結果として、連結売上高は、1,042百万円の増収となる見込みであります。
営業利益は、増収の影響に加えて売上原価率低減の取り組みを継続すると同時に、将来に向けた研究開発投資の実施により、509百万円の増益となる見込みであります。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は全て販売価額(取付工事代を含む)に換算してあります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は全て販売価額(取付工事代を含む)に換算してあります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は全て販売価額(取付工事代を含む)に換算してあります。
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産の残高は、前連結会計年度末の残高と比べ2,828百万円増加し、58,368百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産の増加によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産の残高は、前連結会計年度末の残高と比べ1,075百万円増加し、19,447百万円となりました。これは主に、建設仮勘定の増加によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債の残高は、前連結会計年度末の残高と比べ414百万円増加し、24,674百万円となりました。これは主に、電子記録債務の増加によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債の残高は、前連結会計年度末の残高と比べ4百万円増加し、6,801百万円となりました。これは主に、役員株式給付引当金の増加によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末の残高と比べ3,485百万円増加し、46,340百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末残高18,617百万円及び営業活動による資金の増加415百万円を原資として、投資活動において2,203百万円、財務活動において1,618百万円をそれぞれ使用しております。
したがって、当連結会計年度末の資金の残高は、15,310百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、415百万円(前年同期に得られた資金は7,792百万円)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益の計上などにより資金が増加したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,203百万円(前年同期に使用した資金は669百万円)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得などにより資金が減少したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,618百万円(前年同期に使用した資金は1,221百万円)となりました。
これは主に、配当金の支払などにより資金が減少したものであります。
(キャッシュ・フロー指標)
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額(※)/総資産
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループでは、手元流動性の向上を進めながら、当期純利益の一定割合を成長投資枠として充当することを資金配分の基本方針としております。配当においては、株主還元水準を安定的、持続的に維持することを基本原則とし、連結株主資本配当率(DOE)によりROEを高める成長投資と配当性向のバランスを考慮しております。
これら成長投資、株主還元、運転資金等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローによる自己資金で充当しております。また、当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、キャッシュ・マネジメント・システムを導入し、グループ全体の資金効率化を進めております。また、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料費、試験研究費、販売費一般管理費等の営業費用であります。成長投資を目的とした資金需要のうち主なものは、試験研究費や生産設備等の設備投資であります。
また、当社グループは、主要取引金融機関との間で長期間にわたり築き上げてきた良好な関係を維持しており、経営に必要な運転資金及び設備投資資金等の調達は問題なく実施可能と認識しております。
さらに、国内金融機関において50億円のコミットメントラインを設定しており、緊急時の流動性も確保しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
(注)1 帳簿価額のうち「その他」は、工具・器具備品、リース資産、建設仮勘定及び無形固定資産であります。
2 現在休止中の主要な設備はありません。
3 従業員は就業人員であり、顧問、嘱託、臨時従業員数は [ ] 内に年間の平均人員を外数で記載しております。
4 茨城工場の設備は大部分をホーチキ茨城電子株式会社に賃貸しております。
5 上記のほか、主要な賃借設備は次のとおりであります。
提出会社
2023年3月31日現在
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 自己株式の消却による減少であります。
2023年3月31日現在
(注)1 自己株式3,597,387株は「個人その他」の欄に35,973単元、「単元未満株式の状況」の欄に87株含まれております。
2 「金融機関」の欄には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式2,526単元が含まれております。
2023年3月31日現在
(注)1 上記のほか、当社所有の自己株式3,597千株があります。
2 持株比率は、自己株式を控除して計算しております。なお、役員報酬BIP信託が所有する当社株式252千株は、自己株式に含めておりません。
1 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・サービス別の製造及び販売体制を置き、製品・サービスについて国内及び海外における包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社グループの報告セグメントは、製品・サービスから構成されており「防災事業」と「情報通信事業等」の2つとしております。
(2) 各報告セグメントの主な売上区分及び営業品目は次のとおりであります。