株式会社ヨコオ
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第84期の期首から適用しており、第84期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 第84期及び第85期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
(注) 1 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第84期の期首から適用しており、
第84期以降に係る経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3 第84期及び第85期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載して
おりません。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は当社(連結財務諸表提出会社)及び連結子会社22社、関連会社3社で構成され、各種電子機器(車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器)の製造販売を行っております。
当社グループの事業に係わる位置づけは次のとおりであります。
当社(連結財務諸表提出会社)
株式会社ヨコオは各種電子機器(車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器)の一部製品の原材料部品を国内及び海外製造子会社に供給し、完成品及び部品として仕入れ、顧客に販売しております。また一部製品は販売子会社に供給しております。
国内製造子会社
国内製造子会社2社は、株式会社ヨコオより部品、材料の支給を受けて各種電子機器(車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器)の製品及び部品を生産し、株式会社ヨコオに供給しております。
海外製造子会社及び海外製造関連会社
海外製造子会社6社は株式会社ヨコオ及び他の子会社より部品、材料の供給を受けて各種電子機器(車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器)の製品及び部品を生産し、株式会社ヨコオに供給しております。また、製品の一部を直接顧客に販売しております。
海外販売子会社
海外販売子会社12社は主に株式会社ヨコオ及び海外製造子会社より製品の供給を受け、顧客に販売しております。
国内関連会社
国内関連会社2社は、車載通信機器、回路検査用コネクタの部品を生産し、株式会社ヨコオに供給しております。

(注)1 議決権に対する所有割合欄の下段( )内数字は、間接所有割合であります。
2 特定子会社であります。
3 以下の子会社については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
YOKOWO MANUFACTURING OF AMERICA LLC
YOKOWO(SINGAPORE)PTE.LTD.
友華科技股イ分有限公司
4 上記以外に小規模な連結子会社が4社あり、連結子会社の数は合計22社となります。
5 上記以外に関連会社が1社あり、関連会社の数は合計3社となります。
6 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
2023年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であります。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員(1日8時間換算)を( )外書で記載しております。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
提出会社の労働組合は単独組合であり、1955年4月、株式会社横尾製作所労働組合(現ヨコオ労働組合)として組織されました。また、一部の連結子会社についても労働組合が組織されています。
組合結成以来、労使間の諸問題は相互の立場を尊重し、常に協調をもって解決されており、その他特記すべき事項はありません。
① 提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
<企業理念体系の刷新>
当社グループは、2022年9月に創業100周年を迎えるにあたり、現行の企業理念体系を見直し、新たな企業理念体系を策定いたしました。さらに一段高いステージに上がり事業を成長させていくために、社会への貢献も意識した「パーパス(存在意義)」、「ビジョン(目指す姿)」、「バリュー(行動指針)」の3つで構成しております。
●パーパス:「人と技術で、いい会社をつくり、いい社会につなげる。」
●ビジョン:「社会ニーズのその先に、人と技術で挑戦し、『新しい』を生み出し続ける進化永続企業。」
●バリュー:「Respect 尊重」、「Fairness 公正・公平」、「Ownership 当事者意識」、「Challenge 挑戦」、
「Innovation 革新」
<経営の基本方針>
●品質第一主義に徹し、最高品質と環境負荷物質ゼロ化により、「ヨコオ品質ブランド」を確立する
●「技術立脚企業」として、アンテナ技術・マイクロウェーブ技術・表面改質材料技術・微細精密加工技術をさらに強化・革新するとともに、製品の付加価値向上に貢献する新技術を積極的に導入し、顧客の製品機能多様化・適用技術多様化へのニーズに応える
●プロダクト・イノベーション(事業構造・製品構造の革新)、 プロセス・イノベーション(事業運営システムの革新)、 パーソネル・イノベーション(人材の革新) の3つの革新に加え、将来成長を見据えた マネジメント・イノベーション(経営・事業運営の革新) を強力に推進することにより、「進化経営」の具現化を加速する
●業界/顧客/技術/サプライチェーン等の事業構造を重層化することにより、世界的パラダイムシフト/ドラスティックな事業環境や競争環境激変に対応可能な事業体制を確立する
(2)目標とする経営指標
<中期経営基本目標>
当社グループは、当期(2023年3月期)まで以下の指標を中期経営基本目標として掲げていました。
●ビジネスモデル革新による質の高い本格成長とミニマム8(エイト)の安定的な実現
ミニマム8:売上高成長率・売上高営業利益率・自己資本利益率を8%以上確保
2024年3月期より、新たな中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)を策定し、以下の指標を中期経営基本目標として掲げております。
●ビジネスモデル革新による質の高い本格成長とミニマム10(テン)の安定的な実現
ミニマム10:売上高営業利益率・営業利益成長率・投下資本利益率・自己資本利益率を10%以上確保
(3)中長期的な会社の経営戦略
当期(2023年3月期)におきましては、当社グループは持続的な企業価値の向上を目指すとともに、より一段高いステージでの社会貢献の実現に向けて、経営の基本方針に掲げる4つのイノベーション(プロダクト/プロセス/パーソネル/マネジメント)の推進に取り組みました。
また、当社グループのターゲット市場である自動車/半導体検査/携帯通信端末/先端医療の各市場は、基本的に成長市場であり、5Gや自動運転など新たな社会インフラを形成する技術・製品の開発・普及により、中長期的な拡大が期待されております。当社グループは、これら主要市場においてより優位なポジションを獲得・確立するべく、経営の基本方針に掲げる「進化経営」と「重層化経営」をさらに進化させ、一段上の全社成長と強靭な高収益構造を追求してまいります。
この考え方に基づき策定した中期経営計画の重点施策は、以下のとおりです。
<新中期経営計画の重点施策>
1)「重層化経営2.0」への進化
① 新中期経営目標「ミニマム10」の設定による、資本効率重視型マネジメントへの転換
② 社内カンパニー制の導入・運用による、事業ポートフォリオ最適化の促進
③ インキュベーションセンターの下での新規事業化テーマの事業化推進
④ 人的資本経営の要としての人財育成センターの設置・運営
2)インキュベーションによるプロダクト・イノベーションの進化
① 通信事業領域におけるインキュベーション
② 先端デバイス事業領域におけるインキュベーション
③ 回路検査用コネクタ事業領域におけるインキュベーション
④ メディカル・デバイス事業領域におけるインキュベーション
3)プロセス・イノベーションの進化
① ITグランドデザインに基づくDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進
② ECM(エンジニアリング・チェーン・マネジメント)改革の継続推進
③ AI/IoTも活用した次世代新5S生産ラインの構築
④ サプライチェーンの構造改革
⑤ エコシステムの構築とアライアンスの推進
4)パーソネル・イノベーションの進化
① ジョブ型人事制度の深化
② 戦略人材の積極的獲得
③ 人財育成・リカレント教育
④ 後進育成/他部門連携などの評価体系への組み込みとカフェテリア方式のフリンジベネフィット体系整備
5)マネジメント・イノベーションの進化
① 資本コスト経営の推進
② お客様のニーズに直結した事業運営の推進
③ リスクマネジメント体制の強化
上記の重点施策を強力に推進することにより、本中期経営計画期間において中期経営基本目標である「ミニマム10」の安定的な実現を目指してまいります。
(4)会社の対処すべき課題
世界経済は、新型コロナウイルス感染症の席巻からの回復途上にありますが、一部には依然として供給停滞・調達難などの影響が残っており、当社事業環境も、エネルギー価格の高止まりや半導体不足、急激なインフレーションによる景気悪化など極めて不透明な状況にあり、2024年3月期は近年になく厳しい事業運営を迫られております。このような状況下で、当社グループは以下の点に重点的に取り組みます。
① 車載通信機器セグメント:収益体制再建
事業・市場環境の一大転換(インド市場急拡大/CASE/EV急増/温暖化ガス排出量削減等)をチャンスと捉え、製品原価~事業構造まで全面的な徹底改革により、安定収益事業へ
② 回路検査用コネクタセグメント:ソリューション提供ビジネスへの進化
半導体前工程検査領域でのターンキービジネスのさらなる拡大と進化、半導体検査市場の需要回復に備えた生産体制抜本強化とBCP体制強化
③ 無線通信機器セグメント
ファインコネクタ事業:コアコンピタンスの研鑽による競争優位性の確立と、当社らしさを活かした新たな顧客価値の創出によるコネクタソリューションプロバイダへの進化
メディカル・デバイス事業:プロダクト・ライフサイクルを通したグローバル品質システムへの転換を図り、先端医療分野における企画商品開発・開発型OEMサプライヤー+ベンチャーエコシステム構築により、飛躍的な事業拡大を実現
④ インキュベーション・センター
MaaS/IoT等新規成長市場や、さらなる高速大容量通信に向けた光通信市場に対し、新たなビジネス創出・ビジネスモデル革新を目指した取組みを推進
また、長期的施策として、以下の取組みを推進してまいります。
● 基礎研究
増資による調達資金を活用し2023年3月に竣工した新技術棟「MPセンター」を中心に据え、微細精密加工技術とマイクロウェーブ(高周波)技術をはじめとする当社のコア技術をさらに強化し、長期にわたる成長力を生み出す基盤となる基礎研究を推進します。
● DX(デジタル・トランスフォーメーション)
開発・調達・生産・販売の各現場の生産性向上と効率化による顧客への価値提供迅速化はもちろん、これらの現場およびヘッドクォーターのリアルタイムの相互連携強化により、経営意思決定スピードおよび変化対応力のさらなる向上を目指します。
● ESG(環境・社会・ガバナンス)
2020年に設定した3つのマテリアリティ(重点課題)である「環境」、「地域社会」及び「多様性と包摂性」に取り組み、各施策で設定したKPIの達成を目指します。
これらを着実にかつ強力に推進することで、次に到来する成長機会をより確実に捉えるための態勢を整えながら現下の厳しい経営環境を乗り切り、中長期的には、激変の中でも揺るがない圧倒的な強みを確立するとともに、ステークホルダーの皆様と新たな価値の協創に邁進してまいります。
当社グループの経営成績、財務状況及び株価に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 一般リスク
①国内外活動及び海外進出に潜在するリスク
当社グループの販売及び生産活動は、日本国内のみならず米国・欧州・アジア諸国等世界全域に幅広く行っております。これら関係諸国での事業活動に伴い、以下に掲げるリスクが内在しております。
a.予期しない法律又は規制の変更
b.不利な政治又は経済要因
c.未整備の技術インフラ
d.潜在的に不利な税制
e.テロ、戦争、デモその他の要因による社会的混乱
f.労働力需給逼迫に伴う賃金・人材確保コストの急増
g.拠点における不正行為
生産活動については、その80%以上を中国・マレーシア・ベトナム・米国・フィリピンの生産子会社5社が行っておりますが、当該国での法環境の変化、経済政策の変更があった場合は、当社の業績見通しに大幅な変動が生じる可能性があります。
また、当社では、内部統制システムを整備することはもとより、行動規範において信頼の確立や法令遵守などを従業員に求め、ハンドブックを作成し、周知徹底させています。しかしながら、このような施策を講じても、複雑化する法令や規制への抵触、役員、従業員による不正行為は完全には回避できない可能性があります。このような法令違反や不正行為等が発生した場合、社会的信用が低下し、取引停止、罰金・罰則等により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、本社を含む各拠点において、必要性に応じて規程の制定・改廃、ガイドライン(法令情報のタイムリーな収集などを含む)の制定や教育の強化を行い、継続的な教育実施をすることでリスク低減に取り組んでまいります。また、グループ全社をカバーする内部通報窓口を設置し、不法行為等のリスクが生じた際にはいち早く対処・是正する体制を整えております。さらに、業務の適正化および効率化の観点から業務プロセスの継続的な改善・標準化についても積極的に推進しております。
②市場ニーズの変動
当社グループは、最終消費製品メーカー等に対し部品を製造販売する事業を営んでおり、主要市場である自動車、半導体検査、携帯端末、先端医療機器の各市場の動向、当社顧客業績やニーズの動向により、当社グループの受注が大きな影響を受けることがあります。主要市場の縮小や顧客業績の不振、市場ニーズの取りこぼし、開発要件不一致は、当社グループの受注減少、売上高の減少となる可能性があります。また、顧客が法的整理等に至った場合は、当社グループの当該顧客に対する債権の全部又は一部が回収不能となる可能性があります。
当社グループでは、顧客ニーズにいち早く答えるために常日頃から変化に対して敏感に察知するよう、市場/顧客の変化・拡大等を見据えた市場マーケティングに努めております。
また、2023年4月に新設したインキュベーションセンターでは、新規事業の育成・確立とともに、ハードウェアからソフトウェアへの転換などビジネスモデル変革を目指しております。
③為替レートの変動に伴うリスク
当社グループの販売高の70%以上及び生産高の80%以上は、海外で発生しております。各地域における売上、原価、保有資産等多くは現地通貨建てであり、連結財務諸表上は円換算しております。為替レートの急激な変動によりこれらの財産・業績等の円換算後の金額が変動し、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末における通貨別構成の下では、他の通貨に対する円高は当社グループの損益にマイナスの影響を、円安はプラスの影響を及ぼします。
当社グループは、外貨建債権債務の管理の徹底や、グローバル全拠点を網羅したトータルの通貨バランスを取ることなどにより、為替レート変動による業績変動リスクの軽減に努めております。
④保有株式の株価変動に伴うリスク
当社グループが保有する金融資産には、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に則り、期末時点における時価により評価替えを行う有価証券等が含まれております。期末時点における当該有価証券等の時価が著しく下落したときには、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当社グループの定める基準に従い評価損を計上することにより、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
有価証券の適正な保有状況を毎年見直していきます。
⑤減損会計適用に伴うリスク
当社グループが保有する事業用固定資産は、減損会計適用対象となっております。当該事業用固定資産を活用する事業の収益性が著しく低下した場合、所定の算定基準に従い当該事業用固定資産の帳簿価額を減額することにより、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
当社グループは、各事業の継続的な収益力向上を推進するとともに、監査法人などの専門家との定期的なコミュニケーションなどにより会計基準のアップデートやその考え方の浸透に努めております。
⑥知的財産権に関するリスク
当社グループが設計・製造・販売する製品やサービスに関する知的財産権について、当社グループまたはその顧客等が第三者から特許侵害訴訟等を提起された結果として、当社グループが損害賠償責任を負う可能性、当該製品が一定の国・地域で製造・販売を差し止められる可能性、又は当社グループの顧客等に対して損害賠償責任を負う可能性があります。
当社グループでは、特許等の知的財産権の管理を行う知的財産権部門を強化し、ポートフォリオ戦略による当社グループの開発技術を積極的に権利化するとともに、i)当社の事業に関係する新規特許の定期的な内容確認の実施、ii)製品の開発・販売に際し、第三者の知的財産権との抵触・類似が発生しないように事前調査を行い、抵触等可能性がある場合は事前に回避策をとるための規程化など、第三者の知的財産権の侵害を未然に防止する体制の構築に努めております。
⑦自然災害や疾病、突発的事象発生のリスク
地震等の自然災害、新型コロナウィルス・インフルエンザなどの疾病や突発的事象に起因する設備の破損、電力・水道の供給困難等による生産の停止は、当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、定期的な防災訓練の実施及び社員の安否確認システムの構築実施、必要とされる安全対策や事業継続・早期復旧のための対策として、事業継続計画(BCP)の拡充を進めております。地震対策として新棟の建設による老朽建屋の更新や水害対策として本社ビル移転など様々な施策を講じております。
(2) マテリアリティ・リスク
①コーポレート・ガバナンスに関するリスク
コーポレート・ガバナンスは、取り巻く経営環境が激変する状況下で企業が柔軟かつスピーディにリスクテイクしたり、不祥事を防止したりするために継続的な強化が必要不可欠であり、当社グループにおいてこれらの機能が不十分である場合、業績悪化・低迷、株価下落、評判の低下などを招く可能性があります。
当社は、取締役会における独立社外取締役の比率を40%以上(7名中3名、43%)としているほか、指名・報酬諮問委員会(委員3名中2名が独立社外取締役、そのうちの1名が委員長)において取締役・執行役員の指名及び報酬等の決定プロセスの透明性をより高めることなどにより、当社のコーポレート・ガバナンスの継続的な強化に取り組んでおります。また、グループ統括推進部を中心として国内外のグループ会社のガバナンス強化にも取り組むとともに、内部監査室とも連携し3線ディフェンス体制を構築しております。
②人員不足に伴うリスク
当社グループは最終消費製品メーカー等に対し部品を製造販売する事業を営んでおり、その製品やサービスを提供するために必要な人材の採用の拡大及び継続的な育成に取り組んでおります。しかし、昨今の人材獲得競争の激化から、当社が必要とする技術やノウハウを有する人材を確保することが困難な場合が増えております。この状況が継続した場合、中長期的な事業推進、生産供給能力や製品品質の確保に影響を及ぼす可能性があります。
また、現在在籍している従業員による固定的な業務遂行環境から、機動的に複数の業務を自主・自立的に遂行できる人材の能力開発、指導、多様性を考慮した働き方を柔軟にすることにより、人材がより幅広く活躍できる職場への変革に取り組んでおります。
③脱炭素社会に向けた取組みに関するリスク
気候変動問題に対する最大の方策である脱炭素社会の実現は極めて重要な課題です。当社の脱炭素の取組みが著しく不十分で改善がみられないと評価された場合、顧客からの取引縮小ないし停止、当社への出資を引き揚げるダイベストメント、地域社会からの評判低下などにより、業績悪化・株価下落などの可能性があります。
当社グループは、グローバル社会の一員としての責任を果たすべく、2050年のカーボンニュートラル・脱炭素社会の実現に向けて、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同及び2030年度でのGHG削減目標を掲げた「新環境方針」を制定しております。再生可能エネルギー調達の拡大や、GHG排出量のより少ない原材料への切り替えの検討等を通じ、GHG排出量の削減に貢献するとともに、適宜計画の見直し等の改善努力とその進捗状況を積極的に開示してまいります。
④SDGsの取組みに関するリスク
SDGs(持続可能な開発目標)への取組みは、世界的に広がり、深く浸透しつつあります。当社グループのSDGsへの取組みが著しく不十分である、あるいは取組み内容の開示が不十分であると評価された場合、脱炭素の取組みの場合と同様に、顧客からの取引縮小、当社への出資を引き揚げるダイベストメント、地域社会からの評判低下などにより、業績悪化・株価下落などの可能性があります。
当社グループは、脱炭素やSDGs(水資源保護、生物多様性、人的資本)への取組みなどについて、改善・向上を常に行うとともに、それらの内容を、毎年発行する統合レポートや当社コーポレートサイトにおいて積極的かつ継続的に開示してまいります。
⑤製品不良に関するリスク
当社グループが製造・販売する製品は、顧客の製造工程で使用される部品、半完成品、又は検査工程で使用される検査機器です。顧客との仕様・要件確認不一致や当社製品の欠陥による顧客財物等の破損等や顧客製品の市場回収等に伴い発生した費用等について当社が賠償責任を負った場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、仕様・要件の確認強化および関係部門間の連携をさらに強化しつつ、不良ゼロ化活動などの品質向上活動や工程の重要性に対する社員の認識向上を推進するとともに、万が一の場合に備えてPL(製造物責任)保険に加入しております。
⑥原材料等の調達・デリバリーに関するリスク
当社グループは、生産活動・事業活動に必要な原材料・部品・物品等を国内外から調達しております。収束しつつあるもののコロナ感染症の影響や戦争・紛争の勃発、世界各国のインフレーション進行、その他不測の事態の発生により、それら原材料等の仕入れコスト及び調達に係る配送コストが著しく上昇し、さらには、各国の政策・法改正により仕入れや配送そのものが不可能となって当社製品出荷が停滞・停止することにより、当社の経営成績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。す。
⑦情報セキュリティに関するリスク
当社が取得し、あるいは顧客等から預かる情報は、経営上重要な資産であり、厳格かつ適正に取り扱う必要があります。当社の情報資産が、内部からの情報漏洩行為や外部からのサイバー攻撃などにより漏洩・破壊・抹消・改ざんされた場合、経営上重大な損害・損失を被る可能性があります。
当社グループは、情報セキュリティの国際標準規格であるISO27001の枠組みに沿って強固な情報セキュリティ体制を構築し、役員・社員への情報セキュリティ教育を継続的かつ定期的に実施するとともに、内部・外部による定期的な監査により、情報資産の保護及び適切な運用の確保・向上を図っております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的に導入したテレワーク(在宅勤務)制度下においても、通信暗号化ソフトウェアの利用などにより、十分な情報セキュリティを確保しております。す。
⑧M&Aに関するリスク
当社グループは、事業上のニーズに応じて事業買収などのM&Aを行っておりますが、買収した事業あるいは会社とのシナジーを十分に発揮できるような状況・体制を創出できないことで、M&Aで想定した企業価値の向上を実現できない可能性があります。
当社グループは、事業リスクを全社横断的に把握・検討する「事業リスク管理委員会」がさらに積極的・機動的に意思決定プロセスに関与することで、想定した以上のシナジー発揮・企業価値向上に努めてまいります。
⑨敵対的買収に関するリスク
当社グループが属する自動車/半導体検査/携帯情報端末/先端医療機器の各業界は、技術革新や競合会社間の合従連衡など業界構造が激しく変動し続けており、その中で、当社も敵対的買収を仕掛けられる可能性があります。
当社グループは、既存ビジネスの深耕拡大や新規ビジネスの獲得、M&Aなどにより継続的に企業価値の向上を図ってまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、売上債権減少707百万円、棚卸資産減少1,399百万円がありましたが、現金及び預金増加3,870百万円などにより、46,355百万円(前期末比1,815百万円の増加)となりました。売上債権の減少は、主に回路検査用コネクタセグメントにおける第4四半期の受注減に伴う売上減少によるものです。また、棚卸資産の減少は、車載通信機器セグメントにおいて、海上・航空物流のリードタイム正常化により積送在庫が減少したことなどによるものです。
固定資産につきましては、有形固定資産増加1,532百万円、投資その他資産増加390百万円などにより、24,300百万円(前期末比1,970百万円の増加)となりました。後掲「b. セグメント情報に記載された区分ごとの状況」に記載のとおり、各事業セグメントにおいて積極的な量産投資・開発投資等を実施したことによります。
以上の結果、当連結会計年度末における資産合計は、70,656百万円(前期末比3,786百万円の増加)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、短期借入金増加233百万円がありましたが、仕入債務減少1,507百万円、未払法人税等減少961百万円などにより、17,890百万円(前期末比2,294百万円の減少)となりました。仕入債務の減少は、主に回路検査用コネクタにおける次期の受注見通しに基づく部材等の仕入減少によるものです。
固定負債につきましては、長期借入金増加3,000百万円、リース債務増加168百万円、などにより、5,541百万円(前期末比3,184百万円の増加)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、23,431百万円(前期末比890百万円の増加)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、為替換算調整勘定増加871百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,147百万円の計上、剰余金の配当1,095百万円などにより、47,224百万円(前期末比2,896百万円の増加)となりました。
<車載通信機器>
設備投資などに伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加2,709百万円などがありましたが、収益性が低下し将来の回収可能性が見込めなくなった固定資産について減損損失863百万円を計上したことなどにより、当連結会計年度末におけるセグメント資産は、28,841百万円(前期末比1,444百万円の減少)となりました。
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額2,377百万円)のうち主なものは、フィリピン生産子会社であるYOKOWO MANUFACTURING OF THE PHILIPPINES, INC.の工場建設工事の完了、ベトナム生産子会社であるYOKOWO VIETNAM CO., LTD.の増設など、能力増強投資であります。
<回路検査用コネクタ>
業量拡大に伴う売掛債権増加のほか、設備投資などに伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加2,266百万円などにより、当連結会計年度末におけるセグメント資産は、12,051百万円(前期末比1,891百万円の増加)となりました。
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額2,043百万円)のうち主なものは、半導体検査用治具の上期における受注拡大及び短納期化に対応するための日本国内分工場及びベトナム生産子会社であるYOKOWO ELECTRONICS VIETNAM CO., LTD.の増設など、能力増強投資であります。
<無線通信機器>
設備投資などに伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加472百万円などがありましたが、当連結会計年度末におけるセグメント資産は、5,102百万円(前期末比901百万円の減少)となりました。
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額384百万円)のうち主なものは、中国生産子会社である東莞友華汽車配件有限公司におけるファインコネクタ事業の量産設備等の更新であります。
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の沈静化に伴って回復傾向となりましたが、主要各国の政策金利引き上げにも関わらず世界的な物価上昇が続いており、半導体不足の長期化などと相まって、サプライチェーンの混乱・停滞が続きました。
当社グループの主要市場である自動車市場、半導体検査市場、携帯通信端末市場、先端医療機器市場におきましては、第5世代移動通信システム(5G)を筆頭に、業界構造や各業界の事業モデルを変えうる先進アプリケーションの普及拡大とともに、製品/技術開発競争が激化しております。
このような状況の中、当社グループは、質の高い本格成長を期し、経営基本方針に掲げる4つのイノベーション(プロダクト/プロセス/パーソネル/マネジメント)の推進に引き続き取り組みました。車載通信機器セグメントにおきましては、急激な円安進行に伴い海外生産拠点におけるコストが膨らみましたが、原材料価格上昇分などに対する販売価格見直し交渉を進め、収益体制の建て直しに努めました。回路検査用コネクタセグメントにおきましては、5Gを契機として広がる事業成長機会をより確実に捉えるべく、技術/製造体制の強化に加え、将来の受注増に備えた国内分工場とベトナム工場の立ち上げを進めました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は、無線通信機器セグメントが前期比で減収となった一方、車載通信機器および回路検査用コネクタの両セグメントが増収となった結果、77,962百万円(前期比+16.6%)となりました。営業損益につきましては、無線通信機器セグメントが減収および事業構成変化などにより前期比で減益となり、車載通信機器セグメントが物流費の高騰や原材料価格上昇・円安に伴うコストアップなどにより損失となったものの、回路検査用コネクタセグメントが増収に伴い増益となったことなどから、4,739百万円の利益(前期比+1.2%)となりました。経常損益につきましては、円安による為替差益1,519百万円を計上したものの、出資先の業績悪化による持分法投資損失688百万円の計上などにより、5,675百万円の利益(前期比△13.1%)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、車載通信機器セグメントにおける固定資産の減損863百万円の計上などにより、3,147百万円の利益(前期比△32.5%)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
<車載通信機器>
当セグメントの主要市場である自動車市場は、世界的な半導体不足・部品供給停滞などの影響が一部継続しているものの、第2四半期以降は半導体不足が徐々に緩和され、販売は改善の方向に向かって推移しました。地域別では、中国市場の販売台数が前期比で減少したものの、米国/アセアン/日本国内市場において増加しました。
このような状況の中、主力製品であるシャークフィンアンテナ/GPSアンテナをはじめとする自動車メーカー向けアンテナの海外販売は、円安効果及び第2四半期以降の自動車生産回復などにより前期比で増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は46,520百万円(前期比+16.1%)と、前期比で増収となりました。セグメント損益につきましては、コストアップ分の一部回収がありましたが、原材料価格・海上運賃の高止まりによるコストアップ、現地通貨高に伴う中国/ベトナム生産拠点での原材料費・労務費などの増加に加えて、第4四半期における低価法適用による一過性の在庫評価切り下げなどにより、2,094百万円の損失(前期は1,443百万円の損失)となりました。
<回路検査用コネクタ>
当セグメントの主要市場である半導体検査市場は、サーバー/自動車向けの需要が底堅く推移したことに加えて、半導体メーカーによる半導体不足解消に向けた供給能力拡大により上期は堅調に推移しましたが、下期以降はPC/スマートフォン向けの需要減少により急激に減速しました。
このような状況の中、当社グループの主力製品である半導体後工程検査用治具の販売は、下期以降は減少したものの、ロジック半導体検査用ソケットなどの受注増及び円安効果などにより、前期を上回りました。半導体前工程検査用治具の販売は、周辺機器を含めてワンストップでソリューションを提供するターンキービジネスが新機種立ち上げにより前期比で増加したことに加え、高周波電子部品検査用MEMSプローブカード(YPX)の販売も、受注増により前期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は22,374百万円(前期比+26.9%)と、前期比で増収となりました。セグメント損益につきましては、第4四半期において急激な受注減に伴う損益悪化があったものの、上期における増収に伴う増益に加え円安効果などにより、6,169百万円の利益(前期比+26.6%)となりました。
<無線通信機器>
当セグメントの主要市場である携帯通信端末市場は、ウェアラブル端末が多様化・高機能化により今後の成長が期待されるものの、世界的な半導体不足の影響や景気悪化によりスマートフォンの出荷台数が低調となりました。POS端末市場は、物流/製造を始めとする幅広い業界において、情報管理による業務効率化実現の観点から着実な成長を続けていましたが、世界的な景気後退に伴い需要が軟調傾向にあります。
このような状況の中、微細スプリングコネクタを中核製品とするファインコネクタ事業におきましては、顧客の生産調整などの影響により、ワイヤレスイヤホンなどウェアラブル端末向けの販売が減少したことに加え、POS端末向けの受注減などにより、売上高は前期を下回りました。
当セグメントに含めておりますメディカル・デバイス事業につきましては、主要顧客向け部品販売が堅調に推移したことなどにより、売上高は前期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は、9,067百万円(前期比△0.8%)と、前期比で減収となりました。セグメント損益につきましては、ファインコネクタ事業における減収に伴う減益に加え、人民元高などによる中国生産拠点での労務費比率の上昇や事業構成変化などにより、664百万円の利益(前期比△47.1%)となりました。
(事業セグメント別連結売上高 前期比較) (単位:百万円、%)
c. 新型コロナウイルス感染症の影響(当連結会計年度及び2024年3月期)
<車載通信機器セグメント>
当セグメントにおける生産は、主に中国、ベトナム、北米拠点にて行っております。2023年3月期初において、中国現地政府により発令された上海ロックダウンの影響で受注が一時的に減少したことに加え、2022年12月には中国拠点において新型コロナウイルス感染拡大による生産性の低下がみられましたが、2024年3月期以降は概ね安定稼働を継続するものと見込んでおります。
また、物流面におきましては、感染者増加に伴い各国の港湾作業が遅延し、海上輸送のリードタイムが通常時より延伸したことに加えて、海上運賃の高騰・高止まりにより、物流費が大幅に増加しました。2023年以降は、リードタイムが正常化するとともに海上運賃が鎮静化したことに伴い、2024年3月期は大幅な損益改善を見込んでおります。
<回路検査用コネクタセグメント>
当セグメントにおける生産は、主にマレーシア拠点と日本拠点にて行っております。当連結会計年度におきましては、概ね安定稼働を継続いたしました。
2024年3月期におきましても、新型コロナウイルス感染症の沈静化から、新設した国内分工場及びベトナム生産拠点を含めて安定稼働を継続可能と想定しておりますが、販売面では、半導体検査市場における急激な需要減などに伴い、当セグメントの売上高は上期一杯は減少するものと見込んでおり、当セグメントの利益が下押しされると想定しております。
<無線通信機器セグメント>
・ファインコネクタ事業
当事業における生産は、主にマレーシア拠点と中国拠点にて行っております。当連結会計年度におきましては、マレーシア拠点については、概ね安定稼働を継続しました。中国拠点については、上記の車載通信機器セグメントに記載のとおりです。販売面では、半導体不足の長期化による影響や顧客の生産調整などの影響により、売上高は減少しました。
2024年3月期におきましては、生産面では、両拠点とも概ね安定稼働を継続するものと見込んでおります。販売面では、世界的な景気悪化の影響によりPOS端末など電子機器端末の伸び悩みが見込まれ、上期中は売上高が低調に推移すると見込むものの、下期から改善するものと想定しております。
・メディカル・デバイス事業
当事業における生産は、日本拠点のみで行っております。当連結会計年度におきましては、感染防止策の徹底により、年度を通じて安定稼働を継続しました。販売面では、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う医療現場の逼迫や一部材料の調達難が緩和され、販売は堅調に推移しました。
2024年3月期におきましては、生産面では引き続き安定稼働継続を見込んでおります。販売面についても、引き続き堅調に推移するものと想定しております。
d. 目標とする経営指標の達成状況等
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、17,687百万円(前期比3,870百万円の増加)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、回路検査用コネクタにおける次期の受注見通しに基づく部材等の仕入減少に伴う仕入債務の減少2,652百万円などの減少要因がありましたが、税金等調整前当期純利益4,433百万円、減価償却費3,833百万円などの増加要因により、7,312百万円の収入(前期比3,635百万円の収入増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、MPセンター(研究開発新棟)の建設など有形固定資産の取得による支出4,645百万円、無形固定資産の取得による支出591百万円などの減少要因により、5,857百万円の支出(前期比110百万円の支出減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出1,093百万円などの減少要因がありましたが、長期借入金による収入3,000百万円などの増加要因により、1,531百万円の収入(前期比1,360百万円の収入増加)となりました。
当社の運転資金は、主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やされており、製造費や販売費及び一般管理費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築・強化、情報システムの整備等に支出されております。これらの必要資金は、利益の計上、減価償却費等により生み出される内部資金により賄うことを基本方針としております。
当連結会計年度におきましては、研究開発・製品開発投資、フィリピン生産子会社の工場建設、ベトナムの生産子会社における生産設備増設やマレーシア生産子会社における加工設備増設など量産設備増強等を積極的に実施いたしました。2023年3月期以降も、回路検査用コネクタセグメントの日本国内工場及びベトナム生産子会社工場の新設、マレーシア生産子会社におけるさらなる能力増強等を計画しており、その設備投資資金として、営業キャッシュ・フローに加えて、長期借入金の借り換えを実施いたしましたが、その金額は一部返済により圧縮いたしました。一方、新中期経営計画において、中長期的視点から、既存事業・既存技術の限界を突破し新たな成長力を獲得するため、コア技術のさらなる深化のための基礎研究投資、MEMSプローブカード生産ライン新設など新規領域進出に向けた設備投資の実施を計画しております。それらの使途に充当するため、2020年11月に発行を決議した第三者割当による新株予約権の発行及びその権利行使により、新株300万株を発行し約76億円を調達いたしました。しかし、車載通信機器セグメントにおけるサプライチェーン混乱・海上輸送リードタイム長期化により大幅に増加した製品・部材在庫に資金が張り付くこととなり、その結果、当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物の残高は17,687百万円と、前期末比3,870百万円増加いたしました。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計上の見積りを行なっております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果となる場合があります。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
該当事項はありません。
2023年3月31日現在
(注) 1 現在休止中の主要な設備はありません。
2 従業員数の( )は、臨時従業員数を外書きしております。
3 記載の金額は、有形固定資産の帳簿価額であり建設仮勘定を含んでおりません。
4 上記のほか、情報システム関係の設備として無形固定資産729百万円(ソフトウエア729百万円)があります。
2023年3月31日現在
(注) 1 現在休止中の主要な設備はありません。
2 記載の金額は、有形固定資産の帳簿価額であり建設仮勘定を含んでおりません。
2023年3月31日現在
(注) 1 現在休止中の主要な設備はありません。
2 記載の金額は、有形固定資産の帳簿価額であり建設仮勘定を含んでおりません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
2023年3月31日現在
(注) 1 自己株式538,928株は、「個人その他」に5,389単元、「単元未満株式の状況」に28株含まれております。
2 上記「その他の法人」には、証券保管振替機構名義の株式が2単元含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 1 上記所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は次のとおりであります。
日本マスタートラスト信託銀行株式会社 3,820千株
株式会社日本カストディ銀行 2,362千株
2 上記のほか、自己株式が538千株あります。
3 2023年1月10日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が2022年12月30日現在で以下の株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、当該変更報告書の内容は以下のとおりであります。
4 2023年2月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社及びその共同保有者であるシュローダー・インベストメント・マネジメント・リミテッドが2023年2月15日現在で以下の株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、当該変更報告書の内容は以下のとおりであります。
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会等において経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、社内業績管理単位である製品別の事業部を基礎とし、対象市場が近似しているなどの基準により事業セグメントを集約した「車載通信機器」「回路検査用コネクタ」「無線通信機器」を報告セグメントとしております。
車載通信機器は、車載通信用アンテナや社会インフラシステム用アンテナの微小化・複合化、メディアの多様化、RFID化に対応しながら、幅広い製品レンジで製造販売を行っております。
回路検査用コネクタは、半導体・電子部品の高性能・高密度・高集積化に対し、信号品質に優れ高速対応検査を可能にした検査用ファインコネクタを、前工程検査から後工程検査まで幅広く提案し、顧客ニーズに応える形で製造販売を行っております。
無線通信機器は、携帯情報端末機器及びPOS端末機器等の多様化・高機能化に対応した微細コネクタの製造販売を行っております。また、当セグメントに含めておりますメディカル・デバイス(医療用具関連部品・ユニット)事業は、低侵襲治療の実現に貢献するOEMガイドワイヤ、医療用カテーテル微細精密部品の製造販売を行っております。