CKD株式会社
(注) 1.第99期、第102期及び第103期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第102期の期首から適用しており、第102期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1.第99期、第102期及び第103期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第102期の期首から適用しており、第102期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3.期別の最高・最低株価は2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
当社グループは、当社、子会社20社によって構成されており、各種の自動機械装置及び各種機器の製造・販売を主たる業務としております。
当社グループの主な事業内容と主要会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
なお、次の事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) (セグメント情報) 」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
以上に述べた事項を事業系統図に示すと、以下のとおりであります。

(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント部門名を製品に置換え記載しております。
2.「議決権の所有 (又は被所有) 割合」欄の (内書) は間接所有であります。
3.CKD USA CORPORATION、喜開理 (中国) 有限公司及びCKD India Private Limitedは特定子会社であります。
4.喜開理 (上海) 機器有限公司については、売上高 (連結会社相互間内部売上高を除く。) の連結売上高に占
める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等
(1) 売上高 26,902百万円
(2) 経常利益 1,945百万円
(3) 当期純利益 1,456百万円
(4) 純資産額 5,086百万円
(5) 総資産額 12,641百万円
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は ( ) 内に年間の平均人員を外書で記載しております。なお、臨時従業員数はパートタイマー、契約社員及び嘱託であり、人材会社からの派遣社員は含まれておりません。
2.「全社 (共通) 」は、提出会社の一般管理部門 (人事、経理、総務等) 及び連結子会社CKDグローバルサービス㈱の従業員数であります。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は ( ) 内に年間の平均人員を外書で記載しております。なお、臨時従業員数はパートタイマー、契約社員及び嘱託であり、人材会社からの派遣社員は含まれておりません。
2.「全社 (共通) 」は、一般管理部門 (人事、経理、総務等) の従業員数であります。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.60歳定年制を採用しております。
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」 (平成27年法律第64号) の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」 (平成3年法律第76号) の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」 (平成3年労働省令第25号) 第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、性別による処遇格差は一切なく、等級別人数構成等の差によるものであります。
4.パート・有期労働者には、無期雇用のシニア社員、無期雇用のパートタイマーを含んでおります。
② 連結子会社
(注) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」 (平成27年法律第64号) の規定に基づき算出したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針について
2023年4月に創立80周年を迎えた当社グループは、企業理念とコーポレートステートメントを一新いたしました。企業理念を「パーパス」に、コーポレートステートメントを「ブランドスローガン」にそれぞれ改定いたしました。
会社の存在意義と目指す方向を定めた「パーパス」は、「自動化技術の探求と共創を続け、健やかな地球環境と豊かな未来を拓きます」といたしました。
そして、理念体系を包含し、未来に向けた私たちの考えや行動を象徴的に表した「ブランドスローガン」は、「Creating Solutions Together」といたしました。
この「パーパス」と「ブランドスローガン」のもと、企業の社会的責任や社会的意義に対する意識を高く持ち、これからもステークホルダーの皆様とともに更に社会に貢献できるよう活動してまいります。

当社グループは、各事業の経営計画の目標達成を軸に利益を確保しつつ、新しい事業と市場に挑戦するため、売上高、営業利益率の向上と、株主資本利益率 (ROE) を安定的に維持することを経営目標として企業価値の向上に努めてまいります。
① 事業環境
世界では、依然続くロシア・ウクライナ問題をはじめとする地政学リスクの高まりなど不確実性は高いものの、新型コロナウイルス感染症の鎮静化による社会・経済活動の正常化の動きが進み、緩やかな回復が続くとみられております。また、気候変動とともに高齢化や労働力不足が大きな社会的課題となっており、企業は持続可能な社会の実現に向けた課題解決につながる活動が求められています。
一方、IoT (Internet of Things) やAI (人工知能) などテクノロジーの進展により、ビジネスモデルの変化が進んでおり、製造業においても環境保護への取組みとともに、製品の高機能化や製造工程の自動化・省人化への取組みが一段と加速しております。
社会の価値観や市場そのものが大きく変化し、デジタル化が促進される中、人に頼らない生産設備や、設備の遠隔操作など製造業の自動化・省人化需要の一層の高まり、半導体設備投資といった電子産業における投資拡大、自動車の電動化に向けた需要の増加などを想定しております。
② 長期経営ビジョン及び中期経営計画
<長期経営ビジョン>
当社グループは、上述したパーパス「自動化技術の探求と共創を続け、健やかな地球環境と豊かな未来を拓きます」のもと、自動機械装置と機器商品の開発・生産・販売・サービスを通じて、「技術革新と価値創造によって社会の課題解決に貢献」することを目指しております。
そして、2016年に策定した長期経営ビジョン「10年VISION GO CKD!」を、環境変化に合わせて、2度改訂し、2025年までの10年間における長期目線の取組みを強化しながら進めております。
「より豊かな社会づくりに貢献すること」「社員、そして家族を幸せにすること」「株主の皆様からの期待に応えること」の3つを目標として掲げ、4つの基本方針「新しい事業と市場に挑戦」「グローバル化を加速し海外市場を拡大」「サスティナブルな経営基盤の確立」「人材重視の企業風土を構築」に基づき、高い目標に向かって果敢に挑戦を続け、その結果生み出される新しい価値を世界に示してまいります。
そして、将来を見据えた新たな技術・商品の開発や、海外市場への積極的な展開、お客様第一のサービス体制強化を通じて、すべてのステークホルダーの皆様と共に、真のサスティナブル企業を目指してまいります。

<中期経営計画>
2023年3月期からスタートさせました第5次中期経営計画『Exciting CKD 2025』は、2026年3月期までの4年間の中期経営計画です。長期経営ビジョン「10年VISION GO CKD!」を達成し、次の長期経営ビジョンへつなげる基盤構築の位置づけとなります。事業を通じて社会に貢献し、新たな価値を創出しながら心躍る4年間として、次の10年につなげる意味を込めて「Exciting」といたしました。
成長が見込まれる半導体や電池などの産業、電動事業や新事業、海外市場に注力するとともに、サービスビジネスにつながるカスタマーサービスを強化し、経営効率を向上させながら、経営基盤の強化に取組み、企業価値向上を目指してまいります。
2023年3月期を振り返りますと、自動機械事業では、包装、産業機械ともに社会の課題解決につながる商品を拡充し、機器事業では、自動化・省人化ニーズ、半導体や電池産業など成長する産業に対応した生産能力増強と生産性向上に継続して努めました。また、機器の電動事業では、ラインナップを拡充するとともに、空気圧と電動のベストミックスのご提案を加速させております。
そして、新事業ではDXを活用したサービスビジネスの展開を進めるとともに、環境負荷低減型商品で新たな価値の創出に取組んでおります。
さらに海外市場では、米国・欧州・ASEANへの強化を進め、米国新工場は2022年10月から稼働を開始し、欧州ではイタリアの販売会社を子会社化したのちCKD ITALIA S.R.L.へ社名変更が完了しております。ASEANでは需要拡大を見据え、タイ工場への生産移管を進めるとともに、機器商品の新拠点をマレーシアに設立することも発表いたしました。インド工場も建設を開始し、将来、大きく成長する市場に向けた準備を進めております。






(4) 会社の対処すべき課題について
① コロナ後に向けた段階的な移行への取組み
新型コロナウイルス感染症の影響により、社会の価値観や市場そのものが大きく変化し、新しい価値観が定着するなど時代の転換期を迎えています。社会・経済活動の正常化への動きが段階的に進んでいる中、引き続き、リモートワークなどの柔軟な働き方やデジタル化を推し進めながら業務効率向上に取組むとともに、人とのつながりを意識し、レジリエンスを高めやすい環境づくりに努めてまいります。そして、中長期の成長に欠かせない設備投資は状況を注視しながら着実に行い、企業として社会的責任を果たすべく、環境や社会に貢献しながら持続的な成長につなげてまいります。
具体的には、自動機械事業において、薬品用自動包装機はWebを活用したリモートでの機能検査・工場出荷検査 (FAT:Factory Acceptance Test) を持続し、お客様に寄り添いながらサービスを充実させてまいります。
また、機器事業においては、リモートで商品のご紹介やバーチャル工場見学ができるようデジタルコンテンツをより一層充実させ、加えてコミュニケーションやデジタル活用のスキルアップに取組んでまいります。さらに、今後も人手不足などの社会課題の解決に向けた生産現場の自動化・省人化の進展が加速すると予想され、IoT関連機器、センサ、画像処理ソフトなど自動化・省人化に貢献する商品開発により、事業を通じて社会の課題解決と発展に貢献してまいります。
② 中長期的な成長に向けた取組み
新しい価値観が生まれる中、事業環境及び社会的変化を考慮し、2016年に策定した長期経営ビジョン「10年VISION GO CKD!」を2021年に見直しいたしました。
基本方針の方向性は変えず、グローバル化を加速させるとともに、サスティナブルな経営基盤の確立を目指します。また、人材重視をより明確にするため、3つの基本方針から、1つ加えて4つとしております。
a) 新しい事業と市場に挑戦
新事業の立ち上げと新市場の開拓に向け、様々な挑戦をいたします。新しい事業の中で最も注力する電動事業では、当社グループが従前より保有する空気圧機器のコンパクトで力が強くメンテナンスし易いといった特徴に、高精度の位置制御ができる電動機器の特徴を加え、多様化するお客様のご要望にお応えできるよう取組んでまいります。また、グループ会社のCKD日機電装 (株) とのシナジー効果も高め、開発から販売までの取組みを強化してまいります。医薬品市場で培った検査技術を生かした新たな検査装置、安全で働きやすい労働環境を実現するための助力装置 (パワフルアーム) など、新しい技術で豊かな社会づくりに貢献してまいります。
b) グローバル化を加速し、海外市場を拡大
競争力の高い商品を、地域ごとに選択と集中を進め、海外市場の拡大を目指します。自動機械事業では、中国の薬品製造市場に参入するために、中国市場向け専用機の現地開発と合わせ、サービスを含めた現地対応力を高めてまいります。機器事業では、東北工場を活用し、高機能製品の世界に向けた展開を一段と強化してまいります。米国では、テクニカルセンターの機能強化により、お客様に密着した商品企画と開発を進めるとともに、新たな生産拠点である北米工場によって、現地ニーズに対応してまいります。欧州市場では、アライアンスにも取組み市場開拓を積極的に推進してまいります。このように、海外市場の地域や国毎に合わせた商品開発や事業戦略を展開し、その国の文化や人材を取り込みながら、現地に根付いた活動を推し進め、現地対応力を高めてまいります。
c) サスティナブルな経営基盤の確立
事業を通じて環境や社会に貢献しながら、持続可能な成長を実現するための経営基盤を確立してまいります。そのためには、デジタル技術や基幹システムを活用し、最適な組織編成で生産性を一段と向上させてまいります。また、CSR (企業の社会的責任) 活動を推進し、環境や社会の課題解決に向けた取組みを進めて、サスティナブルな企業を目指します。
d) 人材重視の企業風土を構築
当社グループでは、「人材重視の企業風土」を経営理念の一つとして掲げており、「人材」を「人財」として企業の持続的な発展・成長のための重要な経営資源と位置付けています。そのため、2021年に長期経営ビジョン「10年VISION GO CKD!」を見直し、社会の大きな変化を乗り越えて成長につなげるため、「人材重視の企業風土を構築」を4つ目の基本方針に組み入れております。
会社をより良く運営していくために、最も人材が大切であると考え、次世代リーダー、グローバル人材に加え、デジタル人材も計画的に育成し、全ての社員が活躍できる環境としくみを整えて、社員のエンゲージメントを高めるための職場づくりを重点化してまいります。
なお、女性活躍推進に関する行動計画については、2030年度までに女性管理職比率10%以上を目標と設定し、推進してまいります。
③ ESG (環境・社会・ガバナンス) に対する取組み
当社グループでは、社会情勢や事業環境の変化を踏まえ、長期的な視点で企業活動を行っております。SDGs (持続可能な開発目標) のゴールにつながる活動に取組み、ステークホルダーの皆様との信頼関係を築きながら、事業を通じて社会の課題解決と発展に貢献してまいります。
環境負荷低減型商品について、省エネ、省資源に加えて、ライフサイクルの視点を考慮し、開発・拡販に取組んでおります。また、インフラ・生産工程を改善し、エネルギー使用量の削減に努めております。
カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年度までにCO2排出量を50%削減 (売上高原単位目標:2013年度比、総量目標:2022年度比) 、2050年度までにCO2排出量実質ゼロを中長期の目標と設定いたしました。徹底した省エネルギー改善の推進、太陽光発電設備の拡充、グリーン電力導入等の再生可能エネルギーの活用に取組んでおります。
今後も、法律、規則を順守し、メーカーとして長年培ってきた自動化技術、流体制御技術を活かした環境にやさしい商品を開発し、お客様にお届けすることにより、地球環境の保全に貢献してまいります。

当社グループは、事業の継続と企業価値の向上を確保していくために企業活動に付随する様々なリスクを識別し、そのリスクを適正に評価した上で効率的、効果的な経営活動を行っています。
取締役会直轄の組織としてリスク管理委員会を設置し、活動の進捗及び結果を定期的に取締役会へ報告し、リスク管理を推進しています。
2022年7月には、リスク管理委員会の下部組織として新たにリスク管理室を発足し、さらに監査部門による監視体制も構築することで、リスクへの管理体制を強化しています。
具体的な活動として、リスク管理室はCKD全体のリスクを網羅的に抽出・分析し、それぞれのリスクに対する各部門の取組み状況をチェックし必要に応じて改善を促す役割を担い、リスク管理委員会へ定期的に報告を上げています。
第3線である監査部門は、リスク管理の第1線である業務部門と第2線となるリスク管理室がしっかりと機能していることを監視しております。

(3) リスクの特定プロセス
各事業部門、グループ会社及び本社管理部門にて企業価値の向上及び経営目標の達成を阻害するリスクと対策を洗い出しています。リスクを識別し、発生する頻度と発生した時の影響度からリスクの重要度を評価し特定しています。また、特定されたリスクに関して取締役会に報告し共有しています。

(4) 事業を取り巻くリスクとその分析
当社グループの経営成績及び財政状態などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績の変動
当社グループは、グローバルに事業展開しているため、マクロ経済の悪化、関連市場の動向、国内外の景気変動等により、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原材料の価格や調達数量、為替、関連法規制などによって影響を受ける可能性があります。事業分野毎に想定されるリスクは以下のとおりです。
a. 自動機械部門
自動機械部門の製品は、特定の市場に向けて販売しております。薬品包装分野では、国内において急速に進展する少子高齢化等により医療保険財政が悪化する中、定期的な薬価引き下げなどの医療費抑制策の動向に対して、医薬品メーカーの設備投資の縮小により受注が減少した場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
産業機械分野では、自動車の電子化の進展や環境対応車の普及に貢献する製品とサービスをいち早く提供することで顧客価値の向上に努めております。しかし、当社グループが顧客価値を向上させるソリューションをタイムリーに提供できない場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
b. 機器部門
機器部門の製品は、グローバル市場における急速な自動化ニーズの高まりと脱炭素社会に向けた環境配慮などから、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化し、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに提供できない場合や、一部製品のコモディティ化による新興国の競合との価格競争が激化した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を与える可能性があります。
半導体市場においては、技術革新や需給バランスにより半導体デバイスメーカーの設備投資が大きく変動することがあります。当社グループでは、設備投資が減少した局面においても、利益が生み出せる事業構造を目指し、取組んでおります。しかしながら、想定を超えた急激な設備投資の縮小により、稼働率の低下や棚卸資産の増加等が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は遠隔での営業やサービス、デジタルコンテンツの充実など、非接触による対応を推し進めております。
感染症が爆発的に拡大した場合、自動機械事業において、国内外のお客様の工場における機械の据付け工事や立上げのための運転ができない場合には、売上高の計上が遅延し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、機器事業において、機会損失を抑えきれない場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内はもとより、アジア・北米・欧州にてグローバルな事業展開をしており、今後もグローバル化を推し進め、海外での生産・販売体制を強化してまいります。
進出先における新たな販売先の開拓、販売及び供給体制の整備等が計画どおりに進まなかったり、政府の規制や経済情勢の変化、インフラの障害、地政学的リスク、予期せぬ事象 (有事、テロ、災害、伝染病等) により社会的混乱が広がった場合、また、米中貿易摩擦の状況が悪化した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、グローバルに事業展開しているため、外貨建での営業債権は為替変動のリスクに晒されておりますが、為替予約取引・外貨での資金調達を利用することにより、為替変動リスクをヘッジしております。
また、当社グループは、アジア・北米・欧州等において生産・販売活動を展開しており、各地域における外貨建の売上高、費用、資産等は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これらの項目は外貨の価値が変わらなかった場合においても、換算に使用する為替レートの変動に伴い円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、ISO9001の認証取得を含む品質保証体制の継続的な確立に努めております。当社グループの製品に不良があった際に、不良品に対する代替品提供等の補償をするコストの発生並びに製品が人的被害又は物的損害を生じさせた場合には製造物責任を負う可能性があり、また、顧客からの信頼低下にも繋がる可能性があり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主な生産拠点を愛知県と三重県に設けており、当地域では東海・東南海・南海地震発生のリスクが予測されております。それらの地震の発生に備えて、東北工場における生産拡大や北陸地方での工場建設を進めております。また、地震以外にも、大雨、洪水などの自然災害により、社員や事務所・設備などに対する被害が発生し、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、リスク管理の一環としてBCP (Business Continuity Plan) を策定し、情報システムハードウェアの免震施設への移設、社員安否確認システムの構築、国内外代替生産拠点の想定、資金面での担保に取組み、災害時の緊急対応とともに早期復旧を実現させます。しかしながら、地震・自然災害発生時は当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 情報セキュリティ
当社グループは、業務遂行上、技術情報等の機密情報や、顧客・取引先・従業員等の個人情報を有しています。これらの情報保護のために、情報セキュリティ管理体制を構築し、情報セキュリティ管理方針や各種規程を整備し、最新の情報セキュリティ対策を継続的に実行するとともに、従業員教育及び内部監査などの施策を推進しております。
しかしながら、サイバー攻撃や予期せぬ事態によって情報セキュリティ事故が発生する可能性は皆無ではなく、その場合、当社グループの社会的信用低下や損害賠償訴訟等により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 棚卸資産評価の影響
当社グループは、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに供給するため、一定量の棚卸資産を確保しております。半導体市場をはじめ、需給のバランスを予測し、必要に応じた在庫量の維持を行っておりますが、想定を超えた受注量の減少があった場合においては、あらかじめ確保しておいた棚卸資産の回転が鈍り、棚卸資産が増加することにより、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 自動機械部門の客先検収による売上高計上
当社グループの自動機械部門においては、工事契約について、顧客の検収をもとに売上計上しておりますが、顧客都合や、技術的要因で顧客満足を十分に得られないことによる売上高計上の遅延により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 有形固定資産の減損
当社グループでは、大幅な市況の低迷により工場稼働が低下し、減価償却費が収益を圧迫することや想定外の事業環境変化により業績悪化に繋がる可能性があります。その場合、固定資産評価の減損損失が発生し、当社グループの業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ システム
当社機器部門では、グローバルな事業展開をさらに加速させるため、ERPシステムを導入し、営業・生産・会計の一元管理を行っております。システムの安定稼働のために、データセンターでのデータ管理による安全対策を講じていますが、想定を超える自然災害や事故により、設備の損壊やシステムの停止、通信障害等のシステム障害が発生した場合には、生産ライン、物流システムの停止により顧客への製品の納入に支障が出るなど、事業活動が一時的に停止し、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 気候変動等の環境に関連する影響
環境問題の深刻化により、温室効果ガスの使用・排出規制や省エネルギー等の規制が強化されたり、地球温暖化防止のため脱炭素社会に向けた動きが世界的に加速する中で当社グループが脱炭素社会の実現に寄与する事業や商品の開発が遅れた場合や、脱プラスチックの世界的な流れの中、包装事業の対応が遅れた際には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ コンプライアンス
当社は、行動規準の徹底とコンプライアンス教育を通じて従業員の意識改革を図るとともに、継続的に海外の法令情報を確認しグループ各社と共有することにより、当社グループ全体で法令順守に取組んでおります。
しかしながら、競争法違反、贈収賄、その他国内・国外における法令違反等の摘発を受けた場合は、課徴金・罰金等の制裁、及び顧客からの取引停止等による企業イメージと信頼の低下により、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 人材の確保・育成
日本国内では出生率の低下から年々少子高齢化が進み、国内における労働力の確保が困難になることが予想されるため、国内工場の自動化を推し進め、人に頼らない生産体制の構築を目指しております。また、今後、東アジア、東南アジアを主体に海外での需要が高まることから海外売上比率の向上が進むことが想定されるため、国内の人材の育成強化と共に海外の人材の育成・活用を積極的に推し進めてまいりますが、グローバル人材、企画提案力のある人材等の不足が生じたり、人材の育成が進まなかった場合には、生産活動、営業活動への支障が生じ、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ サプライチェーン
当社グループは、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに供給するため、一定量の棚卸資産を確保し、円滑なサプライチェーンの維持に取組んでおりますが、地球温暖化に伴い近年多発する自然災害や火災の発生や、急激な需要拡大に追従できない特定部材の供給不安により調達部品の入手に支障が生じたり、サプライヤーの事業継承問題が生じた場合には、当社グループの製品の生産・供給に遅れが生じ、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ (当社及び連結子会社) の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下、「経営成績等」という。) の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
自動機械部門は、産業機械では、リチウムイオン電池製造システム及び三次元はんだ印刷検査機の売上高が増加いたしました。また、自動包装システムでは、薬品向けの売上高は減少いたしました。
その結果、売上高は15,566百万円(前期比7.4%減)、セグメント利益はセールスミックスの変化により、2,008百万円(前期比16.8%減)となりました。
機器部門は、国内市場では、データセンターや車載向け半導体の需要を背景に、半導体製造装置向け売上高が増加いたしました。また、環境対応車に関連した製造設備向け売上高は底堅く推移いたしました。
海外市場では、成熟技術を用いた半導体や電池産業を中心に投資が継続した中国、期末にかけて需要は減少したものの半導体設備投資が堅調だった韓国や台湾などで売上高が増加いたしました。また、設備投資に底堅さがみられる欧米やコロナ禍からの回復が続いた東南アジアの売上高も増加いたしました。
その結果、売上高は143,891百万円(前期比14.8%増)、セグメント利益は売上高増加に円安傾向による為替の影響も加わり、23,741百万円(前期比22.1%増)となりました。
よって、当連結会計年度における業績は、売上高159,457百万円(前期比12.1%増)、営業利益21,170百万円(前期比18.4%増)、経常利益21,181百万円(前期比17.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14,788百万円(前期比17.7%増)となり、営業利益率は前期比0.7ポイント増加の13.3%となりました。これにより、1株当たり当期純利益は前連結会計年度と比較して33円18銭増加し、221円76銭となりました。また、ROEも利益増加により12.1%から12.9%に上昇いたしました。
次年度の見通しと方針について、次期の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の鎮静化による社会・経済活動の正常化の動きが進み、緩やかな回復が続くとみられるものの、インフレ抑制における金融政策の引き締めや金融情勢の悪化、依然続くロシア・ウクライナ問題をはじめとする地政学リスクの高まりなど、不確実性は高いものと予想されます。
社会の価値観や市場そのものが大きく変化する中、当社グループを取り巻く事業環境は、人手不足や人件費高騰を背景とした製造業の自動化・省人化需要の持続、気候変動問題に対応した自動車の電動化に伴う需要の増加等が見込まれます。その一方、コロナ特需の反動によるパソコンやスマートフォン需要の減退、在庫調整の長期化など半導体設備投資抑制の影響を受けるとみております。
よって、半導体を中心とする部品不足は改善が見込まれますが、引き続き、サプライチェーンリスク、米中間の貿易摩擦が及ぼす影響、地震や自然災害が及ぼす影響、さらに為替変動が及ぼす影響などに注視していく必要があります。
なお、2023年3月期からスタートさせた第5次中期経営計画『Exciting CKD 2025』の具体的な経営目標と比べてみますと、期初に掲げた2023年3月期の目標である連結売上高146,000百万円、営業利益18,500百万円に対して確実に超えることができ、ROEも12.9%に上昇いたしました。
材料費高騰や部材調達など不透明感がある中、受注残を含めて生産対応に取組んだことや円安傾向による為替の影響も加わったためとみております。
また、株主還元のさらなる充実を図るため、配当性向を30%を目安から40%を目安へと変更した配当政策は、通期配当性向40.1%といたしました。
成長が見込まれる分野への事業戦略を強化し、創出したキャッシュを活用した成長投資・基盤強化を前倒しで実施しながら、引き続き、企業価値向上に取組んでおります。


当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 自動機械部門以外は、需要見込による生産方法をとっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度における東京エレクトロン九州㈱に対する販売高は、当該販売実績の総販売実績に対する
割合が100分の10に満たないため記載しておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ13,111百万円増加の185,626百万円となりました。これは主に、現金及び預金が減少したものの、売上債権、契約資産、棚卸資産及び有形固定資産が増加したことによるものであります。
特に、契約資産の増加、売上増加により売上債権の増加、受注増加に伴い仕入が増加したことによる棚卸資産の増加及び設備投資により有形固定資産が増加したことで、資産が増加しております。
負債は、前連結会計年度末に比べ2,952百万円増加の65,895百万円となりました。これは主に、設備未払金及び前受金が減少したものの、仕入債務、借入金、リース債務及び繰延税金負債が増加したことによるものであります。
特に、受注増加に伴う仕入債務の増加及び設備資金としてサステナビリティ・リンク・ローンによる借入金が増加したことで、負債が増加しております。
純資産は、前連結会計年度末に比べ10,159百万円増加の119,730百万円となりました。
当社グループでは自己資本比率60%以上を目安としております。当連結会計年度では、親会社株主に帰属する当期純利益の増加により、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.0ポイント増加の64.5%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物 (以下「資金」といいます。) は、前連結会計年度末に比べ7,373百万円減少の26,654百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、11,049百万円 (前期比10.6%減) となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益21,388百万円、減価償却費6,626百万円及び仕入債務の増加2,255百万円による資金の増加、売上債権及び契約資産の増加1,521百万円、棚卸資産の増加10,286百万円並びに法人税等の支払額6,530百万円による資金の減少によるものであります。
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、12,792百万円 (前期比49.7%増) となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出11,056百万円による資金の減少によるものであります。
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、5,743百万円 (前期比8.3%減) となりました。
これは主に、長期借入れによる収入5,731百万円による資金の増加、長期借入金の返済による支出6,080百万円、配当金の支払額5,393百万円による資金の減少によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、研究開発費並びに当社グループの設備新設、改修等にかかる投資であり、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。
当社グループは、円滑な事業活動に必要となる流動性の確保と財源の健全性及び安全性の確保を資金調達の基本としており、市場環境等を考慮した上で、有効かつ機動的な資金調達を実施しております。資金需要を満たすための資金は、原則として営業活動によるキャッシュ・フローを主とした内部資金を財源としますが、多額の投資に対する資金需要が見込まれる場合などは、銀行等からの借入などの外部資金を活用いたします。
資金調達をおこなう場合は、期間や国内外の市場金利動向、自己資本比率、DEレシオ (負債資本倍率) などの財務指標への影響度などを総合的に勘案しながら、最適な資金調達を実施してまいります。
設備投資資金については、2022年度は、設備投資11,447百万円、研究開発費3,808百万円となりました。2023年度以降も事業拡大に向けた生産能力増強及び自動化投資を行ってまいります。
株主還元については、経営における重要課題の一つとして考えており、連結配当性向40%を目安としております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」 をご確認下さい。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっては、資産、負債、収益及び費用の数値に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りとは異なることがあります。
連結財務諸表を作成するにあたって、メモリーを主力とする半導体メーカーによる在庫調整、米国が主導する中国に対する先端半導体や関連する製造装置の輸出規制、地政学リスクの高まり等の不確実な環境下にあるなかで、主要得意先が属する半導体、自動車及び工作機械等の市況の変化の影響を考慮した仮定を用いて、その不確実性を見積りに反映しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りの仮定のうち、機器部門の棚卸資産の評価、繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損について見積り特有の不確実性により、財政状態及び経営成績に重要な影響が及ぶ可能性があると考えております。
なお、機器部門の棚卸資産の評価の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。当該評価について、市況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2023年2月10日開催の取締役会において、総額200億円のシンジケートローン契約を締結することを決議し、2023年5月26日に株式会社三井住友銀行他7金融機関と契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 (重要な後発事象) 」をご確認下さい。
2023年3月31日現在
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、建設仮勘定であります。
2. 従業員数には臨時従業員は含まれておりません。
3.現在休止中の主要な設備はありません。
2023年3月31日現在
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、建設仮勘定及びリース資産であります。
2. 従業員数には臨時従業員は含まれておりません。
3. 土地は借地であり、リース資産として「その他」に74百万円含めており、帳簿価額は2023年3月31日 (同社直近決算日) のものであります。
4. 現在休止中の主要な設備はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 発行済株式総数の減少は、自己株式の消却によるものであります。
2023年3月31日現在
(注) 自己株式1,186,036株は、「個人その他」に11,860単元及び「単元未満株式の状況」に36株含めて記載しております。
2023年3月31日現在
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社及び子会社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループの構成単位は製品の種類別セグメントから構成されており、製品の種類・性質及び販売方法の類似性等を考慮した上で集約し、「自動機械部門」、「機器部門」を報告セグメントとしております。
「自動機械部門」は、自動包装システム、リチウムイオン電池製造システムを中心とした大型設備を生産・販売しており、個別受注生産方式を採用しております。
「機器部門」は、半導体関連業界、輸送機械業界をはじめとした幅広い市場に供給できる機能部品を生産・販売しており、需要予測に基づく見込生産方式を採用しております。