ファナック株式会社
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2021年度の期首から適用しており、2021年度以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3 2023年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。2018年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、「1株当たり純資産額」および「1株当たり当期純利益金額」を算定しております。
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2021年度の期首から適用しており、2021年度以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3 2023年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。2018年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、「1株当たり純資産額」および「1株当たり当期純利益金額」を算定しております。
4 2018年度の1株当たり配当額1,003円11銭には、特別配当525円90銭(うち中間配当時に345円32銭、期末配当時に180円58銭)が含まれております。
5 2019年度の1株当たり配当額300円00銭には、特別配当70円86銭(うち期末配当時に70円86銭)が含まれております。
6 最高株価および最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所市場プライム市場におけるものであります。
当社グループは、ファクトリー オートメーション(FA)の総合的なサプライヤとして、CNCシステム(CNCおよびサーボモータ)、レーザ、ロボット(ロボットシステムを含む)およびロボマシン(ロボドリル(小型切削加工機)、ロボショット(電動射出成形機)、ロボカット(ワイヤ放電加工機))など、CNCシステムの技術をベースとし、その用途も自動化による生産システムに使用されるものの開発、製造、販売ならびに保守サービスを主な事業とする単一業種の事業活動を営んでおります。
単一セグメントではありますが、商品部門と当社および関係会社の当該部門にかかる位置付けは、次のとおりであります。
以上の当社グループについて図示すると次のとおりであります。

(注) 1 特定子会社であります。
2 有価証券報告書を提出している会社はありません。
3 FANUC America Corporation の連結の範囲には、同社の子会社3社が含まれております。
4 FANUC Europe Corporation の連結の範囲には、同社の子会社24社が含まれております。
5 KOREA FANUC CORPORATION の連結の範囲には、同社の子会社1社が含まれております。
6 SHANGHAI-FANUC ROBOMACHINE CO., LTD. の連結の範囲には、同社の子会社1社が含まれております。
7 FANUC America Corporation については、売上高(連結会社間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が100分の10を超えております。
8 FANUC Europe Corporationについては、売上高(連結会社間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が100分の10を超えております。
9 ファナックパートロニクス株式会社が製造しているロボット、ロボドリル、ロボショット、ロボカットの部品は、いずれもCNCシステムと同様の制御部関係です。
2023年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。なお、事業の部門別に区分することは困難なため区分しておりません。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。なお、事業の部門別に区分することは困難なため区分しておりません。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
労使関係について、特に記載すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
(労働者の男女の賃金の差異の補足説明)
・ 当社の賃金制度は、年齢、性別に関係なく同一の職務であれば同一の賃金を支払うこととして設計されております。
・「全労働者」における差異は、女性労働者に占める工場契約社員(無期転換社員及び有期契約社員)の割合が大きいことに起因しております。これは、当社の正規雇用労働者は技術職が大半を占めており、技術職は近年まで女性の求人応募が非常に少なかったことから、正規雇用労働者に占める女性比率が小さいことも差異の要因となっています。また、同様の理由で、現在在籍している女性の経験年数が比較的短く、女性の幹部社員比率が小さいことも差異の要因となっています。
・「正規雇用労働者」における差異は、女性の正規雇用労働者に占める工場契約社員(無期転換社員)の割合が6割程度と大きいことが主な要因となっております。また、工場契約社員(無期転換社員)を除く正規雇用労働者は技術職が大半を占めており、技術職は近年まで女性の求人応募が非常に少なかったことから、現在在籍している女性の経験年数が比較的短く、女性の幹部社員比率が小さいことも差異の要因となっています。
なお、「正規雇用労働者」のうち、同一の社員区分ごとの賃金差異は次のとおりです。
正社員(幹部社員) : 78.9%
正社員(一般社員) : 89.6%
工場契約社員(無期転換社員): 97.4%
・「非正規雇用労働者」における差異は、当社の正規雇用労働者は技術職が大半を占めており、技術職は近年まで女性の求人応募が非常に少なかったことから、現在在籍している女性の経験年数が比較的短く、賃金水準が正社員に準じて設定されている嘱託社員(定年後再雇用社員)の割合が女性は男性に比べ小さいことが要因となっています。
なお、「非正規雇用労働者」から嘱託社員(定年後再雇用社員)を除いた場合、賃金差異は93.5%となります。
・ なお、近年は、女性社員の積極的な採用に取り組んでおりますが、理系の学生における女性比率が低いことから漸増に留まっています。直近では、女性向けセミナーの実施や採用ページにおける女性向けコンテンツの掲載など女性向けの採用活動を拡充し、さらなる採用に取り組んでおります。
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
3.労働者の人員数について労働時間を基に換算し算出しております。
4.雇用区分の内訳は以下のとおりです。
・正規雇用労働者:正社員(幹部社員)、正社員(一般社員)、工場契約社員(無期転換社員)
・非正規雇用労働者:パートタイム労働者、有期契約労働者、嘱託社員(定年後再雇用社員)
雇用区分については、法令に従い、正規雇用労働者に工場契約社員(無期転換社員)を含めております。もっとも、工場契約社員(無期転換社員)は有期契約社員が5年の勤続により無期転換権を行使し、雇用期間が無期となっている者であり、賃金水準、定期的な昇給、賞与等の労務管理上では、その他の有期契約社員(非正規雇用労働者)と同様の取扱いとしております。
②連結子会社
(注)1「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在の状況に対する判断に基づくものです。
(1)経営方針
1955年にNCの開発をスタートさせて以来、ファナックは一貫して工場の自動化を追求しています。
創業期に目指した、小柄でもしっかり根を張った巨人のごとき逞しさがある企業、技術で勝負する企業を希求し続け、「狭い路」を真っ直ぐに歩むことに努めています。
その企業像を実現するために、当社グループは基本理念として「厳密と透明」を掲げています。そこには、企業の永続性、健全性は厳密から生まれ、組織の腐敗、企業の衰退は不透明から始まる、という考えがあります。
ファナックは、基本技術であるNCとサーボ、レーザからなるFA事業と、その基本技術を応用したロボット事業およびロボマシン事業を展開しています。そして、IoT・AI技術をFA・ロボット・ロボマシンの全ての分野に積極的に適用していくことで、お客様がファナック商品をより効率的にご利用いただけるよう取り組みます。
また、生産財のサプライヤであるとの原点に立ち、お客様がファナックの商品をお使いになる限り、保守サービスを提供し続けます。
当社グループはこれらの事業活動を通じて、お客様の工場の自動化と効率化を推進することで国内外の製造業の発展に貢献し、今後も中長期的に拡大が見込まれる工場の自動化分野において、着実な成長を実現していきます。
(2)経営環境及び対処すべき課題
ファナックの商品は景気変動の影響を大きく受けやすい生産財であることから、短期的な事象に左右されない、長期的な視点に立った経営を続けています。
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、地政学的リスクの高まりや、景気減速の懸念等もあり、予断を許さない状況が続くものと思われます。その一方で、工場の自動化への要求は中長期的に拡大することが見込まれます。
当社グループは、「one FANUC」を合言葉に、FA・ロボット・ロボマシンが一体となったトータルソリューションの提供、およびグループ一体となった世界のお客様への対応、という当社グループならではの強みを最大限活かしてまいります。特に、CNC工作機械とロボットとの連携、ロボマシンとロボットとの連携を重要テーマの一つと捉え、商品を開発してまいります。
また、ファナックの商品は製造現場でご使用いただく生産財であるとの原点に立ち、お客様の工場におけるダウンタイムを最小にして稼働率向上を図るため、「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」ことを商品開発において徹底いたします。また、工場の自動化への要求が拡大する一方、熟練労働者の確保が難しくなる状況に対応するため、使いやすさを一層重視した商品開発にも取り組んでまいります。
そして世界中のどこでもファナックのグローバルスタンダードに沿った高度な保守サービスを提供すること、お客様が使用し続ける限り保守を続ける「生涯保守」を行うこと、を基本理念とした「サービス ファースト」を実践してまいります。特に、競合会社が追随することが難しい「生涯保守」については、当社グループの大きな特長として、引き続き注力してまいります。
また、競争力の高い商品を開発し、市場投入するため、研究開発投資を積極的に行います。工場の自動化分野という当社の強みを発揮できる分野に絞り込んで研究開発投資を積極的に行い、競争力の高い商品を開発し市場に投入します。これにより知的財産の充実を図ります。
さらに、当社グループは、今後も競争力の高い商品を開発し市場投入していくうえで、IoT・AI技術を必要不可欠なものと考えております。これらの技術をFA・ロボット・ロボマシンの全ての分野に積極的に適用していくことで、お客様における生産の効率化を一層推進します。
当社グループは、長期的視点に立ち、商品競争力の強化、セールス・サービス活動の強化、工場の自動化・ロボット化の推進、経費と時間の削減および業務の合理化など、より強い企業にするための基本施策を推し進めます。また、生産財のサプライヤとして、いかなる場合にもお客様への供給責任を果たし、サービス活動を維持することができるよう、生産拠点やサービス拠点の複数化に取り組んでいます。さらに、部品調達先の複数化、適切な部品在庫の保有など、サプライチェーンの強化にも取り組んでいます。
中長期的な成長のためには、人材が最重要であるとの観点に立ち、社員がより働きやすい職場の実現、社員のモチベーションの一層の向上も重要課題として取り組んでまいります。また、将来を見据え、必要な人材の採用や社員の育成の強化のための人的資本への投資を積極的に行います。これらを通じて継続的に人的資本の充実を図ります。
経営に当たっては、ファナックの商品はSDGsの達成にも大きく貢献することを一層意識してまいります。また、営業利益率、経常利益率、ROEなどに加えて、市場シェアも重要な経営指標と捉え、総合的に判断してまいります。
また、感染症については、お客様、お取引先、社員およびその家族、地域における感染予防・感染拡大防止を最優先としつつ、お客様への商品の供給とサービス活動の継続を図ってまいります。
今後もあらゆる面で当社グループは、基本理念である「厳密と透明」を徹底し、こうした諸施策をグループ一丸となって推し進めることにより、お客様の当社グループへの安心と信頼を高めるとともに、激しい環境変化に適応することで、永続的な企業となるべく努力してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在の状況に対する判断に基づくものです。
< 1.特に重要なリスク >
① 戦争に関するリスク
戦争が発生した場合、当社グループの社員の生命、安全が重大な危険にさらされる可能性があります。また、当社グループでは、海外市場における売上高が連結売上高のうち大きな割合を占めています。アジア、欧州、米州など当社商品の市場規模が大きな地域で戦争が発生した場合、地域によっては商品の販売市場、サプライチェーン、物流等に甚大な影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクが顕在化した場合の影響を少しでも抑えるため、「one FANUC」として当社グループ会社間における連携をより緊密にしていきます。
② 自然災害に関するリスク
当社商品はいずれも生産設備として生産現場で使われるものであり、当社商品の大口ユーザでもある自社工場と研究開発との密接な連携による相乗効果によって研究開発と生産技術双方を強化・効率化できる大きな利点があること等から、当社では研究開発部門、工場等を本社地区に集中させてきました。一方で、こうした拠点の集中により、仮に大地震が発生した場合は、被害が甚大になる可能性があります。また、本社地区の近隣に位置する富士山が噴火することは非常に稀と考えられますが、万一噴火した場合の影響は甚大です。これらの他、台風や大雪などの自然災害で大きな影響を受ける可能性があります。
こうした自然災害に関するリスクの顕在化に対応するため、本社工場(山梨県南都留郡忍野村・山中湖村)以外に、壬生工場(栃木県下都賀郡壬生町)、筑波工場(茨城県筑西市)等の新設、拡充による生産拠点の複数化を推進してきました。また、サービス拠点についても、日野支社(東京都日野市)の再構築と名古屋サービスセンタ(愛知県小牧市)の開設により、保守部品の保管倉庫、サービス情報システムのサーバの設置拠点の複数化を行ってきました。
また、データセンタの二重化を行ったほか、本社地区、壬生工場、筑波工場において非常用電源としても使用できるコージェネレーションシステムの導入などを行いました。
当社グループは、今後も、自然災害に関するリスクへの積極的な取り組みを継続的に推進、強化していきます。
③ サイバーセキュリティに関するリスク
近年、サイバー攻撃は、手口の高度化、巧妙化等により、その脅威がますます高まっています。サイバー攻撃により、当社グループの生産設備等が被害を受け生産に影響が生じる可能性や、当社の技術上、営業上等の秘密情報が流出する可能性があります。また、IoT関連の商品、サービス、ネットワーク(当社が利用する他社クラウド基盤を含む)を通じて顧客等の製造設備等に被害が生じ、顧客等からの信用を失う可能性があります。これらのサイバーセキュリティに関するリスクは、様々な要因により顕在化し、当社グループの事業戦略や経営成績等に甚大な影響が生じる可能性があります。
このため当社グループは、CISO(チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー)を任命するとともに、情報セキュリティ委員会等を通じて、当社ITシステムに関するセキュリティ対応の枠組み(コンピュータ・セキュリティ・インシデント・レスポンス・チーム(CSIRT))とそれに基づく監視チーム(セキュリティ・オペレーション・センター(SOC))の活動を徹底しています。また、商品の事故対応体制(プロダクト・ セキュリティ・インシデント・レスポンス・チーム(PSIRT))の整備と関連認証の取得を順次進めています。これらによりサイバーセキュリティに関するリスクへの対応体制の強化を進めています。
④ 競争力低下に関するリスク
当社グループを取り巻く事業環境において、今後以下に挙げるような変化が予想されます。
・ 新興国企業等の技術力、競争力の急速な向上
・ 商品単体の信頼性や機能等の競争だけでなく、様々なIoTシステムとの連携を含めた総合的な使い易さ、信頼性等の競争への変化、およびこれらに伴う市場や顧客ニーズの多様化や変化
・ 様々な新技術の台頭による当社グループの競争力の低下
これらの外部環境の変化に柔軟、迅速に対応できない場合、商品の競争力等における当社グループの優位性が失われる結果、競争力低下に関するリスクが顕在化し、当社グループの事業戦略や経営成績等に甚大な影響が生じる可能性があります。
このため当社グループは、これまで培ってきた優位性を活かしつつ事業環境変化に柔軟、迅速に適応できるよう将来を見据えた研究開発をさらに強化するとともに、生産における自動化、ロボット化等を一層推進することにより、競争力の強化に努めていきます。
< 2.重要なリスク >
① 人材確保・育成に関するリスク
外部環境の急激な変化によりますます競争が激しくなる中、当社グループが持続可能な発展を続けていくためには、創造性豊かな優れた人材を確保・育成することが重要となります。こうした人材の確保・育成が遅れたり、優秀な人材が流出したりする場合、当社グループの競争力が低下する等人材確保・育成に関するリスクが顕在化し、当社グループの発展等に大きな影響が生じる可能性があります。
こうした課題に対処するため、当社グループは、社員の教育の徹底、仕事を通じた能力とモチベーションの向上、ワークライフバランスの充実など、優れた人材が集まる一層魅力的な企業として、企業文化の継承力と創造性を併せ持った人材を育成して適所に配置することに努めていきます。
② 部品等の調達に関するリスク
当社グループにおいて、何らかの理由で部品等の調達に不足や遅れが生じた場合、生産に遅延が発生する可能性があります。その結果、顧客等の生産活動にも影響が生じ、信用を失う可能性があります。このように、部品等の調達に関するリスクが顕在化した場合、当社グループの事業戦略や経営成績等に大きな影響が生じる可能性があります。
このため当社グループは、部品の複数調達先の確保や調達先との関係強化等、サプライチェーンリスクマネジメントの強化などの対策に引き続き努めていきます。
③ 新型ウイルス等の感染症に関するリスク
新型ウイルス等の感染症が発生した場合、当社グループの社員等の健康、安全が脅かされる可能性があります。また、当社グループの社員や家族に感染者が発生した場合、周辺の地域住民への感染拡大やそれによる地域医療への負担の増加など、地域社会に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループの部品調達先や加工・組立業務委託先に感染者が発生した場合、当社グループの生産に影響が生じる可能性があります。また、部品調達先の所在する国や地域でロックダウン(都市封鎖)が行われた場合、部品の生産や物流に制限を受け、当社グループの部品調達に大きな支障が生じる可能性があります。
新型ウイルス等の感染症に関するリスクが顕在化した場合、これらの影響を通じて、当社グループの事業戦略や経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
このため当社グループは、新型ウイルス等の感染症に対しては、感染拡大防止、部品の複数調達先の確保等サプライチェーンリスクマネジメントの強化などの対策に引き続き努めていきます。なお、新型コロナウイルス感染症の動向は依然として不透明であり、対策本部を設置し感染防止に努めています。
④ コンプライアンスに関するリスク
当社グループにおいて法令違反、社会規範・倫理上の問題や企業秘密漏洩等のコンプライアンス問題が生じた場合、当社グループに対する罰則等による直接的影響はもとより、社会的信用・企業イメージの低下等によりコンプライアンスに関するリスクが顕在化した場合、事業戦略や経営成績等に影響が生じる可能性があります。
このため当社グループは、コンプライアンス教育を通じた役員・社員のコンプライアンス意識の強化、内部通報制度の充実等に一層努めていきます。
⑤ ハラスメントに関するリスク
当社グループの職場におけるハラスメントや労働衛生環境を含む人権問題等が生じた場合、社員の健康やメンタルヘルスの悪化等により人材確保・育成に関するリスクが顕在化し、当社グループの発展等に大きな影響が生じる可能性があります。また、社会的信用・企業イメージの低下等により、事業戦略や経営成績等に大きな影響が生じる可能性があります。
このため当社グループは、ハラスメント防止の研修の実施、ハラスメント相談窓口の強化等に一層努めていきます。
⑥ 各国の政策、法規制に関するリスク
当社グループでは、海外市場における売上高が連結売上高のうち大きな部分を占めています。日本を含む各国政府による安全保障貿易管理等の様々な政策、規制等の変更および域外適用の拡大は、内容によっては当社グループの事業活動に大きな影響を及ぼします。これら各国政府による法規制等に違反した場合、処罰を受ける可能性があります。
また、各国政府が保護主義等により輸入関税率の引き上げを行った場合、あるいはアンチダンピング課税の賦課決定を行った等の場合には、当社グループの商品の販売が大きな影響を受ける可能性があります。
このように、各国の政策、法規制に関するリスクが顕在化する可能性があるため当社グループは、各国政府の法規制の遵守のための役員・社員への教育や適切なチェック体制・仕組みの整備等に努めていきます。
⑦ ESGに関するリスク
当社グループは、持続可能な成長のための経営上の課題としてESGを重視しております。また、当社グループのESGへの取り組み状況が顧客等において商品購入時の検討要素とされるなど、ESGは様々なステークホルダーとの関係においても重要な課題となっています。
当社グループによるESGへの対応が不十分な場合、社会的評価が低下する等、ESGに関するリスクが顕在化し、当社グループの事業戦略や経営成績等に影響が生じる可能性があります。
こうした課題に対処するため、当社グループは、ESGへの取り組みを経営上の重要課題と認識し、積極的に強化していきます。
< 3.その他のリスク >
以上の他、例えば以下のようなリスクにより、当社グループの事業戦略や経営成績等に影響が生じる可能性があります。
これらのリスクについても、顕在化の可能性と顕在化した場合の影響や積極的な事業戦略とのバランス等を考慮のうえ、予防、低減、回避等の然るべき対応に努めていきます。
(例)
・労働災害に関するリスク
・知的財産権の侵害リスク(当社グループの知的財産権が他社に侵害される場合、および当社グループが他社から知的財産権侵害の訴えを起こされる場合)
・製造物責任に関するリスク
・為替レートの変動リスク
① 財政状態及び経営成績の状況
a. 財政状態
資産合計は、前連結会計年度末比895億72百万円増の1兆8,735億36百万円となりました。これは、現金及び預金が890億13百万円、原材料及び貯蔵品が452億61百万円増加したことが主な要因です。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末比118億96百万円増の2,459億81百万円となりました。これは、流動負債のその他が102億44百万円、支払手形及び買掛金が74億62百万円増加したことが主な要因です。
純資産合計は、前連結会計年度末比776億76百万円増の1兆6,275億55百万円となりました。これは、利益剰余金が741億3百万円増加、為替換算調整勘定が318億50百万円増加したことが主な要因です。
当期(2022年4月1日から2023年3月31日まで)における当社グループを取り巻く状況につきましては、自動車関連をはじめとして製造業全般において設備投資が活発に行われました。しかし、半導体等の部品不足による生産活動への影響、原材料価格の高騰、急激な為替変動等、先行き不透明な状況が続きました。このような中、当社グループにおきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図りつつ、お客様への商品の供給とサービス活動の継続に努めました。特に半導体等の部品不足については、代替品の採用、設計変更等あらゆる対策を行い、影響を最小限にとどめるべく、会社の総力を挙げて対処しました。
また、こうした厳しい状況の中でも、新商品、新機能の開発や工場の生産能力増強など、将来の発展に向けた取り組みを進めました。
加えて、世界的に脱炭素社会へ向けた動きが広がっている中、グローバルに事業を展開している当社グループにとっても気候変動は重要な経営課題であると認識し、商品の省エネルギー性能向上に向けた開発を推進しました。また、本社地区および壬生地区に大規模な太陽光発電設備を設置する等、省エネルギーのための取り組みを行いました。
2022年度における連結業績は、売上高が8,519億56百万円(前期比16.2%増)、経常利益が2,313億27百万円(前期比8.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,705億87百万円(前期比9.9%増)となりました。
当期におきましては、コンパクトかつ広い動作範囲で、力強いスマートなデザインの1,000kg可搬ロボット「ファナック ロボット M-1000iA」が「2022年日刊工業新聞社十大新製品賞 本賞」、「2022年日経優秀製品・サービス賞 日経産業新聞賞」、「2022年度グッドデザイン賞 グッドデザイン・ベスト100」を受賞しました。
なお、当社グループは、CNCシステムとその応用商品を提供する企業グループとして、単一セグメントの事業を営んでおりますが、商品部門別の状況は以下のとおりです。
FA部門につきましては、CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、横ばいであった中国を除き好調に推移し、当社のCNCシステムの売上も前期比で増加しました。
FA部門の連結売上高は、2,501億13百万円(前期比10.6%増)、全連結売上高に対する構成比は29.4%となりました。
ロボット部門につきましては、中国でEV、物流、再生可能エネルギー関連向けを中心に需要が好調に推移し、売上が前期比で大幅に増加しました。米国では一般産業向けおよびEV関連の需要を取り込んだ自動車産業向けの需要が好調で、欧州でも一般産業向けの需要が好調に推移し、総じて売上が大幅に増加しました。国内では一般産業向けを中心に期の後半に入り需要が堅調で、売上が増加しました。
ロボット部門の連結売上高は、3,569億84百万円(前期比33.0%増)、全連結売上高に対する構成比は41.9%となりました。
ロボマシン部門につきましては、ロボドリル(小型切削加工機)では、好調だったパソコン、タブレット、スマートフォン市場向けの需要が一巡し、売上が前期比で減少しました。ロボショット(電動射出成形機)では、IT関連、医療市場向けの需要が堅調に推移し、前期と同水準の売上となりました。ロボカット(ワイヤ放電加工機)では、自動車部品市場、医療市場向けの需要が堅調に推移し、売上が増加しました。
ロボマシン部門の連結売上高は、1,327億88百万円(前期比8.2%減)、全連結売上高に対する構成比は15.6%となりました。
サービス部門につきましては、「サービス ファースト」をキーワードに、サービス体制の強化、IT技術の積極的な導入による効率アップ等を進めました。世界中に260ヶ所以上のサービス拠点を置いて100ヶ国以上をカバーする体制を構築し、お客様の工場でのダウンタイムを最小限にすべく、迅速なサービス活動を行っております。
サービス部門の連結売上高は、1,120億71百万円(前期比19.6%増)、全連結売上高に対する構成比は13.1%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年度末比977億2百万円減の4,769億53百万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、前年同期比260億76百万円減の995億5百万円であり、これは主に法人税等の支払額が増加したことによるものです。
投資活動の結果使用した資金は、前年同期比240億69百万円増の779億98百万円であり、これは主に有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。
財務活動の結果使用した資金は、前年同期比387億70百万円増の1,279億24百万円であり、これは主に自己株式の取得による支出が増加したことによるものです。
(当連結会計年度)
(注) 1 生産高は、販売価格によっております。
(当連結会計年度)
c. 販売実績
(当連結会計年度)
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産、負債および偶発債務ならびに会計期間における収益、費用に影響を与える見積りを必要としておりますが、実際の結果と異なる場合があります。
中でも連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられるものは、以下のとおりであります。
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。長期金利の低下や運用利回りの悪化は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、減損の兆候が見られる固定資産については将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に比較可能な市場価額等に基づいて減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて減損処理を実施しております。
将来キャッシュ・フローや回収可能価額の見積りの前提となる将来の収益性の低下や時価の下落等により、減損損失が発生する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(経営成績)
2022年度における連結業績は、売上高が8,519億56百万円(前期比16.2%増)、経常利益が2,313億27百万円(前期比8.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,705億87百万円(前期比9.9%増)となりました。
当期(2022年4月1日から2023年3月31日まで)における当社グループを取り巻く状況につきましては、自動車関連をはじめとして製造業全般において設備投資が活発に行われました。しかし、半導体等の部品不足による生産活動への影響、原材料価格の高騰、急激な為替変動等、先行き不透明な状況が続きました。このような中、当社グループにおきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図りつつ、お客様への商品の供給とサービス活動の継続に努めました。特に半導体等の部品不足については、代替品の採用、設計変更等あらゆる対策を行い、影響を最小限にとどめるべく、会社の総力を挙げて対処しました。
(財政状態)
資産合計は、前連結会計年度末比895億72百万円増の1兆8,735億36百万円となりました。これは、現金及び預金が890億13百万円、原材料及び貯蔵品が452億61百万円増加したことが主な要因です。
負債合計は、前連結会計年度末比118億96百万円増の2,459億81百万円となりました。これは、流動負債のその他が102億44百万円、支払手形及び買掛金が74億62百万円増加したことが主な要因です。
純資産合計は、前連結会計年度末比776億76百万円増の1兆6,275億55百万円となりました。これは、利益剰余金が741億3百万円増加、為替換算調整勘定が318億50百万円増加したことが主な要因です。
営業活動の結果得られた資金は、前年同期比260億76百万円減の995億5百万円であり、これは主に法人税等の支払額が増加したことによるものです。
投資活動の結果使用した資金は、前年同期比240億69百万円増の779億98百万円であり、これは主に有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。
財務活動の結果使用した資金は、前年同期比387億70百万円増の1,279億24百万円であり、これは主に自己株式の取得による支出が増加したことによるものです。
以上のキャッシュ・フローの増減に現金及び現金同等物に係る換算差額87億15百万円を加算し、連結キャッシュ・フローは、977億2百万円の減少となりました。
当期の所要資金は全て自己資金により充当し、外部からの調達は行っておりません。
2023年3月31日現在
(注) 2023年1月27日開催の取締役会決議により2023年4月1日付で株式分割に伴う定款変更が行われ、発行可能株式総数は1,600,000,000株増加し、2,000,000,000株となっております。
(注) 1 2023年1月27日開催の取締役会決議により2023年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割いたしました。これにより発行済株式総数は807,637,588株増加し、1,009,546,985株となっております。
2 2023年4月27日開催の取締役会決議により、2023年5月31日付で自己株式の一部を消却したため、提出日現在の発行済株式総数は6,472,996株減少し、1,003,073,989株となっております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 1 自己株式の消却による減少であります。
2 2023年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割し、発行済株式総数が807,638千株増加しております。
3 2023年5月31日付の自己株式の消却により、発行済株式総数が6,473千株減少しております。
2023年3月31日現在
(注) 自己株式11,325,343株は「個人その他」に113,253単元および「単元未満株式の状況」に43株を含めて記載しております。なお、自己株式11,325,343株は株主名簿記載上の株式数であり、2023年3月31日現在の実保有残高は11,325,339株であります。
2023年3月31日現在
(注)当社名義の株式11,325千株につきましては、上記の表には含めておりません。