ニデック株式会社
(注)1.国際会計基準(以下、「IFRS」)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2.百万円単位で記載している金額は、百万円未満を四捨五入して表示しております。
3.基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益については、親会社の所有者に帰属する当期利益の数値を基に算出しております。
4.基本的1株当たり当期利益の算定及び1株当たり親会社所有者帰属持分の算定において、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、期中平均発行済株式総数及び期末発行済株式総数から当該株式数を控除しております。
5.希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
6.第50期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第49期の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。
7.当社は、2020年4月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っております。第46期の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して、1株当たり情報を算定しております。
(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.当社は、2020年4月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っております。第46期の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して、1株当たり情報を算定しております。
3.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。また※印は、2020年4月1日付で行った株式分割による権利落後の最高株価及び最低株価を記載しております。
4.1株当たり当期純利益の算定及び1株当たり純資産額の算定において、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、期中平均発行済株式総数及び期末発行済株式総数から当該株式数を控除しております。
当社グループ(当社、連結子会社343社、持分法適用関連会社4社を中心に構成)は、精密小型モータ、車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品等の製造・販売を主な事業内容としております。
当社は、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しており、関係会社の範囲についてもIFRSの定義に基づいております。セグメント区分に関しては、9つの報告対象セグメントとその他により構成されております。
各セグメントの内容は次のとおりであります。なお、このセグメント区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の連結財務諸表注記に掲げるセグメントをはじめ、本有価証券報告書の当連結会計年度に関するセグメントの区分と全て同一であります。また、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりであります。
当社グループの主要な製品の内容に係る当社及び主要な連結子会社の位置づけは次のとおりであります。
[事業系統図]

(注)1.2022年11月1日付で、「日本電産(香港)有限公司」は「ニデック(香港)有限公司」に社名変更しております。
2.2023年4月1日付で、「日電産(上海)国際貿易有限公司」は「ニデックモータ(上海)有限公司」に社名変更しております。
3.2023年4月1日付で、「タイ日本電産㈱」は「ニデックエレクトロニクスタイランド㈱」に社名変更しております。
4.2023年2月1日付で、「日本電産(東莞)有限公司」は「ニデックモータ(東莞)有限公司」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、「ベトナム日本電産会社」は「ニデックベトナム会社」に社名変更しております。
6.2023年3月1日付で、「日本電産自動車モータ(浙江)有限公司」は「ニデック自動車モータ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、「ドイツ日本電産モーターズアンドアクチュエーターズ㈲」は「ニデックモーターズアンドアクチュエーターズドイツ㈲」に社名変更しております。
8.2023年4月1日付で、「日本電産GPM㈲」は「ニデックGPM㈲」に社名変更しております。
9.2022年11月29日付で、「日本電産(大連)有限公司」は「ニデックモータ(大連)有限公司」に社名変更しております。
10.2023年4月1日付で、「日本電産自動車モータ・アメリカ合同会社」は「ニデック自動車モータ・アメリカ合同会社」に社名変更しております。
11.2023年4月1日付で、「日本電産モータ㈱」は「ニデックモータ㈱」に社名変更しております。
12.2023年4月1日付で、「日本電産ASI㈱」は「ニデックASI㈱」に社名変更しております。
13.2023年4月1日付で、「日本電産グローバル・アプライアンス・コンプレッサー・ブラジル社」は「ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社」に社名変更しております。
14.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
15.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
16.2023年4月1日付で、「日本電産シバウラ(浙江)有限公司」は「ニデックテクノモータ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
17.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
18.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
19.2023年4月1日付で、「日本電産ミンスター㈱」は「ニデックミンスター㈱」に社名変更しております。
20.2023年4月1日付で、「日本電産マシンツール㈱」は「ニデックマシンツール㈱」に社名変更しております。
21.2023年4月1日付で、「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
22.2023年3月2日付で、「日本電産東測(浙江)有限公司」は「ニデックパワートレインシステムズ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
23.2023年4月1日付で、「日本電産コパル電子㈱」は「ニデックコンポーネンツ㈱」に社名変更しております。
24.2023年4月1日付で、「日本電産トーソク㈱」は「ニデックパワートレインシステムズ㈱」に社名変更しております。
25.2023年4月1日付で、「日本電産サーボ㈱」は「ニデックアドバンスドモータ㈱」に社名変更しております。
26.2023年4月1日付で、「日本電産コパル㈱」は「ニデックプレシジョン㈱」に社名変更しております。
27.2023年4月1日付で、「日本電産グローバルサービス㈱」は「ニデックグローバルサービス㈱」に社名変更しております。
(1)連結子会社
(注)※1.特定子会社に該当しております。
尚、その他に含まれる会社のうち特定子会社に該当する会社は次のとおりであります。
日本電産ヨーロッパ㈱
※なお、2023年4月1日付で、「日本電産ヨーロッパ㈱」は「ニデックヨーロッパ㈱」に社名変更しております。
2.子会社の議決権に対する所有割合の( )内は、間接所有の割合で内数であります。
3.2022年11月1日付で、「日本電産(香港)有限公司」は「ニデック(香港)有限公司」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、「日電産(上海)国際貿易有限公司」は「ニデックモータ(上海)有限公司」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、「日本電産モータ㈱」は「ニデックモータ㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、「日本電産グローバル・アプライアンス・コンプレッサー・ブラジル社」は「ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
8.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
9.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
10.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
11.2023年4月1日付で、「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
12.2023年4月1日付で、「タイ日本電産㈱」は「ニデックエレクトロニクスタイランド㈱」に社名変更しております。
13.2023年2月1日付で、「日本電産(東莞)有限公司」は「ニデックモータ(東莞)有限公司」に社名変更しております。
14.2023年4月1日付で、「ベトナム日本電産会社」は「ニデックベトナム会社」に社名変更しております。
15.2023年3月1日付で、「日本電産自動車モータ(浙江)有限公司」は「ニデック自動車モータ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
16.2023年4月1日付で、「ドイツ日本電産モーターズアンドアクチュエーターズ㈲」は「ニデックモーターズアンドアクチュエーターズドイツ㈲」に社名変更しております。
17.2023年4月1日付で、「日本電産GPM㈲」は「ニデックGPM㈲」に社名変更しております。
18.2022年11月29日付で、「日本電産(大連)有限公司」は「ニデックモータ(大連)有限公司」に社名変更しております。
19.2023年4月1日付で、「日本電産自動車モータ・アメリカ合同会社」は「ニデック自動車モータ・アメリカ合同会社」に社名変更しております。
20.2023年4月1日付で、「日本電産ASI㈱」は「ニデックASI㈱」に社名変更しております。
21.2023年4月1日付で、「日本電産シバウラ(浙江)有限公司」は「ニデックテクノモータ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
22.2023年4月1日付で、「日本電産ミンスター㈱」は「ニデックミンスター㈱」に社名変更しております。
23.2023年4月1日付で、「日本電産マシンツール㈱」は「ニデックマシンツール㈱」に社名変更しております。
24.2023年3月2日付で、「日本電産東測(浙江)有限公司」は「ニデックパワートレインシステムズ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
25.2023年4月1日付で、「日本電産コパル電子㈱」は「ニデックコンポーネンツ㈱」に社名変更しております。
26.2023年4月1日付で、「日本電産トーソク㈱」は「ニデックパワートレインシステムズ㈱」に社名変更しております。
27.2023年4月1日付で、「日本電産サーボ㈱」は「ニデックアドバンスドモータ㈱」に社名変更しております。
28.2023年4月1日付で、「日本電産コパル㈱」は「ニデックプレシジョン㈱」に社名変更しております。
29.2023年4月1日付で、「日本電産グローバルサービス㈱」は「ニデックグローバルサービス㈱」に社名変更しております。
30.2023年4月1日付で、「フィリピン日本電産㈱」は「ニデックフィリピン㈱」に社名変更しております。
31.2023年4月1日付で、「日本電産トーソク・ベトナム会社」は「ニデックパワートレインシステムズ(ベトナム)会社」に社名変更しております。
(2)持分法適用関連会社
持分法適用関連会社が4社ありますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。
(1)連結会社の状況
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
3.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
(2)提出会社の状況
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでおります。
3.前連結会計年度末に比べ従業員数が335名減少しておりますが、主として固定構造改革及び長野技術開発センターを日本電産シンポ㈱(現 ニデックドライブテクノロジー㈱)の研究開発、生産拠点へ転換したことに伴う連結子会社への出向や自己都合退職によるものであります。
(3)労働組合の状況
当社及び当社の連結子会社(以下、「NIDEC」)のうち、一部の連結子会社において労働組合が結成されております。
労使関係については良好であり、特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.パート・有期労働者には定年後再雇用の社員を含んでおります。
当社はジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入しており、年齢に関わらず「職責・職務(責任)の大きさ」、「成果」に応じて処遇を行っております。
②国内連結子会社
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、「東北日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ秋田㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョーシーエムアイ㈱」は「ニデックマテリアル㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
8.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
9.2023年4月1日付で、「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
10.2023年4月1日付で、「日本電産マシンツール㈱」は「ニデックマシンツール㈱」に社名変更しております。
11.2023年4月1日付で、「日本電産コパル電子㈱」は「ニデックコンポーネンツ㈱」に社名変更しております。
12.2023年4月1日付で、「日本電産トーソク㈱」は「ニデックパワートレインシステムズ㈱」に社名変更しております。
13.2023年4月1日付で、「日本電産サーボ㈱」は「ニデックアドバンスドモータ㈱」に社名変更しております。
14.2023年4月1日付で、「日本電産コパル㈱」は「ニデックプレシジョン㈱」に社名変更しております。
15.2023年4月1日付で、「日本電産エレシス㈱」は「ニデックエレシス㈱」に社名変更しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
さて、当社は2023年7月に創業満50周年を迎えるにあたり、100年を超えて成長し続けることを展望して「新企業理念」を制定しました。「新企業理念」は「社是」を根幹とし、当社グループの50年の成長の源であった、価値観・行動規範・行動指針を継承しつつも、当社グループの成長の目的や存在意義を「使命(Mission)」として明確にし、またNo.1に拘る中で、当社グループの営為を通じて地球環境の保全や世界の人々の豊かな生活に寄与するソリューション企業集団を「目指す姿(Vision)」として新たに制定の上、すべてを一体としました。
「使命(Mission)」、「目指す姿(Vision)」は以下のとおりです;
「使命(Mission)」:
世界一高性能なモータで地球に貢献する
(全社員の弛まざる努力により、当社が世に送り出すモータを中心とした製品を通じて、地球環境の保全を始めとする様々な課題を解決すると共に、世界の人々のより良い生活の実現に貢献する。)
「目指す姿(Vision)」:
■100年を超えて成長し続けるグローバル企業
■人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団
このような状況下、当社は2025年度をターゲットとする中期戦略目標(Vision2025)を設定しており、事業環境変化に力強く適応する成長企業を目指します。
その骨子は次のとおりです。
2021年度~2022年度
①連結売上高目標 2兆円
②生産性向上:従業員一人当たりの売上高と営業利益を3割増(2020年度比)
③ROIC(投下資本利益率) 10%以上
④ESGで評価される企業に
2023年度~2025年度
①連結売上高目標 4兆円
②生産性向上:従業員一人当たりの売上高と営業利益を倍増(2020年度比)
③ROIC(投下資本利益率) 15%以上
④ESGで評価される企業に
さらに、当社は脱炭素社会の実現に寄与するべく、マテリアリティ推進の大きな軸の一つとして「2040年度カーボンニュートラルの実現」を据えています。目標達成に向けた取り組みとして、自社事業のエネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの積極導入により、まずは現在当社が事業を通じて直接排出しているCO2(Scope1)と事業活動で使用した熱・エネルギーの生産段階で排出しているCO2(Scope2)の大幅な低減を図ります。再エネ主導のCO2排出抑制基盤を確かなものとした後、省エネ・低炭素燃料へのシフトやカーボンオフセット投資などの手段を用いることで、2040年度に当社事業活動のカーボンニュートラル化を達成する計画です。
なお、サプライチェーンにおいて排出されるCO2(Scope3)については2025年度までにその削減計画を決定する方針です。
(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
現在、当社が人類共通の課題に対してソリューションを提供出来ると考えている分野として「脱炭素化」「省人化」「省電力化」「サーマルソリューション」「デジタルデータ爆発的増大」の5つがあります。「クルマの電動化」「ロボット活用の広がり」「高効率モータへの需要増加」といったCO2排出抑制、労働力不足、省電力化といった人類共通の課題へのソリューションが求められている分野に経営資源を集中的に投下します。
①精密小型モータ
精密小型モータ事業の既存ビジネスの多くで最終製品の売上成長がピークアウトしており、今後の成長には事業ポートフォリオ転換が必要となります。今後成長が期待できる分野として、省電力関連やサーマルマネジメントに加えて、車載向けモータ(小型EVおよび電動二輪車向け)に注力しています。小型EVは中国市場において見られた低価格化による新規需要喚起が今後中国以外の地域でも想定され、モータ需要の拡大が期待されます。また、二輪車にも四輪車同様の電動化の波が押し寄せており、駆動ユニット向けモータ需要の拡大が見込まれます。
HDD用モータに関しては収益性の確保に努めます。HDD市場出荷台数は2022年暦年で前年比3割以上減少しており、2023年暦年でも前年比台数減少は避けられない見通しとなっております。一方で画像や動画などの高画質・高容量化、ソーシャルメディアやゲームの普及拡大やメタバースの出現等を背景にデータ需要は今後も拡大してゆくと考えられます。今後もサーバ用途ではHDD用モータ需要は成長すると見込まれ、高付加価値製品の構成比が高まることが想定されます。
②車載
気候変動による影響が深刻さを増すなか、自動車業界は脱炭素化へ向けた取り組みを加速させております。乗用車、トラック等が世界のCO2排出量に占める割合は約1/5にのぼることから、主要各国は相次いでガソリン車・ディーゼル車の将来における販売禁止を発表し、自動車の電動化シフトを後押ししております。EUにおける合成燃料ベースのガソリン車は2035年以降も販売を認められるといった発表もあるものの、電動化シフトの波は今後も変わらないと考えられます。このような流れから当社の電気自動車用駆動モータ「E-Axle」は高い売上成長が見込まれており、車載部門の2020年度から2025年度の平均売上成長率想定は29%と全部門の中で最も高くなっております。中国を筆頭に成長してきた電気自動車市場ですが、今後は欧州、北米を中心に他地域での成長も加速してゆくフェーズと見込まれます。「E-Axle」のみならず、モータを筆頭とした「E-Axle」向けの部品供給にも力を入れ、自動車の電動化シフトを強力にサポートしてまいります。
③家電・商業・産業用
現在、世界の電力使用量の約半分をモータが占めていると言われており、特に産業用モータによる消費量が大きいことから、より高効率なモータへの置き換えが急務となっております。当社は家電関連では、洗濯機、乾燥機、食洗機用モータや冷蔵庫用のコンプレッサー及びコンプレッサー用のモータ等を手掛けており、効率に優れるブラシレスDCモータへの需要の更なる高まりが今後期待されます。商業部門ではエアコン向けモータやECの配送センターで使用されるロボット向けのモジュール等を提供しており、産業部門では農業、ガス、鉱業、上下水道、海洋といったマーケットを中心に事業を展開しております。世界的な省エネ・省電力化の流れが進んでいますが、当社はこの流れを追い風に、家電・商業・産業用事業の更なる発展を目指します。
④その他
世界的な課題となっている労働人口不足から、中国を中心にファクトリーオートメーション(FA)需要が高まっています。「ロボット活用の広がり」を背景に拡大傾向にあるロボット基幹部品(減速機)の需要を取り込むことを通じて、事業拡大を推進しております。将来の需要大幅拡大に備え、ロボット用減速機向けの新工場の稼動を開始し、生産能力を大幅に増強しております。加えて、減速機関連製品のモジュール化を加速し、より付加価値の高い製品の供給を目指します。さらに当社は、工作機械事業分野でも買収を積極的に進めており、買収した会社の収益性も、短期間で大幅に改善しております。プレス機械事業同様、買収により製品ラインアップを揃え、収益改善活動を進めてゆくことにより、工作機械事業は今後も更なる成長が見込まれます。
⑤M&A
上記の目標を達成するために、精密小型モータでは、2018年11月にベイパーチャンバーを中心としたサーマルソリューション製品を持つChaun-Choung Technology Corp.(現 ニデックCCI股份有限公司)を買収しました。当社の既存技術であるファンモータを中心とした冷却技術と組み合わせて、より付加価値の高いサーマルソリューションを提供してまいります。車載では2019年10月に電子制御ユニット(ECU)の技術をもつオムロンオートモーティブエレクトロニクス㈱(現 ニデックモビリティ㈱)を買収しました。日本電産エレシス㈱(現 ニデックエレシス㈱)が持つECUのキャパシティを増強するとともに、当社既存の車載モータとのシナジー効果を追求します。家電・商業・産業用では、2019年7月に冷蔵庫用コンプレッサーの技術をもつエンブラコ社を買収しました。当社の既存技術であるコンプレッサー用モータと組み合わせて、より省エネ性能に長ける冷蔵庫の実現に貢献します。
その他では、2021年8月に高精度・高効率の歯車加工技術を持つ三菱重工工作機械㈱(現 ニデックマシンツール㈱)を買収しました。日本電産シンポ㈱(現 ニデックドライブテクノロジー㈱)がもつ減速機及びプレス機の既存2事業と要素技術開発、製造、営業面等においてシナジー効果を追求します。加えて、ニデックマシンツール㈱の技術がNIDEC内における、将来的な内製化に向けた取り組みに寄与するものと想定しております。現在、当社が最も注力しているモータ・インバータ・減速機を三位一体にしたEV用トラクションユニットである「E-Axle」は今後更なる需要を見込んでおり、その中核部品の一つである、ギアの強化に同社技術は必要不可欠になります。さらに、2022年2月に工作機械の設計・製造・販売、製品に関わる製品の据付、技術指導、アフターサービス等を行っているOKK㈱(現 ニデックオーケーケー㈱)を買収しました。当社の既存事業である工作機械の分野で、製品の相互補完が可能となり、工作機械事業の要素技術開発、製造、営業面等においてシナジーがあると見込んでおります。当社とニデックオーケーケー㈱のそれぞれが持つ技術力、ブランド力、顧客基盤を相互に活用して当社工作機械事業を拡大させて行きたいと考えております。加えて、2023年2月に工作機械(横中ぐり盤、門型機他)の製造・販売を行っているPAMA S.p.A.社(以下、「PAMA社」)を買収しました。PAMA社をグループ会社に加えることによって、当社は販売における広範な品揃えとクロスセルによるアジア市場と欧米市場での売上拡大、製品開発における既存会社との得意技術の組み合わせによる新たな製品やコンポーネントの開発、製造における欧州・米国・アジアのグローバルな生産最適化による納期とコストの改善等、販売・開発・製造全ての面においてシナジーを追求することができます。
NIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIDECが判断したものであります。
①政治・経済状況の変動に係るリスク(特に重要なリスク)
NIDECの製品及びNIDECの製品を搭載した製品は主に中国を主とするアジア、米国、欧州及び日本で生産、消費されており、これらの国または地域の予期せぬ景気変動、政治・政策動向は、NIDECの製品需要や生産状況に悪影響を及ぼす可能性があります。特にNIDECの製品はPCやスマートフォン等の最終製品に組み込まれているため消費動向に左右され、一般消費水準の減退はNIDECの売上に悪影響を与える可能性があります。同様に、製造部門における設備投資の水準は景気動向によって左右され、設備投資水準の減退がNIDECの産業用製品に係る売上に悪影響を及ぼす恐れがあります。今後経済環境の悪化が進んだ場合、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
2022年度は米中貿易摩擦とウクライナ危機を発端とした地政学上のリスクの高まりによるサプライチェーンの不安定化等が世界経済の悪化や原材料価格や物流費の高騰を招き、NIDECの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼしました。
技術変遷を背景とした需要の変容、それに呼応する顧客動向の変化がNIDECの想定を上回るスピードで生じた場合に、同市場におけるNIDECの経営環境に影響を及ばす場合があります。
例えばHDD用モータ事業はNIDECの主要事業の一つであり長期に亘り当社の収益基盤をなしてきましたが、半導体メモリーSSDやクラウドコンピューティングの定着によるストレージ市場の構造変化が顧客のビジネスモデル変化を招き、当社HDD用モータの需要低下に繋がっています。今後はクラウド市場の拡大に牽引されるサーバー向けのHDD用モータに注力し一定の収益を確保すると同時に、端末向けHDD用モータの開発・生産に振り分けていたリソースをモビリティソリューション分野をはじめとする新規商材へ集中投下し、ビジネスポートフォリオ転換のスピードを早めます。
NIDECは事業を行う様々な市場で激しい競争にさらされております。特に車載、家電市場においては、新興国の地場メーカーの台頭で競争が激化する傾向があります。市場で競争力を高めるため、NIDECは研究開発分野への多額な投資の維持・増強、製造能力・販売力・マーケティング力の拡大、サービス力とサポート源の拡大、タイムリーな新製品の開発、既存製品の更なる改善を実施していく必要があると考えております。また、利益性を確保するためのコスト削減活動もNIDECにとって必要です。
NIDECは次のような場合に、市場における競争力が低下したり収益力を損なう可能性があります。
・市場がNIDECの予測を超える速度で発展した結果、需要拡大等の市場変化への対応において競合他社がNIDECの能力を上回った場合
・NIDECのコスト削減活動が、市場販売価格の減少や原材料費の上昇による悪影響を吸収するには不十分となった場合
・競合他社が技術革新、製造効率の改善または研究開発能力の強化を行った結果、NIDECの製品や技術が陳腐化した場合
・NIDECの競合企業同士の合併によりNIDECの競争力が相対的に弱まった場合
・必要な投資を継続・強化するための財産的、技術的、人的な資源を調達できない場合
例えば現在、EV用トラクションモータシステムに関してNIDECの主な市場は中国です。中国は国策により自動車のEV化を推進しており、現在世界最大のEV市場を擁しています。NIDECは現在、EVのエンジンに相当するトラクションモータを重要な戦略製品と位置付けており、コスト競争力と開発スピードに優れる地場メーカーの台頭により同市場における競争力を失うと、NIDECの成長戦略全体に重大な影響が及ぶ可能性があります。対策として、同市場における影響力が大きい中国企業との提携を強化しています。2019年にはEV用トラクションモータシステムに関しては、同国の有力自動車メーカーである広州汽車グループと提携を結びました。更に、同国における生産能力を増強することで急激な需要の高まりを想定した供給体制を整備しています。既に平湖市、広州市では工場が稼働していますが、今後、大連市でも生産を予定しています。開発におきましても2019年に蘇州市に蘇州開発センターを設立し、開発の現地化により顧客要求に迅速に対応する体制を整えております。
④先行投資に係るリスク(特に重要なリスク)
NIDECは需要の拡大を予想した場合、受注に先駆けて生産設備を拡張することがあります。従って需要が生産能力を下回ると、稼動損による償却負担の増加または過剰在庫による棚卸資産の評価減が収益を圧迫する可能性があります。例えば、急速な市場規模拡大が予想されるEV用トラクションモータシステムの生産工場が既に中国平湖市で稼働しております。今後、平湖地区に新建屋を建設予定で、需要拡大に備えた体制を構築中です。また、欧州のセルビアにEV用モータ、インバータの生産工場を建設済みで今後も拡張を予定しており、脱炭素化を追い風にEV需要拡大が見込まれる欧州での供給体制を強化してまいります。
しかし、競合他社の開発・市場参入動向、最終製品の需要動向の変化により、当初予想した受注量を確保できない場合には、NIDECの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
更に工場に導入した設備が急速な技術革新によって陳腐化や用途変更が発生した場合には、現在の見積耐用年数を短縮させる必要性が生じ、連結会計期間あたりの償却負担が増加する可能性があります。他方、もしNIDECが需要を過小に見積もり必要な設備投資を行わなかった場合、顧客の需要を満たせずにシェアを失う可能性があります。
また、部品や材料を調達する際のリードタイムを考慮してサプライヤーへ材料を先行注文することがあるため、実際の受注数量が予想に満たない場合は過剰在庫が生じ予期せぬ棚卸資産の評価減を招く可能性があります。
⑤M&Aに係るリスク(特に重要なリスク)
NIDECは事業の成長に必要な技術、製品、販売網、顧客基盤を所有する他社の買収や他社への資本提携を通じて大幅な成長を達成してまいりました。買収や投資活動を継続的に成功させることは、NIDECの事業戦略を達成する上で極めて重要な要素です。そして車載事業を中心とした技術・商流の獲得が益々重要度を増しています。車載事業の中でも特にEV用トラクションモータシステムは今後の成長の柱となることが大きく期待されています。EV市場はグリーンリカバリーの動きの中で拡大ペースが急加速すると見込まれることから、EV用トラクションモータシステムの製造に必要な技術・商流・設備等の買収を市場の成長スピードに追随する適切なタイミングで実施出来なかった場合に、NIDECの競争力が低下する可能性があります。更に、2030年度売上高10兆円を目指す中で、NIDECのビジネスモデルがモータ単品売りからモジュール、システムへと転換していくことが予想されます。市場が急速に変化する中で、ビジネスモデルの転換に必要な技術を適確に選択・買収することが出来なかった場合に、市場の成長スピードに追随できなくなる可能性があります。
また、NIDECの買収や出資活動が成就しなかった場合、NIDECの製品ラインナップ、販売網、顧客基盤の拡大計画が停滞したり、成長率が低下したりする可能性があります。買収や資本提携を成功させるためには、買収した事業の効率的な統合が重要です。しかし、買収した事業がNIDECの予想どおりに収益を生むという確証はありません。
NIDECは今後の買収や資本提携を成功させるために必要な条件を次のように考えております。
・買収対象企業の正確な事前調査(各種デューデリジェンス)
・事前調査の過程でNIDECに悪影響を与える買収対象企業の負債を特定する能力
・買収した事業に係る製品を製造・販売する能力及び買収した事業に係る技術を既存技術と統合して新製品を開発する能力
・買収した事業の経営、製品、社員に関するNIDECの統合能力
・買収した事業におけるキーパーソンの保持
・買収した事業における財務面や経営面でのNIDECの管理能力
・買収した事業からの報告体制及び買収した事業の法令遵守体制の整備
こうした買収、出資活動はNIDECの事業に重要な影響を与え得る不確定要素です。例えば、出資先企業の業績が悪化した場合、投資価値が毀損する可能性があります。出資先企業が拠点を置く国の政府による経済政策、法律、規制、または会計基準の変更が出資先企業に適用されることでNIDECの業績へ多大な影響が及ぶ可能性があります。
買収や出資の効果が得られないか、または適切な買収や出資の対象会社を見つけることができない場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、NIDECは、買収に伴い取得した多額ののれん及び無形資産を計上しており、当連結会計年度末現在、のれん及び無形資産はそれぞれ、3,635億円及び2,217億円計上しております。NIDECは、これらの資産については、買収した事業の効率的な統合により得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境の悪化等により予想どおりの収益が得られないと判断された場合、NIDECはこれらの資産について減損を認識しなければならず、NIDECの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥法令・規制に係るリスク
NIDECの事業は、事業運営を行っている国内外における法令、規制、政策、行動規範、会計基準等の変更や解釈の差異、適用誤りに起因するコンプライアンスリスクを負っており、製品ラインナップの拡充またはビジネスの地理的拡大により、NIDECは各種産業、市場及び行政地区特有のリスクにさらされることになります。よって、NIDECのリスク管理体制によっても、これらのコンプライアンスに完全に対処することができない可能性があります。
NIDECは日本、アジア、北米、欧州、その他地域の環境法令を遵守しております。これら環境法令は大気汚染、水質汚濁、危険物質の対応、水質管理、リサイクル、温暖化防止、土壌及び地下水の汚染等に関連する規則を含みます。
欧州委員会は2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を法制化することで合意しました。それに付随して、2030年に向けた目標も、1990年の水準から少なくとも55%削減する新たな目標で合意しています。更にEUを始め米国や日本でも輸入品のCO2排出量に応じて関税を課す国境炭素税の導入が検討されている等、脱炭素に向けた全世界的な取り組みが急激に加速しています。また、NIDECの事業の多くは環境法令に基づく営業許可を必要とし、それにより製造活動は制約され、法令遵守のための費用が発生します。こうした環境法令は当局により修正、改定、廃止される可能性があります。これらの法令が厳格化することにより環境法令の継続的遵守に必要な投資やその他の支出が増加したり、事業の見直しを行う必要が生じ、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
また、NIDECの事業は国内外において独占禁止法、贈賄防止条約、反テロ法、知的財産権、消費者保護法、税法、輸出規制、関税法、海外貿易規制及び為替規制等の取引規制や市場規制を遵守する必要があります。
更に、我々は新規市場開拓を行い続けており、法令遵守体制をより強化する必要があります。NIDECは東京証券取引所に上場しているため、金融商品取引法その他法令の適用を受け、財務報告の適正性の遵守が求められます。NIDECは、事業成長に伴い、業務拡大を継続しており、財務報告の適正性に関する法令遵守体制をより強化する必要があります。これら規制を遵守できない場合、その結果生じる罰金、社会的制裁、信用毀損、営業停止、更には営業許可の剥奪がNIDECの事業に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
こうした法律、規制、政策、自主行動規範、会計基準等の変更及びその影響を予測することは困難であり、新たな遵守体制整備のために追加的な財務、管理、人的資源が必要になる可能性があります。
①高度な専門性を有した人材の採用・保持に係るリスク(特に重要なリスク)
NIDECの事業は、代替することが非常に困難な多数の上層部経営者、エンジニア等の継続的な雇用に依存しております。技術革新の大波が押し寄せ、その波に乗れるかどうかの瀬戸際である昨今、NIDECはAI、IoT等の新市場に対する高い知見を持つ人材、大多数の高度なスキルを持つ人材を追加雇用し、育成し、意識統一し、そして活用する体制づくりを進めていく必要があります。世界的にこのような人材の獲得競争は極めて激しいため、NIDECがこのような追加の人材を引き付けることが出来ない場合は、技術革新の大波に乗れる機会を失う可能性があります。
NIDECは2030年度売上高10兆円を目指すにあたって、3つの人事制度改革(評価制度・等級制度・報酬制度)を段階的に進め、国内主要グループ会社にて導入を完了・運用を開始しています。実力・実績主義を徹底するため、成果に応じたメリハリのある評価・報酬、適所適材でのスムーズな人事異動、人材育成を行うことで専門性の高い人材の採用、幹部人材の確保、育成プロセスの強化を図ります。
②研究開発に係るリスク
NIDECは基礎研究、新製品開発、製品改良、生産工程の改善、低コストの製品開発等を研究開発活動として継続的に行っております。NIDECが製品を提供する市場では継続的に急速な技術革新が起きており、脱炭素化、省電力化、省人化、5Gやサーマルソリューション、デジタルデータ爆発といった5つの分野を中心にリソースを投入しています。特に脱炭素化を背景にEV向けトラクションモータの需要は今後益々高まることが予想されますが、欧米を中心に環境規制強化が進んでいることから、法規制を発端とする製品の環境性能(高効率・省資源)や納期に関する顧客からの要求は今後も高まり続けると予想されます。そのような市場環境下で、NIDECの成功の成否は、顧客の要求をタイムリーかつ効果的に満たせるような、より優れた技術、製品、生産工程を開発し続けることができるかどうかにかかっています。もしNIDECが、市場動向を正確に予測できなかったり、適時に効果的な研究開発活動を実施できず、他社が、NIDECより優れた技術、製品、生産工程を開発すれば、NIDECの製品は陳腐化し、販売シェアが縮小すると同時に、新製品の事業及び市場の拡大が妨げられることになります。そのような変化を的確に予測し、求められる技術、製品、生産工程の開発をタイムリーに行うことは非常に困難です。特に基礎研究については、研究活動の方向性を定めることには一層の困難を伴うため、研究開発に要した費用を回収することへの不確実性が高いと考えられます。研究開発活動がうまく成果を出すことができなければ、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③製品の品質に係るリスク
昨今、品質に対する捉え方が大きく変化しています。製品に使用される材料の調達過程における人権や労働環境、含有している物質の環境規制、発掘時のCO2排出量等の観点を含めて、製品の品質を定義する必要があります。
NIDECは最先端のモータやその他の電気製品を製造しており、事業活動を行う上でNIDECの製品に欠陥がある、もしくは欠陥の疑いがあることや、顧客システムの高度化により発生する想定外の問題を理由として、保証や製造責任を訴訟で問われる可能性があります。特に、NIDECの製品が組み込まれている最終製品が万一大量に故障した場合、消費者からの苦情、不良品の回収、更に損害賠償請求訴訟等が起こり得ます。事業拡大を試みている車載及び家電・商業・産業用モータ及びその他の部品の市場では、安全で高品質な製品を提供できない場合、深刻な物損や人命に係る事故へ繋がる可能性があり、法令上のリコールが適用される他、社会的要請としても特に高い安全性が要求されます。このような問題がNIDECの作る製品を原因として発生すれば、顧客からの重大な法的要求や顧客との紛争、行政処分につながる恐れがあり、その結果不良品回収等の損失費用発生、ブランドイメージの悪化及び販売の落込みによりNIDECの経営成績が悪影響を受ける可能性があります。更に、訴訟に伴う人的・財務的負担が正確な経営判断の阻害要因となる可能性があります。
NIDECは損害賠償請求訴訟等に備え、保険を付しておりますが、これらの保険では対応しきれない賠償請求が将来的に発生する、またはNIDECの希望どおりに保険が適用されない可能性があります。保険の適用範囲を超える賠償請求や、大規模な製品回収が発生した場合、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④原材料・部品調達に係るリスク
NIDECは製品の製造に必要な原材料及び部品の多くを外部から調達していることから、それらの需給環境が極端に悪化するとNIDECの生産能力は低下します。直近では、ウクライナ危機に端を発するグローバルエネルギー供給体制の再編並びに米中貿易問題の激化が原材料・組立部品価格の世界的高騰を誘発し、NIDECの製品供給能力を圧迫する結果となりました。また、原材料の種類や部品の使用条件等に関わる各国政府政策の変更や顧客による調達方針の変更もNIDECの原材料・部品調達能力を制約する要因になります。部品の調達過程における環境、人権、労働環境、資源入手可能性への配慮に基づき、NIDECは代替材料の確保及び当該原材料・部品の使用量低減を目指す設計思想の見直しを継続的に実施していますが、諸要因により調達資材の質的・量的不足が長期間に及ぶとNIDECの生産活動が遅滞し、事業、経営成績、財政状態に悪影響が及ぶ可能性が高まります。
⑤海外拠点での事業活動に係るリスク
NIDECは事業活動の相当部分を米国、欧州及び中国を含むその他地域で行っております。NIDECは海外生産比率が圧倒的に高い為、こうした海外市場で事業を行う際には、例えば以下のような特有のリスクがあります。
・海外市場における関係産業の景気悪化または沈滞
・国際通貨の変動
・中国、東南アジア等における労働力不足や労働紛争、賃金水準の上昇
・政治不安
・貿易規制や関税の変更
・グローバルな経営活動を行える人材の確保の困難
・一般的に長期の債権回収期間
・不利に取り扱われる恐れのある税制
・文化、商習慣の相違
・投資効果の実現までに要する長い期間と多額の資金
NIDECでは、事業活動拠点を分散させ、カントリーリスクによる経営への影響低減に努めております。
⑥知的財産権に係る訴訟リスク
NIDECは自社技術及びその他の知的財産を、特許権、商標権、著作権及びその他の知的財産権、更には機密管理や個別契約により保護しておりますが、一部の地域では、法制度が不十分な場合もあり、NIDECはこれらの知的財産権に関して次のようなリスクを負っております。
・NIDECは第三者からの知的財産権侵害の主張に対して反論をしていくためコストが必要になる場合があります。また、当該主張の結果、予め認識していない第三者の知的財産権を利用してしまったことによりNIDECに賠償責任が発生する場合や、差止命令によりNIDECの事業の継続が妨げられる場合があります。その結果、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・NIDECの知的財産権の保護対策は十分でない可能性があります。
・NIDECより大規模な資源を有する競合他社を含むその他の企業が、独自に技術を開発するか、または優越する技術を獲得した場合、NIDECはこれら企業の知的財産を使用するためのロイヤリティを支払わなければならなくなる可能性があります。
・現行または将来の特許出願に関して、特許権を取得できなかったり、NIDEC自身が保有するまたは使用を許諾されている特許が無効になったり回避されたりすることで技術戦略上困難な状況に陥る可能性があります。
・特定の特許権の下で認められている権利では、NIDECに競争上の優位をもたらさない可能性や、適切に保護されない可能性、技術力の維持に繋がらない可能性があります。
・第三者による特許、重要な営業秘密、その他の知的財産権に関する侵害や無断使用に対して提起する訴訟に伴い多大なコストが必要になる可能性があります。
・NIDECの製品を製造及び販売している諸外国の法律が、NIDECの製品や知的財産権を、日本の法律と同じ範囲で保護していない場合や、法律が存在したとしても効果的に施行されていない可能性があります。
⑦情報の流出に係るリスク
NIDECは事業活動において顧客、他企業の機密情報及び取引先関係者、従業員の個人情報を保有しております。NIDECはこれらの機密情報に関してセキュリティ対策、研究開発拠点における入退室管理、CADデータ厳格管理等を行っておりますが、同情報が人的及び技術的な過失や違法または不正なアクセス等により漏洩した場合、機密情報を保護できなかったために発生する責任や規制措置の対象となる可能性があり、NIDECは競争上の優位性を喪失し、顧客や市場の信頼が失われ、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。加えてNIDECの営業活動やシステム、ブランドイメージに対する社会的信頼を落とすことになります。
これらへの対策として、2019年にNIDECは情報セキュリティ管理室を発足するとともに、情報セキュリティに関する方針を定め同領域の活動を監視する情報セキュリティ委員会や、各組織に情報セキュリティ管理責任者及び情報セキュリティ推進責任者を設置し、グループ横断のセキュリティ管理体制を構築しています。
2022年度も引き続き、情報セキュリティ管理部門が主体となって社員に対する情報セキュリティeラーニングを実施する他、情報セキュリティ強化月間を設けて情報セキュリティ意識の向上を目的とした情報発信を行うとともに、M&Aによりグループ入りした企業も含めて情報セキュリティ対策の強化を進めており、グループ全体の情報セキュリティの均質化・高位平準化に取り組んでいます。
なお、M&A関連の情報流出防止の策として、社内関係者とは個別案件ごとに守秘義務契約を締結し情報管理をしております。
⑧年金制度に係るリスク
NIDECの一部では、一定の要件を満たす従業員のための確定給付年金制度と確定拠出年金制度を併用している会社があります。特に、確定給付年金制度に関しては、年金資産の公正価値や年金資産の収益率が下落した場合、または、退職給付債務の計算の基礎となる想定値が変動した場合、損失が発生する可能性があります。また将来、既存の年金制度を変更し、従来は認識していない勤務費用が発生する可能性があります。そして、利率の変動、NIDECをとりまく環境の変化やその他の要因により、年金資産の積立状況等に悪影響を与える可能性があります。更に、将来の年金費用の計算に使用される想定値も変動する可能性があります。
なお、国内の主要グループ会社においては、退職金制度を確定拠出年金に一本化するとともに、過去分の確定給付企業年金制度および確定拠出年金の運営においては、年金制度のガバナンス体制を構築し、第三者機関から専門的・客観的見地のアドバイスを得ながら進めています。
⑨為替に係るリスク
NIDECの海外への売上の大部分は日本円以外の米国ドル、ユーロ、中国元、タイバーツ等の通貨で構成されており、各通貨に対する円の上昇は一般的に、NIDECの売上、営業利益、当期利益に悪影響を及ぼします。このリスクを軽減するため、売上と仕入の通貨を合わせることにより為替リスクの軽減に取り組んでおります。例えば、もしある製品の売上が米国ドル建てであれば、この製品の生産に使用する材料や資源の購入を米国ドル建てで購入するようにしております。それでもなお、NIDECは為替リスクにさらされています。
加えて、日本円以外の通貨で運営している子会社の業績を連結財務諸表として統合した際、為替変動が大きく影響する可能性があります。
NIDECは固定利率と変動利率の長期債権や有利子負債を保有しており、それらの金利変動やキャッシュ・フロー増減リスクを防ぐため、金利スワップや他の契約を締結することがあります。その場合、ヘッジされていない部分に関して、支払利息や受取利息、金融資産・負債の価値に影響する金利の変動リスクにさらされる可能性があります。
⑪資金の流動性に係るリスク
NIDECは自社の資本支出やM&Aに関する資金を金融機関からの借入や金融市場からの直接調達に依存しております。
2030年度売上高10兆円を目指す当社で、今後資金調達規模の拡大が予想されるため、調達ソースの多様化を図っております。そのために、格付の維持・向上等により資金調達力を一層高める必要があるとともに、近年定着しつつあるESGを加味した企業価値判断基準への適合が重要となります。
金融市況の変化やその他の要因により金融機関が貸付枠、信用供与枠額や条件を圧縮した場合、またはNIDECがそれまでと同等またはより良い条件で取引可能な代替的資金調達源を見つけることができない場合、そのことがNIDECの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、NIDECの財政状態が悪化した結果、信用格付機関がNIDECの信用格付けを大幅に引下げた場合や経済状況の後退により投資家の意欲が減少した場合、NIDECが必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない可能性があり、資金調達がより制限されるとともに、資金繰り費用が大幅に増加する可能性があります。この場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
NIDECは繰延税金資産が将来の課税所得から回収される可能性を評価しなければならず、回収可能性が見込めない場合は繰延税金資産を減少させることとなります。経済状況や経営成績が悪化した場合、繰延税金資産の全てまたはその一部に関して回収可能性が見込めないと判断し、繰延税金資産を減少させることによりNIDECの利益が減少する可能性があります。
(3)ガバナンスリスク
NIDECの継続的な成功は主にNIDECの創業者である永守重信氏の能力と手腕に依存してきました。これを脱却すべく、後継者候補も含め、これまで外部人材を中心とした幹部登用などを積極的に進めて参りましたが、様々な経済的・政治的なリスクが顕在化している昨今の状況下においては、NIDECの創業精神でもある「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」という成長を牽引する原動力となる新たなリーダーを輩出することはできませんでした。そのうえで、この難局を乗り越えるだけの判断・スピード感を持った人材として、永守氏(最高経営責任者)とともに、NIDECを創業当時から支えてきた小部氏を代表取締役社長(最高執行責任者)といたしました。永守氏・小部氏による経営体制のもと、NIDEC本来のスピード感のある経営を行い、2025年売上4兆円、2030年売上10兆円の実現を目指して参ります。
また、本体制は、後継者計画を踏まえた短期的なものであり、NIDECの企業文化を身に着けた内部人材から副社長を5名選任しております。2024年度には、選任した副社長から次期社長を決定する方針にあります。将来に向けた強固な経営基盤を築くことで、創業者依存体制の変革を進め、当社グループ経営陣が組織的な連携を強化(チーフオフィサー制を強化)してまいります。
②内部統制に係るリスク
NIDECは上場企業として、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制に関する要件を満たさなければなりません。そして、事業運営及び資産管理に必要で効果的な内部統制システム、コンプライアンス機能、会計システムの整備は極めて重要であると認識しております。
また、内部統制システムの設計、実施には多くの管理、人材、その他資源が必要になります。内部統制上の重要な不備、弱点が認められた場合、改善に要する新たな資源投入により追加的コストが発生する可能性があります。
NIDECはグローバルな内部統制システムの強化を図るべく不断の検討・見直しを続けておりますが、財務報告に関わる内部統制に重要な不備がある場合、内部統制の逸脱により、適時開示義務を充足できなかったり、投資家及び経営者等の利害関係者の正確な意思決定を妨げる可能性があり、その結果、市場におけるNIDECの評価が毀損する恐れがあります。また、不備の重要性や原因等の内容に応じて様々な法的責任が課せられ、金融市場における資金調達力が制限される可能性があります。
NIDECは2020年度に更なる内部統制の強化並びに持続的な企業価値の拡大を図るため、監査等委員会設置会社へ移行いたしました。取締役会の監督機能を強化するとともに、経営の効率性を高めることによる意思決定の迅速化や、取締役会における議論の充実に努めることにより、内部統制の一層の充実に取り組んでいます。また、コーポレート・ガバナンス体制において、着実な体制構築・運営を目指し、段階的な取り組みを進めています。まず、2021年2月に報酬委員会を設置のうえ、役員報酬に関して独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることで、公正性・透明性・客観性を担保することとしており、この仕組み化・運営が軌道に乗ったことを見極め、さらに次の段階として、2022年11月の指名委員会の設置に至っています。報酬委員会、指名委員会ともに取締役会の決議によって選定された5名の取締役で構成し、そのうち3名を独立社外取締役としております。なお、指名委員会においては、取締役候補者の選任などの重要な事項について、報酬委員会同様、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ながら、運営を進めることができており、取締役会の諮問機関としての位置づけを十分に発揮するものです。今後もコーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図ってまいります。
①自然災害・人的災害に係るリスク
NIDECやサプライヤーが事業を展開する国内外において、自然災害、火災、公衆衛生、戦争、テロ行為やその他の人的災害が発生した場合、NIDECやサプライヤー、顧客に損害が及ぶ可能性があります。交通・エネルギーインフラへ甚大な損害を及ぼす大規模な自然災害や広域感染症が発生すると、被災地におけるNIDEC及びサプライチェーンによる生産・営業活動は安全が確保されるまでの間停止することになります。NIDECの生産・開発拠点及びその顧客、サプライチェーンの多くが活動している中国等の海外地域や、NIDECの本社機能、その他重要研究開発施設が集中する日本で大規模な災害が発生した場合は特に大きな被害が想定されます。また、NIDECの事業に必要不可欠なネットワーク及び情報システムは、停電、自然災害、テロ行為、ハードウエアやソフトウエアの不具合、コンピュータウィルスによる攻撃、不正侵入により被害を受ける可能性があります。これらの事態の全てを回避することは困難です。これらの事態が発生した場合には、NIDECの生産活動及び販売活動に大きな支障をきたし、製品の納入が遅れ、サプライヤーから材料や部品を入手することが困難となり、製造工場の修復に多大な費用が必要となります。
更に、NIDECは資産の損害及びその他のリスクに対し、様々な種類の第三者保険を付しております。これらの保険の種類及び保険額はその有用性、コスト、自家保険による補償範囲を勘案し決定します。NIDECの保険契約は、控除条件、適用範囲及び除外項目の対象となる場合があり、その結果、自家保険と同等の補填金額に留まる可能性もあります。NIDECが加入する保険の適用範囲と補償金額はほぼ業界水準と考えておりますが、保険対象外の損失が増加すればNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
新型コロナウイルスの世界的蔓延は、NIDECの事業、サプライチェーン機能に影響を与えていました。2022年度は中国政府の厳格なゼロコロナ政策により、NIDECの一部工場が操業停止、あるいは稼働率が低下することとなりましたが、本稿開示時点において回復しております。
②気候変動に係るリスク
2015年12月にCOP21がパリ協定を採択して以降、気候変動問題はあらゆる国・地域、企業が取り組むべき地球規模の優先事項と位置付けられるようになりました。製品の開発・生産活動を主軸に世界各地で事業を展開するNIDECにとって、気候変動はビジネス創出の機会であると同時に、広範にわたる中長期的事業リスクの源泉でもあります。気候変動に関わる政策および規制、技術開発、市場動向、市場評価等の変化に起因する間接的損失リスクを「移行リスク」と定義し、気候変動がもたらす災害等による直接的損失リスクを「物理的リスク」と定義した場合、以下に挙げるリスク事象の現実化はNIDECの財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
「移行リスク」
a)炭素税その他脱炭素社会実現へ向けた各国のエネルギー転換施策への対応が遅れることによる税負担の上昇
b)既存製品・サービスに適用される規制の厳格化や新基準への不適合に伴う市場機会の損失およびコンプライアンスコストの増加
c)世界的「電化」傾向に起因する電子部品原材料(希少鉱物、鋼材、その他ハイエンドアルミや銅等の非鉄金属)の入手困難あるいは調達コストの上昇
d)新たな低炭素製品が要求する代替原材料の研究・開発の遅れおよび付帯コストの増加
e)非効果的な気候変動対策に起因する企業価値の低下とそれに伴う投資誘引力の減退および信用格付けの低下
これら「移行リスク」へ対処するため、NIDECは以下の施策を実施しています。
◇2040年度カーボンニュートラルの実現を目指す新たな環境目標を2021年7月に策定。具体的な取り組み内容は以下の通り。
・省エネルギーの推進
・再生可能エネルギーへのシフト
(再生可能エネルギーの導入比率については2025年度に40%、2030年度に80%を予定。)
・低炭素燃料への移行
◇SDGsコンセプトに基づく研究・開発活動の推進
◇複数購買ルートの確保
◇2022年4月に「環境統括部」を設立
◇2022年8月にサステナビリティ委員会を設置
「物理的リスク」
a)台風・多雨等がもたらす広域水害の頻発による事業活動の停止
‐浸水・その他電力・ガス供給網の機能停止
‐家屋倒壊や道路寸断等による従業員生活へのダメージ
‐運輸サービス機能の停止による製品輸送の停滞
b)渇水による事業活動への制約
‐行政当局による取水制限の強化に起因する工場用水の不足
‐水価格の上昇による生産性の低下(洗浄・冷却・従業員寮の生活水、等)
c)気温上昇による健康被害
‐熱中症件数の増加
‐感染症の伝達速度上昇
d)上記事由によるサプライチェーンの混乱
これら「物理的リスク」へ対処するため、NIDECは以下の施策を実施しています。
◇グローバル・ロケーション戦略を通じた生産リスクの分散
◇気候変動リスクが高い国・地域で操業する事業所を対象とする認識度調査の実施
◇生産ラインのイノベーション
◇サプライチェーンの可視化ならびに柔軟性の強化
◇国内外事業所におけるBCPトレーニングの継続
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
この連結財務諸表の作成において、連結決算日における資産・負債の金額と連結会計年度の収益・費用に影響を及ぼす見積り・判断・仮定が必要となります。これらの実際の結果は見積り・判断・仮定と異なる場合があります。
もし会計上の見積りが行われる時点で高い不確実性に対する見積りを作成しなければならない場合、その会計上の見積りは、直近の会計期間にて合理的に見積った見積りや、該当する発生期間において合理的に見積ることができる場合とは異なり、財政状態やその変化、経営成績に重要な影響を与えると予想されます。
重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載しております。
IMFは2023年の世界経済成長率を2023年4月時点で+2.8%と予想しています。当期においては、世界主要各国の経済指標には改善の傾向が見られた一方、米国での銀行破綻や欧州での金融不安から金融市場が不安定となる局面も発生しました。当社を取り巻く事業環境は、IT機器の出荷ピークアウトが継続し、グローバル自動車生産台数の回復遅れ、設備投資関連需要のピークアウト、中国EV市場の台数成長率低下等、厳しい状況が継続しています。当社は2023年7月に創業満50周年を迎えることから、足許の市場環境悪化に伴い、「WPR-X」活動(「コストは技術が造る」との考えの下、技術力で圧勝できる製品開発を実施し、大幅な固定費の低減を実現することが目標)による抜本的な収益構造改革を実現し、2023年度のV字回復実現を目指して固定費の大幅な低減を図るため、当期に構造改革費用を計上致しました。
当連結会計年度における主な経営成績は次のとおりであります。
当期の継続事業からの連結売上高は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響や顧客における半導体等電子部品の調達困難な状況が続く中、トラクションモータシステム(E-Axle)をはじめとする車載製品や工作機械事業への参入を含めた機器装置での増収により、為替の影響(前期比約2,709億円の増収)を含め、前期比16.9%増収の2兆2,428億24百万円となり、過去最高を更新致しました。
このような状況下、当期に構造改革費用を計上した結果、営業利益は、為替の影響(前期比約245億円の増益)を含め、前期比41.3%減益の1,000億81百万円となりました。
税引前当期利益は、為替差益約200億円を計上した影響も含め、前期比29.1%減益の1,205億93百万円となりました。
継続事業からの当期利益は、法人所得税費用約750億円を計上した影響も含め、前期比66.4%減益の457億4百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、非継続事業からの当期損失約20億円を計上した影響も含め、前期比66.9%減益の450億3百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1.総売上高は外部顧客に対する売上高とセグメント間の売上高の合計です。
2.第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりであります。
3.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
「SPMS」の総売上高は3,426億90百万円(前年度比11億51百万円減)となりました。これは、為替影響による増収があったものの、販売数量の減少によるHDD用モータの売上減少によるものであります。また、営業利益は170億89百万円(前年度比173億6百万円減)となりました。これは、当期に構造改革費用を計上した結果であります。
「AMEC」の総売上高は3,051億43百万円(前年度比776億37百万円増)となりました。これは、トラクションモータシステム(E-Axle)の増収等及び為替影響による増収であります。また、営業損益は当期に構造改革費用を計上した結果、646億63百万円の営業損失となりました。
「MOEN」の総売上高は3,962億21百万円(前年同期比751億38百万円増)となりました。これは、発電機事業及び為替影響による増収であります。また、営業利益は385億81百万円(前年同期比53億70百万円増)となりました。これは、当期に構造改革費用を計上したものの、為替影響による増益であります。
「ACIM」の総売上高は4,374億2百万円(前年度比433億22百万円増)となりました。これは、為替による増収であります。また、営業利益は213億49百万円(前年度比120億51百万円減)となりました。これは、当期に構造改革費用を計上した結果であります。
「日本電産サンキョー(現 ニデックインスツルメンツ)」の総売上高は1,658億91百万円(前年度比165億17百万円増)となりました。これは、液晶ガラス基板搬送用ロボット、半導体ロボット及び電子光学部品の売上増加によるものであります。また、営業利益は180億円(前年度比54億1百万円増)となりました。これは、売上の増加によるものであります。
「日本電産テクノモータ(現 ニデックテクノモータ)」の総売上高は975億51百万円(前年度比86億57百万円増)となりました。これは、為替影響による増収であります。一方、営業利益は106億80百万円(前年度比8億72百万円減)となりました。これは、当期に構造改革費用を計上した結果であります。
「日本電産モビリティ(現 ニデックモビリティ)」の総売上高は1,201億68百万円(前年度比210億44百万円増)となりました。これは、為替影響による増収であります。また、営業利益は114億10百万円(前年度比11億28百万円増)となりました。これは、売上の増加によるものであります。
「日本電産シンポ(現 ニデックドライブテクノロジー)」の総売上高は1,771億14百万円(前年度比599億円増)となりました。これは、脱プラスチック化の波をとらえた製缶プレス機の増収及び為替影響による増収に加え、工作機械事業への参入による売上増加によるものであります。また、営業利益は191億21百万円(前年度比8億75百万円増)となりました。これは、売上の増加によるものであります。
「日本電産リード(現 ニデックアドバンステクノロジー)」の総売上高は608億36百万円(前年同期比86億18百万円増)となりました。これは、半導体検査装置の売上増加によるものであります。また、営業利益は161億1百万円(前年同期比15億83百万円増)となりました。これは、売上の増加によるものであります。
「その他」の総売上高は2,184億47百万円(前年度比152億38百万円増)となりました。また、営業利益は273億58百万円(前年度比11億75百万円減)となりました。
製品グループ別の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
「精密小型モータ」製品グループの売上高は、為替の影響(前期比約634億円の増収)を含め、前期比0.1%増収の4,253億33百万円となりました。HDD用モータの売上高は、販売数量の減少を主因として、為替の影響(前期比約210億円の増収)を含め、前期比20.6%減収の784億62百万円となりました。その他小型モータの売上高は、為替の影響(前期比約424億円の増収)を含め、前期比6.4%増収の3,468億71百万円となりました。このような状況下、当期に構造改革費用を計上した結果、営業利益は、為替の影響(前期比約47億円の増益)を含め、前期比37.1%減益の266億80百万円となりました。
「車載」製品グループの売上高は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響や顧客における半導体等電子部品の調達困難な状況が続く中、トラクションモータシステム(E-Axle)等の増収により、為替の影響(前期比約466億円の増収)を含め、前期比24.4%増収の5,196億54百万円となりました。このような状況下、当期に構造改革費用を計上した結果、営業損益は、為替の影響(前期比約29億円の増益)を含め、前期比529億66百万円減少の422億91百万円の損失となりました。
「家電・商業・産業用」製品グループの売上高は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響が続く中、大型案件を数多く受注した発電機事業の増収等により、為替の影響(前期比約1,405億円の増収)を含め、前期比16.2%増収の9,139億86百万円となりました。このような状況下、当期に構造改革費用を計上した結果、営業利益は、為替の影響(前期比約156億円の増益)を含め、前期比9.4%減益の708億17百万円となりました。
「機器装置」製品グループの売上高は、5G向け需要が好調な半導体検査装置や脱プラスチック化の波をとらえた製缶プレス機の増収に加え、工作機械事業への参入により、為替の影響(前期比約158億円の増収)を含め、前期比37.5%増収の2,964億82百万円となりました。このような状況下、当期に構造改革費用を計上した結果、営業利益は、為替の影響(前期比約12億円の増益)を含め、前期比10.4%増益の455億38百万円となりました。
「電子・光学部品」製品グループの売上高は、為替の影響(前期比約47億円の増収)を含め、前期比19.1%増収の830億11百万円となりました。営業利益は、為替の影響(前期比約1億円の増益)を含め、前期比23.1%増益の135億82百万円となりました。
「その他」製品グループの売上高は、前期比16.2%増収の43億58百万円、営業利益は、前期比41.9%増益の4億74百万円となりました。
NIDECの現金及び現金同等物は、当連結会計年度末は1,860億98百万円であり、前連結会計年度末は1,996億55百万円で135億57百万円減少致しました。この主な要因は、営業キャッシュ・フローが1,434億85百万円の収入となった一方で、有形固定資産の取得等による投資キャッシュ・フローが1,649億43百万円の支出と、財務キャッシュ・フローが192億38百万円の支出となったことによります。また、手元現金の有効活用のため、日本、中国及び米国等各地域内においてキャッシュマネジメントシステム(CMS)を活用したグループ間での余剰資金活用を継続しており、さらに各国を結ぶCMSを既に導入し、全世界ベースでCMS網を拡大させております。なお、当連結会計年度末時点において、現金及び現金同等物の約78%を日本以外の子会社で保有しております。
NIDECの資金の効率化を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のノーショナルプーリングシステムを特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限に参加会社は借入を行っております。そのため、現金及び現金同等物に含まれる銀行預金には、単一の会計単位として認識したノーショナルプーリングシステムにおける預入金及び借入金の純額が含まれております。
グループ会社間での送金には、一部の特定された状況下において制限事項があります。特定地域における送金制限は、資金の効率的なグループ内移動、特に海外子会社から当社への送金を妨害する場合がありますが、後述の継続的なキャッシュ・フロー、外部借入を通じて流動性の需要を満たすように努めております。なお、この制限によるNIDECの流動性や財政状態、経営成績への重大な影響はございません。
短期借入金は前年度比286億44百万円増加の1,592億79百万円となりました。この主な増加理由は、円建需要のための借入を行ったことによります。当連結会計年度末時点での短期借入金は主に、銀行からの円建の借入で構成されております。当連結会計年度末時点ではコマーシャル・ペーパーの残高はありません。
1年以内返済予定長期債務は前年度比834億36百万円減少の597億65百万円となりました。この主な要因は、主に1年内返済予定社債1,350億円の償還による減少によるものであります。当連結会計年度末時点での1年以内返済予定長期債務は主に、無担保社債で構成されております。
長期債務は前年度比1,644億31百万円増加の4,863億5百万円となりました。この主な要因は、社債発行による1,200億円の増加であります。当連結会計年度末時点での長期債務は主に、無担保社債及び銀行からの円建の借入で構成されております。
社債について、期末時点で連結財政状態計算書に含まれる額面総額は次のとおりです。
なお、ユーロ建無担保普通社債を除く上記社債は2019年3月に関東財務局長へ提出した2019年4月5日から2020年4月4日の期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書及び2020年4月に関東財務局長へ提出した2020年4月9日から2021年4月8日期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書及び2022年4月に関東財務局長へ提出した2022年4月9日から2024年4月8日の期間に有効となる6,000億円の社債発行登録書を基に発行しております。本発行登録は、資金調達手段の多様化による財務安定性の向上を企図し、金融機関からの間接金融による資金調達等と合わせて、NIDECの必要資金を機動的に調達できる体制を構築することを目的としております。NIDECの無担保資金調達の大部分は、当社が調達した後、それぞれのグループ会社の資本要件を満たすために貸与しております。NIDECは、資金調達コストの低減及び十分な信用枠を維持し、グループ会社全体の機動的な資金を確保致します。
NIDECは、将来のM&A、研究開発活動、設備投資のために追加融資を検討しています。また、今後もM&A、研究開発活動、及び設備投資を機動的に行う基盤構築のため、追加的な資金を得ることを検討しております。
有価証券報告書の提出日現在において、2023年1月25日から2024年1月24日の期間に5百万株及び350億円を上限とする自己株式取得が決議されております。当プログラムにおいて2023年1月25日から2023年3月31日の期間に約69億円で1,020,000株を取得しております。なお、2022年4月22日から2023年1月24日の期間に5百50万株及び500億円を上限とする自己株式取得が決議されております。当プログラムにおいて2022年4月22日から2023年3月31日の期間に約467億円で5,500,000株を取得しております。
NIDECは、これらの資金源と営業活動から得るキャッシュ・フロー及び未実行の与信枠は、将来の資金需要に十分対応するものであると考えております。
NIDECの資産合計は2兆8,725億91百万円で前年度比1,941億8百万円の増加となりました。この主な要因は、有形固定資産が712億94百万円、棚卸資産が619億76百万円、営業債権及びその他の債権が208億25百万円増加したことによります。
負債合計は1兆4,988億97百万円で前年度比1,371億12百万円の増加となりました。この主な要因は、有利子負債が1,096億39百万円増加したことによります。有利子負債の内訳は、短期借入金が286億44百万円増加の1,592億79百万円、1年以内返済予定長期債務が834億36百万円減少の597億65百万円、長期債務が1,644億31百万円増加の4,863億5百万円であります。
ワーキングキャピタル(流動資産-流動負債)は4,842億11百万円で前年度比1,303億37百万円の増加となりました。
売上債権(営業債権及びその他の債権)回転率(売上÷売上債権)は3.8で、前年度比0.4ポイントの増加となりました。また、棚卸資産回転率(売上原価÷棚卸資産)は3.5で、前年度比0.2ポイントの増加となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は1兆3,545億5百万円で前年度比622億64百万円の増加となりました。この主な要因は、その他の資本の構成要素が1,028億37百万円、利益剰余金が106億18百万円増加したことによります。親会社所有者帰属持分比率は47.2%(前期末48.2%)となりました。
①資金需要の状況
NIDECの資金需要は、主に設備投資・研究開発費・材料購入のための支払・従業員への給料、賃金やその他人件費の支払・M&A・関係会社に対する投資・長期及び短期債務の返済・自己株式の取得があります。当連結会計年度末時点において、NIDECは営業債務及びその他の債務を4,937億82百万円、短期借入金を1,592億79百万円、1年以内返済予定長期債務を含む長期債務を5,460億70百万円保有しております。
当連結会計年度の設備投資による支払は1,378億14百万円であり、翌連結会計年度は1,000億円を計画しております。また、当連結会計年度末の固定資産購入契約残高は185億21百万円であります。
当連結会計年度の研究開発費は813億37百万円であり、翌連結会計年度は約880億円を計画しております。
当連結会計年度に、NIDECは下記の会社を買収完了しております。
NIDECは今後も子会社への追加投資と新たな買収の機会を模索し続けます。
②資金調達の状況
NIDECの必要資金については、営業活動によるキャッシュ・フローに加えて、良好な取引関係にある複数の金融機関からの借入や、6,000億円の国内社債発行登録枠及び1,000億円のコマーシャル・ペーパー発行枠に基づく社債の発行等により調達を行っており、資金調達手段の多様化を図っております。なお、グループ会社については原則として金融機関からの資金調達を行わず、統括会社のキャッシュマネジメントシステム等を利用したグループ内ファイナンスにより、資金調達の一元化と資金効率化を継続して推進しております。
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
3.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2. 「日本電産モビリティ」セグメントは見込生産を行っております。
3. 2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
4. 2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
5. 2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
6. 2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
7. 2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.「日本電産シンポ」セグメントは製缶プレス機の大幅増収に加え、前第2四半期連結会計期間において三菱重工工作機械㈱(現 ニデックマシンツール㈱)、前第4四半期連結会計期間においてOKK㈱(現 ニデックオーケーケー㈱)の買収により、販売実績が著しく増加しております。
3.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
(1)相互技術供与契約
※1.当社は対価を一括して受領しております。
※2.当社が対価を年2回、継続して支払う契約です。
※3.当社が対価を一括して支払う契約です。
(2)合弁契約
(ニデックエナジーAS)
当社は2022年8月30日(日本時間)にノルウェーの半固体リチウムイオン電池メーカーであるFREYR BATTERY SA(以下、「FREYR」)と合弁契約を締結致しました。
1.目的
FREYRは、2018年に創業されたリチウムイオン電池メーカーで、2021年に米ニューヨーク証券取引所に上場、2024年から量産を計画しております。同社は品質、製造工程において革新的な半固体リチウムイオン電池製造技術を有していると共に、脱炭素先進国であるノルウェーで再生可能な水力発電のみを使用して環境負荷の小さい電池を製造致します。
当社のBESS(Battery Energy Storage System)ソリューションは送電事業者に向けてサービスを提供しており、再生可能エネルギーで発電した電力を蓄電し、安定的に供給することでカーボンニュートラル社会の実現に貢献しております。FREYRはStatkraft(欧州最大の再生可能エネルギー供給業者)より100%再生可能なエネルギーの供給を受ける電力調達契約を締結し、環境に配慮した半固体リチウムイオン電池(CO2フリー電池)の製造を行う計画であります。
本提携により、当社は競争力のあるクリーンな半固体リチウムイオン電池を安定的に供給することが可能となると共に、FREYRのバッテリーを使用した当社のBESSソリューションをお客様に供給することで、当社が送電事業者向けのBESS分野においてリーディングポジションを確立するだけでなく、電池製造工程からお客様による当社BESSソリューションの利用に至るまで一貫してCO2排出量の大幅な削減が可能となります。合弁契約を締結することでFREYRとの戦略的パートナーシップを強化、今後のBESSソリューション事業の更なる拡大を目指してまいります。
並行して、当社は必要なバッテリー量を確保し、今後数年間の成長を確固たるものにするために、主要なリチウムイオン電池サプライヤーとのパートナーシップの強化にも引き続き取り組んでおります。
2.合弁会社の概要
(注)2023年4月1日付で、「日本電産ヨーロッパ㈱」は「ニデックヨーロッパ㈱」に社名変更しております。
3.FREYR BATTERY SAの概要
(Nidec Aerospace LLC)
当社グループは、2023年6月15日の取締役会において、ブラジル航空機メーカーのEmbraer S.A.と電動垂直離着型航空機向けの電機駆動システムに関する合弁会社設立に向けた契約を締結することを決議致しました。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 42.重要な後発事象」に記載のとおりであります。
(3)株式譲渡契約
(PAMA S.p.A.)
当社は2022年11月28日(日本時間)開催の取締役会において、イタリアの工作機械メーカーであるPAMA S.p.A.及び同関連会社9社(以下、総称して「PAMA社」)の株式取得(以下、「本株式取得」)等を決議し、2022年11月30日付(日本時間)で本株式取得等に係る譲渡契約を締結致しました。
1.目的
当社は、2021年8月に三菱重工工作機械㈱(現 ニデックマシンツール㈱ 以下、「ニデックマシンツール」)を買収し、また昨年2月にOKK㈱(現 ニデックオーケーケー㈱ 以下、「ニデックオーケーケー」)の第三者割当増資の引き受けを実施し、工作機械事業に本格参入致しました。今般のPAMA社買収により、既存2社も含めたグループ内の工作機械メーカー間で、製品補完及び販売、開発・製造等におけるシナジー創出がより効率的に加速できるようになります。
PAMA社は、大形機、特に横中ぐり盤において、幅広い製品と高い技術力を有し、欧州を中心に中国、米国及びインドに強力な販売・サービス網を有する業界屈指の工作機械メーカーであります。
ニデックマシンツールとニデックオーケーケーの主要製品は、歯車機械、大形機およびマシニングセンタであり、複合加工や5軸加工技術の強化、大形機の中では、横中ぐり盤の更なる製品ラインアップの拡充が課題でありました。また、両社とも日本国内市場を中心とした販売をしており、欧米市場及び今後の成長が期待される中国市場等の海外での売上実績は国内大手工作機械メーカー各社と比して劣後しておりました。
本株式取得によって、PAMA社と当社グループ工作機械メーカー2社との経営資源の相互利用により
(1)販売における、広範な品揃えとクロスセルによるアジア市場と欧米市場での売上拡大
(2)製品開発における、3社の得意技術の組み合わせによる新たな製品やコンポーネントの開発
(3)製造における、欧州・米国・アジアのグローバルな生産最適化による納期とコストの改善
等、販売・開発・製造全ての面においてシナジーを追求することができます。
当社は、本株式取得を完了後、PAMA社への積極的な資源提供と必要な投資を進め、工作機械事業の成長を加速させると共に、グローバルベースでの工作機械市場の発展に貢献したいと考えております。
2.PAMA S.p.A.の概要
(㈱緑測器)
当社は、2023年3月15日(日本時間)開催の取締役会において、当社子会社である日本電産コパル電子㈱(現 ニデックコンポーネンツ㈱ 以下、「ニデックコンポーネンツ」)によるポテンショメータをはじめ電子部品の開発、製造、販売を事業とする㈱緑測器(以下、「緑測器」)の株式100%を取得(以下、「本株式取得」)することを決議し、2023年3月15日付(日本時間)で本株式取得等に係る譲渡契約を締結致しました。
1.目的
ニデックコンポーネンツは1967年に創業し、1998年に当社グループ入りしたスイッチ、半固定抵抗器、圧力センサ、ポテンショメータ、エンコーダ、小型精密モータ、ポリゴンミラー等の開発・製造・販売を主たる事業とする電子部品メーカーであります。現在はセンシング事業に注力し、事業ポートフォリオの転換や成長市場への積極的な取組を進めており、2023年3月期の連結売上高(417億円)、営業利益共に過去最高を更新するなど、当社グループ入り後、グループ力も活用しながら長年にわたり安定した成長を続けております。
緑測器とニデックコンポーネンツのポテンショメータ・エンコーダ製品ラインナップには重複がないため、相乗効果を出しやすい関係にあり、両社共に売上拡大を図ることが可能となります。また両社の開発リソースを結集することで新製品開発の相乗効果も期待できると考えております。
本株式取得により、緑測器のもつ技術の強みと、ニデックコンポーネンツのもつ生産・製造技術とグローバルな販売チャネルの強みを活用して相互シナジーを創出するだけでなく、緑測器への投資を適時適切に続け、ポジションセンシング(ポテンショメータ・エンコーダ)事業をニデックコンポーネンツグループのセンシング事業の新たな柱として共に築き、共に歩む所存であります。そして、グローバルでのセンサ需要の高まりの下、社会の成長の一翼を担うべく企業活動を展開してまいります。
2.㈱緑測器の概要
(4)株式交換契約
当社及びニデックオーケーケー㈱(以下、「ニデックオーケーケー」)は、2022年12月12日開催の両社の取締役会において、当社を株式交換完全親会社、ニデックオーケーケーを株式交換完全子会社とする株式交換(以下、「本件株式交換」)を行うことを決議し、同日株式交換契約を締結致しました。
1.目的
当社は、1973年の創業以来、「省エネ・長寿命・低騒音」という特性を持つブラシレスDCモータを中心に、事業を展開してきました。同時に、積極的なM&Aを実行し、「世界No.1の総合モーターメーカー」として、精密小型モータから超大型の産業システム向けのモータまで、モータラインナップを拡充すると共に、応用製品である機器装置や電子光学部品等へ製品領域を拡大し、情報通信機器、OA分野にとどまらず、家電製品、自動車、産業機器など幅広く事業を展開してまいりました。
一方、ニデックオーケーケーは、創業100年を超える老舗の機械メーカーとして、創業期の渦巻ポンプ、水道メーターの製造に始まり、繊維等時代に必要とされる事業を営み成長しており、近年ではあらゆる産業の基盤となる工作機械事業を中心に展開し、そのマザーマシンとしての汎用性を伴う基礎的加工能力の高さで、幅広い業種のお客様の信頼を得ております。
当社は、NIDECの既存事業である工作機械の分野でシナジーを発揮することを目的とし、昨年2月1日にニデックオーケーケーの第三者割当増資の引き受けをし、2022年12月12日時点でニデックオーケーケー株式を15,853,444株(2022年9月30日時点の発行済株式総数23,798,708株(自己株式を除く)に占める議決権数の割合にして66.61%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、保有割合の計算において同じです。))所有しておりました。
当社とニデックオーケーケーは、グループ企業となってからは、経営戦略を共有し、特に日本電産マシンツール㈱(現 ニデックマシンツール㈱ 以下、「ニデックマシンツール」)の工作機械事業との要素技術開発、製造、営業面等においてシナジーを発揮すべく、NIDECの総力を挙げた活動を展開しております。
しかしながら、経済のグローバル化が加速する状況において、厳しいグローバル競争に打ち勝ち飛躍的な事業成長を果たすためには、これまで以上に開発投資や人材投資を果敢に実行し、新製品・新市場・新技術への取組みを一段と加速していくことが重要となっております。このような状況において、当社とニデックオーケーケーが共に上場会社として独立した事業運営を行っている状態では、両社の共同事業運営、経営資源の相互活用に関して、ニデックオーケーケーの少数株主の利益を考慮した慎重な検討を要する等、NIDEC全体として最適な意思決定を迅速かつ柔軟に行うことが十分にできない点があり、グローバルベースでのさらなる事業展開や新規事業開発、技術開発をスピーディに実行するための課題となっておりました。このような認識のもと、本件株式交換の実行によりニデックオーケーケーを当社の完全子会社とすることは、より迅速な意思決定や経営リソースの有効活用の実現に寄与し、当社及びニデックオーケーケー両社にとって企業価値向上の観点から最適な選択であると考えるに至りました。
2.株式交換の効力発生日
2023年3月1日
3.株式交換の方法
当社を株式交換完全親会社、ニデックオーケーケーを株式交換完全子会社とする株式交換となります。本件株式交換は、当社については会社法第796条第2項の規定に基づく簡易株式交換の手続により株主総会の承認を得ずに、ニデックオーケーケーについては2023年2月15日開催の臨時株主総会において承認を受けた上で、2023年3月1日を効力発生日として実施致しました。
4.株式交換の比率
ニデックオーケーケーの株式1株に対して、当社の株式0.128株を割当て交付致しました。ただし、当社が保有するニデックオーケーケー株式については、本件株式交換による株式の割当ては行っておりません。
5.株式交換比率の算定根拠
本件株式交換における株式交換比率の公正性・妥当性を確保するため、当社は㈱KPMG FAS(以下、「KPMG」)を、ニデックオーケーケーは㈱AGSコンサルティング(以下、「AGSコンサルティング」)を株式交換比率の第三者算定機関として選定致しました。
KPMGは、当社については、当社が東京証券取引所プライム市場に上場しており市場株価が存在していることから、市場株価法を用いて算定を行いました。ニデックオーケーケーについては、同社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており市場株価が存在していることから市場株価法を、また、将来の事業活動の状況を算定に反映するためディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法を用いて算定を行いました。
AGSコンサルティングは、当社については、当社が東京証券取引所プライム市場に上場しており市場株価が存在していることから、市場株価法を用いて算定を行いました。また、ニデックオーケーケーについては、同社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており市場株価が存在していることから市場株価法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映させるため、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法を用いて算定を行いました。
これらの算定結果を参考として両社で真摯に交渉・協議を行い、本件株式交換比率を決定しております。
6.株式交換完全子会社となる会社の概要
7.株式交換完全親会社となる会社の概要
NIDECにおける主要な設備は次のとおりであります。
(注)1.帳簿価額は、日本の会計基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しております。
2.従業員数の( )は、年間平均臨時従業員数を外書きしております。
3.2023年4月1日付で、「中央モーター基礎技術研究所」は「ニデック新川崎テクノロジーセンター」に事業所名を変更しております。
4.2023年4月1日付で、「生産技術研究所」は「ニデックけいはんなテクノロジーセンター」に事業所名を変更しております。
(注)1.帳簿価額は、日本の会計基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しております。
2.従業員数の( )は、年間平均臨時従業員数を外書きしております。
3.土地の[ ]は、借地面積(単位千㎡)を外書きしております。
4.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
5.2022年7月1日付で、「OKK㈱」は「ニデックオーケーケー㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、「日本電産コパル㈱」は「ニデックプレシジョン㈱」に社名変更しております。
8.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
(3)在外子会社
(注)1.帳簿価額は、IFRSに基づく金額を記載しております。
2.従業員数の( )は、年間平均臨時従業員数を外書きしております。
3.土地の[ ]は、借地面積(単位千㎡)を外書きしております。
4.2023年3月1日付で、「日本電産自動車モータ(浙江)有限公司」は「ニデック自動車モータ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
5.2023年3月2日付で、「日本電産東測(浙江)有限公司」は「ニデックパワートレインシステムズ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
6.2022年11月29日付で、「日本電産(大連)有限公司」は「ニデックモータ(大連)有限公司」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、「日本電産グローバル・アプライアンス・コンプレッサー・ブラジル社」は「ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社」に社名変更しております。
8.2023年4月1日付で、「ポーランド日本電産モーターズアンドアクチュエーターズ㈲」は「ニデックモーターズアンドアクチュエーターズポーランド㈲」に社名変更しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注)株式分割(1:2)によるものであります。
(注)1.自己株式21,059,236株は、「個人その他」に210,592単元を、「単元未満株式の状況」に36株を含めて記載しております。なお自己株式には、2023年3月1日を効力発生日とするニデックオーケーケー㈱との株式交換により生じた端数株式の合計3,531株が含まれております。
2.上記「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ
712単元及び72株含まれております。
2023年3月31日現在
(注)1.所有株式数は、千株未満を切り捨てて表示しております。
2.日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)及び㈱日本カストディ銀行(信託口)の信託業務に係る株式数は、当社として把握することができないため記載しておりません。
3.㈱三菱UFJフィナンシャル・グループから2018年4月16日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2018年4月9日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。
なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。当社は2020年4月1日付で普通株式を1株につき2株の割合で分割しておりますが、所有株式数については、当該株式分割前の所有株式数を記載しております。
4.三井住友信託銀行㈱から2022年1月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2021年12月31日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。
なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。
5.ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーから2022年11月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2022年11月15日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。
なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。
6.キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニーから2020年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2020年3月31日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。
なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。
7.野村證券㈱から2022年10月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、2022年9月30日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。
なお、当該大量保有報告書の内容は次のとおりであります。
8.ブラックロック・ジャパン㈱から2023年3月3日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、2023年2月28日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。
なお、当該大量保有報告書の内容は次のとおりであります。