株式会社メガチップス
(注)1.第29期及び第30期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
2.第31期、第32期及び第33期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.第29期及び第30期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第32期の期首から適用しており、第32期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注)1.第31期、第32期及び第33期の1株当たり配当額には、創立30周年の記念配当45円、特別配当50円、特別配当40円をそれぞれ含んでおります。
2.第30期以降の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.最高・最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所市場第一部におけるものであります。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第32期の期首から適用しており、第32期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社は、1996年4月1日を合併期日とし、大阪市淀川区所在の株式会社メガチップス(実質上の存続会社・株式の額面金額50,000円)の株式の額面金額を変更(1株の額面金額を500円に変更)するために同社の資産、負債及び権利義務の一切を引継ぎ吸収合併いたしました。
なお、この「有価証券報告書」では別に記載のない限り実質上の存続会社について記載しており、事業年度の期数は実質上の存続会社である株式会社メガチップスの期数を継承し、1996年4月1日より始まる事業年度を第7期としております。
以上の内容を図示しますと次のとおりであります。

当社グループは、当社(株式会社メガチップス)及び子会社6社、関連会社2社により構成されており、独自のアナログ・デジタル技術をベースとしたLSIの設計、開発から生産までトータルソリューションを提供しております。
主な製品は、ゲーム機等エンターテインメント機器向けLSI、デジタルカメラ向け等画像処理LSI、事務機器向けLSI及び有線通信向けアナログフロントエンドLSIであり、当社及び当社の子会社において製品の設計・開発を行い、国内外の大手ファウンドリーに製造委託し、当社及び当社の子会社から販売及びサービスの提供を行っております。
当社と主な関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりです。なお、当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。

(注)1.議決権の所有割合の( )内の数値は、間接所有割合であり内数で記載しております。
2.順盈投資有限公司、信芯股份有限公司、MegaChips VC USA LLC及びMegaChips VC2 USA LLCは、特定子会社に該当しております。
3.MegaChips VC2 USA LLC及びLDVP MCC Co-Investment Fund, L.P.を新たに設立したため、当連結会計年度より連結の範囲に含めております。
4.MegaChips VC USA LLC、MegaChips VC2 USA LLC及びLDVP MCC Co-Investment Fund, L.P.はファンドであるため、資本金に代えて出資総額、議決権比率に代えて出資比率をそれぞれ記載しております。
5.SiTime CorporationはNASDAQ Global Marketに上場しております。
当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(注) 従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であり、臨時雇用者数(人材会社からの派遣社員)については、[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。
(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)であり、臨時雇用者数(人材会社からの派遣社員)については、[ ]内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。
2.平均年間給与(税込み)は、2022年1月から2022年12月までの期間の平均であり、基準外賃金及び賞与を含んでおります。
3.満60歳定年制を採用しております。但し、期限を定めて再雇用することがあります。
当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4) 提出会社の管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の差異
(注)1.上記の数値は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づいて算出したものであります。
2.管理職に占める女性従業員の割合について、エレクトロニクス分野においては女性技術者の割合が低い傾向にあり、当社においても従業員全体に占める女性の割合は16.7%となっております。
3.従業員の男女の賃金の差異の計算方法は下記のとおりであります。
女性の平均年間給与÷男性の平均年間給与(平均年間給与は2022年1月から2022年12月までの期間の平均)
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針、経営戦略等
当社グループは、「革新」により社業の発展を図り、「信頼」により顧客との共存を維持し、「創造」により社会に貢献し続ける存在でありたいという経営理念のもと1990年に創業して以降、経営資源を研究開発に集中することで独自技術を磨くとともに、顧客の製品やサービスなどのアプリケーションに関する知識と長年培ってきたLSIの知識を融合させることで、顧客の課題解決と競争力向上に貢献するシステムLSIを企画・開発してまいりました。
また、生産を外部に委託するファブレスメーカーでありながら製品の解析を行う開発解析センターを整備するなど、厳格な品質保証体制を構築することで信頼性の高い製品を供給するとともに、システムLSIの企画・開発から供給まで一貫して顧客サポートができる体制でソリューションを提供し、顧客と共に成長してまいりました。
今後も当社グループは、経営理念の基本的考えのもと、「システム(機器)のソリューションを提供し、顧客と共に発展する」ことをミッションとして掲げ、新たな価値創造に挑戦し、独創性のある幅広いソリューションを顧客に提供することで、より豊かで安心な持続可能な社会の実現に貢献していく考えであります。そして、持続可能な社会の実現のために事業活動を通じて何ができるか、これらの課題をどう解決して社会に貢献できるかという発想で事業を展開し、地球環境、資源、社会、人権、多様性といった様々な課題に対して、ステークホルダーとの協働により長期的な観点で課題解決に取り組み、当社グループの成長と持続可能な社会をともに実現することを目指してまいります。
また、株主の皆様への適切な利益還元を重要な経営課題のひとつとして位置付け、経営環境の変化に柔軟に対応できる健全な財務体質を維持しながら積極的な利益還元に努めてまいります。

(2) 経営戦略(ビジョン)
これからの社会環境においては、通信ネットワークの超高速、低遅延、大容量、高機能化がさらに進展し、高度なネットワーク社会の到来により、人々のライフスタイルに大きな変化をもたらすことが容易に想像されます。さらには、化石燃料から再生可能エネルギーをベースとした持続可能な社会の実現を目指し、社会全体で様々な取り組みが強化されています。
当社グループが属するエレクトロニクス産業においては、あらゆるものがネットワークに繋がる高度なネットワーク社会の実現に向けて、様々な機器に搭載される電子部品の高性能化・多機能化が進み、今後の産業発展を支えるものとしてその重要性が高まってきております。
このような環境の中、当社グループが産業発展の一翼を担い、LSI分野においてその役割を果たしていくために、主力事業であるアミューズメント分野向けを中心とするASIC事業の事業基盤を強化しつつ、成長市場である産業機器分野、通信分野、エネルギー制御分野、ロボット分野等の新規分野をターゲットに経営資源を集中的に投下し、新たな分野での事業拡大と長期における事業構造転換を推進してまいります。あわせて、事業環境の変化に耐え長期の成長を支えるため、健全な財務体質を維持してまいります。
また、持続可能な社会の実現を目指し、社会全体でその取り組みが強化されておりますが、当社グループにおいてもサステナビリティを巡る課題への対応を経営戦略の重要課題として位置づけ、企業活動や事業を通じてサステナビリティに関する取り組みを推進し、ステークホルダーとの協働により企業価値のさらなる向上を目指してまいります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社がターゲットとする通信分野では、従来、ネットワークに接続されていなかった様々なものが接続されるようになり、通信速度や距離の向上、タイムラグの減少、多くの機器が同時に接続できる多接続が実現するなど、IoT時代に対応する多岐にわたる通信技術の開発が進展しております。
産業機器分野では、世界的な自動化ニーズの高まりやデジタルシフトが進む中で、物流、製造オートメーションをはじめ日常のいたるところで自動化の動きが加速しており、産業用ロボットや各種産業機器の重要性が増しております。
このように、様々な分野で我々を取り巻く機器に使用される電子部品の高性能化や多機能化などのニーズが高まることによって、高精度・多機能・小型・低消費電力などに貢献するキーデバイスとして、LSI製品の需要拡大が期待される状況となってまいりました。
このような状況の下、当社グループは、アミューズメント分野を中心とするASIC事業の事業基盤を強化しつつ、今後の成長が見込まれる産業機器分野、通信分野、エネルギー制御分野、ロボット分野等へ経営資源を集中的に投下し、収益基盤を強化することで中長期の成長を加速させる考えです。
また、サステナビリティに関する取り組みとして、人材の育成・多様化の推進、人権の尊重と社内環境の整備、地球環境に配慮した事業活動、持続可能なサプライチェーンの構築、エレクトロニクス分野における独自の社会貢献活動などに積極的に取り組み、持続的成長の基盤づくりを進めてまいります。
① 主力事業分野における事業基盤の強化
主力事業であるASIC事業においては、顧客密着・提案型営業を積極的に推進することで営業力を強化し、新規技術の開発と品質向上に取り組むこと、またサプライチェーンの一翼を担うという責任を果たすべく情報連携や生産体制の確保などに注力し、安定した製品の供給と顧客のニーズに最適なソリューションを提供することで、事業基盤の強化を図ります。
② 新たな事業分野の育成強化
急速に市場拡大が見込まれる産業機器分野、通信分野、エネルギー制御分野、ロボット分野等をターゲットとして経営資源を集中的に投下し、国内外において競争力に優れた製品を積極的に市場に投入して新たな事業分野の育成による持続的成長を推進します。特に通信分野においては、業務提携先との先端技術をベースとした無線通信、高速有線通信及び電力線通信向けの製品立上げと、これらを融合したモジュール製品の開発に注力し、国内外の販売体制、生産体制の整備や人材の配置を進め、事業化を加速します。
③ 将来に向けた新たな事業創出への取り組み
当社の長期的な成長を見据え、国内外の大学との最先端技術の共同研究開発を推進するとともに、北米拠点においては、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)ファンドなどを通じて米国を中心とした最先端の技術やアイデアを持つスタートアップ企業との戦略的提携や事業投資を行います。これらにより獲得した技術と、当社が培ってきた既存の技術を融合して付加価値を高め、独自性のある事業の創出を推進します。
④ 中長期の成長を支える財務体質づくり
事業構造転換や新規事業育成による中長期的な成長を支えるため、経営環境の変化に柔軟かつ迅速に適応できるよう健全で強靭な財務体質を維持します。安全性に関する指標として、自己資本比率の安定化を図ります。
⑤ 人材育成・多様化の推進と社内環境の整備
人材の価値を最大限に引き出すために、人材の育成・多様化の推進、社内環境の整備に取り組みます。人材の育成・多様化においては、階層別教育、テーマ別研修等の教育体系の拡充、通年採用制度による多様な人材の採用、新卒採用活動におけるインターンシップ機会の充実などの施策を推進します。また、社内環境の整備においては、育児休業制度、育児時短勤務など多様な働き方に対応した制度の充実と利用促進、従業員の健康維持を目的としたストレスチェックや女性の健康に関する勉強会の実施や有給休暇の取得促進等、全ての社員にとって働きやすい環境づくりに取り組みます。
⑥ 地球環境の保全とサプライチェーンにおける課題への取り組み
地球環境保全のため、地球温暖化対策や環境負荷の低減に配慮した事業活動を行います。自社製品の生産委託先企業に対しては、有害化学物質の使用に関する指針の順守、二酸化炭素や有害物質の排出基準の順守の徹底を要請するなど、持続可能なサプライチェーンの構築に継続して取り組みます。また、オフィスのエネルギー消費や廃棄物の削減などの活動にも取り組みます。
⑦ エレクトロニクス分野における技術者の育成
日本の国力の基礎となる若者の支援として、国内の大学への寄付や共同研究・委託研究といった交流を通して、日本のエレクトロニクス分野で次世代を担う優秀な人材育成に取り組むとともに、研究活動を通じて先端技術の創出を促進します。また、将来の優秀な女性技術者を育成するための女子大学への支援にも積極的に取り組み、エレクトロニクス分野における技術者の多様化を推進します。
(4) 経営指標
具体的な目標数値は設定しておりませんが、収益力・資本効率に関する経営指標として自己資本当期純利益率、売上高営業利益率を向上させていくこと、原価率の低減や業務の効率化を進め社員一人当たりの営業利益率を高めることが重要であると考えております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、LSI製品として、アミューズメント分野向けに使用されるゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)、ゲーム機本体・周辺機器向けのLSIの他、デジタルカメラ向け等画像処理用LSI、事務機器向けLSIを主に販売しておりますが、ゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)を主に供給している、任天堂株式会社への売上高の割合が高くなっており、当連結会計年度においては79.9%を占めております。
したがって、これらのLSI製品が使用されるゲーム機器やゲームソフトウェアの販売動向、また、同社におけるLSIの採用状況などにより、当社グループの業績が変動する可能性があります。
当該リスクは完全に排除できる性格のものではありませんが、当社は任天堂株式会社と良好かつ緊密な関係を構築し、最適なソリューションの提供や安定した製品の供給等により顧客満足の獲得に努め、リスクの最小化に努めております。また、今後の成長が見込める産業機器分野、通信分野、エネルギー制御分野、ロボット分野等における新たな事業の育成にも注力し、中長期において事業ポートフォリオの適正化を進めていく考えです。
なお、任天堂株式会社への売上高については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (4) 生産、受注及び販売の実績」に記載のとおりであります。
当社グループは、創業より経営資源を研究開発に集中し、製品の生産を外部に委託するファブレスメーカーという事業形態を採用することにより、特徴のある技術力を核に顧客のニーズに最適な製品を開発し、多くの資金が必要となる生産設備投資に制約されることなく事業を拡大してまいりました。当社グループの製品の生産は、複数の委託先メーカーに分散して委託しておりますが、主力取引先である任天堂株式会社へ供給するゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)及びゲーム機本体・周辺機器向けのLSIなどの製品の生産を委託している、Macronix International Co.,Ltd.(以下「マクロニクス社」)への外注割合が高くなっており、当連結会計年度においては71.0%を占めております。
したがって、何らかの理由によりマクロニクス社で生産ができなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
現在のところ、当該リスクの顕在化の兆候はございません。なお、当社は任天堂株式会社及びマクロニクス社との間で製造委託契約を締結しており、両社と良好かつ緊密な関係を構築し、安定的な製品の供給に努めております。
当社グループは自社で生産設備は保有せず、生産は全て外部に委託するファブレスの事業形態をとっており、台湾を中心とする国内外の大手ファウンドリーとのネットワークを構築し、顧客のニーズにあわせて製品の製造を委託しております。
したがって、半導体市況の需給バランスにより調達数量と価格が影響を受け、当社グループの望む納期、数量及び価格で製品が調達できない可能性があります。
また、当社グループのLSI製品は先端のデジタル機器に採用されておりますが、当該分野は技術革新のスピードが速く、当社グループの製品が継続して採用される保証はありません。当社グループのLSIが採用されている最終製品においても、激しい市場競争にさらされていることに加え、CSR調達方針の浸透などの影響により需要が変動いたします。
これらに対処するため、当社グループは製品の調達価格、生産数量、生産スケジュールの最適化に取り組むとともに、他社製品との差別化を実現する価格競争力のある製品や応用技術の開発に注力し、リスクの最小化に努めております。
当社グループは、「革新」により社業の発展を図り、「信頼」により顧客との共存を維持し、「創造」により社会に貢献し続ける存在でありたいという経営理念のもと、技術開発力をベースとして事業を展開しております。その競争力の源泉は独自のアナログ・デジタル技術をベースに、当社グループの独自性を発揮することにあります。
当社グループは、将来の成長が見込まれる分野に経営資源を投下し、顧客に最先端技術と製品を提供するための研究開発活動に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費の総額は19億7千2百万円となっており、連結売上高の2.8%を占めております。
しかしながら、当社グループが属する業界は技術の進歩が目覚ましく、新しいと考えていた技術が突然陳腐化し、新たな技術やサービスが急速に普及するなど、市場に大きな変化が起こる可能性があります。変化が生じた場合には、必ずしも迅速に対応できるとは限らず、変化に対応するために多額の研究開発費用を投資する場合があります。このような場合、当社グループの業績は影響を受けます。また、技術開発競争において他社が優位に立った場合、当社グループのシェアは低下し、業績は影響を受けます。
当社グループは、今後も継続して斬新で魅力のある製品を開発し、市場に提供していくために、独自のアナログ・デジタル技術をベースに最先端の技術を開発し、技術及び製品の競争優位性を維持する最善の努力を行っております。
当社グループは、独自のアナログ・デジタル技術を駆使し、技術開発力をベースとして事業を展開しており、その成長は人材に大きく依存しております。そのため、優れた技術者を獲得して維持することや、必要とする人材をどのように処遇し、どのように育成していくかは、人事政策上の重要課題と認識しております。
したがって、将来において、当社グループの国内外の優秀な技術者の維持や、人材の新規採用・育成・グローバル化が計画どおりにできなかった場合、当社グループの競争力が弱まり、企業価値そのものに影響を与える可能性があります。
これらに対処するため、当社グループは人事処遇体系を整備し、中長期の新たな事業育成等のための人材投資について、育成計画に基づいて人事政策を実行いたします。また、多様な環境で能力を発揮し、組織の成果を最大化出来る人材を育成できるよう、語学教育や新入社員研修など社員教育の充実やダイバーシティ推進など様々な施策に積極的に取り組んでおります。
当社グループは、2014年11月に取得したSiTime Corporation(NASDAQ Global Market上場)の株式を所有しており、現在、当社の持分法適用の関連会社となっております。のれんを主とする無形固定資産(以下、のれん等という)を含むこれらの投資は、関係会社株式として連結貸借対照表に計上されております。これらの当連結会計年度末の残高は207億4千9百万円となっており、連結総資産の23.3%を占めております。
SiTime Corporationは、上場企業として自らの方針や戦略に基づいて経営を行っており、同社の業績・財政状態が悪化した場合に、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
また、当該関係会社株式に含まれるのれん等については、株式の市場価額を利用した正味売却価額によりその評価を行っておりますが、同社の株価が下落し正味売却価額が帳簿価額を下回った場合、減損損失の発生により当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
なお、現在のところ、のれん等の評価において減損の認識は不要と判断しております。
当社グループは、他社との事業連携、情報収集等を目的とした戦略的提携により当社の企業価値向上に資すると判断した場合に、提携先企業並びに最先端の技術やアイデアを持つスタートアップ企業への投資を行う場合があります。当連結会計年度末のこれらの投資有価証券の残高は109億5百万円となっており、連結総資産の12.3%を占めております。
このような事業の成長を加速するための投資を含めた戦略的提携におきましては、事業上の補完関係の構築や業績の拡大等において、当社の予測どおりの効果が得られない可能性があります。また、投資株式の時価の下落や実質価額の著しい低下による評価損の発生により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
なお、これら戦略的投資に関しては、取締役及び社外有識者を中心とした会議体において、個別の銘柄ごとに、事業連携や情報収集の状況並びに将来の収益力などを総合的に勘案し、投資効果やリスクの検証を行ったうえで戦略的投資の可否を決定し、取締役会の承認を得て実施しております。
③ 為替変動について
当社グループは事業拠点として海外子会社等を展開しており、当社グループの事業取引においては、米ドルや台湾ドルを主とする外貨建取引が一定割合含まれております。また、海外子会社の財務諸表は連結財務諸表作成のために円換算されており、このため外国為替相場、殊に日本円・米ドル間の為替相場の変動により、当社グループの業績が変動する可能性があります。外国為替相場が円高方向に進行した場合、概して損失方向に影響し、その変動幅が大きいほど当該リスクの顕在化の可能性が高まります。
なお、為替リスクの低減のため、必要に応じて為替予約取引を利用しております。
当社グループは、研究開発を主体としたファブレスメーカーであり、知的財産権の保護は事業展開上の重要課題と認識しております。
しかしながら、当社グループが出願する特許や商標などがすべて登録されるとは限らないこと、また、公開前の他社技術など、他社権利を調査しても把握できないものもあることから、他社の知的財産権を侵害し、訴えを提起された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの独創的な技術が、特定の国・地域においては、法整備等の理由により充分な保護を受けることができない可能性があります。このような状況下で、他社が当社グループの知的財産を無断で使用し、類似の製品を市場に販売した場合、これを効果的に阻止することができない可能性があります。
なお、当社グループは、知的財産に係わる社内体制及び特許事務所との連携を強化し、当社グループが提供する製品・サービスを保護するための特許や商標などの出願・登録を積極的に行うと同時に、他社権利の調査を徹底することにより他社権利の侵害を防止するなど、リスクの最小化に努めております。
当社グループが事業を展開する国内外において、大規模な地震をはじめとする自然災害や火災、未知の感染症の流行、テロ行為や社会騒動、その他の事故・事件等が発生した場合、当社グループの事業拠点、生産を委託するファウンドリーやメーカー、あるいは顧客自身に対して大きな被害が発生する可能性があります。また、これらの影響によって当社グループの事業活動の縮小等を余儀なくされた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
このような偶発的な災害等におけるリスクを全て回避することは極めて困難でありますが、当社においては、リスクの予防回避及び発災時の人命の安全、並びに被害の抑制・軽減、二次災害の防止、早期の業務再開を図ることを目的に危機管理マニュアルを策定し、危機管理についての必要事項と対応方法を定めるとともに、リスクの軽減に向けた対応を可能な範囲において実施しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における電子機器業界においては、産業用電子機器の需要が微減となったものの、民生用電子機器、電子部品・デバイスの需要は概ね前年同期と変わらず、電子機器業界全体の市場は前年同期とほぼ同水準で推移いたしました。
ASIC事業においては、これまでの主力分野であるゲーム機器、デジタルカメラ、事務機器分野に加え、産業機器分野における国内外の有力顧客に向け、顧客の機器・サービスのアプリケーションに最適なソリューションを提供しております。その競争力は、顧客のアプリケーションに関する深い理解と独自のコア技術を基に、顧客の課題解決のために、独創的なアルゴリズム・アーキテクチャを搭載したシステムLSIを開発し、提供できることにあります。
ASSP事業においては、急速な情報通信技術の革新が進展する中で更なる成長を図るため、今後の成長が見込める産業機器分野、通信分野、エネルギー制御分野、ロボット分野等をターゲットとした新規LSI事業の立ち上げに経営資源を集中しております。アナログ・デジタル回路の開発・設計技術の競争力強化と、国内・海外企業との戦略的な協業に取り組み、差別化できる付加価値の高いソリューションを開発・提供することで、将来の収益の重要な柱となる新たな事業の育成を図っております。
当連結会計年度の経営成績につきましては、前連結会計年度に比べ減収となりましたが、ゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)の需要が第2四半期から第3四半期にかけて堅調に推移し、売上高は707億2千2百万円(前年同期比6.0%減)、営業利益は60億2千9百万円(同14.2%減)となりました。
経常利益は、持分法適用の関連会社であるSiTime Corporationの持分法による投資利益(のれん等償却費を含む)が2億6百万円、為替差益が6億4千2百万円それぞれ発生したこと等により、73億1千1百万円(同6.9%減)となりました。
また、関連会社であるSiTime Corporationの株式の一部を売却したことにより、特別利益として関係会社株式売却益が34億6千7百万円発生し、親会社株主に帰属する当期純利益は70億8千6百万円(同74.3%減)となりました。なお、前連結会計年度においては、SiTime Corporation株式の一部売却及びSiTime Corporationの新株発行増資の実施により、関係会社株式売却益が292億5千1百万円計上されております。
当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
当連結会計年度末における総資産は890億2千1百万円(前連結会計年度末比8億2千1百万円の減少)となりました。主要な項目を前連結会計年度末と比較すると、受取手形、売掛金及び契約資産が24億2百万円、投資有価証券が85億4千6百万円、関係会社株式が20億4千4百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が65億4百万円、未収入金が67億4千1百万円それぞれ減少しております。
負債合計は144億8千5百万円(同79億2千7百万円の減少)となりました。主要な項目を前連結会計年度末と比較すると、支払手形及び買掛金が7億5千6百万円、未払金が4億8千5百万円、未払法人税等が60億2千1百万円それぞれ減少しております。
純資産は745億3千5百万円(同71億6百万円の増加)となりました。主要な項目を前連結会計年度末と比較すると、親会社株主に帰属する当期純利益が70億8千6百万円となり、為替換算調整勘定が30億9千9百万円増加した一方で、剰余金の配当が17億2千5百万円となり、その他有価証券評価差額金が14億1千万円減少しております。
この結果、自己資本比率は83.7%(同8.6ポイントの上昇)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、207億1千7百万円となり、前連結会計年度に比べ50億5千2百万円の減少(前年同期は43億6千1百万円の増加)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、12億4千1百万円の資金の獲得(前年同期は1億9千5百万円の資金の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が102億7千2百万円となり、その他の資産が64億4千2百万円減少した一方で、関係会社株式売却益が34億6千7百万円発生したこと、売上債権が24億2百万円増加したこと、仕入債務が7億5千6百万円減少したこと、法人税等の支払額が83億9千3百万円あったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、55億2千万円の資金の使用(前年同期は200億1千8百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、関係会社株式の売却による収入が45億9千1百万円あった一方で、投資有価証券の取得による支出が94億4千7百万円、長期前払費用の取得による支出が10億8百万円あったことによるものであります。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、42億7千9百万円の資金の使用(前年同期は198億2千3百万円の資金の獲得)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、17億3千8百万円の資金の使用(前年同期は165億3千4百万円の資金の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額が17億2千3百万円あったことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績、受注実績及び販売実績は次のとおりであります。
なお、当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度における経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
ASIC事業において新たに受託開発売上が発生した一方で、ゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)の需要が、高水準ながらも前連結会計年度に比べ減少した結果、売上高は707億2千2百万円(前年同期比6.0%減)となりました。
当連結会計年度の売上原価は、586億7千2百万円となりました。売上の製品構成の変化等に伴い当連結会計年度の原価率は1.1ポイント悪化の83.0%となり、売上総利益は120億4千9百万円(前年同期比11.5%減)となりました。
販売費及び一般管理費は60億2千万円となり、研究開発業務の効率化が進展したこと等により前連結会計年度と比較して5億6千4百万円減少いたしました。この主な内訳は、給料、賞与引当金繰入額等の人件費が22億2千万円(同9.4%減)、研究開発費が19億7千2百万円(同22.3%減)となっております。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は60億2千9百万円(同14.2%減)となりました。
当社は連結売上高営業利益率を重要な指標と考えており、その動向を注視しております。当該指標等の5年間の推移は次のとおりであります。
(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。なお、第29期、第30期及び第31期は営業利益に代えてのれん等償却前営業利益を使用しております。
のれん等償却前営業利益: 営業利益+企業買収によるのれん及び無形固定資産の償却費
売上高営業利益率: 営業利益/売上高×100
売上高のれん等償却前営業利益率: のれん等償却前営業利益/売上高×100
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第32期の期首から適用しており、第32期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
営業外収益として受取配当金が1億7千5百万円、持分法による投資利益が2億6百万円、為替差益が6億4千2百万円それぞれ発生したこと等により、営業外収益及び営業外費用の差引額は12億8千1百万円の収益となりました。
また、特別利益としてSiTime Corporationの株式を一部売却したことにより関係会社株式売却益が34億6千7百万円発生した一方で、特別損失として固定資産除却損が4億8千万円、減損損失が3億8千7百万円それぞれ発生したこと等により、特別利益及び特別損失の差引額は29億6千万円の利益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は102億7千2百万円(前年同期比71.8%減)となりました。
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税の額が25億9千5百万円(前年同期比68.0%減)、法人税等調整額がプラス5億9千万円(前年同期はプラス7億5百万円)となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は70億8千6百万円(前年同期比74.3%減)となりました。
当社は自己資本当期純利益率を重要な指標と考えており、その動向を注視しております。当該指標の5年間の推移は次のとおりであります。
(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。
自己資本当期純利益率: 親会社株主に帰属する当期純利益/期中平均自己資本×100
2.各指標は、連結ベースの財務数値により計算しております。
当連結会計年度末における総資産は890億2千1百万円(前連結会計年度末比8億2千1百万円の減少)となりました。流動資産は、現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産、未収入金を中心に487億5千2百万円(同87億2千9百万円の減少)となりました。主な項目を前連結会計年度末と比較すると、受取手形、売掛金及び契約資産が24億2百万円、有価証券が14億5千1百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が65億4百万円、未収入金が67億4千1百万円それぞれ減少しております。固定資産では、投資有価証券が85億4千6百万円、関係会社株式が20億4千4百万円それぞれ増加しております。
当社グループの資産構成の特徴はその流動性の高さにあり、総資産の54.8%を流動資産が占めております。流動負債は139億2百万円(同74億6千5百万円の減少)となり、流動比率は350.7%となりました。流動資産から、棚卸資産42億9千7百万円を控除した資産の額は444億5千4百万円となっており、総資産の49.9%を占めております。このような資産構成は、当社グループが資金を長期に亘り固定化する生産設備等の資産を持たないファブレスメーカーとして事業を展開してきた結果であります。当社グループは、今後も流動性の向上と健全な資産構成のバランスシートの維持に努めてまいります。
当連結会計年度末の負債合計は144億8千5百万円(同79億2千7百万円の減少)となりました。負債の主な内容は、LSI製品の製造委託先からの仕入等に対する仕入債務73億4千4百万円であります。主な項目を前連結会計年度末と比較すると、支払手形及び買掛金が7億5千6百万円、未払金が4億8千5百万円、未払法人税等が60億2千1百万円それぞれ減少しております。
純資産は745億3千5百万円(同71億6百万円の増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益が70億8千6百万円となり、為替換算調整勘定が30億9千9百万円増加した一方で、剰余金の配当が17億2千5百万円となり、その他有価証券評価差額金が14億1千万円減少しております。
以上の結果、自己資本は745億3千5百万円となり、自己資本比率は83.7%(同8.6ポイントの上昇)となりました。引き続き、経営環境の変化に柔軟かつ迅速に適応できるよう健全で強靭な財務体質を維持してまいります。当社グループの安全性指標等の推移は次のとおりであります。
(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。
流動比率: 流動資産/流動負債×100
自己資本比率: 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額(期末株価終値×期末発行済株式数)/総資産
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
当社グループは、経常的な営業運転資金に充当するため、必要に応じて金融機関から資金を調達しております。営業運転資金は、新技術・新製品の研究開発費、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、営業費用の主なものはLSI製品の製造委託費用であります。
当社グループは、その健全な資産構成と財務状況の維持に努めており、当社グループの成長に必要な資金を、保有する売掛債権の売却、銀行借入れ又は増資などにより、必要に応じて調達できるものと考えております。
当連結会計年度においては、関連会社であるSiTime Corporation株式の一部売却により45億9千1百万円の資金が獲得されております。これらの資金の一部は剰余金の配当、自己株式の取得等に活用されております。
なお、有利子負債は、当連結会計年度末の残高はございません。
当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の5年間の推移は下記のとおりであります。
(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。
フリー・キャッシュ・フロー: 営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー
キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.第29期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率については、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
5.第32期及び第33期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率については、有利子負債の残高がないため記載しておりません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えられる特に重要な会計方針は以下のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
貸倒引当金に関して、過去の貸倒実績率により算定した額のほか、個別に債権の回収可能性を見積もって計上いたします。
棚卸資産に関して、正味売却価額が取得原価よりも下落した場合に簿価の切下げを行います。
投資有価証券に関して、時価が著しく低下した場合には、当該投資有価証券は時価で連結貸借対照表に計上し、時価と簿価との差額はその期間の損失として認識いたします。適正な時価が容易に入手できない場合で、当該投資有価証券の実質価額が著しく低下している場合は、実質価額まで簿価の切下げを行います。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
有形固定資産、無形固定資産及び長期前払費用に関して、回収見込額が取得価額よりも下落した場合に簿価の切下げを行います。
工事契約に関して、工事原価総額が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合に、その超過すると見込まれる額を計上いたします。
のれんに関して、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却いたします。その資産性の評価について検討し、将来において当初想定した収益が見込めなくなった場合に、簿価の切下げを行います。
⑦ 繰延税金資産
繰延税金資産に関して、事業計画やタックス・プランニングを基に将来の課税所得を見積って計上いたします。その見積りの変更により回収が見込めなくなった場合に繰延税金資産の取崩しを行います。
当社は、2022年7月21日付でMorse Micro PTY. LTD.(以下“モースマイクロ社”という。)への出資を行うとともに、半導体・モジュール製品の供給及び販売活動についての戦略的提携を行うことを決定し、2022年9月7日付でモースマイクロ社と合意いたしました。
① 業務提携の目的
当社グループにおいては、最先端の技術やアイデアを持つスタートアップ企業との戦略的提携や事業投資に取り組んでおり、中長期における持続的成長に向けて、今後市場拡大が見込まれる産業機器分野、通信分野、エネルギー制御分野、ロボット分野等の最先端技術分野における新規事業の立上げを推進しております。
モースマイクロ社は、急成長中のファブレス半導体企業であり、低消費電力かつ長距離対応の新無線通信規格である「Wi-Fi HaLow」ソリューションの開発を行っております。オーストラリアに本社を置き、中国、インド、米国にオフィスを構え、強力で多様なシステムチーム、IP及び特許群を持つモースマイクロ社の「Wi-Fi HaLow」ソリューションは、監視システム、アクセス制御、産業オートメーション、モバイル機器など、IoT(モノのインターネット)エコシステム全体において、より遠くのIoTデバイスの接続を可能とするものです。
この度当社は、主にIoTをターゲットに、最速、最小、最低電力、最長距離のWi-Fi HaLowチップを実現するモースマイクロ社へ出資し、戦略的提携を行うことで、通信分野において新市場の開拓や新ソリューションの開発を促進し、新規事業の立上げを加速していく考えであります。
② 出資の概要
出資総額 100,000千豪ドル(96.9億円)
③ 業務提携の概要
本業務提携では、Wi-Fi HaLowの普及のため、モースマイクロ社の半導体及びモジュール製品の製造を当社で請け負うこと、それら製品の販売及びプロモーション活動をモースマイクロ社と共同で進めることを合意しております。
④ 相手先の概要
当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。なお、当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(注)1.帳簿価額には、建設仮勘定並びにソフトウエア仮勘定の金額は含めておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は、主に工具、器具及び備品であります。
3.帳簿価額のうち「無形固定資産」は、主にソフトウエアであり、所在地の特定できないものについては、「本社」に含めております。
4.建物については、連結会社以外から賃借しており、年間賃借料は[ ]内に外書きしております。
5.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数については、[ ]内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。
6.現在休止中の主要な設備はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 自己株式の消却による減少であります。
(注) 自己株式2,774,753株は「個人その他」に27,747単元、「単元未満株式の状況」に53株含まれております。
(注)1.当社は、自己株式2,774千株を保有しております。
2.上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)2,140千株、株式会社日本カストディ銀行(信託口)683千株であります。
3.2022年10月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有の変更報告書において、ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーが2022年10月14日現在で以下のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には反映しておりません。
4.2022年11月8日付で公衆の縦覧に供されている大量保有の変更報告書において、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループが2022年10月31日現在で以下のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には反映しておりません。