株式会社MCJ
(1) 連結経営指標等
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在していないため記載しておりません。
2.当社は2018年7月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。これに伴い、第21期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。
3.1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額の算定上、株式給付信託が保有する当社株式は期末発行済株式総数及び期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
5.第22期より金額の表示単位を千円単位から百万円単位に変更しております。なお、比較を容易にするため第21期についても百万円単位に変更しております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在していないため記載しておりません。
2.第22期は、子会社からの配当収入が前期比6,713百万円増加したため、当期純利益が5,932百万円となりました。第25期は、子会社からの配当収入が前期比2,568百万円減少したため、当期純利益が3,647百万円となりました。
3.当社は2018年7月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。これに伴い、第21期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。
4.1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額の算定上、株式給付信託が保有する当社株式は期末発行済株式総数及び期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
5.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第二部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。なお、2019年3月期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式分割前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しております。
6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
7.第22期より金額の表示単位を千円単位から百万円単位に変更しております。なお、比較を容易にするため第21期についても百万円単位に変更しております。
当社グループは、当社(株式会社MCJ)及び連結子会社20社の計21社で構成されており、パソコン関連事業、総合エンターテインメント事業の2セグメントに分類される事業を展開しております。当社グループの各社の相関関係及び事業系統図は下記に記載のとおりです。
当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
パソコン本体の製造・販売、パソコンパーツの卸売・販売、モニタの開発・販売等を行っております。
該当会社は、当社連結子会社である株式会社マウスコンピューター、株式会社ユニットコム(及びその国内子会社1社(※注1))、テックウインド株式会社(及びその国内子会社2社(※注2))、iiyama Benelux B.V.(及びその海外子会社4社(※注3))、R-Logic International Pte Ltd(及びその海外子会社6社(※注4))となります。
「aprecio」ブランドで複合カフェ店舗の運営、「MIRA fitness」ブランドで24時間フィットネスクラブの運営等を行っております。該当会社は、当社連結子会社である株式会社aprecio及び株式会社MIDになります。
※注1 国内子会社1社とは、株式会社アークをいいます。
※注2 国内子会社2社とは、株式会社アユート及びソルナック株式会社をいいます。
※注3 海外子会社4社とは、iiyama Deutschland GmbH(ドイツ)、iiyama France SARL(フランス)、
iiyama(UK) Ltd.(イギリス)、iiyama Polska Sp.zo.o(ポーランド)をいいます。
※注4 海外子会社6社とは、宏瑞電子科技(上海)有限公司(中国)、PT RLogic Technology Indonesia(イ
ンドネシア)、R-Logic Technology Services India Private Limited(インド)、Disc Technology Services Private Limited(インド)、R Logic Customer Care Services Sdn. Bhd.(マレーシア)、R-Logic Sdn. Bhd.(マレーシア)をいいます。

(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.特定子会社であります。
3.株式会社マウスコンピューターについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
4.テックウインド株式会社については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
5.iiyama Benelux B.V.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
6.株式会社ユニットコムについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含みます。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.全社(共通)として記載されている従業員は、特定セグメントに区分できない管理部門に所属している者であります。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含みます。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は良好に推移しております。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
② 連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.パート・有期労働者は、正規雇用労働者の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しております。
4.海外子会社は、女性活躍推進法又は育児・介護休業法の公表義務の対象とならないため、記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、2025年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画(以下、「現中期経営計画」という)等において発表のとおり、既存ビジネスであるパソコンやモニタ、その他周辺機器等の事業拡大に引き続き注力しつつも、「取扱うハードウェアの多様化」に加え「ハードウェアに関連する各種サービス事業への進出」の2軸での成長を長期的な経営ビジョンとして掲げております。
そのような中、現中期経営計画においては、①既存事業の収益性強化、②将来へ向けた成長基盤の整備(各種営業体制の整備及びガバナンス体制の更なる強化、等)、そして③M&A、アライアンス強化、を掲げており、既存事業の事業基盤を強固なものとしつつ、将来成長基盤のための投資を行う期間と位置付けております。
<長期ビジョン概要>

<現中期経営計画概略>

(2)目標とする経営指標
当社は、2022年5月13日に公表した中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)において、持続的な企業価値の向上につながる収益性の管理に加え、積極的な事業投資と財務の健全性の両立及び利益成長に応じた株主還元の強化を図るべく、営業利益率(7%以上)、ROIC及びROE(15%程度以上)、配当性向(30%以上)、DOE(4.5%程度)、総還元性向(30%~40%程度)という6つの指標を、経営上重要視する指標として位置づけております。これらの指標管理を通じて、既存及び新規事業における収益性管理、投下資本に対するリターン等、資本効率を意識した経営を行い、既存事業及び新規事業・投資に係る事業ポートフォリオ管理を行うとともに、持続的な株主還元の強化を図ってまいります。

(3)経営環境及び対処すべき課題
昨今、企業を取り巻く事業環境は大きな変化を遂げております。新型コロナウイルス感染症によるパンデミックへの対応、地政学リスクの高まりに加え、デジタル化の再加速等、多くの面で各企業は対応及び変化を求められていると認識しております。
当社グループは、2022年3月期を最終年度とする3か年の「前中期経営計画」等において発表のとおり、既存ビジネスであるパソコンやモニタ、その他周辺機器等の事業拡大に引き続き注力しつつも、「取扱うハードウェア多様化」に加え「ハードウェアに関連する各種サービス事業への進出」の2軸での成長を長期的な経営ビジョンとして掲げております。
パソコンを含むハードウェア全般を取り巻く環境は、ユーザーニーズの多様化をはじめユーザーにとっての選択肢の充実やハードウェアに参入する企業の多様化等により、以前よりも複雑化しております。
そのような中、当社グループとしましても、パソコン市場のみの動向にとらわれず、パソコンをハードウェアの一部として捉え、多様化・複雑化するハードウェア市場全般に如何に対応していくかを考える必要があると認識しております。
また、コンテンツやソフトウェア等の利用用途により必要とされるハードウェアの種類や形態が変化する動きもある中で、ハードとソフトの相互依存関係はこれまで以上に高まっております。そのため、当社グループはハードウェア全般の動きを注視するとともに、関連するコンテンツやソフトウェアの動向にも今まで以上に注意を払うべきであると考えております。
そのような経営環境認識に基づき、当社グループは今後の長期的な事業の方向性として、当社グループにて取扱うハードウェアの種類の拡充による既存のパソコンを中心とするハードウェア事業の強化及びハードウェアと親和性の高い新規領域であるコンテンツ等のサービス分野の強化を掲げ、ハードウェア及びサービス分野双方からの相乗効果による企業価値の最大化を目指しております。
当社グループの2023年3月期から2025年3月期を対象とする「現中期経営計画」においては、2019年末より世界的に猛威を振るっていた新型コロナウイルス感染症による企業活動等に係る影響は徐々に緩和されてきているものの、国内においては2019年以降における一時的なパソコン及び周辺機器に対する大幅な需要増に係る反動減が2024年3月期ごろまで見込まれております。
調達面では目下急激な為替変動に見舞われており、また欧州においてはロシア・ウクライナ問題の長期化が想定される中、世界的にインフレ傾向が顕在化してきており、人件費をはじめとする各種コストの増加に直面するとともに、先行きに対する不透明感の高まりから、企業においては設備投資を延期や抑制する動きが、また個人においては生活コスト上昇を受けた生活防衛意識が高まる等、当社グループを取り巻く事業環境が大きく変化してきております。
そのような中、当社グループでは現中期経営計画においては、前中期経営計画最終年度である2022年3月期において調達環境の急変に伴い、増収の一方で減益となった既存事業の収益立て直しへの注力、また将来的な事業の更なる拡大を見据えた成長基盤の整備、並びに新たな収益の柱を構築するべく既存事業関連及び新規事業の両分野におけるM&Aやアライアンスを積極的に模索するという、3つの成長戦略の方向性を掲げ、過去最高益の早期更新を目指しております。
今後につきましては、事業環境を慎重に分析しつつも、既存事業の成長基盤を強固なものとし、事業環境に関わらず着実に稼ぐ力の確立を図るとともに、将来の成長を支えるための営業網や社内システム等の各種基盤整備に加え、新たな成長軸の確立及び長期的な経営ビジョンの達成を念頭に「製品・サービス軸」の強化及び「バリューチェーン軸」の強化、並びに新規事業という3つの切り口において、日本のみならず、既に事業基盤のある欧州や東南アジア地域をはじめ、グローバルな視点でM&Aやアライアンス戦略を駆使してグループとしての成長を模索してまいります。
そのような目指す事業の方向性及び実行手段を鑑みた際に、当社グループとして重点的に取り組む課題は、以下のとおりとなります。
① 経営管理全般に係る課題
当社は、個々の事業会社の集合体としての側面と事業会社を束ねる持株会社としての側面の両方を兼ね備えており、前者においては収益性の管理を、また後者においては既存及び新規の事業ポートフォリオ管理を如何に効率的に行うかという、両側面でのバランスを取ることが求められます。そのため、当社は持続的な企業価値の向上につながる収益性の管理に加え、積極的な事業投資と財務の健全性の両立及び利益成長に応じた株主還元の強化を図るべく、6つの指標(営業利益率、ROIC、ROE、配当性向、総還元性向、DOE)を経営上重要視する指標(以下、「重要指標」という)として採用しております。これらの指標管理を通じて、既存及び新規事業における収益性管理、投下資本に対するリターン、資本効率を意識した経営を行い、既存事業及び新規事業・投資に係る事業ポートフォリオ管理を行うとともに、持続的な株主還元の強化を図ってまいります。
そのために、グループ各社の収益性管理の更なる強化、適切なバランスシートマネジメント、将来を見据えた資本政策に加え、今後立案・実行するM&A等においても、中期経営計画等に掲げる戦略的方向性を前提としつつ、重要指標を念頭に置いた綿密な計画に基づく実行及び管理の下に推進してまいります。
② 事業環境等に係る課題
当社グループは日本、欧州及び東南アジアにおいて事業を展開しており、日本及び展開している各国及び地域の景気や企業業績、個人消費動向等の経済環境の他、各国における自然災害等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度及び現時点においても新型コロナウイルス感染症の影響により目まぐるしく変化する事業環境への対応や、世界的な原材料・部材不足、サプライチェーンの混乱や物価上昇圧力に係る影響、ウクライナ情勢をはじめとする地政学リスクへの対応等、事業規模及び事業展開エリアの拡大とともに世界各国における様々な経済環境・自然災害等の影響への対処がより一層求められております。
このような事業環境の悪化を受けても、迅速な経営の意思決定を通じてその影響を最小限に抑え、尚且つその中においても将来の事業拡大の糧となりうる活動についてはできる範囲で継続し、「守り」である短期的な対処策と、「攻め」である長期的な目線の双方のバランスをとりつつ、事業運営を行ってまいります。
③ 中長期ビジョンの実現に向けたM&A・ベンチャー投資等のアライアンス戦略に係る課題
当社グループの既存事業強化又は既存事業とシナジーを見込める企業群とのアライアンス推進にあたっては、既存事業の現在の状況及び今後の方向性に基づいた注力すべき事業領域の明確な設定に加え、対象となる企業のソーシング活動の強化、案件の見極め、既存事業との連携強化の推進、収益性・採算性管理の強化等が常に求められます。そのため当社では中期経営計画等において、向かうべき方向性やそれに基づく投資方針を明確化するとともに、各事業における課題抽出や成長機会の模索を定期的に行い、中期経営計画等の方針に沿ったテーマの設定を行うとともに、上記①において掲げる重要指標を念頭に今後のアライアンス戦略の立案等を行ってまいります。
④ 事業推進にあたっての人材の確保・育成に係る課題
当社グループが現在その事業の中核に据えるハードウェアはもとより、今後の強化領域であるコンテンツ等のサービス分野においても、その事業活動は国内にとどまらず、競争環境やイノベーションの芽はグローバルレベルで考慮する必要があります。
また、前述のとおり企業を取り巻く事業環境が急変する中、変化への対応がかつてなく求められております。
そのような中、グローバルな事業展開及び情報収集を支えるためのグローバル人材の確保・育成に注力するとともに、変化への対応を念頭に多様な人材がより一層活躍できる環境と体制の整備、社員教育制度の強化や、柔軟な働き方に対応した新たな人事制度の構築等を進めてまいります。
⑤ ESG推進にあたっての課題
近年、企業には自社益の追求のみならず、社会益の追求をはじめ様々なステークホルダーとの共生がかつてなく求められております。そのような中、当社グループは2020年7月にグループとしての「ESG方針」を定め、「事業価値の向上と社会価値の向上の両立」を掲げ、そのうえで環境、社会、ガバナンスの各分野における注力方針や今後の活動方針を発表しております。以降当該方針に基づき、様々な分野における寄付や製品提供等の活動、CO2排出量の削減の取り組み、従業員や株主の皆様への還元強化、ガバナンス体制の強化等を実行してまいりました。今後も責任ある上場企業として、そして社会の中で活動する一企業としての責務を果たすべく様々な分野において積極的な役割を果たしてまいります。
⑥ 各セグメントにおける課題・取り組み
<パソコン関連事業>
パソコン関連事業においては、ユーザーニーズや技術・価格動向をいち早く察知する情報収集能力、そしてそれらの情報を瞬時に製品に反映する経営のスピード感と柔軟性が求められます。
また、パソコンのコモディティ化が進む現状においては、ユーザーニーズ等の見極めに加え、他社製品との明確な差別化が必須であり、製品面、ブランド面の双方において認知度の向上による顧客層の拡充やマーケットシェアの拡大にも、積極的に取り組む必要があると認識しております。
加えまして、コロナ禍において特に物不足や入手までの時間軸の長期化や価格変動が顕著となりつつあるパソコン製造に係る原材料及び関連するパーツにつきましても、タイムリーな調達や適正価格による調達に加え、販売動向を見据えた在庫管理の重要性が以前にも増して求められており、部材調達の平準化及び安定化が今後の当社グループの業績を大きく左右する要素となっており、対処するべき重要な課題であると認識しております。
(パソコン本体の製造・販売)
パソコン本体の国内販売市場は成熟化が進行し、競合他社・競合製品が依然として多いことから、パソコン製造・販売を行う子会社においては、ユーザーニーズや技術動向を常に把握するとともに、価格・性能・品質・外観に加え、顧客サポート体制の拡充といった各要素のトータルバランスを常に考慮し、競合他社・製品に対して総合的な差別化を図っていく必要があります。
当社グループのBTOメーカーとしてのメリットやこれまで培ってきた経験を最大限に活かし、調達やサプライチェーンの混乱に加え、急激なユーザーニーズの変化等にも対応し、その中で商機を掴み取るべく機動的で柔軟な原材料調達や在庫管理の強化を行いつつも、革新的な製品、ユーザーニーズにあった製品をタイムリーに投入する体制を今後も維持・強化してまいります。
(パソコンパーツの卸売・販売)
パソコンパーツは技術革新が早く、市場投入後、時間の経過とともに価値が減少していく傾向があるため、市場動向を見極め、必要な商材をタイムリーに、かつロスなく調達するとともに、各販売先とのリレーションを密にし、鮮度の高い時期により多くの数量を販売できる体制を確保する必要があります。
各種販売ツールの提供や販売イベント等、各販売先における取扱商材の訴求力向上を支援するとともに、法人顧客をはじめとする安定的な販売先の獲得、粗利率の向上に向け、営業努力を重ねてまいります。また、価格競争を避けるべく、本事業においては独自製品の開拓・販売が重要な要素となっていることから、継続して新規商材の発掘に注力してまいります。
(モニタの開発・販売)
モニタ市場においても、パソコン本体と同様に成熟化が進行していることから、価格・性能・品質・外観等のトータルバランスを考慮しつつ、競合他社・製品に対して総合的な差別化を図る必要があります。
また、欧州地域においては、欧州経済の動向や地政学的なリスクを十分に考慮し、各地域における需要動向及びトレンドを見極めながら事業を展開していく必要があります。
ブランド認知度の更なる向上を目指しつつ、汎用モニタをはじめ、産業用タッチパネルモニタ及びデジタルサイネージ製品の販売網を拡大するとともに、原材料調達の強化や適正な在庫管理の徹底を通じて引き続き収益の安定化、多様化を図ってまいります。
<総合エンターテインメント事業>
総合エンターテインメント事業においては、主に「aprecio」ブランドで、複合カフェ店舗の運営や「MIRA fitness」ブランドによる24時間フィットネスジムの運営等を中心に店舗型ビジネスの運営を行っております。
主力となるいわゆる「ネットカフェ」業界は新型コロナウイルス感染症の拡大以前より縮小傾向にあり、競合他社との差別化や、集客数の安定的確保が課題となっています。
各地域や店舗ごとに顧客の年齢層やニーズが異なるため、会員情報に基づくマーケティング活動を効果的に実施し、地域特性や店舗立地に応じたサービスの展開や顧客属性に即したコンテンツの拡充を行うこと等で顧客満足度の向上を促し、新規顧客の獲得及び会員顧客のリピート率向上につなげてまいります。
また、その一方で引き続き24時間フィットネス事業等、自社の持つ強みである会員ビジネスに係るノウハウや店舗運営能力を活かした新規事業の模索による新たな収益源の確立に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、より一層のコスト管理の徹底にも注力してまいります。
足元においては、成長が著しい24時間フィットネス事業を本事業における注力分野と位置付け、ネットカフェからの業態転換や敷地の一部転換、並びに地域ドミナントを前提とした新規出店を行ってまいります。
上記の他、当社及び当社グループの事業運営上想定されるリスク要因を常に考慮し、迅速な意思決定に基づく効率的経営を行い、当社グループの企業価値の最大化に向けて邁進してまいります。
当社及び当社グループの事業運営上、想定される事業等のリスクは以下のとおりです。なお、以下の各項目は、投資判断上、或いは当社グループの事業活動をご理解いただく上で重要と考えられる事項を、積極的な情報開示の観点から記載しております。また、以下の各項目における将来に関する事項については、2023年6月27日時点において当社で想定される範囲で記載したものであり、当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。
① 持株会社として連結子会社の事業等のリスクを包括的に抱えることのリスク
1) 原材料の調達について
当社グループの製造事業にとって十分な品質の原材料、部品等をタイムリー且つ必要数入手することは不可欠です。パソコン製造・販売子会社のBTO方式による販売においては、月単位でパソコンパーツの価格を改定し、製品販売価格へ反映することが可能であるため、パソコンパーツの価格変動に対する抵抗力をある程度有しておりますが、急激な原材料価格の高騰や供給不足等が発生した場合には原価上昇リスクや部材確保未達による製品出荷の遅延リスクが、又、販売見込の錯誤又はパーツメーカーによる突発的な価格改定によって未消化在庫を抱える場合には、棚卸資産の評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料調達に係るサプライチェーンに関しても、納期長期化に伴う製造及び出荷遅延のリスク、及び運賃の高騰による原価上昇リスクが存在し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
2) 為替対策について
海外の仕入先から調達を行う子会社においては、外貨建金銭債権債務等の為替変動リスクのヘッジを目的とする為替予約取引、及び借入金等の金利変動リスクの回避を目的とするスワップ取引等を行っており、円高・円安を問わず、急激な為替変動によって契約金額と時価に大幅な乖離が生じた場合には、一定の評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
3) 取引先の経営破綻について
当社グループ製品の販売は特定の取引先に依存しておらず、各子会社においては、主要な取引先について信用状況を適宜確認するとともに、リスク回避のため必要に応じて取引信用保険に加入しておりますが、主要な取引先が予期せずして経営破綻した場合には、売上債権の全額又は一部を回収できなくなるおそれがあるほか、当該取引先に対する将来の売上が見込めなくなるおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
4) 取引先の業界再編について
パソコン製造・販売子会社においては、複数の家電量販店向けに独自仕様のOEM製品を納入しており、又パソコンパーツ販売子会社においても複数の家電量販店と取引を行っておりますが、家電量販店業界の再編加速により、他社製品を優遇する家電量販店へ支配権が移行した場合には、当社グループ製品の取扱いを中止されるおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
5) 店舗及びホテル施設展開について
複合カフェ・フィットネスジム運営子会社、ホテル運営子会社及びパソコン製造・販売子会社の一部においては、日本全国の都市部を中心に店舗及びホテル施設(以下、「店舗等」という)の展開をしております。店舗等の確保に伴う建物賃貸借契約において、賃貸人の財務状況の悪化等により、貸主としての義務を果たせなくなった場合には、保証金、敷金の全額又は一部を回収できなくなる可能性があります。また、店舗等の収益性が悪化した場合には、閉店に伴う損失や固定資産に関して減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、店舗の新規出店を行う場合、大規模小売店舗立地法に基づいて出店調整を受ける場合がありますが、現時点で法的規制は受けておらず、規制対象となる店舗の出店予定も現時点ではありません。
6) 基幹システムについて
パソコン製造・販売子会社におけるBTO方式による受注システムは、自社開発の基幹情報システムによって構築されております。販売数量の増加や販売事務の多様化に対応するために、適宜システムの改修を行っておりますが、改修の遅延や改修前又は改修後システムトラブルが発生する場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
7) インターネットを使用した犯罪について
複合カフェ運営子会社は、各店舗においてインターネット環境の提供サービスを行っておりますが、インターネットは情報収集やコミュニケーションツールとして非常に優れた側面がある一方で、その匿名性を悪用した詐欺行為、個人・社会に対する誹謗中傷又は迷惑メール等の犯罪や不法行為が行われ、社会問題に発展する場合があります。万が一、各店舗におけるインターネットの使用が重大事件に発展することとなった場合には、通常営業に支障をきたし、また、更なる規制強化によって利用客が減少するおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
8) 顧客情報の管理について
当社グループは、顧客の個人情報の管理について、個人情報の保護に関する法律に従って情報管理体制の整備及び役職員への教育指導等を随時行い、情報漏洩防止に努めておりますが、情報漏洩の発生を完全に防止できない可能性があります。万一、情報漏洩が発生した場合には、当社グループの信用力低下並びに損害賠償請求を受けるおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
9) 法的規制等について
パソコン、モニタ、その他の精密機器を製造する各子会社においては、その製造・販売にあたり、製造物責任法、電気用品安全法、消費者契約法、特定商取引に関する法律その他法令の適用或いは規制を受けており、また、複合カフェを運営する子会社及びホテル事業を行う子会社においては、旅館業法、食品衛生法、風俗営業法、消防法、並びに各都道府県の条例等による規制を受けております。当社グループでは、各種法令の遵守体制には万全を期しておりますが、万一、発火・発煙・爆発・有毒ガス発生等の事故若しくは食中毒等を引き起こし、又は法令違反が重大な争訟問題に発展した場合には、営業許可の取消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられることがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが現に規制を受けている各種法令又は条例等が改正又は変更され、或いは新法や新条例の制定等により当社グループの事業活動がなんらかの制約を受けることとなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
10) 製品の欠陥等、製造物責任について
パソコン、モニタ、その他の精密機器を製造する各子会社においては、製品の品質安定に細心の注意を払っておりますが、製品及び使用している部材等の予測不能な欠陥又は不具合により、納入先顧客から損害賠償を請求される可能性があります。また、製造物責任法に基づく損害賠償請求に対しては、一定額の損害保険に加入し、リスク回避策を講じておりますが、市場における顧客からの信頼を大きく損なった場合や、補償額を超える損害が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
11) 知的財産権について
当社グループ各社が取扱うパソコン、モニタ、その他の精密機器には、最先端の技術を用いた部品が数多く採用されておりますが、知的財産権の適用範囲が多岐に渡っているため、当社グループの製品又は技術が結果的に他社の知的財産権を侵害している可能性があります。当社グループは、侵害行為による紛争が生じないよう細心の注意を払っておりますが、想定外の訴訟が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
12) 自然災害、感染症等に関するリスクについて
当社グループでは、地震等の自然災害等に関する各種対策を実施しておりますが、大規模災害や新型コロナウイルス感染症等の感染症、伝染病の流行等による不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
13) デジタル技術の革新について
当社グループではパソコンを中心としたデジタル機器の製造販売を行っておりますが、関連するAIやロボティクスを含むデジタル関連の技術革新は著しく顕著であり、ユーザーの行動変化やデジタル機器に対する指向の変化が急激におき、ユーザーにおけるパソコン及び周辺機器の位置づけや価値に大きな変化が生じた場合や既存のデジタル機器を置き換えるような革新的なデバイスや技術が登場した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 持株会社としてのリスク
1) 有能な人材の確保について
当社は、純粋持株会社としてグループ子会社の統括・運営を行っております。効率的かつ合理的な子会社の統括・運営にはマネジメントスキルに優れた管理要員が必須となりますが、グループ内における人材育成や外部からの人材登用等が計画通どおりに進まず、適正な人材配置が困難となった場合、あるいは業務依存度の高い人材を複数名流出させてしまった場合には、円滑なグループ経営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
2) M&A等にかかるリスクについて
当社グループは事業環境に即応するためにM&A等による新規事業への進出、既存事業の強化、及び関連技術の獲得等を行っており、これらを経営の重要課題として位置付けております。M&A等の実施にあたっては、対象企業の成長性、財務内容、契約関係等についての詳細な事前審査を行い、十分にリスクを検討した上で決定するよう細心の注意を払っておりますが、統合後の偶発債務発生や新たな潜在リスクの判明等、事前調査では把握し切れなかった問題が生じた場合、又は市場・競争環境の劇的な変化等、統合後の事業計画が想定どおりに進まない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、統合により当社グループが従来関与していない新規事業が加わる場合には、その事業固有のリスク要因が、包括的に持株会社のリスクとなります。
3) カントリーリスクについて
当社グループが事業展開する、又は主要調達先を含む重要取引先の展開する国や地域において、諸外国政府による規制や法令の改正、政治的要因及び経済的要因の悪化並びに法律又は規制の変更等、外的要因によるカントリーリスクが当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、戦争、紛争、テロ、デモ、ストライキの勃発や、政情不安、通貨危機、輸出入規制の変更、人件費、物価等の大幅な上昇、経済制裁の発動、伝染病の流行等により、政治・社会・経済的な混乱が生じた場合、当社グループの事業活動が期待どおりに展開できない、又は投資の回収が遅延する、若しくは不可能となる等、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和される等、経済活動は緩やかに持ち直しの動きが見られたものの、急速な円安の進行や物価上昇に伴う生活コストの上昇等が足元及び今後の経済情勢の見通しの不透明感を高めており、予断を許さない状況が継続しております。また、海外においても、ロシア・ウクライナ問題の長期化に伴う物価高騰の継続等や欧米各国の積極的な金融引き締めによる金利上昇により、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループの属するパソコン市場は、急激な為替変動に伴う調達面でのマイナス影響を大きく受けたことにより原材料価格が高騰した結果、出荷金額は9.2%増加となる等、価格面では物価上昇により前年度を上回りました。また、2019年以降における一時的かつ大幅な需要増に因る反動減や各種生活コストの増加を受けて軟調なユーザー需要が継続したことで、前年同期比で出荷台数は3.6%の減少となり、前年同期比で大幅な減少となった前年度をさらに下回りました。
<国内パソコン出荷台数増減率の推移>

また、当社グループが事業展開を行う欧州各国及び東南アジア各国においても経済活動が正常化しつつある一方、ロシア・ウクライナ問題の長期化や賃金上昇率を超える物価上昇圧力の継続に加え、先行き不透明感から現地企業や個人が設備投資や消費を控える動きが出る等、前年度に引き続き予断を許さない状況が継続しております。
このような状況下、当社グループの当連結会計年度の売上高は191,076百万円(前年同期比0.1%減)、営業利益は14,318百万円(同6.6%増)、経常利益は13,935百万円(同1.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,603百万円(同3.4%増)となり、売上高は前年とほぼ同等の一方で、各利益については迅速な価格戦略の見直し等に努めた結果、前年同期比増益にて着地いたしました。
<2023年3月期 連結業績推移グラフ>

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(パソコン関連事業)
一般用途向けの普及モデルパソコン、高付加価値・特化型製品であるクリエイター向けパソコンやゲーミングパソコン等のBTO(受注生産)パソコン及び完成品パソコンの製造・販売、並びに「iiyama」ブランドによる汎用、デジタルサイネージ、タッチパネルの欧州におけるモニタ販売を中心に、コロナ禍において変化しつつあるマーケットニーズを的確に汲み取り、新製品・新サービスの投入を行うことで、積極的に事業を展開してまいりました。
国内パソコン関連事業においては、市場全体が前年度に引き続き出荷台数ベースでは軟調に推移する中、特に需要の高い製品セグメントに注力した製品展開及び営業施策を展開するとともに、引き続きブランド認知の向上を目的としてWeb広告等の広告宣伝活動を実施いたしました。また、軟調なユーザー需要及び急激な為替変動を受け、迅速な価格戦略の見直しの実施や在庫回転率に重点を置くことで、主に利益率を重視した経営方針を維持し、慎重な運営に努めてまいりました。そのような結果、売上高は前年同期比で減収となったものの、営業利益は増益となっております。
欧州においては、前年からの反動減やロシア・ウクライナ問題の長期化に伴う不透明感等を見据え、期初予想時点では増収減益を想定しておりました。市場全体において期初の段階では、汎用モニタについてコロナ禍における旺盛な需要の反動から大幅な需要減が見込まれる一方で、経済活動の正常化とともに、産業用セグメントを中心に大きな回復が見込まれておりましたが、ロシア・ウクライナ問題の長期化やインフレの加速、並びにそれらを踏まえた景気動向の不透明感により、全体として年間を通じて軟調に推移いたしました。そのような中、当社は現地におけるユーザー需要及び原材料価格の変動等を慎重に精査し、迅速な在庫施策及びスピード感を持った営業施策を展開し、前年同期比増収を達成いたしました。一方で利益面では期初想定どおりに前年同期比で減益となりましたが、下半期(2022年7月~12月)においては前年同期比で営業増益に転じております。
以上の結果、当事業における当連結会計年度の売上高は186,279百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益は14,657百万円(同2.1%増)となりました。
(総合エンターテインメント事業)
「aprecio」ブランドで複合カフェ店舗の運営や「MIRA fitness」ブランドによる24時間フィットネスジムの運営等を行っております。当連結会計年度においては新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和される一方で、各種生活コスト上昇の影響が個人消費に影響を及ぼしておりますが、コロナ禍において実施した各種コストカット施策等の構造改革の効果や積極的な営業施策の結果、主力事業である複合カフェ事業が営業黒字転換を果たすとともに、24時間フィットネス事業も引き続き堅調に推移したことから、当事業における当連結会計年度の売上高は4,815百万円(前年同期比17.6%増)、営業利益は141百万円(前年同期は174百万円の営業損失)となり、本年度にて通期営業黒字転換を果たしております。
② 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
当連結会計年度の受注状況をセグメント別に示すと次のとおりであります。
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は102,195百万円となり、前連結会計年度末と比較して6,972百万円の増加となりました。
これは主に、棚卸資産が26,061百万円(前連結会計年度末36,405百万円)と10,343百万円減少したものの、現金及び預金が41,143百万円(同24,565百万円)と16,578百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は33,894百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,047百万円の減少となりました。
これは主に、短期借入金が7,114百万円(前連結会計年度末6,748百万円)と365百万円増加したことや契約負債が3,298百万円(同2,553百万円)と745百万円増加したものの、買掛金が9,548百万円(同10,465百万円)と917百万円減少したこと、長期借入金が2,974百万円(同5,966百万円)と2,992百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は68,301百万円となり、前連結会計年度末と比較して9,019百万円の増加となりました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が52,001百万円(前連結会計年度末45,544百万円)と6,457百万円増加したこと、為替換算調整勘定の増加によりその他の包括利益累計額が2,696百万円(同474百万円)と2,221百万円増加したこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、長期借入金の返済による支出や配当金の支払い等の減少要因があったものの、営業活動による資金獲得等の増加要因があったことにより、前連結会計年度末に比べ16,568百万円増加し40,978百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は24,018百万円(前連結会計年度は6,762百万円の使用)となりました。
これは主に、法人税等の支払額4,068百万円(前連結会計年度比35.8%減)や仕入債務の減少額1,178百万円(同42.7%減)等の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益13,867百万円(同2.6%増)や棚卸資産の減少額11,338百万円(前連結会計年度は9,700百万円の増加)の増加要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は2,739百万円(前連結会計年度比130.3%増)となりました。
これは主に、差入保証金の回収による収入63百万円(前連結会計年度比77.4%減)があったものの、有形固定資産の取得による支出2,406百万円(同138.0%増)や無形固定資産の取得による支出278百万円(同28.3%増)があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は5,814百万円(前連結会計年度は224百万円の獲得)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入1,500百万円(前連結会計年度比31.1%減)があったものの、短期借入金の純減額2,050百万円(前連結会計年度は4,400百万円の純増)、長期借入金の返済による支出2,077百万円(前連結会計年度比34.1%減)、配当金の支払額3,145百万円(同3.2%増)があったこと等によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.2022年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため、記載しておりません。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品や原材料等の仕入代金や販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は、主にM&Aに係る費用や一部の子会社の設備投資等であります。これらの資金需要に対しては、内部資金又は金融機関からの借入等により資金調達することとしております。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は持続的な企業価値の向上につながる収益性の管理に加え、積極的な事業投資と財務の健全性の両立及び利益成長に応じた株主還元の強化を図るべく、6つの指標(営業利益率、ROIC、ROE、配当性向、総還元性向、DOE)を経営上重要視する指標として採用しております。
なお、当連結会計年度の重要指標の実績は下記のとおりです。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、主に工具、器具及び備品であります。
2.従業員数の( )は、年間平均の臨時雇用者数を外書しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 1.株式分割(1:2)によるものであります。
2.譲渡制限付株式報酬の付与を目的とした、新株式の有償発行によるものであります。
発行価格 835円
資本組入額 418円
割当先 社外取締役を除く当社取締役4名
3.譲渡制限付株式報酬の付与を目的とした、新株式の有償発行によるものであります。
発行価格 797円
資本組入額 399円
割当先 社外取締役を除く当社取締役4名
2023年3月31日現在
(注) 1.自己株式2,969,571株は、「個人その他」に29,695単元及び「単元未満株式の状況」に71株を含めて記載しております。なお、当該自己株式には、「株式給付信託(BBT)」の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式546,100株は含まれておりません。
2.「その他の法人」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が200単元含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 1.「株式給付信託(BBT)」の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式5,461百株については、発行済株式の総数から控除する自己株式に含まれておりません。
2.上記の他、当社は自己株式29,695百株を保有しております。
3.上記所有株式のうち、信託業務に係る株式数は次のとおりであります。
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 60,696百株
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 52,293百株
野村信託銀行株式会社(投信口) 23,938百株
4.2023年5月23日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、LSV Asset Managementが2023年5月17日現在で、以下の当社株式を所有している旨が記載されておりますが、当社として実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。
5.2023年4月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、FMR LLCが2023年4月14日現在で、以下の当社株式を所有している旨が記載されておりますが、当社として実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。
6.2023年3月17日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、ニュートン・インベストメント・マネジメント・ジャパン株式会社及びその共同保有者であるメロン・インベストメンツ・コーポレーションが2023年3月13日現在で、それぞれ以下の当社株式を所有している旨が記載されておりますが、当社として実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。
1.報告セグメントの概要
当社グループは、当社、パソコン及びパソコンパーツ・周辺機器の製造販売を主要な事業内容とする連結子会社、複合カフェ店舗及び24時間フィットネスジムの運営を主要な事業内容とする連結子会社により構成され、主にパソコン市場に立脚した事業活動を展開しております。
従って、当社グループは、連結子会社を基礎とした事業内容別のセグメントから構成されており、「パソコン関連事業」及び「総合エンターテインメント事業」の2つを報告セグメントとしております。