株式会社C&Gシステムズ
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第16期の期首から適用しており、第16期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 当社は、取締役(社外取締役および監査等委員である取締役を除く)を対象とする株式報酬制度を導入し、信託が保有する当社株式を連結財務諸表において自己株式として計上しております。これに伴い、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式数から控除する自己株式に含めております。また、1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第16期の期首から適用しており、第16期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 当社は、取締役(社外取締役および監査等委員である取締役を除く)を対象とする株式報酬制度を導入し、信託が保有する当社株式を財務諸表において自己株式として計上しております。これに伴い、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式数から控除する自己株式に含めております。また、1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
4 最高株価および最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第二部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。
なお、当社設立以前の、コンピュータエンジニアリング株式会社、株式会社グラフィックプロダクツの沿革は、それぞれ以下のとおりです。
コンピュータエンジニアリング株式会社
株式会社グラフィックプロダクツ
当社グループは、当社と連結子会社5社により構成されており、事業はCAD/CAMシステムの開発・製造・販売およびこれらに付帯する保守サービス並びに金型の製造・販売・請負を行っております。
当社および関係会社の当該事業にかかる位置付けは、以下のとおりであります。
CAD/CAMシステム等
金型製造
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

(注) ※連結子会社
当社の関係会社の状況は、以下のとおりであります。
(注) 1 特定子会社であります。
2 議決権の所有割合( )内は間接所有割合で内数となっております。
3 CGS NORTH AMERICA,INC.(USA)は、Tritech International,LLCからの損益分配割合を60%とする契約を締結しております。
4 Tritech International,LLCについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
2022年12月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数であります。
2022年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、セグメントは全員CAD/CAMシステム等事業に所属しております。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
該当事項はありません。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「生産性の限界に挑戦する」という社是を掲げ、モノづくりの世界に大きな貢献ができるソフトウェア開発のメーカーとして誇りを持てる会社として、これからも成長し続けていきます。
社是に含まれた意義は、「社員の生産性を最大限に発揮する」ことで「ユーザーの生産性を限界まで高めていく」という意志を込めたものであります。
また、経営理念としましては、「技術立国日本を代表するCAD/CAMソリューションメーカーとして、世界のモノづくりに貢献する」としており、これに基づく基本精神は以下のとおりであります。
同時に、「世界を築く創造のソリューション」をコーポレートスローガンとし、高度化・多様化するモノづくりの現場においてお客様一社一社のニーズおよび課題を発見し、的確かつ柔軟なソリューション提案によって顧客の皆様のご期待にお応えしてまいります。
これらを実現することにより企業価値をさらに向上させてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループの業績は、かつては金型業界特有の景気変動の影響を受けやすい業界の設備投資動向に大きく依存してまいりました。そのため、業績予想が難しくその変動が比較的大きい傾向がありました。
しかし、ここ数年は安定的なシェア向上と同時に保守更新率を飛躍的に成長させることにより、製品販売の伸長と相まってCAD/CAM事業の収益増加に貢献してまいりました。
また、ユーザーニーズに応じたカスタマイズ収益の向上も収益改善に大きく寄与しております。
今後は、海外販売戦略を実践に落とし込み海外販売比率をさらに引き上げることにより、全社的により大きな成長を実現してまいります。
(3)中期的な会社の経営戦略
当社グループでは、以下を経営戦略に掲げ、事業を運営・展開し企業価値を向上してまいります。
・主力製品の継続した機能強化および将来を見据えたリニューアル開発ならびにAI、形状認識の製品化
・切削加工と積層造形技術を取り入れた新たな付加価値機能開発
・金型隣接市場である部品加工向け製品の機能強化
(4)経営環境及び会社の対処すべき課題
今後の当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長期化する中、国内経済はもとより世界的な経済活動の停滞が長期化する様相を見せ、予断を許さない状況となっております。また当社グループ製品の対象市場は、グローバル競争および大手製品メーカーからのコスト低減圧力による収益への影響から、厳しい市場環境が続くことが予想されます。このような状況下で活用される当社グループ製品へのニーズは、益々高度化・多様化してきており、ソフトウェア機能および技術サービスの品質に係る競争はさらに激化すると予想されております。
当社グループといたしましては、以下のような課題に対処していくことで市場環境の変化に柔軟に対応し、業績の継続的向上を図ってまいります。
当社は、ASEAN圏を中心に、既存の主力販売網である機械商社とあわせ、生産財メーカーとのコラボレーションを積極的に進めるとともに、海外市場開拓のための販売代理店網の整備、および海外ローカル市場にマッチした製品を供給することにより、当社製品の認知度を向上させ販売機会の拡大を図ってまいります。
タイ子会社をASEAN圏の販売サポート中核拠点と位置づけ、製品とユーザーサポートを同時に提供できる販社を新たに開拓し、今まで販売が手薄であった地域への進出を図り、販路拡大を目指してまいります。
海外向け製品としては、オペレーションの簡素化を目的として、現地販社の協力によりローカルユーザーのニーズを汲み取り、既存CAM製品のオプションとして自動化機能の販売を開始し、ユーザーへの浸透を図ってまいります。
当社は、既存事業の一環として、金型向けCAD/CAMシステム等事業において蓄積されたノウハウを当社製品の対象市場と対象外市場に分離し、それぞれの市場において複数社のパートナーへの当社製品のOEM提供を行っております。今後ますます多様化するニーズに対応すべく、パートナーとの情報交換を密に行い、そこで得られた情報をベースにOEM事業として以下の分野に分割しターゲットを絞ることで開発資源を集中させ、よりクオリティの高いOEM製品の提供を継続してまいります。
当社では、主力事業としてCAM-TOOL、EXCESS-HYBRID Ⅱといった既存の金型向けCAD/CAMシステムのパッケージ販売を行っております。これらの製品は定期的にバージョンアップを行い常に市場の需要を意識して機能改良を行っておりますが、これらが陳腐化した場合や革新的な技術に取って代わられた場合に備え、新たな収益源の確保が必要であると認識しております。現在育成中の事業は次のとおりであります。
・AM(Additive Manufacturing:付加製造)による3Dプリンタ関連事業の育成
積層造形に5軸切削加工技術を組み合わせた「AM-CAM」を、樹脂系、金属系分野にそれぞれ提供することにより、量産分野に欠かせない金型分野のみならず、多様化する幅広いモノづくりのニーズに応えてまいります。
・金型隣接市場向け製品事業の育成
金型分野に近い隣接市場向け製品として「Parts CAM」を販売開始いたしました。本製品を足掛かりとして、部品加工や量産市場といった分野へ参入し、当該分野特有のニーズを汲み取ることにより機能強化を進めてまいります。
・金型・部品製造工程管理システム事業の育成
当社が得意とする金型分野および部品加工分野向けに、製造現場におけるIoTを活用した工程管理の需要の高まりに対応した金型・部品製造工程管理システム「AIQ」の販売を強化してまいります。顧客ごとのカスタマイズ開発が可能な開発体制、技術サポート体制を確立し、従来、当社の主力事業領域であった金型設計・製造だけではない工程管理を通じた作業工程の効率化にも貢献してまいります。
④ 新型コロナウイルス感染症終息後を見据えた対応
当社では新型コロナウイルス感染症終息後を見据えて、外部環境の変化への対応、技術革新への挑戦、業務改革の推進により業績の継続的向上を図ってまいります。
当社グループの事業展開の状況に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる事項を以下に記載しております。投資者に対する積極的な状況開示の観点から、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項であっても、投資者が判断をする上で、あるいは、当社グループの事業活動を理解する上で重要であると考えられる事項を含めて記載しております。
当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針であります。下記事項には、将来に係るリスク要因が含まれておりますが、これらの事項は本有価証券報告書提出日(2023年3月23日)現在における判断を基にしており、事業などのリスクはこれらに限られるものではありません。
当社グループの事業は、国内経済の動向により影響を受けております。
金型を中心とする製造業の企業業績悪化により設備関連投資が減少した場合、当社グループの業績および財務状況は悪影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、ソフトウェア使用ライセンスおよび保守、サービスなど景気変動を受けにくい売上の割合を増やすため製品構成およびサービス内容、価格体系など収益構造の転換を進めてまいります。
当社グループは、タイ、カナダ、米国に子会社を置き、積極的に事業展開を進めております。海外販売においては、各国政府の予期しない法律や規制・税制の変更、社会・政治および経済状況の変化、異なる商慣習による取引先の信用リスク、為替変動等の事象が発生した場合には、当社グループの事業展開および業績、財務状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの低減のため、当社グループでは各子会社との情報共有等、ガバナンスの強化を図っております。
金型製造事業を行っているTritech International,LLCの代表取締役である鳥山数之氏は、同社の2%の出資者であり、同社の運営に係るOperating agreementを当社グループと締結しています。また、同社の経営方針および事業方針の立案をはじめ、当社グループの事業推進上、重要な役割を果たしております。
このため、当社では、同氏に過度な依存をしない経営体制を目指し、人事採用、育成による経営体制の強化を図り、親会社からの経営管理を強化するなど経営リスクの軽減に努めておりますが、不測の事態により、同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは研究開発型の事業を営んでおります。研究開発活動を担う要員の確保が不十分である場合、あるいは人材の育成に遅れが生じた場合、製品および技術サービスの競争力が低下し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、研究開発専門部署を立ち上げ、人材の確保および教育にも注力することで当該リスクの低減に努めております。
当社グループのソフトウェア製品は、対象市場において一定の競争力を有しております。しかし、開発競争が激化するなかで製品競争力の希薄化が進み競合製品との間で価格競争に巻き込まれた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社ではより高度な機能強化を継続して行っていくことにより、当該リスクに晒されないよう努めております。
当社では、当社の技術の一部をOEM供給するなど、他社との業務提携、アライアンス等を積極的に進めております。しかし経営その他の要因により提携効果が得られない場合、提携先の経営の動向または決定事項により何らかの変化が生じた場合、また大幅な取引縮小等が発生した場合等、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、当該リスクを軽減させるため、複数の企業へOEM供給するなど1社あたりの影響度を下げる対応を行っております。
当社グループのソフトウェアが不当にコピーされ違法に流通するリスクがあります。また、当社グループの製品または技術が、他社が有する知的財産権を侵害しているとされるリスクや、当社グループが使用する第三者のソフトウェアまたは知的財産権に対して何らかの事情によって制約を受けるリスクがあります。これらの場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、著作権を有するソフトウェア保護のためセキュリティ強化に向けた技術開発を継続して実施してまいります。また、特許取得など知的財産保有の法的根拠の明確化を積極的に進めております。第三者知的財産権の使用にあたっては、リスクが発生しないように内容を十分留意して契約などを締結しております。
当社グループの製品開発に係る重要な情報(設計情報およびソースプログラム等)が天変地異など予期せぬ事情によって喪失するリスクがあります。その場合、開発速度の低下およびサポート活動の停滞などにより当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、重要な開発情報の管理に関して分散保管など効果的な対策を実施しております。
当社グループは、製品およびサービスの品質の保証について充分に留意しておりますが、製品およびサービスに欠陥が生じるリスクがあります。当社グループ製品およびサービスは顧客の重要な製造プロセスのデータ処理を担っている関係上、障害の発生は顧客に深刻な損失をもたらす可能性があります。その場合当社グループは、顧客から責任を追及され損害賠償を求められる可能性があります。さらに、製品およびサービスに欠陥が生じたことにより社会的信用が低下する可能性もあり、これらにより業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、新しく開発した製品に技術のフィールドでの評価を十分に行い、高品質を実現する制度の運営および万が一の不具合発生時における速やかな情報提供に努めております。
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(1)財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高44億21百万円(前期比18.1%増)、営業利益4億55百万円(前期比64.7%増)、経常利益5億12百万円(前期比35.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2億93百万円(前期比34.2増)となりました。北米で展開している金型製造事業の売上が伸長した影響が大きく前期との比較では大幅な増収増益となりました。また「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、従来の会計処理方法に比べて、売上高は24百万円減少し、営業利益、経常利益はそれぞれ19百万円減少しております。
当社グループの各事業の取り組みは、以下のとおりです。
(CAD/CAMシステム等事業)
当連結会計年度における金型関連業界は、設備投資の先行指標となる工作機械受注統計によれば、第4四半期連結会計期間には外需の減速が見られたものの、半導体投資および自動車の電動化により部品を加工する工作機械の需要が増加するなど、年間では内需・外需ともに前年同期実績を上回る状況で推移しました。しかしながら長期化する新型コロナウイルス感染症(以下、「コロナ」という。)の影響に加え、半導体不足および原材料高騰等の影響が懸念され、先行き不透明な状況が継続しました。
このような状況下、CAD/CAMシステム等事業においては、「基幹収益源(金型向けCAD/CAMシステム事業)の拡張」「OEM事業の推進」「CAD/CAMシステムの適応領域の拡大および新規事業開拓」「新たな製品付加価値の創出」の4つの方向性に基づいた中長期事業方針を推進しました。
当社では、主力製品である金型向けCAD/CAMシステムを国内および海外日系企業を中心に販売展開しております。当連結会計年度もコロナの状況に応じた対策を柔軟に講じながら営業活動を行いました。
国内市場においては、2022年11月に開催された国内最大の工作機械見本市「JIMTOF2022(第31回日本国際工作機械見本市)」に出展し、CAD/CAMシステム、工程管理システムの導入効果とメリットを最新技術および事例を交えて提案するなど販売シェアの拡大に努めました。製品販売では、第4四半期連結会計期間に一服感が見られましたが、設備投資意欲の改善等により第1四半期連結会計期間に売上が伸長したほか、製造業向け政府補助金関連の案件を含め総じて堅調に推移しました。
また海外市場に対しては、すでに展開を進めている日系企業に加え、金型生産拠点として今後伸長していくと見込まれるローカル企業に対しての拡販を目指しました。2022年度は、地域差はあるもののコロナの規制が緩和され、また徐々に海外との往来が可能となったことから対面での営業機会が増加し、下期には製品販売において回復傾向が見られました。
安定した収益の確保として、保守収益の維持・拡張に取り組みました。製品バージョンアップ、ユーザーへの技術サポート提供を定期的に行うことで顧客満足度向上に努め、2022年度も保守更新率90%以上を維持することができました。CAD/CAMシステム等事業における保守サービスによる売上の割合は64.6%と高い割合を占めており、今後も当社グループにとって重要な経営基盤として位置づけていく考えです。
大手から中堅部品サプライヤー向け展開としては、金型内製化および製品設計から金型設計製造までのプラットフォーム統一化に向けたマルチプラットフォーム戦略を推進しています。当社では2011年に販売を開始した3次元CAD「SOLIDWORKS」に金型設計・加工機能をアドインしたCAD/CAMシステム「CGシリーズ」に加え、2020年にはシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア社製3次元CAD/CAM/CAEシステム「NX」に対応した「CAM-TOOL for NX」を市場投入、2022年もさらなる機能強化に取り組みました。
当社では工作機械メーカー、工具メーカー等の生産財メーカーおよび同業他社に向け、金型向けCAD/CAMシステム開発で培ってきたCAD/CAMエンジンをOEM製品として提供しており、主力製品販売と同様、CAD/CAMシステム市場での当社のシェア拡大に向けて取り組みました。2022年度は株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズに当社製のCAMエンジンのOEM供給を開始するなど、新たなOEM先開拓の他、既存OEM先でのライセンス販売強化に向けた生産財メーカーとの協力を継続しました。
当社ではさらなる市場拡大を目的に、当社が得意とする金型分野に加え、長年にわたり金型設計・製造分野で培ったCAD/CAM資産を活用した部品加工市場向け製品「Parts CAM」を開発し、2020年より販売を開始しました。2022年度は操作性向上のため機能強化に取り組んだほか市場認知度の強化を図りました。
IoT分野等への市場拡大として、「現場主導のIT活用」をコンセプトとした金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ」の販売強化を図りました。新たな収益の柱とすべく販売体制の確立を図るとともに、金型以外の製造分野への市場拡大を視野に、工程管理から生産管理システムへと発展させるべく機能を強化しました。
当社は、3D積層造形関連事業の育成として以前より積層造形技術に当社の5軸切削加工技術を組み合わせた「AM-CAM(AM=Additive Manufacturing:付加製造)」の研究開発を行っており、その成果を「CAM-TOOL AM」としてパッケージ化し2019年に販売開始しました。積層造形市場はハードウェア・ソフトウェアともに研究段階ではありますが、2022年度は工作機械見本市「Additive Manufacturing エリア in JIMTOF2022」に参加し急速に広まるAMの需要に対する提案を行いました。今後も市場拡大に向けAM複合加工機メーカーとの協力体制の構築を図るとともに引き続きAM啓蒙活動を推進していきます。
当社では研究開発強化を目的に、2021年1月1日より研究開発部門を開設し、当社の事業領域に関連する先端技術の研究を推進しています。昨今、製造現場では少子高齢化による労働者人口の減少への対策、労働生産性の向上等のための省力化対応が強く求められていますが、当社ではAI、自動化および形状処理等の技術を用いCAD/CAMシステムに搭載可能な高付加価値機能を開発することで、これらの課題に対応していきます。
上記のような取り組みの結果、当連結会計年度におけるCAD/CAMシステム等事業のセグメント売上は34億17百万円(前期比6.1%増)、セグメント利益は3億円(前期比23.3%増)となりました。海外ではコロナの影響を受け需要が回復しない地域もありましたが、下期には多くの地域で回復傾向が見られ、また国内では第1四半期連結会計期間に設備投資が持ち直したことなどから製品販売が堅調に推移、通期で前期実績と比較し増収増益となりました。また収益認識会計基準等の適用により、従来の会計処理方法に比べて、売上高は24百万円減少し、セグメント利益は19百万円減少しております。
(金型製造事業)
当社の金型製造子会社が拠点を置く北米の自動車業界は、コロナ禍以降の半導体不足の影響により自動車の減産を余儀なくされるなど不安定要素が見られたものの、半導体に関連しない部品の金型需要は減少せず堅調に推移しました。
そのような状況下、金型製造事業では、オンラインツールを活用し来期以降の売上につなげるための受注活動に注力しました。当連結会計年度は、2021年下期から2022年上期にかけて受注が好調に推移したことに加え、円安の影響により円換算では収益がさらに拡大しました。
これらの結果、当連結会計年度はセグメント売上10億4百万円(前期比91.1%増)、セグメント利益1億55百万円(前期比370.0%増)と前期との比較では大幅な増収増益となりました。また収益認識会計基準等の適用による影響はありません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前年同期と比べ2億44百万円(9.0%)増加し、29億64百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益等により4億11百万円の収入となり、前年同期と比べ72百万円(21.2%)の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により80百万円の支出となり、前年同期と比べ28百万円(54.0%)の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により1億39百万円の支出となり、前年同期と比べ76百万円(120.8%)の支出の増加となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社グループを取り巻く事業環境は、コロナの長期化、ウクライナ情勢に伴う原油をはじめとした資源価格の高騰および世界的な金融引き締め等の影響により依然として先行き不透明な状況で推移するものと予測されるものの、製造業においては自動車の電動化、電子部品等の旺盛な需要を背景に設備投資が堅調に推移するものと見込んでいます。
このような環境の下、当社グループのCAD/CAMシステム等事業においては、中長期事業方針に沿って収益拡大に取り組み、持続的な成長を目指します。既存顧客に対するサポート体制を強化することにより高い保守更新率を維持・向上しつつ安定した収益を確保しながら、金型隣接市場への販売領域拡大および新たに拠点を開設したベトナムを含むアセアンを中心とした海外展開、ならびに新規事業創出および付加価値創出のための研究開発を推進していきます。さらに国内CAD/CAM市場におけるOEM提供を加速させ販売シェア拡大を目指します。
また金型製造事業においては、引き続き顧客および外注先とのオンラインコミュニケーションを充実させ、協力体制強化による生産性の向上に努めますが、2023年は自動車のモデルチェンジサイクルの谷間となる見込み、かつ2022年が好調に推移した反動もあり、受注の谷間になることが見込まれます。
以上のような状況から、CAD/CAMシステム等事業については増収増益予想としていますが、金型製造事業は減収減益予想としており、金型製造事業の減少分をCAD/CAMシステム等事業の増加分で吸収しきれない見込みから、次期の連結業績は売上高41億31百万円(前期比6.6%減)、営業利益3億11百万円(前期比31.6%減)、経常利益3億49百万円(前期比31.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2億8百万円(前期比28.9%減)を見込んでおります。
なお、上記の試算および一定の仮定に大幅な変更が生じた場合には、翌連結会計年度の財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(資産)
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度と比較して3億69百万円(6.9%)増加し、57億34百万円となりました。主な増加要因は現金及び預金2億44百万円、受取手形、売掛金及び契約資産50百万円および有形固定資産69百万円、主な減少要因は棚卸資産55百万円であります。
(負債)
当連結会計年度における負債は、前連結会計年度と比較して90百万円(3.6%)増加し、25億93百万円となりました。主な増加要因は契約負債14百万円および退職給付に係る負債31百万円、主な減少要因は未払法人税等25百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は、前連結会計年度と比較して2億79百万円(9.8%)増加し、31億40百万円となりました。主な増加要因は親会社株主に帰属する当期純利益2億93百万円および為替換算調整勘定41百万円、主な減少要因は配当による利益剰余金の減少96百万円であります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、44億21百万円となり、前連結会計年度に比べ6億76百万円の増加(前期比18.1%)となりました。報告セグメントごとの売上高については、CAD/CAMシステム等事業は34億17百万円(前期比6.1%)、金型製造事業は10億4百万円(前期比91.1%)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、4億55百万円となり、前連結会計年度に比べ1億78百万円の増加(前期比64.7%)となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度より2.9ポイント上昇し10.3%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、5億12百万円となり、前連結会計年度に比べ1億34百万円の増加(前期比35.6%)となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度より1.5ポイント上昇し11.6%となりました。
主な営業外収益としましては不動産賃借料94百万円(前連結会計年度94百万円)、主な営業外費用としましては不動産賃貸費用67百万円(前連結会計年度68百万円)が挙げられます。
(親会社株主に帰属する利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、5億12百万円となり、前連結会計年度に比べ1億34百万円の増加(前期比35.6%)となりました。
また、当連結会計年度の法人税等は1億51百万円となり、前連結会計年度に比べ24百万円の増加(前期比19.4%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2億93百万円となり、前連結会計年度に比べ74百万円の増加(前期比34.2%)となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源は、自己資金とすることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討し財源の確保を図っております。
資金の流動性は、営業活動によるキャッシュ・フローを確実に獲得することを基本に、適正な投資活動と財務活動を組み合わせることで十分な流動性の確保と財務体質の健全性を維持するよう努めております。
資金需要の主な要因は、研究開発資金、当社ブランドの認知度および価値向上のための資金、国内外の事業加速のための運転資金、人材投資資金であります。これらに対応する目的も含め、取引金融機関との連携を強化するとともに、一定の流動性預金の確保を図っております。
当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上および株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高年平均成長率、売上高経常利益率並びにROEを主要な経営指標として位置づけております。現在当社グループでは、2025年までを目途に、「2018年から2025年の売上高年平均成長率5%」、「2025年経常利益率20%」、「2025年ROE15%以上」という中期の事業方針を掲げております。
当社グループは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の施策を継続的に進めていくことが経営指標の持続的向上に寄与すると判断しており、今後も引き続きこれらの指標を向上させるべく努めてまいります。
該当事項はありません。
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。
2022年12月31日現在
(注) 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品であります。
2022年12月31日現在
(注) 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 自己株式の消却による減少であります。
2022年12月31日現在
(注) 1 自己株式200,182株は、「個人その他」に2,001単元、「単元未満株式の状況」に82株含まれております。
2 「金融機関」のなかには、役員向け株式交付信託の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有している1,000単元が含まれております。なお、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有している当社株式は、連結財務諸表および財務諸表において自己株式として表示しております。
2022年12月31日現在
(注) 1 発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合については、小数点第3位以下を切り捨てて記載しております。
2 当社は2022年12月31日現在で、自己株式200千株を所有しております。
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっております。
当社グループは、当社、CGS NORTH AMERICA INC.(CANADA)およびCGS ASIA CO.,LTD.が「CAD/CAMシステム等事業」を、Tritech International,LLCが「金型製造事業」を、それぞれ展開しております。
各社はグループとして必要な情報を共有し、セグメントごとに戦略を立案して事業活動を行い、当社取締役会では各事業会社から受けた経営成績、財務情報の報告を基礎として、意思決定および業績評価を行っております。
したがって、当社グループは事業会社単位を基礎としたセグメントから構成されており、「CAD/CAMシステム等事業」および「金型製造事業」を報告セグメントとしております。
「CAD/CAMシステム等事業」は、金型用CAD/CAMソフトウェアの開発、販売および付随する保守・サービス、ハードウェアの販売、受託開発を行っており、「金型製造事業」は、自動車部品等の金型製造請負を行っております。