川崎重工業株式会社
(注)1 2022年度より国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しています。
2 希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
(注)1 2022年度の諸数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
3 2021年3月期の自己資本利益率及び株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失が計上されているため記載していません。
4 2021年3月期に、従来、決算日が12月31日であった連結子会社6社の決算日を3月31日に変更又は連結決算日に仮決算を行う方法に変更しました。これにより、2021年3月期は連結子会社6社の決算対象期間が15ヶ月(2020年1月~2021年3月)となる変則決算となっています。
5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2022年3月期の期首から適用しており、2022年3月期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
2 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
3 2021年3月期の自己資本利益率、株価収益率及び配当性向については、当期純損失が計上されているため記載していません。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2022年3月期の期首から適用しており、2022年3月期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
5 2021年10月1日付で当社の車両事業及びモーターサイクル&エンジン事業(現・パワースポーツ&エンジン事業)を会社分割の方法により川崎車両株式会社及びカワサキモータース株式会社へ承継させたことに伴い、2022年3月期第3四半期より両事業の数値は含まれていません。
当社グループは、当社(提出会社)、子会社127社及び関連会社(共同支配企業を含む)27社により構成されており、当社を中心として航空宇宙システム事業、車両事業、エネルギーソリューション&マリン事業、精密機械・ロボット事業、パワースポーツ&エンジン事業及びその他事業を営んでいます。これらの6事業区分はセグメント情報の報告セグメントの区分と同一です。
なお、当連結会計年度より当社グループの事業戦略と整合性をとることを目的に、従来「モーターサイクル&エンジン」としていた報告セグメントの名称を「パワースポーツ&エンジン」に変更しています。
当社グループの主な事業内容と当社及び主要関係会社の位置づけを概説すれば、以下のとおりです。
[主な事業内容]
航空宇宙システム事業
航空機、航空機用エンジン等の製造・販売
車両事業
鉄道車両、除雪機械等の製造・販売
エネルギーソリューション&マリン事業
エネルギー関連機器・システム、舶用推進関連機器・システム、プラント関連機器・システム、船舶等の製造・販売
精密機械・ロボット事業
油圧機器、産業用ロボット等の製造・販売
パワースポーツ&エンジン事業
二輪車、オフロード四輪車(SxS、ATV)、パーソナルウォータークラフト(PWC)「ジェットスキー」、汎用ガソリンエンジン等の製造・販売
その他事業
商業、販売・受注の仲介・斡旋、福利施設の管理等
[当社及び主要関係会社の位置づけ]
航空宇宙システム事業
当社で製造・販売を行っているほか、日本飛行機㈱(連結子会社)が独自に製造・販売並びに製造の一部分担を行っています。
車両事業
川崎車両㈱(連結子会社)で製造・販売を行っているほか、海外向け鉄道車両についてはKawasaki Rail Car, Inc.(連結子会社)が一部の製造・販売を、Kawasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.A.(連結子会社)が一部の製造を行っています。
エネルギーソリューション&マリン事業
当社で製造・販売を行っているほか、川重冷熱工業㈱(連結子会社)がボイラ及び空調機器の製造・販売を独自に行い、㈱カワサキマシンシステムズ(連結子会社)が産業用ガスタービンの販売を、㈱アーステクニカ(連結子会社)が破砕機等の製造・販売を、安徽海螺川崎工程有限公司(持分法適用関連会社)他が産業機械、環境装置等の製造・販売を、南通中遠海運川崎船舶工程有限公司、大連中遠海運川崎船舶工程有限公司(いずれも持分法適用関連会社)が独自に船舶の製造・販売を行っています。
精密機械・ロボット事業
当社で製造・販売を行っているほか、Flutek, Ltd. (連結子会社)他が油圧機器の製造・販売を、川崎精密機械(蘇州)有限公司(連結子会社)他が製造を、川崎精密機械商貿(上海)有限公司(連結子会社)他が販売を独自に行っています。また、Kawasaki Robotics (USA) Inc.、川崎機器人(昆山)有限公司、川崎機器人(天津)有限公司(いずれも連結子会社)他が産業用ロボットを、㈱メディカロイド(持分法適用関連会社)が医療用ロボットの製造・販売を行っています。
パワースポーツ&エンジン事業
カワサキモータース㈱(連結子会社)で製造・販売を行っているほか、製造については二輪車、オフロード四輪車(SxS、ATV)、PWC「ジェットスキー」、汎用ガソリンエンジンをKawasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.A.、Kawasaki Motors Enterprise (Thailand) Co., Ltd.(いずれも連結子会社)他がそれぞれ製造しています。また、販売面においては、国内向け二輪車他を㈱カワサキモータースジャパン(連結子会社)が、海外向け二輪車他をKawasaki Motors Corp., U.S.A.、Kawasaki Motors Europe N.V.、Kawasaki Motors (Phils.) Corporation、PT. Kawasaki Motor Indonesia(いずれも連結子会社)他が、それぞれ販売しています。
その他事業
川重商事㈱(連結子会社)他が商業を、㈱カワサキライフコーポレーション(連結子会社)他が商業及び福利施設管理等の諸事業を営んでいます。
以上で述べた事項を事業系統図によって示せば、次のとおりです。

(注) 1 実線枠は連結子会社、点線枠は持分法適用関連会社であり、主要な会社のみ記載しています。
2 他3社は安徽海螺川崎装備製造有限公司、安徽海螺川崎節能設備製造有限公司、上海海螺川崎節能環保工程有限公司です。
(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、事業セグメントに記載された名称を記載しています。
2 「議決権の所有割合欄」の(内書)は間接所有です。
3 特定子会社です。
4 Kawasaki Motors Corp., U.S.A.については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えています。
主要な損益情報等 ① 売上収益 327,040百万円
② 税引前利益 3,968
③ 当期利益 3,211
④ 資本合計 32,204
⑤ 資産合計 219,628
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員のみを対象としています。なお、臨時従業員数については従業員総数の100分の10未満であるため記載を省略しています。
2 従業員数は再雇用従業員を含みます。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員のみを対象としています。なお、臨時従業員数については従業員総数の100分の10未満であるため記載を省略しています。
2 従業員数は再雇用従業員を含みます。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含みます。
4 平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与は60歳以降の従業員を含みません。
当社の労働組合は、川崎重工労働組合と称し、上部団体は日本基幹産業労働組合連合会(略称 基幹労連)です。
また、組合とは信頼関係を基礎に労働協約を締結し、労働条件その他労使間の重要問題について労働協議会・経営協議会等を開催し、相互の理解と隔意ない意見交換により円満に解決を図っています。
なお、当連結会計年度、連結会社において労働組合との間に特記すべき事項等は生じていません。
当社グループは、持続的な企業価値の向上を図っていくために、全社を挙げて多様性を促進しています。特に、本社組織等の全社共通部門で率先して女性活躍を推進しており、当該部門の女性割合は20%となっています。また、全部門でキャリア採用を積極的に行っており、当事業年度の川崎重工業㈱のキャリア採用実績に占める女性割合は21%となっています。(ダイバーシティの推進については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照下さい。)
当社グループは、これまで主に機械・電気分野の技術に立脚したインフラを支える大型製品の設計・製造・販売を主事業としてきており、現在は当該分野を専門とする女性割合は高くないものの、今後は事業モデルの転換を進めるとともに、引き続き、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、事務系30~40%、技術系5%~15%の女性新卒採用に取り組むとともに、年齢・性別・国籍等の属性に関わらず適材配置や育成強化を推進し、女性管理職割合を向上させるなど多様な人財の活躍促進を図り、差異の縮小並びに多様性の促進に努めていきます。
(参考:川崎重工業㈱の新卒採用における女性比率(実績推移) <1995年度>事務系3.2%、技術系0%、生産系0% <2005年度>事務系16.2%、技術系3.5%、生産系2.4% <2015年度>事務系27.6%、技術系1.3%、生産系2.6% <2022年度>事務系42.2%、技術系6.4%、生産系4.8%)
①提出会社及び常用雇用労働者数301名以上の国内連結子会社
2023年3月31日現在
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3 パート・有期労働者の男女の賃金の差異は、無期雇用者以外の多様な雇用形態を含むとともにその構成も会社ごとに異なるため、数値が分散する傾向があります。
4 育児休業取得事由に該当する従業員はいません。
5 パート・有期労働者に該当する従業員はいません。
6 パート・有期労働者に該当する女性従業員はいません。
②常用雇用労働者数300名以下で女性活躍推進法により該当指標を公表している国内連結子会社
2023年3月31日現在
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3 育児休業取得事由に該当する従業員はいません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。これらのリスクは、経営会議等での審議等を経て抽出しており、取締役会において連結財務諸表での重要性、影響度、網羅性を確認した上で選定しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の見通しに重要な影響を与える可能性があると認識しているリスク
① 地政学リスク
米中貿易摩擦問題、台湾有事懸念、ロシア・ウクライナ情勢、世界各国における経済安全保障法制の強化など地政学リスクが高まっており、原材料価格及び物流費の高騰、エネルギー価格上昇、サプライチェーン問題などをもたらしています。
当社グループの連結売上収益の約半分が海外向けであり、米国・中国をはじめとする多くの国に生産・販売拠点を構えています。また、原材料や部品についても、海外から多く調達しています。そのため、事業に関連する国・地域の政治、経済、社会、法規制、自然災害等の影響を受ける可能性がありますが、当社グループは、国際情勢の動向や各国の法規制の改正等を注視しつつ、状況の変化に迅速に対応できる社内体制を構築し、情報の共有及び対応策を実施しています。
② 調達品価格の高騰リスク
コロナ禍からの本格的な経済回復、国内外のインフレ進行、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等に伴い、原材料価格、人件費、エネルギー価格、物流費等の上昇が続いています。事業計画策定にあたっては一定のコスト上昇を織り込んでいますが、想定を超える価格の上昇が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、コストダウン活動を継続しつつ、販売契約へのエスカレーション条項の織込みや調達品価格の高騰を適切に販売価格へ反映するなどの対策を行っています。
③ 部品入手困難による生産遅延リスク
米中貿易摩擦やコロナ禍の影響で半導体などの調達部品が不足しており、一部の製品において生産遅延が生じています。今後の部品調達の状況によっては、パワースポーツ&エンジン事業やロボット事業を中心に販売が減少する可能性がありますが、代替品の活用や生産調整等の対策を実行し、利益の確保に努めています。
④ 景気変動リスク
景気変動は企業の事業活動に影響を及ぼし、売上収益等に影響する可能性があります。当社グループは、官公庁向けと民間向け、先進国向けと新興国向け、受注生産型と見込み生産型、B to BやB to Cなど、景気サイクルの異なる多様な事業でポートフォリオを構成しており、景気変動リスクを分散させています。
また、社会情勢や国際動向を注視し、社会課題、市場ニーズ等に対応した開発・受注活動を継続することで売上収益を確保するほか、見込み生産型事業においては、販売や在庫の状況をモニタリングして生産調整をタイムリーに行うなど、景気が減速する局面においても経営成績及びキャッシュ・フローに及ぼす影響が最小限になるように努めています。
⑤ プロジェクトの契約・履行に関するリスク
当社グループは、過去に鉄道車両、エネルギー関連設備、海洋資源開発支援船など大型プロジェクトにおいて多額の損失を計上した反省を踏まえ、見積、契約条件、技術仕様等に対するリスク検知と適正な評価、実効性のあるリスク回避策の立案が重要と考え、受注前のリスクチェック機能を強化してきました。2020年度からは、過去の損失案件等から得た教訓を規律として社則化するとともに、過去の案件から統計的に導いた損失リスクの総量を自己資本に見合った範囲に抑えるリスク統制アプローチを導入しています。特に、契約条件・条項に起因して損失に繋がったケースが過去にあり、契約に関するリスクを低減するために、法務部門が契約書の最終確認を行っています。また、法務機能を担う人財の育成及び獲得、社外弁護士の活用等を通じて、より一層の法務対応力の強化にも取り組んでいます。
更に、受注後のプロジェクトについては、市場環境やその進捗状況において、経営成績等に大きな影響を与える可能性がある兆候を経営会議及び取締役会へタイムリーに報告し、モニタリング機能の強化にも努めてきました。現在履行中の大型プロジェクトのうち、北米向け地下鉄車両案件は、量産車の製造が本格化しており、社長直轄のタスクフォース組織において、プロジェクト遂行に伴うリスクを低減させるとともに、生産効率や製品品質を更に改善させ、事業採算性の向上、利益の拡大に努めています。
また、当社グループが取り組んでいる大規模水素サプライチェーン構築プロジェクトについては、NEDOグリーンイノベーション基金事業で採択された各種事業が、商用化に向けて始動しています。事業推進に際して、各フェーズで発生する問題を早期段階で認識し、リスクを最小限に抑えながら円滑にプロジェクトを進めるべく取り組んでいます。
⑥ 訴訟に関するリスク
当社グループは事業を展開するにあたり、契約条件の明確化、知的財産権の適正な取得・使用、各種法規制の遵守等により、トラブルを未然に防止するよう努めています。しかし、予期せぬ事象が生じた場合、損害賠償の請求や訴訟を提起されることがあり、当社グループの業績や財務状況、社会的信用等に影響を及ぼす可能性があります。
一方で、取引相手先による契約不履行や当社グループが保有する知的財産権の侵害等が生じたときには、当社グループの権利保護を求めて訴訟を提起する場合があります。それらの対応にあたっては、弁護士等の外部専門家と連携する等、最善策を講じるための体制を整備しています。
なお、当連結会計年度において、当社グループに重要な影響を及ぼす重要な訴訟に関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(2)その他」をご参照下さい。
⑦ 為替変動に関するリスク
当社グループの業績見通しにおいては、一定量の為替変動リスクが含まれています。そのため、実需の外貨建債権・債務に対し、投機的な要素を排除した形で日本円のディスカウントコストを考慮しながら為替予約等のリスクヘッジを行っています。また、パワースポーツ&エンジン事業を中心として、為替影響分の価格転嫁、海外調達の拡大及び海外生産比率の増加等を通じて為替リスクの低減に取り組んでいます。
現在、日米金利差拡大、日本の貿易赤字の影響等を背景とした円安は、売上収益には好影響を及ぼす一方で、調達価格やエネルギー価格上昇などのコスト増をもたらしています。日米の金融政策の動向、金融システム不安や地政学リスク顕在化等の影響により、為替相場の変動幅は大きくなっており、為替リスクに関する不確実性は高まっています。そのため、引き続き相場を注視するとともに、必要に応じて対策を講じていきます。
⑧ 資金調達リスク・金利変動リスク
当社グループは、金融機関からの借入や社債の発行等により資金調達を行っていますが、金融危機が発生する等、金融市場が正常に機能しない場合には、一時的に資金調達を想定どおり行うことが難しくなる可能性があります。そのため、資金調達手段の多様化やコミットメントラインを含む十分な融資枠を確保する等の対策を講じています。また、市場金利の急激な上昇によって資金調達コストが増大した場合、支払利息等の金利負担増加により金融収支が悪化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、固定金利での長期資金調達を行うこと等により、金利変動リスクの抑制に努めています。なお、金融機関からの借入金には、コベナンツ(財務制限条項)が付されていることがあり、コベナンツに抵触する事象が発生した場合、当該借入金についての期限の利益を喪失する可能性があるほか、その他の債務についても一括返済が求められる可能性があります。その結果、当社グループの信用力や財政状態に大きな影響を及ぼすこととなりますが、現在の財務状況に鑑みるとその可能性は低いと見ています。当社グループは引き続き財務体質の強化に取り組み、資金調達力の維持・向上を図るほか、サステナブルファイナンスを積極的に活用することで、資金調達の面からも「グループビジョン2030」の実現に向けて取り組んでいます。
⑨ 品質管理リスク
当社グループは、顧客ニーズや社会課題解決のため、多岐にわたる製品・サービスを提供しています。それらの製造・サービス提供過程においては、社内外の基準に則り厳格な品質管理を実施していますが、予期せぬ製品の欠陥や品質面での不備が発生した場合、発生した損害について賠償を求められ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、2017年にN700系新幹線台車枠に亀裂が発生するという極めて重大なインシデントを引き起こしたことを重く受け止め、社内に品質管理委員会を立上げ、原因究明と再発防止に努めてきました。また、2019年度に全社的なTQM(Total Quality Management)を推進する専門組織を立上げ、TQMに則った業務遂行体制の構築、品質管理教育、全員参加での品質向上に努めてきました。今後のTQM活動においては、業務プロセスの整流化に加え、人の恣意性を排除したデジタル技術を用いた品質管理の導入を、当社グループ全体で推進していく予定です。
⑩ コンプライアンスに関するリスク
当社グループの役員・従業員が法令違反行為や企業倫理違反行為等を発生させた場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜、当社グループ製品の不買運動等に至り、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、「川崎重工グループ行動規範」を制定し、コンプライアンス違反を容認しない企業風土の醸成及び維持に努めています。また、社長を委員長とする全社コンプライアンス委員会を設置し、企業としての社会的責任を果たすために各種施策の審議・決定、遵守状況のモニタリング等を行っています。
2022年6月に川重冷熱工業㈱が製造・販売した一部の製品の検査などに関する不適切行為が判明しました。今後このような不適切行為を起こすことがないよう、外部の弁護士で構成する特別調査委員会での徹底した原因究明を踏まえた是正措置を講じるとともに、コンプライアンスの一層の強化を図り、再発防止に取り組んでいます。
⑪ 情報セキュリティリスク
当社グループは、社会インフラから消費者向け製品に至るまで、多様な製品を国内外に提供しており、重要な情報資産として多岐にわたる技術・営業情報や顧客情報を蓄積・保有しています。業務プロセスのデジタル化が進むなか、社外からのサイバー攻撃は増加傾向にあり、重要情報の漏洩やシステム停止、その復旧を条件とした身代金要求といった事象に加え、工場の生産システムが攻撃を受けることで事業損失が発生するリスクも高まっています。このような事態に適切に対処するため、サイバーセキュリティ統括部門を中心に、管理ルールの整備、最新技術の導入、オペレーションの高度化によるサイバーディフェンス態勢の強化を推進しています。更にeラーニングによる役員・従業員への情報セキュリティ教育や訓練等、ITリテラシー向上を通したリスク低減にも継続して取り組んでいます。
⑫ 貸倒リスク
当社グループは、国内外の顧客に対して代金債権を有しています。顧客の信用不安や契約不履行等により、債権回収に問題が生じた場合は、担保の充当や債権債務の相殺等により回収しますが、回収不能な場合は貸倒れによる損失が発生する可能性があります。当社グループは、取引開始前の与信管理を徹底するとともに、取引期間中は顧客の財務状況を定期的にモニタリングする等、貸倒リスクの低減に取り組んでいます。
〔経理処理に関するリスク〕
⑬ 固定資産の減損リスク
当社グループは、継続的に設備投資を行いながら事業活動を進めており、多くの有形固定資産及び無形資産を有しています。現時点において、多額の減損を計上するような懸念事項はないと考えていますが、今後何らかの外部環境の変化により減損処理を行う必要性が生じた場合、損益が悪化するリスクがあります。なお、大規模事業投資(設備投資を含む)案件について、大型プロジェクトの受注前プロセスと同様、投資決定前のリスク審査を強化する取組を行っています。
⑭ 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク
当社グループは、税効果会計を適用し、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異に対して繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産は、事業計画を基礎として将来の課税所得の発生やタックスプランニングに基づき、回収可能性を検討しています。なお、将来の見通しに変化が生じた際は、回収可能性の見直しが必要となり、繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなったと判断された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、将来の見通しの変化等により事業計画にダウンサイドリスクが判明した場合には、繰延税金資産に関しての見直しの要否を適時に判断できるような体制を構築しています。
(2) 経済動向・社会・制度等の変化により事業活動の継続が困難となる重要事象
① 人財の獲得・維持
人財の獲得・維持は事業活動の継続及び成長のための重要な経営課題と考えています。しかし、少子高齢化等に伴う労働力人口の不足、近年の人件費上昇や労働市場を取り巻く環境変化等によって人財の獲得・維持が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、人的資本に関する基本方針「川崎重工グループ人財マネジメント方針」を掲げ、各種施策に取り組んでいます。施策の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照下さい。
また、労働力人口不足という問題に対し、当社グループはそのソリューションとして、離れた場所からでも社会参画を可能とするリモートロボティクス、輸送ニーズに対応した配送ロボット、無人輸送ヘリコプタなどの市場投入を迅速に行うことで社会課題解決に貢献していきます。
② 脱炭素化社会・ゼロエミッション
当社グループが提供する輸送機器やエネルギーシステムの多くは、化石燃料をベースにしています。また、生産をはじめとする事業活動においてCO2を排出しています。脱炭素社会やゼロエミッションの到来によって、現在の製品・技術が各種規制によって使用不可となることや、顧客をはじめとする様々なステークホルダーへの価値を創出できなくなることで、事業そのものが淘汰される可能性があります。また、事業活動におけるCO2排出を削減するための莫大な追加コストが発生するリスクも存在しています。
そのため、水素サプライチェーン商用化に向けた活動や、水素を燃料とする輸送機器・エネルギーシステム、電動機器など脱炭素社会に対応した事業に向けた研究開発を行うとともに、水素エネルギーを活用して2030年までに当社グループの国内事業所のCO2排出量を2030年までに実質ゼロにする等、様々な対策を進めています。更に、当社グループの脱炭素ソリューションを社会や各ステークホルダーへと広げ、2040年にZero-Carbon Ready、2050年にはグループ全体でのCO2排出量の実質ゼロを目指します。
③ 経済安全保障
近年、地政学リスクが高まるなか、世界各国の政府が地政学的な課題解決のために、経済的手段を行使する場面が増加する等、経済活動と安全保障の関係が深くなっており、日本においても経済安全保障推進法が成立しました。当社グループにおいても、重要な部品や原材料の安定的な確保、他国への技術流出の防止等の対応が、従来以上に必要となっています。そのため、経済安全保障に関する変化に対応すべく、2022年に経済安全保障推進に関する専門組織を設置し、国際情勢や各国の政策・法制度の動向等の調査・分析、各種リスクの評価を行う等、適切な措置を講じています。
④ 開発投資
当社グループは、社会課題の解決と持続的な企業価値向上のため、将来の収益が期待できる分野への研究開発投資や設備投資を行っています。開発の項目や内容の選定判断を誤ることで競合に対する競争力を失い、事業・製品のシェアを低下させるリスクがあります。また、水素利活用分野など基礎研究から実証、製品化へは長期にわたる投資が必要なものが多く、市場変化や顧客、競合動向、各国規制の変化等によっては開発戦略の見直しや撤退を迫られる分野もあり、過去には投入した開発費が回収できなかった事業も存在しています。開発投資が当社グループの経営に大きな影響を及ぼすことがないよう、対象分野の選定やその内容、人財投入計画等については、経営戦略や事業ポートフォリオ上の位置付けなども踏まえて決定し、進捗管理についても適宜フォローしています。
(注) 1 上記の帳簿価額は、日本基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しています。
2 上記の帳簿価額には、建設仮勘定並びに無形固定資産の金額は含みません。
3 名古屋第一工場・名古屋第二工場の従業員数は岐阜工場に含みます。
4 神戸本社には、中部・関西・中国・九州・沖縄支社、寮社宅等福利厚生施設他を含みます。
5 東京本社には、海外事務所、北海道・東北支社他を含みます。
(注) 1 上記の帳簿価額は、日本基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しています。
2 上記の帳簿価額には、建設仮勘定並びに無形固定資産の金額は含みません。
3 カワサキモータース㈱明石工場には、西日本地区に複数保有する開発用テストコース他を含みます。
(注) 1 上記の帳簿価額は、IFRSに基づく金額を記載しています。
2 上記の帳簿価額には、建設仮勘定並びに無形資産の金額は含みません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 1 自己株式41,655株は「個人その他」に416単元、「単元未満株式の状況」に55株含みます。
2 証券保管振替機構名義の株式540株は「その他の法人」に5単元、「単元未満株式の状況」に40株含みます。
2023年3月31日現在
(注) 1 上記の所有株数のうち、信託業務に係る株式数は次のとおりです。
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 25,042千株
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 10,542千株
2 株式会社みずほ銀行から、2022年10月7日付で変更報告書が公衆の縦覧に供され、同社及び共同保有者2社が2022年9月30日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数が確認できないため、大株主の状況には含めていません。
3 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社から、2022年12月21日付で変更報告書が公衆の縦覧に供され、同社及び共同保有者1社が2022年12月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数が確認できないため、大株主の状況には含めていません。
4 野村證券株式会社から、2023年2月22日付で大量保有報告書が公衆の縦覧に供され、同社及び共同保有者1社が2023年2月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数が確認できないため、大株主の状況には含めていません。