フタバ産業株式会社
FUTABA INDUSTRIAL CO., LTD.
岡崎市橋目町字御茶屋1番地
証券コード:72410
業界:輸送用機器
有価証券報告書の提出日:2023年6月23日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第105期

第106期

第107期

第108期

第109期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

461,705

476,165

466,809

572,118

708,072

経常利益

(百万円)

6,449

9,968

7,962

7,807

7,768

親会社株主に帰属する

当期純利益

(百万円)

3,509

6,357

4,095

3,307

10,576

包括利益

(百万円)

1,499

2,915

12,147

13,441

11,367

純資産額

(百万円)

75,211

76,488

87,216

90,014

99,747

総資産額

(百万円)

249,061

253,517

290,194

309,487

319,768

1株当たり純資産額

(円)

734.90

753.80

866.86

940.37

1,051.94

1株当たり当期純利益金額

(円)

39.22

71.03

45.73

36.94

118.26

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

26.4

26.6

26.8

27.2

29.4

自己資本利益率

(%)

5.3

9.5

5.6

4.1

11.9

株価収益率

(倍)

13.9

6.4

13.0

9.9

3.6

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

25,410

34,020

22,792

35,468

47,743

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

30,961

26,443

24,672

35,547

22,307

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

1,489

5,572

1,750

3,451

22,009

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

7,541

9,370

9,522

6,730

10,331

従業員数

(名)

10,590

10,540

10,865

10,706

10,617

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第108期の期首から適用しており、第108期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第105期

第106期

第107期

第108期

第109期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

263,845

262,642

232,474

246,339

304,377

経常利益

(百万円)

5,400

6,304

2,780

6,358

5,833

当期純利益

(百万円)

4,364

3,914

2,702

5,730

10,701

資本金

(百万円)

16,820

16,820

16,820

16,820

16,820

発行済株式総数

(千株)

89,580

89,580

89,580

89,580

89,580

純資産額

(百万円)

45,522

47,840

51,999

58,039

67,312

総資産額

(百万円)

163,046

159,732

167,149

174,152

193,372

1株当たり純資産額

(円)

508.76

534.42

580.56

648.05

752.71

1株当たり配当額

(円)

10.00

10.00

10.00

10.00

15.00

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益金額

(円)

48.77

43.73

30.17

63.99

119.66

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

27.9

30.0

31.1

33.3

34.8

自己資本利益率

(%)

9.9

8.4

5.4

10.4

17.1

株価収益率

(倍)

11.2

10.5

19.7

5.7

3.6

配当性向

(%)

20.5

22.9

33.1

15.6

12.5

従業員数

(名)

3,408

3,475

3,615

3,716

3,749

[外、平均臨時雇用者数]

[-]

[-]

[-]

[-]

[-]

株主総利回り

(%)

61.7

53.1

69.3

44.9

53.5

(比較指数:東証業種別

株価指数 輸送用機器)

(89.5)

(76.0)

(112.6)

(128.9)

(123.0)

最高株価

(円)

926

868

653

612

452

最低株価

(円)

477

379

383

305

317

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2 最高・最低株価は、東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第108期の期首から適用しており、第108期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

 

年月

沿革

1935年3月

 

 

軍需品、自動車及び航空機部品その他金属器の製造販売を目的として、東京市において関東重工業株式会社を設立(1935年から1945年までの間は戦災により一切の記録を失いましたので詳細は不明であります。)

1946年2月

 

社名をフタバ産業株式会社に変更し、愛知県岡崎市中町において漁網機の製作及びパイプ製家具の生産

1948年5月

自動車部品の生産及び溶接機の生産

1957年5月

名古屋工場を新設

1959年9月

自動車部品の生産拡大に伴い緑工場を新設

1961年8月

新分野開拓 事務機器部品の生産

1966年10月

本社及び岡崎工場を現在地に移転拡充

1968年11月

名古屋証券取引所市場第二部に株式上場

1969年5月

自動車マフラー専門工場として安城工場を新設

1971年6月

事務機器部品の専門工場として六ッ美工場を新設

1980年3月

自動車部品の生産拡大に伴い田原工場を新設

1980年12月

東京証券取引所市場第二部に株式上場

1981年11月

金型、治具溶接機の専門工場として高橋工場を新設

1986年9月

東京証券取引所及び名古屋証券取引所市場第一部に株式上場

1991年4月

佐賀県伊万里市に株式会社フタバ伊万里(現 連結子会社 株式会社フタバ九州)を設立

1993年5月

自動車マフラー専門工場として幸田工場を新設

1993年9月

安城工場を閉鎖

1994年11月

米国イリノイ州にFICアメリカ株式会社(現 連結子会社)を設立

1997年3月

本社社屋完成

2000年2月

岩手県西磐井郡平泉町に株式会社フタバ平泉(現 連結子会社)を設立

2000年12月

 

英国ランカシャー州にフタバ・テネコUK株式会社(現 連結子会社 フタバマニュファクチャリングUK株式会社)を設立

2001年3月

香港に雙葉科技株式会社(現 連結子会社)を設立

2001年10月

米国インディアナ州にフタバインディアナアメリカ株式会社(現 連結子会社)を設立

2002年2月

中華人民共和国天津市西青区に天津双協機械工業有限公司(現 連結子会社)を設立

2002年3月

カナダオンタリオ州にFIOオートモーティブカナダ株式会社(現 連結子会社)を設立

2002年12月

チェコハブリチコフブラッド市にフタバチェコ有限会社(現 連結子会社)を設立

2004年1月

中華人民共和国天津開発区に天津双叶協展機械有限公司(現 連結子会社)を設立

2004年3月

愛知県知立市の菱和金属工業株式会社を買収

2004年4月

菱和金属工業株式会社の社名を株式会社フタバ知立に変更

2004年10月

中華人民共和国広東省広州市に広州双叶汽車部件有限公司(現 連結子会社)を設立

2004年11月

名古屋工場を閉鎖

2004年11月

英国ダービシャー州にフタバインダストリアルUK株式会社を設立

2005年2月

米国テキサス州にフタバインダストリアルテキサス株式会社(現 連結子会社)を設立

2005年8月

中華人民共和国広東省東莞市に東莞双叶金属制品有限公司(現 連結子会社)を設立

2006年4月

株式会社フタバ知立を吸収合併し知立工場として再編

2007年12月

インドハリヤーナー州にFMIオートモーティブコンポーネンツ株式会社(現 連結子会社)を設立

2011年9月

双叶金属制品(常州)有限公司の社名を双叶(常州)管理有限公司に変更

2011年10月

米国イリノイ州にフタバノースアメリカE&M株式会社(現 連結子会社)を設立

2011年12月

インドネシアブカシ県に株式会社フタバインダストリアルインドネシア(現 連結子会社)を設立

2012年1月

中華人民共和国湖南省長沙市に長沙双叶汽車部件有限公司(現 連結子会社)を設立

2012年12月

中華人民共和国重慶市に重慶福達巴汽車部件有限公司を設立

2017年2月

第三者割当増資を実施し、資本金が16,820百万円となる

2017年2月

フタバインダストリアルグジャラート㈱(現 連結子会社)を設立

2018年3月

重慶福達巴汽車部件有限公司を売却

2019年1月

フタバマニュファクチャリングUK株式会社とフタバインダストリアルUK株式会社を経営統合

2020年7月

中華人民共和国天津開発区に双叶(天津)企業管理有限公司(現 連結子会社)を設立

2021年6月

双叶金属制品(深圳)有限公司を売却

2021年12月

双叶(常州)管理有限公司を清算

2022年4月

東京証券取引所プライム市場、名古屋証券取引所プレミア市場へ移行

 

 

 

3 【事業の内容】

当社の企業集団は、当社及び連結子会社21社、持分法適用関連会社2社、持分法非適用関連会社1社により構成され、事業内容は自動車等車両部品、情報環境機器部品及び外販設備等の製造販売であります。

上記事業の自動車等車両部品・外販設備の事業については、当社が製造販売するほか当社製品の一部を子会社及び関連会社に製造を委託しております。なお、子会社及び関連会社においても得意先への直接販売を行っております。また、主要な販売先であるトヨタ自動車株式会社は、当社を関連会社とする「その他の関係会社」であります。

当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

 

日本

自動車等車両部品、情報環境機器部品及び外販設備等の製造販売

(主な関係会社) 当社及び㈱フタバ九州

北米

自動車等車両部品の製造販売

(主な関係会社) フタバノースアメリカE&M㈱、FICアメリカ㈱及びFIOオートモーティブカナダ㈱

欧州

自動車等車両部品の製造販売

(主な関係会社) フタバマニュファクチャリングUK㈱及びフタバチェコ㈲

中国

自動車等車両部品の製造販売

(主な関係会社) 天津双叶協展機械㈲及び広州双叶汽車部件㈲

アジア

自動車等車両部品の製造販売

(主な関係会社) FMIオートモーティブコンポーネンツ㈱及び㈱フタバインダストリアルインドネシア

 

事業の系統図は次のとおりであります。


 

 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金
又は出資金

主要な事業
の内容

議決権の
所有割合
(%)

関係内容

役員の
兼任等

資金の
貸付等

営業上
の取引

設備の
譲渡

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 

 

 

㈱フタバ九州

福岡県直方市

百万円
460

自動車等車両部品

100.0

当社の委託
部品の購入

㈱フタバ平泉

岩手県西磐井郡平泉町

百万円
495

自動車等車両部品

100.0

当社の委託
部品の購入

フタバ須美

愛知県額田郡幸田町

百万円
100

自動車等車両部品

97.5

当社の委託
部品の購入

フタバノースアメリカ
E&M㈱

米国イリノイ州
キャロルストリーム

千米ドル
1,000

北米子会社の統括及び管理支援

100.0

兼任2名

当社の製品
の販売

FICアメリカ㈱

米国イリノイ州
キャロルストリーム

千米ドル
14,000

自動車等車両部品

100.0
(100.0)

当社の製品
の販売

フタバインディアナ
アメリカ㈱

米国インディアナ州
ビンセンス

千米ドル
10,000

自動車等車両部品

100.0
(100.0)

当社の製品
の販売

フタバインダストリアル
テキサス㈱

米国テキサス州
サンアントニオ

千米ドル
10,000

自動車等車両部品

100.0
(100.0)

当社の製品
の販売

FIOオートモーティブ
カナダ㈱

カナダオンタリオ州
ストラットフォード

千カナダドル

99,889

自動車等車両部品

100.0

当社の製品
の販売

フタバマニュファクチャリングUK㈱

英国ランカシャー州
バーンレイ

千英ポンド
18,473

自動車等車両部品

100.0

当社の製品
の販売

フタバチェコ㈲

チェコ
ハブリチコフブラッド

億チェココルナ
13

自動車等車両部品

85.0

当社の製品
の販売

双叶(天津)企業管理㈲

中華人民共和国
天津市

千米ドル
2,000

中国子会社の統括及び管理支援

100.0

兼任2名

当社製品の販売

天津双協機械工業㈲

中華人民共和国
天津市

千米ドル
6,500

自動車等車両部品

81.0

当社の製品
の販売

天津双叶協展機械㈲

中華人民共和国
天津市

千米ドル
11,820

自動車等車両部品

81.0

当社の製品
の販売

広州双叶汽車部件㈲

中華人民共和国
広東省広州市

千米ドル
29,500

自動車等車両部品

81.0

当社の製品
の販売

東莞双叶金属制品㈲

中華人民共和国
広東省東莞市

千米ドル
23,290

自動車等車両部品

100.0

当社の製品
の販売

長沙双叶汽車部件㈲

中華人民共和国
湖南省長沙市

千米ドル
12,500

自動車等車両部品

100.0

当社の製品
の販売

FMIオートモーティブ
コンポーネンツ㈱

インド

ハリヤーナー州

億インドルピー
9

自動車等車両部品

51.0

当社の製品
の販売

フタバインダストリアルグジャラート㈱

インド

グジャラート州

億インドルピー
25

自動車等車両部品

95.0

当社の製品
の販売

㈱フタバインダストリアルインドネシア

インドネシア

ブカシ県

千米ドル
70,740

自動車等車両部品

83.4

当社の製品
の販売

その他2社

 

 

 

 

 

 

 

 

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

 

 

 

㈱クレファクト

岡山県総社市

百万円
48

自動車等車両部品

31.2

当社の委託
部品の購入

協祥機械工業㈱

中華民国新竹市

千台湾ドル
900,900

自動車等車両部品

21.1

当社の製品
の販売

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(注) 1 ㈱フタバ九州、FIOオートモーティブカナダ㈱、フタバマニュファクチャリングUK㈱、フタバチェコ㈲、広州双叶汽車部件㈲、東莞双叶金属制品㈲、FMIオートモーティブコンポーネンツ㈱、フタバインダストリアルグジャラート㈱及び㈱フタバインダストリアルインドネシアは、特定子会社に該当します。

2 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。

3 その他の関係会社であるトヨタ自動車株式会社は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (関連当事者情報)」に記載しているため、記載を省略しております。また、同社は有価証券報告書を提出しております。

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

(2023年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(名)

日本

4,611

 

北米

2,110

 

欧州

1,279

 

中国

1,940

 

アジア

677

 

合計

10,617

 

 

(注) 従業員数は当社グループから当社グループ外への出向者を除く就業人員であります。

 

(2) 提出会社の状況

(2023年3月31日現在)

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

3,749

38.4

15.7

5,808

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

日本

3,749

 

(注) 1 従業員数は当社から他社への出向者を除く就業人員であります。

     2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 提出会社及び連結子会社における女性管理職比率等

   ①管理職に占める女性従業員の割合

提出会社及び連結子会社

管理職に占める女性従業員の割合

提出会社

1.1%

㈱フタバ九州

0.0%

 

 

      ②育児休業取得率

提出会社及び連結子会社

男性

女性

提出会社

35.0%

121.0%

 

(注) 1 当事業年度に出産した従業員数および配偶者が出産した従業員数に対して、当事業年度に育児休業を取得した従業員数の割合を算出しております。

     2 過年度に出産した従業員または配偶者が出産した従業員が、当事業年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超える場合があります。

 

   ③男女の賃金差異

提出会社及び連結子会社

全従業員

正規従業員

非正規従業員

提出会社

68.9%

67.7%

78.0%

㈱フタバ九州

69.5%

71.5%

50.9%

 

(注) 1 正規従業員は、当社から海外への出向者、社外からの出向者、休職者及び役員を除いております。

     2 非正規従業員は、有期雇用社員(定年後再雇用者、契約社員、パートタイマー等)を対象にしており、派遣社員を除いております。

     3 従業員は、正規従業員と非正規従業員を含んでおります。

     4 男女の賃金は、性別や国籍などの属性に関わらず、同一の基準を適用しておりますが、人員構成、職種・等級、勤務形態の違い等により、男女での差が生じております。特に、男性に比べ女性の管理職比率が少ないことが男女の賃金差異の主な要因となっております。女性管理職比率の向上に向け、個人別キャリアプランに基づいた管理職以上への積極的なチャレンジを支援する活動を行ってまいります。

 

(4) 労働組合の状況

当社グループのうち提出会社の労働組合と一部の子会社の労働組合は、全トヨタ労働組合連合会に加盟し、全トヨタ労働組合連合会を通じて全日本自動車産業労働組合総連合会に所属しており、2023年3月31日現在の組合員数は4,099人であります。

なお、労使関係については、特記すべき事項はありません。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、社是である「よい品、より安く」の精神に徹し、成形技術と接合技術によるものづくりを通じて安心、安全で環境に優しい商品をお客様に提供し、株主の皆様をはじめ得意先、社員、取引先などすべてのステークホルダーの期待と信頼にこたえるべく、長期安定的な成長を続けることのできる経営基盤を確立し、社会情勢や経営環境をふまえ、新たなビジネスの開拓、経営資源の最適な配置と効率的な投入により、企業価値の増大に努めてまいります。

また、当社の経営理念は以下のとおりであります。

私達は

1.お客様に信頼され、なくてはならない会社

2.共に働く仲間が、生きがいと誇りを持てる会社

3.地域社会から広く支持され、愛される会社

であるよう、たゆまぬ努力を続けます。

 

(2) 目標とする経営指標

当社では、企業価値の向上を目指すにあたり、売上高、営業利益率、経常利益率、ROE(株主資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置づけ、その向上に取り組むとともに、財務体質の強化として有利子負債の削減と自己資本比率の向上にも取り組んでおります。その一環として、2022~2024年度までを計画期間とする中期経営計画の目標としてフリーキャッシュフロー60~150億円及び営業利益率(支給品を除く売上高)2.6~5.0%を設定しております。当該KPIの各数値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

自動車産業はいま、過去に例のない大変革期を迎えています。社会が大きく変わる中で、フタバグループも大胆な変革に向け取り組んでいます。10年後、20年後も“選ばれる会社”“勝ち抜く会社”であるために、創造力、提案力、スピードを一段と改善し、『環境』『安心』『豊かな生活』の提供価値を通じて持続可能な社会に向けて貢献していきます。私たちが向かうべき方向を再確認するために、「2030年めざす姿」とそれに向けた「行動宣言」を掲げています。

 

2030年めざす姿

●自ら考え行動し果敢に挑戦する集団

●モノづくりと技術のグローバル企業

●創造力と実行力で持続可能な企業

 

 

行動宣言

お客様の期待を超える『発想』と『知恵』と

『素早い行動』で『安全・環境技術』を提案し
  モビリティをコアに社会へ貢献します

 

 

また、2030年に向けて中期経営方針として

 ① 選ばれる会社、勝ち抜く会社に向けた強化

 ② 真のグローバル企業への取り組み強化

 ③ 持続可能な企業基盤の強化

を掲げています。これらをもとに、グローバルで経営・収益基盤をさらに充実させるとともに、デジタル化とモノづくりのイノベーションにリソーセスを投入し、強固で持続可能なグローバル企業を目指し、努力してまいります。

 

 

(4) 会社の対処すべき課題と取組み

近年の自動車産業を取り巻く環境変化の中でもBEV普及への対応とカーボンニュートラルへの対応は、フタバ産業としても長期での戦略を持っての対応が必要となります。

長期戦略

  ①BEV普及の影響への対応

  ・ボデー部品の売上拡大・付加価値向上

  ・エンジン搭載車でのシェア向上

  ・新規事業の進化・創出

 ②カーボンニュートラルへの対応

  ・工場のCO2排出量削減目標の設定(フタバ単体、グループ共)

 

長期の戦略に対応するための取り組みを強力に推進し、フタバグループ全員の活躍により企業価値向上を目指します。

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループでは、組織目標の達成を阻害する要因、あるいは事業の継続に影響を与えうる要因をリスクとして識別し、分析、評価、対応を行うPDCAサイクルを回すため、各種委員会を立上げております。機密情報および情報セキュリティに関するリスクには情報セキュリティ委員会、不正リスクには企業倫理委員会、内部統制やガバナンスには内部統制委員会など、各種委員会によりリスクアセスメントを行い、リスクの低減や回避などの適切な措置を図っております。

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 主要な得意先に関するリスク

当社グループにおきましては、自動車等車両部品が連結売上高の大半を占め、なかでもトヨタ自動車株式会社向けの依存度が高く、同社の生産動向・購買政策などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 資材調達に関するリスク

 生産に必要な資材の調達につきましては、品質・コストの維持・改善を図りつつ安定調達の確保に努めておりますが、需給の状況などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 海外事業展開に関するリスク

 海外生産拠点の拡充に伴って、法律・規制・租税制度の予期しない変更や社会的混乱など各国における諸事情の変化や、金利・為替などの市場動向により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループはロシア・ウクライナに拠点を有しておらず、同地域向けの事業も展開しておりませんので、現時点で当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性は低いと考えております。

(4) 製品の欠陥に関するリスク

 当社グループは製品の品質の確保・向上に努めておりますが、大規模なリコール等につながる製品の欠陥が発生した場合には、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「安全、品質、ものづくり」の基本を徹底し、品質の確保・向上に努めております。

(5) 電動化に関するリスク

 自動車業界は100年に一度の変革期を迎え、既存のエンジン搭載車から電気自動車への切り替えなど、電動化への動きが急速に進んでおります。その対応の遅れは、当社グループにとって既存・新規ビジネスの機会を逸することになり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 このような環境のなか、当社グループとしては、BEVおよび電動車向け関連部品の研究開発、解析能力を活用したゾーン開発によるボデー系部品の付加価値向上、複雑・大型化へ対応したボデー系部品・外販設備事業の拡大、投資・工数ミニマムで標準化された排気系部品の成熟市場(エンジン搭載車)でのシェア向上、「排気収集・浄化」の技術を活かした新規事業への取組みを推進してまいります。

(6) 金利・為替変動に関するリスク

 当社グループは、業容の拡大に伴い借入調達を行っておりますが、金利変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの海外売上高は全体の売上高の約半分を占めており、円換算後の価値が変動するなど為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、変動金利から固定金利へのスワップや為替予約の締結等を通じて、金利・為替変動リスクを低減しております。

(7) コンプライアンスに関するリスク

 当社グループにおけるコンプライアンスとは、「法令遵守はもとより、社会の構成員たる企業人として求められる価値観・倫理観をもって誠実に行動すること。それを通じて公正かつ適切な経営を実現し、市民社会との調和を図り、企業を創造的に発展させていくこと。環境問題を重視し、自らが行動を起こし、環境の保全に努めること。」と定めております。当社グループは、企業の社会的責任と公共的使命を自覚し、高い倫理観を持って企業活動を行い、社会的責任を果たし、また、国内外の文化・習慣を尊重し、環境保全に努め、地域とともに成長し、地域に喜ばれる企業であるよう様々な活動を展開しております。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報セキュリティに関するリスク

 当社グループでは、機密情報の保護・管理のため、フタバセキュリティガイドラインを策定し、従業員への機密管理意識の徹底を図っています。また、年々高度化しているサイバー攻撃に備え、サイバー保険を付保しております。しかしながら、情報セキュリティ上のリスクを完全には回避できない可能性があり、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 人材確保に関するリスク

 少子高齢化や人口減少が進行していく環境下において、人材を十分に確保できない場合や人材獲得競争の激化によりコストが大幅に増加した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 このような環境のなか、当社グループは「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン宣言」を行い、より一層の制度の整備・拡充や従業員の意識改革に積極的に取り組み、多様な属性を持つ従業員がやりがいや成長実感を持ちながら、活き活きと活躍できる環境を整えております。また、近年では、より一層現地に根差した経営を推進するために、現地人材の計画的な育成に積極的に取り組んでおります。

(10) 自然災害、感染症等に関するリスク

 当社グループでは、発生が予想されている南海トラフ巨大地震を最も大きなリスクと捉え、人命第一を最優先に、人的・物的被害を最小限に止め、事業活動の早期再開をはかることを目的とした事業継続計画(BCP) を策定しています。その中で、緊急地震速報や安否確認システムの導入、避難経路の安全確保や建屋の耐震補強、設備の転倒・落下防止対策など、防災・減災の取り組みとともに、定期的な教育訓練を行っています。また、感染症対策につきましても、在宅勤務制度等の基準策定や施設・備品の整備を行い、BCP発動時には災害対策本部を設置し、各生産拠点の情報をとりまとめるとともに、事業への影響を最小限に抑えられるよう対応しています。

 しかしながら、大地震や大型台風、洪水等の自然災害、感染症の拡大等により、サプライチェーン、製品供給に大きな支障をきたした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 固定資産の減損に関するリスク

当社グループは生産活動に使用する固定資産を多額に保有しておりますが、これら固定資産は事業採算の悪化などにより、投下資本の回収リスクを負っており、合理的な基準に基づく固定資産の減損処理を行っております。将来、事業採算悪化により更なる減損処理を行うことがあり、その場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(12) 税効果の変動に関するリスク

 当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに当たって、将来の課税所得を合理的に見積もっております。この見積りに変動があることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(13) 退職給付債務に関するリスク

 当社グループでは、退職給付制度を採用しておりますが、退職給付費用及び債務は数理計算上の前提条件、期待収益率により算出されており、実際の結果との相違、前提条件の変更により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要

 ① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、日本、北米、中国、アジアにおいては景気は緩やかに持ち直しておりますが、日本を除き、世界的な金融引締め等が続く中、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。欧州においては、景気は持ち直しに足踏みがみられます。

当社グループの主要取引先であります自動車業界においては、新型コロナウイルス感染症の拡大、ロシア・ウクライナ情勢に伴う部品供給不足が依然として続いているものの、すべての地域において新車販売台数が前年に比べ増加しております。

こうした状況のなか、2022年度から2024年度の中期経営目標としては「稼ぐ力を強化し、フリーキャッシュフロー(FCF)の増加をはかる」としております。生産効率の向上などの稼ぐ力をさらに強化し、FCFの増加を着実にはかることで、株主の皆様への還元にあてるとともに、有利子負債の返済、今後の成長への投資に配分していきます。

当社グループが大切にしてきたものに「環境」「安心」「豊かな生活」の3つの提供価値があります。「環境」は、自然環境への負荷を低減する排気系部品です。「安心」は、人を危険から守り、安心できるボデー・内装部品です。「豊かな生活」は、生活品質を高める製品・サービスです。今後も株主・投資家の皆様はもとより、お客様・全従業員・地域社会をはじめとする全てのステークホルダーの皆様へ価値提供と情報発信を増やしてまいります。

当連結会計年度の業績は、売上高は、得意先各社の自動車生産台数の増加、7,080億円(前年度比23.8%増)となりました。利益につきましては、部品事業の売上増加や新規車種切替効果等の増益要因により、営業利益は76億円(前年度比25.6%増)、経常利益は77億円(前年度比0.5%減)となりました。日本セグメントにおける将来事業計画等を吟味の上、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、法人税等調整額(益)を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は105億円(前年度比219.8%増)となりました。

セグメント別の業績は次のとおりであります。

a. 日本

売上高は、得意先各社の自動車生産台数の増加、支給品単価・材料建値の上昇及び為替影響等により3,053億円(前年度比22.9%増)となりました。セグメント利益は、売上高の増加及び新規車種切替効果等により30億円(前年度比1,495.6%増)となりました。

b. 北米

売上高は、得意先各社の自動車生産台数の増加及び為替変動等により1,725億円(前年度比51.6%増)となりました。セグメント損失は、新規車種立上げによる減価償却費の増加及びインフレ影響による費用の増加等により7億円(前年度は6億円のセグメント損失)となりました。

c. 欧州

売上高は、得意先各社の自動車生産台数の増加及び為替変動等により683億円(前年度比37.8%増)となりました。セグメント利益は、売上高の増加等により9億円(前年度比36.8%増)となりました。

d. 中国

売上高は、支給品単価の上昇、為替変動等により1,022億円(前年度比1.1%増)となりましたが、実質売上高は減少しています。セグメント利益は、実質売上高の減少等により26億円(前年度比42.9%減)となりました。

e. アジア

売上高は、得意先からの支給品単価の下降等により702億円(前年度比4.6%減)となりましたが、得意先各社の自動車生産台数は増加しており、支給品を除く売上高は増加しております。セグメント利益は、支給品を除く売上高の増加等により15億円(前年度比72.2%増)となりました。

 

(注)支給品単価の上昇(下降)とは、排気系部品に使用される触媒の得意先からの支給価格が上昇(下降)することです。支給品を含む製品の販売価格も同額上昇(下降)するため、売上高は増加(減少)しますが、利益影響はありません。

 

財政状態は次のとおりであります。

当連結会計年度の総資産については、売掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べて102億円増加し、3,197億円となりました。負債については、買掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べて5億円増加し、2,200億円となりました。純資産については、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べて97億円増加し、997億円となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当社グループの現金及び現金同等物は、前年度末に比べ36億円増加し、103億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動の結果、得られた資金は477億円であり、前年度に比べ122億円(34.6%増)の増加となりました。これは、仕入債務の増加等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動の結果、使用した資金は223億円、前年度に比べて132億円(37.2%減)の支出の減少となりました。これは、有形固定資産の取得支出の減少等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動の結果、使用した資金は220億円(前年度は34億円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済による支出等によるものであります。

③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

281,020

127.1

北米

166,007

151.3

欧州

64,908

138.5

中国

95,458

102.6

アジア

67,000

93.6

合計

674,394

124.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

2 金額は、製造原価によっております。

 

b. 受注状況

当連結会計年度における当社製品におきましては、納入先より3ヶ月程度の生産計画の提示を受け、生産能力を考慮して生産計画をたてております。

なお、治具溶接機については、納入先からの注文に基づき生産しており、受注状況は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

日本

10,473

130.3

9,106

166.6

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

295,015

126.0

北米

172,378

151.5

欧州

68,331

137.8

中国

102,111

101.1

アジア

70,236

95.4

合計

708,072

123.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

131,936

23.1

175,954

24.8

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づき分析した内容であり、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析、報告セグメントごとの詳細及び財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

当社グループにおける経営理念として大切にしているものに、「環境」「安心」「豊かな生活」の3つの提供価値があります。「環境」は、自然環境への負荷を低減する排気系部品です。「安心」は、人を危険から守り、安心できるボデー・内装部品です。「豊かな生活」は、生活品質を高める製品・サービスです。今後も株主・投資家の皆様はもとより、お客様・全従業員・地域社会をはじめとする全てのステークホルダーの皆様へ価値提供と情報発信を増やしてまいります。

企業価値の向上を目指すにあたっては、売上高、営業利益率、経常利益率、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標と位置づけ、その向上に取り組んでまいりました。

財政面におきましては、財務体質の強化として有利子負債の削減と自己資本比率の向上に取り組んでまいりました。

各セグメントにつきましても上記基本方針に取り組んでまいりました。

なお、当連結会計年度の各セグメントの経営成績の分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

重要な経営指標に掲げられている指標の分析については次のとおりです。

売上高につきましては、得意先各社の自動車生産台数の増加もありましたが、主として支給品単価・材料建値上昇影響及び為替影響等により7,080億円(前年度比23.8%増)となりました。営業利益率につきましては、前年度と比べてほぼ横ばいとなりました。経常利益率につきましては、前年度と比べて0.3ポイント減少しました。この主な要因は、為替差損の発生、持分法による投資利益が前年度と比べ減少、支払利息が増加したためです。ROEにつきましては、繰延税金資産の計上に伴い発生した法人税等調整額(益)により、親会社株主に帰属する当期純利益が増加したこと等により前年度と比べて7.8ポイント増加しました。有利子負債につきましては、借入金の返済等により、前年度と比べて165億円減少しております。自己資本比率につきましては、その他包括利益累計額の増加や親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により29.4%(前年度比2.2ポイント増)となりました。

 

重要な経営指標の推移

回次

第107期

第108期

第109期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

4,668億円

5,721億円

 7,080億円

営業利益率

1.7%

1.1%

  1.1%

経常利益率

1.7%

1.4%

  1.1%

ROE(自己資本利益率)

5.6%

4.1%

  11.9%

有利子負債残高

877億円

981億円

  816億円

自己資本比率

26.8%

27.2%

   29.4%

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況

 当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて36億円増加し、103億円となりました。

 なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の前連結会計年度との比較分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

b. 財務政策

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び外注部品等の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。また、剰余金の配当につきましては、配当政策に基づき実施してまいります。当社グループの運転資金、設備投資資金及び剰余金の配当等は、主として内部資金により充当し、必要に応じて借入による資金調達を実施することを基本方針としております。当連結会計年度の当社グループの設備投資資金につきましては、内部資金、資本市場からの調達及び借入により充当いたしました。今後は、資本の効率化と財務の安全性確保を重視しつつ、有利子負債の圧縮を視野にいれながら、バランスをとった財務運営を目指してまいります。

c. 今後のキャッシュ・フロー

2024年3月期の設備投資につきましては、生産性向上のための合理化・省力化投資、新規受注に伴う金型等投資及び海外生産拠点への投資を中心に実施する予定です。詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却の計画」に記載しております。

当該資金調達につきましては、内部資金又は借入にて充当する予定です。

 

(参考)

当社グループは2021年5月に2021年度以降の会社の方向性とめざす姿を示すため、2021年度から2023年度を対象とする中期経営方針を策定しております。以下の3つの中期経営方針を柱とし、経営・収入基盤をさらに充実させるとともに、デジタル化とモノづくりのイノベーションにリソーセスを投下し、強固で持続可能なグローバル企業を目指しております。

 

(1) 選ばれる会社、勝ち抜く会社に向けた強化

 ・お客様目線を意識した活動(困りごとの解決提案)

 ・部品事業の収益最大化

(2) 真のグローバル企業への取り組み強化

 ・本社のグローバル化促進

 ・中長期の事業戦略の実行

(3) 持続可能な企業基盤の強化

 ・企業価値の向上

 ・デジタル社会への環境整備

 ・新しい時代に向けた意識改革

 

また、稼ぐ力を強化し、フリーキャッシュフローの増加を図るため、2022年5月に中期経営目標を公表しております。2022~24年度の具体的な目標として、フリーキャッシュフローは60~150億円、連結営業利益率は支給品除く売上高で2.6~5.0%といたしました。

 

直近2ヵ年の実績及び連結業績予想

回次

第108期(実績)

第109期(実績)

第110期(連結業績予想)

決算年月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

連結売上高

5,721億円

7,080億円

7,500億円

連結営業利益率(支給品除く)

1.9%

1.9%

2.1%

 

 

 2023年3月期の連結売上高は支給品単価上昇に加え、材料建値変動、為替変動等の影響を大きく受け、7,080億円(前年度比23.8%)となりました。一方で、部品供給不足に伴う主要得意先の稼働停止、材料費・労務費・物流費の高騰等が影響し、営業利益率(支給品除く)は前年度並みの1.9%に留まりました。

 

 なお、実際の業績は、その情報の不確実性のほか、今後の経済情勢、市場動向、株価・為替動向等の状況変化により予想数値と異なる可能性があります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

a. 繰延税金資産の回収可能性

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

b. 固定資産の減損

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

c. 貸倒引当金

当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、将来、得意先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

d. 製品保証引当金

当社製品の品質保証に伴う損失の支出に備えるため、売上高に対する過去のクレーム実績率を基礎として発生したクレーム費用の個別の実情を考慮した上で、当社が求償を受けると見込まれる金額を見積って計上しておりますが、実際に求償される額が見積り額と乖離した場合には利益に影響を与える可能性があります。

e. 退職給付に係る資産・負債

従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の長期期待運用収益率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、又は法改正や退職給付制度の変更があった場合、その影響は累積されて将来にわたり規則的に認識されることとなり、将来の退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。

f. 有価証券の減損処理

当社グループは長期的な取引関係維持のため、得意先及び金融機関の株式を保有しておりますが、これら株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づく有価証券の減損処理を行っております。将来、株式市場の悪化又は投資先の業績不振により、評価損を計上することがあり、その場合、利益に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

2 【主要な設備の状況】

当社及び連結子会社における主要な設備は、下記のとおりであります。

(1) 提出会社

(2023年3月31日現在)

事業所
(所在地)

セグメント
の名称

設備の
内容

帳簿価額(単位 百万円)

従業員数
(名)

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積㎡)

その他

合計

本社岡崎工場
(愛知県岡崎市)

日本

本社社屋
設備

340

35

22

(2,143)

219

618

386

生産設備

678

1,669

441

(48,156)

3,010

5,799

250

緑工場
(愛知県豊田市)

日本

生産設備

308

694

626

(47,651)

1,698

3,327

283

知立工場
(愛知県知立市)

日本

生産設備

407

507

524

(36,648)

550

1,988

198

幸田工場
(愛知県額田郡幸田町)

日本

生産設備

2,806

4,958

4,477

(218,982)

3,827

16,069

952

研究開発
設備

425

519

148

(3,511)

157

1,250

277

六ッ美工場
(愛知県岡崎市)

日本

生産設備

1,561

2,321

1,371

(78,018)

2,821

8,075

475

田原工場
(愛知県田原市)

日本

生産設備

1,623

818

1,648

(102,461)

3,366

7,455

404

高橋工場
(愛知県岡崎市)

日本

生産設備

406

665

637

(29,962)

775

2,485

524

厚生施設ほか
(愛知県岡崎市ほか)

日本

その他の
設備

204

4

767

(75,202)

4,675

5,651

合計

8,763

12,194

10,661

(642,734)

21,102

52,721

3,749

 

(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、リース資産並びに建設仮勘定の合計額であります。

2 上記のほかに賃借中のもので、従業員駐車場用地19,413㎡があります。

3 帳簿価額は内部取引に伴う未実現利益消去前の金額を記載しております。

4 現在休止中の主要な設備はありません。

 

 

(2) 国内子会社

(2023年3月31日現在)

会社名

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の
内容

帳簿価額(単位 百万円)

従業員数
(名)

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積㎡)

その他

合計

㈱フタバ九州

本社直方工場
(福岡県直方市)

日本

生産設備

924

994

309

(62,691)

397

2,625

244

伊万里工場
(佐賀県伊万里市)

日本

生産設備

529

915

287

(74,282)

233

1,966

214

宮田工場
(福岡県宮若市)

日本

生産設備

3

578

127

710

44

㈱フタバ平泉

本社工場
(岩手県西磐井郡
平泉町)

日本

生産設備

2,307

889

592

(77,244)

260

4,050

180

㈱フタバ須美

本社工場
(愛知県額田郡
幸田町)

日本

生産設備

1,016

274

1,120

(49,699)

165

2,576

173

 

(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、リース資産並びに建設仮勘定の合計額であります。

2 帳簿価額は内部取引に伴う未実現利益消去前の金額を記載しております。

3 現在休止中の主要な設備はありません。

 

(3) 在外子会社

(2023年3月31日現在)

会社名

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の
内容

帳簿価額(単位 百万円)

従業員数
(名)

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積㎡)

その他

合計

FICアメリカ㈱

本社工場
(米国
イリノイ州)

北米

生産設備

1,656

4,348

584

(89,799)

618

7,207

463

フタバインディアナ
アメリカ㈱

本社工場
(米国
インディアナ州)

北米

生産設備

3,788

7,166

53

(124,845)

1,536

12,544

627

フタバインダストリアルテキサス㈱

本社工場
(米国
テキサス州)

北米

生産設備

2,062

3,908

525

6,497

236

FIOオートモーティブ
カナダ㈱

本社工場
(カナダ
オンタリオ州)

北米

生産設備

4,645

9,527

60

(121,400)

2,172

14,518

735

フタバマニュファクチャリングUK㈱

本社工場
(英国
ランカシャー州)

欧州

生産設備

1,650

2,713

927

(97,000)

183

5,474

329

フタバチェコ㈲

本社工場
(チェコハブリチコフブラッド)

欧州

生産設備

1,541

3,917

18

(129,449)

289

5,767

950

天津双協機械工業㈲

本社工場
(中華人民共和国
天津市)

中国

生産設備

49

3

53

338

天津双叶協展機械㈲

本社工場
(中華人民共和国
天津市)

中国

生産設備

1,127

6,009

835

7,971

580

広州双叶汽車部件㈲

本社工場
(中華人民共和国
広東省広州市)

中国

生産設備

2,220

7,756

1,688

11,664

860

東莞双叶金属制品㈲

本社工場
(中華人民共和国
広東省東莞市)

中国

生産設備

185

207

528

68

長沙双叶汽車部件㈲

本社工場
(中華人民共和国
湖南省長沙市)

中国

生産設備

0

0

0

41

FMIオートモーティブ
コンポーネンツ㈱

本社工場
(インド
ハリヤーナー州)

アジア

生産設備

4

406

208

619

195

フタバインダストリアルグジャラート㈱

本社工場
(インド
グジャラート州)

アジア

生産設備

404

1,144

56

1,605

192

㈱フタバインダストリアルインドネシア

本社工場

(インドネシア

ブカシ県)

アジア

生産設備

815

113

321

1,249

290

 

(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、リース資産並びに建設仮勘定の合計額であります。

2 帳簿価額は内部取引に伴う未実現利益消去前の金額を記載しております。

3 現在休止中の主要な設備はありません。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

200,000,000

200,000,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月23日)

上場金融商品取引所名又は
登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

89,580,827

89,580,827

東京証券取引所 プライム市場
名古屋証券取引所 プレミア市場

完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であります。なお、単元株式数は100株であります。

89,580,827

89,580,827

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(千株)

発行済株式
総数残高
(千株)

資本金増減額
(百万円)

資本金残高
(百万円)

資本準備金
増減額
(百万円)

資本準備金
残高
(百万円)

2017年2月1日 (注)

19,531

89,580

4,999

16,820

4,999

13,470

 

(注) 2017年2月1日付でトヨタ自動車株式会社から第三者割当増資の払い込みを受け、発行済株式総数19,531,200株、資本金及び資本準備金がそれぞれ4,999百万円増加しております。

発行価格 512円 資本組入額 1株につき256円

 

(5) 【所有者別状況】

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数(人)

27

31

141

111

22

7,689

8,021

所有株式数
(単元)

248,605

16,202

312,548

110,216

2,422

205,043

895,036

77,227

所有株式数の割合(%)

27.78

1.81

34.92

12.31

0.27

22.91

100.00

 

(注)自己株式154,055株は「個人その他」に1,540単元及び「単元未満株式の状況」に55株含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(千株)

発行済株式
(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)

トヨタ自動車株式会社

愛知県豊田市トヨタ町1番地

28,116

31.44

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町二丁目11番3号

8,375

9.36

フタバ協力会持株会

愛知県岡崎市橋目町字御茶屋1番地

3,328

3.72

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海一丁目8番12号

3,224

3.60

株式会社三井住友銀行

東京都千代田区丸の内一丁目1番2号

3,063

3.42

みずほ信託銀行株式会社退職給付信託みずほ銀行口再信託受託者株式会社日本カストディ銀行

東京都中央区晴海一丁目8番12号

2,919

3.26

NORTHERN TRUST GLOBAL SERVICES SE,LUXEMBOURG RE CLIENTS NON-TREATY ACCOUNT       (常任代理人 香港上海銀行東京支店)

10 RUE DE CHATEAU D’EAUL-3364 LEUDELANGE GRANDDUCHY OF LUXEMBOURG
(東京都中央区日本橋三丁目11番地1号)

1,454

1.62

フタバ従業員持株会

 愛知県岡崎市橋目町字御茶屋1番地 

1,410

1.57

株式会社三菱UFJ銀行

東京都千代田区丸の内二丁目7番1号

1,290

1.44

DFA INTL SMALL CAP VALUE PORTFOLIO
(常任代理人 シティバンク エヌ・エイ東京支店)

PALISADES WEST 6300, BEECAVE ROAD BUILDING  ONEAUSTIN TX 78746 US
(東京都新宿区新宿六丁目27番30号)

1,216

1.36

54,400

60.83

 

(注) 1 発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下2位未満を切り捨てて表示しております。

2 上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、次のとおりであります。

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

8,375千株

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

3,224千株

みずほ信託銀行株式会社退職給付信託みずほ銀行口
再信託受託者株式会社日本カストディ銀行

2,919千株

 

 

3 2022年6月22日付で三井住友DSアセットマネジメント株式会社及びその共同保有者である株式会社三井住友銀行より、当社株式に係る大量保有報告書の変更報告書(報告義務発生日 2022年6月15日)が関東財務局長に提出されておりますが、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができておりませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
 なお、その大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。

氏名又は名称

住所

保有株券等の数
(千株)

株券等保有
割合(%)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

東京都港区虎ノ門一丁目17番1号

4,632

5.17

株式会社三井住友銀行

東京都千代田区丸の内一丁目1番2号

3,063

3.42

 

 

4 2022年8月22日付で株式会社みずほ銀行及びその共同保有者であるみずほ証券株式会社及びアセットマネジメントOne株式会社より、当社株式に係る大量保有報告書(報告義務発生日 2022年8月15日)が関東財務局長に提出されておりますが、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができておりませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
 なお、その大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。 

氏名又は名称

住所

保有株券等の数
(千株)

株券等保有
割合(%)

株式会社みずほ銀行

東京都千代田区大手町一丁目5番5号

2,920

3.26

みずほ証券株式会社

東京都千代田区大手町一丁目5番1号

623

0.70

アセットマネジメントOne株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目8番2号

986

1.10

 

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

6,734

10,335

 

 

受取手形及び売掛金

※1 89,219

※1 100,906

 

 

製品

6,166

7,095

 

 

仕掛品

16,231

15,354

 

 

原材料及び貯蔵品

7,653

7,894

 

 

その他

9,360

10,605

 

 

流動資産合計

135,367

152,191

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物

82,922

86,423

 

 

 

 

減価償却累計額

49,343

52,953

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

33,578

33,469

 

 

 

機械装置及び運搬具

250,083

262,533

 

 

 

 

減価償却累計額

189,638

200,464

 

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

60,445

62,068

 

 

 

工具、器具及び備品

86,500

99,080

 

 

 

 

減価償却累計額

74,459

84,891

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

12,040

14,188

 

 

 

土地

14,537

14,618

 

 

 

リース資産

17,850

17,975

 

 

 

 

減価償却累計額

16,493

16,459

 

 

 

 

リース資産(純額)

1,357

1,515

 

 

 

建設仮勘定

21,457

13,375

 

 

 

有形固定資産合計

143,416

139,235

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

1,570

1,637

 

 

 

その他

22

22

 

 

 

無形固定資産合計

1,592

1,660

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※2 17,387

※2 16,287

 

 

 

長期貸付金

789

37

 

 

 

退職給付に係る資産

10,068

8,700

 

 

 

繰延税金資産

1,127

1,226

 

 

 

その他

955

461

 

 

 

貸倒引当金

1,217

34

 

 

 

投資その他の資産合計

29,111

26,680

 

 

固定資産合計

174,120

167,576

 

資産合計

309,487

319,768

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

73,832

96,153

 

 

電子記録債務

4,150

5,699

 

 

1年内償還予定の社債

-

6,000

 

 

短期借入金

16,335

9,464

 

 

1年内返済予定の長期借入金

※3 25,920

※3 7,581

 

 

未払法人税等

773

984

 

 

未払消費税等

1,831

1,393

 

 

役員賞与引当金

33

33

 

 

未払費用

11,904

12,909

 

 

その他

10,284

7,567

 

 

流動負債合計

145,067

147,787

 

固定負債

 

 

 

 

社債

12,000

6,000

 

 

長期借入金

※3 43,022

※3 51,818

 

 

繰延税金負債

9,246

3,117

 

 

製品保証引当金

225

274

 

 

退職給付に係る負債

8,645

9,619

 

 

その他

1,267

1,403

 

 

固定負債合計

74,406

72,233

 

負債合計

219,473

220,021

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

16,820

16,820

 

 

資本剰余金

9,183

9,182

 

 

利益剰余金

38,961

48,641

 

 

自己株式

14

62

 

 

株主資本合計

64,950

74,581

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

7,982

7,500

 

 

為替換算調整勘定

7,300

9,802

 

 

退職給付に係る調整累計額

3,986

2,187

 

 

その他の包括利益累計額合計

19,269

19,489

 

非支配株主持分

5,794

5,675

 

純資産合計

90,014

99,747

負債純資産合計

309,487

319,768

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

572,118

708,072

売上原価

※1,※3 543,009

※1,※3 675,058

売上総利益

29,108

33,013

販売費及び一般管理費

※2,※3 22,993

※2,※3 25,332

営業利益

6,115

7,681

営業外収益

 

 

 

受取利息

91

209

 

受取配当金

312

405

 

作業くず売却益

566

463

 

持分法による投資利益

709

260

 

為替差益

736

-

 

雑収入

983

927

 

営業外収益合計

3,400

2,266

営業外費用

 

 

 

支払利息

830

1,402

 

固定資産廃棄損

※4 678

※4 240

 

為替差損

-

141

 

雑損失

198

395

 

営業外費用合計

1,707

2,178

経常利益

7,807

7,768

特別利益

 

 

 

関係会社清算益

※5 11

※5 -

 

投資有価証券売却益

99

1,604

 

特別利益合計

110

1,604

特別損失

 

 

 

減損損失

※6 532

※6 1,454

 

関係会社出資金売却損

1,122

-

 

投資有価証券評価損

7

-

 

特別損失合計

1,662

1,454

税金等調整前当期純利益

6,255

7,917

法人税、住民税及び事業税

1,839

2,068

法人税等調整額

198

5,055

法人税等合計

2,037

2,987

当期純利益

4,218

10,904

非支配株主に帰属する当期純利益

910

328

親会社株主に帰属する当期純利益

3,307

10,576

 

1.報告セグメントの概要

報告セグメントの決定方法

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、主に自動車等車両部品を生産・販売しており、国内においては当社及び子会社が、海外においては北米、欧州、中国及びアジアにおける各現地法人が、それぞれ担当しております。現地法人はそれぞれ独立した経営単位であり、取り扱う製品について各地域の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

したがって、当社は、生産・販売体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、「日本」、「北米」、「欧州」、「中国」、「アジア」の5つを報告セグメントとしております。各報告セグメントでは主として、自動車等車両部品を生産・販売しております。

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

525

2,949

 

 

電子記録債権

※1 3,710

※1 3,812

 

 

売掛金

※1 34,538

※1 44,400

 

 

製品

1,801

2,104

 

 

仕掛品

5,145

5,588

 

 

原材料及び貯蔵品

1,595

1,549

 

 

未収入金

※1 8,969

※1 14,219

 

 

関係会社短期貸付金

690

6,430

 

 

その他

※1 628

※1 727

 

 

流動資産合計

57,604

81,781

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

7,312

7,146

 

 

 

構築物

1,625

1,617

 

 

 

機械及び装置

13,076

12,076

 

 

 

車両運搬具

93

117

 

 

 

工具、器具及び備品

8,694

11,064

 

 

 

土地

10,661

10,661

 

 

 

リース資産

61

40

 

 

 

建設仮勘定

14,145

9,997

 

 

 

有形固定資産合計

55,671

52,721

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

1,378

1,427

 

 

 

その他

17

22

 

 

 

無形固定資産合計

1,396

1,449

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

3,391

3,951

 

 

 

関係会社株式

34,021

32,484

 

 

 

関係会社出資金

15,413

13,970

 

 

 

長期貸付金

736

-

 

 

 

従業員に対する長期貸付金

24

7

 

 

 

前払年金費用

6,430

6,789

 

 

 

その他

677

245

 

 

 

貸倒引当金

1,214

30

 

 

 

投資その他の資産合計

59,480

57,419

 

 

固定資産合計

116,547

111,590

 

資産合計

174,152

193,372

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

電子記録債務

※1 3,909

※1 5,456

 

 

買掛金

※1 32,049

※1 50,903

 

 

1年内償還予定の社債

-

6,000

 

 

短期借入金

2,800

-

 

 

関係会社短期借入金

600

-

 

 

1年内返済予定の長期借入金

※2 15,000

-

 

 

未払金

※1 2,013

※1 2,398

 

 

未払費用

※1 6,616

※1 7,438

 

 

未払法人税等

179

216

 

 

未払消費税等

536

1,377

 

 

役員賞与引当金

33

33

 

 

その他

1,273

1,146

 

 

流動負債合計

65,011

74,971

 

固定負債

 

 

 

 

社債

12,000

6,000

 

 

長期借入金

※2 25,000

※2 36,000

 

 

繰延税金負債

5,061

118

 

 

退職給付引当金

8,423

8,369

 

 

製品保証引当金

225

274

 

 

その他

390

326

 

 

固定負債合計

51,101

51,088

 

負債合計

116,112

126,059

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

16,820

16,820

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

13,470

13,470

 

 

 

その他資本剰余金

48

47

 

 

 

資本剰余金合計

13,518

13,517

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

19,730

29,536

 

 

 

利益剰余金合計

19,730

29,536

 

 

自己株式

14

62

 

 

株主資本合計

50,055

59,811

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

7,984

7,501

 

 

評価・換算差額等合計

7,984

7,501

 

純資産合計

58,039

67,312

負債純資産合計

174,152

193,372

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 246,339

※1 304,377

売上原価

※1 233,769

※1 290,398

売上総利益

12,570

13,978

販売費及び一般管理費

※2 13,052

※2 13,442

営業利益又は営業損失(△)

481

536

営業外収益

 

 

 

受取利息及び配当金

※1 6,143

※1 4,695

 

作業くず売却益

486

407

 

為替差益

250

240

 

雑収入

※1 358

※1 403

 

営業外収益合計

7,239

5,747

営業外費用

 

 

 

支払利息

※1 197

※1 189

 

固定資産廃棄損

※3 159

※3 133

 

雑損失

41

127

 

営業外費用合計

398

450

経常利益

6,358

5,833

特別利益

 

 

 

関係会社清算益

88

-

 

投資有価証券売却益

99

2,081

 

特別利益合計

187

2,081

特別損失

 

 

 

関係会社出資金売却損

1,324

-

 

関係会社株式評価損

-

1,442

 

投資有価証券評価損

7

-

 

特別損失合計

1,331

1,442

税引前当期純利益

5,214

6,472

法人税、住民税及び事業税

465

363

法人税等調整額

981

4,593

法人税等合計

515

4,229

当期純利益

5,730

10,701