八千代工業株式会社
(注) 1 国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2 百万円未満を四捨五入して記載しております。
3 希薄化後1株当たり当期利益については、希薄化効果を有する株式が存在しないため記載しておりません。
4 第66期及び第67期の株価収益率については、当期損失であるため記載しておりません。
5 従業員数は、就業人員数を表示しております。
(注) 1 百万円未満を四捨五入して記載しております。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 従業員数は、就業人員数を表示しております。
4 第67期の自己資本利益率、株価収益率及び配当性向については、当期純損失であるため記載しておりません。
5 最高・最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所スタンダード市場におけるものであり、それ以前は東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)におけるものであります。
6 第68期に係る主要な経営指標等については、金型に係る会計方針の変更に伴う影響額を遡及適用した後の数値を記載しております。
7 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を第69期の期首から適用しているため、第69期以降に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。
当グループは、当社、親会社1社及び子会社20社で構成され、その主な事業として、本田技研工業株式会社(親会社)及びそのグループ会社を始めとする国内外の自動車メーカー及び自動車部品メーカー等に対し、自動車部品の製造及び販売を行っております。
当グループにおける主な会社の事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
当社、子会社である合志技研工業株式会社及び株式会社ウエムラテックが自動車部品等を製造し、自動車メーカー及び自動車部品メーカー等に販売しております。
ユー エス ヤチヨ インコーポレーテッド(米国)、ヤチヨ マニュファクチュアリング オブ アメリカ エル エル シー(米国)、エー ワイ マニュファクチュアリング リミテッド(米国)、ヤチヨ ド ブラジル インダストリア エ コメルシオ デ ペサス リミターダ(ブラジル)及びヤチヨ メキシコ マニュファクチュアリング エス エー デ シー ブイ(メキシコ)が自動車部品を製造し、自動車メーカー及び自動車部品メーカー等に販売しております。
八千代工業(中山)有限公司(中国)及び八千代工業(武漢)有限公司(中国)が自動車部品を製造し、自動車メーカー及び自動車部品メーカー等に販売しております。
サイアム ヤチヨ カンパニー リミテッド(タイ)、サイアム ゴウシ マニュファクチュアリング カンパニー リミテッド(タイ)、ゴウシ タンロン オートパーツ カンパニー リミテッド(ベトナム)、ゴウシ インディア オートパーツ プライベート リミテッド(インド)、ヤチヨ インディア マニュファクチュアリング プライベート リミテッド(インド)、ピー ティー ヤチヨ トリミトラ インドネシア(インドネシア)及びゴウシ フィリピン インコーポレーテッド(フィリピン)が自動車部品等を製造し、自動車メーカー及び自動車部品メーカー等に販売しております。
事業の系統図は次のとおりであります。

(注) ※ 連結子会社
(親会社)
(注) 議決権の被所有割合欄の( )内の数字は内数で、間接所有であります。
(連結子会社)
(注) 1 議決権の所有割合欄の( )内の数字は内数で、間接所有であります。
2 間接所有している会社は、合志技研工業株式会社であります。
3 ユー エス ヤチヨ インコーポレーテッド(米国)は、債務超過会社であり、2023年3月末時点で債務超過額は15,822百万円です。
4 間接所有している会社は、ヤチヨ オブ アメリカ インコーポレーテッド(米国)であります。
5 間接所有している会社は、ヤチヨ オブ アメリカ インコーポレーテッド(米国)が99%、ユー エス ヤチヨ インコーポレーテッド(米国)が1%であります。
6 間接所有している会社は、合志技研工業株式会社が0.03%、サイアム ヤチヨ カンパニー リミテッド(タイ)が0.03%であります。
7 間接所有している会社は、ゴウシ フィリピン インコーポレーテッド(フィリピン)であります。
8 ラグナ アソシエ リアルティ インコーポレーテッド(フィリピン)は、当社の持分が100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため連結子会社としております。
9 八千代工業(中山)有限公司(中国)については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。
10 八千代工業(武漢)有限公司(中国)については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。
11 サイアム ゴウシ マニュファクチュアリング カンパニー リミテッド(タイ)については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。
12 ゴウシ タンロン オートパーツ カンパニー リミテッド(ベトナム)については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。
(持分法適用関連会社)
該当事項はありません。
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 従業員数欄の( )内の数字は外数で、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
3 臨時従業員は、再雇用従業員、嘱託契約従業員、パートタイマー、派遣社員であります。
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 従業員数欄の( )内の数字は外数で、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
3 臨時従業員は、再雇用従業員、嘱託契約従業員、パートタイマー、派遣社員であります。
4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
労使関係は安定しており、特記すべき事項はありません。
当社及び合志技研工業株式会社の労働組合の状況は次のとおりであります。
当社及び合志技研工業株式会社の労働組合は、全国本田労働組合連合会に加盟し、全国本田労働組合連合会を通じて全日本自動車産業労働組合総連合会に所属しております。
①提出会社
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 労働者の男女の賃金の差異については、賃金制度・体系において性別による差異はなく、主に男女間の管理職比率及び雇用形態の差異によるものです。
②連結子会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)等の公表義務の対象となる連結子会社を記載しております。
2 管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
3 男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4 男性労働者の育児休業取得率の「-」は育児休業取得の対象となる男性労働者がいないことを示しております。
5 労働者の男女の賃金の差異については、賃金制度・体系において性別による差異はなく、主に男女間の管理職比率及び雇用形態の差異によるものです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは「ヤチヨ企業理念」に基づき、社会が必要とする製品や技術を提供する、ものづくり企業としての責務を誠実に実行していきます。「ヤチヨ企業理念」では、「基本理念」として「人間尊重」と「顧客第一」を掲げています。「人間尊重」は、当社グループの共通目的の実現のために、従業員一人ひとりが互いに個を尊重し、皆で助け合いながら、活き活きとした充実感の中で誠意を尽くして自らの役割を果たすことにあります。そして「顧客第一」は、お客様一人ひとりの期待を超える製品を提供する、という高い志を込めています。当社グループが真に「社会からその存在を認められ、期待される企業」となるためには、「ヤチヨ企業理念」を従業員が常に十分理解した上で、変化していく社会の要求に応えていく必要があると認識しています。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、グローバル市場での着実な成長と適正利益の確保及び企業価値向上に向けて、連結営業利益率を重要な経営指標と位置付けております。
(3) 経営環境
今後の経済状況の見通しにつきましては、国内及び海外ともに景気の持ち直しが続くことが期待されているものの、引き続き、供給面での制約や原材料等の価格高騰による景気の下振れリスク、金融資本市場の変動など不透明な状況が続くと予想されます。当社グループを取り巻く自動車業界においては、半導体の供給不足の影響が長期化しており、需要に対して供給が追い付かない状況が続いております。また、世界的に環境保全の観点と、カーボンニュートラルの対応への期待から、自動車の電動化に対する社会からの関心がさらに高まっています。自動車メーカーは中長期的なEVの販売計画を打ち出し、普及拡大を目指しています。そして、自動車を構成する部品は多くの部品を一つに構成したモジュール化が進んでおり、それらの部品を多くの車種に対応できるよう汎用化し、地域を問わずグローバルで使用する傾向が高まっています。また、自動車業界の枠を越えた電機メーカー、素材メーカー、IT企業などと、自動車関連企業との提携も活発化しています。
当社グループは、これまでの事業の経過、及び先述した「経営方針」と「経営環境」を踏まえ、来たる2030年に向けて将来のありたい姿を、Vision2030「ものづくりの弛まぬ進化でモビリティのキーカンパニーになる」として定めました。その達成に向け、2023年4月からの3カ年は第15次中期(23-25中期)を「変革の仕込みと事業体質の盤石化」の期と位置づけました。当社の事業環境は自動車の電動化などにより、変化すると予想しており、それに対応するため新たな製品、技術の仕込みを推進します。また、前中期で構築した効率的な生産体質、業務効率を向上させた間接領域などの効果をより発揮させ、経営基盤を、さらに盤石なものへと進化させていきます。併せて前中期から取り組んでいる風土改革の実現を目指し、積極的に施策を展開していきます。
中期方針では以下の5つの全社施策を掲げ、一丸となって推進してまいります。
「技術・製品の確立による競争力強化」
今後、当社の事業環境は大きく変化することが予測されます。それに対し樹脂製品ではバックドアをはじめとしたモジュール製品の開発を推進します。そしてそれに付帯する樹脂成形、塗装などについても新たな製造技術の構築を目指します。また将来のエネルギーとして期待される水素については、多様な貯蔵容器をバリエーション展開し、水素社会の実現に向けた準備を進めていきます。併せて、EVを対象とした製品においても新たな魅力、付加価値の高い製品を提案し受注の拡大を目指します。また、新しい客先に対しては要望に応じた品質、要件を十分に満足できる製品の提案を積極的に展開し、販路を拡大していきます。
「さらなる事業基盤の盤石化」
前中期では企業体質として健全な事業基盤を構築することができました。構築できた事業基盤をさらに盤石なものにするためには、生産現場においては仕様や生産工程を見直すことのほか、将来の自動化を見据え生産管理領域における手入力作業のDX化を全拠点で展開し、作業時間を短縮することなどで生産体質の向上を図ります。そして、購買機能をさらに強化し新規部品調達先を開拓することで、競争力の高い製品の実現を目指します。新機種立ち上げ時においては適切な目標原価設定とその実現、間接領域のさらなる効率化など、各領域において徹底的な施策を引き続き実行します。
「品質保証の定着と質の向上」
より高い品質を維持するため、品質保証の「質の向上」を行っていきます。具体的には品質保証プロセスが確実に源流の問題へ辿り着ける改善分析手法などを用い、取引先とも連携を図りながら品質不具合を出荷させない体質の維持向上に取り組んでまいります。また、新機種立ち上げや生産変化においても、変化点管理ミスを防止するため、Iotを活用したシステム構築を行い、多様化する客先要求ニーズにも的確かつタイムリーに応えられるよう、品質保証の盤石化に取り組んでいきます。
「風土改革の実行と人材強化」
今後大きな変化が予測される当社の事業環境への対応を確実なものとするため、全従業員が働く意義や誇りを感じ、今まで以上の力を発揮できる企業風土への改革を実施します。さらに、従業員の立場にあった新しい制度を充実させることで働き方改革を実現させ、魅力ある企業へと変化を遂げていきます。そのほか、従業員が自己の視野を広げることができるよう、業務領域を超えた知識を備えられる研修体制をさらに充実させていきます。このような実務経験と専門研修により、多くの業務、業種に携われる柔軟性の備わったグローバルで活躍できる人材を育成していきます。
「サステナビリティ展開と実践」
当社は、世の中に存在を期待される企業を目指して、SDGsに基づいたサステナビリティ活動を推進します。2050年カーボンニュートラルの実現については、グローバルレベルでの目標値とそれに向けたロードマップに対し、具体的な施策を実行していきます。併せて、廃棄物の排出量の削減をはじめとした環境負荷低減に向けた取り組みを継続して推進していきます。また、地域などとの交流、社会貢献活動を展開し、将来にわたって持続可能な社会の実現に努め、責任を果たしてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断しております。
当社グループは、自動車部品の製造及び販売を行っておりますが、連結売上収益の概ね90%は、当社の親会社である本田技研工業株式会社及びそのグループ会社に依存しております。同社とは継続的かつ安定した取引上の関係にあり、今後さらに同社との取引の拡大に努めるとともに、同社以外への販路の拡大を図っていきますが、同社及びそのグループ会社の生産、販売及び調達動向等により、当社グループの経営成績等に影響を受ける可能性があります。
当社グループは、米州、中国及びアジア地域の在外子会社等で生産活動を行っており、その製品及び部品等の一部の輸出入、資金の貸付及び借入、在外子会社等からの配当金、技術供与先からのロイヤルティ収入等の外貨建て取引があります。為替相場の変動リスクを軽減するために外貨建てによる収入を外貨建てによる支出に充当することや、為替予約によるヘッジなどを行っておりますが、大幅な為替相場の変動によって、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、在外子会社等における現地通貨建ての財務諸表項目は、連結財務諸表の作成時に円換算されており、現地通貨の価値に変動がない場合でも、円換算後の価値が影響を受けます。したがって、為替相場の変動と事業への影響をモニタリングし、適時、経営層に報告しております。
当社グループは、日本のほか米州、中国及びアジア地域で事業を展開しており、連結売上収益の相当の割合を海外が占めています。これらの国及び地域における情勢、規制の変化などは常に注視しており、その変化を察知し柔軟に対応できるような体制を整えています。予期しない法律又は規制の変更、移転価格税制等の国際税務リスク、政治又は経済の変化などにも細心の注意を払っておりますが、何らかの政治的情勢変化があった場合は当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、得意先の品質管理基準に従い、日本のほか米州、中国及びアジア地域の各生産拠点で製品の生産を行っております。全ての製品について品質不具合が発生しないよう、製造工程での作りやすさを考慮し、安定した品質で生産できるような製品仕様を開発段階からの検討、製造工程における製造条件の管理を高い精度で行うといった施策を展開することで、市場品質不具合ゼロに取り組んでおりますが、品質不具合が発生した場合は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 原材料・部品等の調達リスクについて
当社グループが製造している製品の原材料や部品は、複数の供給元から調達しておりますが、一部については、その特殊性から調達先が限定され、特定の調達先に依存しております。当社グループでは、サプライチェーン整備により調達リスクの軽減に努めておりますが、供給逼迫による世界的な品不足や供給元での不慮の事故、倒産等の理由により安定的な調達が困難になった場合、原価の上昇や生産の遅延又は停止等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、日本のほか米州、中国及びアジア地域で事業を展開しており、それらの事業は自然災害、戦争、テロ、ストライキ、パンデミック等の影響を受ける可能性があり、これらの事象が発生した地域においては、原材料や部品の購入、生産、製品の販売などに遅延や停止が生じる可能性があるほか、それ以外の地域へ影響を及ぼす可能性もあります。このような事態が発生した場合、いかに事業を継続できるかといった行動計画を備えておりますが、事態が長引くようであれば、当社グループの事業活動等に影響を及ぼし、ひいては経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
①財政状態及び経営成績の概要
当社グループではVision2030の達成に向け、2020年4月からの3カ年は第14次中期(20-22中期)「さらなる成長の基盤づくり」と位置づけ、生産基盤の安定化、グローバルでのオペレーションの安定化を図ることで事業基盤を盤石なものとするため、次の5つの全社重点施策を掲げ事業を推進してきました。
「競争力強化・ものづくり進化」においては、サンルーフ、樹脂製品、燃料タンクの将来の市場性を考慮し、顧客の要望に合致した仕様の開発を推進し、対他競争力のある技術、商品性の確立、個別の顧客に対する適合開発を推進しました。新製品の開発では、フルドライカーボン製のHonda S660用リアフードを2022年10月に発売しました。他社販売の拡大に向けては中国、インドにおいてモーターショーなどの展示会に出展し、現地の自動車メーカーから興味をいただくなど、今後の発展に向けた感触を得ることができました。そのほか、継続して自動車メーカーに対し積極的な製品プレゼンテーションを実施した結果、タイで現地の二輪車メーカーから塗装部品を受注したほか、インドではサンシェード、米国では鉄板部品などの電着塗装部品を受注しました。また日本国内においてはダイハツ工業様から新たな機種の樹脂製バンパーを受注しました。サンルーフでは競合メーカーに対し競争力のある製品で受注量を拡大しました。
「事業基盤の盤石化」においては、これまで中国地域で生産してきたパノラマサンルーフが北米で需要が拡大したことから、現地での生産を2022年11月から開始しました。これに併せて、構成する樹脂部品の内製化のほか、同一の生産ラインで大きさやタイプの異なる製品を組み立てるようにするなど、生産体質の向上を図りました。樹脂製燃料タンクの生産ラインにおいても、さらなる生産効率の向上施策を多岐に展開したことで、適正な要員配置で生産設備の稼働率が向上し、生産過程における不良率が減少するなど、総合的に生産性が向上しました。間接領域においては業務のさらなる効率化を目指し、RPA(※1)、DX(※2)に対する取り組みを引き続き実施した結果、効果を得ることができました。これらにより当連結会計年度の事業実績は半導体の供給不足等による受注の減少、原材料等の価格高騰などがありましたが、前連結会計年度に対し増収増益となりました。
「品質保証体質の強化」においては不具合を発生させないための、より強固な未然防止策として、開発段階から生産準備段階を意識した製品設計プロセスへと進化させました。また、不具合の発生時においても早急に対応できる体制を整え、客先への生産影響を最小限に抑えることができました。さらに自社にとどまらず、取引先から供給される部品についても品質の向上を図るため、当社の施策が共創できる取り組みを実施しました。これらの活動が大きく寄与し、客先から品質、納入に対する優良表彰を米州および中国の生産拠点でいただくことができました。
「人と組織の活性化・人材強化」においては、企業としての魅力をさらに向上させるため、経営と従業員が直接対話ができる機会を増やしたほか、様々な視点から働く環境の改善を図りました。人と組織の活性化では、風土改革を実現するため、従業員自らが考えたアイデアを具現化するアイデアコンテストや、経営層と従業員との相互理解の改善を図るなどの施策を継続して推進しました。また育休制度の充実など、従業員の働きやすさを考慮した制度を積極的に活用してもらえるような働きかけをしました。そして、海外の生産拠点では従業員の家族を招いた交流イベントを充実させるなど、活性化に向けた施策を展開しました。
「企業価値向上に向けたサステナビリティ展開」においては、ガバナンス強化施策として取締役会機能向上、法令順守体制の強化、情報管理体制の強化に関する各施策を推進しました。また、2050年カーボンニュートラルの取り組みでは目標値を設定し、その達成に向けたロードマップを作成しました。CO2、水、廃棄物の排出量削減については当初の計画通り実施できました。社会貢献活動では、地域の福祉施設と連携し生活用品などを提供する取り組みを実施したほか、海外拠点において地域の学校などへ学用品などを提供しました。
当連結会計年度の売上収益は、依然として半導体供給不足による受注の減少はあったものの、日本及びアジアでの新型コロナウイルス感染症による生産減に伴う受注の減少からの持ち直しや、為替換算上の増収影響などにより、1,882億4千3百万円と前年度に比べ240億1千3百万円、14.6%の増収となりました。利益につきましては、営業利益は、原材料等の価格高騰影響はあったものの、為替換算上の影響などにより、109億4千万円と当社単独で減損損失を計上した前年度に比べ4億2千2百万円、4.0%の増益となりました。税引前利益は、為替差益などにより、123億2千6百万円と前年度に比べ4億1千9百万円、3.5%の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、59億7千1百万円と前年度に比べ8億1千7百万円、15.9%の増益となりました。
(※1)RPA:Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略。PCやクラウド上で動くソフトウェアで、これまで人がPCで行ってきた作業をロボットで自動化すること。
(※2)DX :Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略。デジタル技術を活用し、ビジネス、生活を変革し、より良いものに変化させること。
セグメントの経営成績等は次のとおりであります。
(日本)
日本においては、売上収益は、二輪部品での新型コロナウイルス感染症による生産減に伴う受注の減少からの持ち直しなどにより、266億1千2百万円と前年度に比べ27億4千7百万円、11.5%の増収となりました。税引前利益は、販売費及び一般管理費の増加や原材料等の価格高騰影響はあったものの、受注の増加などにより、12億9千万円と当社単独で減損損失を計上した前年度に比べ1億3千万円、11.2%の増益となりました。
(米州)
米州においては、売上収益は、依然として半導体供給不足による受注の減少はあったものの、ヤチヨ マニュファクチュアリング オブ アメリカ エル エル シー(米国)におけるパノラマサンルーフ新規立ち上げや為替換算上の増収影響などにより、397億6千2百万円と前年度に比べ112億1千4百万円、39.3%の増収となりました。税引前損失は、原材料等の価格高騰影響はあったものの、為替差益やパノラマサンルーフ新規立ち上げによる増益影響などにより、13億2千8百万円と前年度に比べ9億4千4百万円の改善となりました。
(中国)
中国においては、売上収益は、為替換算上の増収影響はあったものの、依然として半導体供給不足による受注の減少や新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う受注の減少などにより、528億5千2百万円と前年度に比べ2億5千4百万円、0.5%の減収となりました。税引前利益は、原価改善効果や為替換算上の影響はあったものの、受注の減少や原材料等の価格高騰影響などにより、85億9千5百万円と前年度に比べ15億7千9百万円、15.5%の減益となりました。
(アジア)
アジアにおいては、売上収益は、新型コロナウイルス感染症による生産減に伴う受注の減少からの持ち直しや、為替換算上の増収影響などにより、690億1千6百万円と前年度に比べ103億6百万円、17.6%の増収となりました。税引前利益は、原材料等の価格高騰影響はあったものの、受注の増加などにより、37億6百万円と前年度に比べ9億4千5百万円、34.2%の増益となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、1,422億9千7百万円と前年度末に比べ9億8千1百万円の減少となりました。減少した要因は、営業債権及びその他の債権が43億3千1百万円増加したものの、現金及び現金同等物が55億7千4百万円、棚卸資産が12億3千4百万円減少したことなどによるものであります。
負債合計は、573億6千万円と前年度末に比べ95億2千万円の減少となりました。減少した要因は、営業債務及びその他の債務が26億3百万円増加したものの、借入金が87億9千3百万円、その他の金融負債が21億5千2百万円減少したことなどによるものであります。
資本合計は、849億3千7百万円と前年度末に比べ85億3千9百万円の増加となりました。増加した要因は、利益剰余金が55億2千5百万円、その他の資本の構成要素が16億4千2百万円増加したことなどによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前利益123億2千6百万円、減価償却費及び償却費83億7千4百万円などはあったものの、短期借入金の純減額69億4千7百万円、法人所得税の支払額59億8千3百万円、有形固定資産の取得による支出47億4千万円などにより、266億7千9百万円となり、前年度末に比べ55億7千4百万円減少しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの前年度に対する増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、税引前利益123億2千6百万円、減価償却費及び償却費83億7千4百万円などはあったものの、法人所得税の支払額59億8千3百万円、営業債権及びその他の債権の増加額35億3千4百万円などにより、前年度に比べ11億3千2百万円減少し、117億7百万円(前年度は128億3千9百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、有形固定資産の取得による支出47億4千万円、定期預金の預入18億3千3百万円などにより、前年度に比べ17億8千3百万円増加し、71億1千6百万円(前年度は53億3千4百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、短期借入金の純減額69億4千7百万円、長期借入金の返済による支出20億円、配当金の支払額15億1千9百万円などにより、前年度に比べ111億2千4百万円増加し、109億8千万円(前年度は1億4千4百万円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、タイホンダマニュファクチュアリングカンパニー・リミテッドは、2022年6月1日付でタイホンダカンパニー・リミテッドに社名変更しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成には、資産、負債、収益及び費用の測定等に関する経営者の見積り及び仮定を含んでおります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3. 重要な会計方針 4. 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の概要」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。
(財務政策)
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。なお、内部留保資金を借入金の返済及び設備資金に充て財務体質の強化を図っております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の概要」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当連結会計年度末における主要な設備の状況は次のとおりであります。
(注) 1 上記中 ( ) 内の数字は外数で、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
2 上記中 < > 内の数字は、連結会社以外へ賃貸中の土地面積(㎡)であります。
3 上記中 [ ] 内の数字は外数で、連結会社以外から賃借中の土地面積(㎡)であります。
4 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含めておりません。
5 帳簿価額の「その他」は、工具、器具及び備品であります。
6 本社は、柏原工場と同一敷地内にあるため、土地面積及び帳簿価額の「土地」は、柏原工場に含めております。
7 帳簿価額は減損損失計上後の金額であります。
(注) 1 上記中 ( ) 内の数字は外数で、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
2 上記中 [ ] 内の数字は外数で、連結会社以外から賃借中の土地面積(㎡)であります。
3 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含めておりません。
4 帳簿価額の「その他」は、工具、器具及び備品であります。
5 帳簿価額は減損損失計上後の金額であります。
6 合志技研工業株式会社の土地・建物等には、株式会社ウエムラテックへの土地・建物等の賃貸物件は含めておりません。
7 合志技研工業株式会社の土地面積には、株式会社ウエムラテックへの土地賃貸物件は含めておりません。
8 株式会社ウエムラテックの土地面積には、合志技研工業株式会社からの土地賃借物件を含めております。
(注) 1 上記中 ( ) 内の数字は外数で、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
2 上記中 [ ] 内の数字は外数で、連結会社以外から賃借中の土地面積(㎡)であります。
3 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含めておりません。
4 帳簿価額の「その他」は、工具、器具及び備品であります。
5 帳簿価額は減損損失計上後の金額であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 額面株式1株を1.1株に分割しております。
(注) 1 自己株式29,446株は「個人その他」の欄に294単元、「単元未満株式の状況」の欄に46株をそれぞれ含めて表示しております。
2 証券保管振替機構名義の株式200株は「その他の法人」の欄に2単元を含めて表示しております。
2023年3月31日現在
(注) 1 所有株式数は、千株未満を切り捨てております。
2 フィデリティ投信株式会社より、以下のとおり大量保有報告書の変更報告書の写しが提出されておりますが、当社としては当期末における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。