東京計器株式会社
TOKYO KEIKI INC.
大田区南蒲田2丁目16番46号
証券コード:77210
業界:精密機器
有価証券報告書の提出日:2023年6月30日

(1) 最近5連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移

 

回次

第88期

第89期

第90期

第91期

第92期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

46,692

47,440

42,081

41,510

44,296

経常利益

(百万円)

2,660

2,011

1,458

1,926

1,687

親会社株主に帰属する
当期純利益

(百万円)

1,936

1,425

945

1,493

873

包括利益

(百万円)

1,476

676

2,695

1,821

581

純資産額

(百万円)

29,481

29,644

31,939

33,348

33,451

総資産額

(百万円)

58,349

54,577

53,546

56,018

56,624

1株当たり純資産額

(円)

1,764.15

1,782.35

1,919.21

2,005.00

2,005.89

1株当たり
当期純利益金額

(円)

117.19

86.76

57.67

91.06

53.16

潜在株式調整後
1株当たり
当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

49.75

53.46

58.74

58.71

58.15

自己資本利益率

(%)

6.79

4.90

3.12

4.64

2.65

株価収益率

(倍)

9.39

8.01

16.37

13.03

22.85

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

1,638

2,915

7,068

2,256

2,829

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

1,135

1,139

928

572

4

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

920

3,456

2,247

1,120

780

現金及び現金同等物の
期末残高

(百万円)

9,397

7,709

11,588

12,208

8,671

従業員数

(名)

1,571

1,660

1,672

1,696

1,676

〔外、平均臨時雇用者数〕

[333]

[232]

[221]

[195]

[214]

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第91期の期首から適用しており、第91期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の最近5事業年度に係る主要な経営指標等の推移

 

回次

第88期

第89期

第90期

第91期

第92期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

41,593

42,476

37,553

36,991

38,851

経常利益

(百万円)

2,072

1,576

1,173

1,690

945

当期純利益

(百万円)

1,647

1,227

881

1,300

452

資本金

(百万円)

7,218

7,218

7,218

7,218

7,218

発行済株式総数

(株)

17,076,439

17,076,439

17,076,439

17,076,439

17,076,439

純資産額

(百万円)

24,009

24,436

25,422

26,526

26,232

総資産額

(百万円)

51,410

47,262

47,173

48,958

49,039

1株当たり純資産額

(円)

1,459.11

1,492.73

1,551.15

1,617.15

1,598.08

1株当たり配当額

(円)

25.0

25.0

25.0

30.0

30.0

(内1株当たり
中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり
当期純利益金額

(円)

99.68

74.73

53.79

79.27

27.52

潜在株式調整後
1株当たり
当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

46.70

51.70

53.89

54.18

53.49

自己資本利益率

(%)

6.99

5.07

3.54

5.00

1.71

株価収益率

(倍)

11.04

9.30

17.55

14.97

44.14

配当性向

(%)

25.08

33.46

46.47

37.85

109.00

従業員数

(名)

1,233

1,304

1,300

1,304

1,306

〔外、平均臨時雇用者数〕

[263]

[187]

[169]

[158]

[171]

株主総利回り

(%)

99.6

66.0

90.3

114.4

119.6

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(95.0)

(85.9)

(122.1)

(124.6)

(131.8)

最高株価

(円)

1,438

1,384

1,049

1,291

1,612

最低株価

(円)

826

577

621

913

1,056

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第91期の期首から適用しており、第91期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

4 株主総利回りの比較指標は、当社の株主総利回りが各事業年度末の株価に配当金を加味した金額を用いていることに鑑み、配当込みTOPIXに変更しております。

 

2 【沿革】

1896年5月

和田計器製作所として創立。わが国で初めて圧力計の製造を開始。

1917年5月

株式会社東京計器製作所に改組。

1917年7月

光学部門を分離して、三菱合資会社との共同出資により日本光学工業株式会社を設立。

1937年3月

航空計器部門を分離して、東京航空計器株式会社を設立。

1948年12月

企業再建整備法に基づき、株式会社東京計器製作所の第二会社株式会社東京計器製造所として設立。

1949年5月

東京証券取引所に株式を上場。

1963年10月

油圧機器の販売会社である東京計器販売株式会社を吸収合併。

1968年5月

従来の職能別組織を改め、営業、技術、製造を舶用機器、油圧機器、工業機器、航空機器、空調機器の5事業部に分割した事業部組織を発足。

1968年8月

油圧機器の量産専門工場として、東京ビッカース株式会社を栃木県佐野市に設立。

1969年12月

電子応用機器、計測器の専門工場として、新東京計器株式会社を栃木県矢板市に設立。

1970年10月

社名を株式会社東京計器と変更。

また、油圧パワーユニット組立専門工場として株式会社東京計器メカニックスを設立し、横浜市鶴見区矢向に工場を開設(1987年に栃木県田沼町(現佐野市)に工場を移転、2008年に東京計器パワーシステム株式会社と社名変更)。

1973年4月

航空機用及び地上用電子機器、精密計器の専門工場として、第一東京計器株式会社を栃木県那須町に設立。

1973年12月

航空製品の部品及び修理契約の代行業務を行うために渋谷区に東京計器アビエーション株式会社を設立(業務拡充に伴い1994年に埼玉県飯能市に移転)。

1979年10月

航空機用電子機器及び精密計器生産工場を、第一東京計器株式会社の敷地内に建設し、操業を開始。

1981年4月

生産体制の充実をはかるため第一東京計器株式会社を吸収合併。また、那須の工場設備を拡充し、これらを統合して新たに那須事業所(現那須工場)を開設。

1982年4月

電子応用機器、計測制御機器の業務拡充に伴い、生産体制を更に充実させるために新東京計器株式会社を吸収合併し、矢板事業所(現矢板工場)を開設。

1984年10月

油圧機器の生産体制の充実をはかるため、東京ビッカース株式会社を吸収合併し、佐野事業所(現佐野工場)を開設。

1987年11月

栃木県田沼町(現佐野市)に油圧応用装置の組立を目的として田沼事業所を開設。

1988年5月

研究開発体制の強化をはかるため、蒲田本社敷地内に研究所・事務所として本社ビルを新築。

1990年9月

社名を株式会社トキメックと変更。

また、本社敷地内にインテリジェントオフィスビルを建設。

1991年4月

埼玉県飯能市に航空機器・特機の研究・技術部門を拡大・強化するための一環として飯能事業所を開設。

1996年4月

事業領域の見直しと「総合力」「機動性」「効率化」を促進するため、従来のマリンシステム、パワーコントロール、計測の各事業部を統合し、新たに「制御システム事業部」を新設。

1997年12月

米国における部品購入のためにロサンゼルスのTECHNOPORT U.S.A., INC.を当社の子会社とし、社名をTOKIMEC U.S.A., INC.(2008年にTOKYO KEIKI U.S.A., INC.と社名変更)に変更。

1998年12月

韓国における油空圧機器販売の合弁会社TOKIMEC KOREA HYDRAULICS CO., LTD.(2004年4月1日にTOKIMEC KOREA POWER CONTROL CO., LTD.と社名変更)を韓国に設立。

2000年3月

本社ビルの土地・建物を売却。

2000年9月

賃貸用不動産の土地・建物を売却。

2001年6月

執行役員制度を導入。

2002年4月

制御システム事業部を第1制御事業部と第2制御事業部に改編。

2008年10月

社名を東京計器株式会社と変更。

2011年7月

中国における営業・サービス拠点として、上海に東涇技器(上海)商貿有限公司を設立。

2012年10月

アジア地域等へ販売する製品の生産拠点として、ベトナムにTOKYO KEIKI PRECISION TECHNOLOGY CO., LTD.を設立。

2013年4月

従来の事業部制を社内カンパニー制に改め、第1制御事業部、第2制御事業部、電子事業部を舶用機器システム、油圧制御システム、計測機器システム、電子システム、検査機器システムの5カンパニーに改編。

2015年4月

電子システムカンパニーを電子システムカンパニーと通信制御システムカンパニーに改編。

2016年6月

監査等委員会設置会社へ移行。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行。

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、子会社9社及び関連会社2社で構成され、船舶港湾機器、油空圧機器、流体機器、防衛・通信機器の製造・販売及び修理を行う各事業並びにその他の事業(検査機器、鉄道機器の製造・販売及び修理等)を主な内容とし、更に各事業に関連する物流、その他サービス等の事業活動を展開しております。

当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

 

船舶港湾機器事業

舶用機器の製造・販売、修理及びサービス部品の販売を当社が行う他、舶用無線の通信料金の精算、設備の保守管理を㈱モコス・ジャパンが、舶用機器・部品の販売、販売斡旋及びアフターサービスを東涇技器(上海)商貿有限公司が行っております。

<主な関係会社>

㈱モコス・ジャパン、東涇技器(上海)商貿有限公司

 

油空圧機器事業

油空圧機器の製造・販売及び修理を当社が行う他、油圧応用装置の製造・販売及び修理を東京計器パワーシステム㈱が、油圧機器及び部品の製造をTOKYO KEIKI PRECISION TECHNOLOGY CO., LTD.が、油圧機器の製造及び油空圧機器の販売を関連会社TOKIMEC KOREA POWER CONTROL CO., LTD.が行っております。

<主な関係会社>

東京計器パワーシステム㈱、TOKYO KEIKI PRECISION TECHNOLOGY CO., LTD.、TOKIMEC KOREA POWER CONTROL CO., LTD.

 

流体機器事業

流体計測機器及び消火設備機器の製造・販売及び修理を当社が行っております。

 

防衛・通信機器事業

防衛関連機器、海上交通システム関連機器、道路及びトンネル用計測・自動制御機器、センサー機器及び通信機器の製造・販売及び修理を当社が行う他、部品の販売及び修理の一部を東京計器アビエーション㈱が行っております。

<主な関係会社>

東京計器アビエーション㈱

 

その他の事業

印刷物等の検査機器の製造・販売を当社が行う他、鉄道用測定機器の製造・販売及び検測業務の請負を東京計器レールテクノ㈱が、舶用・油圧機器及び部品等の販売をTOKYO KEIKI U.S.A., INC.が、当社グループの製品等の荷造・梱包等を東京計器テクノポート㈱がそれぞれ行っております。また、当社グループの情報処理業務、ソフトウェアの開発の一部及びファクタリング業を東京計器インフォメーションシステム㈱が行っております。

<主な関係会社>

東京計器レールテクノ㈱、TOKYO KEIKI U.S.A., INC.、東京計器テクノポート㈱、東京計器インフォメーションシステム㈱

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 


 

子会社及び関連会社は次のとおりであります。

 

連結子会社

 

東京計器アビエーション㈱

航空機及び艦艇に関連する機器及び部品の修理並びに販売、電磁波シールドルームの設計・販売

東京計器パワーシステム㈱

油圧応用装置の製造及び販売

東京計器インフォメーション
システム㈱

情報処理サービス業務、ソフトウェア開発、ファクタリング業

東京計器テクノポート㈱

建物保守管理業、製品梱包業、保険代理業

東京計器レールテクノ㈱

鉄道用測定機器の製造及び販売、鉄道軌道検測業務の請負

㈱モコス・ジャパン

舶用無線の通信料金の精算、設備の保守管理

TOKYO KEIKI U.S.A., INC.

舶用・油圧機器及び部品等の販売

東涇技器(上海)商貿有限公司

舶用機器・部品の販売、販売斡旋及びアフターサービス

TOKYO KEIKI PRECISION
TECHNOLOGY CO., LTD.

油圧機器及び部品の製造

関連会社

 

TOKIMEC KOREA POWER CONTROL
CO., LTD.

油圧機器の製造及び油空圧機器の販売

TOKIMEC KOREA HYDRAULICS(Wuxi)
CO., LTD.

油圧機器の製造及び販売

 

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金又は
出資金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の
所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

東京計器アビエーション㈱

(注2、4)

埼玉県

飯能市

20

防衛・通信機器

100

当社製造製品を販売しております。

なお、当社所有の建物を賃借しております。

役員の兼任等……無

東京計器パワーシステム㈱

東京都

大田区

70

油空圧機器

100

当社製造製品を使用した装置の製造販売をしております。なお、当社所有建物を賃借しております。

役員の兼任等……無

東京計器インフォメーションシステム㈱

東京都

大田区

50

その他

100

当社情報処理サービス業務の受託、当社債務のファクタリングの受託をしております。

役員の兼任等……無

東京計器テクノポート㈱

東京都

大田区

80

その他

100

当社グループの製品等の荷造・梱包等をしております。

役員の兼任等……無

東京計器レールテクノ㈱

東京都

大田区

60

その他

70

当社製造製品を販売しております。

役員の兼任等……無

㈱モコス・ジャパン

神奈川県

横浜市中区

32

船舶港湾機器

100

当社製造製品を販売しております。

役員の兼任等……無

TOKYO KEIKI U.S.A., INC.

米国

カリフォルニア州

50千

米ドル

その他

100

当社製造製品を販売しております。

役員の兼任等……無

東涇技器(上海)商貿有限公司

中国

上海

350千

米ドル

船舶港湾機器

100

当社製造製品を販売及び販売斡旋しております。

役員の兼任等……無

TOKYO KEIKI PRECISION

TECHNOLOGY CO., LTD.

ベトナム

ダナン

8,750千

米ドル

油空圧機器

100

当社製品を製造し、当社へ販売しております。

役員の兼任等……有

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

TOKIMEC KOREA POWER

CONTROL CO., LTD.

韓国

ソウル

1,750百万

ウォン

油空圧機器

34.48

当社製造製品を販売しております。

役員の兼任等……有

その他1社

 

 

 

 

 

 

(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。

2 特定子会社に該当しております。

3 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

4 東京計器アビエーション㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

同社の主要な損益情報等

① 売上高

5,824百万円

 

② 経常利益

85百万円

 

③ 当期純利益

58百万円

 

④ 純資産額

978百万円

 

⑤ 総資産額

3,587百万円

 

 

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

(2023年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(名)

船舶港湾機器事業

224

[37]

油空圧機器事業

468

[67]

流体機器事業

143

[14]

防衛・通信機器事業

506

[64]

その他の事業

119

[16]

全社(共通)

216

[16]

合計

1,676

[214]

 

(注) 1 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 臨時従業員には、パートタイマーを含み、派遣社員を除いております。

 

(2) 提出会社の状況

(2023年3月31日現在)

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,306

[171]

43.5

16.8

6,189

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

船舶港湾機器事業

205

[33]

油空圧機器事業

315

[58]

流体機器事業

143

[14]

防衛・通信機器事業

444

[49]

その他の事業

39

[6]

全社(共通)

160

[11]

合計

1,306

[171]

 

(注) 1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 臨時従業員には、パートタイマーを含み、派遣社員を除いております。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1、2)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注3、4)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1、5)

              1.2

             27.0

全ての労働者      64.1

うち正規労働者    67.7

うち非正規労働者   62.1

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 女性管理職比率の集計対象には当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。

3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

4 男性育児休業取得率、男女の賃金の差異の集計対象には当社から社外への出向者を含み、社外から当社への出向者を除いております。

5 賃金制度上は男女間の差はありませんが、女性に比べ男性の管理職比率が高いこと等が男女の賃金の差異の主な要因となっております。

 

(4) 労働組合の状況

当社グループは正常な労使関係を保っており、特記すべき事項はありません。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

(1) 経営方針

当社グループは、「計測、認識、制御といった人間の感覚の働きをエレクトロニクス等の先端技術で商品化していく事業を核として社会に貢献すること」を経営理念としています。

また、当社グループは自らの発展に止まらず、全社員がその一員であることを誇りに思えるような、社会に広く貢献する質の高い会社を目指しています。このために、当社グループはコーポレート・ガバナンスを充実させ、内部統制体制を適正に整備・運用し、正しい決算を行って財務報告の信頼性を確保していきます。

 


 

(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標

<長期ビジョン>

当社グループは2021年6月10日に、10年先となる2030年を見据えた長期ビジョン「東京計器ビジョン2030」を策定し、開示しました。「東京計器ビジョン2030」では、当社が創業から125周年という節目にあたりこれからの150年、200年に向かって持続的な成長を続けるため、当社グループが2030年にありたい姿を纏めました。

 



 

 

これまで当社は国内のお客様の困りごとに寄り添い、ご期待に沿えるよう励んでまいりました。

その結果、国内市場でいくつものニッチトップ事業を産み出すことができましたが、更なる成長のためには、もっと大きな視点での事業展開が必要であるとの認識に至りました。

今後は、これまで積み重ねた独創技術の有効活用によるイノベーションによって、SDGs(持続可能な開発目標)を切り口とした「グローバルニッチトップ事業」を創出して、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るステージへと転換してまいります。

 

 

今後注力するグローバル市場を対象とする開発では、仕様の違い、適用規格の違い、スピードアップを図るための自前主義に拘らない生産・販売・技術の補完を目的としたM&A等で多額の投資が必要となることを予想しております。これまで強化してきた財務基盤による資金を有効活用しながら、先行して育ちつつある幾つかの成長ドライバーを早期に立ち上げていきます。

そして、収益源として育った成長ドライバーと既存事業の拡大から得られた利益を再投資に回す成長サイクルを構築しながら、新たな成長ドライバーの発掘・育成によって事業規模を拡大していきます。


 

このようなことから10年先の目指す経営指標として、連結売上高 1,000億円以上、連結営業利益率10%以上、自己資本利益率(ROE)10%以上の目標を設定しました。

 

・2030年の予測される社会から5つの事業強化領域を定義

当社グループが予測する2030年の社会は、安全・安心な生活を基盤として、SDGsを共通認識とした低炭素社会をはじめとする環境対応を継続していきます。そこに、新しい技術等により発展していく、AI、IoT、宇宙ビジネスの市場が拡大していくと考えております。これらの社会環境から、当社グループが成長していくために注力すべき事業領域を5つ設定しました。

 


 

 

・現有事業、保有技術を事業強化領域に照らし合わせ、成長ドライバー候補を設定

事業強化領域に、現有事業及び保有技術の関係性を確認し、当社グループが新しく挑戦していく事業の候補を成長ドライバー候補として設定しました。また、既存事業の成長に向けた、各々の深化ポイントを設定しました。

 



 

 

 

<中期事業戦略>

2021年度(2022年3月期)からの3ヶ年中期事業計画の基本方針は、以下の3つの基本方針に基づく成長戦略により、市場のリーダーとして、SDGsにある社会課題の解決に向けて、独自の高付加価値製品を創造し続け、それにより、「安全」と「環境」へ貢献し、収益を伸ばし、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現することで、ステークホルダーの要請と期待に応えていくことであります。

 


 

① 事業領域の拡大

当社グループは、これまで培ってきた有形・無形の様々な経験と強みを生かしながら、社会課題の解決に貢献する特定市場向けの新製品、新事業を創出しトップに育てる“ニッチトップ戦略”を以って、事業領域の持続的な拡大に挑戦していきます。更に、単独製品での事業展開だけでなく複数製品を束ねることで、市場において強靭で存在感ある事業として展開することを目指します。また、新製品・新事業については、イノベーションが猛スピードで起き技術・製品が短命化している中、製品及びサービスの開発期間の短期化、競争環境の激化、研究開発費の高騰等に対応するため、M&Aやオープン&クローズ戦略も活用していきます。

② グローバル化の推進

持続的な成長が期待できる新興国をはじめとした海外市場を、更に開拓して収益を増大させていきます。そのためには、価格競争力を高め、社会課題の解決の視点で市場特性に合い差別化した製品を開発・投入するとともに、販売とサービスのネットワークを更に拡充・強化していきます。

③ 既存事業の継続的強化

社会課題の解決を追求するとともに、顧客要望を満足させるイノベーションによる高付加価値化の実現と業務の高効率化を徹底することで、現有ニッチトップ事業の維持・拡大に注力するとともに、潤沢なキャッシュ・フローを実現することで、持続可能な成長のための基盤となる収益力を向上していきます。そのために、生産・営業・技術・サービス・スタッフの徹底した高効率化を目的とする全社改善活動を、積極的に展開することに加え、IoTを活用したスマートものづくりによる生産効率の改善、多能工化等の付加価値を高める人材育成に取り組んでいきます。

 

加えて、本3ヶ年は2030年の目標を実現すべく、成長ドライバーの発掘、絞込、育成の準備期間としております。

 


 

(3) 経営環境と対処すべき課題

2023年度(2024年3月期)につきましては、エネルギー・原材料価格高騰、日米金利差を背景とした為替変動、ウクライナ情勢や米中対立等の地政学リスクの高まり、インフレと各国の金融引き締め等、不確実な状況が継続すると見込まれます。

このような経営環境の中、次期の見通しにつきましては、過去10年間で最高水準の受注残高や、防衛予算増加を背景として増収を見込んでおります。また、人材投資・研究開発投資を行いつつ、各事業において販売価格の適正化等に取り組むことで増益を見込んでおります。

なお、原材料価格の高騰等が業績に与える影響については、現時点で想定されるものを一定程度織り込んでおります。また、今後、開示すべき事項が生じた場合には速やかに開示いたします。

 

前述の長期ビジョン「東京計器ビジョン2030」を実現するために、2021年度から当期までの3ヶ年は「基盤強化」と「基礎固め」のフェーズと位置付けており、東京証券取引所のプライム市場上場に相応しい企業として、さらなる企業価値向上を目指し、SDGsやESGを起点としたサステナビリティ・環境経営や事業ポートフォリオの全体最適化と持続的成長の実現のためのROIC経営の導入、更に経営判断の迅速化等を目指しDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入等を強力に推進してまいります。加えて、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた東京証券取引所からの要請に対しても、当社グループの対応と開示について今後検討してまいります。

 

<既存事業における課題>

油空圧機器事業においては、競争の激化や原材料価格の高騰等による外部環境の影響を受け、ここ数年は十分な収益を上げられておりませんでした。今後も販売価格の適正化等の短期的な対策を実施するとともに、中長期的には生産体制の再構築、徹底したコストダウン、及び新製品の投入を進めていくことで、安定して収益を得られる事業構造改革を図ってまいります。

防衛・通信機器事業の防衛事業においては、防衛予算拡大による大幅な受注増の可能性があります。これに備え、速やかに生産体制と人員体制の見直しに取り組んでまいります。

 

また、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては、一切の関係遮断を目的として毅然とした態度で対応してまいります。

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループは、以下のリスク管理体制を構築し、推進しております。

(ア) 法務・ガバナンス室は、リスクマネジメント規程に基づき、マネジメントサイクルの徹底に努めるとともに、重大なリスク情報については法務・ガバナンス担当役員が経営会議、取締役会に報告しております。また、当社グループのリスク管理体制、即ち様々なリスクに対する責任部署を明確化し、危機対応に関しては危機管理規程に基づく緊急時における円滑な対応が図られるようにしております。更に当社グループの財務報告の信頼性を担保し、金融商品取引法に規定する内部統制報告書の提出を有効かつ適切に行うため、財務報告に係る内部統制の体制を整備し、その運用を管理しております。

(イ) 内部監査室は、当社グループの企業倫理・活動全般はもとより財務報告に係る内部統制の適正性を監査しております。

 

リスクマネジメントは、“経営上の重大リスク”とそれ以外のリスクに分けて進めております。

・“経営上の重大リスク”は、リスクマネジメント規程に従い法務・ガバナンス室が「経営上の重大リスクと主要な対策」として毎年内容を見直して起案し、法務・ガバナンス担当役員が経営会議・取締役会に付議し承認を得ております。「経営上の重大リスクと主要な対策」に担当部署として記載された各部門・部署・子会社は、「経営上の重大リスクと主要な対策」に記載された“あるべき姿”と“主要対策”を踏まえ、具体的な各対策を「重大リスク対策プログラム」として作成し、毎年年末を目途に法務・ガバナンス室へ提出しております。法務・ガバナンス室は、各担当部署から提出された「重大リスク対策プログラム」の内容を確認し、不備等があれば当該部署に対し改善の指摘を行っております。各部門は、決定されたリスク対策について事業計画に反映するとともに、直ちに実行に移せるものは随時実施しております。

・“経営上の重大リスク”以外のリスク対応は、リスクマネジメント規程に則り、各部門等が「リスク調査票」に従い、自部門に損失をもたらす可能性のあるリスクの発見(洗い出し)作業を行っております。実施に当たっては、自部門の事業目標に対して、規程に記されているリスク分類ごとに調査し、現段階ではリスクに該当していなくても、環境変化に伴い、将来的にリスクとして見込まれるものも列挙することを十分考慮のうえ、進めております。

・各部門は、洗い出したすべてのリスクについての評価・算定を行っております。評価・算定については、リスクごとに“発生頻度”及び“影響度”について評価し、これを掛け合わせ総合評価を行っております。総合評価が一定のポイント以上のリスクについては重要リスクとして所定様式にリスク対策を記載し、法務・ガバナンス室に提出するとともに、自部門の中期事業計画に反映しております。また、直ちに実行に移せるものは随時実施しております。それ以外のリスクは、各部門等の統制(対策、実施、自己評価)のもとに業務効率改善等の一環として推進しております。

・各部門は、前年度に策定したリスク対策の実施状況について、毎期末に評価を行い、その結果を法務・ガバナンス室へ提出しております。

・内部監査室は、「重大リスク対策プログラム」について、独立的立場から評価を行い、必要に応じて内部監査(実査)と是正・改善策の指摘を行っております。

 


リスク管理体制図

以上のようなリスク管理体制の下、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、以下は当社グループの全てのリスクを網羅したものではありません。

 

(1) 内外経済の変動について

①当社グループを取り巻く環境とリスクの認識

当社グループは、国内のみならず、アジア、欧米等の様々な国又は地域に商品を提供しております。従って、これらの国又は地域の市場における経済状況の影響を受けることがあります。例えば船舶港湾機器事業では、国際的な経済状況の変化による商船の需給バランスや海運市況の悪化に伴い、当初予定していた新造船の建造計画や在来船の機器の保守整備・換装予定が延期される、あるいはキャンセルされる等期初に策定した事業計画(販売計画、生産計画等)に影響を及ぼすリスクを内在しております。また、油空圧機器事業では、最終需要家の需要減少により、当社グループの顧客である工作機械や射出成形機等の産業機械メーカーや建設機械メーカーの生産計画が変更されること等により、期初に当該生産計画等を見込んで策定した当社グループの事業計画に影響を及ぼすリスクを内在しております。特に昨今のコロナ禍のような世界的な規模で長期間に亘り感染が拡大した場合や、ロシア・ウクライナ紛争のような長期間に及ぶ地政学的リスクの顕在化は、外出規制や海外渡航規制等による消費活動や物流の停滞、部品・原材料価格の高騰や入手難等により経済の先行きの見通しが立たない状況を生んでおります。このような情勢下での設備投資の抑制等により景気が悪化することで、連鎖的に前述の海運市況や商船需要低迷、産業機械や建設機械の需要低迷、鉄道事業者の事業収入減少による設備投資需要低迷等が当社グループの事業に影響を及ぼすリスクを内在しております。更に急激な為替の変動等、事業計画で想定している以上の経営環境や事業状況の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローが創出できないと判断される場合においては、各事業に関連する対象資産に対する減損処理を行うリスクを内在しております。

②リスクが顕在化したときの当社グループへの影響

このような当社商品に対する顧客や市場の変化、景気の後退、為替レートの変動等その他予測せざる事態の発生、それに伴う需要の縮小等に起因するリスクの顕在化は、当社グループの経営基本方針全般に影響を与え、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの対応

これらのリスクに対応するために、当社グループでは、経営会議にて毎月の受注・売上状況等を通じて主要な市場動向をモニタリングする他、四半期毎に各事業計画の進捗報告を精査し、要すれば経営企画部署である社長室より関係部署へ必要な指示を速やかに出すこと等のマネジメント・システムにより、リスク顕在化の早期把握とそれへの有効かつ迅速な対応を執っております。

 

 

(2) 自然災害・疫病について

①当社グループを取り巻く環境とリスクの認識

当社グループの本社・技術センターは東京都大田区にあり、首都直下型地震等巨大地震の直接的な影響を受けるリスクを内在しております。また、主要工場は栃木県(那須町、矢板市、佐野市)に所在しており、同地域においては巨大地震の直接的な被災リスクは低いといわれております。しかしながら、昨今の気候変動の影響と思われる所謂スーパー台風や爆弾低気圧、線状降水帯の発生等に伴う大規模な風水害に起因する広域災害の発生による電気・水道等の社会インフラの寸断、物流システムの停滞等により、当社グループの事業継続に大きな影響等が生じるリスクを内在しております。更に新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の未知の感染症に当社グループの従業者や協力会社等の従業者が集団感染した場合、当社グループの事業継続に大きな影響等が生じるリスクを内在しております。

②リスクが顕在化したときの当社グループへの影響

このような気候変動に起因すると思われる自然災害の激甚化や未知の疫病の発生に起因するリスクが顕在化した場合は、当社グループの経営基本方針全般に影響を与え、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの対応

このようなリスクに対応するために、当社グループは、地震、風水害等の自然災害の発生時や新型ウイルス等の未知の感染症流行の発生時にも、事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するための危機管理マニュアルの整備、定期的な訓練の実施、社員の安否確認システムの構築、また、有事の際の緊急対策本部の設置等による影響の最小化に努めております。また、当社グループの主要な基幹業務システムは、国内最高レベルの堅牢性・対災害性を誇る高度なデータセンターへ収納しており、発災後も主要な業務システムへのアクセスを可能とし、様々な災害に対するレジリエンシーを確保しております。これらのリスク対策の実施状況は、法務・ガバナンス室及び内部監査室によりチェックし、改善が必要な場合は法務・ガバナンス室より是正要求を出し、その対応結果を内部監査室がフォローアップし、その結果は経営会議に報告されております。このようなマネジメント・システムにより、リスク顕在化の早期把握とそれへの有効かつ迅速な対応を執っております。

 

(3) 新商品の開発について

①当社グループを取り巻く環境とリスクの認識

当社グループは、顧客や市場が満足する高付加価値商品やサービスの開発・市場投入を継続的に行っておりますが、革新的新技術の台頭、顧客や市場要求の変化、新たな法的規制の発生・解除、他社の新規参入等に対して当社グループの予測が適切でなく、技術開発や商品化の遅れ等により、競合商品への対抗や市場の需要に追従できずに、機会損失を生み出すリスクを内在しております。

②リスクが顕在化したときの当社グループへの影響

このような将来の成長と収益性を鈍化させるリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営基本方針の実現、とりわけ事業領域の拡大、既存事業の継続強化の実現に影響を与え、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの対応

これらのリスクに対応するために、当社グループでは技術担当役員を委員長とする開発委員会において、当社の経営戦略に基づく技術戦略の立案、実装を推進するとともに、技術開発や商品開発に関してグループを横断した情報共有を行い、このようなリスク顕在化の早期把握に努めております。また、経営会議において四半期毎に各研究開発・商品開発計画の進捗報告を精査し、要すれば経営企画部署である社長室より関係部署へ必要な指示を速やかに出すこと等のマネジメント・システムにより、リスク顕在化の早期把握とそれへの有効かつ迅速な対応を執っております。

 

 

(4) 商品の品質について

①当社グループを取り巻く環境とリスクの認識

当社グループは、顧客の信頼と満足を目的とした品質管理方針に従って、各種商品の品質や信頼性の確保に努めております。しかし、全ての商品について欠陥が発生せず、将来的にリコール等に伴う商品回収や現地交換・改修作業、またそれに伴う客先からの求償等の損害賠償が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償保険が、最終的に負担しなければならない賠償額を全て償えるという保証はありません。大規模な改修や製造物責任賠償に繋がるような商品の欠陥は、当社グループの信用失墜や多額のコストの発生に繋がるリスクを内在しております。

②リスクが顕在化したときの当社グループへの影響

このような商品の欠陥に起因するリスクの顕在化は、当社グループの経営基本方針全般に影響を与え、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの対応

このようなリスクに対応するために、当社グループは、設計段階における各分野の社内有識者による設計審査を強化し、欠陥発生の未然防止に努めております。また、品質管理を担当する執行役員を選任し当社グループ全体の品質管理の統率を委嘱するとともに、対応する専門の部署として品質統括室を設置しております。当該部署の業務執行状況については、経営会議にて四半期毎に当該部署の取組の進捗報告を精査し、要すれば経営企画部署である社長室より関係部署へ必要な指示を速やかに出すこと等のマネジメント・システムにより、リスク顕在化の早期把握とそれへの有効かつ迅速な対応を執っております。

 

(5) 人材の確保について

①当社グループを取り巻く環境とリスクの認識

当社グループは、研究開発・設計・製造・販売・サービス、その他専門分野に携わる優秀な人材を幅広く採用・育成することで、グローバルな事業活動と事業競争力の維持向上を推進しております。また、主要な事業拠点として研究開発・営業・サービス・本部スタッフが所属する東京都大田区の本社の他、栃木県(那須、矢板、佐野)及びベトナム社会主義共和国(ダナン)に主力生産拠点を擁しております。しかしながら、地方における人口の減少や昨今の少子高齢化の進展等を背景とした新卒学生の減少、物価の上昇に伴う給与・福利厚生等の待遇差別化競争をはじめとした人材の獲得競争が激化しております。更に人材市場の流動化進展により今後従業員の退職等が増加する可能性があります。これらの事情により十分な多様性のある人材の確保及び育成ができず、当社グループの経営基本方針の実現、とりわけ事業領域の拡大やグローバル化の実現に影響を与えるリスクを内在しております。

②リスクが顕在化したときの当社グループへの影響

このような人材の確保に起因するリスクが顕在化した場合、当社グループの競争力の低下につながり、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの対応

このようなリスクに対応するために、当社グループは、将来を見据えた新卒採用と、事業領域の拡大やグローバル化の推進のために必要な即戦力となるキャリア採用をバランスよく、かつ機動的に行っております。特に新卒採用者については、早期離職率の低減を目的として人事総務部によるきめ細かなフォローアップを行っております。更に経営会議にて四半期毎に人材採用部門(人事総務部)における採用活動の取組についての進捗報告を精査し、要すれば経営企画部署である社長室より当該部門へ必要な指示を速やかに出すこと等のマネジメント・システムにより、リスク顕在化の早期把握とそれへの有効かつ迅速な対応を執っております。

 

 

(6) 金利の変動について

①当社グループを取り巻く環境とリスクの認識

当社グループは、棚卸資産の圧縮、売上債権の回収促進等でキャッシュ・フローの改善による有利子負債の削減に取組んでおります。しかしながら、防衛・通信機器事業における防衛省向け商品のように受注から納品・売上計上までの期間が複数事業年度に跨るような場合は、棚卸資産回転期間が長くなる傾向にあります。また、当社納入商品の将来の修理要求に備えるため、当社が他社から購入している電子部品等の生産中止に伴い所謂「まとめ買い」等が発生した場合は、保守用部品在庫量が増え、中期的な在庫資金需要等により借入金が増加する等、特有の事業特性があります。そして止むを得ずまとまった数量の部品購入をしなければならない場合は借入金が通常よりも増加し、金利の著しい上昇の影響を受けやすくなるリスクを内在しております。

②リスクが顕在化したときの当社グループへの影響

このような長短金利の著しい上昇等に起因するリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営基本方針の実現、とりわけ事業領域の拡大やグローバル化の実現に影響を与え、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの対応

このような事業特性に起因するリスクに対応するために、当社グループでは絶えず業界動向に注意し、部品等の購入時期の最適化や老朽化機器の設計変更提案等を含めて対応を図るよう努力しております。また、経営会議にて棚卸資産の増減や資金計画の進捗等の主要な財務情報をモニタリングする他、四半期毎に各事業計画の進捗報告を精査し、要すれば経営企画部署である社長室より関係部署へ必要な指示を速やかに出すこと等のマネジメント・システムにより、リスク顕在化の早期把握とそれへの有効かつ迅速な対応を執っております。

 

(7) 官公庁との取引について

①当社グループを取り巻く環境とリスクの認識

当社グループは、流体機器事業及び防衛・通信機器事業を中心に、直接又は間接的に国土交通省・海上保安庁、農林水産省、防衛省・自衛隊等の省庁や地方自治体等の官公庁と多くの商品納入及び修理に関する取引があります。官公庁の予算規模の縮小に伴う調達方針や予算配分の変更、昨今の想定外の自然災害発生による災害復旧費用や新型コロナウイルス感染症等の疫病対策の増大等により、当初予定していた大型案件の入札延期又は中止、あるいは複数年度に亘り予定していた調達数量が著しく減少する場合は、当社グループの事業計画に影響を及ぼすリスクを内在しております。

②リスクが顕在化したときの当社グループへの影響

このような官公庁との特有な取引に起因するリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営基本方針の実現、とりわけ既存事業の継続強化の実現に影響を与え、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの対応

これらのリスクに対応するために、当社グループでは該当する事業部門において官公庁の動向に関してきめ細かな情報収集を行い、リスク顕在化の早期把握に努めております。また、経営会議にて特に当該取引に関する計画差等の主要な財務情報をモニタリングする他、四半期毎に各事業計画の進捗報告を精査し、要すれば経営企画部署である社長室より関係部署へ必要な指示を速やかに出すこと等のマネジメント・システムにより、リスク顕在化の早期把握とそれへの有効かつ迅速な対応を執っております。

 

 

(8) 競争の激化について

①当社グループを取り巻く環境とリスクの認識

当社グループ各事業の民需市場における競争は大変厳しいものとなっており、今後もこの傾向は継続するものと予想されます。新たな競合先の台頭、競合他社の低価格商品の投入等により、更に価格競争が激化し、当社グループ商品の収益性が著しく低下するリスクを内在しております。更に当初見込んでいた販売計画で想定している以上の著しい事業環境の変化等による収益性の低下で、十分なキャッシュ・フローが創出できないと判断される場合においては、当該事業に関連する対象資産に対する減損処理を行うリスクを内在しております。

②リスクが顕在化したときの当社グループへの影響

このような競争力の低下に起因するリスクの顕在化は、当社グループの経営基本方針の実現、とりわけ既存事業の継続強化の実現に影響を与え、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの対応

このようなリスクに対応するために、当社グループは、高付加価値商品の開発・市場投入に継続的に注力するとともに、競争力を高めるためにトータルコストダウンを最優先課題として取組んでおります。また、経営会議にて四半期毎に各事業部門におけるこれらの取組の進捗報告を精査し、要すれば経営企画部署である社長室より関係部署へ必要な指示を速やかに出すこと等のマネジメント・システムにより、リスク顕在化の早期把握とそれへの有効かつ迅速な対応を執っております。

 

(9) 素材・部品調達について

①当社グループを取り巻く環境とリスクの認識

当社グループは、重要部品をグループ内で製造するよう努める一方で、素材、電子部品、モジュール、ユニット等の多くを外部の供給元に依存しております。これらの素材や部品等の値上げ、製造の中止、需給の逼迫や生産拠点の被災による供給の不足・停止等により、原価の上昇や納期遅延等による当社グループの生産計画への影響等の問題が発生するリスクを内在しております。

②リスクが顕在化したときの当社グループへの影響

このような外部供給元に起因するリスクの顕在化は、当社グループの経営基本方針の実現、とりわけ既存事業の継続強化の実現に影響を与え、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの対応

このようなリスクに対応するために、当社グループは、設計部署と購買部署が協力して安定的な供給が確保できるよう供給元を選定しております。また、経営会議にて四半期毎に各事業部門における取組の進捗報告を精査し、要すれば経営企画部署である社長室より関係部署へ必要な指示を速やかに出すこと等のマネジメント・システムにより、リスク顕在化の早期把握とそれへの有効かつ迅速な対応を執っております。

 

(10) 情報セキュリティ及びシステムダウンについて

①当社グループを取り巻く環境とリスクの認識

当社グループは、事業上の機密情報や事業の過程で入手した重要な営業情報等を保有しております。このような状況において、当社グループの想定を超える大規模なサイバー攻撃や未知のコンピュータウイルスによるゼロデイ攻撃等により、重要データの破壊、改竄、社外流出、重篤なシステムダウン等を引き起こすリスクを内在しております。

②リスクが顕在化したときの当社グループへの影響

これらの情報システムに起因するリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの対応

このようなリスクに対応するために、当社グループは、専門の情報システム管理部署に加えて、グループ横断で対応する情報セキュリティ管理委員会を設置し、これらの情報の取り扱いに関する管理を強化するとともに、情報システムのウイルス感染や外部からのサイバー攻撃によるシステムダウン、社外への情報漏洩に対する対策を講じております。また、経営会議にて四半期毎に情報システム管理部署における業務執行状況を精査し、要すれば経営企画部署である社長室より当該部署へ必要な指示を速やかに出すこと等

のマネジメント・システムにより、リスク顕在化の早期把握とそれへの有効かつ迅速な対応を執っております。

 

(11) 知的財産権について

①当社グループを取り巻く環境とリスクの認識

当社グループは、各事業の優位性を確保するため、開発する商品や技術に関し知的財産権による保護に努めております。しかし、当社グループが保有する知的財産権に対する異議申立がなされたり、無効請求がなされたりするリスクが内在しております。また、当社グループが知的財産権に関し訴訟を提起される、あるいは当社グループが自らの知的財産権を保全するために訴訟を提起しなければならないリスクが内在しております。

②リスクが顕在化したときの当社グループへの影響

このような知的財産権に起因する重大な係争問題が発生するようなリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの対応

このようなリスクに対応するために、当社グループは、知的財産権の管理や従業員への教育等を担当する専門の知的財産管理部署(法務・ガバナンス室)を設置し、適切な知的財産権の管理と効果的な教育等の実施に努めております。また、経営会議にて四半期毎に知的財産管理部署における業務執行状況を精査し、要すれば経営企画部署である社長室より当該部署へ必要な指示を速やかに出すこと等のマネジメント・システムにより、リスク顕在化の早期把握とそれへの有効かつ迅速な対応を執っております。

(12) 退職給付債務について

①当社グループを取り巻く環境とリスクの認識

当社グループの従業員退職給付債務及び費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。しかし、運用実績が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼすリスクを内在しております。

②リスクが顕在化したときの当社グループへの影響

このような割引率の低下や運用利回りの悪化等に起因するリスクの顕在化は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの対応

このようなリスクに対応するために、当社グループは、「確定給付企業年金に係る資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドライン」に従い、「資産運用委員会」を設置しております。資産運用委員会は、運用の基本方針、運用ガイドラインや政策的資産構成割合の策定及び見直しを行い、運用受託機関等の運用・評価結果等を取締役会に定期的に報告しております。また運用受託機関の選定にあたっては、定量評価と定性評価による総合評価を実施しております。このようなマネジメント・システムにより、リスク顕在化の早期把握とそれへの有効かつ迅速な対応を執っております。

 

 

(13) 脱炭素社会への急速な移行について

①当社グループを取り巻く環境とリスクの認識

現在、世界的に脱炭素社会実現目標達成のために、1.5℃目標やRE100達成の要求が強まりつつあり、我が国におきましても、中期的な省エネ・再エネ投資や、再エネ電力への切り替え等が進むものと見込まれております。そのような中、ロシア・ウクライナの紛争等、地域的な紛争の他、脱炭素社会への移行に伴う上流資源開発(石油、石炭、ガス等)の減少や再生可能エネルギーの導入コストの不確実性等の構造的要因により、現在よりも更なる電力料金の高騰、高止まりが続くリスクがあります。また、今後の地政学的リスクの高まりにより、数年間に亘り石油や天然ガス等のエネルギー需給の逼迫が継続し、化石燃料由来電力料金の高騰や、燃料不足による発電所の計画停電等を引き起こすリスクがあります。

一方、現在の当社グループの生産拠点は、油空圧機器事業では製品に使用する金属部材の加工等を行う多数の工作機械を使用している他、防衛・通信機器事業では一部の製品の組立のために24時間運転のクリーンルームを運用しており、前述のリスクの顕在化により電力料金の追加負担や、クリーンルーム運転維持のための自家発電装置の導入による追加費用が必要になる可能性があります。

②リスクが顕在化したときの当社グループへの影響

このような脱炭素社会への急速な移行に起因する電力を主とする電気料金の高騰や計画停電の発生等のエネルギーリスクが顕在化した場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③当社グループの対応

このようなリスクに対応するために、当社グループでは子会社を含めて特に電力使用量の多い工場を中心に、省エネ生産設備機器への中長期的な投資計画の検討を行うとともに、再生可能エネルギー由来電力の契約を推進しております。また、各国のエネルギー需給の見通しや需給アラート等、世界のエネルギー情勢をモニタリングし、当社グループの事業拠点(日本及びベトナム)に関連する各国政府等の方針に従いつつ、事業等への影響を最小化するための対策を講じております。更に、当社グループの重要な顧客の生産拠点の事情も把握し、顧客生産拠点の操業停止等が当社製品生産へ与える影響を検討しております。これらの取り組みに関しては、経営会議にて四半期毎に関係部門の進捗報告を精査し、要すれば経営企画部署である社長室より当該部門へ必要な指示を速やかに出すこと等のマネジメント・システムにより、リスク顕在化の早期把握とそれへの有効かつ迅速な対応を執っております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、中国のゼロコロナ政策の影響があったものの、各国の経済活動の再開が本格化しました。その中で、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格の高騰、各国の金融引き締め等により、景気回復への影響が懸念される状況が継続しました。

我が国経済におきましても、従来から続く半導体等の部品供給不足や原材料価格高騰に加えて、急激な為替変動や、エネルギー価格の急上昇等、先行き不透明な状況が継続しました。

このような経営環境の下、当社グループは、2021年6月に開示した「東京計器ビジョン2030」を実現させるため、中期事業計画の基本方針である「事業領域の拡大」、「グローバル化の推進」、「既存事業の継続的強化」に取り組んでまいりました。

「事業領域の拡大」につきましては、防衛・通信機器事業において、宇宙事業の拡大を図るため、小型衛星の複数機同時生産を可能にする「宇宙棟」(旧称「衛星組立棟」)の建設を開始しました。

「グローバル化の推進」につきましては、船舶港湾機器事業において、新型電子海図情報表示装置(ECDIS)の欧州向けの拡販を強化しました。また、防衛・通信機器事業においては、前期に欧州へ納入した沿岸監視用高分解能半導体レーダーSeaKuの性能仕様値が国際航路標識協会(IALA)の発行するVTS用レーダーの勧告書に記載されることが認められました。これにより、今後海外での販売が一段と進むことが期待されます。更に、その他の事業において、素材検査装置の新製品M-CAP V2をリリースし、需要の旺盛なアジア地域への拡販を強化する等、海外への販売を推進しました。

「既存事業の継続的強化」につきましては、船舶港湾機器事業において、船舶の更なる燃費削減と省人力化の実現を目指し、ナブテスコ社とシステム製品の共同研究開発を開始しました。加えて、機械式ジャイロコンパス及び光ファイバージャイロコンパスの需要増に対応するため、増産のための設備投資を行いました。

このような取り組みの下、当社グループの当連結会計年度における業績につきましては、受注高の大幅増加や円安効果、全社的な販売価格の適正化への継続的な取り組み等の結果、売上高は前期比で増収となりました。一方、原材料価格の高騰、及び製品構成の変化等により原価率が上昇したことに加え、販管費も増加したことから、営業利益、経常利益ともに前期比で減益となりました。上記の他、政策保有株式の縮減により株式売却益662百万円を特別利益に計上したものの、油空圧機器事業において減損損失1,115百万円を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しました。

 

 

     当連結会計年度の業績結果は、次のとおりであります。

                          (単位:百万円)

 

2022年3月

2023年3月

増減額

増減率

売上高

41,510

44,296

+2,786

+6.7%

営業利益

1,635

1,312

△323

△19.8%

経常利益

1,926

1,687

△239

△12.4%

親会社株主に帰属する当期純利益

1,493

873

△621

△41.6%

売上高営業利益率

3.9%

3.0%

△1.0pt

 

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

〔船舶港湾機器事業〕

(単位:百万円)

 

2022年3月

2023年3月

増減額

増減率

売上高

8,700

9,700

+1,000

+11.5%

営業利益

388

565

+177

+45.7%

 

 

<売上高の状況>

 商船市場において、サプライチェーンの混乱による出荷遅れ、換装販売の延期等の影響を受けて売上高が減少しました。一方、海外市場において、東アジアでの新造船向け機器販売や欧米でのOEM製品の販売、保守サービスが好調に推移したことに加え、為替が円安に推移したことから売上高が増加しました。この結果、前期比で増収となりました。

 

<営業利益の状況>

 材料価格の高騰の影響があったものの、売上高の増加や円安効果もあり、前期比で大きく増益となりました。

 

〔油空圧機器事業〕

(単位:百万円)

 

2022年3月

2023年3月

増減額

増減率

売上高

11,526

11,658

+132

+1.1%

営業利益(△損失)

△115

△268

△153

 

 

<売上高の状況>

 海外市場において、ゼロコロナ政策による中国経済の停滞とその影響を受けた韓国・台湾での需要減により販売が減少しました。一方、工作機械市場において、生産性向上やカーボンニュートラルを志向した設備投資が好調に推移したことに加え、建設機械市場においても、国内の公共投資が堅調に推移したこと、及び米国向け建設機械需要増により、販売が増加しました。この結果、前期比で増収となりました。

 

<営業利益の状況>

 販売価格の適正化による利益確保に取り組んでいるものの、原材料価格の高騰、水道光熱費の増加によるコスト増を賄えず、営業損失となりました。

 

 

〔流体機器事業〕

(単位:百万円)

 

2022年3月

2023年3月

増減額

増減率

売上高

4,432

4,452

+20

+0.4%

営業利益

915

527

△388

△42.4%

 

 

<売上高の状況>

 民需市場において大型案件の受注を獲得したものの、官需市場において前期に好調だった下水道及び農業用水向け案件が例年並みに落ち着いたことから、主力の超音波流量計の販売が減少しました。一方、消火設備市場において「ガス系消火設備の容器弁点検の安全性に係る点検」に基づく部品販売及び交換工事が好調に推移しました。この結果、前期比で増収となりました。

 

<営業利益の状況>

 製品構成の変化及び原材料価格の高騰等により原価率が上昇し、前期比で減益となりました。

 

〔防衛・通信機器事業〕

(単位:百万円)

 

2022年3月

2023年3月

増減額

増減率

売上高

13,884

14,765

+881

+6.3%

営業利益(△損失)

312

△94

△406

 

 

<売上高の状況>

 通信機器事業において、トンネル掘削マシン用FOGコンパスや自治体向け地震計用加速度計の販売が増加したものの、放送局向け機器の販売が大きく減少し、前期比で減収となりました。一方、防衛事業において、昨年までの案件の谷間から回復に転じ、戦闘機用レーダー警戒装置等の販売が増加し、前期比で増収となりました。この結果、全体としては、前期比で増収となりました。

 

<営業利益の状況>

 製品構成の変化による原価率の上昇、及び水道光熱費の増加等により、営業損失となりました。

 

〔その他の事業〕

(単位:百万円)

 

2022年3月

2023年3月

増減額

増減率

売上高

2,966

3,718

+752

+25.3%

営業利益

250

675

+425

+170.3%

 

 

<売上高の状況>

 当事業では、検査機器事業において印刷品質検査装置の販売が減少しました。一方、鉄道機器事業において主力の超音波レール探傷車の販売が増加し、過去最高の売上高となりました。この結果、前期比で増収となりました。

 

<営業利益の状況>

 鉄道機器事業において、超音波レール探傷車の販売の増加により過去最高の利益となったことから、前期比で大きく増益となりました。

 

財政状態の状況は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

2022年3月

2023年3月

増減

資産の部合計

56,018

56,624

+605

負債の部合計

22,671

23,172

+502

純資産の部合計

33,348

33,451

+104

自己資本比率

58.7%

58.1%

△0.6pt

 

 

(資産の部)

現金及び預金が大きく減少したものの、増収により受取手形、売掛金及び契約資産や電子記録債権が増加したことに加え、部材の早期確保や受注増加に伴う在庫の積み増しにより原材料及び貯蔵品や仕掛品が増加したことにより、流動資産は前期末に比べ1,713百万円増加し、44,814百万円となりました。

また、油空圧機器事業の事業用資産を減損処理したことにより有形固定資産が大きく減少したのに加え、政策保有株式の一部を売却したことにより投資その他の資産が減少したため、固定資産は前期末に比べ1,107百万円減少し、11,809百万円となりました。

この結果、前期末に比べ605百万円増加し、56,624百万円となりました。

 

(負債の部)

在庫の積み増しにより支払手形及び買掛金が増加したことにより、前期末に比べ502百万円増加し、23,172百万円となりました。

 

(純資産の部)

親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金を計上する一方で、配当金の支払が行われたことにより、前期末に比べ104百万円増加し、33,451百万円となりました。

自己資本比率は、総資産の増加の影響により前期末より0.6pt減少の58.1%となりましたが、引き続き健全な財務基盤を維持しております。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

2022年3月

2023年3月

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,256

△2,829

△5,084

投資活動によるキャッシュ・フロー

△572

4

+576

 フリー・キャッシュ・フロー

1,684

△2,824

△4,508

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,120

△780

+340

現金及び現金同等物の期末残高

12,208

8,671

△3,537

 

 

減価償却費

1,073

1,035

△38

固定資産の取得による支出

△786

△891

△105

 

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は8,671百万円と前期比3,537百万円(29.0%)減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は2,829百万円(前期は2,256百万円の獲得)となりました。その主な要因は、棚卸資産の増加3,158百万円及び売上債権の増加2,044百万円によるものであります。

 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は4百万円(前期は572百万円の使用)となりました。その主な要因は、投資有価証券の売却による収入968百万円、固定資産の取得による支出891百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は780百万円(前期は1,120百万円の使用)となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出288百万円及び配当金の支払492百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

船舶港湾機器事業

8,924

17.4

油空圧機器事業

10,992

1.1

流体機器事業

4,456

0.4

防衛・通信機器事業

14,543

4.9

 報告セグメント計

38,915

5.8

その他の事業

1,917

12.5

合計

40,832

6.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

3 上記生産高の他、各報告セグメントに配分していない全社生産高38百万円があります。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

船舶港湾機器事業

10,516

7.6

4,164

24.4

油空圧機器事業

11,836

△2.4

3,439

5.5

流体機器事業

4,892

7.0

1,593

38.2

防衛・通信機器事業

20,259

34.3

22,269

32.8

 報告セグメント計

47,504

14.3

31,465

28.2

その他の事業

3,771

7.1

1,550

5.6

合計

51,276

13.8

33,015

27.0

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記受注高の他、各報告セグメントに配分していない全社受注高百万円があります。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

船舶港湾機器事業

9,700

11.5

油空圧機器事業

11,658

1.1

流体機器事業

4,452

0.4

防衛・通信機器事業

14,765

6.3

 報告セグメント計

40,574

5.3

その他の事業

3,718

25.3

合計

44,293

6.7

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記販売高の他、各報告セグメントに配分していない全社販売高百万円があります。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

防衛省

5,675

13.7

5,968

13.5

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は受注高の大幅増加や円安効果、全社的な販売価格の適正化への継続的な取り組み等の結果、全ての事業で増収となり、前期に比べ6.7%増収の44,296百万円となりました。

売上原価は、原材料価格の高騰、及び製品構成の変化等により売上原価率が前期に比べ1.7ポイント悪化し33,308百万円となりました。営業利益につきましては、売上高の増加により前期に比べ737百万円増加したものの、原価率の悪化により867百万円減少したこと、販管費の増加により355百万円減少したこと等の結果、前期に比べ19.8%減益の1,312百万円、経常利益は前期に比べ12.4%減益の1,687百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の縮減により株式売却益662百万円を特別利益に計上したものの、油空圧機器事業において減損損失1,115百万円を特別損失に計上したことから、前期に比べ41.6%減益の873百万円となりました。

当社グループが経営指標として掲げております当連結会計年度の連結営業利益率につきましては、前期と比べ1.0ポイント悪化の3.0%となりました。また、自己資本利益率(ROE)につきましては、前期と比べ1.9ポイント悪化の2.7%となりました。ROEは過去3年間では、3.1%、4.6%、2.7%と推移した結果、3年間平均では3.5%となりましたが、5年平均では4.4%となりました。今後につきましては、リスク管理を強化しながら更なる事業収益の改善と財務基盤の強化に注力するとともに、2031年3月期までに連結営業利益率10%、ROEにつきましても株主資本コストを上回る10%以上を安定的に創出することを目指してまいります。

 

当連結会計年度の当社グループの経営成績に重要な影響を与えた要因としては、内外経済の変動、自然災害・疫病や素材・部品調達があります。

素材・部品調達につきましては、油空圧機器事業において、部品入手難や原材料価格の高騰の影響により、営業損失となりました。

 

当社グループは、運転資金及び設備資金を内部資金及び金融機関からの借入金によって調達しており、2023年3月末日現在の連結借入金残高は9,951百万円となっております。財務政策は営業キャッシュ・フローの改善による資本の財源の獲得を最優先事項と考えており、不足分は借入金により資金調達することとしております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

技術受入契約

 

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約期間

東京計器㈱

ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド

米国

F-15機用及びT-4機用航空機器並びにAN/ASN-43ジャイロ磁気コンパス・セット

自 1995年7月1日

至 2020年10月7日

(以後1年毎の自動更新)

イートン・エアロスペース・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー

米国

航空油圧機器

自 1997年3月14日

至 2026年11月30日

 

(注) 上記契約に基づくロイヤルティは売上高の1~10%程度でありますが、一部の契約では一時金として一定額を支払っております。

 

2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社

(2023年3月31日現在)

事業所名

(所在地)

セグメントの

名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数

(名)

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

土地

(面積千㎡)

リース資産

その他

合計

本社

(東京都大田区)

全社的管理業務

研究所・

事務所

41

17

(-)

184

241

507

[34]

那須工場

(栃木県那須町)

防衛・通信機器事業、流体機器事業他

工場・研究所・事務所

1,112

361

286

(122)

269

2,028

337

[42]

矢板工場

(栃木県矢板市)

船舶港湾機器事業他

工場・

事務所

359

205

410

(44)

89

1,063

154

[27]

佐野工場

(栃木県佐野市)

油空圧機器事業

工場・

事務所

65

39

(50)

7

112

189

[39]

田沼事業所

(栃木県佐野市)

油空圧機器事業

工場・

事務所

3

584

(40)

587

21

[10]

飯能事業所

(埼玉県飯能市)

防衛・通信機器事業

事務所・

工場

247

0

533

(3)

18

797

9

[-]

 

 

(2) 在外子会社

(2023年3月31日現在)

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの

名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数

(名)

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

土地

(面積千㎡)

リース資産

その他

合計

TOKYO KEIKI

PRECISION

TECHNOLOGY

CO.,LTD.

(注3)

ベトナム

油空圧機器

事業

生産設備他

176

243

[30]

0

420

80

[1]

 

(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品並びに建設仮勘定の合計であります。

2 従業員数の[ ]は、年間平均臨時従業員数を外書きしております。

3 在外子会社において土地を賃借しております。当連結会計年度における年間賃借料は1百万円であります。

また、賃借している土地の面積については、[ ]で外書きしております。

 

4 上記の他、主要な賃借及びリース設備は次のとおりであります。

提出会社

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

従業員数

(名)

賃借料又は

リース料

本社

(東京都大田区)

全社的管理業務

研究所・事務所

507[34]

年間賃借料

482百万円

営業所

(全国12ヵ所)

船舶港湾機器事業

油空圧機器事業他

事務所

87[14]

年間賃借料

64百万円

 

国内子会社

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの

名称

設備の内容

従業員数

(名)

賃借料又は
リース料

東京計器インフォメーションシステム㈱

東京都江東区

その他の事業

データセンター

-[-]

年間賃借料

5百万円

 

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

50,000,000

50,000,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月30日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

17,076,439

17,076,439

東京証券取引所
プライム市場

単元株式数は100株

17,076,439

17,076,439

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

   該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式

総数増減数

(株)

発行済株式

総数残高

(株)

資本金増減額

(百万円)

資本金残高

(百万円)

資本準備金

増減額

(百万円)

資本準備金

残高

(百万円)

2017年10月1日

(注)

△68,305,757

17,076,439

7,218

 

(注)2017年10月1日付で普通株式5株につき1株の割合で株式併合を行っております。これにより、発行済株式総数は68,305,757株減少し、17,076,439株となっております。

 

 

(5) 【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

(2023年3月31日現在)

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満

株式の状況

(株)

政府及び

地方公共

団体

金融機関

金融商品

取引業者

その他の

法人

外国法人等

個人

その他

個人以外

個人

株主数(名)

21

32

171

63

12

9,746

10,045

所有株式数

(単元)

45,029

3,186

16,375

6,393

35

99,309

170,327

43,739

所有株式数の割合(%)

26.44

1.87

9.61

3.75

0.02

58.30

100.00

 

(注)自己株式662,023株は「個人その他」に6,620単元及び「単元未満株式の状況」に23株を含めて記載してあります。なお、自己株式662,023株は、株主名簿記載上の株式数であり、2023年3月31日現在の実保有残高は661,823株であります。

 

(6) 【大株主の状況】

(2023年3月31日現在)

氏名又は名称

住所

所有株式数
(千株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(注1)

東京都港区浜松町2丁目11番3号

1,259

7.67

東京計器協力会

東京都大田区南蒲田2丁目16番46号

1,190

7.25

東京計器取引先持株会

東京都大田区南蒲田2丁目16番46号

741

4.51

株式会社三井住友銀行

東京都千代田区丸の内1丁目1番2号

653

3.98

東京計器従業員持株会

東京都大田区南蒲田2丁目16番46号

448

2.73

日本生命保険相互会社

東京都千代田区丸の内1丁目6番6号

376

2.29

株式会社横浜銀行

神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目1番1号

373

2.27

株式会社KODENホールディングス

東京都大田区多摩川2丁目13番24号

360

2.19

三菱UFJ信託銀行株式会社

東京都千代田区丸の内1丁目4番5号

339

2.06

山内 正義

千葉県浦安市

327

1.99

6,066

36.94

 

(注)1 上記所有株式のうち、信託業務に係る株式数は次のとおりであります。

日本マスタートラスト信託銀行株式会社1,259千株

2 上記の他、自己株式662千株を保有しておりますが、上位10名の株主からは除外しております。

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

12,244

8,710

 

 

受取手形、売掛金及び契約資産

※1 11,976

※1 13,783

 

 

電子記録債権

3,353

3,598

 

 

商品及び製品

1,866

1,958

 

 

仕掛品

6,958

8,423

 

 

原材料及び貯蔵品

6,155

7,772

 

 

未収入金

245

269

 

 

その他

307

302

 

 

貸倒引当金

1

1

 

 

流動資産合計

43,102

44,814

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物

13,576

13,617

 

 

 

 

減価償却累計額

10,978

※4 △11,621

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

2,598

1,997

 

 

 

機械装置及び運搬具

12,682

12,976

 

 

 

 

減価償却累計額

11,310

※4 △12,050

 

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

1,372

926

 

 

 

工具、器具及び備品

10,800

11,107

 

 

 

 

減価償却累計額

10,161

※4 △10,467

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

638

640

 

 

 

土地

1,873

1,854

 

 

 

建設仮勘定

135

41

 

 

 

有形固定資産合計

6,617

5,458

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

38

42

 

 

 

ソフトウエア仮勘定

45

95

 

 

 

その他

11

0

 

 

 

無形固定資産合計

94

137

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※2 3,956

※2 3,440

 

 

 

繰延税金資産

157

560

 

 

 

差入保証金

515

496

 

 

 

退職給付に係る資産

1,496

1,505

 

 

 

その他

123

268

 

 

 

貸倒引当金

42

54

 

 

 

投資その他の資産合計

6,206

6,215

 

 

固定資産合計

12,916

11,809

 

資産合計

56,018

56,624

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

6,565

6,824

 

 

短期借入金

8,102

9,951

 

 

未払金

417

673

 

 

未払法人税等

440

256

 

 

賞与引当金

1,159

1,145

 

 

株主優待引当金

81

81

 

 

その他

※3 2,266

※3 2,455

 

 

流動負債合計

19,031

21,385

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

2,136

-

 

 

役員退職慰労引当金

70

62

 

 

資産除去債務

788

788

 

 

退職給付に係る負債

563

577

 

 

その他

82

359

 

 

固定負債合計

3,640

1,787

 

負債合計

22,671

23,172

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

7,218

7,218

 

 

資本剰余金

14

17

 

 

利益剰余金

24,152

24,532

 

 

自己株式

675

663

 

 

株主資本合計

30,708

31,104

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

1,246

971

 

 

為替換算調整勘定

37

206

 

 

退職給付に係る調整累計額

897

645

 

 

その他の包括利益累計額合計

2,180

1,822

 

非支配株主持分

460

525

 

純資産合計

33,348

33,451

負債純資産合計

56,018

56,624

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 41,510

※1 44,296

売上原価

※2,※4 30,527

※2,※4 33,308

売上総利益

10,983

10,988

販売費及び一般管理費

※3,※4 9,348

※3,※4 9,676

営業利益

1,635

1,312

営業外収益

 

 

 

受取利息

4

4

 

受取配当金

107

177

 

生命保険配当金

34

34

 

設備賃貸料

10

8

 

持分法による投資利益

84

102

 

補助金収入

43

43

 

為替差益

11

-

 

その他

69

93

 

営業外収益合計

362

461

営業外費用

 

 

 

支払利息

54

52

 

設備賃貸費用

14

15

 

為替差損

-

12

 

その他

3

7

 

営業外費用合計

71

85

経常利益

1,926

1,687

特別利益

 

 

 

投資有価証券売却益

141

662

 

受取保険金

-

29

 

特別利益合計

141

691

特別損失

 

 

 

減損損失

-

※5 1,115

 

固定資産除売却損

※6 87

※6 6

 

火災損失

-

16

 

特別損失合計

87

1,138

税金等調整前当期純利益

1,980

1,240

法人税、住民税及び事業税

486

464

法人税等調整額

18

162

法人税等合計

504

302

当期純利益

1,476

938

非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△)

17

66

親会社株主に帰属する当期純利益

1,493

873

 

1.報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営執行に関する意思決定機関である経営会議が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、カンパニー制を採用しており、各カンパニーは取扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

従って、当社は、カンパニーを基礎とした製品別のセグメントから構成されており、「船舶港湾機器事業」、「油空圧機器事業」、「流体機器事業」及び「防衛・通信機器事業」の4つを報告セグメントとしております。

「船舶港湾機器事業」は、船舶港湾機器の製造・販売・修理を行っております。「油空圧機器事業」は、油空圧機器及び油圧応用装置の製造・販売・修理を行っております。「流体機器事業」は、流体機器の製造・販売・修理を行っております。「防衛・通信機器事業」は、防衛関連機器、海上交通機器、通信機器及びセンサー機器の製造・販売・修理を行っております。

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

8,422

4,852

 

 

受取手形

※1 1,285

※1 892

 

 

電子記録債権

3,210

3,334

 

 

売掛金

※1 9,655

※1 11,455

 

 

商品及び製品

1,721

1,803

 

 

仕掛品

6,387

7,855

 

 

原材料及び貯蔵品

5,745

7,308

 

 

前渡金

91

86

 

 

前払費用

160

164

 

 

関係会社短期貸付金

76

157

 

 

未収入金

340

430

 

 

その他

88

78

 

 

貸倒引当金

1

2

 

 

流動資産合計

37,179

38,413

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

12,265

12,292

 

 

 

 

減価償却累計額

10,045

※2 △10,661

 

 

 

 

建物(純額)

2,220

1,632

 

 

 

構築物

918

928

 

 

 

 

減価償却累計額

784

※2 △801

 

 

 

 

構築物(純額)

134

127

 

 

 

機械及び装置

11,646

11,936

 

 

 

 

減価償却累計額

10,596

※2 △11,259

 

 

 

 

機械及び装置(純額)

1,050

677

 

 

 

車両運搬具

42

43

 

 

 

 

減価償却累計額

38

※2 △43

 

 

 

 

車両運搬具(純額)

4

0

 

 

 

工具、器具及び備品

10,322

10,620

 

 

 

 

減価償却累計額

9,763

※2 △10,048

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

559

572

 

 

 

土地

1,871

1,852

 

 

 

建設仮勘定

134

41

 

 

 

有形固定資産合計

5,972

4,901

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

28

26

 

 

 

ソフトウエア仮勘定

52

117

 

 

 

その他

11

0

 

 

 

無形固定資産合計

91

143

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

2,953

2,260

 

 

 

関係会社株式

608

608

 

 

 

関係会社出資金

882

882

 

 

 

関係会社長期貸付金

190

112

 

 

 

破産更生債権等

7

7

 

 

 

長期前払費用

47

17

 

 

 

前払年金費用

219

589

 

 

 

差入保証金

500

481

 

 

 

繰延税金資産

315

632

 

 

 

その他

22

21

 

 

 

貸倒引当金

26

26

 

 

 

投資その他の資産合計

5,716

5,582

 

 

固定資産合計

11,779

10,626

 

資産合計

48,958

49,039

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形

916

961

 

 

買掛金

※1 6,224

※1 6,639

 

 

短期借入金

8,102

9,951

 

 

未払金

419

594

 

 

未払費用

1,767

1,740

 

 

未払法人税等

416

105

 

 

前受金

183

531

 

 

預り金

288

278

 

 

賞与引当金

1,021

997

 

 

株主優待引当金

81

81

 

 

その他

2

-

 

 

流動負債合計

19,420

21,876

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

2,136

-

 

 

退職給付引当金

13

12

 

 

資産除去債務

788

788

 

 

その他

75

130

 

 

固定負債合計

3,012

930

 

負債合計

22,432

22,807

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

7,218

7,218

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

その他資本剰余金

-

4

 

 

 

資本剰余金合計

-

4

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

578

627

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

18,177

18,088

 

 

 

利益剰余金合計

18,755

18,715

 

 

自己株式

675

663

 

 

株主資本合計

25,299

25,273

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

1,228

959

 

 

評価・換算差額等合計

1,228

959

 

純資産合計

26,526

26,232

負債純資産合計

48,958

49,039

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

 

 

 

製品売上高

36,433

38,320

 

商品売上高

559

532

 

売上高合計

※1 36,991

※1 38,851

売上原価

 

 

 

製品期首棚卸高

662

769

 

商品期首棚卸高

46

137

 

当期製品製造原価

27,318

29,390

 

当期商品仕入高

579

374

 

合計

28,605

30,670

 

製品期末棚卸高

769

679

 

商品期末棚卸高

137

13

 

合計

906

692

 

売上原価合計

27,699

29,978

売上総利益

9,293

8,874

販売費及び一般管理費

 

 

 

荷造運搬費

500

525

 

販売手数料

341

377

 

特許権使用料

78

83

 

役員報酬

101

98

 

退職給付費用

100

96

 

賞与引当金繰入額

518

549

 

給料及び賃金

1,636

1,689

 

福利厚生費

114

115

 

旅費及び交通費

175

267

 

賃借料

328

327

 

事務委託費

375

448

 

減価償却費

43

44

 

貸倒引当金繰入額

1

0

 

株主優待引当金繰入額

70

77

 

研究開発費

2,363

2,331

 

その他

1,402

1,483

 

販売費及び一般管理費合計

8,146

8,509

営業利益

1,146

365

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

営業外収益

 

 

 

受取利息

7

6

 

受取配当金

※1 201

※1 246

 

設備賃貸料

※1 330

※1 328

 

為替差益

9

-

 

その他

183

198

 

営業外収益合計

730

778

営業外費用

 

 

 

支払利息

54

52

 

設備賃貸費用

130

136

 

為替差損

-

4

 

その他

2

6

 

営業外費用合計

187

198

経常利益

1,690

945

特別利益

 

 

 

投資有価証券売却益

141

653

 

受取保険金

-

29

 

特別利益合計

141

682

特別損失

 

 

 

減損損失

-

1,115

 

固定資産除売却損

※2 87

※2 4

 

火災損失

-

16

 

特別損失合計

87

1,136

税引前当期純利益

1,744

491

法人税、住民税及び事業税

394

229

法人税等調整額

51

190

法人税等合計

444

39

当期純利益

1,300

452