株式会社オーバル
(1) 連結経営指標等
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第100期の期首から適用しており、第100期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第100期の期首から適用しており、第100期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 第98期の1株当たり配当額には、中間配当額に1円の創立70周年記念配当額を含んでおります。
3 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
4 最高株価および最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(プライム市場)におけるものであり、それ以前は東京証券取引所(市場第一部)におけるものであります。
当企業グループは当社、子会社12社および関連会社3社で構成され、各種流量計、受信器・分析計および流体制御装置などの計測機器等の製造・販売を主な事業の内容とし、さらに各事業に関連するメンテナンスを行うサービス部門(補修・部品)等の事業活動を展開しております。
なお、当企業グループは、計測機器等の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。そのためセグメント別の記載に代えて事業部門別で記載しております。
当企業グループの事業に係わる位置付けおよび各部門との関連は、次のとおりであります。
センサ部門………工業用計測機器および関連機器の製造・販売
<主な関係会社>
㈱山梨オーバル、㈱宮崎オーバル、OVAL ASIA PACIFIC PTE. LTD.、OVAL TAIWAN CO.,LTD.、
HEFEI OVAL INSTRUMENT CO.,LTD.、HEFEI OVAL AUTOMATION CONTROL SYSTEM CO.,LTD.、
OVAL ENGINEERING INC.、OVAL ENGINEERING SDN. BHD.、OVAL Corporation of America
システム部門……計装および制御・管理装置の製造・販売
<主な関係会社>
OVAL ASIA PACIFIC PTE. LTD.、OVAL ENGINEERING SDN. BHD.
サービス部門……工業用計測機器および装置に関するメンテナンス業務、流量計の検定業務
<主な関係会社>
京浜計測㈱、山陽機器検定㈱
オーバルアシスタンス㈱は、主に当社のセンサ部門およびサービス部門の業務支援を行っております。
事業の系統図は、次のとおりであります。

(注) 1 主要な事業の内容欄には、事業の部門の名称を記載しております。
2 特定子会社であります。
3 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
4 持分は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。
5 関係内容欄における役員の兼任の当社役員には執行役員を含んでおります。
6 2023年1月20日付で京浜計測株式会社の全株式を取得し、新たに連結子会社といたしました。また、2023年4月5日付で20,000千円の増資を行い、資本金は30,000千円となっております。なお、当該増資に伴う当社議決権の所有割合に変更はございません。
当企業グループは、計測機器等の製造・販売事業の単一セグメントであることから、セグメント情報の記載を省略しております。そのためセグメント別の記載に代えて事業部門別で記載しております。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数(当企業グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当企業グループへの出向者を含む。)であります。
2 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業の部門に区分できない販売および管理部門に所属している人員数であります。
3 従業員数の(外書)は、臨時従業員(派遣社員を除く契約社員)の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。
2 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業の部門に区分できない販売および管理部門に所属している人員数であります。
3 従業員数の(外書)は、臨時従業員(派遣社員を除く契約社員)の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
4 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
当企業グループには、労働組合はありません。ただし当社は創業以来、労働組合に代わる従業員団体として「オーバル協助会」があり、徹底した労使協議制を採っております。オーバル協助会(会員数312名)は会員相互の地位向上を図ると共に会員の総意を会社に反映させるため、会社との間に、相互信頼に基づく「協力基本協定」を締結し、さらに「経営協議会規程」を定め、この協議会を通して経営参加を行っております。
なお、これら協定、規程は創業以来会社、協助会において忠実に守られ、今日まで極めて民主的かつ円満に運営されております。
① 提出会社
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもので
あります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定
に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年
労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
② 連結子会社
連結子会社は、いずれの会社も、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号。以下、「女性活躍推進法」という。)の規定により当事業年度における管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異の公表を行わなければならない会社に該当しないため、当事業年度における管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異の開示を省略しております。また、連結子会社は、いずれの会社も、女性活躍推進法または「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号。)の規程により当事業年度における男性労働者の育児休業取得率の公表を行わなければならない会社に該当しないため、当事業年度における男性労働者の育児休業取得率の開示を省略しております。
本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
『確かな計測技術で、 新たな価値を創造し、 豊かな社会の実現に貢献します。』
“確かな計測技術で”
-「流体計測技術」から将来を見据えた新たなビジネス拡大の可能性として、「計測技術」まで事業領域を拡大
“新たな価値を創造”
-お客様に付加価値の高いセンサ・ソリューション、そしてサービスを提供
“豊かな社会の実現に貢献”
-地球温暖化問題への取り組み。カーボンニュートラル、水素、アンモニア、メタネーションなどへの関連商品
を提供し、再生エネルギーのサプライチェーンに貢献
-SDGsの17の目標:「産業界のマザーツール」メーカーとして、商品を通して社会の営み、あらゆる産業を下支
え
当企業グループは、企業活動を通じて、これまで培ってきた技術をより一層深化させることにより、持続的な社会の実現に貢献する商品およびサービスを提供し、中長期経営ビジョンの「アジアNO.1のセンシング・ソリューション・カンパニー」を目指し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組んでおります。
(2) 目標とする経営指標
企業グループの存続と企業体質の改善を目指し、グループの競争力・企業価値・資本効率の向上を図るため、ROEについては10.0%達成を目指しております。
(3) 経営環境および対処すべき課題
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症対策と経済活動の両立が進展する中、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格の高騰、欧米におけるインフレ加速に伴う金融引き締め、中国での新型コロナウイルス感染症再拡大などにより、緩やかに減速傾向で推移いたしました。わが国経済においては、政府による行動制限の緩和により社会経済活動の正常化が進展したものの、急激な為替相場の変動やウクライナ情勢の長期化の影響による資源価格やエネルギー価格の高騰や部材の供給不足などが経済活動を鈍化させ、景気の先行きについては、予断を許さない状況が続いております。
このような経営環境のもと、当企業グループは「中期経営計画『Imagination 2025』」において、経営理念“確かな計測技術で、新たな価値を創造し、豊かな社会の実現に貢献します。”に基づき、企業活動を通じて、これまで培ってきた技術をより一層深化させることにより、持続的な社会の実現に貢献する商品およびサービスを提供するとともに、アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニーを目指し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組んでおります。具体的には、事業環境の変化を的確に捉え、『既存事業の変革』と社会の課題を解決するための『イノベーション』を実現し、企業価値を高める戦略である「成長戦略」と現在の経営基盤の見直しや改善と時代の変化に即した新しい組織・運用の導入により、強靭で社会から信頼される経営基盤を構築する戦略である「経営基盤強化戦略」を二本の柱とし、現在の経営基盤の見直しや改善により、強靭で社会から信頼される経営基盤の構築も目指し、次の課題に取り組んでおります。
当企業グループは、創業より石油関連市場を主要な取引先の一つとしておりますが、同市場については、エネルギーの脱炭素化や業界再編などにより市場縮小、需要減、さらに、近年では新型コロナウイルス感染症拡大による影響も加わって、厳しい経営環境を迎えております。この状況を打開するためには、より抜本的な構造改革が必要であり、その決意のもと、2022年3月に「中期経営計画『Imagination 2025』」を策定し、中長期経営ビジョン「アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニーへ」を目標に掲げ、2032年3月期には売上高200億円、経常利益 20.5億円、ROE10%の達成を目指しております。その目標の達成には、石油関連市場への依存からの脱却は避けては通れない課題であり、解決するには、収益基盤の多角化が必須であることより、以下3つの課題を中心に当企業グループは総力をあげて取り組んでまいります。
従来からの二次電池製造プラント用の流量計や水素ディスペンサー用の流量計などの商品の販売に引き続き注力していくほか、さらに石油関連市場から水素エネルギーや燃料アンモニアなどCO2フリーの次世代エネルギー市場や再生可能エネルギー市場にリソースを傾注し、関連商品とサービスの開発および市場参入に注力してまいります。次世代エネルギーのサプライチェーンの進化の一翼を担い新たなビジネスチャンスとするとともに、気候変動など持続可能な社会にも貢献してまいります。
また、従来型の営業から幅を広げ、BtoBビジネスの購買プロセスが複雑化してきていることを活用した、電話やメール、Web会議などにより徐々に見込み顧客(リード)をナーチャリング(購買意識の醸成)するインサイドセールスも展開し、新たな営業スタイルでの新規顧客の獲得にも取り組んでまいります。
ロ 新事業への参入
当企業グループがこれまで培ってきた技術を派生させた新たな商品の開発に取り組むほか、エンジニアリングや生産の受託など、当企業グループが保有する技術・ノウハウを関連分野で活用し、新規事業を社内で立ち上げる取り組みも進めております。また、並行して既存事業の関連分野の企業や事業を買収(M&A)するなど、新たなビジネスや利益創出へとつなげることも目指しております。
ハ アジア事業の拡大
当企業グループは、海外事業はリスク管理および経営資源の選択と集中の観点から、中国・韓国・台湾などの東アジア地区、およびシンガポールなどのASEAN地区を重点地域として、各地域の特性に応じたグローバル事業展開を進めております。これらアジアの経済発展は今後も進み、マーケットが成長していくことが予想されます。これに対応するため、アジア各子会社・各代理店における販売チャネルを拡大し強化するとともに、各子会社・各代理店が相互連携および情報共有を密に行い、グループ一体となり受注の拡大に努めてまいります。特に中国子会社においては日本本社と同様にアジア事業の中核となるべく、積極的に経営資源を投下することとし、製造・販売・技術の一体体制を構築することで、アジアでの事業基盤の拡大と成長戦略を推し進めてまいります。
② SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み
当企業グループは、SDGsの17の目標の中で、次世代に豊かな自然を継承できるよう、関連商品の製造・販売など「ⅰ事業活動・ビジネスを通した環境問題への貢献」と事業で使用した資源の再利用や二酸化炭素や有害化学物質の排出量の削減など「ⅱ事業者自身としての環境問題への貢献」の2点を目標として取り組んでおります。
製品の開発・設計段階から「環境負荷の低減」および「環境汚染の未然防止」を配慮したアセスメント(事前評価)を行い、製品がお客様への納品から廃棄に至るまでの各過程において、環境に配慮した設計になっていることの検証を行っております。また、二次電池の製造プラント関連商品、燃料電池自動車の水素充填関連商品、超高圧燃料噴射のディーゼルエンジン関連商品などの環境問題に貢献する流体関連商品の開発およびスチーム、圧縮空気、冷却水などの各種省エネ管理用流体関連商品など様々な環境貢献商品の開発に取り組んでおります。
全拠点で電力やガスの使用量の管理、社用車の燃費管理を行なうとともに、生産拠点の横浜事業所では、生産設備の効率的運用に努めているほか、夏冬の冷暖房時期の電力使用量平準化を目的に、冷房については深夜電力を利用したエコアイスを使用し、暖房については上記に加え、天然ガスを燃料とした温水ボイラーを使用することで、二酸化炭素の排出量の削減に取り組んでおります。
③ 当企業グループの成長を支えるベースづくり
当企業グループの成長や変革の実現には、そのベースとなる人財の育成が不可欠であります。そのため、当企業グループでは、女性、外国人、キャリア採用者などを含む多様な人財活躍、教育制度の充実、健康経営に取り組むとともに、過重労働を防止し、従業員一人一人が快適でかつ働きがいをもって生き生きと働ける職場環境を整備してまいります。また、コロナ禍で生まれた新しい生活様式をふまえた働き方改革を推進し、今後も引き続きテレワークなどの「働き方の新しいスタイル」の更なる実現に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものです。
(1) 経済状況
当企業グループの業績は、景気変動の影響を受ける傾向にあります。景気変動に伴う顧客の設備投資額の減少や経費削減は、当企業グループの業績に影響をおよぼす可能性があります。
(2) 為替相場の変動
当企業グループは外貨建取引を行っているため、ヘッジ方針に従って為替相場の変動リスクを一定の範囲内でヘッジしておりますが、為替相場の変動による影響をすべて回避するものではなく、大きな為替相場の変動があった場合には、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。
(3) 新製品開発力
エレクトロニクスの進展に係る商品について、急速な技術の変化や顧客ニーズの変化を特徴としております。当企業グループでは、品質・価格・納期で競争優位性を維持できるように、また、市場を先取りした機能を提案できるよう顧客ニーズの把握により新商品の開発に努めております。しかし、技術の変化や顧客ニーズの変化に適切に対応できなかった場合や、新商品の開発に要する期間が長期化した場合には、成長性や収益性を低下させ当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。
(4) 価格競争
当企業グループは事業を展開する多くの市場において、同種の商品を供給する競合会社が存在し厳しい価格競争を迫られております。そのため、競合において常に有利な価格決定を行うことは困難な状況にあります。
当企業グループは高品質な商品を市場へ投入できるリーディングカンパニーと自負しておりますが、価格において常に競争優位を維持できる保証はなく、商品・サービスが厳しい価格競争にさらされ当企業グループの収益と財務状況に影響をおよぼす可能性があります。
(5) 国際的活動および海外進出に潜在するリスク
当企業グループでは、中国をはじめとするアジア地域、中近東、北米、欧州等、海外への事業展開を積極的に展開しております。海外の事業展開では、①法律や税制上の諸規制の変更、②未整備な社会制度・社会基盤、③諸外国間の貿易摩擦、④諸外国間の戦争や紛争、⑤その他の経済的、社会的、政治的な事情等に起因する障害など顕在化するリスクが内在し、これらの問題が発生した場合、海外における事業展開に支障をきたし当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。
(6) 人財の確保や育成
当企業グループの将来と成長は有能な人財に大きく依存するため、新たな人財の確保と育成は当企業グループには不可欠な要素であります。労働人口減少の影響を受けて、人財の確保と育成ができなかった場合には、当企業グループの将来の成長、業績と財務状況に影響をおよぼす可能性があります。また、最新技術・ノウハウを持つ有能な人財の採用や既存従業員の再研修には、採用や研修のコストと人件費を押し上げる可能性がありますが、これらのコストの増加は当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。
(7) 知的財産保護の限界
当企業グループは競争優位性を維持できるよう、差別化された技術とノウハウを蓄積し知的財産の保護に努めております。しかし、当企業グループの保有する当該権利が第三者に侵害された場合や、当企業グループが第三者の保有する当該権利を侵害したとされる場合において、訴訟となり、当企業グループの知的財産が権利として認められない可能性もあります。こうした知的財産の保護が大きく損なわれた場合は、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。
(8) 製品の欠陥
当企業グループは日本国内および事業展開する各国に認められた品質管理基準に従って各種の製品を製造しておりますが、将来にわたり全ての製品に欠陥がなく、製造物責任賠償請求およびリコールが発生しないという保証はありません。当企業グループは製造物責任賠償請求について保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額全てを賄えるという保証はありません。従って、製品の欠陥が当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。
(9) 公的規制
当企業グループは日本国内のみならず、事業展開する各国において、事業・投資の許認可、国家安全保障による輸出制限、独占禁止、通商、為替、租税、特許、環境等、さまざまな公的規制を受けております。また、当企業グループが製造販売する製品の一部は計量法の規制の対象となっております。これらの公的規制の遵守に努めておりますが、将来、コストの増加につながるような公的規制や事業の継続に影響をおよぼす公的規制が課せられた場合、計量法の規制の対象となる製品である特定計量器の型式承認に関する取得遅延・失効等の場合は、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。
(10) 自然災害等による影響
当企業グループが事業活動を展開する国や地域において、地震や風水災害、火災および噴火などの自然災害が発生し、生産や営業などの業務停止、またサプライチェーンの混乱が生じた場合、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。
(11) 情報セキュリティに関するリスク
当企業グループが事業活動を通して入手した個人情報や機密情報などについて、予期せぬ事態により情報が流出した場合、また、それを悪用された場合には、賠償責任を課されるリスクや企業価値を低下させるリスク等があり、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。
(12) 退職給付債務
当企業グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて算出されております。前提条件が変更された場合や実際の結果が前提条件と異なる場合は、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。
(13) 訴訟のリスク
当企業グループは各種関係法令を遵守し、また従業員がコンプライアンスを理解し、実践することに努めております。しかしながら、国内外を問わず訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。
(14) 合弁事業・提携・買収などに関わるリスク
当企業グループは国内外を問わず合弁事業や業務提携、また事業買収や事業投資を実施する場合があります。実施にあたっては、収益性やリスクおよび回収可能性を十分に評価しておりますが、必ずしも確実に予期したとおりの成果が得られるという保証があるわけではなく、事業環境の急変などにより、投資資金の回収ができない場合やのれんに減損損失が発生した場合、当企業グループの業績や財務状況に影響をおよぼす可能性があります。
(15) 新型コロナウイルス感染症の影響リスク
当連結会計年度末時点で入手可能な情報などを踏まえて、新型コロナウイルス感染症の影響から経済は回復し、当企業グループにおける影響も軽微となりましたが、完全に収束する時期は不透明であり、軽微ながらもその影響は継続すると見込まれております。今後、再び感染が拡大すれば、当企業グループの事業に悪影響を与える可能性があり、石油関連プロジェクトの中止や延期、設備投資予算の圧縮または先送り、また、原材料費の高騰や輸送コストの上昇が考えられ、その結果、受注高・売上高・利益が減少すれば、当企業グループの財政状態および業績に影響をおよぼす可能性があります。
当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ679百万円増加し、22,365百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ788百万円増加し、11,534百万円となりました。これは主に、現金及び預金が267百万円減少しましたが、電子記録債権が208百万円、売掛金が407百万円、棚卸資産が396百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末に比べ109百万円減少し、10,830百万円となりました。これは主に、建物及び構築物が121百万円増加しましたが、機械装置及び運搬具が114百万円、ソフトウェアが49百万円、のれんが60百万円それぞれ減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ88百万円減少し、8,082百万円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ217百万円増加し、3,993百万円となりました。これは主に、未払金が199百万円減少しましたが、支払手形及び買掛金が93百万円、短期借入金が116百万円、未払法人税等が80百万円、賞与引当金が112百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は305百万円減少し、4,089百万円となりました。これは主に、資産除去債務が120百万円増加しましたが、長期借入金が363百万円、退職給付に係る負債が63百万円それぞれ減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ768百万円増加し、14,282百万円となりました。これは主に、利益剰余金が492百万円、為替換算調整勘定が132百万円それぞれ増加したことによるものであります。
システム部門は前連結会計年度比5.0%減だったものの、センサ部門が前連結会計年度比9.1%増、サービス部門が前連結会計年度比2.9%増と上回ったことにより、全体の受注高は13,828百万円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。
センサ部門(同23.0%増)、システム部門(同24.7%増)、サービス部門(同5.4%増)と全ての部門で前連結会計年度を上回ったことにより、全体の売上高は13,312百万円(同19.5%増)となりました。
売上高の増加に伴い、固定費(人件費、生産設備維持費など)の比率が下がったことにより、売上原価率が60.4%と前連結会計年度と比較し3.0ポイント改善しました。その結果、当連結会計年度の売上総利益は、5,277百万円(同29.2%増)と前連結会計年度を大きく上回りました。
売上総利益と同様に売上高の増加に伴い固定費(人件費など)の比率が下がったことにより、売上高に対する販売費及び一般管理費比率は31.3%と前連結会計年度と比較し2.8ポイント改善し、販売費及び一般管理費は4,172百万円(同9.6%増)となりました。
売上高の増加による売上総利益の増加により、当連結会計年度の営業利益は1,105百万円(同299.1%増)となりました。
当連結会計年度の営業外収益は199百万円(前連結会計年度は248百万円)であり、主な内容は本社ビルなどの受取賃貸料77百万円と為替差益32百万円であります。営業外費用は76百万円(前連結会計年度は56百万円)であり、主な内容は賃貸収入原価46百万円であります。その結果、経常利益は1,228百万円(同161.5%増)となりました。
当連結会計年度の特別利益は7百万円(前連結会計年度は84百万円)であり、主な内容は投資有価証券売却益の4百万円であります。特別損失は215百万円(前連結会計年度は45百万円)であり、主な内容はAnton Paar GmbHによる当社の株券等を対象とする大規模買付行為等に関する対応その他の株主対応等にかかるアドバイザリー費用204百万円であります。
税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ510百万円増加(前連結会計年度比100.3%増)し、1,020百万円となりました。また、税効果会計適用後の法人税等負担額は前連結会計年度に比べ118百万円増加(同54.1%増)し、338百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ28百万円増加(同780.0%増)し、32百万円となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ363百万円増加(同127.0%増)し、649百万円となりました。
事業部門別の業績は以下のとおりであります。
受注高は、国内については石油関連業界向けの需要が縮小傾向にありますが、半導体関連業界向けが前連結会計年度に引き続き高水準で推移したこと、化学関連業界向けが素材市場向けなどを中心に好調に推移したこと、また、海外については中国、韓国が電気自動車用をはじめとする電池関連業界向けが好調だったことなどにより、9,769百万円(前連結会計年度比9.1%増)となりました。売上高も受注高同様に、国内の化学関連業界向けや海外の中国、韓国の電池関連業界向けが好調に推移しましたが、さらに受注が高水準で推移している半導体関連業界向けの出荷が前連結会計年度より増加したことなどにより、9,237百万円(同23.0%増)と前連結会計年度を大きく上回りました。
国内システム案件は、受注高は石油関連業界向けおよび官公庁向けが低迷しておりますが、売上高は、前連結会計年度に受注した案件の出荷などにより前連結会計年度より微増となりました。海外システム案件は、東南アジア地域における新型コロナウイルス感染症の影響からの落ち込みが前連結会計年度で底打ちとなり、当連結会計年度は徐々に回復し、受注高、売上高共に前連結会計年度より増加となりました。
その結果、全体の受注高は1,586百万円(同5.0%減)、売上高は1,583百万円(同24.7%増)となりました。
主要顧客の石油関連業界は、業界再編、脱炭素社会に向けたエネルギーの置換などにより市場環境は厳しい状況が継続しているなかで、保全計画サポートサービスなど地道できめの細かいメンテナンス活動に注力してまいりました。また、JCSS(計量法校正事業者登録制度)校正事業、他社製流量計の校正やメンテナンスの拡販を展開し、収益の拡大に取り組んでまいりました。その結果、受注高は2,472百万円(同2.9%増)、売上高は2,491百万円(同5.4%増)と前連結会計年度を若干上回りました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ226百万円減少し、2,963百万円となりました。
営業活動の結果、得られた資金は617百万円(前連結会計年度は1,227百万円の収入)となりました。これは主に、売上債権及び契約資産の増加額499百万円、棚卸資産の増加額366百万円、アドバイザリー費用の支払額204百万円により資金が減少した一方で、税金等調整前当期純利益1,020百万円、減価償却費612百万円により資金が増加したためであります。
投資活動の結果、支出した資金は379百万円(前連結会計年度は113百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入317百万円により資金が増加した一方で、有形固定資産の取得による支出369百万円、定期預金の預入による支出258百万円により資金が減少したためであります。
財務活動の結果、支出した資金は574百万円(前連結会計年度は1,527百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入200百万円により資金が増加した一方で、長期借入金の返済による支出582百万円、配当金の支払額156百万円により資金が減少したためであります。
当連結会計年度における生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注状況を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略
しております。
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものです。
当企業グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末において、2,202百万円の有利子負債残高があります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,963百万円であり、新商品の開発に向けた研究開発費や今後の新規事業への展開、さらに生産効率向上を目的とした製造設備等への投資に充当してまいります。
なお、当社は、資金確保を目的として、金融機関との間で当座貸越契約2,290百万円の契約を締結しております。
『確かな計測技術で、新たな価値を創造し、豊かな社会の実現に貢献します。』の経営理念のもと、当企業グループは、中期経営計画「Imagination 2025」を2022年4月より始動いたしました。この計画においては、中長期経営ビジョンの「アジアNO.1のセンシング・ソリューション・カンパニー」の実現に向けた構造改革を推進し、成長戦略として「センサ事業成長戦略」「サービス事業成長戦略」「システム事業成長戦略」「新規事業創出戦略」、経営基盤強化戦略として「製造BCL戦略」「人事財務強化戦略」「DX推進戦略」「サステナビリティ推進戦略」の8つの戦略を掲げ、既存事業の変革と社会の課題を解決するイノベーションの実現を目指し、各戦略を推進、実行してまいりました。その結果、初年度の2023年3月期は売上高133億円、経常利益12.2億円、親会社株主に帰属する当期純利益6.4億円、ROE4.8%となり、いずれも2025年3月期の計画を上回る進度で好調に進捗いたしました。よって、これまで取り組んできた施策は中長期的な企業価値の向上に一定の成果はあったものと認識しており、現行の取り組みを一層強化し今後も進めてまいることといたします。
また、中長期経営ビジョンにおいては、2032年3月期には、売上高200億円、経常利益20.5億円、親会社株主に帰属する当期純利益は12.8億円を計画しており、少しでも前倒ししてこの目標を達成できるよう、当企業グループの総力を挙げて、今後も取り組んでまいります。
当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響をおよぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」をご参照ください。
イ 棚卸資産の評価
商品及び製品ならびに仕掛品は、取得原価で評価しておりますが、正味売却価額が取得原価より低下しているときには、取得原価を正味売却価額まで切り下げております。正味売却価額の見積りには、将来の追加製造原価および販売直接経費の予測が必要となりますが、その見積りには不確実性を伴い、実際の結果が見積りと異なる場合には、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
繰延税金資産の計上にあたっては、将来の税金負担額を軽減する効果を有するか回収可能性を判断しております。この判断については、主に収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を満たしているかどうかにより判断しております。この判断において、当社および一部の子会社の事業計画を利用する場合がありますが、実績は、将来の不確実な経済条件の変動によって計画と異なる場合があります。その場合、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当企業グループは、国内および海外で実施した投資活動や事業買収の結果、有形固定資産、無形固定資産(含むのれん)を連結貸借対照表に資産として計上しております。
これらの投資を行う際には、投資の経済性、超過収益力、成長性、シナジー効果、リスク等を見積り、投資の合理性を評価しております。
しかし、経営環境や競合状況の変化等により予想通りの成果が得られないと判断される場合には、当該資産の将来の回収可能額を見積り、当該資産について減損損失を計上する可能性があります。
その場合は、当企業グループの経営成績および財政状態に悪影響をおよぼす可能性があります。
減損損失を認識するかどうかの判定および使用価値の算定には、将来キャッシュ・フローの見積りが、正味売却価額の算定には、資産または資産グループの時価および処分費用見込額の見積りを行う必要があります。
当該見積りについて、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要となる場合、追加の減損損失が発生する可能性があります。また、将来における実績値に基づく結果が、これらの見積りとは異なる可能性があります。
2009年11月16日東京計器株式会社との間に、業務および資本提携契約を締結しております。
(2)ライセンス契約
2023年2月24日にAnton Paar GmbH(以下「Anton Paar」といいます。)との間で、コリオリ流量計及び電磁流量計(以下「対象製品」といいます。)に係るライセンス契約(以下「本ライセンス契約」といいます。)を締結しております。本ライセンス契約の概要は以下のとおりであります。
当社は、2023年2月24日から10年間、Anton Paarに対して、対象製品の製造、日本を除く地域での販売等について当社が保有する知的財産をAnton Paarにライセンスすることとしております。
本ライセンス契約の対価として、当社は、Anton Paarから契約一時金のほか、Anton Paarの販売額に応じてランニングロイヤリティを受け取ることとしております。
なお、当社は対象製品に関する知的財産権を引き続き保有し、全世界における対象製品の製造、販売等を行う権利を引き続き保有いたしますので、本ライセンス契約によって、当社によるグローバルな事業展開が制限されることはありません。
当企業グループ(当社および連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりであります。
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定、のれん、ソフトウエア、ソフトウェア仮勘定、使用権資産の合計であります。
2 現在休止中の主要な設備はありません。
3 国内子会社および在外子会社の数値は連結決算数値であります。
4 上記の他、連結会社以外から賃借している設備の内容は、以下のとおりであります。
提出会社
5 子会社である株式会社宮崎オーバルへ賃貸しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 2002年6月27日開催の定時株主総会で決議された資本準備金の減少については「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準」(企業会計基準第1号)およびその適用指針(企業会計基準適用指針第2号)に基づき、資本準備金より1,472,177千円取崩し、その他資本剰余金へ組入れております。
2023年3月31日現在
(注) 自己株式3,776,043株は「個人その他」に37,760単元および「単元未満株式の状況」に43株を含めて記載しております。
2023年3月31日現在
(注) 1 所有株式数およびその割合の表示は単位未満を切り捨てて表示しております。
2 当社は3,776千株の普通株式を自己株式として所有しております。
3 2023年3月31日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、Anton Paar GmbHが2023年3月30日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、2023年3月31日付の変更報告書の内容は以下のとおりであります。