株式会社カプコン
(1) 連結経営指標等
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.第44期より「株式付与ESOP信託」を導入しており、株主資本における自己株式において自己株式として計上されている「株式付与ESOP信託」に残存する自社の株式は、1株当たり純資産額および1株当たり当期純利益の算定上、期末発行済株式総数および期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
3.2021年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第40期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額および1株当たり当期純利益を算定しております。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第43期の期首から適用しており、第43期および第44期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.第44期より「株式付与ESOP信託」を導入しており、株主資本における自己株式において自己株式として計上されている「株式付与ESOP信託」に残存する自社の株式は、1株当たり純資産額および1株当たり当期純利益の算定上、期末発行済株式総数および期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
3.2021年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第40期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額および1株当たり当期純利益を算定しております。
4.第44期の1株当たり配当額63円には、期末配当額に10円の創業40周年記念配当が含まれております。
5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第43期の期首から適用しており、第43期および第44期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
6.最高株価および最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
7.※印は、2021年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で行った株式分割による権利落ち後の株価であります。
当社は、1979年5月に電子応用のゲーム機器の開発および販売を目的として設立されましたが、その後1983年6月に販売会社として子会社(旧)株式会社カプコンを設立し、それ以降当社はゲーム用ソフトの開発を主たる業務としてまいりました。しかし、その後開発と販売の一体化による経営の合理化のため、1989年1月1日付にて(旧)株式会社カプコンを吸収合併し、同時に商号をサンビ株式会社から株式会社カプコンに変更し、今日に至っております。
以下は被合併会社である(旧)株式会社カプコンを含めて、企業集団に係る経緯を記載しております。
当社および当社の関係会社(当社、子会社12社および関連会社1社により構成)は、デジタルコンテンツ事業、アミューズメント施設事業、アミューズメント機器事業等を展開しております。
当社および当社の関係会社の事業に係る位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
当事業においては、家庭用ゲームおよびモバイルコンテンツの開発・販売をしております。
〔主な関係会社〕
(開発)株式会社カプコン、CAPCOM TAIWAN CO.,LTD.、株式会社ケーツー
(販売)株式会社カプコン、CAPCOM U.S.A.,INC.、CE EUROPE LTD.、CAPCOM TAIWAN CO.,LTD.、
CAPCOM ENTERTAINMENT FRANCE SAS、CAPCOM ENTERTAINMENT GERMANY GmbH、CAPCOM SINGAPORE PTE.LTD.
当事業においては、ゲーム機等を設置した店舗の運営をしております。
〔主な関係会社〕株式会社カプコン
当事業においては、店舗運営業者等に販売する遊技機等の開発・製造・販売をしております。
〔主な関係会社〕株式会社カプコン、株式会社エンターライズ、株式会社アデリオン
キャラクター関連のライセンス事業等を行っております。
〔主な関係会社〕株式会社カプコン、CAPCOM U.S.A.,INC.、CE EUROPE LTD.、CAPCOM SINGAPORE PTE.LTD.、
CAPCOM PICTURES,INC.
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

(注) 上記に記載の当社以外の全ての会社は、連結子会社であります。
(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.特定子会社であります。
3.有価証券届出書または有価証券報告書を提出している会社はありません。
4.議決権の所有割合の( )内の数字は、間接所有する割合であります。
5.当社は、2022年4月に100%子会社であるCAPCOM PICTURES,INC.を設立いたしました。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、就業人員数であります。
2.従業員数欄の( )は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
3.臨時従業員には、アルバイト、パートタイマーおよび嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、就業人員数であります。
2.従業員数欄の( )は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
3.臨時従業員には、アルバイト、パートタイマーおよび嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
4.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
当社には、労働組合は存在いたしません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異
提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、①世界最高品質のコンテンツ(IP)を継続して生み出す開発力・技術力、②世界に通用する多数の人気IPを保有していることを、強みとしております。
今後も、中長期にわたる安定成長を実現し、企業価値向上を図るために、以下の「経営理念」に基づき、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダーとの信頼関係を構築し、共存共栄に努め、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実に取り組んでまいります。
<経営理念>
ゲームというエンターテインメントを通じて「遊文化」をクリエイトし、人々に感動を与える「感性開発企業」
<経営理念を実現するための取組み>
ア.経営人材力の強化と後継者育成
イ.性別・国籍・年齢等における多様性を図り、組織体制の整備と機能の向上
ウ.取締役会による有効なリスクコントロール体制の構築
エ.適時・適切な情報開示と対話による経営の透明化
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。
経営指標として「毎期10%営業利益増益」の中期経営目標に加え、現金の動きを把握するキャッシュ・フロー経営を重視するとともに、資本効率の観点から、ROE(自己資本利益率)向上による企業価値の増大に努めてまいります。また、連結配当性向について、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、30%を基本方針とし、かつ安定配当の継続に努めてまいります。
(3) 経営環境および中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、通信規格の高速大容量化への移行、コンテンツの提供チャネルの増加、デバイスの多様化、グローバルベースでのユーザーの拡大など、事業環境が大きく変化を遂げている状況下、中長期的な企業価値向上に向けた安定的な利益の確保が経営の重要課題と認識しております。
このため、「毎期10%営業利益増益」の達成を中期経営目標と定め、グローバルにさらなるブランド価値の向上とユーザーニーズの把握に努め、ユーザー数の拡大を図ることにより、主力事業のデジタルコンテンツ事業を成長させてまいります。その持続的な成長のために、原動力となる人材投資戦略を引き続き推し進めてまいります。
また、当社はステークホルダーの皆様からのご支援等により、2023年6月に創業40周年を迎えました。本周年記念の特設サイトとしてデジタル観光地「カプコンタウン」を開設するなど、様々な施策を講じてまいります。
今後とも企業価値の持続的向上を図り、中長期においてさらなる飛躍を目指してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
前記(3)を推進するため、以下の課題に取り組んでまいります。
① 人材投資戦略
当社グループは、企業価値創造の源泉である人的資本への取組みを、優先課題として位置づけております。
中期経営目標の達成のため、中核的競争力である開発体制の拡充を図るには、研究開発やコンテンツ制作にかかる人的資本への投資・活用における開発人員の増強と生産性向上が重要であると認識しております。
そのため、当社グループは毎年100名以上の開発人員の採用を推し進めており、2023年3月期末における開発人員数は2,460名となっております。
加えて、当社グループは事業環境の変化に対応するため、性別、国籍、年齢等に関係なく採用や評価等を行うなど、多様性のある人材の確保・育成への投資に努めております。
この結果、女性管理職は29名(管理職に占める割合は11.6%)、外国人管理職は3名(管理職に占める割合は1.2%)、中途採用者の管理職は140名(管理職に占める割合は56.0%)となっております。なお、当期から管理職の集計について関係法令に則った方法に変更しております。
また、人材投資戦略のさらなる推進のため、次の施策等に取り組むことにより従業員エンゲージメントを高めるとともに、企業価値の向上を図ってまいります。
ア.経営層による人材課題への対応
・各種説明会等を通じた意見交換による経営層と従業員の直接対話の継続
イ.将来を支える人材の確保と育成、働く環境の再整備
・人権を尊重する会社風土の醸成
・人事評価制度の刷新
・採用戦略の再構築
・福利厚生制度の拡充、パートナーシップ制度の導入
ウ.開発体制を支えるオフィス環境、開発設備の拡充
・事業所拡大による開発オフィスの拡充
・国内最大級のモーションキャプチャースタジオを備えた「クリエイティブスタジオ」の新設
② 次期の事業別戦略
次期においては、前記(3)の戦略に基づき以下の点を中心に取り組んでまいります。
ア.デジタルコンテンツ事業
当事業におきましては、当社グループのeスポーツ展開をけん引するシリーズ最新作『ストリートファイター6』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、パソコン用)の今年6月発売をはじめとして、完全新作タイトルの『エグゾプライマル』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、パソコン用)を7月に投入するなど、ブランドの価値向上とユーザー数の拡大を推し進めてまいります。また、当期発売の『モンスターハンターライズ:サンブレイク』や『バイオハザード RE:4』といったリピートタイトルについても、デジタル販売の強化と価格施策の推進により、収益の最大化と総販売本数の継続的な増加に努めてまいります。
イ.アミューズメント施設事業
当事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の収束が期待される中、新業態店舗の展開を継続するとともに、引き続き機動的な「スクラップ・アンド・ビルド」に取り組み、効率的な店舗出店、運営を進めてまいります。
次期は出店4店舗を予定しております。
ウ.アミューズメント機器事業
当事業におきましては、市場から大きな期待が寄せられているスマートパチスロの投入など、市場動向を反映した施策を推し進めてまいります。
次期は4機種の投入により販売台数37千台を予定しております。
エ.その他事業
その他事業につきましては、eスポーツビジネスにおいて、2023年度からシリーズ最新作の『ストリートファイター6』を投入する「CAPCOM Pro Tour 2023」において、当社史上最高の賞金総額200万ドル以上に拡大して開催するなど、グローバルにより多くの方々に楽しんでいただけるよう、様々な施策を講じてまいります。
また、「ストリートファイター」の実写映画およびテレビシリーズ化による同ブランドの全世界への浸透拡大を図るなど、コンテンツの映像化推進や他業種とのコラボレーションを通じ、ワンコンテンツ・マルチユース戦略の強みを最大限に生かした施策をグローバルに推し進めてまいります。
これらにより引き続き、コンテンツのブランド拡大を図るとともに、コーポレートブランドの価値の最大化に努めてまいります。
③ ESG、SDGsへの取組み
当社グループは、前記(1)の経営理念のもと、様々な取組みを行っております。
2023年3月期において、こどもの未来応援基金をはじめとし青少年の健全な育成に取り組んでおられる3団体への寄付を継続いたしました。また、引き続きウクライナ難民支援のため国連難民高等弁務官事務所に支援金を付託するとともに、新たにトルコ・シリア大地震への被害者支援金を寄付いたしました。
〔子どもの貧困対策関連〕
〔ウクライナ難民への支援〕
〔トルコ・シリア大地震への支援〕
他方、他社に先駆けてコンテンツのデジタル販売を推進し、ディスク製造および運送に伴う資源削減やCO2排出量の削減に努めるとともに、パチスロ機の製造・販売において省電力対応や一部パーツのリサイクルなど、環境負荷の低減に取り組んでおります。
また、当社グループは環境対策の一環として、2022年6月から関西圏の自社所有ビル等に対して再生可能エネルギー由来のCO2フリー電力を導入しております。これにより、日本国内における電力使用量のうち同エネルギーにより約27%が賄われております。さらに、節電対策を施した自社データセンターの使用などの取組みを行うとともに、再生可能エネルギー使用を促進している大手クラウドサービス企業や大手データセンターサービス企業を利用しております。加えて、2023年4月から当社東京支店においてグリーン電力を導入するなど、一層の環境負荷低減に努めてまいります。
今後も、環境、社会問題における共通課題の解決に積極的に取り組んでまいります。そうした観点からSDGsが掲げる持続可能な社会づくりの目標を踏まえ、ESGへの取組みを推進し、ステークホルダーの皆様との信頼関係を構築しながら、持続的な成長を図ってまいります。
④ コーポレート・ガバナンスに関する取組み
当社は持続的な成長のためには取締役会の多様性確保が重要であると認識しており、性別、国籍、年齢等に関係なく、人格および識見に基づいて候補者を選定し、「多様な視点」「豊富な経験」「多様かつ特化した高度なスキル」を持ったメンバーで構成するよう努めております。
加えて、当社グループは代表者のリーダーシップのもと強固な経営基盤と独自の開発体制、ビジネスモデルを強みとしております。また、当社において、任意の委員会を含めた社外取締役の積極的な参画の機会拡大を図り取締役会の監督機能を強化するなど、コーポレート・ガバナンスの向上に努めております。
そのうえで、取締役会の実効性評価を踏まえ、一層の当社取締役会の機能強化のため、2023年3月期は社外取締役に対する現場視察や執行役員との意見交換会実施による情報提供のほか、取締役会専任部署の設置によるサポート体制強化等に取り組んでまいりました。
2024年3月期は、経営の監督機能強化の実効性をさらに高めていくため、以下の課題に取り組んでまいります。
〔主な課題〕
・社外取締役との意見交換会等の情報提供のさらなる充実
・次世代の経営体制構築に向けた取締役、経営陣幹部の指名・報酬にかかる議論
・中長期的な企業価値向上に資する議論
今後も、当社取締役会において諸課題の共有と理解を促進し、さらなる機能向上に努めてまいります。
⑤ 情報セキュリティの強化への取組み
当社グループは、情報が企業活動に与える影響の重要性に鑑み、個人情報保護法制への対応はもちろんのこと、各国で整備が進められる未成年者保護などの法制への対応のほか、国内外の様々なサイバーリスクへの対策が不可欠と認識しており、情報セキュリティ体制の強化に取り組んでおります。
今後も、外部アドバイザリー組織であるセキュリティ監督委員会の助言等を踏まえ、継続的なシステムの運営・監視や非常時対応の体制維持および強化を図ってまいります。
⑥ 政策保有株式に対する基本方針
当社は、政策保有株式について慣例的な相互保有や人的関係の情実等を排除しております。将来の取引関係や持続的な企業価値の向上に資するか否かなど、中長期的な観点から得失等を総合的に勘案のうえ、現状最小限の3銘柄のみ保有しており、当期末現在の当該政策保有株式の保有額は、純資産の0.5%未満であります。
なお、取締役会において、当該全株式の売却について決定のうえ各社と合意しており、今後、適宜売却を実施してまいります。
当社グループは、今後想定し得る様々な危機の未然防止や不測の事態が発生した場合などに備え、適正な対応を図ることにより被害、損失や信頼失墜を最小限に食い止めるため、「危機管理規程」等により組織横断的なリスク管理体制が機能するよう努めております。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。因みに、新型コロナウイルス感染症の拡大による各事業への影響は正負の両面が考えられますが、当社グループにおける経営成績、株価および財務状況等に与える影響は小さいと判断しております。
なお、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響につきまして、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
家庭用ゲーム機等は新技術の登場や機器の性能向上に伴い、高機能化、多機能化しており開発費が高騰する傾向にあります。したがいまして、販売計画未達等の一部のタイトルにつきましては、開発資金を回収できない可能性があります。
対応策として、自社開発エンジンの構築、開発人員の増強と効率的配置により、クオリティの向上と開発の効率化を両立させ、開発費の抑制に注力しております。
② ゲームソフトの陳腐化について
嗜好品であるゲームソフトは、顧客層が重なる他業種との競争も激しく、他の娯楽へユーザーの志向が強くなることにより、ゲームソフトに対する購買動向が影響を受ける傾向にあります。また、パッケージの商品寿命は必ずしも長くはありません。このため、陳腐化が早く、商品在庫の増加や開発資金を回収できない可能性があります。
対応策として、デジタル販売の強化による商品在庫の縮減を図るとともに、過去作のリメイクや派生作品の投入により有力IPを継続的に活用し、長期的な収益確保に努めております。
当社グループは多数のゲームソフトを投入しておりますが、一部のタイトルに人気が集中する傾向があります。シリーズ作品は売上の振幅が少なく、業績の安定化には寄与しますものの、これらの人気ソフトに不具合が生じたり市場環境の変化によっては、ユーザー離れが起きる恐れがあり、当社グループの事業戦略ならびに業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、主力IPを活用した大型タイトルの安定的な投入と新規IPの創出に加え、グローバルにさらなるブランド価値の向上とユーザーニーズの把握に努め、ユーザー数の拡大による収益向上を図っております。
当社グループの人気ゲームソフトの中には、一部暴力シーンやグロテスクな場面など、刺激的な描写が含まれているものがあります。このため、少年犯罪が起きた場合は往々にして、一部のマスコミなどからゲームとの関連性や影響を指摘されるほか、誹謗中傷や行政機関に販売を規制される恐れがあります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、ゲームソフトの年齢別レーティング制度のルール遵守や、出前授業や企業訪問受け入れによる児童、生徒、学校関係者や保護者への啓蒙に努めております。
ゲームソフトの販売は、年末年始のクリスマスシーズンから正月にかけて最大の需要期を迎えます。したがって、ゲームの需給動向は年間を通じて大きく変動し、四半期ごとに業績が振れる可能性があります。
対応策として、デジタル販売の強化と機動的な価格施策により、ゲームソフトの長期販売と収益の安定化に努めております。
当社グループの家庭用ゲームソフトは、主に株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント、任天堂株式会社および米国のマイクロソフト社の各ゲーム機のほか、米国のバルブ社のゲーム配信サービスなどに供給しておりますが、これらの普及動向やゲーム機、配信サービスに不具合が生じた場合、当社グループの事業戦略ならびに業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、各プラットフォーム市場の調査・分析による将来の見通しの予測に加え、マルチプラットフォーム展開により収益リスクを分散しております。
当社グループは、家庭用ゲームソフトを現行の各ゲーム機およびPCに供給するマルチプラットフォーム展開を行っております。このため、競合会社でもある株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント、任天堂株式会社および米国のマイクロソフト社からゲームソフトの製造、販売等に関する許諾のほか、米国のバルブ社からゲームソフトの販売、配信の許諾を得ておりますが、契約の変更や新たな契約内容によっては、当社グループの開発戦略ならびに業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、マルチプラットフォーム展開への注力に加え、グローバルにユーザー数の拡大を図り、収益向上に努めております。
⑧ 家庭用ゲーム機の更新について
家庭用ゲーム機は過去、3~7年のサイクルで新型機が出ておりますが、ハードの移行期において、ユーザーは新作ソフトを買い控える傾向があります。このため、端境期は販売の伸び悩みなどにより当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、デジタル比率向上によるゲーム販売期間の長期化、リピート販売の強化と柔軟な価格施策による販売数の増加を図っております。
スマートフォン等のモバイル端末の普及に伴い、ゲーム市場は拡大しておりますが、新技術への対応が遅れたときは、コンテンツの円滑な供給ができなくなる場合があります。また、課金システムによっては社会問題化し、行政による規制強化を招く恐れがあります。加えて、娯楽の分散化や消費ニーズの多様化などにより、ゲームユーザーが減少した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、ゲーム内課金を煽らないマネタイズにより、人気IPを活用したゲームの供給および新たなユーザー層の獲得に努めております。
設置機種の人気の有無、娯楽の多様化、少子化問題、競争の激化や市場環境の変化などにより、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、スポーツとエンターテインメントを融合した体験型アミューズメント施設やキャラクターグッズ販売など新業態の展開に加え、オリジナルVRコーナーやキッズコーナーの設置、イベント開催により、新規ファン層の獲得と認知度向上に努めております。
パチスロ機の販売については、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、一般財団法人保安通信協会の型式試験に合格した機種だけが販売を許可されるため、この動向によっては売上が大きく左右される場合があります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、日本電動式遊技機工業協同組合への加盟により、規制当局の動向の把握と規制の変化に即応する体制の構築に努めております。
① 海外販売国における市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、文化、宗教、習慣や為替その他の様々なカントリーリスクや人材の確保などにおいて、当社グループの事業戦略ならびに業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、海外子会社や販社との情報共有を密にし、各国の市場動向把握と、現地のニーズに対応した販売展開を行っております。また、社内の専門チームによる、カントリーリスクに配慮したローカライズを実施しております。
② 海外取引の拡大に伴い、税率、関税などの監督当局による法令の解釈、規制などにより損失や費用負担が増大する恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、海外子会社や販社と連携し、法令の遵守に努めております。
③ フィジビリティー・スタディーで予見できない不測の事態が発生した場合には、経費の増加や海外投資を回収できず当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
① 当社グループの主要な事業である家庭用ゲームソフトは、ダウンロード版が伸長しているものの、商品寿命が短いものもあり、陳腐化が早く、棚卸資産の増加を招く恐れがあり、これらの処分により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 当業界は年間を通じて市場環境が変化する場合があるため、四半期ごとに業績が大きく変動する蓋然性があります。また、売上高の減少や経営戦略の変更などにより当初予定していたキャッシュ・フローを生み出さない場合があり、次期以降の当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、継続的な開発投資等に必要な現預金水準を設定し、適正な資金の確保に努めております。
(5) 人材の育成と確保
ゲーム業界は相対的に従業員の流動性が高く、優秀な人材が多数退職したり、競合他社等に流出した場合は、事業活動に支障を来たす恐れがあります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループは、最高人事責任者(CHO)のもと、人事関連組織の強化により、経営層と従業員の直接対話の継続に加え、将来を支える人材の確保と育成や福利厚生制度の拡充などの働く環境の再整備のほか、開発体制を支えるオフィス環境等の拡充に努めております。
家庭用ゲーム機をはじめ、ゲーム機関連の商品は技術革新が速いことから対応の遅れによっては販売機会の損失など当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、最先端の開発環境と、優秀な開発人材の活用により、常に新技術を活用した開発に注力しております。
アミューズメント施設事業は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」およびその関連する法令の規制を受けておりますが、今後の法令の改正や制定によっては事業活動の範囲が狭くなったり、監督官庁の事前審査や検査等が厳しくなることも考えられます。この結果、当社グループの事業計画が阻害される恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、警察や行政からの情報収集に努め、法令の遵守を徹底するとともに、安心かつ健全な店舗運営を図っております。
ゲームソフトやパチスロ機等の開発、販売においては、特許権、商標権、実用新案権、意匠権、著作権等の知的財産権が関係しております。したがいまして、当社グループが知的財産権の取得ができない場合には、ゲームソフトの開発または販売が困難となる蓋然性があります。また、第三者の所有する知的財産権を当社グループが侵害するリスクも否定できません。これらにより、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループが保有する権利保護に向けて、各国や地域での知的財産権の管理を行うほか、権利の侵害を防止するため社内での啓発活動に注力しております。
当社グループは、事業領域の拡大などにより、製造物責任や労務、知的財産権等に関し、訴訟を受ける蓋然性があります。これにより、訴訟の内容および金額によっては、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、従来からグローバルでの訴訟リスクの低減に向けて、様々な措置を講じております。
当社グループの想定を超えた技術による不正アクセスやコンピュータウイルス、その他予測不可能な事象などにより、ハードウェア、ソフトウェアおよびデータベース等に支障をきたす可能性があります。その結果、個人情報やゲーム開発情報など機密情報の漏洩が生じた場合には、損害賠償義務の発生や企業イメージの低下、ゲーム開発の中止等を招く恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループは、情報が企業活動に与える影響の重要性に鑑み、個人情報保護法制への対応はもちろんのこと、各国で整備が進められる未成年者保護などの法制への対応のほか、国内外の様々なサイバーリスクへの対策が不可欠と認識しており、情報セキュリティ体制の強化に取り組んでおります。
今後も、外部アドバイザリー組織であるセキュリティ監督委員会の助言等を踏まえ、継続的なシステムの運営・監視や非常時対応の体制維持および強化を図ってまいります。
台風、地震、津波等の自然災害や疾病、パンデミックの発生、蔓延等による社会不安、金融、資本市場等の混乱による経済危機、暴動、テロ等による政治の混迷など、国内外において不測の事態が発生した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、「危機管理規程」等の整備や組織横断的なリスク管理体制の構築により、危機の未然防止や不測の事態が発生した場合における影響の極小化に努めております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におきましては、進化と拡大を続けるグローバル市場に対応するため、デジタル販売の強化を主軸とした成長投資を積極的に推し進めました。また、安定的、持続的な成長のため、経営上の優先課題である人材投資戦略について、最高人事責任者(CHO)を新設し、人事関連組織の再編や職場環境のさらなる改善等を実施しました。加えて、報酬制度の改定により、当社正社員の平均基本年収を30%増額するとともに、自己株式400万株を原資として、当社の国内すべての正社員に株式報酬制度を導入するなどの具体的な施策を実施し、企業価値の向上を図ってまいりました。
このような経営方針のもと、中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、主力シリーズの大型タイトルの投入や、デジタル販売を通じたリピートタイトルの積極的な販売推進により、グローバルに販売本数の増加を図りました。これにより、当連結会計年度におけるデジタルコンテンツ事業の販売本数は、4,170万本と前期3,260万本を上回り、当社コンテンツの価値向上に大きく寄与しました。さらに、これらの主力コンテンツと映像作品やライセンス商品、eスポーツとの連携を強化し、IPの持つブランド力のさらなる向上を図りました。また、アミューズメント施設事業における効率的な店舗運営や新業態店舗の推進、アミューズメント機器事業における当社人気IP活用等による販売拡大などの施策が、収益の向上に貢献しました。
この結果、売上高は1,259億30百万円(前期比14.4%増)、営業利益は508億12百万円(前期比18.4%増)、経常利益は513億69百万円(前期比15.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は367億37百万円(前期比12.9%増)となり、10期連続の営業増益を達成しました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当事業におきましては、昨年6月に発売した『モンスターハンターライズ:サンブレイク』(Nintendo Switch、パソコン用)が、より軽快に進化したアクション等によりグローバルに高い評価を得るとともに、無料タイトルアップデート等の継続した施策により安定した人気を集めました。その結果、545万本を販売し業績に大きく貢献しました。
また、今年3月に発売した『バイオハザード RE:4』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、パソコン用)も、原作ストーリーの再構成や最新のグラフィック技術により、引き続きグローバルに好評を博しました。この結果、375万本を販売し収益向上に大きく寄与しました。
さらに、リピートタイトルにおいては、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得に加え、新作の継続的な投入および価格施策との相乗効果等により、『モンスターハンターライズ』や『モンスターハンター:ワールド』、『デビル メイ クライ 5』、『バイオハザード ヴィレッジ』など、シリーズタイトルを中心として販売が拡大しました。その結果、リピートタイトルの販売本数が2,930万本と前期2,400万本を上回り、収益を押し上げました。
この結果、売上高は981億58百万円(前期比12.1%増)、営業利益は535億4百万円(前期比18.0%増)となりました。
当事業におきましては、新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置が、昨年3月に全面解除されたことによる来店客数の回復に加え、既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより収益拡大を図り、前期比で増収増益となりました。
当期において、10月にクレイジーバネットをはじめとした総合アミューズメント施設の「MIRAINO イオンモール土岐店」(岐阜県)を出店したほか、11月に当社人気キャラクターグッズの物販店にカフェを併設した「カプコンストア&カフェ ウメダ」(大阪府)や今年3月に「MIRAINO イオンモール豊川店」(愛知県)などをオープンしました。施設数は、スクラップ・アンド・ビルドによる施設展開と地域密着型の店舗戦略に努めたことにより、合計5店舗を出店するとともに2店舗を閉鎖し、45店舗となりました。
この結果、売上高は156億9百万円(前期比25.8%増)、営業利益は12億27百万円(前期比88.0%増)となりました。
当事業におきましては、市場に一部好転の兆しが見え始めた環境下、昨年8月発売の『新鬼武者2』の販売台数が15千台となったほか、9月発売の『バイオハザードRE:2』も同15千台、今年1月発売の『モンスターハンターワールド:アイスボーン』が同12千台となり、各機種が収益に大きく貢献するとともに、市場から高評価を獲得し好調に稼働しました。その結果、当期5機種の販売台数は44千台となりました。
この結果、取引形態の多様化を図ったことなどにより、売上高は78億1百万円(前期比35.7%増)、営業利益は34億33百万円(前期比46.2%増)となりました。
その他事業につきましては、映像ビジネスにおいて当社タイトルのブランド価値向上に向け、引き続き主力IPを活用した映像化を推進するため、米国に映像子会社を設立するとともに、「ストリートファイター」の実写映画化等の契約を締結したほか、ライセンスビジネスでは新規タイトルや人気タイトルのキャラクターグッズ展開などに注力しました。
他方、eスポーツビジネスにおいては、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策を推し進め、世界各地で開催するオンライン大会「CAPCOM Pro Tour 2022」や同大会の新カテゴリー「ワールドウォリアー」を実施したほか、「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2022」、「CAPCOM CUP IX」および「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2022」を開催するなど、各大会の振興を図るとともに、今年6月発売予定の『ストリートファイター6』のプロモーション展開を推進しました。
この結果、eスポーツ等への先行投資などにより、売上高は43億60百万円(前期比0.1%減)、営業利益は14億33百万円(前期比5.5%減)となりました。
当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ299億99百万円増加し、2,173億65百万円となりました。主な増加は、「売掛金」175億76百万円、「ゲームソフト仕掛品」73億17百万円および「土地」37億17百万円によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ153億46百万円増加し、562億36百万円となりました。主な増加は、「未払法人税等」61億34百万円、「短期借入金」35億91百万円および「1年内返済予定の長期借入金」30億円によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ146億53百万円増加し、1,611億29百万円となりました。主な増加は、「親会社株主に帰属する当期純利益」367億37百万円および「為替換算調整勘定」24億42百万円によるものであり、主な減少は、公開買付け等による自己株式の取得136億45百万円および「剰余金の配当」108億79百万円によるものであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、217億89百万円の資金の増加(前連結会計年度は469億47百万円の資金の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益511億43百万円等の資金の増加と売上債権の増加額171億55百万円、法人税等の支払額106億98百万円等の資金の減少によるものです。
投資活動に使用された資金は、76億79百万円(前連結会計年度は74億26百万円)となりました。
これは主に、定期預金の払戻による収入254億41百万円等の資金の増加と定期預金の預入による支出253億2百万円、有形固定資産の取得による支出71億3百万円、無形固定資産の取得による支出3億12百万円等の資金の減少によるものです。
財務活動に使用された資金は、224億85百万円(前連結会計年度は99億80百万円)となりました。
これは主に、短期借入金の純増加額35億91百万円等の資金の増加と自己株式の取得による支出136億45百万円、配当金の支払額108億68百万円、リース債務の返済による支出9億35百万円等の資金の減少によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額は、製造原価により算出しております。
2.上記の金額は、ゲームソフト開発費を含んでおります。
当社グループは受注生産を行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当社グループの当連結会計年度末現在の事業および経営環境に基づいて判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なりうる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(無償ダウンロードコンテンツの収益認識)および(ゲームソフト仕掛品の評価)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(退職給付に係る負債)
従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき引当計上しており、退職率、割引率、昇給率、死亡率等の重要な前提条件を見積りに加味して計上しております。これらの条件が変更される場合、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の収益計画に基づいた課税所得が十分に確保できる可能性や、回収可能性があると判断した将来減算一時差異に基づいて、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依拠するため、その見積りの前提とした条件や仮定に著しい変更が生じた場合、繰延税金資産を見直し、その影響額を法人税等調整額に計上する可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討しておりますが、当社グループの事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に著しい変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当連結会計年度の当社グループ事業全体および各セグメントの事業の概況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
当連結会計年度末における自己資本比率は74.1%(前期から4.1ポイントの減少)となり、ROE(自己資本利益率)は23.9%(前期から0.5ポイントの減少)となりました。当社グループは、資本効率の観点からROE向上による企業価値の増大に努めており、当連結会計年度は公開買付け等による自己株式の取得や株式付与ESOP信託の導入を行ったものの、中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、主力シリーズの大型タイトルの投入や、採算性の高いリピートタイトル販売が続伸したことにより、ROEを安定的に維持させることができました。
なお、当期アミューズメント施設事業において、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響により集客が下がったことに起因し、一部店舗の資産の減損を行いましたが、事業環境への影響は今後収束していくものと考えております。翌連結会計年度に与える影響を含め、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
③ 経営方針・経営戦略または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは経営における重要な指標として、企業の稼ぐ力の基本となる「営業利益」(成長指標)と収益性の基本である「営業利益率」(効率性指標)そして「キャッシュ・フロー」を重視しております。
当社グループの営業利益および営業利益率のこれまでの推移は次のとおりであり、営業利益の持続的な増加および営業利益率向上による効率性の改善に努めております。
キャッシュ・フローにつきましては、当社グループは、預金残高から有利子負債を控除したネット・キャッシュ残高を重視しており、当連結会計年度末の残高は942億73百万円(前連結会計年度末より81億11百万円減)となりました。当社グループは、手元流動性の拡大による財務健全性の向上を図り、経営の安定性を高めるように努力しております。
当社グループは、これらの指標を改善することにより、ROE(自己資本利益率)など関連する指標も向上し、株主価値を創出することになるものと考えております。当社グループのROEの推移につきましては、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (1) 連結経営指標等」をご参照ください。
当社グループは、また、成長を継続するための必要な投資を行い、企業価値の向上に努め、株主への安定的な配当による利益還元の実施を目的とし、配当性向を最も重要な経営指標の一つと考えております。その基本方針を連結配当性向30%とし、かつ安定配当の継続に努めております。当連結会計年度におきましても連結配当性向は36.1%と安定配当を継続して行っております。
上記施策により、当期の株主総利回りは428.0%と、比較指標である配当込みTOPIXの131.8%を大幅に上回っております。当社のこれまでの株主総利回りの推移は、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (2) 提出会社の経営指標等」をご参照ください。
④ 資本の財源および資金の流動性
当社は中長期的に安定した成長を遂げるため、オリジナルコンテンツを生み出す源泉となるデジタルコンテンツ事業への十分な投資額を確保することが必要不可欠であると認識しております。具体的には、コンテンツ充実によるタイトルラインナップの拡充や新たな技術に対応するため、開発者の増員や開発環境の整備への投資が必要であります。当連結会計年度における研究開発投資額および設備投資額を合わせた合計469億12百万円の79.5%に相当する372億99百万円を、デジタルコンテンツ事業に投資しております。なお、ゲームコンテンツの研究開発投資につきましては、「6 研究開発活動」に記載のとおりであります。
ゲームコンテンツの開発費用は、高性能かつ多機能な家庭用ゲーム機の登場に伴い増加傾向にあります。また、主力タイトルのゲームコンテンツ開発期間は2年以上を要することに加え、発売後の定期的なゲームコンテンツのバージョンアップおよびネットワークインフラの維持に継続的な投資が発生するため、相応の現預金を保有しておく必要があります。
当社は、財務基盤を強化するとともに成長のための投資資金の確保を実現するため、投資計画とリスク対応の留保分を考慮したうえで、保有しておくべき現預金水準を3年分の開発費用を目途に設定し、適正レンジの維持に努めてまいります。また、事業環境の変化や事業拡大に伴う設備投資が発生した場合には、適切な資金調達を行います。
なお、配当を含めました当連結会計年度の資金流動につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
このような状況下、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は61億65百万円減少し894億70百万円となりました。
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
(注) 帳簿価額のうち「その他」は、「工具、器具及び備品」、「アミューズメント施設機器」、「使用権資産」および「建設仮勘定」の合計であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 1.2018年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施いたしました。これにより、発行済株式総数は67,723,244株増加しております。
2.2021年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施いたしました。これにより、発行済株式総数は135,446,488株増加しております。
3.当社は、2022年5月13日付の取締役会決議に基づき、2022年7月5日付で自己株式4,387,353株を取得し、2022年7月26日開催の取締役会決議に基づき、2022年7月29日付で取得した全株式の消却を実施しております。
2023年3月31日現在
(注) 1.自己株式53,394,086株は、「個人その他」に533,940単元、「単元未満株式の状況」に86株含まれております。
2.「その他の法人」および「単元未満株式の状況」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ222単元および40株含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 1.上記所有株式のうち、信託業務に係る株式数は、次のとおりであります。
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 33,058千株
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 11,356千株
2.日本マスタートラスト信託銀行株式会社(株式付与ESOP信託口・76744口)は、株式付与ESOP信託導入に伴い設定された信託であります。なお、当該株式は、連結財務諸表において自己株式として表示しております。
3.当社は、自己株式53,394千株を所有しておりますが、上記大株主から除外しております。
4.2021年3月19日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、インベスコ アドバイザーズ インクおよびその共同保有者1名が2021年3月15日現在で当社株式を以下のとおり保有している旨が記載されておりますが、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができておりません。なお、大量保有報告書の変更報告書の内容は以下のとおりであります。
また、当社は、2021年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っておりますが、以下の保有株券等の数は、当該株式分割前の株式数を記載しております。
5.2022年3月11日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、パブリック・インベストメント・ファンドが2022年3月8日現在で当社株式を以下のとおり保有している旨が記載されておりますが、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができておりません。なお、大量保有報告書の変更報告書の内容は以下のとおりであります。
1.報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、取り扱う製品・サービスについての国内および海外の包括的な戦略を立案する複数の事業統括を設置し、事業活動を展開しております。
したがって、当社は、事業統括を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「デジタルコンテンツ事業」、「アミューズメント施設事業」および「アミューズメント機器事業」の3つを報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「デジタルコンテンツ事業」は、家庭用ゲームおよびモバイルコンテンツの開発・販売をしております。「アミューズメント施設事業」は、ゲーム機等を設置した店舗の運営をしております。「アミューズメント機器事業」は、店舗運営業者等に販売する遊技機等を開発・製造・販売しております。