KPPグループホールディングス株式会社
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第148期の期首から適用しており、第148期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1.第145期の1株当たり配当額の内訳 普通配当 8円00銭 記念配当 2円00銭
第149期の1株当たり中間配当額の内訳 普通配当 7円00銭 記念配当 2円00銭
2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
3.当社株式は2018年6月26日付で東京証券取引所市場第一部に上場したため、それ以前の株主総利回り及び比較指標は記載しておりません。
4.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
5.第147期の株価収益率及び配当性向については、当期純損失であるため記載しておりません。
6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第148期の期首から適用しており、第148期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
7.第149期の経営指標等の大幅な変動は、2022年10月1日付で持株会社体制へ移行したことによるものです。また、従来「売上高」としておりました表記を「売上高及び営業収益」に変更しております。
1924年11月、資本金2百万円をもって大阪に株式会社大同洋紙店を設立。京都・名古屋・東京に支店を設置し、代理店として主に洋紙、板紙、和紙などの販売を始めました。
当社グループは、当社、子会社94社(国内11社、海外83社)及び関連会社8社(国内6社、海外2社)により構成されており、王子製紙㈱、日本製紙㈱等の大手製紙会社等より仕入れた紙類を国内外に販売することを主要業務とし、ほかに不動産の賃貸業、紙製品の加工業等を営んでおります。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
なお、次の3事業区分は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

(注) 1.特定子会社に該当しております。
2.その他に含まれる会社のうち、特定子会社は次のとおりです。
Paper Associates Pty Ltd、PaperlinX Investments Pty Ltd、ANTALIS AUSTRIA GMBH、ANTALIS PORTUGAL,
S.A.、ANTALIS IBERIA, S.A.、ANTALIS OY 、ANTALIS S.R.O.、ANTALIS POLAND SPOLKA ZOOGRANICZONA
ODPOWIEDZIALNOSCIA、ANTALIS S.A.、INVERSIONES ANTALIS HOLDINGS SPA、ANTALIS DO BRASIL
PRODUTOS PARA A INDUSTRIA GRAFICA LTDA、ANTALIS GROUP(PRIVATE UNLIMITED COPMANY)、
ANTALIS OVERSEAS HOLDINGS LIMITED、ANTALIS HOLDINGS LIMITED、ANTALIS PARTICIPATIONS、
ANTALIS GROUP (HOLDINGS) LIMITED、MAP MERCHANT GROUP LIMITED、MAP MERCHANT HOLDINGS GMBH
3.「議決権の所有割合又は被所有割合」欄の( )内は、間接所有割合で内数であります。
4.DaiEi Papers(H.K.)Limitedは債務超過会社であり、2022年12月末時点で債務超過額はDaiEi Papers(H.K.)Limitedは7,472百万円であります。
5.国際紙パルプ商事㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えています。なお、当連結会計年度において、2022年10月1日付で持株会社体制に移行し、「国際紙パルプ商事分割準備株式会社」(2022年10月1日付で、「国際紙パルプ商事株式会社」に商号変更)に当社の紙パルプ等卸売事業を承継したため、2022年10月~2023年3月までの期間における数値となっております。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であります。
2.全社(共通)として記載している従業員数は、KPPグループホールディングスに所属しているものであります。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であります。(嘱託4名を除く。)
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載している従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
4.従業員数が、前事業年度末に比べ555名減少していますが、これは主として当社が持株会社体制へ移行したことによるものであります。
KPPグループには、1970年1月に結成された労働組合(国際紙パルプ商事労働組合)があります。2023年3月31日現在の組合員数は167名であります。なお、労使の関係は円満に推移しており、特記するような事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規程に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.「*」については、対象となる従業員がいないことを示しております。
4.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人員構成の差によるものであります。また、賃金は基本給・時間外労働手当・賞与等を含み、退職手当・通勤手当・持株会奨励金は除いております。
(1) 経営の基本方針
当社は、グループ社員全員が共有し、すべての活動の基本となる理念体系として「KPP GROUP WAY」を定めています。「KPP GROUP WAY」は「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3層と「KPPグループ憲章」から形成されています。

理念体系のうち、ビジョンである「GIFT+1(ギフトプラスワン)」に基づき、当社100周年である2024年に向けて策定された長期経営ビジョンが「GIFT+1 2024」です。ビジョンの「+1」は、「GIFT」の全ての要素にESGの要素を取り込むという意味が込められています。当社ではグループ全体で環境関連商品の開発・流通、さらには循環型ビジネスの構築・提案など様々な取り組みを推進しています。このビジョンの下、株主や顧客、取引先などの様々なステークホルダーへ貢献するとともに、経営情報の適時・適切な開示を進め、社会に開かれた企業としてグローバルに成長してまいります。
紙パルプ産業の国内市場においては、情報媒体のデジタル化が加速しており、紙(いわゆるグラフィック用紙)の需要の減少が続いております。一方、堅調と見られていたパッケージング用紙についても物価の高騰による商品全般の買い控えや、人流の回復がインバウンド需要に結びついていない事に加え、巣籠需要(通販・宅配)も一服感がある事から需要は伸び悩んでいます。海外市場では、昨年の数次にわたる価格改定もあり需要の減少が進み、グラフィック用紙離れが見られてきています。一方で、海洋プラスチック汚染が世界規模の問題となり、石油由来のプラスチック製品に厳しい目が向けられるようになっているため、代替素材として紙の需要が高まっています。バイオマス素材由来の紙資源や、石油由来のプラスチック使用量を削減した製品へのシフトが見られるようになってきております。
また、新型コロナウイルス感染症も日本では5月に感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられ、社会活動の制約はほぼ解消され、アフターコロナ期に移行したことにより、社会経済活動の正常化を背景に個人消費の回復が期待されます。
こうした中で当社を取り巻く環境を見てみると、国内市場においては紙分野では、経済活動の再開に伴い観光・イベント事業は回復傾向にあるものの、情報媒体のデジタル化が加速し、グラフィック用紙の減少に歯止めが掛かっておりません。一方、板紙分野は消費の減退やインバウンド需要の回復は限定的でありましたが、飲料用包装資材向けは堅調に推移しました。
海外市場におきましては、パッケージ事業は需要の回復がみられている他、ビジュアルコミュニケーション事業も各種イベントの需要が活発になっています。中国では、「ゼロコロナ政策」による経済の停滞やその後の感染爆発による社会混乱の影響で景気は後退し、紙の市況が大幅に下落しました。
このような状況下、当社は経営ビジョン「GIFT+1」の達成に向け、総合循環型経営の促進、海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー、環境事業の推進・拡大、コーポレート・ガバナンスの充実、サステナビリティ・マネジメントの推進、コンプライアンス体制の強化を課題として取り組んでおります。
① 総合循環型経営の促進
当社グループは、サステナブルな社会の実現に貢献する循環型ビジネスモデルの構築を進めています。古紙などの再生資源を供給するマテリアルリサイクルと、バイオマス発電所運転支援等によって再生可能エネルギーを供給するカーボンニュートラルによってサーキュラーエコノミーを推進し、環境負荷低減に向けた事業の拡大を図っています。
② 海外グループ企業とのグループシナジー
当社グループはグローバルネットワークを持ち、各地域の特性に応じたビジネスモデルを展開しています。各中核事業会社(国際紙パルプ商事、Antalis、Spicersの3社)での利益最大化と収益基盤確立のため、戦略的アライアンスを推進しグループシナジーの創出に取り組んでいます。
③ 環境事業の推進・拡大
化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換する「グリーントランスフォーメーション」(以下「GX」(Green Transformation))について、「GX実現に向けた基本方針」が2023年2月10日に閣議決定され、クリーンエネルギーへの転換が一段と進んでいます。このような状況下、当社グループでは、経済産業省が公表した「GX リーグ基本構想」への賛同を表明しています。また、紙の緩衝材ソリューションを提供するRanpak B.V.との販売代理店契約を締結し、環境商品の拡販に向けた取り組みを積極的に進めています。
2022年10月1日付で持株会社体制への移行を完了した事により、中核事業会社3社の権限移譲を拡大するとともに、情報の一元管理及び適切なグループマネジメントや迅速な情報管理体制の構築等各種施策を推進し、グローバル・ガバナンスの強化と資本政策の効率化を目指してまいります。
カーボンニュートラル、ダイバーシティ、DXへの対応や気候変動対策等特定したマテリアリティに対するKPIとそのPDCA管理の実行に加え、グローバルスケールでのサステナビリティ・マネジメントと事業計画とのインテグレーションを図ってまいります。
当社の連結子会社である国際紙パルプ商事株式会社は、2023年4月11日、独立行政法人国立印刷局が発注する再生巻取用紙の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会の立入検査を受けました。当社と国際紙パルプ商事株式会社は、立入検査を受けた事実を真摯に受け止め、公正取引委員会の検査に全面的に協力するとともに、コンプライアンス体制の一層の強化に努めてまいります。
当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョンGIFT+1 2024」の最終期である第3次中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)を策定いたしました。以下は、第3次中期経営計画の基本方針(テーマ・メッセージ・基本戦略)になります。
「基本方針」
(テーマ)
長期経営ビジョン「GIFT+1 2024」の達成と創立 100 周年に向けて
(メッセージ)
循環型ビジネスによる持続可能な社会への貢献と事業ポートフォリオ改革による企業価値向上
(基本戦略)
「収益基盤の確立・深化」
・各事業会社の利益最大化
・戦略的アライアンス、M&Aの推進
・グローバルシナジーの追求
・DXの推進
「グローバルグループ経営の強化」
・ESG経営の実現
・グローバルオペレーション体制構築
・グループコミュニケーション強化
・経営資源の適正配分
目標とする経営指標と数値は、以下のとおりです。
※D/Eレシオ=有利子負債残高÷純資産
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社は、当社グループのリスク管理体制の維持、向上を図るため、リスク管理委員会を設置し、リスク管理委員会規則に従い、サステナビリティ委員会委員長がリスク管理委員会委員長および副委員長を任命しております。
リスク管理委員会は、グループ経営上重要なリスクの抽出・評価を行い、重点対応策を決定し、重点対応策の実行状況のモニタリングを定期的に行い、その結果についてサステナビリティ委員会へ報告を行うこととしています。
■ 当社のリスク管理体制

■ 当社のリスク管理プロセス

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
最初に、各リスク項目を影響度と発生頻度で評価したリスクマップを掲載いたします。

上記リスクのうち重要と認識しているリスクは以下のとおりです。ただし、これらは、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点において予見できない、あるいは重要とみなされていない他の要因の影響を将来的に受ける可能性があります。また、リスクを低減するための対応を記載しておりますが、リスクを完全に回避することは困難です。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナ感染も下火となり、政府による入国時の水際対策の緩和や旅行支援などもあり、漸く、景気に回復の兆しが見え始めてきましたが、その一方で、原燃料価格の高騰によるコストプッシュ型インフレの進行や、深刻な人手不足が新たな課題となっています。
世界経済においても欧米を中心に金融引き締めや高インフレによるリセッションによって、需要に陰りが見え始め、中国もゼロコロナ政策の後遺症で経済の停滞が続いています。以上の環境下、当社グループでは価格政策とM&Aによるパッケージ事業の拡大などによって国内、海外共に業績を伸ばすことが出来ました。
このような状況下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高6,596億56百万円(前年同期比17.1%増)、営業利益は204億1百万円(前年同期比117.5%増)、経常利益は184億4百万円(前年同期比108.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、157億22百万円(前年同期比109.7%増)となりました。
当連結会計年度の業績については、以下のとおりです。
報告セグメントごとの業績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメント区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
<北東アジア>
<日本>
紙分野では、情報媒体のデジタル化が加速し、グラフィック用紙の減少に歯止めがかからず、数量は前年を下回りましたが、二次から三次に亘る価格修正によって増収となりました。
板紙分野は、段ボール原紙は飲料用包装資材向けの販売は堅調に推移したものの、輸出の減少やインフレによる消費の減退もあり、通年での販売数量は前年を下回りました。紙器用板紙はインバウンド需要を期待しましたが、回復は限定的であり、販売数量は前年を下回りました。
製紙原料分野では、国内の古紙発生量が減少する中、回収手段の多様化を図り、販売数量・売上高共に大きく伸長しました。市販パルプは、国内家庭紙メーカー向けの需要が減少し、数量は前年を下回ったものの、販売単価の上昇によって売上高は前年を大きく上回りました。
<中国>
2022年12月上旬まで続いたゼロコロナ政策による経済停滞、及びその後の感染爆発による社会混乱の影響を受け、販売数量・売上高いずれも前年を下回りました。また、景気の後退や、需給バランスの悪化に伴い、年度の後半は紙の市況が大幅に下落し、利益においても前年を大幅に下回りました。
この結果、北東アジア事業の売上高は3,054億61百万円(前年同期比6.3%増)、セグメント利益は34億32百万円(前年同期比1.3%減)となりました。
<欧州/南米>
欧州事業は、コンテナ不足や大手製紙メーカーのストライキなどが重なり、年央まで需給がタイトな状況が続きました。また、原燃料高騰による数次の価格修正も加わり、特にペーパー事業の業績は大きく改善しました。パッケージ事業においても、需要の回復と、M&Aによる事業規模拡大によって前年を上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業も、各種イベントや車両グラフィックの需要が活発となり、業績は堅調に推移しました。ラテンアメリカはパッケージ事業を中心に底堅く堅調でした。
この結果、欧州/南米事業の売上高は3,037億9百万円(前年同期比28.5%増)、セグメント利益は164億53百万円(前年同期比176.0%増)となりました。
<アジアパシフィック>
<オセアニア>
ANZ市場(豪州・ニュージーランド)については、コロナ禍からの回復に加え、原燃料価格の高騰による価格上昇基調が続きました。また、これまで行ってきたM&Aによる事業規模拡大の効果もあり、増収・増益となりました。
<東南アジア>
アセアン地域では、依然として経済が完全回復には至っていないものの、事業再構築の効果により損益面では改善が進みました。また、シンガポールにおけるビジュアルコミュニケーション事業の投資案件が業績に貢献し、売上高は前年を上回りました。
この結果、アジアパシフィック事業の売上高は49,269百万円(前年同期比28.3%増)、セグメント利益は2,186百万円(前年同期比77.2%増)となりました。
<不動産賃貸事業>
全国主要都市のオフィスビル市場は、新型コロナウイルス感染拡大以降上昇基調にあった平均空室率は緩やかに改善しつつあるものの、新築ビルの竣工を控え、先行きは不透明な状況にあります。また、賃料相場については、テナント確保のための賃料調整などから弱含みで推移しております。
当社グループにおきましては、一部テナントビルの管理体系見直しによる増収があったものの、賃貸駐車場の再開発やKPP八重洲ビルの入居者入れ替えによる空室期間の発生などから賃料収入が減少し、前年比で減収・減益となりました。
この結果、不動産賃貸事業の売上高は12億16百万円(前年同期比1.2%減)、セグメント利益は1億15百万円(同34.3%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益及び社債の発行で獲得した資金を、棚卸資産の取得及び固定資産の取得に充当したことで、前連結会計年度末比80億68百万円増加し、306億99百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は103億8百万円(前期は48億21百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の獲得及び減価償却費の計上、棚卸資産の取得によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は85億30百万円(前期は26億78百万円の使用)となりました。これは主に、固定資産の取得及び子会社株式の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は42億5百万円(前期は118億3百万円の使用)となりました。これは主に、社債の発行、リース債務の返済によるものであります。
③ 仕入及び販売の実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(参考情報)
当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。
(注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。
2.賃貸収入は「その他」に含まれております。
(2) 経営者の視点による認識及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループの経営成績につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
欧米を中心に金融引き締めや高インフレによるリセッションによって、需要に陰りが見え始め、中国もゼロコロナ政策の後遺症で経済の停滞が続いており、世界経済の成長は鈍化しております。
このような状況下、当社グループは長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に則り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針」に記載のとおり、対処すべき課題に対応してまいります。
(b) 北東アジアセグメントについて
当連結会計年度における、北東アジアセグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
<日本>
2024年3月期の日本国内市場においては、ウィズコロナ政策が継続する中、更なるインバウンド需要の回復が見込まれ、個人消費マインドの高まりが期待されるものの、各種消費財の値上がりや賃金上昇の抑制などにより、依然として景気の先行きは不透明な状況が続くものと考えられます。ペーパー事業、特にグラフィック用紙は需要の減少を見込む中、販売価格の維持を想定しており一定の利益は確保するものの、昨年発生した在庫販売における一過性の利益は消失する想定をしております。
このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、日本での事業拡大を目指す所存です。
[国内基本戦略]
古紙などの再生資源を供給するマテリアルリサイクルとバイオマス発電所運転支援等によって再生エネルギーを供給するサーキュラーエコノミーを推進。
各中核事業会社での利益最大化と収益改善のため、戦略的アライアンスを推進し、グループシナジーを創出。
「王子ファイバー」「アミカテラ」が手掛ける新たな製品やサービスの研究、業務提携、出資等を積極的に推進。紙の緩衝材ソリューションを提供するRanpakと販売代理店契約を締結し、環境商品の拡販に向けた取り組みを実施。
ペーパー&ボードは販売シェアと利益を確実に確保しつつ、Eコマースを中心としたマーケティング手法の見直しにより販売を拡大。
<中国>
中国については、ゼロコロナ政策による経済停滞の影響により、販売数量・売上高共に前年を下回りました。また、景気後退と需給バランスの悪化に伴い、2023年度3月期後半には紙の市況が大幅に低下し、利益も前年を大幅に下回りました。
このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、中国での事業拡大を目指す所存です。
[中国基本戦略]
1.メーカーとの戦略的提携強化による差別化戦略。それに伴うシェア拡大。
2.経営合理化による競争力強化。利益率の向上。
(c) 欧州/南米セグメントについて
当連結会計年度における、欧州/南米セグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
2023年3月期の欧州/南米市場については、欧州事業は、コロナ禍からの物流網の混乱に伴うコンテナ不足や大手製紙メーカーのストライキなどが重なり、年央まで需給がタイトな状況が続きました。このような中、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した原燃料高騰に伴う数次の価格修正も加わり、特にペーパー事業の業績は大きく改善しました。パッケージ事業においても、プラスチック系包装材から繊維系包装材への移行が進んでおり、需要の回復とM&Aによる事業規模拡大によって業績は前年を上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業も、各種イベントや車両グラフィックの需要が活発となり、業績は堅調に推移しました。ラテンアメリカは、パッケージが非常に堅調に推移するとともに、チリに於いてビジネスが大きく伸長しました。
このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、欧州/南米での事業拡大を目指す所存です。
[欧州/南米基本戦略]
1.ペーパー&ボード事業の拡充
ペーパー&ボードは域内№1を堅持し、増収・増益を確保する。
2.インオーガニック・グロース
パッケージ事業やビジュアルコミュニケーション事業などの成長分野においてカスタマイズソリューション機能を提供する企業を買収し、Antalisの製品及びサービスを強化することで、市場での存在感を向上させる。
3.Eコマース事業の推進
3つの事業すべてにおいて、Eコマースを強力に推進し、利益率の更なる向上を目指す。
(d) アジアパシフィックセグメントについて
当連結会計年度における、アジアパシフィックセグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
2023年3月期のアジアパシフィック市場については、ANZ市場(豪州・ニュージーランド)については、コロナ禍からの回復に加え、原燃料価格の高騰による価格上昇基調が続きました。インフレの影響による物流・在庫関連費用の増加はあったものの、これまで行ってきたM&Aによる事業規模拡大の効果もあり、増収・増益となりました。アセアン地域では、依然として経済が完全回復には至っていないものの、事業再構築の効果により損益面では改善が進みました。タイ・マレーシアが比較的堅調であったことに加え、シンガポールにおけるビジュアルコミュニケーション事業の投資案件が業績に貢献し、売上高は前年を上回りました。
このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、アジアパシフィックでの事業拡大を目指す所存です。
[アジアパシフィック基本戦略]
1.ペーパー&ボード事業の強化
ペーパー&ボード事業は域内シェアを維持する。
(e) 不動産賃貸事業について
当連結会計年度における、不動産賃貸事業の業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
当該事業セグメントにつきましては、所有不動産の有効活用による安定的な収益獲得を基本方針としております。所有不動産につきましては、物件ごとの将来性を勘案した上で再開発や修繕等の投資判断を行い、安定的な収益獲得に努めてまいります。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、3,306億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ399億55百万円増加しました。これは主に、商品及び製品の増加、現金及び預金の増加によるものであります。
負債は、2,628億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ285億21百万円増加しました。これは主に、短期借入金の増加、社債の増加によるものであります。
純資産は、678億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ114億33百万円増加し、自己資本比率は20.5%となり、前連結会計年度末に比べ1.1ポイント増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益、為替換算調整勘定の増加によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に基づく第3次中期経営計画(2022年度~2024年度)を推進中ですが、事業で創出される営業キャッシュ・フローにつきましては、成長投資と株主還元に、適正に配分していく所存です。
成長投資への支出につきましては、海外事業の拡大と事業ポートフォリオの多角化を目的としております。今後も海外投資を中心に、投資先の事業内容、投資時点の当社グループの財政状態及び資金需要を勘案し、適切に判断してまいります。
株主還元への支出につきましては、株主への利益還元を経営の重要課題の一つと認識し、安定的かつ継続的に配当を行うとともに、内部留保の拡充と有効活用によって企業競争力と株主価値を向上させることを基本方針としております。
なお、現在当社グループにおいて重要な資金繰りの懸念はございません。当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は、国内で111億38百万円、海外で195億60百万円となっており、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保しております。また、予定されている資金支出につきましても、資金調達の目途は立っております。
④ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り」に記載しているとおりです。
当社は、2022年5月25日開催の取締役会において、当社の紙パルプ等卸売事業に関して有する権利義務を、2022年4月1日に設立した当社100%子会社である「国際紙パルプ商事分割準備株式会社」(以下、「分割準備会社」という。)に承継させる決議を行い、分割準備会社との間で吸収分割に係る吸収分割契約を締結いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。
(1) 提出会社
(注) 関西支店の「帳簿価額(百万円)」には関西支店京都営業部の帳簿価額を含めて記載しております。
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、機械装置及び運搬具、工具、器具及び備品、一括償却資産並びにリース資産であります。
2.上記の他、主要な賃借設備として、以下のものがあります。
提出会社
2023年3月31日現在
2022年12月31日現在
(注) 1.表に記載されている数値は、Spicers Limited社及びその子会社10社、Antalis S.A.S.社及びその子会社57社の連結決算数値であります。
2.帳簿価額のうち「その他」は、機械装置及び運搬具、工具、器具及び備品、建設仮勘定並びに使用権資産であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 1.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)
発行価格 344円
発行価額 318.20円
資本組入額 159.10円
払込金総額 2,227百万円
2.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
発行価格 318.20円
資本組入額 159.10円
割当先 みずほ証券㈱
3.自己株式の消却による減少であります。
(注) 1.自己株式123株は、「個人その他」に1単元、「単元未満株式の状況」に23株含まれております。
2.日本マスタートラスト信託銀行株式会社(役員報酬BIP信託口)が保有する当社株式1,552,609株は、「金融機関」に15,526単元及び「単元未満株式の状況」に9株を含めて記載しております。
2023年3月31日現在
(注) 発行済株式の総数に対する所有株式数の割合の計算にあたり控除する自己株式には、役員報酬BIP信託口が保有する当社株式1,552,609株は含まれておりません。
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、ペーパー事業、パッケージ事業、ビジュアルコミュニケーション事業を中心としてグローバルに事業を展開しております。国際紙パルプ商事、Antalis S.A.S.、Spicersの3社の中核事業会社を傘下とする体制の下、それぞれが各地域における包括的な戦略等を立案し、事業運営をおこなっております。
従って、当社グループは地域別のセグメントから構成されており、「北東アジア」「欧州/南米」「アジアパシフィック」のエリア別及び「不動産賃貸事業」の4つを報告セグメントとしております。
各報告セグメントの事業内容及び、主な国又は地域は以下のとおりです。
・北東アジア
日本、中国、台湾、香港、韓国等において、紙、板紙、パルプ・古紙、その他紙関連物資を販売しております。
・欧州/南米
フランス、イギリス、ドイツ、スイス、チリ等において、紙、板紙、その他紙関連物資を販売しております。
・アジアパシフィック
オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール等において、紙、板紙、パルプ・古紙、その他紙関連物資を販売しております。
・不動産賃貸
日本において、不動産を賃貸しております。
2 報告セグメントの変更等に関する事項
事業規模の拡大に伴うグローバル・ガバナンスの強化とポートフォリオ改革及び新規事業の拡大並びにサステナビリティ・マネジメントの推進を目的とし、当社は2022年10月1日付で持株会社体制に移行しました。
これに伴う組織再編により、「北東アジア」「欧州/南米」「アジアパシフィック」のエリアでそれぞれ事業を展開する、国際紙パルプ商事、Antalis、Spicers3社の中核事業会社を傘下とする体制の下、現在、経営上の意思決定や業績の評価等を行っております。
以上のことを背景に、マネジメント・アプローチの観点や、株主をはじめとするステークホルダーに対して事業を適切に説明すること等を目的として、報告セグメントを従来の「国内拠点紙パルプ等卸売事業」、「海外拠点紙パルプ等卸売事業」をエリア別の「北東アジア」、「欧州/南米」、「アジアパシフィック」へ変更しております。
また、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後のセグメント区分で記載しております。