阪和興業株式会社
(注)1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第75期の期首から適用しており、第75期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」については、第73期において1株当たり当期純損失であり、また、すべての期間において潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 「従業員数」の [外書] は、臨時従業員の年間平均雇用人員数であります。
(注)1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第75期の期首から適用しており、第75期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」については、第73期において1株当たり当期純損失であり、また、すべての期間において潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 「従業員数」の [外書] は、臨時従業員の年間平均雇用人員数であります。
4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
当グループは、当社、子会社92社及び関連会社33社で構成され、鉄鋼を中心にプライマリーメタル、リサイクルメタル、食品、エネルギー・生活資材、木材及び機械等各種商品の販売を主たる事業とし、さらに鋼材加工、リサイクル金属加工及びアミューズメント施設の管理・運営等の事業活動も行っております。
当グループは、販路開拓に積極的に取り組んでおり、国内外にわたり営業拠点を充実させております。
なお、当グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
◎連結子会社 ○非連結子会社 ◇持分法適用非連結子会社 ◆持分法適用関連会社 ●関連会社
(注) 1 「主要な事業の内容」には、「セグメント情報」に記載された名称を記載しております。
2 「議決権の所有割合」の(内書)は間接所有割合であります。
3 特定子会社であります。
4 「議決権の所有割合」の[外書]は、緊密な者等の所有割合であります。
5 持分は、100分の20未満でありますが、実質的な影響力を持っているため関連会社としております。
6 有価証券届出書及び有価証券報告書提出会社はありません。
7 連結売上高に占める売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の割合が10%を超えている連結子会社がないため、主要な損益情報等の記載をしておりません。
(2023年3月31日現在)
(注) 1 従業員数は、当社グループ(当社及び連結子会社)から当社グループ外への出向者を除いた就業人員数であります。
2 「従業員数」の[外書]は、臨時従業員の年間平均雇用人員数であります。
3 臨時従業員には、契約社員及び臨時社員等を含み、派遣社員を除いております。
4 全社(共通)として記載している従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属している人員数であります。
(2023年3月31日現在)
(注) 1 従業員数は、当社から関係会社等への出向者を除いた正社員の人数であります。なお、取締役を兼任していない執行役員11名、契約社員、臨時社員、受入出向社員を含んでおりません。
2 「従業員数」の[外書]は、臨時従業員の年間平均雇用人員数であります。
3 臨時従業員には、契約社員、臨時社員及び受入出向社員を含み、派遣社員を除いております。
4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
5 海外駐在員5名は従業員数、平均年齢及び平均勤続年数の計算基礎には含み、平均年間給与の計算基礎には含んでおりません。
6 平均年間給与の計算基礎からは、休職者・休業者を除いております。
7 全社(共通)として記載している従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属している人員数であります。
当社グループ(当社及び連結子会社)において、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の差異
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定による公表をおこなっていないため、記載を省略しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は経営理念として、『私たちは、時代と市場の変化に迅速に対応し、「流通のプロ」として顧客の多様なニーズに応え、広く社会に貢献します。』を掲げております。
この理念の下、顧客第一主義を掲げ、付加価値を高めた商品の流通や顧客ニーズに即応した提案型サービスを提供するユーザー系商社として、「存在感ある商社流通」を追求し、すべてのステークホルダーからの評価・支持を得られる企業価値の向上に努めます。またコンプライアンスを重視し、事業を通じて国際社会や地域社会に貢献することで、「企業の社会的責任」を果たしていきます。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、持続的な企業の成長、高収益な事業体質及び安定的な財務基盤の確立を図るため、事業セグメントごとの取扱数量、経常損益ならびにグループ全体でのネット負債倍率(Net DER)などを経営上の重要な管理指標としております。
なお、2024年3月期の通期業績目標は、売上高は2兆7,000億円、営業利益は600億円、経常利益は500億円、親会社株主に帰属する当期純利益は360億円としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2023年5月に2023年度から2025年度までの3か年にわたる「中期経営計画2025」を策定いたしました(計画の詳細は、2023年5月12日発表の「阪和興業 中期経営計画(2023年度-2025年度)に関するお知らせ」をご参照ください。)。
中期経営計画の概要は以下のとおりです。
《テーマ》
『Run up to HANWA 2030 ~いまを超える未知への飛翔~』
《定量目標》
最終年度(2026年3月期)

本中期経営計画では、「中期経営計画2022」の基本方針を引継ぎ、「サステナビリティ経営」を基礎に、「経営 基盤の強化」(1階)、「事業戦略の発展」(2階)、「投資の収益化」(3階)という3階建ての構造のもと、 さらなる成長を支えるための基盤強化と既存の枠組みにとらわれない事業戦略の推進により、2030年度も見据えた 持続的な成長への取り組みを進めてまいります。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
米国や欧州においては、サービス消費を中心に新型コロナウイルス感染症からの回復需要が一巡することに加え、インフレ高進および金融引き締めなどが経済成長の重石となることが懸念されるほか、ウクライナ危機の長期化による悪影響にも注意が必要です。中国ではゼロコロナ政策の解除に伴い経済活動が正常化していくことで、個人消費を中心に経済成長が続くことが期待されます。その他の新興諸国では活動制限の緩和が進み、東南アジア地域を中心に一層の持ち直しが期待されるものの、世界的なインフレ高進などによる影響には注意が必要です。国内経済は、堅調な個人消費やインバウンド需要の回復を背景とする内需の持ち直しが期待されますが、他方で為替や資源価格、欧米を中心とする海外の景気の動向が製造業などに及ぼす影響に加え、インフレや金融政策が個人消費などに及ぼす影響が懸念されます。
当社グループとしましては、このような事業環境の中においても、各事業分野における需要動向を的確に把握し、取引先のニーズを反映した適切な販売・在庫政策を進めるとともに、国内外で新規取引先を積極的に開拓することにより、業績の維持・向上に注力していく所存です。
当社グループの対処すべき課題としては、以下を認識しております。
営業面においては、国内では加工機能などを活かした高付加価値営業を一段と進めるほか、「そこか」戦略の全国的な展開やグループ会社における資産や物流網の有効活用などを推進し、縮小が見込まれる国内市場においてもシェアの拡大と収益性の向上に努めてまいります。また、海外では東南アジアを中心に地産地消型ビジネスの拡大を図るほか、戦略的パートナーとのアライアンスの強化や戦略的投資からの利益の確実な獲得により、グローバルでの収益力の強化を図っていきます。
経営管理面では、キャッシュ・フローの重視や資本効率の向上など財務規律に基づく長期的な成長のための基盤強化を図るほか、取締役会の運営方針の見直しなども含むコーポレート・ガバナンス体制の高度化を進めていきます。また、当社基幹システムの刷新やHKQC(Hanwa Knowledge Quality Control)活動の推進を通じて、引続き業務品質の向上や収益の取りこぼし防止に努めていくほか、幅広い知見を有する人材の育成や多種多様なステークホルダーとの積極的な対話などにも取り組んでまいります。
当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあると考えております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況の変動に係るリスク
当社グループの全世界における営業収入は、当社グループが商品を取り扱っている国または地域の経済状況の影響を受けます。従いまして、日本、アジア、北米、欧州、アフリカ等を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小などは、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)商品市況の変動に係るリスク
当社グループでは、鉄鋼製品、金属原料、非鉄金属、食品及びエネルギー製品・生活資材等について、市況商品を扱い、一部で流通在庫を有しております。これらの商品では、その需給状況や為替動向、時には地政学的な環境の変化が市況に与える影響が大きく、市況の変動への適切な対応ができなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、非鉄地金や石油製品などについては、商品先渡取引や商品スワップ取引を利用して相場変動等のリスクヘッジに努めておりますが、ヘッジポジションの状況や商品在庫の種類、相場の急激な変動などによっては、リスクの軽減効果が十分には得られないことや期末の時価会計処理による評価損の発生、追加の証拠金拠出による資金流出など当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替レートの変動に係るリスク
当社グループの事業には、全世界における商品の仕入と販売が含まれております。各地域における収益、費用、資産、負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しております。換算時の為替レートにより、これらの項目の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占める米ドルに対する円高)は当社グループの輸出取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸入取引には好影響を及ぼし、円安は輸入取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸出取引には好影響を及ぼします。
なお、当社グループでは、先物為替取引、通貨スワップ取引及び為替スワップ取引を利用し為替変動のリスクヘッジに努めておりますが、期末における為替ポジションの状況や外貨建資産・負債の保有状況によってはリスクの軽減効果が十分には得られない場合があります。
(4)金利の変動に係るリスク
当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。このうち変動金利による調達につきましては、一部に金利スワップ等を利用して金利変動のリスクヘッジに努めておりますが、今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)株価等の変動に係るリスク
当社グループは、取引先を中心に国内外で市場性のある株式等を保有しており、株価等の変動リスクを負っております。このため、保有する上場有価証券の株価等の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、株式等の保有にあたっては、当該株式の保有に伴う便益が資本コスト等に見合っているかを含め保有の合理性を多角的に検証しております。検証の結果、所期の保有目的を達成したものや保有効果が薄れたと判断されたものについては、売却等の手続きを実施しております。
(6)取引先の信用に係るリスク
当社グループの事業における売上債権等の大部分は、取引先ごとに一定の信用を供与し、掛取引を行ったものであります。当社グループにおいては厳格かつ機敏な与信管理を行っておりますが、必ずしも全額の回収が行われる保証はありません。従いまして、経済的状況や事業環境、国際的・地政学的な環境の急激な変化により、取引先の不測の倒産・民事再生手続等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)事業投資に係るリスク
当社グループは、既存事業の強化や事業領域の拡大等を図るための事業投資を行っております。これらの投資に際しては、投資等審査委員会において検討を行うなど投資内容や投資金額に応じた所定の手続きを経て実行の是非を決定しておりますが、投資先の企業価値の低下や所期の投資採算が確保できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、開発型案件や資源分野などについては、需給バランス、市況、生産コストなどの変動が大きく、当該投資から得られる収益のボラティリティは他の投資に比べると高い傾向があります。
(8)資金の流動性に係るリスク
当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。資金調達に当たっては、資金需要見通しに基づき、手元流動性の確保に努めておりますが、国内外の金融市場の混乱や金融規制の変更、当社グループへの信用格付の引き下げまたは金融機関の融資方針の変更など調達環境に大きな変化が生じた場合や資金需要の急激な増加が発生した場合などには、資金調達の制約や調達コストの増加などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)国際的活動及び海外での事業展開に潜在するリスク
当社グループは、アジア市場や米・欧州等の市場において積極的な事業展開を行っております。これら海外市場での事業展開には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。
① 予期しない法律または関税などの貿易取引規制の変更
② 不利な政治的・経済的変動や国際通貨の変動
③ 人材の採用と確保の難しさ
④ 未整備のインフラが当社グループの活動に悪影響を及ぼす、または当社グループの製品やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性
⑤ テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
従いまして、これらの事象は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)法的規制等に係るリスク
当社グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許認可、国家安全保障またはその他の理由による輸出入及び販売制限、関税をはじめとするその他の貿易取引規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管理、食品の安全規制、環境・リサイクル関連等の法規制の適用も受けております。これらの規制により、当社グループの活動が制限される可能性があるだけでなく、規制への対応がコストの増加につながる可能性もあります。従いまして、これらの規制は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)取扱商品の品質に係るリスク
当社グループが提供する製品やサービスについては、仕入先や委託加工先と共同で適切な検査体制の下に提供しているほか、品質安全環境管理部による定期的なモニタリングが行われておりますが、製品やサービスに欠陥があり、製造物責任賠償やリコール等が発生した場合には、多額の費用負担が発生することや、当社グループの社会的信用や企業イメージの低下を招くなど、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)自然災害等に係るリスク
当社グループは、地震等の自然災害やインフルエンザ等の感染症の発生に備えて、危機管理マニュアルや事業継続計画の整備、安否確認システムの導入、耐震対策や防災訓練などの対策を実施しております。しかしながら当社グループの事業所や社員の活動は広範囲に及んでおり、自然災害等が発生した際にはその損害を完全に回避できるものではありません。想定を超える損害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社では、新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえ、全社員を対象とするガイドラインを策定し、感染症の拡大防止に努めてまいりました。今後も、感染症の流行の状況などに応じて、適切な対応を心掛けてまいります。
(13)退職給付債務に係るリスク
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率や長期期待運用収益率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。従いまして、割引率の低下や運用利回りの悪化は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)取引先との契約に基づくヘッジ取引に係るリスク
当社におきましては、商品を対象物とするヘッジ取引のうち、取引先に評価損益が帰属することを契約で定めた商品先渡取引を行っております。当該先渡取引に係る損益や証拠金用の一定の資金については、契約に基づき当該取引先が負担することになっておりますが、商品価格の急激な変動により立替資金需要が発生する可能性があり、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当該取引先の経営成績や財政状態の悪化などにより、先渡取引から生じた損失相当の立替金や拠出した証拠金の回収に遅延が生じる場合などには、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、各四半期決算期末において、先渡取引の時価会計処理により、当該取引先に対する未収入金または未払金ならびにデリバティブ評価負債またはデリバティブ評価資産が両建てで計上されますが、時価の状況によっては、当該資産及び負債が大きく増加し、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、取引先に評価損益が帰属することを契約で定めた商品先渡取引について当連結会計年度末時点で価格変動リスクに晒されている残高は存在せず、徐々にリスクは低減していくものと考えております。
(15)税務に係るリスク
当社グループは、アジア市場や米・欧州等の市場において積極的な事業展開を行っており、日本及び諸外国において納税義務を負っております。そのため、将来的に、各国税務当局による課税が強化され、企業活動にとって不利な税制度への変更が行われた場合には、当社グループが納付すべき税額が増加する可能性があります。
また、当社グループは、必要に応じて外部専門家を活用し、各国の税法に従い適切な税務申告を行っておりますが、各国当局との見解の相違により、予想外の課税を受ける可能性があります。仮に課税問題が発生した場合には、外部専門家を起用し問題解決を図る等の対策を講じますが、追加的な課税が生じる可能性を完全に排除できるものではないため、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ危機の長期化や中国のゼロコロナ政策に伴う経済活動の抑制を背景にインフレが高進したことに加え、先進国を中心とした金融引き締めなどが逆風となり、新型コロナウイルス感染症の影響からの持ち直しに停滞感をもたらしました。米国では活動制限の緩和に伴う個人のサービス消費の回復を中心に景気に底堅さが見られましたが、欧州では資源価格の高止まりや長引くインフレ、金利上昇などの影響により、景気の減速が生じる形となりました。中国では持ち直しの動きは継続しましたが、2022年12月まで継続されたゼロコロナ政策の下、一部の地域で経済活動が抑制されたことによるサプライチェーンの混乱や不動産市場の不況など、足踏みが見られました。その他の新興諸国ではインフレの波及や各国の金利引き上げも見られましたが、活動制限の緩和が進む東南アジア地域を中心に経済活動の正常化に向けた動きが見られました。
国内経済については、個人消費や企業の設備投資を中心に持ち直しの動きが見られましたが、製造業においては資源価格高騰や円安の進行による原材料コスト増、中国の都市封鎖の影響からくるサプライチェーンの混乱などから景況感が下押しされる結果となりました。
このような環境において、当連結会計年度では、経済活動が引き続き回復傾向にあるなかで資源高を背景に鋼材や非鉄金属、原油などの商品価格が前連結会計年度に比べて高い水準で推移したことに加え、海外販売子会社の業績拡大が寄与し、売上高は前連結会計年度比23.3%増の2兆6,682億28百万円となりました。利益面では、営業利益はプライマリーメタル事業やエネルギー・生活資材事業の増益などにより、前連結会計年度比2.8%増の641億5百万円となりました。また、戦略的投資先等からの配当収入が増加したことやプライマリーメタル事業などの持分法による投資利益が増加したこと、為替差損が縮小したことなどから、経常利益は前連結会計年度比2.5%増の642億72百万円に、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として固定資産売却益などを計上したことも加わり、前連結会計年度比18.1%増の515億5百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
鉄鋼事業
国内建設分野を中心に取扱数量が堅調に推移するなか、鋼材価格は製造コストの価格転嫁が浸透し、前連結会計年度に比べて高い水準で推移しました。利益面では、仕入れ価格の上昇や一部の海外子会社を中心に前連結会計年度に比べて利幅が縮小したことに加え、在外投資先からの持分法による投資利益が減少したことなどが利益を押し下げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比25.2%増の1兆2,621億30百万円、セグメント利益は前連結会計年度比20.8%減の284億77百万円となりました。
プライマリーメタル事業
クロム系合金鉄を中心に取扱数量を減らしたものの、ニッケルなどの一部商材価格が比較的高水準で推移しました。また、戦略的投資先からの配当収入やSAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LTD.からの持分法による投資利益が利益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比35.7%増の2,740億37百万円、セグメント利益は前連結会計年度比92.3%増の139億34百万円となりました。
リサイクルメタル事業
各種商材の取扱いが堅調に推移するなかで、円安環境下で増加した仕入コストの価格転嫁が進んだことに加え、非鉄金属相場の急落を背景とするヘッジ目的の商品先渡取引の評価益により収益を拡大しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比11.9%増の1,471億91百万円、セグメント利益は前連結会計年度比112.8%増の61億35百万円となりました。
食品事業
世界的に水産物需要が高まるなか、各種商品価格が比較的高い水準にあった一方で、円安の影響などによる仕入コストの上昇分の価格転嫁が十分に進まず、利益を下押ししました。また、米国を中心にロシア産のカニの輸入禁止措置がとられたことや欧米を中心とする巣ごもり需要の縮小に伴いカニ相場が下落したことで、連結子会社も含めて商品評価損を計上したことも利益を押し下げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比10.2%増の1,285億78百万円、セグメント損益は9億60百万円の損失(前連結会計年度は、30億24百万円の利益)となりました。
エネルギー・生活資材事業
ウクライナ危機により原油・石油製品価格が高値圏で推移した結果、バンカーオイルを中心に収益を拡大したほか、PKS(パーム椰子殻)やウッドペレットについても、国際的な需要の高まりから取扱数量、単価ともに上昇し、利益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比24.1%増の3,609億76百万円、セグメント利益は前連結会計年度比70.6%増の115億74百万円となりました。
海外販売子会社
東南アジア各国を中心に経済活動の回復が進むなか、インドネシア、シンガポールにおいて徳信鋼鉄有限公司の鋼材を中心に鉄鋼製品の取扱いを伸ばし、収益を拡大しました。この結果、売上高は前連結会計年度比34.5%増の4,492億10百万円、セグメント利益は前連結会計年度比8.3%増の72億78百万円となりました。
その他の事業
木材事業では、ウッドショックの影響から木材価格が高い水準にあったことで売上を伸ばしたものの、円安などの影響による仕入コストの上昇分の価格転嫁が進まず、増収・減益となりました。一方、機械事業では、レジャー施設分野において、前連結会計年度に比べて大型完工物件が増加したことで増収・増益となりました。これらの結果、売上高は前連結会計年度比12.1%増の1,460億40百万円、セグメント利益は前連結会計年度比17.3%減の30億83百万円となりました。
② 財政状態の状況
当社グループにおきましては、商品を対象物とするヘッジ取引のうち、契約に基づき取引先等に評価損益が帰属するヘッジ取引を行っておりますが、先渡取引の契約残高の減少や取引先からの資金の回収並びにロンドン金属取引所における商品先物価格の下落などに伴い、長期差入保証金や未収入金が減少したほか、金融機関からの短期借入金を一部返済しております。その結果、当連結会計年度末の総資産は、長期差入保証金や未収入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末比32.5%減の1兆1,577億47百万円となりました。
負債は、上述の事象に関連し、短期借入金や商品先渡負債が減少したことなどにより、前連結会計年度末比42.4%減の8,489億40百万円となりました。そのうち有利子負債は、前連結会計年度末比47.3%減の3,809億82百万円となり、当連結会計年度末のネット負債倍率は、1.0倍(0.8倍※)となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益からの利益剰余金の積み上がりや為替換算調整勘定などの変動により、前連結会計年度末比28.4%増の3,088億7百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の13.8%(15.3%※)から26.2%(28.3%※)に上昇しました。
※ネット負債倍率及び自己資本比率の( )内の値は、2019年3月に実施した劣後特約付ローン(ハイブリッドロー
ン)500億円について、格付上の資本性(50%)を考慮して算出しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ809億62百万円(49.0%)減少し、841億21百万円となりました。これは主に「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載した通り、長期差入保証金の回収に伴い借入金の返済を行ったことによるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による収入は、2,842億26百万円となりました(前連結会計年度は2,807億52百万円の支出)。これは主に「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載した事象に伴い長期差入保証金や未収入金が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による支出は、前連結会計年度比56.4%減の65億39百万円となりました。これは主に有形固定資産や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得を行ったことによるものです。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、2,776億87百万円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による支出は、3,518億35百万円となりました(前連結会計年度は4,068億20百万円の収入)。これは主に上述の長期差入保証金の回収に伴う借入金の返済によるものです。
④ 受注及び販売の実績
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、前連結会計年度及び当連結会計年度における当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
売上高は、資源高を背景に鋼材や非鉄金属、原油などの商品価格が高水準で推移したことに加え、海外販売子会社の業績拡大が寄与し、前連結会計年度比23.3%増の2兆6,682億28百万円となりました。このうち、国内売上高は前連結会計年度比17.5%増の1兆7,439億28百万円、海外売上高は前連結会計年度比36.1%増の9,242億99百万円となりました。
売上原価は、商品市況の上昇のほか、資源高や円安に伴う仕入コストの増加もあり、前連結会計年度比24.2%増の2兆5,396億86百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、事業拡大に伴う人件費の増加に加え、自粛していた営業活動の再開に伴う旅費交通費や交際費等の増加などにより、前連結会計年度比13.8%増の644億35百万円となりました。
営業外収益は、受取利息や受取配当金、持分法による投資利益が増加したことなどにより、前連結会計年度比106.3%増の173億72百万円となりました。一方、営業外費用は、為替差損が減少したものの、支払利息や支払手数料が増加したことなどにより、前連結会計年度比113.2%増の172億5百万円となりました。
特別利益は、賃貸用資産であった新阪和ビルの売却に伴う固定資産売却益の計上などにより、前連結会計年度比907.3%増の160億63百万円となりました。また、特別損失は、タイ王国所在の連結子会社HANWA THAILAND CO., LTD.が、過年度の付加価値税に係る更正処分を受けたことに伴い、追徴税額等を費用処理したことにより、前連結会計年度比272.5%増の43億75百万円となりました。
法人税等は、課税所得の増加に伴い、前連結会計年度比23.9%増の232億18百万円となりました。
これらの結果、当期純利益は前連結会計年度比18.8%増の527億42百万円となり、その内、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比18.1%増の515億5百万円となりました。また、1株当たり当期純利益の金額は前連結会計年度の1,073.34円に対し、1,267.44円となりました。
③ 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に影響を与える要因は、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
当社の主たる事業である商社事業において影響が大きいものは、商品価格の動向であります。価格のトレンドや国内外の需給動向を確認しながら、売りと仕入のタイミングを図っていきます。特に在庫取引を行う商品については、買う時期と数量を慎重に判断して行います。鉄鋼事業では流通業向け店売り市場が縮小しており、以前ほど大量の在庫を保有することはなくなったため、市況下落による評価損も昨今は限定的ではあるものの、商品価格の変動幅が過去に比べて大きく変動速度も速くなっており、実需以外の要因も影響を及ぼすため、市況動向の見極めが一層重要になっております。
次に、当社グループの取引は掛け売りやユーザンスを与えるものも多く、それらは各取引先に対する厳格な審査・与信管理の下に信用枠を設定しています。取引先の信用状態については、常に各営業担当が確認をしており、会社としても社員の与信管理能力の強化や信用保険・ファクタリング等による債権保全に努めておりますが、不測の倒産等が発生した場合には、売上債権の全額を回収できずに貸倒れとなることもあり、全体の損益が影響を受けることがあります。
海外との取引においては、決済通貨と表示通貨が異なる場合に、表示通貨への換算の際に為替変動の影響を受けます。個別の取引においては、原則として為替予約などにより為替変動による影響を最小限にするように対処しておりますが、決算期末での債権債務の期末レートへの換算替えにおいては、評価損益が発生することがあり、変動幅や速度によっては、全体の損益が影響を受けることがあります。
資本政策に関しては、当社グループは運転資金や投融資資金を金融機関からの借入や社債発行などにより調達しており、金利変動や金融市場の動向、格付などにより、事業の採算や借入コストが影響を受けます。取引仲介における口銭や手数料収入の利率を金利変動に応じて変動させたり、金利スワップ等でコストの増加を抑制するなどの対応をしてはおりますが、金融市場の大きな変動の中では全体の損益が影響を受けることがあります。
そのような事業環境のなか、当社グループは、事業領域の拡大や将来収益の源泉を確保するために、既存の商社事業を土台としながら、バリューチェーンのより広い範囲に積極的な事業投資を展開しております。投資に際しては、専門家によるデューディリジェンスの実施や、投資等審査委員会などによる収益性の検証及びリスクの洗い出し等を行っておりますが、当初予定していた事業計画が大きく下振れした場合や予測が困難であった重要な偶発的事象が発生した場合などには、全体の損益が影響を受けることがあります。特に大規模な開発型案件や資源分野などへの投資については、収益性のボラティリティが高い傾向にあるため、経営会議や取締役会などにおいて定期的なモニタリングを実施しております。
また、当社グループは様々な商品やサービスを取り扱っており、その品質については、仕入先や委託加工先と提携して万全を期していますが、時に品質基準を満たさないもの、不良なものが発生することがありえます。従来、品質に問題があった場合には仕入先や加工先に一義的な保証責任がありましたが、品質欠陥に対する社会的な影響が大きくなっている昨今、商社も品質管理に一層の注意を払うことが必要になっており、その対応によっては保証費用や信用低下などにより全体の損益が影響を受けることがあります。当社では、品質安全環境管理部による定期的なモニタリングを基に、協力業者も含めた品質管理体制の強化を進めています。
当社グループとしては、上記以外の業績に影響を与えるリスク要因に対しても、あらかじめ可能な限り対処策を講じることで、影響の軽減に努めてまいります。
④ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,842億26百万円の収入となりました(前連結会計年度は2,807億52百万円の支出)。これは、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」などに記載した事象に伴い、長期差入保証金や未収入金が減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて84億54百万円少ない65億39百万円の支出となりました。これは、本社及び子会社における加工設備等の取得や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得などによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,518億35百万円の支出となりました(前連結会計年度は4,068億20百万円の収入)。これは、上述の長期差入保証金の回収に伴う借入金の返済によるものです。
当社グループは持続可能な企業成長のために必要なレベルの流動性の確保と財務的な健全性・安定性維持を方針としており、資金調達にあたっては、多様化を図るべく、資本市場における社債並びにコマーシャル・ペーパー発行による調達を随時行いつつも、主に長期借入金を中心に調達を行ってまいりました。そうしたなか、今般のウクライナへのロシアによる軍事侵攻に端を発した、ロンドン金属取引所における先物商品価格の急騰を受けて、当該取引等に係る長期差入保証金が発生し、その対応策として前連結会計年度にコミットメントライン契約の実行及び短期借入金による資金調達を行ったことにより、有利子負債金額及びそれに占める短期調達の比率が増加しましたが、先渡契約の契約残高の減少や取引先からの資金の回収などに伴い、当連結会計年度末時点で有利子負債額及び短期調達の比率は減少しております。
今後も引き続き当社グループとしましては、資産の見直しや、資金効率の向上及び、調達期間の長期化を進め、財務的な安定性の維持を図っていく所存です。また、流動性維持のために、金融機関との間で総額1,500億円のコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末現在において全額未使用となっております。
社債につきましては、市場環境や財政状態の変化に対応した機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当連結会計年度末現在の国内公募普通社債発行登録枠の未使用枠は、300億円であります。
長期借入金のうち、500億円は劣後特約付ローン(ハイブリッドローン)であり、持続可能な企業成長のための資金確保と財務的な健全性の両立を目的として2019年3月に調達を行っております。本ハイブリッドローンは、資本と負債の中間的な性質を持ち、格付機関は残高の50%である250億円を資本と同等に扱っております。
有利子負債においては、資産側の通貨属性を考慮し、適宜外貨建て借入や、通貨金利スワップ、為替予約を締結することで、資産の内容に見合った調達を図っております。
また、連結ベースの資金管理体制については、国内子会社においては原則キャッシュ・マネジメント・サービスを導入しており、海外子会社に対しても現地借入から親子ローンへの切替え促進を行っており、これらの取組によりグローバル財務マネジメントの強化を図っております。
⑤ セグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容
鉄鋼事業の売上高は前連結会計年度比25.2%増の1兆2,621億30百万円、セグメント利益は前連結会計年度比20.8%減の284億77百万円となりました。鋼材需要は製造業分野、建築土木分野ともに堅調に推移しました。一方、供給面においては、世界経済の成長鈍化に伴い、粗鋼生産量及び鋼材流通量は前年に比べ減少しました。このようななか、当社の取扱数量は、海外で進めている地産地消型ビジネスモデルが貢献し、前連結会計年度同水準を確保したほか、鋼材価格への製造コスト上昇分の転嫁が浸透したこともあり、増収となりました。利益面については、鋼材価格の上昇基調が一段落したことや一部の海外子会社を中心に利幅を縮小したことから減益となりました。
プライマリーメタル事業の売上高は前連結会計年度比35.7%増の2,740億37百万円、セグメント利益は前連結会計年度比92.3%増の139億34百万円となりました。ステンレス需要の低迷を背景にステンレス母材やクロム系合金鉄などの取扱いが減少した一方、電池需要の高まりなどからニッケルなどの商品価格が昨年度に比べて高水準で推移しました。また利益面では、戦略的投資先からの配当収入が増加したことに加え、持分法適用関連会社であるSAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LTD.に係る持分法による投資利益の増加が寄与し、大幅な増益となりました。
リサイクルメタル事業の売上高は前連結会計年度比11.9%増の1,471億91百万円、セグメント利益は前連結会計年度比112.8%増の61億35百万円となりました。アルミ屑や銅屑の発生量が減少するなかで、取扱数量は底堅さを維持し、また、仕入コストの価格転嫁も進みました。利益面については、商品在庫等の価格変動リスクをヘッジするデリバティブ取引残高において評価益を計上したことも奏功し、増益となりました。
食品事業の売上高は前連結会計年度比10.2%増の1,285億78百万円、セグメント損益は9億60百万円の損失(前連結会計年度は30億24百万円の利益)となりました。取扱数量は微減となったものの、世界的な水産物需要の高まりなどから各種商品価格は高水準にありました。利益面については、商品価格の上昇局面が続くなかで利幅を拡げたほか、国内子会社の採算改善が寄与した一方で、仕入コスト増加影響分の価格転嫁が十分に進まなかったことに加え、米国における販売子会社であるSEATTLE SHRIMP & SEAFOOD COMPANY, INC.でもカニ相場が下落したことに伴う商品評価損を計上したことで減益となりました。
エネルギー・生活資材事業の売上高は前連結会計年度比24.1%増の3,609億76百万円、セグメント利益は前連結会計年度比70.6%増の115億74百万円となりました。原油・石油製品価格は、ウクライナ危機の影響から一段と高値圏で推移しました。また、代替燃料需要の高まりを受けて市場価格の上昇したPKS(パーム椰子殻)やウッドペレットなどのバイオマス燃料の取扱いを伸ばしました。これらの結果、当事業セグメントは増収・増益となりました。
海外販売子会社の売上高は前連結会計年度比34.5%増の4,492億10百万円、セグメント利益は前連結会計年度比8.3%増の72億78百万円となりました。東南アジアで経済活動の回復が進む中、インドネシア及びシンガポールにおいて、徳信鋼鉄有限公司をはじめとする戦略的投資先の製品及び半製品の取扱いを一段と増やしたほか、バリューチェーンの各段階で取引を拡げ、収益を伸ばしました。また、米国や上海においても鋼材などの取扱いを増やしました。これらの結果、当事業セグメントは増収・増益となりました。
その他の事業の売上高は前連結会計年度比12.1%増の1,460億40百万円、セグメント利益は前連結会計年度比17.3%減の30億83百万円となりました。木材事業では、住宅メーカー向けの直接取引において、取扱品目を拡大したほか、ウッドショックの影響から木材価格が高値で推移した一方で、仕入コストの上昇分の価格転嫁が進まず、増収・減益となりました。また、機械事業においては、前年同期に比べて完工物件が増加したことから増収・増益となりました。これらの結果、その他の事業においては増収・減益となりました。
特記すべき事項はありません。
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。
(2023年3月31日現在)
(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、「機械及び装置」、「車両運搬具」、「工具、器具及び備品」、「リース資産」及び「建設仮勘定」の合計であります。
2 「従業員数」の[外書]は、臨時従業員の年間平均雇用人員数であります。
3 建物の一部を連結会社以外から賃借しております。なお、年間賃借料は1,135百万円であります。
4 建物の一部を連結会社以外から賃借しております。なお、年間賃借料は168百万円であります。
5 建物の一部を連結会社以外から賃借しております。なお、年間賃借料は45百万円であります。
6 現在休止中の主要な設備はありません。
(2023年3月31日現在)
(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、「機械装置及び運搬具」、「工具、器具及び備品」、「建設仮勘定」及び「リース資産」の合計であります。
2 「従業員数」の[外書]は、臨時従業員の年間平均雇用人員数であります。
3 「建物及び構築物」、「土地」及び「その他」の一部を提出会社から賃借しております。
4 現在休止中の主要な設備はありません。
(2023年3月31日現在)
(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、「機械装置及び運搬具」、「工具、器具及び備品」、「建設仮勘定」及び「リース資産」の合計であります。
2 「従業員数」の[外書]は、臨時従業員の年間平均雇用人員数であります。
3 土地を連結会社以外から賃借しております。
4 現在休止中の主要な設備はありません。
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 2017年6月29日開催の第70回定時株主総会決議により、2017年10月1日付で当社普通株式5株を1株に株式併合いたしました。これにより、発行済株式総数は169,330,560株減少し、42,332,640株となっております。
(2023年3月31日現在)
(注) 1 自己株式1,695,653株は、「個人その他」に16,956単元、「単元未満株式の状況」に53株含まれております。
2 「その他の法人」には、証券保管振替機構名義の株式54単元が含まれております。
(2023年3月31日現在)
(注) 上記のほか、当社所有の自己株式1,695千株(持分比率4.01%)があります。
1 報告セグメントの概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、鉄鋼を中心とした各種の商品売買を主たる事業とし、主に取扱商品またはサービスの内容別の営業部門によって事業活動を行っております。
したがって、当社グループは、営業部門を基礎とした事業セグメントから構成されており、「鉄鋼事業」、「プライマリーメタル事業」、「リサイクルメタル事業」、「食品事業」、「エネルギー・生活資材事業」及び「海外販売子会社」の6つを報告セグメントとしております。
各報告セグメントに属する主な取扱商品またはサービスの内容は、以下のとおりであります。
(注) 当社グループにおけるサービスの内容は、( )で示しております。